JP6907076B2 - トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成方法において使用するトナーおよびその製造法に関する。
近年、画像形成に際して、省エネルギー化への要求の高まりに伴い、トナーの定着温度をより低温化させる取り組みが採られるようになってきている。その一つとして、軟化温度の低いポリエステルを用いることで、更に定着温度を下げることが提案されている。ところが、このような軟化温度の低い樹脂を用いると、温度の上昇に伴いトナー粘度が著しく下がってしまうことがあった。一般的にトナーの定着プロセスにおいては、定着ローラーの温度が一定の場合において、紙種が異なると、トナーに伝わる熱量が変わる。厚紙においてはトナーに伝わる熱量は下がり、薄紙においてはトナーに伝わる熱量は上がる。従って、上記のような、温度によって粘度変化の大きいトナーを用いると、紙種が異なる場合においてはトナーの定着温度が異なるため、画像のグロスが大きく変動してしまうという課題があった。
そこで、トナーが高温時の粘度を上昇させる手段として、トナーの結着樹脂組成物を架橋させることにより粘度を上げる技術や(特許文献1)、高融点結晶性樹脂の物理架橋によりトナー全体の粘度を上げるような技術が提案されている(特許文献2、3)。
一方で、トナー中に結晶性化合物を非晶性状態で存在させることで、非晶性化合物の昇温時結晶化現象に起因する発熱を利用してトナーの定着に利用するような技術が提案されている(特許文献4)。
特開2012−173322号公報 特開2005−189808号公報 特開2004−151683号公報 特開平11−52613号公報
架橋された樹脂を結着樹脂に用いることで、トナーの高温時の粘度を向上させることは可能である。しかし、トナーの定着温度の変化に伴い、画像グロスの変動が大きくなってしまうという課題があった。
また、高融点結晶性樹脂をトナーに添加する場合、高融点結晶性樹脂がトナーの定着温度域において溶融しないため、他の結着樹脂との相溶性が良い場合にはトナー全体の粘度を向上させる効果がある。
しかし、この場合においてもトナー中に結晶性樹脂が結晶状態として存在してしまうため、トナーの低温定着性を阻害し、且つ画像のグロスの変動も大きくなってしまうという課題があった。
更に、特許文献4の場合においても、結晶性化合物単体でトナーに添加しており、トナーの定着プロセスにおいて結晶化が遅くなってしまうことから、トナーの粘度特性を向上させるには不十分であった。
従って本発明の目的は、トナーが定着する温度域においてグロスの安定した、低温定着可能なトナーを供給することである。
上記のように高融点結晶性樹脂をトナー全体の粘度低下の目的でトナーに使用するには課題がある。そこで本発明者らが鋭意検討を行った結果、高融点結晶性樹脂と非晶性樹脂のブロック共重合体を最適な比率でトナー中に添加し、非晶状態でトナー中に存在させ、且つ結着樹脂との相溶性を制御することで、低温定着時には非晶状態のためにトナーの熱変形を阻害せず、高温時に結晶性樹脂が結晶化し、画像グロスの安定性を確保できることを見出した。
すなわち本発明は、結晶性セグメントと非晶性セグメントを含むブロック共重合体と、ガラス転移温度が60℃以下である非晶性樹脂とを結着樹脂に含有するトナーであって、
該ブロック共重合体に該結晶性セグメントを50質量%以上90質量%以下で含有し、
該ブロック共重合体を該結着樹脂の全質量に対して10質量%以上50質量%以下で含有し、
該ブロック共重合体を示差走査熱量測定(DSC)を用いて100℃/minで昇温した場合において、トナーの軟化点以上180℃以下に該結晶性セグメントに由来する3J/g以上の結晶化発熱ピークを持ち、該結晶性セグメントに由来する吸熱ピークを200℃以上に持ち、
該結晶性セグメントと該非晶性樹脂のSP値差が0.5以上2.5[J/cm30.5以下であることを特徴とするトナーである。
また、本発明は、(1)融点が200℃以上、示差走査熱量測定(DSC)を用いて100℃/minで昇温した場合において180℃以下に結晶化温度を有する、結晶性セグメントを持つポリエステル樹脂と非晶性セグメントを持つポリエステル樹脂をエステル交換触媒を用いてエステル交換反応させた樹脂と、(2)ガラス転移温度が60℃以下である非晶性樹脂とを、該結晶性セグメントの融点以上で相溶させ、100℃/min以上の速度で結晶化温度まで下げるトナーの製造方法であって、
該ブロック共重合体を結着樹脂に10質量%以上50質量%以下で含有し、該結晶性セグメントと該非晶性樹脂のSP値差が0.5以上2.5[J/cm30.5以下であることを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明によれば、トナーが定着する温度域においてグロスの安定した、低温定着可能なトナーを供給することができる。
本発明のトナーは、結着樹脂がブロック共重合体と非晶性樹脂を含有するものであり、さらにワックス、着色剤、その他成分を有している。以下、それぞれの構成成分について詳細に説明する。
<ブロック共重合体>
本発明に使用するブロック共重合体について説明する。
本発明に使用するブロック共重合体は、200℃以上の高融点(吸熱ピークを200℃以上に持つ)である結晶性セグメントと、非晶性のセグメントから成り、トナー中において該結晶性セグメントを非晶状態で含むことが特徴である。これにより、トナーを定着させる最低温度においては該結晶性セグメントが非晶状態のため、低温定着性を損なうことが無い。また、該ブロック共重合体を示差走査熱量測定(DSC)を用いて100℃/minで昇温した場合において、トナーの軟化点以上180℃以下に結晶性セグメントに由来する3J/g以上の結晶化発熱ピークを持つことで、定着プロセス中で該結晶性セグメントが結晶化温度を境に結晶化し、トナーが高粘度化する。これにより、幅広い定着温度域においてトナーの粘度が安定し、画像のグロスが安定する。
ここで、実際の定着プロセス中ではより高速でトナーの昇温が行われるため、上記結晶化発熱ピークの発現温度が180℃より大きいと、結晶化が定着温度域で効果的に起こらず、トナーの高粘度化が効果的に行われない。更に、上記結晶化発熱ピークの発現温度は160℃以下がより好ましく、この場合、より画像のグロスを安定させることができる。
