JP2010266548A - トナー、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着性に優れ、耐オフセット性が良好であり、定着装置及び画像を汚染することがなく、鮮鋭性の良好な高品質画像を長期にわたり形成することができるため、長期間使用しても画像劣化を起こすことのないトナー、並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法の提供。
【解決手段】少なくとも、結着樹脂としてのポリエステル樹脂と、着色剤と、離型剤と、定着補助成分とを含有するトナーであって、前記定着補助成分が、分子内にアミド結合を有する少なくとも1種類の飽和脂肪酸アミド系化合物からなり、該飽和脂肪酸アミド系化合物の融点が70℃以上120℃未満であり、平均分子量が300以上であることを特徴とするトナー、並びに、該トナーを含有する現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するためのトナー、並びに、該トナーを含有する現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法に関する。
電子写真、静電記録、静電印刷などによる画像形成は、一般に、静電潜像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」と称することがある。)上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像剤で現像して可視像(トナー像)とした後、該可視像を紙などの記録媒体上に転写し、定着することにより定着像とする一連のプロセスにより行われる。
前記現像剤としては、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤と、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤とがある。
前記電子写真法における定着の方式としては、エネルギー効率の良さの点から、加熱ローラを直接記録媒体上のトナー像に圧接して定着する加熱ヒートローラ方式が広く一般に用いられている。前記加熱ヒートローラ方式は、定着のために多大な電力が必要となる。そこで、省エネルギー化を図る観点から、加熱ローラの消費電力を削減することが種々検討されている。例えば、画像を出力しない時には加熱ローラ用のヒータの出力を弱め、画像出力時にヒータの出力を上げて加熱ローラの温度を上昇させる方式が一般によく用いられている。
しかし、この場合、スリープ時から加熱ローラの温度を定着に必要な温度に上昇させるためには、数10秒間程度の待機時間が必要となり、ユーザーにとってはこの待機時間がストレスになる。また、画像を出力しない時には、ヒータを完全にオフにすることで、消費電力を抑えることが望まれている。これらの要求を達成するためには、トナー自体の定着温度を下げ、使用可能時のトナーの定着温度を低下させることが必要である。
前記現像剤に用いられるトナーでは、電子写真技術の発展に伴って、優れた低温定着性及び保存性(耐ブロッキング性)が要求されており、従来からトナー用結着樹脂として一般に用いられてきたスチレン系樹脂に比べて記録媒体などとの親和性が高く、低温定着性に優れたポリエステル樹脂を用いることが種々試みられている。例えば、分子量などの物性を規定した線状ポリエステル樹脂を含有したトナー(特許文献1参照)、酸成分としてロジン類を使用した非線状架橋型ポリエステル樹脂を含有したトナー(特許文献2参照)、などが提案されている。
近年、画像形成装置の更なる高速化及び省エネルギー化を図る上で、従来のトナー用結着樹脂では市場の要求に対しては未だ不十分であり、定着工程での定着時間の短縮化、及び定着手段による加熱温度の低温化により、十分な定着強度を維持することが非常に困難になっている。
前記特許文献2のようなロジン類を使用したポリエステル樹脂を含有するトナーは、低温定着性に優れるとともに、粉砕性に優れるため粉砕法でのトナー生産性を向上できるという利点がある。また、アルコール成分に炭素数3の分岐鎖型のアルコールである1,2−プロパンジオールを用いることで、炭素数2以下のアルコールと対比して耐オフセット性を維持したまま低温定着性を向上させることが可能となり、炭素数4以上の分岐鎖型アルコールと対比してガラス転移温度の低下に伴う保存性の低下防止に有効である。このようなポリエステル樹脂をトナー用結着樹脂として用いることで、低温での定着が可能となり、かつ保存性が向上するという効果が奏される。
しかしながら、低温定着性の改善効果は不十分であり、近年ますます厳しくなる省エネルギーに対する要求に十分対応することは困難である。
近年、定着補助成分をトナー中に導入することにより、低温定着性を向上させる試みがなされている(特許文献3参照)。前記特許文献3では、定着補助成分をトナー中に結晶ドメインとして存在させることにより、耐熱保存性と低温定着性とを両立させるトナーを提案している。しかし、近年、画像形成装置の高速化に伴って、トナーには高い耐久性と同時に、更なる省エネルギーに対する要求を満足させることが望まれ、現状ではこれら要求に十分対応することは困難であり、更なる改良、開発が望まれているのが実状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、低温定着性に優れ、耐オフセット性が良好であり、定着装置及び画像を汚染することがなく、鮮鋭性の良好な高品質画像を長期にわたり形成することができるため、長期間使用しても画像劣化を起こすことのないトナー、並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、少なくとも離型剤、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有し、かつ、着色剤、及び定着補助成分を含有するトナーにおいて、前記定着補助成分の融点が70℃以上120℃未満であり、前記定着補助成分の少なくとも1種が、平均分子量が300以上であり、分子内、及び分子末端の少なくともいずれかにアミド結合を有する飽和脂肪酸アミド系化合物であることにより、低温定着性を更に向上させることが可能であることを知見した。
更に、本発明のおける定着補助成分は、定着部で加熱を受ける前には前記結着樹脂とは独立に存在するため、定着部で加熱を受ける前の結着樹脂の熱特性を低下させることがなく、耐熱保存性も保持されることが可能であることを併せて知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも、結着樹脂としてのポリエステル樹脂と、着色剤と、離型剤と、定着補助成分とを含有するトナーであって、前記定着補助成分が、分子内、及び分子末端の少なくともいずれかにアミド結合を有する少なくとも1種類の飽和脂肪酸アミド系化合物からなり、前記飽和脂肪酸アミド系化合物の融点が70℃以上120℃未満であり、平均分子量が300以上であることを特徴とするトナーである。
<2> 飽和脂肪酸アミド系化合物が、分子内にアミド結合を有する前記<1>に記載のトナーである。
<3> 飽和脂肪酸アミド系化合物が、モノアミド化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 飽和脂肪酸アミド系化合物の25℃での溶媒溶解度が、0.15質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 定着補助成分の分散径が、10nm以上3μm未満である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 定着補助成分の分散径が、50nm以上1μm未満である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> トナー中の定着補助成分の含有量が、トナー全量に対して1質量%以上25質量%未満である前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> トナー中の定着補助成分の含有量が、トナー全量に対して3質量%以上10質量%未満である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 少なくとも1種のポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgが、55℃以上80℃未満である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 少なくとも1種のポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgrとし、該ポリエステル樹脂90質量部に対し定着補助成分を10質量部加えて150℃で加熱した後のポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgr’とした際に、次式、Tgr−Tgr’>5℃、を満たす前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> トナーが、水系媒体中で生成されてなる前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤である。
<13> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーが収容されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<14> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像し可視像化する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<15> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーが、前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
<16> 静電潜像担持体に除電バイアスを印加して除電する除電工程と、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程と、前記クリーニング工程で除去されたトナーを現像工程にリサイクルさせるリサイクル工程と、前記各工程を制御する制御工程とを含む前記<15>に記載の画像形成方法である。
<17> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成装置であって、前記トナーが、前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、低温定着性に優れ、耐オフセット性が良好であり、定着装置及び画像を汚染することがなく、鮮鋭性の良好な高品質画像を長期にわたり形成することができるため、長期間使用しても画像劣化を起こすことのないトナー、並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す図である。 図2は、本発明の画像形成装置の他の例を示す図である。 図3は、図2のタンデム型現像器を示す図である。 図4は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも、結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、定着補助成分とを含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
<定着補助成分>
