JP4275391B2 - 画像形成用トナー、その製造方法、現像剤、及び画像形成方法と装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーの定着画像の耐傷性向上と低温定着化を同時に両立することができる画像形成用トナーおよびその製造方法と該画像形成用トナーを用いた現像剤、トナー容器、画像形成方法、画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
1999年度の国際エネルギー機関(IEA)のDSM(Demand−side Management)プログラム中で次世代複写機の技術調達プロジェクトの要求仕様が公表された。「30cpm以上の複写機については、前記待機時間が10秒以内、待機時の消費電力が10〜30ワット以下(複写速度で異なる)」というもので、従来の複写機に比べ飛躍的な省エネルギー化の達成が要求されている。この要求を達成するための方法の一つとして、加熱ヒートローラー等の定着部材を低熱容量化させて、トナーの温度応答性を向上させる方法などが考えられているが、これだけで満足できるものではなく、トナー自体の低温定着性の向上が強く望まれている。
【0003】
その一方、プリンター等における高画質化の要請を受けて、定着画像、特にイメージ(写真)画像における表面の「傷」の有無が、当該画像の品質を評価する上で重要な基準のひとつとなってきている。例えば、記録紙間の摩擦による擦り傷、爪や文房具等によるひっかき傷および押し込み傷によって、イメージ画像(モノクロ、フルカラー)の品位が著しく低下する。このため、表面に傷を発生させにくい耐傷性の良好な定着画像の形成技術の開発が望まれている。この定着画像に良好な耐傷性(耐擦り傷性、耐ひっかき傷性、耐押し込み傷性)を付与する方法として、特開2001−318484号公報(特許文献1)で特定の結晶性化合物と熱挙動を示すトナーが開示されているが、耐傷性の向上は、低温定着性を低下させるものであり、低温定着性の向上と耐傷性の向上を両立させることが強く望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−318484号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情を鑑みてなされたものであり、その目的として、トナーの低温定着化と形成される定着画像に良好な耐傷性(耐擦り傷性、耐ひっかき傷性、耐押し込み傷性)を両立して付与することができる画像形成用トナーおよびその製造方法と該画像形成用トナーを用いた現像剤、トナー容器、画像形成方法、画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、結着樹脂のTg点付近に特有の発熱ピークを有するトナーが、低温定着化と定着画像の耐傷性の両立に良好な結果を与えることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明によれば、下記(1)〜(25)が提供される。
(1)少なくとも重合性単量体と結着樹脂、ワックス(D)、および着色剤を含有するトナー組成物を水相中で直接的に重合して得られる画像形成用トナーにおいて、
前記結着樹脂のうち少なくとも1種類が結晶性高分子(A)であり、
前記トナーは少なくとも製造時に加熱された状態から冷却される冷却過程を有し、示差走査熱量計により測定される第1の昇温過程の後に前記冷却過程の冷却速度と同一条件の冷却後の、該トナーのDSC曲線の第2の昇温過程に、該結着樹脂のガラス転移点付近5℃以内に少なくとも1つの発熱ピークを有し、
前記製造時の冷却過程の冷却速度が5〜45℃/minであることを特徴とする画像形成用トナー。
(2)少なくともイソシアネート基含有プレポリマーと結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を水相中でアミン類と重付加反応させることにより、イソシアネート基含有プレポリマーを伸長及び/又は架橋させる画像形成用トナーにおいて、
前記結着樹脂のうち少なくとも1種類が結晶性高分子(A)であり、
前記トナーは少なくとも製造時に加熱された状態から冷却される冷却過程を有し、示差走査熱量計により測定される第1の昇温過程の後に前記冷却過程の冷却速度と同一条件の冷却後の、該トナーのDSC曲線の第2の昇温過程に、該結着樹脂のガラス転移点付近5℃以内に少なくとも1つの発熱ピークを有し、
前記製造時の冷却過程の冷却速度が5〜48℃/minであることを特徴とする画像形成用トナー。
(3)発熱ピークの発熱量をQ1、他の吸熱ピークの吸熱量総和をQ2とした場合に、0.01≦Q1/Q2≦0.3であることを特徴とする前記(1)及び(2)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(4)前記結着樹脂が少なくとも結晶性高分子(A)を含有し、さらに熱可溶性樹脂(B)および/または有機溶剤に溶解可能な樹脂(C)からなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(5)前記結着樹脂100重量部あたり、前記結晶性高分子(A)を1〜50重量部の割合で含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(6)前記結晶性高分子(A)のDSC曲線における最大吸熱ピーク温度が80〜130℃であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(7)前記結晶性高分子(A)のオルトジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1000〜6500、数平均分子量(Mn)で500〜2000、Mw/Mnが2〜5であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(8)前記結晶性高分子(A)の酸価が20〜45mgKOH/gであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(9)前記結晶性高分子(A)の水酸基価が5〜50mgKOH/gであることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(10)前記結晶性高分子(A)が下記一般式(1)
[−O−CO−CR 1 =CR 2 −CO−O−(CH 2 ) n −] m (1)
(式中、R 1 、R 2 は水素基または炭化水素基である。n、mは繰り返し単位の数である。)で表される構造を有する結晶性ポリエステル樹脂(E)であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(11)前記結晶性ポリエステル樹脂(E)のアルコール成分が炭素数2〜6のジオール化合物を含有するものであり、酸成分がマレイン酸、フマル酸、およびこれらの誘導体の少なくとも1つを含有することを特徴とする前記(10)に記載の画像形成用トナー。
(12)前記結晶性ポリエステル樹脂(E)のアルコール成分が1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体の少なくとも1つを含有することを特徴とする前記(10)又は(11)に記載の画像形成用トナー。
(13)前記樹脂(B)及び(C)のそれぞれのガラス転移温度(Tg)が30〜80℃であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(14)前記樹脂(B)及び(C)のそれぞれの重量平均分子量が2000〜90000であることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(15)前記樹脂(B)及び(C)のそれぞれが、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(16)前記ワックス(D)の融点が70〜125℃であることを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(17)前記ワックス(D)がカルナウバワックス、ポリエチレンワックス、合成エステルワックスから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(18)少なくとも無機微粒子及び/または樹脂微粒子を外添もしくは内添されていることを特徴とする前記(1)〜(17)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(19)少なくとも重合性単量体と結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を水相中で直接的に重合するトナーの製造方法において、重合時の最高温度が、結着樹脂のなかで最も高い融解温度をもつ樹脂の融解温度(℃)以上、もしくは該有機溶剤の沸点以下であり、かつ、その冷却工程において、該結着樹脂のなかで最も低いガラス転移点をもつ樹脂のガラス転移温度(℃)以下まで5〜45℃/minの冷却速度で冷却する工程をもつことを特徴とする前記(1)に記載の画像形成用トナーの製造方法。
(20)少なくともイソシアネート基含有プレポリマーと結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を水相中でアミン類と重付加反応させることにより、イソシアネート基含有プレポリマーを伸長及び/又は架橋させるトナーの製造方法において、重付加反応時の最高温度が、結着樹脂のなかで最も高い融解温度をもつ樹脂の融解温度(℃)以上、もしくは該有機溶剤の沸点以下であり、かつ、その冷却工程において、該結着樹脂のなかで最も低いガラス転移点をもつ樹脂のガラス転移温度(℃)以下まで5〜48℃/minの冷却速度で冷却する工程をもつことを特徴とする前記(2)に記載の画像形成用トナーの製造方法。
