JP4962377B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
従来、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)の定着方式としては、常温で圧力ロールのみを用いる圧力定着方式、加熱ロール等を用いる接触加熱型定着方式や、オーブン加熱によるオーブン定着方式、キセノンランプ等によるフラッシュ定着方式、マイクロ波等による電磁波定着方式、溶剤蒸気を用いる溶剤定着方式等の非接触定着方式が挙げられるが、熱を用いたオーブン定着方式や接触加熱型定着方式は信頼性や安全性の面から主に使用されている。
特に、加熱ロールやベルト等を用いる接触加熱型定着方式は、通常加熱源を設けた加熱ロールまたはベルトと加圧ロールまたはベルトとから構成され、加熱ロールまたはベルト表面に被記録体のトナー画像面を圧接触させながら通過させることにより定着を行うものであり、加熱ロールまたはベルト表面と被記録体のトナー画像面とが直接接触するため、熱効率が有効で迅速に定着を行うことができるという特徴を有しており、広く採用されている。
一方、省エネ、環境負荷と高画質を両立するため、重縮合系トナーに結晶性樹脂を含有することが知られている。例えば、結晶性樹脂を含有するトナーを用い、該結晶性樹脂の融点以上の温度で加熱する画像形成方法が提案がされている(例えば、特許文献1参照)。また、示差走査熱量測定における、1回目の昇温過程及び2回目の昇温過程での吸熱ピークに基づく吸熱量の関係を規定したトナーが提案されている(例えば、特許文献2参照)。更に、示差走査熱量測定における、トナーの融点ピーク高さの低温側の半分となる温度と、凝集粒子の加熱温度と、トナーの融点との関係を規定したトナーが提案されている(例えば、特許文献3参照)
特開2006−3390号公報 特開2006−251564号公報 特開2006−267731号公報
前記重縮合系トナーは、一般的に結晶性樹脂を含有させる場合、バインダー樹脂中での相溶度合い、離型剤の相溶度合いの制御が難しく。分離傾向が顕著になりやすい。結果として、低温定着性が損なわれ、更に極端に分離する場合は高速機などでの定着画像欠陥(画像のグロスムラ、離型部材マーク、画像接触面固着等)が生じやすくなる。特許文献1に記載の画像形成方法は、ロール当接痕の発生を抑制し、光沢度の高い画像が形成することを目的とし、特許文献2に記載のトナーは、粒状感のない淡色を再現することを目的とし、特許文献3に記載のトナーは、保存性、画像保存安定性を向上させることを目的としたもので、それぞれ更なる改良が望まれている。
本発明は、定着画像における光沢ムラ、離型部材マークを抑制し、低温定着が可能な静電荷像現像用トナー、該静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤、該静電荷像現像用トナーが収められたトナーカートリッジ、該静電荷像現像剤を用いるプロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することを目的とする。ここでいう離型部材マークとは、低温定着トナーにおいて定着温度が高い場合、定着機より排出された画像支持体上の画像が十分冷却されていないまま定着機中の剥離部材(ロール状、爪状など)に接触することで定着画像に傷を生じるものを指す。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち、
請求項1に係る発明は、
2種類以上の非晶性樹脂、結晶性樹脂及び前記結晶性樹脂の融点Tmc(℃)よりも高い融点Tmw(℃)の離型剤を含有し、
前記結晶性樹脂の融点Tmc(℃)と、前記離型剤の融点Tmw(℃)との差の絶対値ΔTmが、10(℃)以上30(℃)以下であり、
ASTMD3418−8に準拠した示差走査熱量測定における、1回目の昇温過程での、前記結晶性樹脂における最大の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl1、前記離型剤における最大の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh1、2回目の昇温過程での、前記結晶性樹脂における最大の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl2、前記離型剤における最大の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh2としたとき、下記式(1)及び式(2)の関係を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
0.15<ΔHl2/ΔHl1<0.45 ・・・ 式(1)
0.75<ΔHh2/ΔHh1<0.95 ・・・ 式(2)
請求項2に係る発明は、
無機研磨剤及び平均一次粒子径が50nm以上100nm以下の無機添加剤が外添されていることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項3に係る発明は、
トナーを含み、該トナーが請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。
請求項4に係る発明は、
トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジである。
請求項5に係る発明は、
現像剤保持体を少なくとも備え、請求項3に記載の静電荷像現像剤を収めることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項6に係る発明は、
潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項3に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、
プロセススピードが350mm/s以上であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、定着画像における光沢ムラ、離型部材マークを抑制し、低温定着が可能な静電荷像現像用トナーを提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、トナー保管性維持しつつ画像表面に露出する離型剤の均一性がより向上し、保存安定性が向上することにより、画像欠陥がより抑制される。
請求項3に係る発明によれば、定着画像における光沢ムラ、離型部材マークを抑制し、低温定着が可能な静電荷像現像剤を提供することができる。
請求項4に係る発明によれば、定着画像における光沢ムラ、離型部材マークを抑制し、低温定着が可能な静電荷像現像用トナーを供給するトナーカートリッジを提供することができる。
請求項5に係る発明によれば、定着画像における光沢ムラ、離型部材マークを抑制し、低温定着が可能なプロセスカートリッジを提供することができる。
請求項6に係る発明によれば、定着画像における光沢ムラ、離型部材マークを抑制し、低温定着が可能な画像形成装置を提供することができる。
請求項7に係る発明によれば、高速運転においても、定着画像における光沢ムラ、離型部材マークを抑制し、低温定着が可能である、という効果を維持できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態の静電荷像現像用トナー(以下、「本実施形態のトナー」という場合がある。)は、結晶性樹脂及び離型剤を含有し、前記結晶性樹脂の融点Tmc(℃)と、前記離型剤の融点Tmw(℃)との差の絶対値ΔTmが、10(℃)以上30(℃)以下であり、ASTMD3418−8に準拠した示差走査熱量測定における、1回目の昇温過程での、低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl1、高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh1、2回目の昇温過程での、低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl2、高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh2としたとき、下記式(1)及び式(2)の関係を満たすことを特徴とする。ASTMD3418−8に準拠した示差走査熱量測定では、結晶性樹脂及び離型剤に起因する2つの吸熱ピークが発生するが、本実施形態においては1回目及び2回目の昇温過程それぞれにおいて、低温側の吸熱ピーク、高温側の吸熱ピークについて、下記式(1)及び式(2)の関係を規定した。
0.15<ΔHl2/ΔHl1<0.45 ・・・ 式(1)
0.75<ΔHh2/ΔHh1<0.95 ・・・ 式(2)
ただし、本実施形態のトナーにおいては、2種類以上の非晶性樹脂を含有し、結晶性樹脂の融点Tmc(℃)よりも離型剤の融点Tmw(℃)が高く、低温側の吸熱ピークは結晶性樹脂における最大の吸熱ピーク、高温側の吸熱ピークは離型剤における最大の吸熱ピークとする。
本実施形態のトナーは、結晶性樹脂及び離型剤を含有するが、前記結晶性樹脂の融点Tmc(℃)と、前記離型剤の融点Tmw(℃)との差の絶対値ΔTmが、10(℃)以上30(℃)以下であり、15(℃)以上25(℃)以下であることが好ましく、17(℃)以上23(℃)以下であることがより好ましい。前記ΔTmが10(℃)未満であると、前記式(1)及び式(2)の関係をみたすことが困難になる場合があり、30(℃)を超える場合、具体的には離型剤の融点が高すぎる場合は離型性が低下しオフセットを生じやすく、結晶性樹脂の融点が低すぎる場合は、トナーが低粘度化し室温付近での保存安定性が低下したり、トナーが現像機内で熱履歴をうけた場合に流動性が低下する場合がある。
また、トナー溶融時に十分相溶し低粘度化し低温定着性を付与する観点、かつ、室温付近でもトナーとして安定で十分な粉体流動性を付与する観点から、前記結晶性樹脂の融点Tmw(℃)は、55(℃)以上90(℃)以下であることが好ましく、60(℃)以上86(℃)以下であることがより好ましい。更に、低温での十分な離型性と高温下での離型性を維持する観点で、前記離型剤の融点Tmw(℃)は、80(℃)以上110(℃)以下であることが好ましく、85(℃)以上100(℃)以下であることがより好ましい。