前記定着補助成分は、融点が70℃以上120℃未満である、分子内、及び分子末端の少なくともいずれかにアミド結合を有する少なくとも1種類の飽和脂肪酸アミド系化合物からなる。
−飽和脂肪酸アミド系化合物−
前記飽和脂肪酸アミド系化合物は、下記構造式(1)、及び下記構造式(2)の少なくともいずれかで表される。
−R−CO−NH−R−X ・・・構造式(1)
−R−CO−NH ・・・構造式(2)
前記構造式(1)、及び前記構造式(2)中、R〜Rは、2価の炭素数1〜30の飽和炭化水素基を表す。該R〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
〜Xは、水素原子、及び水酸基の少なくともいずれかを表す。該X〜Xは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記飽和脂肪酸アミド系化合物は、トナーの主成分であるポリエステル樹脂と水素結合可能な、1級乃至2級アミド基(―CONH,−CONH−)や水酸基(−OH)を分子内に含むので、ポリエステル樹脂との相溶性に優れ、定着時の加熱により速やかに融解して、後述する結着樹脂をよりすばやく軟化させることにより、トナーの低温定着性を向上させることができる。
前記飽和脂肪酸アミド系化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがでるが、分子内にアミド結合を有するモノアミド化合物が、ポリエステル樹脂との相溶性により優れ、トナーの低温定着性をより向上させることができ、更に溶解度が低く、再析出物を生じない点で好ましい。
−−融点−−
前記飽和脂肪酸アミド系化合物の融点としては、上記のように70℃以上120℃未満であるが、75℃以上100℃未満が好ましく、75℃以上95℃未満がより好ましい。前記融点が70℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがある。一方、前記融点が120℃を超えると、トナーの低温定着性が十分に得られないことがある。
−−種類−−
融点が70℃以上120℃未満である前記飽和脂肪酸アミド系化合物としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数10〜30を有する飽和の脂肪族をアミド化したモノアミド化合物、脂肪酸アミドアルコール付加物などが挙げられる。
前記モノアミド化合物としては、例えば、パルミチン酸アマイド、N−ステアリルステアリン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、アラキジン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、リグリノセリン酸アマイドなどが挙げられる。
前記脂肪酸アミドアルコール付加物としては、例えば、パルミチン酸モノエタノールアマイド、ステアリン酸モノエタノールアマイド、ベヘニン酸モノエタノールアマイド、リグリノセリン酸モノエタノールアマイド、パルミチン酸モノプロパノールアマイド、ステアリン酸モノプロパノールアマイド、ベヘニン酸モノプロパノールアマイド、リグリノセリン酸モノプロパノールアマイド、エルカ酸モノプロパノールアマイド、パルミチン酸ビスエタノールアマイド、ステアリン酸ビスエタノールアマイド、ベヘニン酸ビスエタノールアマイド、リグリノセリン酸ビスエタノールアマイド、エルカ酸ビスエタノールアマイド、パルミチン酸ビスプロパノールアマイド、ステアリン酸ビスプロパノールアマイド、ベヘニン酸ビスプロパノールアマイド、リグリノセリン酸ビスプロパノールアマイド、エタノールアミンジステアレート、エタノールアミンジベヘネート、エタノールアミンジリグノセレート、エタノールアミンジエルケート、プロパノールアミンジステアレート、プロパノールアミンジベヘネート、プロパノールアミンジリグノセレート、プロパノールアミンジエルケートなどが挙げられる。
これらの中でも、樹脂との相溶性により優れ、トナーの低温定着性をより向上させることができ、トナーへの耐熱保存性を悪化させず、かつ溶解度が低く、再析出物を生じないことから、分子内にアミド結合を有するモノアミド化合物、及びそのアルコール付加物の少なくともいずれかであることが好ましい。
前記飽和脂肪酸アミド系化合物は、1種単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
−−平均分子量−−
前記飽和脂肪酸アミド系化合物の平均分子量としては、300以上であることが好ましく、300以上1,000未満であることがより好ましい。前記平均分子量が300未満であると、溶媒に溶解することがあり、トナー中に定着補助成分として内包することが困難になる。また、トナー内からブリードアウトする危険性もある。前記平均分子量が1,000以上であると、分子量が大きすぎるため短時間で主成分の樹脂と相溶できなくなり十分な定着効果が得られない。
−−溶解度−−
前記飽和脂肪酸アミド系化合物の溶媒への溶解度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃での溶媒溶解度が、0.15質量%以下であることが好ましい。前記溶解度が0.15質量%を超えると、溶解分がトナー表面を汚染したり、工程中の温度変化で溶解分が再析出したりすることで画像品質に悪影響を与えることがある。
−−−測定方法−−−
溶解度を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガラス瓶に一定量の溶媒を量り取り、所望の量の前記飽和脂肪酸アミド系化合物を前記溶媒に懸濁後、25℃に保たれた水浴で10分間攪拌し、ガラス瓶の内容物を目視で確認する方法などが挙げられる。なお、前記懸濁の際、超音波処理を行ってもよい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアマイド、N,N−ジメチルアセトアマイドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−再析出物−−
前記飽和脂肪酸アミド系化合物は、40℃での飽和溶液を作製後、該飽和溶液を25℃まで冷却したときに再析出物がないことが望ましい。
−−−確認方法−−−
再析出物を確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガラス瓶に一定量の溶媒を量り取り、所望の量の前記飽和脂肪酸アミド系化合物を前記溶媒に懸濁後、40℃に保たれた水浴で10分間攪拌し、室温で6時間放置した後、再析出物を目視で確認する方法などが挙げられる。なお、前記懸濁の際、超音波処理を行ってもよい。
−含有量−
前記トナー中の前記定着補助成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー全量に対して1質量%以上25質量%未満が好ましく、3質量%以上10質量%未満がより好ましい。
前記含有量が1質量%未満であると、十分な低温定着効果が得られない。一方、前記含有量が25質量%以上であると、耐オフセット性、及びトナーの耐熱保存性が劣ることがある。
−効果−
前記定着補助成分は、トナーが定着部から加熱を受ける前には、後述する結着樹脂から独立した結晶ドメインとしてトナー中に存在するが、定着時の加熱により速やかに融解して前記結着樹脂と相溶可能となり、前記結着樹脂の軟化を促す。
前記定着補助成分は、定着前に前記結着樹脂の軟化を生じさせないので、本発明のトナーは耐熱保存性に優れている。更に、前記定着補助成分は、定着時に前記結着樹脂を軟化させる作用を有するので、本発明のトナーは低温定着性に優れている。
−−結晶性の確認方法−−
前記定着補助成分がトナー定着前に結晶性を有することを確認する方法としては、例えば、X線回折チャートから結晶性の保持状態(相溶又は非相溶)を測定する方法が挙げられる。
具体的には、前記定着補助成分がトナー中で結晶性を有することは、結晶解析X線回折装置(X’Pert MRDX’Pert MRD フィリッップス社製)を用いて確認することができる。
まず、前記定着補助成分単品を、乳鉢を用いてすり潰すことで試料粉体を作製し、得られた試料粉体を試料ホルダーに均一に塗布する。その後、回折装置内に前記試料ホルダーをセットし、測定を行い、前記定着補助成分の回折スペクトルを得る。次にトナー粉体をホルダーに塗布し、同様に測定を行う。事前に得られた定着補助成分の回折スペクトルにより、トナー中に含まれる前記定着補助成分を同定することが可能である。また、前記回折装置では、付属の加熱ユニットを用いることで、温度を変化させた際の回折スペクトルの変化を測定することができる。前記加熱ユニットを用い、常温及び150℃における前記定着補助成分由来のX線回折スペクトルのピーク面積変化を測定することにより、前記定着補助成分の加熱前後における樹脂に対する相溶及び非相溶分の割合を求めることができる。
この加熱前後の前記定着補助成分由来のピーク面積の変化率が大きいほど、定着時の加熱によりトナー樹脂との相溶化が進行することを意味する。前記トナーは、前記定着補助成分を含むことにより、加熱前後の前記定着補助成分由来のピーク面積の変化率が大きくなることから、低温定着効果に優れている。
−−分散径−−
前記定着補助成分の分散径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、最大方向の粒径として、10nm以上3μm未満が好ましく、50nm以上1μm未満がより好ましい。前記分散径が10nm未満であると、前記定着補助成分と前記結着樹脂との接触表面積の増大により、トナーの耐熱保存性に劣ることがあり、3μmを超えると、定着時の加熱の際に前記結着樹脂との相溶が十分に行われず、トナーの低温定着性に劣ることがある。
−−−分散径の測定方法−−−
前記定着補助成分の分散径の測定方法としては、例えば、前記トナーをエポキシ樹脂に包埋して約100nmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10,000倍で観察を行い、写真撮影し、この写真を画像評価することにより、前記定着補助成分の分散状態を観察し、前記分散径を測定することができる。
なお、前記定着補助成分と前記離型剤とをトナー中で識別するためには、事前に定着補助成分及び離型剤のそれぞれを、上記と同様に四酸化ルテニウムにより染色して透過型電子顕微鏡により観察し、定着補助成分と離型剤とのコントラスト差を確認しておくことで、トナー中の定着補助成分及び離型剤を観察したときのコントラスト差に基づいて、前記トナー中の前記定着補助成分と前記離型剤とを識別することができる。
<結着樹脂>
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
−ポリエステル樹脂−
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多価カルボン酸とを脱水縮合することにより得られる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの環状エーテルを付加することにより得られる2価のアルコールなどが挙げられる。
なお、ポリエステル樹脂を架橋させるためには、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどの3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
