JP2005189808A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents
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Abstract
行うことができるトナー用樹脂組成物及びトナーを提供する。
【解決手段】 融点が180〜280℃である結晶性ポリマーと、ガラス転移温度が30
〜80℃である非結晶性ポリエステルとを含有するトナー用樹脂組成物であって、JIS
K 7121に準拠した方法により常温から10℃/分の条件で昇温して示差熱分析を
行ったときに、前記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と前記結晶性ポリマーの融点
との間に発熱ピークが認められるトナー用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
行うことができるトナー用樹脂組成物及びトナーに関する。
式現像方式において、通常、トナーはキャリアと呼ばれる鉄粉、ガラスビーズ等との摩擦
によって帯電し、これが感光体上の静電潜像に電気的引力によって付着し、次に用紙上に
転写され、加熱ローラ等によって定着されて永久可視像となる。
の表面に、被定着シートのトナー画像を圧接触させながら通過せしめることにより行う加
熱ローラ法が汎用されている。
上げるため、より低温で定着可能なトナーが求められている。
しかしながら、上記の低温定着性を改善しようとすると、トナーの一部が熱定着ローラ表
面に付着し、それが紙に再転写するといったオフセット現象が起こりやすくなったり、樹
脂同士が様々な環境を通して受ける熱によってトナーが凝集するブロッキング現象が起こ
りやすくなったりするといった問題がある。
よって、ポリマー内に化学的架橋構造を形成させ、耐高温オフセット性を保持させていた
。しかし、このような方法では、ポリマー中に溶解しない成分が存在するために、定着ロ
ールで定着後の印字表面に凹凸が生じるために光沢が劣ったり、低温定着性にも限界があ
ったりした。
と炭素数2〜6の直鎖型アルキレングリコールから導かれる単位とを全使用モノマー単位
に対して50モル%以上含む結晶性ポリエステル樹脂を用いることが提案されている。
しかしながら、この技術では、結晶性ポリエステル樹脂のみを用いているので、定着可能
な温度幅が狭く、低温定着性を損なうことなく、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング
性を保つことが困難であった。
ボン酸、及び、分岐鎖を持つ脂肪族アルコールを50モル%以上含む脂肪族アルコールを
重合してなる非結晶性ポリエステル樹脂を用いることが提案されている。
しかしながら、この技術では、非結晶性ポリエステル樹脂のみを用いているので、低温定
着性が充分ではなかった。
トナーとして、軟化点の異なる2種類のポリエステルをトナー用樹脂として含有するトナ
ーが提案されている。
しかしながら、上記2種類のポリエステルの相溶性は充分とはいえず軟化点が低いポリエ
ステルがブロッキングを起こしやすくしたり、定着ローラに付着しフィルミングを起こし
やすくしたりするといった問題があり、また、相溶性が充分ではないので樹脂の透明性も
低いという問題もあった。
晶性ポリエステルのブロック共重合体を用いることが提案されている。
しかしながら、この技術では、バインダー樹脂は白濁した樹脂となるため透明な樹脂を得
ることができないといった問題があった。
こりやすいことから、ブロッキング現象を起こしにくいトナー用ポリエステル樹脂の検討
も進められている。低温定着温度はそれほど低くはないがブロッキング現象を起こしにく
いトナー用ポリエステル樹脂として、例えば、特許文献6にはポリエステル樹脂の組成を
特定組成とすると効果があることが示されており、また、特許文献7にはポリエステル樹
脂の組成を特定しガラス転移温度を45〜70℃とすると効果があることが示されている
。
、これらのトナー用樹脂を用いてもトナー用樹脂のガラス転移温度付近の温度にトナーが
さらされるとやはりブロッキング現象を起こしてしまうという問題があった。
ポリエステルとを含有することにより、適度な画像光沢を有し、色の再現性に優れ、かつ
、充分なオフセット防止性を有する静電荷像現像用カラートナーが開示されている。
しかしながら、このようなトナーでは、低分子量の線状ポリエステルを添加することによ
り、定着性は向上するものの、同時にポリエステルのガラス転移温度が低下するため、ブ
ロッキングが生じ、保存安定性が低下することから、定着性と保存性とを両立させること
が困難であった。
れ、良好な発色を行うことができるトナー用樹脂組成物及びトナーを提供することを目的
とする。
0℃である非結晶性ポリエステルとを含有するトナー用樹脂組成物であって、JIS K
7121に準拠した方法により常温から10℃/分の条件で昇温して示差熱分析を行っ