本実施形態のトナーは、ASTMD3418−8に準拠した示差走査熱量測定における、1回目の昇温過程での、低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl1、高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh1、2回目の昇温過程での、低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl2、高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh2としたとき、前記式(1)及び式(2)の関係を満たす。
ASTMD3418−8に準拠してこのトナーについて示差走査熱量測定(DSC)を行った場合、1回目の昇温過程は実機における熱定着工程に相当し、2回目の昇温過程は定着後の画像の熱安定性に対応していると考えられる。また、前記1回目、2回目の昇温過程において求められるトナー中の低温側成分(結晶性樹脂、離型剤のうちの融点が低い成分、結晶性樹脂、離型剤の融点が上記好ましい範囲であれば、結晶性樹脂が低温側成分となる。)の融解ピーク(低温側の吸熱ピーク)に基づく各々の吸熱量ΔHl1、ΔHl2の比ΔHl2/ΔHl1は、トナーの定着前後の前記低温側成分の結晶化比率変化を表しており、言い替えれば、定着時の熱エネルギーによりいったん溶融状態となった低温側成分が冷却により再結晶化する比率を表している。
一方、前記1回目、2回目の昇温過程において求められるトナー中の高温側成分(結晶性樹脂、離型剤のうちの融点が高い成分、結晶性樹脂、離型剤の融点が上記好ましい範囲であれば、結晶性樹脂が低温側成分となる。)の融解ピーク(高温側の吸熱ピーク)に基づく各々の吸熱量ΔHh1、ΔHh2の比ΔHh2/ΔHh1は、トナーの定着前後の前記高温側成分の結晶化比率変化を表しており、言い替えれば、定着時の熱エネルギーによりいったん溶融状態となった高温側成分が冷却により再結晶化する比率を表している。
前記ΔHl2/ΔHl1は、0.15より大きく、0.20より大きいことが好ましく、0.25より大きいことがより好ましい。前記ΔHl2/ΔHl1が0.15以下になると、トナーの保管性が悪化してしまう。
一方、前記ΔHl2/ΔHl1は、0.45より小さく、0.40より小さいことが好ましく、0.35より小さいことがより好ましい。前記ΔHl2/ΔHl1が0.45以上になると、低温定着性が損なわれ、光沢ムラが顕著になる。
前記ΔHh2/ΔHh1は、0.75より大きく、0.80より大きいことが好ましく、0.85より大きいことがより好ましい。前記ΔHh2/ΔHh1が0.75以下になると、離型性が悪化してしまう。
一方、前記ΔHh2/ΔHh1は、0.95より小さく、0.93より小さいことが好ましく、0.90より小さいことがより好ましい。前記ΔHh2/ΔHh1が0.95以上になると、トナー表面での離型成分の露出が顕著になる、画像表面の結晶成分露出が顕著になり光沢ムラなどが顕著になってしまうなどの問題がある。
本実施形態のトナーは、無機研磨剤及び一次粒子径が50nm以上100nm以下の無機添加剤が外添されていることが好ましい。無機研磨剤及び一次粒子径が50nm以上100nm以下の無機添加剤が外添されていることにより、トナー保管性維持しつつ画像表面に露出する離型剤の均一性がより向上し、保存安定性が向上することにより、画像欠陥がより抑制される。無機研磨剤及び一次粒子径が50nm以上100nm以下の無機添加剤の詳細は後述する。
前述の吸熱量の測定を含め、本実施形態における示差熱分析はASTMD3418−8に準拠した示差走査熱量測定により行なわれるが、この測定は、具体的には図1に示すような温度プロファイルにて行なった。
すなわち、まず自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(DSC−50)に測定対象のトナーをセットし、10℃/分の昇温速度で室温から150℃まで加熱して(1回目の昇温過程)温度(℃)と熱量(mW)との関係を求め、次に、10℃/分の降温速度で0℃まで冷却し、再度これを10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱して(2回目の昇温過程)データを採取した。このとき、0℃および150℃にてそれぞれ5分間ずつホールドした。
このときのDSC曲線(吸熱・発熱曲線)の一例を概念図として図2に示す。1回目、2回目の昇温過程ともに図2に示すような曲線が得られ、これらの各々について、結晶性ポリエステル樹脂の融解に基づく吸熱ピークのピークトップDからTm1を、ベースラインからの立ち上がり部分(BとCとを結んで囲まれる部分)の面積から吸熱量ΔHを求めた。
次に、本実施形態の静電荷像現像用トナーの構成、製造方法について説明する。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結晶性樹脂を含むバインダー樹脂(結着樹脂)及び離型剤を含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。本実施形態のトナーについて、まず各構成成分に分けて詳細に説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂に含まれる結晶性樹脂としては、結晶性を持つ樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への接着性や帯電性、および好ましい範囲での融点調整の観点から結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また、適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。尚、本実施形態において、「結晶性樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性樹脂と呼ぶ。
前記結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。
尚、本明細書において、”(メタ)アクリル”なる記述は、”アクリル”および”メタクリル”のいずれをも含むことを意味するものである。
−結晶性ポリエステル樹脂−
−結晶性樹脂−
トナー母粒子に含有される結晶性樹脂の含有量としては、2質量%以上30質量%以下の範囲内が好ましく、3質量%以上15質量%以下の範囲内がより好ましい。結晶性樹脂の含有量が2量%未満では、低温域での定着が困難となる場合がある。また、結晶性樹脂の含有量が30質量%を超えると、特に中温域や高温域で定着を実施する場合に光沢ムラが発生しやすくなったり、フィルミングが発生しやすくなる場合がある。尚、本実施形態のトナーは、後述するように外添剤が添加されていることが好ましく、本明細書において、外添剤が添加される前のトナーを「トナー母粒子」という場合がある。
また、結晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、5000以上であることが好ましく、7000以上であることがより好ましい。数平均分子量(Mn)が、7000未満であると、定着時にトナーが紙等の記録媒体の表面へしみ込んで定着ムラを生じたり、定着された画像の折り曲げに対する耐性が低下してしまう場合がある。
結晶性樹脂としては、既述したように結晶性ポリエステル樹脂や結晶性ビニル系樹脂等が利用できるが、定着時の紙への接着性や帯電性、上述した範囲を満たす融点が容易に得られる観点から結晶性ポリエステル樹脂を利用することが好ましく、特に所望の融点を有する樹脂が得られ易いことから脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
前記結晶性ビニル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。尚、本明細書において、“(メタ)アクリル”なる記述は、“アクリル”および“メタクリル”のいずれをも含むことを意味するものである。
一方、前記結晶性ポリエステル樹脂は、カルボン酸(ジカルボン酸)成分と、アルコール(ジオール)成分とから合成されたものが利用できる。
以下、カルボン酸成分、およびアルコール成分について、さらに詳しく説明する。尚、本明細書において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、結晶性ポリエステル樹脂の主鎖に対して、他成分を50質量%以下の割合で共重合した共重合体も意味する。
上記カルボン酸成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく、特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。
前記カルボン酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分等の構成成分が含まれていることが好ましい。尚、前記二重結合を持つジカルボン酸成分には、二重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
前記二重結合を持つジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いることができる。このジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、粒子を作製する際にスルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁が可能である。このスルホン酸基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるがこれらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
これらの脂肪族ジカルボン酸成分以外のカルボン酸成分(二重結合を持つジカルボン酸成分および/またはスルホン酸基を持つジカルボン酸成分)の、カルボン酸成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%がより好ましい。
前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、着色剤として顔料を用いるとトナー母粒子中の顔料の分散性が悪化する場合がある。