前記多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのべンゼンジカルボン酸類又はその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などの不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物などの不飽和二塩基酸無水物、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラキス(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、これらの無水物、部分低級アルキルエステルなどが挙げられる。
−−酸価−−
前記ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mg KOH/g以上40mg KOH/g未満が好ましく、10mg KOH/g以上30mg KOH/g未満がより好ましい。前記酸価が5mg KOH/g未満であると、主たる記録媒体である紙との親和性が低下するので、トナーの低温定着性が低下することがあり、また、負帯電性が得にくく、形成される画像が劣化することがある。また、前記酸価が5mg KOH/g未満であると、定着補助成分としての前記飽和脂肪酸アミド系化合物との相溶性に劣ることがあり、そのためトナーの低温定着性が充分に得られない虞がある。
一方、前記酸価が40mg KOH/gを超えると、高温高湿、低温低湿下などの環境下において、環境の影響を受けやすくなって、画像が劣化することがある。
なお、前記トナー中に前記ポリエステル樹脂が2種類以上含まれる場合には、少なくとも1種類のポリエステル樹脂が、上記条件を満たせばよい。
−−水酸基価−−
前記ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mg KOH/g以上100mg KOH/g未満が好ましく、20mg KOH/g以上60mg KOH/g未満がより好ましい。水酸基価が5mg KOH/g未満であると、主たる記録媒体である紙との親和性が低下するので、トナーの低温定着性が低下することがあり、また、負帯電性が得にくく、形成される画像が劣化することがある。また、定着補助成分としての前記飽和脂肪酸アミド系化合物との相溶性に劣ることがあり、そのためトナーの低温定着性が充分に得られない虞がある。
一方、前記水酸価が100mg KOH/gを超えると、高温高湿、低温低湿下などの環境下において、環境の影響を受けやすくなって、画像が劣化することがある。
なお、前記トナー中に前記ポリエステル樹脂が2種類以上含まれる場合には、少なくとも1種類のポリエステル樹脂が、上記条件を満たせばよい。
−−分子量−−
前記ポリエステル樹脂は、前記トナーの定着性、耐オフセット性の観点から、THF(テトラヒドロフラン)に可溶な成分の分子量分布において、分子量が3,000以上50,000未満の領域に少なくとも1つのピークを有することが好ましく、分子量5,000以上20,000未満の領域に少なくとも1つのピークを有することがより好ましい。更に、前記ポリエステル樹脂のTHFに可溶な成分は、分子量が100,000以下である成分の含有量が60質量%以上100質量%未満であることが好ましい。
ここで、ポリエステル樹脂の分子量分布は、例えば、THFを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
−−ガラス転移温度(Tg)−−
前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、トナーの保存性の観点から、55℃以上80℃未満が好ましく、60℃以上75℃未満がより好ましい。前記Tgが55℃以上80℃未満であると、トナーの高温保存時における安定性に優れ、かつ、前記定着補助成分による結着樹脂への軟化の効果が充分に大きく得られるので、トナーの低温定着性に優れる。
本発明においては、ポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgrとし、該ポリエステル樹脂90質量部に対し前記定着補助成分を10質量部加えて150℃で加熱した後のポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgr’とすると、その差分であるΔTgが、ΔTg=Tgr−Tgr’>5℃を満たすことが好ましく、ΔTg=Tgr−Tgr’>10℃を満たすことがより好ましく、ΔTg=Tgr−Tgr’>15℃を満たすことが更に好ましい。
なお、前記トナー中に前記ポリエステル樹脂が2種類以上含まれる場合には、少なくとも1種類のポリエステル樹脂が、上記条件を満たせばよい。
ここで、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgr)、及び、定着補助成分を10質量部添加した際のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgr’)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。具体的には、後述する通りである。
−−−Tgrの算出方法−−−
前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgr)は、下記手順により測定できる。まず、ポリエステル樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/分間にて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/分間にて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/分間にて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、(株)島津製作所製)を用いてDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgr)を算出できる。
−−−Tgr’の算出方法−−−
前記定着補助成分を10質量部添加した際のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgr’)を測定する場合も、上記と同様にして測定することができる。まず、前記定着補助成分0.5mg、ポリエステル樹脂4.5mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/分間にて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/分間にて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/分間にて150℃まで加熱し、示差走査熱量計を用いてDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択し、前記定着補助成分を加えた際のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgr’)を算出できる。
−その他の成分−
前記結着樹脂に含有されるその他の成分としては、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体などの単独重合体又は共重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
前記その他の成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<離型剤>
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が60℃以上90℃未満の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂とともに分散することにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働くので、オイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好となる。
特に、本発明のトナーは、前述した定着補助成分を含むことで低温定着性に優れるので、従来より定着ローラの温度を低い設定温度にして使用することが想定される。したがって、前記離型剤も、より低温で離型性を発揮できることが好ましい。そのため、融点90℃未満の離型剤が好適に用いられる。また、離型剤の融点が60℃未満である場合と、トナーの高温保存性が劣る場合とがあり、得られる画像を劣化させる虞がある。
−離型剤の種類−
前記離型剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックスなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリンなどの動物系ワックス;オゾケライト、セルシンなどの鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタムなどの石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスの他、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテルなどの合成ワックス;などが挙げられる。
これらの中でも、前記定着補助成分としての前記飽和脂肪酸アミド系化合物との相溶性が低く、互いの機能を損なうことなく独立して作用することができ、トナーの低温定着性を充分に得ることが出来る点で、パラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
前記離型剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−含有量−
前記トナー中の前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー全量に対して、1質量部以上30質量部未満であることが好ましい。前記離型剤の含有量が1質量部未満であると、耐ホットオフセット性に劣ることがある。前記離型剤の含有量が30質量部以上であると、フィルミング性の悪化、画像のかぶりが生じることがある。
<着色剤>
前記着色剤としては、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−含有量−
前記トナー中の前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー全量に対して、1質量%以上15質量%未満が好ましく、3質量%以上10質量%未満がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
−マスターバッチ−
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアマイド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
前記樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエンなどが挙げられる。
前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
−−マスターバッチの製造方法−−
前記マスターバッチは、高せん断力をかけて、前記樹脂と前記着色剤とを混合又は混練させることにより、製造することができる。この際、前記着色剤と前記樹脂との相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。
また、いわゆるフラッシング法も前記着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で、好適に用いられる。
