JP2006267965A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 融点が180〜280℃である結晶性ポリマーと、ガラス転移温度が30〜80℃である非結晶性ポリエステルとを含有し、前記結晶性ポリマーの融点以上且つ200℃以上の温度で混練する工程と、混練後に前記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度以下の温度にまで急冷する工程とを有する製造方法で得られるトナー用樹脂組成物であって、タックテスター荷重が2×10−2〜29×10−2MPaであることを特徴とするトナー用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、上記の低温定着性を改善しようとすると、トナーの一部が熱定着ローラ表面に付着し、それが紙に再転写するといったオフセット現象が起こりやすくなったり、樹脂同士が様々な環境を通して受ける熱によってトナーが凝集するブロッキング現象が起こりやすくなったりするといった問題がある。
しかしながら、この技術では、結晶性ポリエステル樹脂のみを用いているので、定着可能な温度幅が狭く、低温定着性を損なうことなく、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を保つことが困難であった。
しかしながら、この技術では、非結晶性ポリエステル樹脂のみを用いているので、低温定着性が充分ではなかった。
しかしながら、上記2種類のポリエステルの相溶性は充分とはいえず軟化点が低いポリエステルがブロッキングを起こしやすくしたり、定着ローラに付着しフィルミングを起こしやすくしたりするといった問題があり、また、相溶性が充分ではないので樹脂の透明性も低いという問題もあった。
しかしながら、この技術では、バインダー樹脂は白濁した樹脂となるため透明な樹脂を得ることができないといった問題があった。
しかしながら、このようなトナーでは、低分子量の線状ポリエステルを添加することにより、定着性は向上するものの、同時にポリエステルのガラス転移温度が低下するため、ブロッキングが生じ、保存安定性が低下することから、定着性と保存性とを両立させることが困難であった。
以下に本発明を詳述する。
このようなナノオーダーでの均一な微分散構造を発現させ、上述のネットワーク構造を形成させるためには、結晶性ポリマーの結晶化度が高いこと、結晶性ポリマーと非結晶性ポリエステルとの相溶性が高いことに加えて、製造時に結晶性ポリマーと非結晶性ポリエステルとを充分に混練しておくことが重要である。
なお、示差走査熱量計(DSC)の測定条件については特に限定されないが、例えば、JIS K 7121に準拠して、試料10mgを昇温速度10℃/分で加熱する方法により測定することができる。
上記結晶性ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとを縮重合させることにより得ることができる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。なかでも、結晶性を付与するために、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、及び、これらの無水物及び低級アルキルエステルが好適に用いられる。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、結晶化速度が速く、結晶化度も高いことから、これを用いて得られるトナーは耐オフセット性に優れる。また、非結晶性ポリエステルとの相溶性に優れることから、これを用いて得られるトナーは、低温定着性や光沢にも優れたものとなる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、結晶融点が高いことから、これを用いて得られるトナーは特に高温での耐オフセット性に優れる。なお、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)よりも結晶化速度、結晶化度の点で劣るものの、結晶核剤を添加することによりこれらの点を改善することも可能である。これらの結晶性ポリエステルは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記結晶性ポリアミドは分子間の凝集力が強いため、ポリエステルに対して少量用いるだけで耐高温オフセット性を発現させることができ、樹脂自体の強度を増大することができる。
非結晶性ポリエステルのガラス転移温度は、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸はガラス転移温度を向上させる働きがあり、セバシン酸やアジピン酸等の長鎖の脂肪族ジカルボン酸はガラス転移温度を低下させる働きがあるのでこれらのジカルボン酸を適宜組み合わせることにより目的のガラス転移温度を達成することができる。しかし、芳香族ジカルボン酸と長鎖の脂肪族ジカルボン酸とを適宜組み合わせることによって目的のガラス転移温度を達成することができたとしても、軟化温度が高くなりすぎる傾向がある。
そこで、上記非結晶性ポリエステルは、屈曲した分子構造を分子鎖中に導入できる2価の屈曲モノマー又は分岐鎖を有する2価のモノマーのいずれかを少なくとも含有する多価カルボン酸と多価アルコールを含むモノマー混合物を重合させてなることが好ましい。
これら2価の屈曲モノマーや分岐鎖を有する2価のモノマーを含有するモノマー混合物を重合してなるポリマーは、目的のガラス転移温度と低い軟化温度をより容易に両立させることができ、結晶化を効果的に抑制することができる。
