JP2006220754A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系ワックスと両末端にアルキル基を有する脂肪酸アマイドとを含有するトナー用樹脂組成物であって、上記両末端にアルキル基を有する脂肪酸アマイドの含有量が、上記ポリオレフィン系ワックスの含有量よりも少ないことを特徴とするトナー用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、上記の低温定着性を改善しようとすると、トナーの一部が熱定着ローラ表面に付着し、それが紙に再転写するといったオフセット現象が起こりやすくなったり、樹脂同士が様々な環境を通して受ける熱によってトナーが凝集するブロッキング現象が起こりやすくなったりするといった問題がある。
しかし、このような方法では、ポリマー中に溶解しない成分が存在するために、定着ロールで定着後の印字表面に凹凸が生じるために光沢が劣ったり、低温定着性にも限界があったりした。
しかしながら、この方法ではワックス類の融点が低いため、ブロッキング現象が起こりやすくなったり、定着ローラに付着してフィルミングが起こりやすくなったりするといった問題があった。
以下に本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、結晶性ポリエステルとは、示差走査熱量計により示差熱を測定したときに、鋭く明瞭な融点ピークを示し、結晶化度が10%を超えるポリエステルを意味し、非結晶性ポリエステルとは、示差走査熱量計により示差熱を測定したときに、鋭く明瞭な融点ピークを示さず、結晶化度が10%以下であるポリエステルを意味する。
このようなナノオーダーでの均一な微分散構造を発現させ、上述のネットワーク構造を形成させるためには、結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとの相溶性が高いことが非常に重要であるとともに、結晶性ポリエステルの結晶化度が高いことが重要である。
なお、示差走査熱量計(DSC)の測定条件については特に限定されないが、例えば、JIS K 7121に準拠して、試料10mgを昇温速度10℃/分で加熱する方法により測定することができる。
複写機やプリンターにおけるスイッチオン後の立ち上がり時間(ウォームアップ時間)の短縮のためには、定着ローラを所定の定着温度まで急速に昇温する必要があるが、このときオーバーシュートのため定着ローラは所定の定着温度よりも初めは高温にぶれる。従って、この状態においても良好な印字を行うためには、トナーは、高温における耐ホットオフセット性が良好でなければならない。定着温度が低く、耐ホットオフセット温度が高い程、ウォームアップ時間の短縮が可能となる。通常、ハードウェアの設計幅を充分に大きくするためには、耐ホットオフセット温度は180℃以上であることが要求される。上記結晶性ポリエステルの融点が180℃以上であると、結晶性ポリエステルの結晶部が高温においても溶融しないで、上述のネットワーク構造が保持されるため高温耐ホットオフセット性が向上するものと考えられる。また、複写機やプリンターの高速化に伴い、高速運転下においても微粉が発生せず、フィルミングの生じないトナーが望まれている。特にブレードへの機械的接触において帯電化を行う非磁性一成分系のトナーでは耐久性への要望が一段と高い。上記結晶性ポリエステルの融点が180℃であると、結晶性ポリエステルの結晶部の凝集力が高くなり、上述のネットワーク構造が強化されるため耐久性が向上するものと考えられる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。なかでも、結晶性を付与するために、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、及び、これらの無水物及び低級アルキルエステルが好適に用いられる。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、結晶化速度が速く、結晶化度も高いことから、これを用いて得られるトナーは耐オフセット性に優れる。また、非結晶性ポリエステルとの相溶性に優れることから、これを用いて得られるトナーは、低温定着性や光沢にも優れたものとなる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、結晶融点が高いことから、これを用いて得られるトナーは特に高温での耐オフセット性に優れる。なお、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)よりも結晶化速度、結晶化度の点で劣るものの、結晶核剤を添加することによりこれらの点を改善することも可能である。これらの結晶性ポリエステルは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非結晶性ポリエステルのガラス転移温度は、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸はガラス転移温度を向上させる働きがあり、セバシン酸やアジピン酸等の長鎖の脂肪族ジカルボン酸はガラス転移温度を低下させる働きがあるのでこれらのジカルボン酸を適宜組み合わせることにより目的のガラス転移温度を達成することができる。しかし、芳香族ジカルボン酸と長鎖の脂肪族ジカルボン酸とを適宜組み合わせることによって目的のガラス転移温度を達成することができたとしても、軟化温度が高くなりすぎる傾向がある。
そこで、上記非結晶性ポリエステルは、屈曲した分子構造を分子鎖中に導入できる2価の屈曲モノマー又は分岐鎖を有する2価のモノマーのいずれかを少なくとも含有する多価カルボン酸と多価アルコールを含むモノマー混合物を重合させてなることが好ましい。これら2価の屈曲モノマーや分岐鎖を有する2価のモノマーを含有するモノマー混合物を重合してなるポリマーは、目的のガラス転移温度と低い軟化温度をより容易に両立させることができ、結晶化を効果的に抑制することができる。
上記分岐鎖を有する2価のモノマーとしては特に限定されず、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2‐ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチルー1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物等の脂環族ジオール類等が挙げられる。