前記フラッシング法は、前記着色剤の水を含んだ水性ペーストを前記樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、前記着色剤を前記樹脂側に移行させて、水及び有機溶媒を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、3本ロールミルなどの高せん断分散装置を用いることができる。
<その他の成分>
前記トナーに含有される前記その他の成分としては、例えば、帯電制御剤、無機微粒子、磁性材料などが挙げられる。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアマイド、リンの単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。
また、前記帯電制御剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業(株)製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業(株)製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット(株)製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩基などの官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−含有量−−
前記トナー中の帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、結着樹脂に対して、0.1質量%以上10質量%未満が好ましく、0.2質量%以上5質量%未満がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量%を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、トナーの流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−無機微粒子−
前記無機微粒子は、トナーに流動性、現像性、帯電性などを付与するための外添剤として用いられる。前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。
前記無機微粒子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子は、流動性向上剤で表面処理されていることが好ましい。これにより、無機微粒子の疎水性が向上し、高湿度下においても流動性や帯電性の低下を抑制することができる。
前記流動性向上剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。シリカ、酸化チタンは、流動性向上剤で表面処理し、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして用いることが好ましい。
−−粒径−−
前記無機微粒子の1次粒径としては、5nm以上2μm未満が好ましく、5nm以上500nm未満がより好ましい。
−−含有量−−
前記トナー中の無機微粒子の含有量としては、トナー全量に対して、0.01質量%以上5.0質量%未満が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%未満がより好ましい。
−磁性材料−
本発明のトナーにキャリアの有する磁力搬送の機能を付与する目的で、磁性材料を添加しても良い。前記磁性材料としては、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。なお、磁性材料は、トナーの色調の点から、白色のものが好ましい。
−−含有量−−
前記トナー中の磁性材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<使用>
本発明のトナーは、低温定着性及び耐オフセット性に優れ、長期に亘り、高品位な画像を形成することができる。したがって、本発明のトナーは、各種分野で使用することができ、特に、電子写真法による画像形成に使用することが好ましい。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法などが挙げられる。これらの中でも、トナー製造時に定着補助成分とポリエステル樹脂とが非相溶の状態を形成しやすい点で、水系媒体中で生成される溶解懸濁法及び重合法が特に好ましい。
−混練・粉砕法−
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、及び定着補助成分を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
−−溶融混練−−
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、1軸又は2軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、(株)神戸製鋼所製 KTK型二軸押出機、東芝機械(株)製 TEM型押出機、(株)ケイシーケイ製 二軸押出機、(株)池貝製 PCM型二軸押出機、ブス社製 コニーダーなどが好適に用いられる。
この溶融混練は、前記結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、前記結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
−−粉砕−−
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
−−分級−−
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器などにより、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
−−外添−−
次いで、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。前記トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより前記外添剤が解砕されながら前記トナー母体粒子表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子などの外添剤を均一かつ強固に前記トナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
−重合法−
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂、着色剤、離型剤、及び定着助剤を含むトナー材料を溶媒に溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
−−ポリエステル系樹脂−−
前記ウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基などと多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させた、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)などが挙げられる。そして、このポリエステルプレポリマーとアミン類(B)などとの反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られる変性ポリエステル樹脂は、トナーの低温定着性を維持しながらホットオフセット性を向上させることができる。
−−−多価イソシアネート化合物(PIC)−−−
前記多価イソシアネート化合物(PIC)としては、例えば脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基としては、1個以上が好ましく、平均1.5個以上3個未満がより好ましく、平均1.8個以上2.5個未満が更に好ましい。
−−−アミン類(B)−−−
前記ポリエステルプレポリマーと反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)とから得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)の中でも、前記B1、及び、前記B1と少量の前記B2との混合物が特に好ましい。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。
−−有機溶媒−−
重合に用いる有機溶媒としては前記結着樹脂が溶解し、かつ水への溶解度が低ければ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶媒の例としては、n−ヘキサンなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;酢酸エチルのようなカルボン酸エステル;ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。
これらの中では、樹脂の溶解性と水への不溶解性の両立と、溶媒の除去しやすさといった工業的観点から酢酸エチルの使用が好ましい。
上記のような重合法によるトナーの製造方法によれば、小粒径かつ球形状トナーを環境負荷少なく、低コストで作製することができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを含有し、必要に応じて、更にキャリアなどの成分を含有してもよい。前記現像剤は、前記トナーからなる1成分現像剤、前記トナー及び前記キャリアからなる2成分現像剤などとして用いることができるが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタなどには、寿命向上などの点で、2成分現像剤を用いることが好ましい。このような現像剤は、磁性1成分現像法、非磁性1成分現像法、2成分現像法などの公知の各種電子写真法に用いることができる。
<1成分現像剤、及び2成分現像剤>
本発明の現像剤を1成分現像剤として用いると、トナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するためのブレードなどの部材へのトナーの融着を抑制することができ、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性が得られる。
また、本発明の現像剤を2成分現像剤として用いると、長期に亘るトナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記2成分現像剤中のキャリアの含有量としては、2成分現像剤全量に対して、90質量%以上98質量%未満であることが好ましく、93質量%以上97質量%未満がより好ましい。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に限定されないが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層とを有することが好ましい。
−芯材−
−−材料−−
前記芯材の材料としては、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
なお、画像濃度の確保の点では、芯材として、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75emu/g〜120emu/g)などの高磁化材料を用いることが好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき、高画質化に有利である点では、芯材として、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30emu/g〜80emu/g)などの弱磁化材料を用いることが好ましい。