また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなる場合がある。また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が小さ過ぎるため、その後の凝集が困難になる場合がある。尚、本発明において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(カルボン酸成分、アルコール成分)を1単位(モル)したときの百分率を指す。
一方、前記アルコール構成成分としては脂肪族ジオールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、この限りではない。
前記アルコール成分は、脂肪族ジオール成分の含有量が80構成モル%以上であることが好ましく、必要に応じてその他の成分を含む。前記アルコール成分としては、前記脂肪
族ジオール成分の含有量が90構成モル%以上であることがより好ましい。
前記含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性および、低温定着性が悪化してしまう場合がある。一方、必要に応じて含まれるその他の成分としては、二重結合を持つジオール成分、スルホン酸基を持つジオール成分等の構成成分が挙げられる。
前記二重結合を持つジオールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。一方、前記スルホン酸基を持つジオールとしては、例えば、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
これらの直鎖型脂肪族ジオール成分以外のアルコール成分を加える場合(二重結合を持つジオール成分、および/または、スルホン酸基を持つジオール成分)の、アルコール成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%がより好ましい。前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が不良となったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎてその後の凝集が生じにくくなる場合がある。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させる。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重縮合させるとよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の融点としては、60〜120℃の範囲であることが好ましく、60〜100℃の範囲であるのがより好ましい。前記融点が60℃未満であると、トナー化する際に融点が低下し、本実施形態においてトナーとして必要な50℃以上の融点を保つことが困難となり、粉体の凝集が起こり易くなったり、定着画像の保存性が悪くなったりすることがある。一方、120℃を超えると、やはりトナー化により融点低下が生じても、本実施形態におけるトナーとしての85℃以下の融点を満足することが困難であり、低温定着ができなくなる場合がある。
なお、本実施形態においては結晶性樹脂の融点がポイントの一つとなっているが、この融点はトナー化した状態の融点である(離型剤の融点も同様)。材料としての結晶性樹脂の融点と、それを用いたトナーにおける融点は密接な関係に有るが、その関係は本実施形態における構成要件の一つである非晶性樹脂の構造や配合比、あるいはトナー製造条件等によっても変動するため、前記結晶性樹脂単独での融点を限定するものではない。
本実施形態において、前記結晶性樹脂の融点の測定には、前記示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時の、ASTM D3418−8に準拠した示差熱分析測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、上記測定において複数の融解ピークを示す場合があるが、本実施形態においては、最大のピーク温度をもって融点とみなす。
−非晶性樹脂−
本実施形態のトナーに使用される非晶性樹脂としては、例えば、従来公知の熱可性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。
これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の中でもビニル系樹脂やポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合により平均粒径が1μm以下の樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。前記ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなどのビニル系高分子酸やビニル系高分子塩基の原料となるモノマーが好ましく挙げられる。
本実施形態においては、前記樹脂粒子が、前記ビニル系モノマーをモノマー成分として含有していることが好ましい。本実施形態においては、これらのビニル系モノマーの中でも、ビニル系樹脂の形成反応の容易性等の点でビニル系高分子酸がより好ましく、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などのカルボキシル基を解離基として有する解離性ビニル系モノマーが、重合度やガラス転移点の制御の点で特に好ましい。
なお、前記解離性ビニル系モノマーにおける解離基の濃度は、例えば、高分子ラテックスの化学(高分子刊行会)に記載されているような、トナー粒子等の粒子を表面から溶解して定量する方法などにより決定することができる。なお、前記方法等により、粒子の表面から内部にかけての樹脂の分子量やガラス転移点を決定することもできる。
一方、本実施形態のトナーにおいて、非晶性樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合には、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。乳化分散に用いる無定形のポリエステル樹脂は多価カルボン酸と多価アルコールとを脱水縮合して合成される。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールの中、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られたポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸および/またはモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基および/またはカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
前記ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、前記結晶性ポリエステル樹脂において説明した方法と同様の方法を用いることができる。
本実施形態における非晶性樹脂の重量平均分子量は7000〜100000の範囲であることが好ましい。また、数平均分子量は2500〜20000の範囲であることが好ましい。これらの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる分子量測定(ポリスチレン換算)により求めることができる。
本実施形態における非晶性樹脂のガラス転移温度は、45〜65℃の範囲であることが好ましく、50〜65℃の範囲であることがより好ましい。ガラス転移温度が45℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像器中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が65℃を超えると、トナーの定着温度が高くなってしまい好ましくない。
(着色剤)
本実施形態のトナーにおける着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。顔料を1種単独で用いてもよいし、同系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。また異系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。
前記着色剤としては、具体的には、例えばファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;ベンガラ、アニリンブラック、紺青、酸化チタン、磁性粉等の無機顔料;ファストイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン(3B、6B等)、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;等が挙げられる。
また、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、パラブラウンなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;等が挙げられる。これらの着色剤に透明度を低下させない程度にカーボンブラック等の黒色顔料、染料を混合してもよい。また、分散染料、油溶性染料等も挙げられる。
本実施形態の静電荷像現像用トナーにおける前記着色剤の含有量としては、前記結着樹脂100質量部に対して、1〜30質量部の範囲が好ましいが、定着後における画像表面の平滑性を損なわない範囲で、かかる数値範囲の中でもできるだけ多い方が好ましい。着色剤の含有量を多くすると、同じ濃度の画像を得る際、画像の厚みを薄くすることができ、オフセットの防止に有効な点で有利である。
なお、前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
−その他の成分−
本実施形態のトナーを構成する成分としては、既述したように、少なくとも結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを含むものであれば特に限定されないが、必要に応じて、離型剤等の他の成分を含んでいてもよい。また、本実施形態のトナーの製造方法は特に限定されるものではないが、湿式造粒法を用いることが好ましい。
前記離型剤は、一般に離型性を向上させる目的で使用される。