また、本発明におけるブロック共重合体の構造にすることで、結晶性セグメントの結晶化速度が速くなり、トナーの定着プロセスにおいて効率的に結晶化し、画像のグロスの安定化に寄与する。
また、上記結晶化発熱量が3J/g未満だと、結晶化する量が不十分であるためトナーの高粘度化が効果的に行われない。上記結晶化発熱量は、4J/g以上がより好ましく、この範囲であればより画像のグロスを安定させることができる。
そのような効果を発現する結晶性セグメントは、定着性や帯電性の観点からポリエステルが好ましい。更に、ポリエチレンテレフタレートや、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが、結晶化速度が速いためより好ましい。これらの樹脂は、エチレングリコールとテレフタル酸、プロピレングリコールとテレフタル酸、ブチレングリコールとテレフタル酸等の縮重合により、公知の方法によって製造することができる。
該結晶性セグメントを非晶状態でトナーに含むためには、該ブロック共重合体と他のトナー構成材料を相溶させる際に該結晶性セグメントの融点以上に温度を上げ結晶部を溶融させた後、急冷することによって得られる。相溶プロセスは、加熱による溶融混練でも良いし、溶剤を用いて樹脂を軟化させ、かつ昇温することで結晶部を溶融してもよい。
このようなブロック共重合体の製造方法は特に限定されないが、ポリエステルのような樹脂を用いる場合、たとえば簡便性のため二軸押出機などを用いた反応押出法により製造することができる。具体的には、結晶性セグメントを持つ樹脂と非晶性セグメントを持つ樹脂を、エステル交換触媒等と共に二軸押出機に投入し、均一にエステル交換反応させることによってブロック共重合体を得ることができる。この場合、非晶性樹脂に用いる非晶性樹脂の水酸基価は10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましい範囲は、20mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である。水酸基価が10mgKOH/g以上であることで、エステル交換が十分に起き、ブロック共重合体を得やすい。また、100mgKOH/g以下であることで、トナーの帯電性が良化する。
ここで、上記のエステル交換反応とは、エステル交換能を有する触媒下において、結晶性セグメントを含むポリエステル樹脂と、非晶性ポリエステルを含むポリエステル樹脂の水酸基によるエステル結合への求核反応である。このような反応を経ることで、各セグメントの水酸基から別のセグメントが伸長された、ブロック共重合体を得ることができる。用いる触媒としては、ルイス酸類又はアルカリ金属類等が挙げられる。中でも、1族金属化合物又は2族金属化合物の水酸化物、酢酸塩、炭酸塩、カルボン酸塩、フェノール塩が挙げられる。
なお、ポリエステル樹脂の水酸基価は以下のように測定する。
(A)試薬
(a)アセチル化試薬:無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス及び酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95vol%)100mlに溶かす。
0.5モル/リットル−水酸化カリウム−エチルアルコール溶液水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとし、2〜3日間放置後ろ過する。標定はJISK8006によって行う。
(B)操作
試料0.5〜2.0gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱を受けて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。
(C)計算式
次式によって樹脂の水酸基価を算出する。
A=[{(B+C)×f×28.05}/S]+D
[A:樹脂の水酸基価(mgKOH/g)
B:空試験の0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
C:本試験の0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
D:樹脂の酸価(mgKOH/g)]
また、本発明におけるブロック共重合体の非晶性セグメントは、低温定着性および帯電性の観点から、ポリエステル樹脂が望ましい。
また、本発明において該ブロック共重合体は結晶性セグメントと、非晶性のセグメントから成り、該結晶性セグメントを50質量%以上90質量%以下で含有することが特徴である。これにより、該結晶性セグメントのみから構成される結晶性樹脂よりも結晶化温度が下がり、定着プロセス中における温度域で該ブロック共重合体の結晶化を効率的に発現させることができる。
更に、本発明においては該ブロック共重合体を該結着樹脂の全質量に対して10質量%以上50質量%以下で含有する。10質量%未満では、結晶化する部位が少なすぎ、トナーの粘度上昇が不十分である。また、50質量%超では、結晶化による粘度上昇が大き過ぎ、トナーの熱変形を阻害することで定着性が悪化する。
また、本発明においては該結晶性樹脂セグメントと該非晶性樹脂のSP値差は0.5以上2.5[J/cm30.5以下である。SP値を上記の範囲にすることにより、該結晶性樹脂セグメントが該非晶性樹脂と絡み合い、トナー全体の粘度が向上する。SP値差が0.5[J/cm30.5未満では、該非晶性樹脂との相溶性が高すぎ、該結晶性樹脂セグメントが結晶化を発現せず、粘度上昇効果が小さい。SP値差が2.5[J/cm30.5より大きいと、該結晶性樹脂セグメントと該非晶性樹脂の相溶性が低すぎるため、該結晶性樹脂セグメントが結晶になった場合でも該非晶性樹脂との絡み合いが発現せず、トナー全体の粘度上昇に寄与しない。上記のSP値差は、より好ましくは0.7以上1.5以下であり、この範囲においてはより効率的にトナー全体の粘度上昇が発現する。
なお、本発明で用いられるSP値は、Fedorsの式(3)を用いて求めた。ここでのΔei、および、Δviの値は著「コーティングの基礎科学」54〜57頁、1986年(槇書店)の表3〜9による原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積(25℃)」を参照にした。