【0008】
(21)前記(1)〜(18)のいずれかに記載の画像形成用トナーからなることを特徴とする一成分現像剤。
(22)前記(1)〜(18)のいずれかに記載の画像形成用トナーとキャリア粉からなることを特徴とする二成分現像剤。
(23)前記(21)又は(22)に記載の現像剤が充填されたことを特徴とするトナー容器。
(24)像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像し、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写し、転写されたトナー像をローラー状もしくはベルト状の定着部材により、加熱加圧定着して定着画像を得る工程を含む画像形成方法において、前記(21)又は(22)に記載の現像剤を使用することを特徴とする画像形成方法。
(25)像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像する手段、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写する手段、転写されたトナー像をローラー状もしくはベルト状の定着部材により、加熱加圧定着して定着画像を得る手段を含む画像形成装置において、前記(21)又は(22)に記載の現像剤を装填したことを特徴とする画像形成装置。
【0009】
(29)前記(1)〜(24)のいずれかに記載の画像形成用トナーからなることを特徴とする一成分現像剤。
(30)前記(1)〜(24)のいずれかに記載の画像形成用トナーとキャリア粉からなることを特徴とする二成分現像剤。
(31)前記(29)又は(30)に記載の現像剤が充填されたことを特徴とするトナー容器。
(32)像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像し、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写し、転写されたトナー像をローラー状もしくはベルト状の定着部材により、加熱加圧定着して定着画像を得る工程を含む画像形成方法において、前記(29)又は(30)に記載の現像剤を使用することを特徴とする画像形成方法。
(33)像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像する手段、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写する手段、転写されたトナー像をローラー状もしくはベルト状の定着部材により、加熱加圧定着して定着画像を得る手段を含む画像形成装置において、前記(29)又は(30)に記載の現像剤を装填したことを特徴とする画像形成装置。
【0010】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において、トナーを構成する結着樹脂に好ましくは結晶性高分子をある特定の割合で使用し、かつ、該トナーのDSC曲線の第2の昇温過程に、該結着樹脂のガラス転移点付近に少なくとも1つの発熱ピークするものが、トナーの低温定着化と定着画像の耐傷性の両立に良好な結果を与えることが判った。特に、DSC曲線の第2の昇温過程に、該結着樹脂のガラス転移点付近に少なくとも1つの発熱ピークし、この発熱ピークの発熱量をQ1、他の吸熱ピークの吸熱量総和をQ2とした場合に、0.01≦Q1/Q2≦0.3である場合は、低温定着性と定着画像の耐傷性向上が最も好適な画像形成用トナーとなる。本発明でいう「第2の昇温過程」とは、熱分析装置(DSC装置)での測定方法を表す。DSC装置に測定試料をセットし、初めて測定し得られた結果のことを「第1の昇温過程」での結果という(初めて昇温させて測定するため)。次に、このサンプルを急冷または放冷した後、再度測定した結果を「第2の昇温過程」での結果という。同じDSC測定結果でも、前者は測定試料器(アルミパン)と試料との接触が不均一であったり、熱伝導率が変化するため測定結果が暴れることが多い。そこで本発明においては、「第2の昇温過程」での測定結果を用いる方が精度が高いことから「第2の昇温過程」を採用した。
【0011】
結晶性高分子は、その融解温度以上において固体状態から急激に溶融粘度が低下することで紙への優れた定着性を発現する。一方、融解温度以下では結晶状態であるため、トナーの耐熱保存性が優れている。つまり結晶性高分子の種類や融解温度、添加割合、分子量などを制御することにより、狙いの定着下限温度と耐熱保存性を両立する設計ができることが判った。この結果、耐熱保存性が悪化しない範囲(例えば80〜130℃)において、これまで得ることの出来なかったレベルの低温定着性を付与できることが判った。
【0012】
一方、定着画像の耐傷性向上においては、結晶性高分子が結晶化し、被覆層(表面保護層)が定着画像の表面に形成されることで、各種ストレスからの表面保護効果(耐傷性)を発揮することが判明した。表面保護効果は、被覆層を構成する結晶構造および力学特性に依存すると考えられ、これは結晶性高分子の融解から結晶化する際の熱的挙動に大きな影響を受けると思われるということが、特開2001−318484号公報に開示されている。本発明の表面保護効果もこれと同じ様な作用と考えられるが、本発明と前記公知例とはDSCの熱的挙動が全く異なる。即ち、前記公知例の場合、結晶性化合物の結晶間転移に伴う再結晶化ピーク(つまり結晶性化合物の融点と融点に挟まれた発熱ピーク)に由来するものであるのに対して、本発明ではアモルファス状態からの結晶化に伴う発熱ピークに由来するものである。しかも、本発明の発熱ピークは結着樹脂のTg点付近に現れることから、最適な結着樹脂を選択することにより、低温定着性と再結晶化による表面保護効果を同時に発現でき、トナー母体設計の自由度が格段に増すことが判った。
【0013】
以上のことから、本発明は、結着樹脂に好ましくは結晶性高分子をある特定量用いることで、これまでなし得なかった低温定着性の付与と耐傷性の向上が両立して発現することができるという点において、非常に優れているものである。
【0014】
結晶性高分子(A)としては、ポリエチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられるが、なかでもポリエステル樹脂が、結晶性、軟化点の観点から好適であり、下記一般式(1)で表される講造を有する結晶性ポリエステル樹脂が好ましいことを見出した。
[−O−CO−CR1=CR2−CO−O−(CH2)n−]m (1)
(式中、R1、R2は水素基または炭化水素基である。n、mは繰り返し単位の数である。)
特に上記一般式(1)で表される結晶性ポリエステル樹脂において、炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、マレイン酸、フマル酸、およびこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成されるものが好ましい。
【0015】
また、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点を制御する方法として、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステルなどを設計、使用するなどの方法が挙げられる。
【0016】
結晶性高分子の分子構造は、固体NMRなどにより確認することができる。分子量については、上記の分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れるという観点から鋭意検討した結果、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、横軸をlog(M)、縦軸を重量%で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であり、重量平均分子量(Mw)で1000〜6500、数平均分子量(Mn)で500〜2000、Mw/Mnが2〜5であることが好ましいことを見出した。融解温度およびF1/2温度については耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましく、80〜130℃の範囲に有ることが好ましいことを見出した。融解温度およびF1/2温度が80℃より低い場合は耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなり、130℃より高い場合には定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。
ここで、トナーの熱特性(フローテスター特性)を測定するフローテスターとしては、例えば島津製作所製の高架式フローテスターCFT500型がある。このフローテスターのフローカーブは図2(a)および(b)に示されるデータになり、そこから各々の温度を読み取ることができる。図2(a)中、Tsは軟化温度、Tfbは流出開始温度であり、F1/2温度とは、図2(b)中の1/2法における溶融温度のことである。
《測定条件》
荷重:10kg/cm2、昇温速度:3.0℃/min
ダイ口径:0.50mm、ダイ長さ:10.0mm
【0017】