前記離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。
本実施形態において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に本実施形態においては、トナーにおける前記結晶性ポリエステル樹脂に基づく吸熱ピークのピーク温度TmcとTmcより高温度側に融点Tmwを有する少なくとも1種以上の離型剤を用いることが好ましい。そして、上記低温度側の結晶性樹脂の融点は60〜100℃の範囲が好ましく、上記高温度側の離型剤の融点は70〜105℃の範囲であることが好ましい。
また、2種類の離型剤を用いる場合には、結晶性樹脂のシャープな融解に基づく低温定着化に加え、低温度側での剥離特性と、高温度側での剥離特性及び耐オフセット特性とを向上させることができる。
これらの離型剤の添加量としては、トナー全量に対して、0.5〜50質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%の範囲である。
本実施形態のトナーは、既述のように、無機研磨剤及び平均一次粒子径が50nm以上100nm以下の無機添加剤が外添されていることが好ましい。
前記無機研磨剤としては、平均一次粒子径が100nm以上1000nm以下であることが好ましく、具体的には、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr、Ceなどの酸化物や複合酸化物が挙げられ、特にシリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、セリウムなどが用いられる。更に、これらの酸化物はトナー粒子同士あるいはトナー粒子と感光体表面、帯電部材、クリーニング部材などの間に存在して接点での圧力を低下させる役割を果たすことから、潤滑材料を含んでいることが好ましい。潤滑材料として代表的なのがフッ素処理であり、フッ素含有無機微粒子としては酸化セリウムのように原料鉱石(バネストサイト)を粉砕、湿式で処理、ろ過、焼成、解砕、分級し得られる。
あるいは、フッ素含有表面処理剤で処理する方法を用いることもできる。処理剤としてはトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリクロロシラン、トリデカフルオロデシルトリクロロシランなどのフッ素含有シラン化合物で処理することもできる。処理量としては1〜40質量部が好ましく、更には5〜25質量部が好ましい。処理量が前記範囲より下回る場合、トナー粒子同士、あるいはトナー粒子と感光体表面、帯電部材、クリーニング部材などの間の潤滑性が低下する場合がある。
本実施形態のトナーにおける無機研磨剤の好ましい外添量は、トナー母粒子100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上1.5質量部以下であり、0.65質量部以上1.35質量部以下であることがより好ましい。
また、前記一次粒子径が50nm以上100nm以下の無機添加剤(以下、「特定無機添加剤」という場合がある。)としては、平均一次粒子径が60nm以上90nm以下であることが好ましく、具体的には、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr、Ceなどの酸化物や複合酸化物が挙げられ、特にシリカ、チタニア、アルミナなどが用いられ、形状、粒子径が揃っている観点で、ゾルゲル法で作製されたシリカ、アルミナ、チタニアが特に好ましい。尚、無機研磨剤及び特定無機添加剤の平均一次粒子径はマイクロトラックなど公知の測定機により求められる。
本実施形態のトナーにおける特定無機添加剤の好ましい外添量は、トナー母粒子100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上2.5質量部以下であり、0.7質量部以上2.0質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態のトナーに用いられ得る前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、無機粒子(前記無機研磨剤及び特定無機添加剤以外のもの。)、有機粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
前記無機粒子は、一般にトナーの流動性を向上させる目的で使用される。該無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
前記無機粒子の平均1次粒子径(数平均粒子径)としては、1〜1000nmの範囲が好ましく、その添加量(外添)としては、トナー100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲が好ましい。
前記有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性、時には帯電性を向上させる目的で使用される。前記有機粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン−アクリル共重合体等の粒子が挙げられる。
前記帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。前記帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、前記結着樹脂を含有するコア粒子の表面が表面層によって覆われた構造であってもよい。該表面層は、トナー全体の力学特性、溶融粘弾性特性に大きな影響を与えないことが好ましい。例えば、非溶融、或いは高融点の表面層がトナーを厚く覆っていると、結晶性ポリエステル樹脂を用いたことによる低温定着性を十分に発揮し得なくなる。
従って、表面層の膜厚はできるだけ薄いことが好ましく、具体的には、0.001〜1μmの範囲内であることが好ましい。前記範囲の薄い表面層を形成するためには、結着樹脂、その粒子、着色剤の他、必要に応じて添加される無機粒子、その他の材料を含む粒子の表面を化学的に処理する方法が好適に使用される。
表面層を構成する成分としては、シランカップリング剤、イソシアネート類、あるいはビニル系モノマー、樹脂、及びその粒子等が挙げられる。また、当該成分には、極性基が導入されていることが好ましく、化学的に結合されることにより、トナーと紙等の被記録体との接着力が増加する。
前記極性基としては、分極性の官能基であれば如何なるものでもよく、例えば、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、エーテル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イミド基、エステル基、スルホン基等が挙げられる。
本実施形態においては、トナー表面に離型剤などが露出することによる粉体流動性の悪化や、保管時のブロッキングを抑制するなどの観点から、前記コア粒子表面を被覆樹脂で被覆してなることが好ましい。
化学的に処理する方法としては、例えば、過酸化物等の強酸化物質、オゾン酸化、プラズマ酸化等により酸化する方法、極性基を含む重合性モノマーをグラフト重合、シード重合により結合させる方法等が挙げられる。
また、トナー粒子表面に、先の物質を化学的若しくは物理的に付着させて、表面層を設けてもよい。例えば、樹脂粒子をトナーと共に機械力をもちいて、トナー母粒子の外側にコートさせることもでき、このような方法は、トナー母粒子の帯電特性を調整するのに好適である。前記樹脂粒子としては、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂などが挙げられる。コートの際に使用されるミキサーとしては、サンプルミル、ヘンシェルミル、Vブレンダー、ハイブリダイザー等が挙げられる。
さらに、金属、金属酸化物、金属塩、セラミック、樹脂、カーボンブラック等の粒子を、帯電性、導電性、粉体流動性、潤滑性等を改善する目的でさらに外添してもよい。
本実施形態におけるトナーの体積平均粒径は3μm以上9μm以下の範囲が好ましく、3μm以上8μm以下の範囲がより好ましい。体積平均粒径が3μm未満では、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがあり、9μmを超えると、画像の解像性が低下する場合がある。
また、トナーの粒子径分布指標としては、体積平均粒度分布指標GSDvが大きくとも1.35であり、かつ該体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比GSDv/GSDpを少なくとも0.90とすることが好ましい。
体積分布指標GSDvが1.35を超えると画像の解像性が低下し、GSDv/GSDpが0.90未満の場合、帯電性の低下を発生させることがあると同時に飛び散り、カブリ等の画像欠陥の原因ともなり得る。
前記体積平均粒径及び粒度分布指標は、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用いて測定される粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数をそれぞれ小粒径側から累積分布を引いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。
そして、前記体積粒度分布指数GSDvは、(D84v/D16v)1/2として算出され、前記数平均粒度分布指数GSDpは、(D84p/D16p)1/2として算出される。
なお、前記測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
また、本実施形態のトナーの形状係数SF1は、現像性・転写効率の向上、高画質化の観点から110≦SF1≦140にすることが好ましい。この形状係数SF1は下式(4)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(4)
前記式(4)において、MLは各々の粒子の最大長を表し、Aは各々の粒子の投影面積を表す。
形状係数SF1が110未満の場合には、一般に画像形成の際に転写工程で残存トナーが生じるため、この残存トナーの除去が必要となるが、残存トナーをブレード等によりクリーニングする際のクリーニング性を損ないやすく、結果として画像欠陥を生じる場合がある。一方、形状係数SF1が140を超える場合には、トナーを現像剤として使用する場合に、現像器内でのキャリアとの衝突によりトナーが破壊される場合がある。この際、結果として微粉が増加したり、これによってトナー表面に露出した離型剤成分により感光体表面等が汚染され帯電特性を損なったりすることがあるばかりでなく、微粉に起因するかぶりの発生等の問題を起こすことがある。