−−体積平均粒径(D50)−−
前記芯材は、体積平均粒径(D50)が10μm以上150μm未満が好ましく、20μm以上80μm未満がより好ましい。前記D50が10μm未満であると、キャリアの粒径分布において、微粉が多くなるため、1粒子当たりの磁化が低下して、キャリアの飛散が生じることがある。一方、前記D50が150μmを超えると、キャリアの比表面積が低下して、トナーの飛散が生じることがある。その結果、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現性が低下することがある。
−樹脂層−
−−材料−−
前記樹脂層の材料としては、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体のと共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルのと共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマーなどのフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。
前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
−−導電粉−−
また、前記樹脂層は、必要に応じて、導電粉などを含有してもよい。前記導電粉の材料としては、例えば、金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛などが挙げられる。
なお、前記導電粉の平均粒径としては、特に制限はないが、1μm以下が好ましい。前記平均粒径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
−−樹脂層の形成方法−−
前記樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂などを溶剤に溶解させて塗布液を調製した後、公知の塗布方法により、芯材の表面に塗布液を塗布して、乾燥及び焼付を行うことにより形成することができる。
前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法などが挙げられる。また、前記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテートなどが挙げられる。
更に、前記焼付方法としては、外部加熱方式及び内部加熱方式のいずれであってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉などを用いる方法、マイクロ波を用いる方法などが挙げられる。
−−含有量−−
キャリア中の樹脂層の含有量としては、キャリア全量に対して、0.01質量%以上5.0質量%未満が好ましい。この含有量が0.01質量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成できないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生して、均一なキャリアが得られないことがある。
本発明の現像剤は、磁性1成分現像方法、非磁性1成分現像方法、2成分現像方法などの公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができる。
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明のトナーが収容されているが、容器としては、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択することができる。前記容器としては、容器本体とキャップとを有するものなどが挙げられる。
前記容器本体の大きさ、形状、構造、材質などは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<形状>
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状などであることが好ましい。前記形状が前記円筒状であると、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより、内容物である前記現像剤が排出口側に移行することが可能であり、スパイラル状の凹凸の一部又は全てが蛇腹機能を有することが特に好ましい。
<材質>
前記材質としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、寸法精度がよいものであることが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂などの樹脂材料が挙げられる。
<使用>
前記トナー入り容器は、保存、搬送などが容易であり、取扱性に優れるため、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置などに着脱可能に取り付け、現像剤の補給に使用することができる。
(画像形成方法、画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程を少なくとも有することが好ましく、クリーニング工程を有することが更に好ましく、必要に応じて、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程などを有してもよい。
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有することが好ましく、クリーニング手段を有することが更に好ましく、必要に応じて、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段などを有してもよい。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置を用いて、実施することができ、静電潜像形成工程は、静電潜像形成手段を用いて、現像工程は、現像手段を用いて、転写工程は、転写手段を用いて、定着工程は、定着手段を用いて、これら以外の工程は、これら以外の手段を用いて、実施することができる。
<静電潜像形成工程>
静電潜像形成工程は、光導電性絶縁体、感光体などの静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体の材質、形状、構造、大きさなどは、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択することができるが、形状は、ドラム状であることが好ましい。また、前記感光体としては、例えば、アモルファスシリコン、セレンなどの無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチンなどの有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命である点で、アモルファスシリコン感光体などが好ましい。
−静電潜像形成手段−
前記静電潜像は、例えば、静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより形成され、静電潜像形成手段を用いて形成することができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、静電潜像担持体の表面に電圧を印加して一様に帯電させる帯電器と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも有する。
−−帯電器−−
前記帯電器としては、特に限定されないが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレードなどを備えた公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロンなどのコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
−−露光器−−
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に形成すべき像様に露光することができれば、特に限定されないが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系などの各種露光器が挙げられる。なお、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程>
前記現像工程は、静電潜像を、本発明のトナーで現像して可視像を形成する工程であり、前記可視像は、現像手段を用いて形成することができる。
−現像手段−
前記現像手段は、本発明のトナーで現像することができれば、特に限定されないが、例えば、本発明の現像剤を収容し、静電潜像にトナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものを用いることができ、本発明の現像剤収容容器を備えた現像器などが好ましい。
−−現像器−−
前記現像器は、乾式現像方式及び湿式現像方式のいずれであってもよく、また、単色用現像器及び多色用現像器のいずれであってもよく、例えば、本発明の現像剤を摩擦攪拌により帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが挙げられる。現像器内では、例えば、トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。前記マグネットローラは、静電潜像担持体近傍に配置されており、前記マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって、静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて、静電潜像担持体の表面にトナー像が形成される。なお、現像器に収容する現像剤は、本発明の現像剤であるが、1成分現像剤であってもよく、2成分現像剤であってもよい。
<転写工程>
前記転写工程は、例えば、転写帯電器を用いて、トナー像が形成された静電潜像担持体を帯電することにより、トナー像を記録媒体に転写する工程であり、転写手段を用いて転写することができる。このとき、前記転写工程は、トナー像を中間転写体上に転写する1次転写工程と、中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体上に転写する2次転写工程とを有することが好ましい。また、前記転写工程は、2色以上のトナー、好ましくは、フルカラートナーを用いて、各色のトナー像を中間転写体上に転写して複合トナー像を形成する1次転写工程と、中間転写体上に形成された複合トナー像を記録媒体上に転写する2次転写工程とを有することが更に好ましい。
−転写手段−
前記転写手段は、トナー像を中間転写体上に転写して複合トナー像を形成する1次転写手段と、中間転写体上に形成された複合トナー像を記録媒体上に転写する2次転写手段とを有することが好ましい。なお、中間転写体としては、特に限定されないが、例えば、無端状の転写ベルトなどが挙げられる。また、転写手段(1次転写手段、2次転写手段)は、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体側に帯電剥離させる転写器を少なくとも有することが好ましい。なお、前記転写手段は、1個又は2個以上の転写器を有することができる。