結晶性高分子の酸価は、紙と樹脂との親和性の観点から、目的とする低温定着性を達成するためにはその酸価が8mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上であることが好ましく、一方、ホットオフセット性を向上させるには45mgKOH/g以下のものであることが好ましい。更に、結晶性高分子の水酸基価については、所定の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには0〜50mgKOH/g、より好ましくは5〜50mgKOH/gのものが好ましい。
【0018】
本発明の結晶性高分子の結晶性の存在は、粉末X線回折装置を使用し、CuKαのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2度)が、少なくとも2θ=19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に回折ピークが現れることで確認することができる。
【0019】
本発明に基づくトナーにおいては、低温定着性を発現させるため、結着樹脂100重量部あたり結晶性高分子を1〜50重量部含有させることが好ましい。結晶性高分子の含有量が1重量部未満の場合は低温定着性および定着画像の耐傷性が悪化し、50重量部を超える場合はホットオフセット性、定着画像の耐傷性が悪化する。
【0020】
本発明の画像形成用トナーの結着樹脂には、結晶性高分子(A)と共に、熱可塑性樹脂および/または有機溶剤に溶解可能な樹脂(C)を併用することができる。
本発明の画像形成用トナーに使用される熱可溶性樹脂(B)、有機溶剤に溶解可能な樹脂(C)としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、スチレン、パラクロルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)タクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリロニトリル酸、(メタ)アクリアミド、(メタ)アクリル酸、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、ブタジエン等の単量体の重量体、又は、これらの単量体の2種類以上からなる共重合体、或いはそれらの混合物が挙げられる。その他、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、変性ロジン、テルベン樹脂、フェノール樹脂、水添石油樹脂などが単独或いは混合して使用できる。
【0021】
このなかでも、ポリエステル樹脂やポリオール樹脂、スチレン系樹脂、スチレン‐アクリル共重合体樹脂などが好適である。なお、ポリオール樹脂としては、エポキシ骨格を有するポリエーテルポリオール樹脂をいい、▲1▼エポキシ樹脂、▲2▼2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテル、▲3▼エポキシ基と反応する活性水素を有する化合物を反応させ得られるポリオール樹脂が好適に用いられる。
【0022】
上記、熱可溶性樹脂(B)、有機溶剤に溶解可能な樹脂(C)の分子量分布はシャープで低分子量のものが低温定着性に優れるという観点から鋭意検討した結果、THF可溶分のGPCによる分子量分布(ポリスチレン換算)が重量平均分子量(Mw)で2000〜90000であることが好ましいことを見出した。
【0023】
また、ガラス転移温度(Tg)は耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましく、30〜90℃の範囲に有ることが好ましいが、特に30℃〜80℃の範囲が最も好適であることを見出した。ガラス転移温度(Tg)が30℃より低い場合は耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなり、90℃より高い場合には特に優れた低温定着性の発現までには到らないことが判った。
【0024】
離型剤としてのワックス(D)は、従来公知のものが使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックスやフィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックスや密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド、合成エステルワックス等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。
【0025】
なかでも、カルナウバワックス及びその変性ワックスや合成エステル系ワックスが好適に用いられる。特に、合成エステル系ワックスのペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステルは最も好適である。その理由はポリエステル樹脂やポリオール樹脂に対してカルナウバワックス及びその変性ワックスや合成エステル系ワックスは適度に微分散するため後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。
【0026】
これらワックスは、1種又は2種以上を併用して用いることができるが、融点が70〜125℃の範囲のものを使用するのが好ましい。融点を70℃以上とすることにより転写性、耐久性が優れたトナーとすることができ、融点を125℃以下とすることにより定着時に速やかに溶融し、確実な離型効果を発揮できる。これらの離型剤の使用量は、トナーに対して2〜15重量%が好適である。2重量%未満ではオフセット防止効果が不十分であり、15重量%を超えると転写性、耐久性が低下する。また、転写性や耐久性の観点からトナー中のワックスの最大分散粒径が長軸径でトナーの最大粒径の1/2以下であることが好ましく、より好ましくはワックスの最大分散粒径が長軸径でトナーの最大粒径の1/3以下である。ただし、ワックスの最大分散粒径が長軸径で0.5μm以下となると定着時にワックスがしみ出し難くなりオフセット防止効果が不十分となる。
【0027】
本発明に用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。
【0028】
例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ピグメントイエロー155、ベンズイミダゾロン、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
【0029】
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
【0030】
赤色顔料としては、ベンガラ、キナクリドンレッド、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
【0031】
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
【0032】
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
【0033】
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、等がある。
【0034】
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を使用することができる。
【0035】
本発明の画像形成用トナーは必要に応じ帯電制御剤を該トナー中に含有させることができる。
例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料(例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド、等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう帯電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
【0036】
本発明の画像形成用トナーにおいては、シリカや酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機微粒子や樹脂微粒子を母体トナー粒子に外添もしくは内添することにより転写性、耐久性をさらに向上させている。
【0037】
転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すこととトナー表面が微粒子で覆われることによる接触面積が低下することによりこの効果が得られる。これらの無機微粒子はその表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理されたシリカや酸化チタン、といった金属酸化物微粒子が好適に用いられる。樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径0.05〜1μm程度のポリメチルメタクリレートやポリスチレン微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより湿度に対する帯電の安定性にも優れたトナーとすることができる。
【0038】
上記の無機微粒子と併用して、比表面積20〜50m2/gのシリカや平均粒径がトナーの平均粒径の1/100〜1/8である樹脂微粒子のように従来用いられていた外添剤より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより耐久性を向上させることができる。これはトナーが現像装置内でキャリアと混合・攪拌され帯電し現像に供される過程でトナーに外添された金属酸化物微粒子は母体トナー粒子に埋め込まれていく傾向にあるが、これらの金属酸化物微粒子より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより金属酸化物微粒子が埋め込まれることを抑制することができるためである。