なお、前記形状係数SF1の平均値は、250倍に拡大した50個のトナー像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)に取り込み、その最大長及び投影面積から、個々の粒子について前記SF1の値を求め平均したものである。
(静電荷像現像用トナーの製造)
以上説明した本実施形態の静電荷像現像用トナーを製造する方法としては、特に制限はないが、湿式造粒法によること特に好ましい。
前記湿式造粒法としては、公知の溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の方法が好適に挙げられるが、本実施形態は乳化凝集法を用いる際に有用であるので、乳化凝集法を例に説明する。
前記乳化凝集法は、前記本実施形態における「結着樹脂」の項において既に説明した結晶性ポリエステル樹脂等を乳化し、乳化粒子(液滴)を形成する乳化工程と、該乳化粒子(液滴)の凝集体を形成する凝集工程と、該凝集体を融合させ熱融合させる融合工程と、を有する。
−乳化工程−
前記乳化工程において、結晶性ポリエステル樹脂等の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、樹脂及び必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマー液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。
その際、加熱するか、或いは有機溶剤に樹脂を溶解させることにより、ポリマー液の粘性を下げて乳化粒子を形成することができるが、できるだけ有機溶剤は環境汚染の観点から使わない方がよい。また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため、分散剤を使用することもできる。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。
前記分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムの等の水溶性高分子、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。
前記分散剤として無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、粒子を得る目的で、分散剤中にて無機化合物の粒子を生成する方法を採用してもよい。
前記分散剤の使用量としては、前記結着樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲が好ましい。
なお、前記乳化工程において、前記結晶性樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を用いたとき、スルホン酸基を有するジカルボン酸を共重合させておく(すなわち、酸由来構成成分中に、スルホン酸基を有するジカルボン酸由来構成成分が好適量含まれる)と、界面活性剤等の分散安定剤を減らすことができる。ただし、スルホン酸基の量を多くすると乳化が楽にできるが、トナーの帯電性、特に高温高湿下での帯電性が悪くなる傾向にあるため、前記本実施形態の結晶性ポリエステル樹脂のように、極力スルホン酸基含有量を少量とした組成で設計することが好ましい。また、前記結晶性ポリエステル樹脂を用いれば、スルホン酸基を有するジカルボン酸等を使用しないで乳化粒子を形成することも可能である。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、前記ポリエステル樹脂に応じて適宜選択して用いる。
前記有機溶剤の使用量としては、前記結晶性樹脂あるいは非晶性樹脂及び必要に応じて用いられる他のモノマー(以下、併せて単に「ポリマー」という場合がある。)の総量100質量部に対して、50〜5000質量部の範囲が好ましく、120〜1000質量部の範囲がより好ましい。
なお、この乳化粒子を形成する前に、着色剤を混入させておくこともできる。用いられる着色剤としては、前記本実施形態における「着色剤」の項で既に述べた通りである。
また、前記スルホン基量を減らした結晶性ポリエステル樹脂を用いる場合は、乳化時のpHをアルカリ性側に持っていくことで、界面活性剤等の分散安定剤を減らして乳化することができる。
前記乳化粒子を形成する際に用いる乳化機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、キャビトロン、クレアミックス、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。前記ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)で0.01〜1μmの範囲が好ましく、0.03〜0.5μmの範囲がより好ましく、0.03〜0.4μmの範囲がさらに好ましい。
前記着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。
必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製したりすることもできる。以下、かかる着色剤の分散液のことを、「着色分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、前記ポリエステル樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いることができる。
前記着色剤の添加量としては、前記ポリマーの総量に対して1〜20質量%の範囲とすることが好ましく、1〜10質量%の範囲とすることがより好ましく、2〜10質量%の範囲とすることがさらに好ましく、2〜7質量%の範囲とすることが特に好ましい。
前記乳化工程で着色剤を混入させておく場合、前記ポリマーと着色剤との混合は、ポリマーの有機溶剤溶解液に、着色剤あるいは着色剤の有機溶剤分散液を混合することで行うことができる。
−凝集工程−
前記凝集工程においては、まず得られた非晶性樹脂や結晶性樹脂の乳化粒子、着色剤分散液、及び必要に応じて離型剤の分散液を、非晶性樹脂のガラス転移点以下の温度で、かつ結晶性樹脂(さらには離型剤)の融点以下の温度にて加熱して凝集させ凝集粒子を形成する。
乳化粒子等の凝集体の形成は、攪拌下、乳化液のpHを酸性にすることによってなされる。当該pHとしては、2〜6の範囲が好ましく、2.5〜5の範囲がより好ましく、2.5〜4の範囲がさらに好ましい。この際、凝集剤を使用するのも有効である。
用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に好ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
なお、凝集粒子をコア粒子としてその表面に樹脂被覆する場合には、前記凝集粒子が所望の粒径になったところで、被覆樹脂の乳化粒子を添加する。この場合、さらに凝集剤を添加したり、pH調整を行ったりしてもよい。添加した被覆樹脂の乳化粒子は凝集コア粒子表面を覆うように付着する。この際、凝集コア粒子を十分に被覆できるよう、被膜樹脂の乳化粒子径や添加量を調整する。こうして被覆樹脂の乳化粒子で被覆された凝集粒子を作製する。
−融合工程−
前記融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3〜10の範囲に上昇させることにより、凝集の進行を止め、前記凝集工程を経て得られた凝集粒子を、溶液中にて、この凝集粒子中に含まれる結晶性樹脂の融点、及び非晶性樹脂(さらにはシェル層構成樹脂を含む)のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も低いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)のうち最も低い温度以上に加熱し、融合・合一することによりトナー粒子を得る。
また、前記式(1)及び式(2)の関係を満たすためには、ΔTmが10(℃)以上30(℃)以下となる結晶性樹脂及び離型剤を用い、融合・合一する際、酸(例えば、硝酸、硫酸、塩酸、スルファミン酸などの無機酸、あるいはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、バレリアン酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、シュウ酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸などを)を添加して、pHを4.5〜7.5(好ましくは5.0〜7.0)の範囲に調整して、一般的に疎水性である離型剤を充分にトナーに取り込むことが重要である。また、離型剤の非晶性樹脂との相溶性を制御することも可能となる。具体的には、前記0.75<ΔHh2/ΔHh1<0.95の範囲に制御することが可能となる。更に、融合・合一後、冷却する際の冷却速度を、結晶性樹脂の融点より僅かに高い温度(例えば、結晶性樹脂の融点+(5〜7))℃まで徐冷(例えば、冷却速度:1〜10℃/分)し、それ以降を急冷(例えば、冷却速度:15〜30℃/分)して、結晶性樹脂の融点近傍の温度では急冷させて、結晶性樹脂が解けた状態を固体化することにより、結晶を大きくさせないことも重要である。
なお、結晶性樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を用いた場合、結晶性ポリエステル樹脂の共重合成分として、二重結合を有するジカルボン酸等を用いた場合、乳化工程、凝集工程、融合工程において、前記ポリエステル樹脂が融点以上に加熱されている時に、あるいはそれぞれの工程終了後、別途加熱をして、架橋反応を行わせてもよい。架橋反応を行わせる場合には、例えば、結着樹脂として二重結合成分を共重合させた、不飽和結晶性ポリエステル樹脂を用い、この樹脂にラジカル反応を起こさせ、架橋構造を導入する。この際、以下に示す重合開始剤を用いるとよい。