δi=[Ev/V](1/2)=[Δei/Δvi](1/2)式(3)
Ev:蒸発エネルギー
V:モル体積
Δei:i成分の原子または原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子または原子団のモル体積
また、該ブロック共重合体における結晶性セグメントおよび非晶性セグメントの数平均分子量は、それぞれ3000以上50000以下が好ましい。結晶性セグメントの数平均分子量が3000以上の場合、トナー全体の粘度上昇のための結晶化が十分となる。また、結晶性セグメントの数平均分子量が50000以下の場合、結晶性セグメントの結晶化速度が速くなる。非晶性セグメントの数平均分子量が3000以上の場合、結晶化セグメントの大きさが大きいため結晶化が速くなり、トナー定着プロセスにおける十分な結晶化速度が確保できる。50000以下の場合、結晶性セグメントの結晶化速度が速くなる。より好ましい範囲としては、それぞれの数平均分子量が5000以上30000未満である。
<非晶性樹脂>
本発明における非晶性樹脂は、ガラス転移温度が60℃以下であり、ブロック共重合体における該結晶性樹脂セグメントと該非晶性樹脂のSP値差が0.5以上2.5[J/cm30.5以下であれば、特に構造は限定されないが、低温定着性および帯電性の観点から、ポリエステル樹脂が望ましい。
また本発明における非晶性樹脂は、該ブロック共重合体の非晶性セグメントと、同種のモノマー単位で構成されることが好ましい。これにより、ブロック共重合体との相溶性が向上し、該結晶性セグメントの結晶化によるトナー全体の粘度上昇を効率的に行うことができる。
本発明における非晶性樹脂は、ポリエステル樹脂の場合、通常のポリエステル合成法に従って製造することができる。例えば、カルボン酸単量体とアルコ−ル単量体とをエステル化反応、またはエステル交換反応せしめた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで所望の結晶性ポリエステル樹脂を得ることができる。
また、この場合、カルボン酸単量体にはフマル酸を含むことが好ましい。更にアルコ−ル単量体としてはビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を含むことが好ましい。このような構成成分を含むことで、結晶性セグメントとの相溶性が良好となり、グロスを安定化することができる。
<離型剤(ワックス)>
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。更に、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N、N’ジオレイルアジピン酸アミド、N、N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N、N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
本発明では、離型剤は、結着樹脂100質量部あたり1質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、離型剤の最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。離型剤の最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
<着色剤>
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3、48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1個乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。更に、これらの着色剤は耐熱性の高いものを用いることが好ましく、例えば270℃の高温下で混練しても、分解率が1%以下となることが好ましい。
<荷電制御剤>
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
<無機粒子(主に外添剤)>
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m2/g以上400m2/g以下の無機微粉体が好ましく、耐久性安定化のためには、比表面積が10m2/g以上50m2/g以下の無機微粉体であることが好ましい。流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粉体を併用してもよい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
<トナーの製造方法>
本発明のトナー粒子を製造する方法としては、トナー材料を該ブロック共重合体における結晶性セグメントの融点以上の温度にて相溶化し、100℃/min以上の速度で急冷する工程を含めばよい。これにより、結晶性セグメントを非晶状態でトナー粒子中に含むことができる。トナー製造方法の具体的な方法は特に限定されないが、二軸押出機等で材料を溶融混練する方法を含む、粉砕法が好ましい。
以下、粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂及び離型剤、着色剤、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に離型剤等を分散させる。このとき、該ブロック共重合体における結晶性セグメントの融点以上の温度にて溶融混練する。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって急冷する。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、分級品(トナー粒子)を得る。中でも、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)は、分級と同時にトナー粒子の球形化処理を行うことができ、転写効率の向上という点で好ましい。
更に必要に応じて、トナー粒子の表面に外添剤が外添処理される。外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