【0039】
上記した無機微粒子や樹脂微粒子はトナー中に含有(内添)させることにより外添した場合より効果は減少するが転写性や耐久性を向上させる効果が得られるとともにトナーの粉砕性を向上させることができる。また、外添と内添を併用することにより外添した微粒子が埋め込まれることを抑制することができるため優れた転写性が安定して得られれとともに耐久性も向上する。
【0040】
なお、ここで用いる疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。この他チタネート系カップリング剤、アルミニューム系カップリング剤も使用可能である。
【0041】
この他クリーニング性の向上等を目的とした外添剤として、脂肪属金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用可能である。
【0042】
本発明の画像形成用トナーは一成分現像用、二成分現像用ともに用いることができる。トナーを二成分現像剤用として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる。この場合のキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、ニッケル粉、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで被覆処理した物などが挙げられ粒径は体積平均粒径で25〜200μmが好ましい。
【0043】
本発明において、トナー容器としては、従来公知の形態のものは全て使用することができる。
【0044】
本発明のトナーを製造する方法としては特に限定されるものではなく、溶融混練粉砕法、および重合法、イソシアネート基含有プレポリマーを用いた重付加反応法、溶剤溶解し脱溶剤して粉砕する方法のほか、溶融スプレー法によっても製造することができる。これらの製造方法のうち、温度制御が容易であって、冷却処理を効率的に行うことができることから、溶融混練法、特定の結晶性高分子および重合性単量体を含有する単量体組成物を水相中で直接的に重合する重合法(懸濁重合法・乳化重合法)、特定の結晶性高分子およびイソシアネート基含有プレポリマーを含有する組成物を水相中でアミン類で直接的に伸長/架橋する重付加反応法、溶剤溶解し脱溶剤して粉砕する方法を採用することが好ましく、冷却工程における冷却温度制御を必要とする以外は、従来公知の製造方法が使用できる。
【0045】
冷却工程は、前記トナー粒子の混練物を冷却処理(急冷処理)する工程であり、所定温度まで、1〜50℃/secの冷却速度で冷却する。分散液を冷却処理(急冷処理)する工程は、所定温度まで、1〜50℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
【0046】
トナーを溶融混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。
【0047】
重合法、イソシアネート基含有プレポリマーを用いた重付加反応法においては、水相中での機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い攪拌または超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
【0048】
粉砕については、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができ、平均粒径が3〜15μmになるように行うのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、5〜20μmに粒度調整される。
【0049】
外添剤の母体トナーへ外添は、母体トナーと外添剤をミキサー類を用い混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤が均一にかつ強固に母体トナーに付着させることが耐久性の点で重要である。
【0050】
本発明で使用される有機溶剤としては、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。
【0051】
本発明の画像形成用トナーを重合法により製造する場合において、該トナーを構成する結着樹脂を得るために使用する重合性単量体として、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、以下の酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1種類含有することが好ましい。
【0052】
(1)ラジカル重合性単量体:ラジカル重合性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
【0053】
(2)架橋剤:架橋剤としては、トナーの特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を添加しても良い。ラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0054】
(3)酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体:酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、カルボン酸基含有単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。スルホン酸基含有単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
【0055】
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、アミン系の化合物が挙げられ、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、および上記4化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
【0056】
本発明のトナーを得るために用いられるラジカル重合性単量体としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体が単量体全体の0.1〜15重量%使用することが好ましく、ラジカル重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0057】
(4)連鎖移動剤:結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、およびスチレンダイマー等が使用される。
【0058】
(5)重合開始剤:本発明のトナーを得るために用いられるラジカル重合開始剤は特に限定されるものではなく、水溶性および油溶性の重合開始剤が適宜使用が可能である。水溶性のラジカル重合開始剤としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いる事で、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で、室温またはそれ以上の温度で重合する事も可能である。
【0059】
(6)界面活性剤:前述のラジカル重合性単量体を使用して乳化重合を行うためには、界面活性剤を使用して乳化重合を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。本発明において、これらは、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
【0060】
イソシアネート基含有プレポリマーとしては、イソシアネート基を有する、ポリエステルプレポリマー(A1)、エポキシ樹脂プレポリマー(A2)、ポリウレタンプレポリマー(A3)、ポリアミドプレポリマーなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(A1)、(A2)および(A3)であり、さらに好ましいものは(A1)および(A2)であり、特に好ましいものは(A1)である。
【0061】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A1)としては、ポリオール(a)とポリカルボン酸(b)との重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを、さらにポリイソシアネート(c)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0062】
ポリオール(a)としては、ジオール(a−1)および3価以上のポリオール(a−2)が挙げられ、(a−1)単独、または(a−1)と少量の(a−2)の混合物が好ましい。ジオール(a−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物(通常1〜10モル付加);上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物(通常2〜10モル付加)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(a−2)としては、3〜6価およびそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0063】