重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシ−α−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジンジハイドロクロライド)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、4,4’−アゾビス(4−シアノワレリックアシド)等が挙げられる。
これら重合開始剤は、単独で使用することも、または2種以上を併用することもできる。重合開始剤の量や種類は、ポリマー中の不飽和部位量、共存する着色剤の種類や量によって選択される。
前記重合開始剤は、乳化工程前にあらかじめポリマーに混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集塊に取り込ませてもよい。さらには、融合工程、或いは融合工程の後に導入してもよい。凝集工程、融合工程、あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、または乳化した液を、粒子分散液(樹脂粒子分散液等)に加える。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナーの粒子とすることができる。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、洗浄工程において、十分に洗浄することが好ましい。
乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナーの粒子は、乾燥後の含水分率を1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下に調整されることが好ましい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態の静電荷像現像剤(以下、「本実施形態の現像剤」という場合がある。)は、トナーを含み、該トナーが既述の本実施形態の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいはキャリアとから構成される二成分現像剤として用いられるが、帯電の維持性や安定性に優れる二成分現像剤が好ましい。
キャリアとしては、樹脂で被膜されたキャリアであることが好ましく、窒素含有樹脂で被膜されたキャリアであることがさらに好適である。該窒素含有樹脂としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル等を含むアクリル系樹脂、ウレア、ウレタン、メラミン、グアナミン、アニリン等を含むアミノ樹脂、またアミド樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。またこれらの共重合樹脂でもかまわない。キャリアの被膜樹脂としては、前記窒素含有樹脂の中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂と窒素を含有しない樹脂とを組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂を粒子状にし、窒素を含有しない樹脂中に分散して使用してもよい。特にウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂は負帯電性が高く、また樹脂硬度が高いため、被膜樹脂の剥がれなどによる帯電量の低下を効果的に抑制することができる。
一般に、キャリアは適度な電気抵抗値を有することが必要であり、具体的には109〜1014Ωcm程度の電気抵抗値が求められている。例えば鉄粉キャリアのように電気抵抗値が106Ωcmと低い場合には、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃げ、潜像の乱れや画像の欠損等を生じたりする等の問題が生じる場合がある。一方、絶縁性(体積抵抗率が1014Ωcm以上)の樹脂を厚く被覆してしまうと電気抵抗値が高くなりすぎ、キャリア電荷がリークしにくくなり、その結果エッジの効いた画像にはなるが、反面大面積の画像面では中央部の画像濃度が非常に薄くなるというエッジ効果という問題が生じる場合がある。そのためキャリアの抵抗調整のために樹脂被覆層中に導電性粉末を分散させることが好ましい。
導電性粉末の具体例としては、金、銀、銅等の金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆ったもの;等が挙げられる。この中でも製造安定性、コスト、導電性の良さからカーボンブラックが好ましい。
上記樹脂被覆層を、キャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、被膜樹脂を粒子化し被膜樹脂の融点以上でキャリア芯材とニーダーコーター中で混合し冷却して被膜させるパウダーコート法が挙げられるが、ニーダーコーター法及びパウダーコート法が特に好ましく用いられる。上記方法により形成される樹脂被膜層の平均膜厚は、通常0.1〜10μm、より好適には0.2〜5μmの範囲である。
キャリアに用いられる芯材(キャリア芯材)としては、特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは、磁性キャリアであるのが好ましい。キャリア芯材の平均粒径としては、一般的には10〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましい。
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
<画像形成装置>
次に、本実施形態の静電荷像現像用トナーを用いた本実施形態の画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として既述の本実施形態の静電荷像現像剤を用いるものである。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、既述の本実施形態の静電荷像現像剤を収容する本実施形態のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
また、本実施形態の画像形成装置は、プロセススピードが350mm/s以上であることが好ましく、400mm/s以上であることがより好ましい。また、プロセススピードは500mm/s以下であることが好ましい。既述の本実施形態の現像剤は、プロセススピードが350mm/s以上の高速運転においても、定着画像における光沢ムラ、離型部材マークを抑制し、低温定着が可能であるという効果が発揮される。ここで、プロセススピードとは、プリントスピードを表し、例えば350mm/sの場合、1分間でA4(横210mm)100枚相当する。以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1〜第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに所定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に所定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の潜像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
上述した第1〜第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、潜像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V〜−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤と結晶性樹脂及び非結晶性樹脂とを含む体積平均粒径が7μmのイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き所定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が所定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに所定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1〜第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本実施形態の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
図2で示すプロセスカートリッジでは、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。本実施形態のプロセスカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
次に、本実施形態のトナーカートリッジについて説明する。本実施形態のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着されるもので、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収めるトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本実施形態のトナーであることを特徴とする。なお、本実施形態のトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本実施形態のトナーを収めたトナーカートリッジを利用することにより、特に容器が小型化されたトナーカートリッジにおいても保存性を保つことができ、高画質を維持しつつ低温定着化を図ることが可能となる。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(トナー粒度及び粒度分布測定方法)
本実施形態におけるトナー粒度及び粒度分布測定は、測定装置としてはコールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、GSDv、GSDpを求めた。測定する粒子数は50000であった。
(トナーの形状係数SF1測定方法)
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーの最大長の2乗/投影面積(ML2/A)×100を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
(樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
本実施形態において、特定の分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「ポリスチレン標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(樹脂、トナーの融点、ガラス転移温度及び吸熱量の測定方法)
本実施形態のトナー、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤の融点は、ASTMD3418−8に準拠して、図1に示すような温度プロファイル(結晶性ポリエステル樹脂、非晶性樹脂については1回目の昇温のみ)にて測定された各極大ピークより求めた。
また、吸熱量ΔHl1、ΔHl2、ΔHh1、ΔHh2は、前記における1回目、2回目の昇温過程でのベースラインに対する吸熱ピーク部分のピーク面積より求めた。
なお、測定には示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−60A)を用いた。
<トナーの作製>
(非晶性樹脂粒子分散液の調製)
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた丸底フラスコに、表1に示す組成の多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを投入し、マントルヒーターを用い200℃まで昇温させた。次いで、ガス導入管より窒素ガスを導入し、フラスコ内を不活性ガス雰囲気に保ちながら攪拌した。その後、原料混合物100部に対して、ジブチルスズオキシド0.05部を添加し、反応物の温度を200℃に保ちながら所定時間反応させることで非晶性樹脂(1)〜(5)を得た。その詳細を表1に示す。
また、表2に各樹脂の物性を示す。
次いで、得られた非晶性樹脂を溶融状態のまま、乳化機(キャビトロンCD1010、ユーロテック社製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには、試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.40%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で前記ポリエステル樹脂溶融体と同時に前記乳化機に移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が0.49MPa(5kg/cm2)の条件で乳化機を運転し、各々体積平均粒径が0.15、0.18、0.23、0.24、0.21μmの非晶性樹脂粒子分散液(1)〜(5)(樹脂粒子濃度:30%)を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製)
−結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)
・1,12−ドデカンニ酸:952部
・1,9−ノナンジオール:656部
・フマル酸:30部
・ジブチル錫:2部
以上の各成分をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下220℃まで加熱し、6時間脱水縮合反応を行うことで結晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の融点は75℃であった。次いで、この結晶性ポリエステル樹脂80部および脱イオン水720部をステンレスビーカーに入れ、温浴につけ95℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂が溶融した時点で、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて8000rpmで攪拌した。次いで、これにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK)1.6部を18.4部のイオン交換水に希釈した水溶液20部を滴下しながら、乳化分散を行い、体積平均粒径が0.24μmの結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)(樹脂粒子濃度:10%)を得た。
−結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)−
・1,10−デカンニ酸:840部
・1,9ノナンジオール:656部
・フマル酸:25部
・ジブチル錫:2.0部
以上の各成分を用い、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製と同様の条件で脱水縮合させ、71℃の融点をもつ結晶性ポリエステル樹脂を得た。さらに、同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.19μmの結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)(樹脂粒子濃度:10%)を得た。
−結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)−
・1,10−デカンニ酸:840部
・1,10−デカンジオール:712部
・フマル酸:15部
・ジブチル錫:2.0部
以上の各成分を用い、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製と同様の条件で脱水縮合させ、86℃の融点をもつ結晶性ポリエステル樹脂を得た。さらに、同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.22μmの結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)(樹脂微粒子濃度:10%)を得た。
(離型剤分散液の調製)
−離型剤分散液(1)−
・パラフィンワックスFT−100(融点:97℃、日本精蝋社製):45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が185nm、固形分量が18%の離型剤分散液(1)を得た。
−離型剤分散液(2)−
・パラフィンワックスFT−105(融点:104℃、日本精蝋社製):45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が185nm、固形分量が18%の離型剤分散液(2)を得た。
−離型剤分散液(3)−
・Hi−Mic1090(融点:88℃、日本精蝋社製):45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が185nm、固形分量が18%の離型剤分散液(3)を得た。
−着色剤分散液の調製−
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:4000部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散して着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒径は0.15μm、着色剤粒子濃度は20%であった。
<実施例1>
・非晶性樹脂粒子分散液(1):170部
・非晶性樹脂粒子分散液(3):170部
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):30部
・離型剤分散液(1):40部
・着色剤分散液:50部
・凝集剤分散液
・ポリ塩化アルミニウム(大明化学工業社製):5部
以上の成分をステンレス製反応容器に計量し、2%−HCL水溶液を添加し、pHを4に調整した後、ウルトラタラックス(IKA製)で5000回転5分間混合し、50℃まで1℃/mの速度で昇温・凝集させた。粒径の測定はコールターカウンター−TA‐II型(ベックマンコールター社製)で行い、粒径5.8μになったところで、4%−NaOH水溶液を30g添加した後、更に95℃まで加熱し、2h保持した後、2%−HCL水溶液を添加してpHを6.5に調整し、更に1h保持した。その後、結晶性ポリエステル樹脂の融点+6℃である81℃まで1℃/mの速度で冷却し、以降、30℃/mの速度で30℃まで冷却して、トナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100部に対して、添加剤1として、平均一次粒径75nmのゾルゲルシリカ(和光純薬特級、テトラメトキシシランをモノマーとし塩基性条件下で加水分解し焼成、粉砕して得られたもの)を1.5部、及び、添加剤2として、平均一次粒径500nmのフッ素含有酸化セリウム(三井金属社製 ミレーク20を更にトリフルオロプロピルトリクロロシラン処理して得たもの)を3部加え、ヘンシェルミキサーにて外添混合を行い、実施例1の静電荷像現像用トナーを得た。
得られた静電荷像現像用トナーの、既述の方法で測定した結晶性樹脂の融点Tmc、前記離型剤の融点Tmw(℃)、ΔHl2/ΔHl1、ΔHh2/ΔHh1を表3に示す(以下の静電荷像現像用トナーも同様。)。
−静電荷像現像剤の製造−
トルエン1.25部にカーボンブラック(商品名;VXC−72、キャボット社製)0.12部を混合し、サンドミルで20分攪拌分散したカーボン分散液に、3官能性イソシアネート80%酢酸エチル溶液(タケネートD110N、武田薬品工業社製)1.25部を混合攪拌したコート剤樹脂溶液と、Mn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)をニーダーに投入し、常温で5分間混合攪拌した後、常圧にて150℃まで昇温し溶剤を留去した。さらに30分混合攪拌後、ヒーターの電源を切り50℃まで降温した。得られたコートキャリアを75μmメッシュで篩分し、キャリアを作製した。このキャリア95部と、前記実施例1の静電荷像現像用トナー5部とをVブレンダーにて混合し、実施例1の静電荷像現像剤を得た。
(評価)
得られた実施例1の静電荷像現像剤を用いて、Apeos Port C7550I改造機により、プロセススピードを350mm/分にして、ソリッド(単位面積当りの重量が13〜15g/m)画像を形成し、以下の評価を実施した。その結果を表4に示す。
−画像固着評価−
157g/m厚紙にて上記画像を連続100枚プリントし、プリントトレイ上で放冷した後、10枚おきに用紙同士の接着部分を観察して、画像移行を確認した。