また、得られたトナーの軟化点は80℃以上120℃以下が好ましく、より好ましい範囲は100℃以上110℃以下である。トナーの軟化点が80℃以上だと耐ブロッキング性が良化し、120℃以下だと低温定着性が良化する。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて更に詳細に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。
(非晶性樹脂1)
多価カルボン酸成分;
・フマル酸 80質量部
・トリメリット酸 20質量部
多価アルコール成分;
・ビスフェノールA 40質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 40質量部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物 20質量部
以上を十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、更に減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂の結晶化処理として、得られた樹脂40gをトルエン160gが入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することで非晶性樹脂1を得た。物性を表1に示す。
(非晶性樹脂2)
多価カルボン酸成分;
・フマル酸 60質量部
・テレフタル酸 40質量部
多価アルコール成分;
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 25質量部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物 75質量部
以上を十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、更に減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂の結晶化処理として、得られた樹脂40gをトルエン160gが入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することで非晶性樹脂2を得た。物性を表1に示す。
(非晶性樹脂3)
多価カルボン酸成分;
・テレフタル酸 60質量部
・ドデシルコハク酸 10質量部
・トリメリット酸 30質量部
多価アルコール成分;
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物 100質量部
以上を十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、更に減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂の結晶化処理として、得られた樹脂40gをトルエン160gが入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することで非晶性樹脂3を得た。物性を表1に示す。
(非晶性樹脂4)
多価カルボン酸成分;
・フマル酸 80質量部
・トリメリット酸 20質量部
多価アルコール成分;
・ビスフェノールA 40質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 40質量部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物 20質量部
以上を十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、更に減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂の結晶化処理として、得られた樹脂40gをトルエン160gが入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することで非晶性樹脂4を得た。物性を表1に示す。
(非晶性樹脂5)
多価カルボン酸成分;
・テレフタル酸 30質量部
・フマル酸 70質量部
多価アルコール成分;
・ビスフェノールA 60質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 40質量部
以上を十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、更に減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂の結晶化処理として、得られた樹脂40gをトルエン160gが入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することで非晶性樹脂5を得た。物性を表1に示す。
(非晶性樹脂6)
多価イソシアネート成分:
・トルエンジイソシアネート 100質量部
多価アルコール成分;
・エチレングリコール 80質量部
以上を十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、60℃まで加熱し、10時間かけてウレタン化反応を施し、非晶性樹脂6を得た。物性を表1に示す。
(非晶性樹脂7)
多価カルボン酸成分;
・テレフタル酸 50質量部
・イソフタル酸 50質量部
多価アルコール成分;
・ビスフェノールA 50質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 50質量部
以上を十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、更に減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂の結晶化処理として、得られた樹脂40gをトルエン160gが入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することで非晶性樹脂7を得た。物性を表1に示す。
(非晶性樹脂8)
多価カルボン酸成分;
・テレフタル酸 46質量部
・ドデシルコハク酸 40質量部