上記分岐鎖を有する2価のモノマーとしては特に限定されず、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2‐ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチルー1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物等の脂環族ジオール類等が挙げられる。なかでも、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール、並びに、エチレングリコール及び/又は1,4−ブタンジオールを主成分とするモノマー混合物を重合してなる非結晶性ポリエステルは、低温定着性、透明性に優れることから好適である。
なお、本明細書において、相溶とは、非結晶性ポリエステル(A)と非結晶性ポリエステル(B)とが、均一に混和している状態をいい、これらは、完全に相溶しても、また一部が相溶してもよい。
このような主セグメントを有することにより、ガラス転移温度が70〜85℃であり、重量平均分子量が3万〜30万である非結晶性ポリエステル(B)を実現することができる。なお、上記非結晶性ポリエステル(B)のうち市販品としては、例えば、PET−G(イーストマンコダック社製)等が挙げられる。
なお、上記相溶とは、上記結晶性ポリマーと上記非結晶性ポリエステルとが、均一に混和する状態をいい、これらは、完全に相溶しても、また一部が相溶してもよい。
本発明のトナー用樹脂組成物のガラス転移温度が上記式(1)を満たす場合には、上記結晶性ポリマーと上記非結晶性ポリエステルとが極めて良好に相溶する。
上記結晶性ポリマーの含有量が2重量%未満であると、耐高温オフセット性が劣ることがあり、30重量%を超えると、低温定着性が劣ることがある。より好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は20重量%であり、更に好ましい下限は5重量%、更に好ましい上限は15重量%である。
なお、本発明のトナー用樹脂組成物では、従来の100万レベルの高分子量ポリマーを含む架橋系のトナー用樹脂組成物と異なり、数十万程度の分子量のポリマーしか含有しないことから、上記酸性の官能基が比較的均一に分布し、更に高い低温定着性が得られる。
上記急冷の手段としては特に限定されないが、例えば、ベルトクーラー、ダブルベルトクーラー、ドラムクーラー、冷却ロール等を用いる方法等が挙げられる。
本発明では、プローブ5として、直径25mmのSUS303製円盤を用い、また、前記支持台4として、直径35mmのSUS303製円盤を用いた。また、タックテスター試験機は、恒温槽1によって覆われており、前記恒温槽1は、常温から250℃まで制御可能である。
上記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と結晶性ポリマーの融点との間の発熱ピークは、上記結晶性ポリマーの結晶化に伴い現れるものであるため、このような発熱ピークが認められないことは、本発明のトナーにおいては上記結晶性ポリマーが完全に結晶化していることを意味する。従って、本発明のトナーは、上述の物理的架橋構造が形成されており、高温での粘度低下が少なく、低温定着性や保存性を低下させることなく、良好な耐オフセット性が発現することができる。
これらの着色剤の配合量の好ましい下限は、通常、トナー用樹脂組成物100重量部に対して1重量部、好ましい上限は10重量部である。
これらの電荷制御剤の配合量の好ましい下限は、通常、トナー用樹脂組成物100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。
また、末端に水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基等の極性基を有する芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体からなるゴム状ポリマーは、トナーとの親和性に優れるので好ましい。これら末端に極性基を有するブロック共重合体はリビング重合により得ることができる。
ゴム状ポリマーは、トナーに含まれる樹脂の樹脂強度を向上させることができる。よって、ゴム状ポリマーを含有するトナーは、トナーのフィルミング現象を防止することができ、また、高い樹脂強度が必要な非磁性1成分トナーに好適なトナーが得られる。
本発明のトナーの含水分量としては特に限定されないが、好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は0.2重量%である。0.01重量%未満であると、製造上の問題から製造が困難となり、0.2重量%を超えると、充分な帯電安定性が得られないことがある。
本発明のトナーの安息角としては特に限定されないが、23℃、湿度60%における安息角の好ましい下限は1度、好ましい上限は30度である。1度未満であると、トナーのハンドリングが困難となることがあり、30度を超えると、トナーの流動性が不足することがある。なお、上記トナーの安息角は、例えば、パウダーテスター(例えば、ホソカワミクロン社製PT−N型等)等により測定することができる。
また、本発明のトナー用樹脂組成物に用いる結晶性ポリマーと非結晶性ポリエステルとは、架橋したり、別に高分子量樹脂を配合したりせずとも、低温から高温にわたる広い範囲で良好な定着性を発現することができ、低温定着性と耐高温オフセット性、耐ブロッキング性との両方に優れるトナーを得ることができる。このような非架橋トナー用樹脂組成物を用いたトナーは、高分子量樹脂を含むトナー用樹脂を用いたトナーに比べて粉砕されやすく、シャープな溶融特性を示し、光沢のある定着画像が得られる。