ポリカルボン酸(b)としては、ジカルボン酸(b−1)および3価以上のポリカルボン酸(b−2)が挙げられ、(b−1)単独、および(b−1)と少量の(b−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(b−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(b−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(b)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
【0064】
ポリオール(a)とポリカルボン酸(b)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0065】
ポリイソシアネート(c)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0066】
アミン類としては、ポリアミン類(B1)、(B1)を脱離可能な化合物でブロック化した化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、および(B3)〜(B5)のアミノ基を脱離可能な化合物でブロックした化合物(B6)などが挙げられる。ポリアミン類(B1)としては、ジアミン(B1−1)および3価以上のポリアミン(B1−2)が挙げられる。ジアミン(B1−1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B1−2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。(B1)を脱離可能な化合物でブロック化した化合物(B2)としては、前記(B1)とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。(B3)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B3)〜(B5)とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類のうち好ましいものは、(B1)および(B2)であり、さらに好ましいものは、(B1−1)と少量の(B1−2)の混合物、およびそれらのケトン類とのケチミン化合物であり、特に好ましいものはB1のケチミン化合物である。
【0067】
さらに、必要によりアミン類と共に伸長停止剤を併用することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロック化したケチミン化合物などが挙げられる。
【0068】
樹脂特性値、及びトナー物性、性能評価の測定方法
(結晶性高分子の融解温度)
島津製作所製のDSC−60Aにより、室温から200℃まで、昇温速度10℃/minの条件にて測定し、最大吸熱量を示すピーク温度を融解温度とした。
【0069】
(酸価および水酸基価)
樹脂の酸価及び水酸基価の測定方法は、JIS K0070に規定の方法により測定した。但しサンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサンまたはTHF、o−ジクロロベンゼン等の溶媒を用いる。
【0070】
(粉末X回折測定)
粉末X線回折測定は理学電機RINT1100を用い、管球をCu、管電圧−電流を50kV−30mAの条件で広角ゴニオメーターを用いて測定した。
【0071】
(粉砕性)
粉砕性は一定の条件としたエアー式粉砕機で粉砕し、粉砕された粒子径を測定し、粒径が小さいものほど粉砕性が良いとした。
【0072】
(THFを溶媒として用いたGPCによる分子量の測定)
GPCによる分子量の測定は、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定した。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressure Chemical Co.或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0073】
(オルトジクロロベンゼンを溶媒として用いたGPCによる分子量の測定)
145℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶離液として0.3%BHT入りのオルトジクロロベンゼンを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.3重量%に調製した樹脂の140℃のo−ジクロロベンゼン溶解液を50〜200μl注入して測定した。測定機としてWaters製150CV型、カラムとしてShodex AT−G+AT−806MS(2本)を用いることができる.試料(トナー)の分子量測定に当っては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。スライス幅は0.05秒である。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressureChemical Co.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
【0074】
(耐熱保存性)
トナーを50℃×8時間保管後、42メッシュのふるいにて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保存性とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さい。
【0075】
(オフセット発生温度(HOT))
定着ローラーをPFAチューブ被覆ローラーに交換し、シリコーンオイル塗布装置を除去したリコー製カラー複写機プリテール650改造機を用い、定着ローラーの温度を5℃ずつ変化させ、オフセットの発生し始める温度を測定した。なお、定着ローラーには、オイルを塗布しない条件で評価を行ない、転写紙はリコーフルカラーPPC用紙タイプ6000(70W)を用いた。評価結果は以下のように表した。
◎:非常に高温までオフセットが発生せず非常に耐オフセット性に優れる
○:高温までオフセットが発生せずに耐オフセット性に優れる
△:耐オフセット性が不十分だが、微量のシリコンオイル(0.5〜1mg/A4サイズ)を塗布すれば耐オフセット性は満足する
×:低温からオフセットが発生し、微量のシリコンオイルを塗布しても耐オフセット性に劣る
【0076】
(低温定着性)
オフセット性の評価と同様の方法にて定着温度を変え、マクベス濃度計による画像濃度が1.2となるようなコピー画像を得た。
各温度のコピー画像を砂消しゴムを装着したクロックメーターにより10回擦り、その前後の画像濃度を測定し、下記式にて定着率を求めた。
定着率(%)=〔(砂消しゴム10回擦り後の画像濃度)/(砂消しゴム擦り前の画像濃度)×100
定着率70%以上を達成する温度を、定着下限温度とした。低温定着性の判定基準は次の通りである。
評価結果は以下のように表した。
◎:非常に低温で定着し始め定着下限温度が低く、非常に低温定着性に優れる
○:低温定着性に優れる
△:従来のトナーと同等程度の定着下限温度である
×:従来のトナー以上の定着下限温度であり、低温定着性に劣る
【0077】
(転写性)
オフセット性の評価と同様の複写機を用い、転写紙に転写中に複写機を停止させ、中間転写ベルト上に残存しているトナー量を目視で確認し以下のランク付けを行った。
◎:転写残トナーが非常に少なく転写性に優れる
○:転写残トナーが少なく転写性に優れる
△:従来トナーと同等の転写性
×:転写残トナーが非常に多く転写性に劣る
【0078】
(耐傷性の評価)
低温定着性の評価方法で作製された定着画像について、耐傷性(耐擦り傷性、耐ひっかき傷性、耐押し込み傷性)および定着強度を評価した。評価方法は下記のとおりである。
【0079】
▲1▼耐擦り傷性
リコーフルカラーPPC用紙タイプ6000(70W)紙により25gf/cm2の圧力で往復20回にわたり定着画像を擦り、擦られた後の画像を目視により観察して擦り傷の発生状況を下記ランクにて評価した。
◎:ベタ画像部およびカラーテストチャート部の何れにも傷が全く認められない。
○:ベタ画像部のごく一部に微かに傷が認められる。
△:ベタ画像部に傷が認められるが、カラーテストチャート部でははっきりと認められない。
×:ベタ画像部には著しい傷が認められ、カラーテストチャート部でもはっきりと認められる。
「◎」および「○」を合格とした。
【0080】
▲2▼耐ひっかき傷性
上島製作所製 描画試験器 AD−401を使用し、評価画像上にサファイヤ針125μR、針回転直径8mm、荷重1gの条件で当接した状態で走行させ、サファイヤ針尖端部の走行面を目視により観察してひっかき傷(走行跡)の発生状況を下記ランクにより評価した。
◎:走行した跡(線)が全く認められない。
○:僅かに線が認められる。
△:画像の真上から観察すると線は微かに認められるが、斜め45度から観察するとはっきりと認められない。
×:画像の真上から観察すると線がはっきりと認められる。
「◎」および「○」を合格とした。
【0081】
▲3▼耐押し込み傷性
上島製作所製 描画試験器 AD−401を使用し、評価画像上にサファイヤ針125μR、荷重50gを5秒間の条件で押圧し、押圧部分を目視により観察して押し込み傷(押圧跡)の発生状況を下記ランクにより評価した。