・トリメリット酸 14質量部
多価アルコール成分;
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 65質量部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物 35質量部
以上を十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、更に減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂の結晶化処理として、得られた樹脂40gをトルエン160gが入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することで非晶性樹脂8を得た。物性を表1に示す。
(非晶性樹脂9)
多価カルボン酸成分;
・テレフタル酸 70質量部
・トリメリット酸 30質量部
多価アルコール成分;
・ビスフェノールA 80質量部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物 20質量部
以上を十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、更に減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂の結晶化処理として、得られた樹脂40gをトルエン160gが入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することで非晶性樹脂9を得た。物性を表1に示す。
Figure 0006907076
(ポリエチレンテレフタレート1の製造)
多価カルボン酸成分;
・テレフタル酸 83質量部
多価アルコール成分;
・エチレングリコール 37質量部
以上を十分に加熱乾燥した撹拌装置を備えた反応容器に、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しチタンテトラブトキシドを0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら260℃に昇温し、樹脂を重合した(数平均分子量:38300、SP値:25.4[J/cm30.5)。
(ポリエチレンテレフタレート2の製造)
ポリエチレンテレフタレート1を、二軸押出機(PCM−30型、株式会社池貝製)を用いて270℃にて混練した。混練物を冷却した後、ストランドカッターによりチップ状に裁断し、ポリエチレンテレフタレート2を得た(数平均分子量:16600、SP値:25.4[J/cm30.5)。
(ポリブチレンテレフタレート1の製造)
多価カルボン酸成分;
・テレフタル酸 83質量部
多価アルコール成分;
・ブチレングリコール 54質量部
以上を十分に加熱乾燥した撹拌装置を備えた反応容器に、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100質量部に対しチタンテトラブトキシドを0.05質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら260℃に昇温し、樹脂を重合した(数平均分子量:24800、SP値:24.0[J/cm30.5)。
(ブロック共重合体1の製造)
・ポリエチレンテレフタレート1 70質量部
・非晶性樹脂1 30質量部
上記材料に、エステル交換触媒として酢酸ナトリウムを1質量部加えた後、温度270℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ブロック共重合体1を得た。物性を表2に示す。
(ブロック共重合体2の製造)
・ポリエチレンテレフタレート1 55質量部
・非晶性樹脂1 45質量部
上記材料に、エステル交換触媒として酢酸ナトリウムを1質量部加えた後、温度270℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ブロック共重合体2を得た。物性を表2に示す。
(ブロック共重合体3の製造)
・ポリエチレンテレフタレート1 85質量部
・非晶性樹脂1 15質量部
上記材料に、エステル交換触媒として酢酸ナトリウムを1質量部加えた後、温度270℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ブロック共重合体3を得た。物性を表2に示す。
(ブロック共重合体4の製造)
・ポリエチレンテレフタレート2 70質量部
・非晶性樹脂1 30質量部
上記材料に、エステル交換触媒として酢酸ナトリウムを1質量部加えた後、温度270℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ブロック共重合体4を得た。物性を表2に示す。
(ブロック共重合体5の製造)
・ポリエチレンテレフタレート1 70質量部
・非晶性樹脂2 30質量部
上記材料に、エステル交換触媒として酢酸ナトリウムを1質量部加えた後、温度270℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ブロック共重合体5を得た。物性を表2に示す。
(ブロック共重合体6の製造)
・ポリブチレンテレフタレート1 70質量部
・非晶性樹脂2 30質量部
上記材料に、エステル交換触媒として酢酸ナトリウムを1質量部加えた後、温度240℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ブロック共重合体6を得た。物性を表2に示す。
(ブロック共重合体7の製造)
・ポリエチレンテレフタレート1 40質量部
・非晶性樹脂1 60質量部
上記材料に、エステル交換触媒として酢酸ナトリウムを1質量部加えた後、温度270℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ブロック共重合体7を得た。物性を表2に示す。
(ブロック共重合体8の製造)
・ポリ乳酸(レイシアH100J三井化学社製) 60質量部
・非晶性樹脂1 40質量部
上記材料を、温度170℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ブロック共重合体8を得た。物性を表2に示す。