(1)結晶性ポリエステルポリマーの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、ジオール成分として1,4−ブタンジオール120モルを加え、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、結晶性ポリエステルポリマーを得た。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチレングリコール60モル、他のジオールとしてエチレングリコール60モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステル(A)を得た。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、ジオール成分としてシクロヘキサンジメタノール35モル、エチレングリコール85モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステル(B)を得た。
得られた結晶性ポリエステル10重量部、非結晶性ポリエステル(A)65重量部及び非結晶性ポリエステル(B)25重量部を二軸押出機を用いて240℃で溶融混練してトナー用樹脂組成物を得た。
得られたトナー用樹脂組成物100重量部に荷電制御剤(TN−105:保土谷化学社製)1重量部、カーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部、カルナバワックス3重量部をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、130℃で溶融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル(ラボジェット:日本ニューマチック社製)で微粉砕して、平均粒径約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(MDS−2:日本ニューマチック社製)で分級して、平均粒径約10μmのトナー微粉末を得た。このトナー微粉末100重量部に、疎水性シリカ(R972:日本アエロジル社製)1.0重量部を均一に混合(外添)してトナーを製造した。
トナー用樹脂組成物の製造において、結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステル(A)との配合比を表1に示した組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
(1)結晶性ポリマーの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸95モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチレングリコール70モル、他のジオールとしてエチレングリコール50モル、6−ナイロン(東洋紡社製:T−850)を生成ポリエステルアミドの60重量%に相当する理論量を加え、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、ポリアミドエステルを得た。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチレングリコール60モル、他のジオールとしてエチレングリコール60モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステル(A)を得た。
得られたポリアミドエステル共重合体10重量部、非結晶性ポリエステル(A)90重量部を二軸押出機を用いて220℃で溶融混練してトナー用樹脂組成物を得た。
得られたトナー用樹脂組成物100重量部に荷電制御剤(TN−105:保土谷化学社製)1重量部、銅フタロシアニンブルー顔料2.5重量部及びカルナバワックス3重量部をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、130℃で溶融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル(ラボジェット:日本ニューマチック社製)で微粉砕して、平均粒径約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(MDS−2:日本ニューマチック社製)で分級して、平均粒径約10μmのトナー微粉末を得た。このトナー微粉末100重量部に、疎水性シリカ(R972:日本アエロジル社製)1.0重量部を均一に混合(外添)してトナーを製造した。
ポリアミドエステル共重合体10重量部、非結晶性ポリエステル(A)90重量部を二軸押出機を用いて、混練温度を190℃にした以外は、実施例3と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
実施例1〜3及び比較例1で作製したトナー用樹脂組成物又はトナーについて、以下の方法により評価を行った。その結果は表1に示す通りであった。
(1)結晶性ポリエステル
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭和電工社製のHFIP−806M(2本)を直列につないで使用し、重量平均分子量を測定した。測定条件は、温度は40℃、試料は0.1重量%ヒドロキシフルオロイソプロパノール(HFIP)溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量は100μL、キャリア溶媒としては1L当たりTFAを0.68g含むHFIPを用いた。校正試料として標準ポリスチレンを用いた。
(2)非結晶性ポリエステル
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭和電工社製のKF−800P(1本)、KF−806M(2本)、KF−802.5(1本)を直列につないで使用し、重量平均分子量を測定した。測定条件は、温度は40℃、試料は0.2重量%THF溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量は100μL、キャリアー溶媒はTHF、校正試料として標準ポリスチレンを用いた。
(3)トナー用樹脂組成物及びトナー