前記記録媒体としては、特に限定されず、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−−転写器−−
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
<定着工程>
前記定着工程は、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程であり、定着手段を用いて、定着させることができる。なお、2色以上のトナーを用いる場合は、各色のトナーが記録媒体に転写される毎に定着させてもよく、全色のトナーが記録媒体に転写されて積層された状態で定着させてもよい。
−定着手段−
前記定着手段としては、特に限定されず、公知の加熱加圧手段を用いることができる。
前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとを組み合わせたもの、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとを組み合わせたものなどが挙げられる。このとき、加熱温度は、通常、80℃以上200℃未満である。なお、必要に応じて、定着手段と共に、あるいは定着手段の代わりに、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
<除電工程>
前記除電工程は、静電潜像担持体に除電バイアスを印加して除電する工程であり、除電手段を用いて除電することができる。
−除電手段−
前記除電手段としては、静電潜像担持体に除電バイアスを印加することができれば、特に限定されないが、例えば、除電ランプなどを用いることができる。
<クリーニング工程>
前記クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段を用いてクリーニングすることができる。
−クリーニング手段−
前記クリーニング手段としては、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去することができれば、特に限定されないが、例えば、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナー、ブラシクリーナー、ウエブクリーナーなどを用いることができる。
<リサイクル工程>
前記リサイクル工程は、クリーニング工程で除去されたトナーを現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段を用いてリサイクルさせることができる。
−リサイクル手段−
前記リサイクル手段としては、特に限定されず、公知の搬送手段などを用いることができる。
<制御工程>
前記制御工程は、各工程を制御する工程であり、制御手段を用いて制御することができる。
−制御手段−
前記制御手段としては、各手段の動作を制御することができれば、特に限定されないが、例えば、シークエンサー、コンピューターなどを用いることができる。
<画像形成装置>
図1に、本発明の画像形成装置の一例を示す。画像形成装置100Aは、静電潜像担持体としての感光体ドラム10と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置(不図示)と、現像手段としてのブラック用現像器45K、イエロー用現像器45Y、マゼンダ用現像器45M、及びシアン用現像器45Cと、中間転写体50と、クリーニング手段としてのクリーニングブレードを有するクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70とを有する。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されている3個のローラ51で張架されており、矢印方向に移動することができる。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(1次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラとしても機能する。
また、中間転写体50の近傍には、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。更に、記録紙95にトナー像を転写(2次転写)するための転写バイアスを印加することが可能な転写手段としての転写ローラ80が中間転写体50に対向して配置されている。
また、中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器52が、感光体ドラム10と中間転写体50の接触部と、中間転写体50と記録紙95の接触部との間に配置されている。
ブラック用現像器45K、イエロー用現像器45Y、マゼンダ用現像器45M、及びシアン用現像器45Cは、ブラック用現像剤収容部42K、イエロー用現像剤収容部42Y、マゼンダ用現像剤収容部42M、及びシアン用現像剤収容部42Cと、ブラック用現像剤供給ローラ43K、イエロー用現像剤供給ローラ43Y、マゼンダ用現像剤供給ローラ43M及びシアン用現像剤供給ローラ43Cと、ブラック用現像ローラ44K、イエロー用現像ローラ44Y、マゼンダ用現像ローラ44M及びシアン用現像ローラ44Cとを備える。
画像形成装置100Aでは、帯電ローラ20により感光体ドラム10を一様に帯電させた後、露光装置(不図示)により露光光Lを感光ドラム10上に像様に露光し、静電潜像を形成する。次に、感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、ブラック用現像器45K、イエロー用現像器45Y、マゼンダ用現像器45M、シアン用現像器45Cから現像剤を供給して現像してトナー像を形成した後、ローラ51から印加された転写バイアスにより、トナー像が中間転写体50上に転写(1次転写)される。更に、中間転写体50上のトナー像は、コロナ帯電器52により電荷を付与された後、記録紙95上に転写(2次転写)される。なお、感光体ドラム10上に残存したトナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体ドラム10は除電ランプ70により一旦、除電される。
図2に、本発明の画像形成装置の他の例を示す。画像形成装置100Bは、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを有する。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架されており、矢印方向に回転することができる。
支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上に残留したトナーを除去するためのクリーニング装置17が配置されている。また、支持ローラ14と支持ローラ15により張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの4個の画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。各色の画像形成手段18は、図3に示すように、感光体ドラム10と、感光体ドラム10を一様に帯電させる帯電ローラ62と、感光体ドラム10に形成された静電潜像をブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色の現像剤で現像してトナー像を形成する現像器61と、各色のトナー像を中間転写体50上に転写させるための転写ローラ80と、クリーニング装置60と、除電ランプ70とを備える。
また、図2において、タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。露光装置21は、ブラック用感光体ドラム10K、イエロー用感光体ドラム10Y、マゼンダ用感光体ドラム10M、シアン用感光体ドラム10C上に露光光を露光し、静電潜像を形成する。
更に、中間転写体50のタンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、2次転写装置22が配置されている。2次転写装置22は、1対のローラ23に張架されている無端ベルトである2次転写ベルト24からなり、2次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写体50が互いに接触可能となっている。
2次転写装置22の近傍には、定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置される加圧ローラ27とを有する。
また、2次転写装置22及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成するために記録紙を反転させる反転装置28が配置されている。
次に、画像形成装置100Bにおけるフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。次に、スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は、直ちにスキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に、原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光される。これにより、カラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像情報が得られる。
更に、露光装置21により、得られた各色の画像情報に基づいて、各色の静電潜像がブラック用感光体ドラム10K、イエロー用感光体ドラム10Y、マゼンダ用感光体ドラム10M、シアン用感光体ドラム10Cに形成された後、各色の静電潜像は、各色の現像器45から供給された現像剤で現像され、各色のトナー像が形成される。形成された各色のトナー像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動する中間転写体50上に、順次重ねて転写(1次転写)され、中間転写体50上に複合トナー像が形成される。
給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録紙を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送り出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、手差しトレイ54上の記録紙を繰り出し、分離ローラ58で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、レジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般に接地して使用されるが、記録紙の紙粉除去のために、バイアスが印加された状態で使用してもよい。
そして、中間転写体50上に形成された複合トナー像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と2次転写装置22との間に記録紙を送り出し、複合トナー像を記録紙上に転写(2次転写)する。
複合トナー像が転写された記録紙は、2次転写装置22により搬送されて、定着装置25に送り出される。そして、定着装置25において、定着ベルト26及び加圧ローラ27により、加熱加圧されて複合トナー像が記録紙上に定着される。その後、記録紙は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導かれて、裏面にも画像を形成した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