たときに、前記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と前記結晶性ポリマーの融点との
間に発熱ピークが認められるトナー用樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
なお、本明細書において、結晶性ポリマーとは、示差走査熱量計により示差熱を測定した
ときに、鋭く明瞭な融点ピークを示し、結晶化度が10%を超え得るポリマーを意味し、
非結晶性ポリエステルとは、示差走査熱量計により示差熱を測定したときに、鋭く明瞭な
融点ピークを示さず、結晶化度が10%以下であるポリエステルを意味する。
キング性に優れ、良好な発色を行うことができるトナーを製造することができる。本発明
のトナー用樹脂組成物を用いてトナーを製造する場合に、トナー用樹脂組成物と後述する
離型剤、着色剤等とを混合した後、上記結晶性ポリマーの結晶化温度以上の温度に加熱し
たときには、含有される結晶性ポリマーが結晶化する。このときトナー中においては、高
融点の結晶化ポリマーの結晶成分同士は非結晶性ポリエステル中で物理的架橋構造を形成
する一方、高融点の結晶性ポリマー中の非結晶成分と非結晶性ポリエステルとが絡まり合
って、一種のネットワーク構造を形成するものと考えられる。このようなネットワーク構
造が形成されることによって、トナーは、高温での粘度低下が少なく、低温定着性や保存
性を低下させることなく、良好な耐オフセット性が発現することができると考えられる。
る高融点の結晶性ポリマーと、物理的架橋構造を形成せずガラス転移温度が30〜80℃
である非結晶性ポリエステルとが混合され上述のネットワーク構造を形成することにより
、耐高温オフセット性の向上と同時に、光沢及び低温定着性の向上が可能となる。トナー
中において結晶性ポリマーが物理的架橋構造を形成している場合には、トナーの粘度が上
昇するために耐オフセット性が向上でき、一方、定着ロールによる加圧時には物理的架橋
構造が壊れてトナーの粘度が低下するために印字表面の平滑性が増し、光沢が良くなると
同時に低温定着性も向上するものと考えられる。
る。これはトナー全体に上述のネットワーク構造が形成されるため、粉砕工程において得
られるトナーが、帯電性の安定したものとなり、カブリがなく、画像再現性に優れるため
と考えられる。
ていることが好ましい。微小な結晶が微分散していることにより、上記ネットワーク構造
がより安定になり、優れた効果を発現する。
このようなナノオーダーでの均一な微分散構造を発現させ、上述のネットワーク構造を形
成させるためには、結晶性ポリマーの結晶化度が高いこと、結晶性ポリマーと非結晶性ポ
リエステルとの相溶性が高いことに加えて、製造時に結晶性ポリマーと非結晶性ポリエス
テルとを充分に混練しておくことが重要である。
0℃/分の条件で昇温して示差熱分析を行ったときに、上記非結晶性ポリエステルのガラ
ス転移温度と結晶性ポリマーの融点との間に発熱ピークが認められる。この発熱ピークは
上記結晶性ポリマーの結晶化に伴うものであり、このような発熱ピークが認められること
は、本発明のトナー用樹脂組成物中においては上記結晶性ポリマーは結晶化していないこ
とを意味する。従って、本発明のトナー用樹脂組成物中においては、上述の物理的架橋構
造はいまだ形成されておらず、本発明のトナー用樹脂組成物を用いて製造したトナー中に
おいてはじめて形成される。
ないことからトナー用樹脂組成物の粘度は充分に低く、離型剤、着色剤等と容易に混合す
ることができる。これにより、トナーの製造が極めて容易になり、かつ、トナー中で上述
の結晶のナノオーダーでの均一な微分散構造を発現させ、上述のネットワーク構造を形成
させることができる。
ると、高温耐ホットオフセット性が不充分となったり、フィルミングが発生しやすくなり
耐久性が不充分となったりする。280℃を超えると、非結晶性ポリエステルとの混合時
に280℃を超える高温で溶融させる必要があることから、生産性が格段に悪化してしま
う。好ましい下限は200℃、好ましい上限は240℃であり、より好ましい下限は22
0℃である。
短縮のためには、定着ローラを所定の定着温度まで急速に昇温する必要があるが、このと
きオーバーシュートのため定着ローラは所定の定着温度よりも初めは高温にぶれる。従っ
て、この状態においても良好な印字を行うためには、トナーは、高温における耐ホットオ
フセット性が良好でなければならない。定着温度が低く、耐ホットオフセット温度が高い
程、ウォームアップ時間の短縮が可能となる。通常、ハードウェアの設計幅を充分に大き
くするためには、耐ホットオフセット温度は180℃以上であることが要求される。上記
結晶性ポリマーの融点が180℃以上であると、結晶性ポリマーの結晶部が高温において
も溶融しないで、上述のネットワーク構造が保持されるため高温耐ホットオフセット性が
向上するものと考えられる。また、複写機やプリンターの高速化に伴い、高速運転下にお
いても微粉が発生せず、フィルミングの生じないトナーが望まれている。特にブレードへ