◎:押し込み跡が全く認められない。
○:僅かに押し込み跡が認められる。
△:画像の真上から観察すると押し込み跡は微かに認められるが、斜め45度から観察するとはっきり認められない。
×:画像の真上から観察すると押し込み跡がはっきりと認められる。
「◎」および「○」を合格とした。
【0082】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中、部はすべて重要部を表す。
【0083】
合成例1
結晶性ポリエステル樹脂1の合成
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,4−ブタンジオール25モル、フマル酸23.75モル、無水トリメリット酸1.65モル、ハイドロキノン5.3gを入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3KPaにて1時間反応させ結晶性ポリエステル樹脂No.1を得た。融点119℃、Mn710、Mw2100、酸価24、水酸基価28であった。
【0084】
合成例2〜6
原料を下記のものに変更する以外は、合成例1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂No.2〜6を得た。
【0085】
No.2 1,4−ブタンジオール 25モル
フマル酸 21.25モル
無水トリメリット酸 5モル
ハイドロキノン 5.7g
融点98℃、Mn640、Mw1700、酸価39、水酸基価7であった。
【0086】
No.3 1,4−ブタンジオール 23.75モル
エチレングリコール 1.25モル
フマル酸 22.75モル
無水トリメリット酸 1.65モル
ハイドロキノン 4.8g
融点129℃、Mn1700、Mw6200、酸価22、水酸基価45であった。
【0087】
No.4 1,4−ブタンジオール 22.5モル
エチレングリコール 5モル
フマル酸 23.75モル
無水トリメリット酸 5モル
ハイドロキノン 5.8g
融点84℃、Mn1000、Mw4800、酸価27、水酸基価32であった。
【0088】
No.5 1,4−ブタンジオール 25モル
フマル酸 22.5モル
コハク酸 1.25モル
無水トリメリット酸 1.65モル
ハイドロキノン 5.3g
融点114℃、Mn680、Mw2400、酸価21、水酸基価28であった。
【0089】
No.6 1,4−ブタンジオール 23.75モル
1,6−ヘキサンジオール 1.25モル
フマル酸 23モル
マレイン酸 0.75モル
無水トリメリット酸 1.65モル
ハイドロキノン 5.2g
融点127℃、Mn840、Mw3400、酸価29、水酸基価23であった。
【0090】
参考例1
〔混練粉砕法によるトナーの製造〕
下記のトナー組成物をブレンダーで充分混合したのち2軸押出し機にて溶融混練(140℃、30分間)した後、20℃/secの冷却速度で室温まで冷却を行った。これを粉砕、分級し、体積平均粒径約7.5μmの母体トナーを得た。母体トナー100部に対して、外添剤として、疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品、1次粒子の平均粒径が0.02μm)0.4部をヘンシェルミキサーにて混合を行い、シアン色のトナーを得た。
<トナー組成物>
結晶性ポリエステル樹脂No.1 20部
ポリエステル樹脂 70部
(Tg59℃、Mw17000)
ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル(融点84℃) 5部
帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩) 2部
着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料) 6部
【0091】
参考例2〜6
トナー組成物を下記のものに変更する以外は、参考例1と同様に操作して各色のトナーを作製した。
【0092】
参考例2
<トナー組成物>
結晶性ポリエステル樹脂No.2 30部
ポリエステル樹脂 50部
(Tg32℃、Mw11000)
カルナウバワックス(融点84℃) 5部
帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩) 2部
着色剤(カーボンブラック) 7.5部
トナーの体積平均粒径は約7.2μmであった。
【0093】
参考例3
<トナー組成物>
結晶性ポリエステル樹脂No.3 20部
結晶性ポリブタジエン 10部
(Tg124℃、Mn1100、Mw4000)
スチレン−アクレート共重合体樹脂 70部
(Tg78℃、Mw85000)
ポリオール樹脂 15部
(Tg75℃、Mw15000)
ポリエチレンワックス(融点123℃) 5部
帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩) 2部
着色剤(キナクリドンレッド) 10部
トナーの体積平均粒径は約7.5μmであった。
【0094】
参考例4
<トナー組成物>
結晶性ポリエステル樹脂No.4 60部
ポリスチレン樹脂 60部
(Tg78℃、Mw35000)
ベヘニルベヘン酸エステル
(融点72℃) 5部
帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩) 2部
着色剤(ベンズイミダゾロン) 10部
トナーの体積平均粒径は約8μmであった。
【0095】
参考例5
<トナー組成物>
結晶性ポリエステル樹脂No.5 1部
ポリエステル樹脂 85部
(Tg59℃、Mw17000)
ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル
(融点74℃) 5部
帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩) 2部
着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料) 6部
トナーの体積平均粒径は約7.7μmであった。
【0096】
参考例6
<トナー組成物>
結晶性ポリエステル樹脂No.6 20部
ポリエステル樹脂 70部
(Tg43℃、Mw17000)
ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル
(融点84℃) 5部
帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩) 2部
着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料) 6部
トナーの体積平均粒径は約7.5μmであった。
【0097】
参考例7
参考例1において、冷却速度を3℃/secにした他は、参考例1と同様にしてトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約7.6μmであった。
【0098】
参考例8
参考例1において、冷却速度を47℃/secにした他は、参考例1と同様にしてトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約7.2μmであった。
【0099】
参考例9
参考例1において、冷却速度を0.1℃/secにした他は、参考例1と同様にしてトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約8.4μmであった。
【0100】
参考例10
参考例1において、冷却速度を53℃/secにした他は、参考例1と同様にしてトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約7.3μmであった。
【0101】
参考例11
参考例1で結晶性ポリエステル樹脂No.1を添加しない以外は、参考例1と同様にトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約7.1μmであった。
【0102】
参考例12
〔溶剤溶解法によるトナーの製造〕
下記のトナー組成物および酢酸エチル245部を溶解槽に入れ、81℃(酢酸エチルの沸点)で加熱攪拌を1時間行った後、20℃/secの冷却速度で室温まで冷却を行い、さらに溶剤を留去した。これを粉砕、分級し、体積平均粒径約7.7μmの母体トナーを得た。母体トナー100重量部に対して、外添剤として、疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品、1次粒子の平均粒径が0.02μm)0.4部をヘンシェルミキサーにて混合を行い、シアン色のトナーを得た。
<トナー組成物>
結晶性ポリエステル樹脂No.1 20部
ポリエステル樹脂 70部
(Tg59℃、Mw17000)
ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル(融点84℃) 5部
帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩) 2部
着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料) 6部
【0103】
参考例13
参考例12で、冷却速度を4℃/secに変更する以外は参考例12と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約7.5μmであった。
【0104】
参考例14