なかでも、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール、並びに、エチレングリコール及び/又は1,4−ブタンジオールを主成分とするモノマー混合物を重合してなる非結晶性ポリエステルは、低温定着性、透明性に優れることから好適である。
平均分子量の小さな非結晶性ポリエステルの重量平均分子量が3000未満であると、トナー用樹脂組成物の強度が低くなり得られるトナーの耐久性が不充分となることがあり、2万を超えると、優れた低温定着性を発現することができなくなることがある。より好ましい上限は8000である。
平均分子量の大きな非結晶性ポリエステルの重量平均分子量が3万未満であると、得られるトナーの耐高温オフセット性、保存安定性及び結晶性ポリマーとの混練性が不充分となることがあり、30万を超えると、得られるトナーの低温定着性が不充分となることがある。より好ましい上限は20万である。
なお、上記相溶とは、上記結晶性ポリエステルと上記非結晶性ポリエステルとが、均一に混和する状態をいい、これらは、完全に相溶しても、また一部が相溶してもよい。
これは、両末端にアルキル基を有する脂肪酸アマイドは、ワックスとして機能させるのではなく、ポリオレフィン系ワックスの分散性を向上させるために用いることにより、トナーの低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を大きく改良することになるのである。
また、脂肪酸アマイドには、片末端のみにアルキル基を有するものがあるが、そのものはポリオレフィン系ワックスの分散効果を充分に発揮することができないので除外される。
その他、メチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスラウリン酸アマイド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスカプリル酸アマイド、エチレンビスカプリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスイソステアリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アマイド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アマイド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アマイド、m−キシリレンビスステアリン酸アマイド、m−キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アマイド等が挙げられる。
これらの着色剤の配合量は、通常、トナー用樹脂組成物100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。
これらの電荷制御剤の配合量は、通常、トナー用樹脂組成物100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
また、末端に水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基等の極性基を有する芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体からなるゴム状ポリマーは、トナーとの親和性に優れるので好ましい。これら末端に極性基を有するブロック共重合体はリビング重合により得ることができる。
ゴム状ポリマーは、トナーに含まれる樹脂の樹脂強度を向上させることができる。よって、ゴム状ポリマーを含有するトナーは、トナーのフィルミング現象を防止することができ、また、高い樹脂強度が必要な非磁性1成分トナーに好適なトナーが得られる。
本発明のトナーの含水分量としては特に限定されないが、0.01〜0.2重量%が好ましい。0.01重量%未満であると、製造上の問題から製造が困難となり、0.2重量%を超えると、充分な帯電安定性が得られないことがある。
本発明のトナーの安息角としては特に限定されないが、23℃、湿度60%における安息角は1度〜30度が好ましい。1度未満であると、トナーのハンドリングが困難となることがあり、30度を超えると、トナーの流動性が不足することがある。なお、上記トナーの安息角は、例えば、パウダーテスター(例えば、ホソカワミクロン社製PT−N型等)等により測定することができる。
また、本発明のトナー用樹脂組成物は、架橋したり、別に高分子量樹脂を配合したりせずとも、低温から高温にわたる広い範囲で良好な定着性を発現することができ、低温定着性と耐高温オフセット性、耐ブロッキング性との両方に優れるトナーを得ることができる。このような非架橋トナー用樹脂組成物を用いたトナーは、高分子量樹脂を含むトナー用樹脂を用いたトナーに比べて粉砕されやすく、シャープな溶融特性を示し、光沢のある定着画像が得られる。
<結晶性ポリエステルの製造>
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、ジオール成分として1,4−ブタンジオール120モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、高融点結晶性ポリエステルを得た。
得られた結晶性ポリエステルを下記の方法で評価した結果、融点は227℃、吸熱量は71.6mJ/mg、重量平均分子量は8万であった。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール60モル、他のジオールとしてエチレングリコール60モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステル(A)を得た。
得られた非結晶性ポリエステル(A)を下記の方法で評価した結果、ガラス転移温度は50℃、重量平均分子量は6千であった。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、ジオール成分としてシクロヘキサンジメタノール35モル、エチレングリコール85モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、非結晶性ポリエステル(B)を得た。
得られた非結晶性ポリエステル(B)を下記の方法で評価した結果、ガラス転移温度は60℃、重量平均分子量は20万であった。