(ブロック共重合体9の製造)
・ポリエチレンテレフタレート1 70質量部
・非晶性樹脂6 30質量部
上記材料に、エステル交換触媒として酢酸ナトリウムを1質量部加えた後、温度270℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ブロック共重合体9を得た。物性を表2に示す。
(ブロック共重合体10の製造)
・ナイロン6(UBEナイロン1013B宇部興産株式会社製) 120質量部
・フマル酸 32質量部
・トリメリット酸 8質量部
・ビスフェノールA 16質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 16質量部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物 8質量部
上記材料に、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、250℃で縮重合反応させ、樹脂を重合し、ブロック共重合体10を得た。物性を表2に示す。
Figure 0006907076
樹脂の各種物性の測定法について以下に説明する。
<樹脂のガラス転移点および融点の測定>
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TAInstruments社製)を用いてASTMD3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、樹脂約0.01gをアルミパンに計量し、室温から300℃まで昇温速度10℃/minで試料を昇温しながら熱量測定を行う。得られたDSC曲線より、このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
また、ガラス転移温度が2点以上検出される場合は、より低温で検出されたガラス転移温度を本発明に使用する樹脂のガラス転移温度とする。
本発明に使用する樹脂の融点は、示査走査熱量計(メトラートレド社製:DSC822/EK90)を用い、ASTMD3418−82に準じて測定することができる。具体的には、試料0.01gをアルミパンに計量し、室温から300℃まで昇温速度10℃/minで試料を昇温しながら熱量測定を行う。次いで、得られたDSC曲線より、吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
<樹脂の結晶化温度および結晶化発熱ピークの測定>
本発明における樹脂の結晶化温度は、示査走査熱量計(メトラートレド社製:DSC822/EK90)を用いて測定する。具体的には、試料0.01gをアルミパンに計量し、室温から300℃まで昇温速度100℃/minで試料を昇温しながら熱量測定を行う。次いで、得られたDSC曲線より、発熱ピークのピーク温度を結晶化温度とし、そのピーク面積を試料質量で除した値を単位質量当たりの結晶化発熱ピークとする。
<樹脂の数平均分子量の測定>
樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
非晶性ポリエステル樹脂
まず、室温で24時間かけて、試料(樹脂)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、溶媒に可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:ShodexKF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
結晶性ポリエステル樹脂
まず、室温で24時間かけて、試料(樹脂)をヘキサフロオロイソプロパノール(HFIP)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、溶媒に可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:ShodexKF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:ヘキサフロオロイソプロパノール(HFIP)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリメチルメタクリレート樹脂を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<樹脂およびトナーの軟化点の測定>
本発明における樹脂およびトナーの軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:40℃
到達温度:300℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):49N(5.0kgf)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
〔実施例1〕
(トナー1の製造)
・ブロック共重合体1 20質量部
・非晶性樹脂1 80質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
・3、5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE88オリエント化学工業社製) 0.5質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度270℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を120℃/minで急冷し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。更にファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー1を得た。物性を表3に示す。
〔実施例2〕
(トナー2の製造)
ブロック共重合体1をブロック共重合体2に変更し、その部数および非晶性樹脂1の部数を下記に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー2を得た。物性を表3に示す。
・ブロック共重合体2 40質量部
・非晶性樹脂1 60質量部