なお、複合トナー像が転写された後に中間転写体50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に成型されており、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に担持された静電潜像を本発明の現像剤で現像してトナー像を形成する現像手段とを少なくとも有する。なお、本発明のプロセスカートリッジは、必要に応じて、他の手段を更に有していてもよい。
前記現像手段としては、本発明の現像剤を収容する現像剤収容容器と、該現像剤収容容器内に収容された現像剤を担持すると共に搬送する現像剤担持体とを少なくとも有する。なお、前記現像手段は、担持する現像剤の厚さを規制するため規制部材などを更に有していてもよい。
図4に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ110は、感光体ドラム10、コロナ帯電器52、現像器40、転写ローラ80及びクリーニング装置90を有する。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
前述のように、本発明のトナーの製造方法は、特に限定されないが、実施例においては、水中造粒法の一つである溶解懸濁法を用いて、トナーを製造した結果について述べる。なお、以下の実施例において、特に明記のない限り、「部」はいずれも「質量部」を意味する。
<ポリエステル樹脂Aの合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物67部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物84部、テレフタル酸274部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で10時間反応させた。次に、10mmHg〜15mmHgの減圧下、6時間反応させて、ポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂Aは、数平均分子量(Mn)が2,300、質量平均分子量(Mw)が7,000、ガラス転移温度(Tg)が65℃、酸価が20mg KOH/g、水酸基価が40mg KOH/gであった。
<ポリエステル樹脂Bの合成>
プロピレングリコール803部(22.6モル)、テレフタル酸ジメチルエステル816部(9.0モル)、アジピン酸68部(1.0モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、5mmHg〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が93℃になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸26部(0.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。得られたポリエステル樹脂Bは、数平均分子量(Mn)が3,300、質量平均分子量(Mw)が7,000、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が20mg KOH/g、水酸基価が40mg KOH/gであった。
<スチレン−アクリル樹脂Cの合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300部、スチレン200部、アクリルモノマー100部及びアゾビスイソブチルニトリル5部を投入して、窒素雰囲気下、60℃(常圧)で8時間反応させた。次に、メタノール200部を加え、1時間攪拌した後、上澄みを除去し、減圧乾燥させて、スチレン−アクリル樹脂Cを合成した。得られたスチレン−アクリル樹脂Cは、Mwが20,000、Tgが60℃であった。
<マスターバッチの作製>
水1,000部、DCP吸油量が42mL/100g、pHが9.5のカーボンブラックPrintex35(デグサ社製)540部、及び1,200部のポリエステル樹脂Aを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)を用いて混合した。次に、2本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン(株)製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
<水系媒体の調製>
イオン交換水306部、リン酸三カルシウムの10質量%懸濁液265部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を混合撹拌し、均一に溶解させて、水系媒体を調製した。
(実施例1)
<トナーの作製>
ビーカー内に、前記ポリエステル樹脂Aを80部、及び酢酸エチルを100部入れ、攪拌して溶解させた。次に、定着補助成分としてN−ステアリルステアリン酸アマイド(分子量:535.0、融点90℃、日本化成(株)製 ニッカアマイドS)7部、離型剤としてパラフィンワックス5部(日本精蝋(株)製 HNP−11 融点69℃)、及び前記マスターバッチ10部を加えて、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス(株)製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスクの周速度6m/秒間で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスし、トナー材料液を調製した。
容器に前記水系媒体150部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、トナー材料液100部を添加し、10分間混合して、乳化スラリーを調製した。
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分間で攪拌しながら30℃で12時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
分散スラリー100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を3回行った。得られた濾過ケーキに10質量%塩酸10部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、母体粒子を得た。
母体粒子100部と、外添剤としての疎水性シリカH2000(クラリアントジャパン(株)製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)を用いて、周速30m/秒間で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開き35μmメッシュで篩い、実施例1のトナーを得た。なお、トナー中におけるテトラグリセリンヘキサベヘネートの分散径は0.2μmであった。
(実施例2)
ポリエステル樹脂Aの代わりにポリエステル樹脂Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のトナーを得た。
(実施例3)
N−ステアリルステアリン酸アマイドの代わりに、ベヘニン酸アマイド(分子量:339.6、日本精化(株)製 BNT−11 融点105℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のトナーを得た。
(実施例4)
N−ステアリルステアリン酸アマイドの代わりに、ステアリン酸モノエタノールアマイド(分子量:327.6、三洋化成工業(株)製 プロファンSME 融点100℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例8のトナーを得た。
(比較例1)
実施例1中のN−ステアリルステアリン酸アマイドの添加量を0部とした以外は実施例1と同様にして、比較例1のトナーを得た。
(比較例2)
N−ステアリルステアリン酸アマイドの代わりに、ステアリン酸アマイド(分子量:283.5)及びパルミチン酸アマイド(分子量:255.4)混合物(日本精化(株)製 NEUTRON−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のトナーを得た。
(比較例3)
N−ステアリルステアリン酸アマイドの代わりに、不飽和脂肪酸であるエルカ酸アマイド(分子量:337.6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3のトナーを得た。
(比較例4)
N−ステアリルステアリン酸アマイドの代わりに、パルミチン酸アマイド(分子量:255.4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4のトナーを得た。
(比較例5)
ポリエステル樹脂Aの代わりに、前記スチレン−アクリル樹脂Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5のトナーを得た。
以上のようにして実施例1〜4及び比較例1〜5のトナーを作成した。各トナーに使用した樹脂、飽和脂肪酸アミド系化合物、溶解度、再析出物の評価結果を表1に示す。
<Tgr、及びTgr’の測定>
また、実施例1〜4及び比較例1〜5のトナーの作製に用いた、各樹脂のガラス転移温度(Tgr)と、定着補助成分を10質量部添加した際の各樹脂のガラス転移温度(Tgr’)とをDSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、(株)島津製作所製)を用いて、以下の手順により測定した。Tgr−Tgr’の値を以下の様に区分し表1に示す。
×・・・効果なし
△・・・0℃<Tgr−Tgr’≦5℃
○・・・5℃<Tgr−Tgr’≦10℃
◎・・・10℃<Tgr−Tgr’
−Tgrの測定−
樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/分間にて150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/分間にて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/分間にて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、(株)島津製作所製)により、DSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択し、樹脂のガラス転移温度(Tgr)を算出した。
−Tgr’の測定−
また、定着補助成分を10質量部添加した際の樹脂のガラス転移温度(Tgr’)も同様にして測定した。即ち、定着補助成分0.5mg、樹脂4.5mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/分間にて150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/分間にて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/分間にて150℃まで加熱し、示差走査熱量計により、DSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択し、定着補助成分を加えた際のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgr’)を算出した。