参考例12で酢酸エチルをトルエンに替え、加熱温度を110℃、冷却速度を48℃/secに変更する以外は参考例12と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約7.2μmであった。
【0105】
参考例15
参考例12で、冷却速度を0.1℃/secに変更する以外は参考例12と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約8.5μmであった。
【0106】
参考例16
参考例12で、冷却速度を53℃/secに変更する以外は参考例12と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約8.7μmであった。
【0107】
合成例7
低分子量ラテックスの合成
攪拌装置、冷却管および熱電対を装着した容量1000mlの四つ口フラスコに、スチレン407.86gと、n−ブチルアクリレート70.94gと、メタクリル酸27.86gと、tert−ドデシルメルカプタン17.46gと、前記、結晶性ポリエステル樹脂No.4を42.69g、ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル10.67gを入れ、内温を85℃に昇温し、加熱溶解するまで攪拌し、そのまま温度を保持した。一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8gを純水2100mlに溶解させた界面活性剤水溶液を同様に内温85℃になるよう加熱し、そのまま保持した。85℃に保温した前記界面活性剤水溶液を攪拌しながら、前記ポリエステル樹脂No.4を溶解したモノマー溶液を添加し、超音波乳化装置を用いて乳化を行って乳化液を得た。次いで、攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度センサーを装着した容量5000mlの四つ口フラスコに、前記乳化液を投入し、攪拌を行いながら、窒素気流下、内温を70℃に保持し、過硫酸アンモニウム6.02gを純水400ミリリットルに溶解した重合開始剤水溶液を添加し、4時間重合を行った後、室温まで冷却し、濾過を行いラテックスNo.1を得た。反応後において重合残渣は認められず、安定したラテックが得られた。このラテックスを、電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子(株)製)を用いて数平均一次粒径を測定したところ120nmであった。また、DSCによるガラス転移温度は62℃、乾燥重量から求めた固形分濃度は20質量%であった。
【0108】
合成例8
高分子量ラテックスの合成
攪拌装置、冷却管及び熱電対を装備した500mlの四つ口フラスコに、スチレン73.98gと、n−ブチルアクリレート24.32gと、メタクリル酸3.04gと、tert−ドデシルメルカプタン0.096gと、前記結晶性ポリエステルNo.4を10.67g、ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル2.13gとを入れ、内温を85℃に昇温し、加熱溶解するまで攪拌し、そのまま温度を保持した。一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.22gを純水430mlに溶解させた界面活性剤水溶液を同様に内温85℃になるよう加熱し、そのまま保持した。85℃に保温した前記界面活性剤水溶液を攪拌しながら、前記結晶性ポリエステル化合物No.4を溶解したモノマー溶液を添加し、超音波乳化装置を用いて乳化を行って乳化液を得た。次いで、攪拌装置、冷却管、窒素導入管および熱電対を装着した容量5000mlの四つ口フラスコに、前記乳化液を投入し、攪拌を行いながら、窒素気流下、内温を70℃に保持し、過硫酸アンモニウム0.22gを純水80mlに溶解した重合開始剤水溶液を添加し、4時間重合を行った後、室温まで冷却し、濾過を行いラテックスNo.2を得た。反応後において重合残渣は認められず、安定したラテックスが得られた。このラテックスを、電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子(株)製)を用いて数平均一次粒径を測定したところ123nmであった。また、DSCによるガラス転移温度は64℃、乾燥重量から求めた固形分濃度は20質量%であった。
【0109】
実施例1
〔重合法によるトナーの製造〕
攪拌装置、冷却管および熱電対を装着した容量5000mlの4つ口フラスコに、前記ラテックスNo.2を250gとラテックスNo.1を1000gと、純水900mlと、界面活性剤水溶液(ドデシル硫酸ナトリウム9.20gを純水160mlに溶解した水溶液)にカーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)20gを分散してなるカーボンブラック分散液とを仕込み、攪拌しながら5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。さらに、塩化マグネシウム・六水和物28.5gを純水1000mlに溶解した水溶液を攪拌しながら室温下に添加した後、内温が90℃になるまで昇温した。そのまま内温を90℃に維持しながら、コールターカウンターII(コールター社製)を用いて分散粒子の粒径を測定し、その粒径が6.5μmになったところで、塩化ナトリウム80.6gを純水700mlに溶解した水溶液を添加し、内温を90℃に維持しながら6時間反応を継続させた。反応終了後、得られた会合粒子の分散液を90℃から40℃になるまで2.5分間で冷却した(冷却速度=20℃/min)。このようにして生成した会合粒子(トナー粒子)を濾過し、純水への再懸濁および濾過を繰り返して洗浄を行った後、乾燥することによって黒色のトナーを得た。このトナーの体積平均粒径は約6.3μmであった。
【0110】
実施例2
実施例1で、冷却速度を5℃/minに変更する以外は実施例1と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約6.2μmであった。
【0111】
実施例3
実施例1で、内温を95℃、冷却速度を45℃/minに変更する以外は実施例1と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約6.5μmであった。
【0112】
比較例1
実施例1で、冷却温度を0.1℃/minに変更する以外は実施例1と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約6.7μmであった。
【0113】
比較例2
実施例1で、内温を95℃、冷却温度を55℃/minに変更する以外は実施例1と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約6.8μmであった。
【0114】
合成例9
イソシアネート含有プレポリマーの合成
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃、8時間反応させた後、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた。これを160℃まで冷却して、32部の無水フタル酸を加え2時間反応させた。さらに、これを80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート188部と2時間反応を行い重量平均分子量12000のイソシアネート基含有プレポリマーNo.1を得た。
【0115】
合成例10
ケチミン化合物の合成
攪拌棒および温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いケチミン化合物No.1を得た。
【0116】
合成例11
ポリエステル樹脂の合成
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、重量平均分子量2400、水酸基価55、酸価1、Tg61℃のポリエステル樹脂No.1を得た。
【0117】
実施例4
〔イソシアネート基含有プレポリマーを用いた重付加反応法によるトナーの製造〕
ビーカー内に前記イソシアネート含有プレポリマーNo.1を15.4部、ポリエステル樹脂No.1を64部、前記結晶性ポリエステル樹脂No.1を20部、酢酸エチル150部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、ペンタエリスリトールテトラベヘネート20部、シアニンブルーKRO(山陽色素製)4部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。最後に、ケチミン化合物No.1を2.7部を加え溶解させた。これをトナー材料溶液(1)とする。ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液(1)を投入し10分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して、ウレア化反応をさせながら溶剤を除去した。この98℃の分散液に4℃に冷却したイオン交換水を投入し、冷却速度が30℃/minになるように調整しながら、室温まで冷却した。
このトナー分散液を濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級しトナーを作製した。このトナー体積平均粒径は約6μmであった。
【0118】
実施例5
実施例4で、冷却温度を5℃/minに変更する以外は実施例4と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約5.8μmであった。