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭和電工社製のKF−800P(1本)、KF−806M(2本)、KF−802.5(1本)を直列につないで使用し、分子量及び分子量分布を測定した。測定条件は、温度は40℃、試料は0.2重量%THF溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量は100μL、キャリアー溶媒はTHF、校正試料として標準ポリスチレンを用いた。
トナー用樹脂組成物を融点以上の温度でしばらく保持した後、急冷を行い、結晶化を完全に抑制したサンプルを作製した。このサンプルについて、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10℃/分で、JIS K 7121に準拠して測定し、該規格(9.3「ガラス転移温度の求め方」)に記載されている中間ガラス転移温度を求めた。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10℃/分で試料の10mgを加熱し、JIS K 7121に準拠して測定し、該規格(9.1「融解温度の求め方」)に記載されている融解ピーク値を求めてこれを結晶融点Tmとし、また、DSCチャートをから結晶融点Tmにおける吸熱量を求めた。
トナー用樹脂組成物又はトナーからなる試料10mgを示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10℃/分で加熱し、JIS K 7121に準拠して測定し、発熱ピークが観察されるか、及び、該発熱ピークのピーク温度を測定した。
トナー用樹脂組成物の色を目視にて観察した。
1gを秤取り、直径25mmの円型の型に入れ圧縮成型したものを試料として用い、160℃に保たれたタックテスター試験機にセットし、5分間状態調節を行った。次に、押しつけ荷重1.0×10−2MPa、押しつけた状態を保持する時間1分、保持後の引張り速度100mm/分の条件で、タックテスター荷重の測定を行った。
トナー10gを100mLサンプル瓶に取り、50℃の恒温槽中に8時間放置した後、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて250μmのフィルターでふるいにかけフィルター上に凝集物が残存するかを観察し、凝集物がある場合には、トナー重量に対する凝集物の重量(重量%)を求めた。
1万枚印刷を行い、定着ローラにトナーが付着していないかを目視で観察し、トナーの付着が見られないものをフィルミングなしと評価した。
グロスメータ(光沢度計、スガ試験機社製、UGV−50)を用い、トナーで黒く塗りつぶした試験紙をグロスメータに取りつけ反射角が75度となるよう光路を設定し光沢度を測定した。
トナー6.5重量部を平均粒径50〜80μmの鉄粉キャリア93.5重量部と混合して現像剤を作製した。電子写真複写機としてコニカ社製のKL−2010を熱定着ローラの設定温度が最大200℃まで変えられるように改造したものを用いた。
熱定着ローラの設定温度を段階的に変化させて、各設定温度の熱定着ローラによって未定着トナー像を転写紙に定着させた複写物を得た。
得られた複写物の余白部分や定着画像がトナーにより汚されているか否かを観察し、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。また、非オフセット温度領域の最大値を高温オフセット温度とし、最小値を低温オフセット温度とした。
電子写真複写機の熱定着ローラの設定温度を段階的に変えて複写を行い、余白部分や定着画像にかぶりが発生することなく余白部分や定着画像がトナーにより汚されておらず、得られた複写物の定着画像をタイプライター用砂消しゴムで擦ったとき、定着画像の濃度の低下が10%未満である場合を定着良好と判定し、その時の最低温度を求めた。
なお、画像の濃度はマクベス光度計を用いて測定した。
2.恒温槽
3.試料
4.支持台
5.プローブ
6.測定検出部
Claims (3)
- 融点が180〜280℃である結晶性ポリマーと、ガラス転移温度が30〜80℃である非結晶性ポリエステルとを含有し、前記結晶性ポリマーの融点以上且つ200℃以上の温度で混練する工程と、混練後に前記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度以下の温度にまで急冷する工程とを有する製造方法で得られるトナー用樹脂組成物であって、タックテスター荷重が2×10−2〜29×10−2MPaであることを特徴とするトナー用樹脂組成物。
- 請求項1記載のトナー用樹脂組成物であって、JIS K 7121に準拠した方法により常温から10℃/分の条件で昇温して示差熱分析を行ったときに、非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と結晶性ポリマーの融点との間に発熱ピークが認められることを特徴とするトナー用樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載のトナー用樹脂組成物を用いてなるトナーであって、JIS K 7121に準拠した方法により常温から10℃/分の条件で昇温して示差熱分析を行ったときに、非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と結晶性ポリマーの融点との間に発熱ピークが認められないことを特徴とするトナー。
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JP2019045662A (ja) * | 2017-09-01 | 2019-03-22 | キヤノン株式会社 | トナーおよびその製造方法 |
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