<溶解度の測定>
ガラス瓶に溶媒としてスターラーバーと酢酸エチル100gを取り、飽和脂肪酸アミド系化合物を各々50mg、150mg、250mg、400mg、700mg加えたものを計6種類準備する。超音波を10分間当てた後、サーモスタットで25℃に保たれた水浴で10分間攪拌後、瓶の内容物を目視で確認し、以下の判定を行った。
◎・・・全ての瓶で不溶物なし
○・・・150mg以上加えた瓶で不溶物発生(溶解度0.15質量%以下)
△・・・250mg以上加えた瓶で不溶物発生(溶解度0.15質量%超え0.25質量%未満)
×・・・700mg加えた瓶で不溶物発生(溶解度0.25質量%以上0.75質量%未満)
<再析出物の確認>
上記と同様に、ガラス瓶に溶媒としてスターラーバーと酢酸エチル100gを取り、飽和脂肪酸アミド系化合物を各々50mg、150mg、250mg、400mg、700mg加えたものを計6種類準備する。超音波を10分間当てた後、サーモスタットで40℃に保たれた水浴で10分間攪拌後、室温で6時間放置し、最析出物の有無を目視で確認し、以下のような判定をした。
◎・・・再析出物なし
○・・・極わずかに再析出物あり
△・・・再析出物あり
実施例1〜6及び比較例1〜5のトナーを用いて、以下の手順により現像剤を作製し、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
<キャリアの作製>
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
<現像剤の作製>
ボールミルを用いて、トナー5部とキャリア95部とを混合し、現像剤を作製した。
−評価−
−−定着下限温度−−
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF−200(リコー(株)製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(リコー(株)製)をセットし、定着ローラの温度を5℃刻みで変化させて、複写テストを行った。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ローラの温度の最小値を定着下限温度とした。
定着下限温度は、消費電力が抑えられることから、低いことが好ましく、135℃以下であれば、実使用上問題の無いレベルである。
−−転写率−−
画像形成装置MF2800(リコー(株)製)を用いて、マクベス反射濃度計で平均画像濃度が1.38以上となる、15cm×15cmの黒ベタ画像を形成し、下記(1)式から、転写率を求めた。
転写率[%]=(記録紙上に転写されたトナー量/感光体上に現像されたトナー量)×100 ・・・(1)
なお、転写率は、以下のように判定した。
◎・・・転写率が90%以上のもの
○・・・転写率が80%以上90%未満のもの
△・・・転写率が70%以上80%未満のもの
×・・・転写率が70%未満のもの
−−転写ムラ−−
画像形成装置MF2800(リコー(株)製)を用いて、黒ベタ画像を形成し、得られた画像の転写ムラの有無を目視観察し、転写ムラを評価した。
なお、転写ムラは、以下のように判定した。
◎・・・非常に良好なレベルであるもの
○・・・実使用上、問題が無いレベルであるもの
△・・・実使用可能なレベルであるもの
×・・・問題があるレベルであるもの
−−かぶり−−
感光体に当接するクリーニングブレード及び帯電ローラを有するタンデム型カラー電子写真装置imagio Neo 450(リコー(株)製)を用いて、現像スリーブの回転方向に対して垂直な方向に1cm間隔で黒ベタと白ベタを繰り返したA4横チャート(画像パターンA)を1万枚出力した後、白紙画像を出力し、かぶりの有無を目視評価した。
なお、かぶりは、以下のように判定した。
○・・・かぶりが無いもの
×・・・かぶりが有るもの
−−地汚れ−−
感光体に当接するクリーニングブレード及び帯電ローラを有するタンデム型カラー電子写真装置imagio Neo 450(リコー(株)製)を用いて、現像スリーブの回転方向に対して垂直な方向に1cm間隔で黒ベタと白ベタを繰り返したA4横チャート(画像パターンA)を1万枚出力した後、感光体の地汚れを粘着テープに転写し確認した。
なお、地汚れは、以下のように判定した。
○・・・地汚れが無いもの
×・・・地汚れが有るもの
−−耐熱保存性−−
耐熱保存性の評価においては、現像剤ではなく、トナーを用いて評価を行った。
50mLのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度を測定し、耐熱保存性を評価した。
なお、耐熱保存性は、以下のように判定した。
◎・・・針入度が25mm以上であるもの
○・・・針入度が15mm以上25mm未満であるもの
△・・・針入度が5mm以上15mm未満であるもの
×・・・針入度が5mm未満であるもの
このとき、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が5mm未満であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高い。
表2より、実施例1〜4のトナーは、低温定着性に優れるポリエステル樹脂と、定着補助成分としてポリエステル樹脂との相溶性に優れる融点70℃以上120℃未満のモノアミド化合物、又はモノアルコール付加アミド化合物又はビスアルコール付加アミド化合物の分類に含まれるアミド系化合物を用いることにより、低温定着性、耐ホットオフセット性に優れることがわかる。更に、トナー中に独立した結晶ドメインとして存在し得る飽和脂肪酸アミド系化合物が用いられているため、その結果、転写性に優れ、画像のかぶり、地汚れも生じず、長期に亘り、高品位な画像を形成することが可能となる。
比較例1のトナーは、実施例1のトナーから定着補助成分を抜いたものに相当し、そのため、低温定着性に劣る結果となった。
比較例2のトナーは、分子量が小さい飽和脂肪酸であるパルミチン酸アマイドを含み、溶解度が高いので、地汚れに劣る結果となった。
比較例3のトナーは、不飽和脂肪酸アミド系化合物を含むため溶解度が高く、地汚れに劣る結果となった。
比較例4のトナーは、分子量が小さい飽和脂肪酸であるパルミチン酸アマイドを含み、溶解度が高いので、地汚れに劣る結果となった。
比較例5のトナーは、スチレンアクリル樹脂を用いたため、ポリエステル樹脂に比べ十分な低温定着性が得られず、また定着補助成分との相溶性もスチレンアクリル樹脂は劣るため、十分な低温定着性が得られない結果となった。
以上の結果より、本発明のトナーは、低温定着性に優れ、耐オフセット性が良好であり、定着装置及び画像を汚染しにくいことがわかる。更に、本発明のトナーは、高品位なトナー像を長期に亘り、形成することができることがわかる。
本発明のトナーは、低温定着性に優れ、耐オフセット性が良好であり、定着装置及び画像を汚染することがなく、鮮鋭性の良好な高品質画像を長期にわたり形成することができるため、各種分野に利用することができ、特に、電子写真法による画像形成に好適に利用可能である。
10 感光体ドラム
10K ブラック用感光体ドラム
10Y イエロー用感光体ドラム
10M マゼンダ用感光体ドラム
10C シアン用感光体ドラム
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 2次転写装置
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
42K ブラック用現像剤収容部
42Y イエロー用現像剤収容部
42M マゼンダ用現像剤収容部
42C シアン用現像剤収容部
43K ブラック用現像剤供給ローラ
43Y イエロー用現像剤供給ローラ
43M マゼンダ用現像剤供給ローラ
43C シアン用現像剤供給ローラ
44K ブラック用現像ローラ
44Y イエロー用現像ローラ
44M マゼンダ用現像ローラ
44C シアン用現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンダ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 分離ローラ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 帯電ローラ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録紙
100A 画像形成装置
100B 画像形成装置
110 プロセスカートリッジ
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
特開2004−245854号公報 特開平4−70765号公報 特開2008−281884号公報

Claims (12)

  1. 少なくとも、結着樹脂としてのポリエステル樹脂と、着色剤と、離型剤と、定着補助成分とを含有するトナーであって、
    前記定着補助成分が、分子内、及び分子末端の少なくともいずれかにアミド結合を有する少なくとも1種類の飽和脂肪酸アミド系化合物からなり、
    該飽和脂肪酸アミド系化合物の融点が70℃以上120℃未満であり、平均分子量が300以上であることを特徴とするトナー。
  2. 飽和脂肪酸アミド系化合物が、分子内にアミド結合を有する請求項1に記載のトナー。
  3. 飽和脂肪酸アミド系化合物が、モノアミド化合物である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 飽和脂肪酸アミド系化合物の25℃での溶媒溶解度が、0.15質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. トナー中の定着補助成分の含有量が、トナー全量に対して1質量%以上25質量%未満である請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. 少なくとも1種のポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgが、55℃以上80℃未満である請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. 少なくとも1種のポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgrとし、該ポリエステル樹脂90質量部に対し定着補助成分を10質量部加えて150℃で加熱した後のポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgr’とした際に、次式、Tgr−Tgr’>5℃、を満たす請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. トナーが、水系媒体中で生成されてなる請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載のトナーが収容されてなることを特徴とするトナー入り容器。
  11. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像し可視像化する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    前記トナーが、請求項1から8のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
    前記トナーが、請求項1から8のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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