【0119】
実施例6
実施例4で、冷却温度を48℃/minに変更する以外は実施例4と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約6.2μmであった。
【0120】
比較例3
実施例4で、冷却温度を0.1℃/minに変更する以外は実施例4と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約5.9μmであった。
【0121】
比較例4
実施例4で、冷却温度を55℃/minに変更する以外は実施例4と同様に操作してトナーを作製した。トナーの体積平均粒径は約6.1μmであった。
【0122】
各実施例、比較例及び参考例で得られたトナーの原材料を表1〜表4に、トナーの物性値等を表5〜表8に示す。またこれらの各トナーの性能を評価し、その結果を表9〜表12に示す。
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【0126】
【表4】
【0127】
【表5】
【0128】
【表6】
【0129】
【表7】
【0130】
【表8】
【0131】
【表9】
【0132】
【表10】
【0133】
【表11】
【0134】
【表12】
【0135】
【発明の効果】
本発明の画像形成用トナーは、紛砕性、耐熱保存性、耐オフセット性、転写性に優れ、しかも低温定着化と形成される定着画像の優れた耐傷性(耐擦り傷性、耐ひっかき傷性、耐押し込み傷性)を両立させたトナーである。
また本発明により、上記トナーの製造方法、該トナーを用いた現像剤、該現像剤を充填したトナー容器、該現像剤を用いる画像形成方法、及び該現像剤を装填した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成方法及び装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】トナーの熱特性(フローテスター特性)を説明するための図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 帯電ローラ
3 現像装置
4 現像剤
5 現像スリーブ(現像剤担持体)
6 転写ベルト(転写手段)
6a バイアスローラ
7 クリーニングブレード
8 回収ばね
9 回収コイル
10 感光体及びクリーニングユニット(PCU)
13 搬送スクリュー
14 パドル(撹拌機構)
16 反射濃度検知センサー(Pセンサー)
17 トナー濃度センサー
18 レジストローラ
20 除電ランプ
S 転写紙
Claims (23)
- 少なくともイソシアネート基含有プレポリマーと結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を水相中でアミン類と重付加反応させることにより、イソシアネート基含有プレポリマーを伸長及び/又は架橋させる画像形成用トナーにおいて、
前記結着樹脂のうち少なくとも1種類が結晶性高分子(A)であり、
前記トナーは少なくとも製造時に加熱された状態から冷却される冷却過程を有し、示差走査熱量計により測定される第1の昇温過程の後に前記冷却過程の冷却速度と同一条件の冷却後の、該トナーのDSC曲線の第2の昇温過程に、該結着樹脂のガラス転移点付近5℃以内に少なくとも1つの発熱ピークを有し、
前記製造時の冷却過程の冷却速度が5〜48℃/minであることを特徴とする画像形成用トナー。 - 発熱ピークの発熱量をQ1、他の吸熱ピークの吸熱量総和をQ2とした場合に、0.01≦Q1/Q2≦0.3であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成用トナー。
- 前記結着樹脂が少なくとも結晶性高分子(A)を含有し、さらに熱可溶性樹脂(B)および/または有機溶剤に溶解可能な樹脂(C)からなることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 前記結着樹脂100重量部あたり、前記結晶性高分子(A)を1〜50重量部の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 前記結晶性高分子(A)のDSC曲線における最大吸熱ピーク温度が80〜130℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 前記結晶性高分子(A)のオルトジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1000〜6500、数平均分子量(Mn)で500〜2000、Mw/Mnが2〜5であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 前記結晶性高分子(A)の酸価が20〜45mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 前記結晶性高分子(A)の水酸基価が5〜50mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 前記結晶性高分子(A)が下記一般式(1)
[−O−CO−CR 1 =CR 2 −CO−O−(CH 2 ) n −] m (1)
(式中、R 1 、R 2 は水素基または炭化水素基である。n、mは繰り返し単位の数である。)で表される構造を有する結晶性ポリエステル樹脂(E)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成用トナー。 - 前記結晶性ポリエステル樹脂(E)のアルコール成分が炭素数2〜6のジオール化合物を含有するものであり、酸成分がマレイン酸、フマル酸、およびこれらの誘導体の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成用トナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂(E)のアルコール成分が1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成用トナー。
- 前記樹脂(B)及び(C)のそれぞれのガラス転移温度(Tg)が30〜80℃であることを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 前記樹脂(B)及び(C)のそれぞれの重量平均分子量が2000〜90000であることを特徴とする請求項3〜12のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 前記樹脂(B)及び(C)のそれぞれが、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、
融点が70〜125℃であるワックスを含有している画像形成用トナー。 - 前記ワックスがカルナウバワックス、ポリエチレンワックス、合成エステルワックスから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成用トナー。
- 少なくとも無機微粒子及び/または樹脂微粒子を外添もしくは内添されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 少なくともイソシアネート基含有プレポリマーと結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を水相中でアミン類と重付加反応させることにより、イソシアネート基含有プレポリマーを伸長及び/又は架橋させるトナーの製造方法において、重付加反応時の最高温度が、結着樹脂のなかで最も高い融解温度をもつ樹脂の融解温度(℃)以上、もしくは該有機溶剤の沸点以下であり、かつ、その冷却工程において、該結着樹脂のなかで最も低いガラス転移点をもつ樹脂のガラス転移温度(℃)以下まで5〜48℃/minの冷却速度で冷却する工程をもつことを特徴とする請求項1に記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の画像形成用トナーからなることを特徴とする一成分現像剤。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の画像形成用トナーとキャリア粉からなることを特徴とする二成分現像剤。
- 請求項19又は20に記載の現像剤が充填されたことを特徴とするトナー容器。
- 像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像し、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写し、転写されたトナー像をローラー状もしくはベルト状の定着部材により、加熱加圧定着して定着画像を得る工程を含む画像形成方法において、請求項19又は20に記載の現像剤を使用することを特徴とする画像形成方法。
- 像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像する手段、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写する手段、転写されたトナー像をローラー状もしくはベルト状の定着部材により、加熱加圧定着して定着画像を得る手段を含む画像形成装置において、請求項19又は20に記載の現像剤を装填したことを特徴とする画像形成装置。
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