〔実施例3〕
(トナー3の製造)
ブロック共重合体1をブロック共重合体3に変更し、その部数および非晶性樹脂1の部数を下記に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー3を得た。物性を表3に示す。
・ブロック共重合体3 10質量部
・非晶性樹脂1 90質量部
〔実施例4〕
(トナー4の製造)
非晶性樹脂1を非晶性樹脂2に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー4を得た。物性を表3に示す。
〔実施例5〕
(トナー5の製造)
ブロック共重合体1をブロック共重合体4に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー5を得た。物性を表3に示す。
〔実施例6〕
(トナー6の製造)
ブロック共重合体1をブロック共重合体5に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー6を得た。物性を表3に示す。
〔実施例7〕
(トナー7の製造)
ブロック共重合体1をブロック共重合体6に変更し、非晶性樹脂1を非晶性樹脂2に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー7を得た。物性を表3に示す。
〔実施例8〕
(トナー8の製造)
非晶性樹脂1を非晶性樹脂3に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー8を得た。物性を表3に示す。
〔実施例9〕
(トナー9の製造)
非晶性樹脂1を非晶性樹脂4に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー9を得た。物性を表3に示す。
〔実施例10〕
(トナー10の製造)
非晶性樹脂1を非晶性樹脂5に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー9を得た。物性を表3に示す。
〔実施例11〕
(トナー11の製造)
ブロック共重合体1をブロック共重合体9に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー11を得た。物性を表3に示す。
〔実施例12〕
(トナー12の製造)
非晶性樹脂1を非晶性樹脂6に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー12を得た。物性を表3に示す。
〔実施例13〕
(トナー13の製造)
ブロック共重合体1をブロック共重合体10に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー13を得た。物性を表3に示す。
〔比較例1〕
(トナー14の製造)
ブロック共重合体1と非晶性樹脂1の部数を下記に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー14を得た。物性を表3に示す。
・ブロック共重合体1 60質量部
・非晶性樹脂1 40質量部
〔比較例2〕
(トナー15の製造)
ブロック共重合体1と非晶性樹脂1の部数を下記に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー15を得た。物性を表3に示す。
・ブロック共重合体1 5質量部
・非晶性樹脂1 95質量部
〔比較例3〕
(トナー16の製造)
ブロック共重合体1をブロック共重合体7に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー16を得た。物性を表3に示す。
〔比較例4〕
(トナー17の製造)
非晶性樹脂1を非晶性樹脂7に変更し、またブロック共重合体1と非晶性樹脂7の部数を下記に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー17を得た。物性を表3に示す。
・ブロック共重合体1 30質量部
・非晶性樹脂7 70質量部
〔比較例5〕
(トナー18の製造)
非晶性樹脂1を非晶性樹脂8に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー18を得た。物性を表3に示す。
〔比較例6〕
(トナー19の製造)
非晶性樹脂1を非晶性樹脂9に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー19を得た。物性を表3に示す。
〔比較例7〕
(トナー20の製造)
ブロック共重合体1をポリエチレンテレフタレート1に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー20を得た。物性を表3に示す。
〔比較例8〕
(トナー21の製造)
実施例1において、トナー材料を溶融混練した後に20℃/minで徐冷し、結晶性セグメントを結晶化させた以外は、実施例1と同様にしてトナー21を得た。物性を表3に示す。
〔比較例9〕
(トナー22の製造)
ブロック共重合体1をブロック共重合体8に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー22を得た。物性を表3に示す。
(トナーの評価)
<定着性の評価>
100質量部のトナーに、BET法で測定した比表面積が200m2/gであり、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合して、外添剤が添加されたトナーを調製した。当該トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合して、二成分現像剤を調製した。当該二成分現像剤を市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)に充填し、受像紙(64g/m2)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を形成した。市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNERADVANCEC5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを246mm/秒に設定し、前記未定着画像を定着させたときの様子を目視にて評価した。評価結果を表3に示す。