得られた結晶性ポリエステル10重量部、非結晶性ポリエステル(A)65重量部及び非結晶性ポリエステル(B)25重量部を、二軸押出機を用いて240℃で溶融混練してポリエステル系樹脂を得た。得られたポリエステル系樹脂100重量部とポリプロピレンワックス(ユーメックス110TS、三洋化成社製)3重量部及び脂肪酸アマイドとしてN−ステアリルステアリン酸アマイド(ニッカアマイドS、日本化成社製)2重量部とからなるトナー用樹脂組成物に対し、荷電制御剤(TN−105:保土谷化学社製)1重量部、カーミン6Bに属するマゼンダ顔料5重量部をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、130℃で溶融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル(ラボジェット:日本ニューマチック社製)で微粉砕して、平均粒径約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(MDS−2:日本ニューマチック社製)で分級して、平均粒径約10μmのトナー微粉末を得た。このトナー微粉末100重量部に、疎水性シリカ(R972:日本アエロジル社製)1.0重量部を均一に混合(外添)してトナーを製造した。
結晶性ポリエステルを5重量部、非結晶性ポリエステル(A)を70重量部及び脂肪酸アマイドとしてエチレンビスオレイン酸アマイド(スリパックスO、日本化成社製)を1.5重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
結晶性ポリエステルを18重量部、非結晶性ポリエステル(A)を57重量部及び脂肪酸アマイドとしてN−ステアリルステアリン酸アマイド(ニッカアマイドS、日本化成社製)を1重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
脂肪酸アマイドとしてのN−ステアリルステアリン酸アマイド(ニッカアマイドS、日本化成社製)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
実施例1〜3及び比較例1で作製したトナー用樹脂組成物又はトナーについて、以下の方法により評価を行った。結果は表1に示した。
(1)結晶性ポリエステル
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭和電工社製のHFIP−806M(2本)を直列につないで使用し、重量平均分子量を測定した。測定条件は、温度は40℃、試料は0.1重量%ヒドロキシフルオロイソプロパノール(HFIP)溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量は100μL、キャリアー溶媒としては1L当たりTFAを0.68g含むHFIPを用いた。校正試料として標準ポリスチレンを用いた。
(2)非結晶性ポリエステル
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭和電工社製のKF−800P(1本)、KF−806M(2本)、KF−802.5(1本)を直列につないで使用し、重量平均分子量を測定した。測定条件は、温度は40℃、試料は0.2重量%THF溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量は100μL、キャリアー溶媒はTHF、校正試料として標準ポリスチレンを用いた。
トナー用樹脂組成物を融点以上の温度でしばらく保持した後、急冷を行い、結晶化を完全に抑制したサンプルを作製した。このサンプルについて、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10℃/分で、JIS K 7121に準拠して測定し、該規格(9.3「ガラス転移温度の求め方」)に記載されている中間ガラス転移温度を求めた。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10℃/分で試料の10mgを加熱し、JIS K 7121に準拠して測定し、該規格(9.1「融解温度の求め方」)に記載されている融解ピーク値を求めてこれを融点とし、また、DSCチャートから融点における吸熱量を求めた。
トナー10gを100mLサンプル瓶に取り、50℃の恒温槽中に8時間放置した後、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて250μmのフィルターでふるいにかけフィルター上に凝集物が残存するかを観察し、凝集物がある場合には、トナー重量に対する凝集物の重量(重量%)を求めた。
1万枚印刷を行い、定着ローラにトナーが付着していないかを目視で観察し、トナーの付着が見られないものをフィルミングなしと評価した。
グロスメータ(光沢度計、スガ試験機社製、UGV−50)を用い、トナーで黒く塗りつぶした試験紙をグロスメータに取りつけ反射角が75度となるよう光路を設定し光沢度を測定した。
トナー6.5重量部を平均粒径50〜80μmの鉄粉キャリアー93.5重量部と混合して現像剤を作製した。電子写真複写機としてコニカ社製のUBIX4160AFを熱定着ローラの設定温度が最大250℃まで変えられるように改造したものを用いた。
熱定着ローラの設定温度を段階的に変化させて、各設定温度の熱定着ローラによって未定着トナー像を転写紙に定着させた複写物を得た。
得られた複写物の余白部分や定着画像がトナーにより汚されているか否かを観察し、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とし、非オフセット温度領域の最大値を高温オフセット温度、最小値を低温オフセット温度とした。
電子写真複写機の熱定着ローラの設定温度を段階的に変えて複写を行ない、余白部分や定着画像にかぶりが発生することなく余白部分や定着画像がトナーにより汚されておらず、得られた複写物の定着画像をタイプライター用砂消しゴムで擦ったとき、定着画像の濃度の低下が10%未満である場合を定着良好と判定し、その時の最低温度を求めた。
なお、画像の濃度はマクベス光度計を用いて測定した。
Claims (4)
- ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系ワックスと両末端にアルキル基を有する脂肪酸アマイドとを含有するトナー用樹脂組成物であって、上記両末端にアルキル基を有する脂肪酸アマイドの含有量が、上記ポリオレフィン系ワックスの含有量よりも少ないことを特徴とするトナー用樹脂組成物。
- 上記両末端にアルキル基を有する脂肪酸アマイドのアルキル基の炭素数が、8〜24であることを特徴とする請求項1記載のトナー用樹脂組成物。
- 上記両末端にアルキル基を有する脂肪酸アマイドが置換アマイドであることを特徴とする請求項1又は2記載のトナー用樹脂組成物。
- 請求項1〜3いずれか記載のトナー用樹脂組成物を用いてなることを特徴とするトナー。
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