5:良好
4:接着あるが画像移行なし(音のみ発生で目視確認できない)。
3:実使用上問題ないが目視で確認できる。
2:実使用上やや問題あり十分目視で確認できる。
1:実使用上かなり問題あり。
−光沢ムラ評価−
光沢紙(256g/m)にて上記画像を100枚プリントし、画像固着ない部分の光沢ムラを目視で判断した。
5:良好。
4:蛍光灯で斜めにかざすとわずかに光沢ムラが分かるレベル。
3:蛍光灯で斜めにかざすと光沢ムラが分かるレベルだが実使用上問題ない。
2:実使用上やや問題あり十分目視で確認できる。
1:実使用上かなり問題あり、画像光沢ムラ多く濃度濃淡目立つ。
−離型部材マーク評価−
上記光沢紙での画像を同様に確認し、ソリッド画像に傷かついているか否かを確認した。
5:良好。
4:蛍光灯で斜めにかざすとわずかに印ついているのが確認できるレベル。
3:蛍光灯で斜めにかざすと印ついているのが分かるレベルだが実使用上問題ない。
2:実使用上やや問題あり十分目視で確認できる。
1:実使用上かなり問題あり、傷多い。
−保存安定性評価−
保存安定性の評価は、得られたトナーを20g採取し、55℃50%RHの条件にて3日間保管後、トナーを20μステンレスメッシュ上にて吸引し網上の粗大トナーをテープ転写によりサンプリングしてマイクロスコープで観察した。
5:良好(粗大なし)。
4:粗大あるが5個未満。
3:5〜10個程度粗大粉あるがほぐれるレベル。
2:10〜20個未満粗大粉ありほぐれない。
1:20個以上粗大あり100μ以上ありほぐれない。
<実施例2>
実施例1において、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)に、離型剤分散液(1)を離型剤分散液(3)に変更し、結晶性ポリエステルの融点+6℃である77℃まで30℃/mで冷却後、30℃まで1℃/mで冷却する条件に変更したこと以外実施例1と同様にして、実施例2の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<実施例3>
実施例1において、非晶性樹脂粒子分散液(1) 170部、及び非晶性樹脂粒子分散液(3) 170部を、非晶性樹脂粒子分散液(2) 170部、及び非晶性樹脂粒子分散液(4) 170部に、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)に、離型剤分散液(1)を離型剤分散液(2)に変更し、結晶性ポリエステルの融点+7℃である93℃まで30℃/mで冷却後、30℃まで1℃/mで冷却する条件に変更したこと以外実施例1と同様にして、実施例3の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<実施例4>
実施例1において、非晶性樹脂粒子分散液(1) 170部、及び非晶性樹脂粒子分散液(3) 170部を、非晶性樹脂粒子分散液(2) 170部、及び非晶性樹脂粒子分散液(5) 170部に、離型剤分散液(1)を離型剤分散液(2)に変更したこと以外実施例1と同様にして、実施例4の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<実施例5>
実施例1において、非晶性樹脂粒子分散液(1) 170部、及び非晶性樹脂粒子分散液(3) 170部を、非晶性樹脂粒子分散液(2) 170部、及び非晶性樹脂粒子分散液(5) 170部に、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)に変更し、結晶性ポリエステルの融点+7℃である93℃まで30℃/mで冷却後、30℃まで1℃/mで冷却する条件に変更したこと以外実施例1と同様にして、実施例5の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<実施例6>
実施例1において、フッ素含有酸化セリウムを添加しない以外は実施例1と同様にして、実施例6の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<実施例7>
実施例1において、フッ素含有酸化セリウムをトリフルオロプロピルメトキシシラン処理により得られたフッ素含有酸化アルミニウムに、ゾルゲルシリカをゾルゲルチタニアに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例6の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<実施例8>
実施例1でプロセススピードを400mm/secに変更した以外は1と同様に評価を実施した。その結果を表4に示す。
<比較例1>
実施例1において、結晶性ポリエステル樹脂分散液量を10部、95℃まで加熱し、2h保持した後、2%−HCL水溶液を添加せず、更に2h保持した。その後、30℃まで1℃/mの速度で冷却してトナー母粒子を製造し、更にトナー母粒子に添加する平均一次粒径75nmのゾルゲルシリカを、平均一次粒径105nmのゾルゲルシリカに変更した以外実施例1と同様にして、比較例1の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<比較例2>
実施例1において、結晶性ポリエステル樹脂分散液量を70部、110℃まで加熱し、2h保持した後、2%−HCL水溶液を添加しpHを4.0に調整し、更に0.5h保持した。その後、30℃まで30℃/mの速度で冷却してトナーを得た以外実施例1と同様にして、比較例2の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<比較例3>
実施例1において、結晶性ポリエステル樹脂分散液量を10部、110℃まで加熱し、2h保持した後、2%−HCL水溶液を添加せず、更に0.5h保持した。その後、30℃まで1℃/mの速度で冷却してトナー母粒子を製造し、更にトナー母粒子に添加する平均一次粒径75nmのゾルゲルシリカを、平均一次粒径45nmのゾルゲルシリカに変更した以外実施例1と同様にして、比較例3の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<比較例4>
実施例1において、結晶性ポリエステル樹脂分散液量を10部、110℃まで加熱し、2h保持した後、2%−HCL水溶液を添加せず、更に0.5h保持した。その後、30℃まで1℃/mの速度で冷却してトナー母粒子を製造し、更にトナー母粒子に添加するフッ素含有酸化セリウムを添加しないこと以外実施例1と同様にして、比較例4の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<比較例5>
実施例1において、結晶性ポリエステル樹脂分散液を(2)に離型剤分散液を(2)に変更し、110℃まで加熱し、2h保持した後、2%−HCL水溶液を添加せず、更に0.5h保持した。その後、30℃まで1℃/mの速度で冷却してトナーを得た以外実施例1と同様にして、比較例5の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<比較例6>
実施例1において、離型剤分散液量を150部、80℃まで加熱し、2h保持した後、2%−HCL水溶液を添加しpH4.0まで下げた後、更に4.5h保持した。その後、30℃まで30℃/mの速度で冷却してトナーを得た以外実施例1と同様にして、比較例6の静電荷像現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
本実施形態おける示差走査熱量測定の温度プロファイルを示す図である。 本実施形態における示差走査熱量測定の吸熱・発熱曲線の一例を示す概念図である。 本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)

Claims (7)

  1. 2種類以上の非晶性樹脂、結晶性樹脂及び前記結晶性樹脂の融点Tmc(℃)よりも高い融点Tmw(℃)の離型剤を含有し、
    前記結晶性樹脂の融点Tmc(℃)と、前記離型剤の融点Tmw(℃)との差の絶対値ΔTmが、10(℃)以上30(℃)以下であり、
    ASTMD3418−8に準拠した示差走査熱量測定における、1回目の昇温過程での、前記結晶性樹脂における最大の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl1、前記離型剤における最大の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh1、2回目の昇温過程での、前記結晶性樹脂における最大の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl2、前記離型剤における最大の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh2としたとき、下記式(1)及び式(2)の関係を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    0.15<ΔHl2/ΔHl1<0.45 ・・・ 式(1)
    0.75<ΔHh2/ΔHh1<0.95 ・・・ 式(2)
  2. 無機研磨剤及び平均一次粒子径が50nm以上100nm以下の無機添加剤が外添されていることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. トナーを含み、該トナーが請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。
  4. トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジ。
  5. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項3に記載の静電荷像現像剤を収めることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項3に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  7. プロセススピードが350mm/s以上であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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