(評価基準)
A:140℃以下の温度領域で定着が可能
B:140℃より高く、160℃以下の温度領域で定着が可能
C:160℃より高い温度領域にしか定着可能領域がない
<グロスの評価>
上記定着画像のうち、ホットオフセットが発生しなかった画像について、ハンディ光沢度計グロスメーターPG−3D(日本電色工業製)を用いて、光の入射角75°の条件にて各画像の任意の点3カ所の平均値を測定し、各温度のグロス値とした。グロス値は、最高値、およびグロス値の差が5以内の温度領域を評価した。評価結果を表3に示す。
(評価基準)
[評価基準(グロス値の差が5以内の温度領域)]
A:グロス値の差が5以内の温度領域が50℃以上
B:グロス値の差が5以内の温度領域が40℃以上50℃未満
C:グロス値の差が5以内の温度領域が20℃以上40℃未満
D:グロス値の差が5以内の温度領域が20℃未満
<帯電性の評価>
トナー0.01gをアルミパンに計量し、ストロコロン帯電装置を用いて−600Vに帯電させた。続いて、温度25℃、湿度50%RHの雰囲気下で表面電位計(トレックジャパン製:model347)を用いて表面電位の変化挙動を30分間測定した。測定結果を下記式に代入して電荷保持率を算出し、下記基準で評価した。評価結果を表3に示す。
式:30分後の電荷保持率(%)=[30分後の表面電位]/[初期表面電位]×100
(評価基準)
A:30分後の電荷保持率が90%以上
B:30分後の電荷保持率が90%未満かつ50%以上
C:30分後の電荷保持率が50%未満
<耐ブロッキング性の評価>
100質量部のトナーに、BET法で測定した比表面積が200m2/gであり、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカ微粒子1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合して、外添剤が添加されたトナーを調製した。当該トナーを恒温恒湿槽中で3日間静置し、目視によりブロッキングの程度を下記基準で評価した。評価結果を表3に示す。
(評価基準)
A:温度55℃、湿度10%の恒温恒湿槽中で3日間静置後、ブロッキングが発生しても軽い振動により容易に分散する。
B:温度50℃、湿度10%の恒温恒湿槽中で3日間静置後、ブロッキングが発生するが、振動し続けると分散する。
C:温度50℃、湿度10%の恒温恒湿槽中で3日間静置後、ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない。
Figure 0006907076

Claims (10)

  1. 結晶性セグメントと非晶性セグメントを含むブロック共重合体と、ガラス転移温度が60℃以下である非晶性樹脂とを結着樹脂に含有するトナーであって、
    該ブロック共重合体に該結晶性セグメントを50質量%以上90質量%以下で含有し、
    該ブロック共重合体を該結着樹脂の全質量に対して10質量%以上50質量%以下で含有し、
    該ブロック共重合体を示差走査熱量測定(DSC)を用いて100℃/minで昇温した場合において、トナーの軟化点以上180℃以下に結晶性セグメントに由来する3J/g以上の結晶化発熱ピークを持ち、結晶性セグメントに由来する吸熱ピークを200℃以上に持ち、該結晶性セグメントと該非晶性樹脂のSP値差が0.5以上2.5[J/cm30.5以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記ブロック共重合体の非晶性セグメントと、前記非晶性樹脂が同種のモノマー単位で構成される請求項1に記載のトナー。
  3. 前記非晶性セグメントがポリエステルである請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記非晶性樹脂がポリエステルである請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記結晶性セグメントが、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、または、ポリブチレンテレフタレートである請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記非晶性セグメントが、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物と、フマル酸を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. トナーの軟化点が80℃以上120℃以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. (1)融点が200℃以上、示差走査熱量測定(DSC)を用いて100℃/minで昇温した場合において180℃以下に結晶化温度を有する、結晶性セグメントを持つポリエステル樹脂と非晶性セグメントを持つポリエステル樹脂をエステル交換触媒を用いてエステル交換反応させた樹脂と、(2)ガラス転移温度が60℃以下である非晶性樹脂とを、該結晶性セグメントの融点以上で相溶させ、100℃/min以上の速度で結晶化温度まで下げるトナーの製造方法であって、
    該ブロック共重合体を結着樹脂に10質量%以上50質量%以下で含有し、該結晶性セグメントと該非晶性樹脂のSP値差が0.5以上2.5[J/cm30.5以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
  9. 前記結晶性セグメントを持つポリエステル樹脂と非晶性セグメントを持つポリエステル樹脂をエステル交換触媒を用いてエステル交換反応させた樹脂と、前記非晶性樹脂を相溶させる方法が、溶融混練である請求項8に記載のトナーの製造方法。
  10. 前記結晶性セグメントを持つポリエステル樹脂と非晶性セグメントを持つポリエステル樹脂をエステル交換触媒を用いてエステル交換反応させた樹脂が、溶融混練によって得られる請求項8又は9に記載のトナーの製造方法。
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