の機械的接触において帯電化を行う非磁性一成分系のトナーでは耐久性への要望が一段と
高い。上記結晶性ポリマーの融点が180℃であると、結晶性ポリマーの結晶部の凝集力
が高くなり、上述のネットワーク構造が強化されるため耐久性が向上するものと考えられ
る。
の好ましい下限が25mJ/mg、好ましい上限が150mJ/mgである。25mJ/
mg未満であると、上述のネットワーク構造を形成しにくいことから耐高温オフセット等
の所期の効果が得られないことがあり、150mJ/mgを超えると、定着ロールによる
加圧時にポリマーの粘度が充分に低下せず、定着後の印字表面に凹凸が生じて光沢が劣り
、低温定着性が劣ることがある。より好ましい下限は40mJ/mg、より好ましい上限
は100mJ/mgである。
なお、示差走査熱量計(DSC)の測定条件については特に限定されないが、例えば、J
IS K 7121に準拠して、試料10mgを昇温速度10℃/分で加熱する方法によ
り測定することができる。
0℃である。100℃未満では、結晶性ポリマーが結晶化されていない状態のトナー用樹
脂組成物を製造することが困難となり、180℃を超えると、高温で加熱を行う必要があ
ることから、生産性が格段に悪化してしまう。
ある。3万未満であると、得られるトナーの耐オフセット性及び耐久性が不充分となるこ
とがあり、30万を超えると、低温定着性及び光沢が劣ることがある。これは、この範囲
外であると上述のネットワーク構造が充分に形成できないためと考えられる。より好まし
い下限は5万、より好ましい上限は20万であり、更に好ましい下限は8万、更に好まし
い上限は15万である。
ミドが好適である。
上記結晶性ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとを縮重合させることにより得るこ
とができる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレン
カルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。なかでも、結晶
性を付与するために、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、及び、これらの無水物及
び低級アルキルエステルが好適に用いられる。
4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール
、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−
ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール
、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の
脂肪族ジオール類;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール類
等が挙げられる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)が好適である。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、結晶化速度が速く、結晶化度も高いことから
、これを用いて得られるトナーは耐オフセット性に優れる。また、非結晶性ポリエステル
との相溶性に優れることから、これを用いて得られるトナーは、低温定着性や光沢にも優
れたものとなる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、結晶融点が高いことから、これを用いて得ら
れるトナーは特に高温での耐オフセット性に優れる。なお、ポリエチレンテレフタレート
(PET)は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)よりも結晶化速度、結晶化度の点
で劣るものの、結晶核剤を添加することによりこれらの点を改善することも可能である。
これらの結晶性ポリエステルは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
11−ナイロン、12ナイロン等が挙げられる。なかでも、6−ナイロン、6,6−ナイ
ロンは結晶の凝集力が高く、耐高温オフセット性の向上効果に優れることから好適である
。また、これらの結晶性ポリアミドにポリエステルを共重合させたポリアミド−ポリエス
テル共重合体も非結晶性ポリエステルとの相溶性に優れることから好ましい。これらの結
晶性ポリアミドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記結晶性ポリアミドは分子間の凝集力が強いため、ポリエステルに対して少量用いるだ
けで耐高温オフセット性を発現させることができ、樹脂自体の強度を増大することができ
る。
℃未満であると、高温耐オフセット性や耐ブロッキング性が充分に得られず、80℃を超
えると、低温定着性が劣る。好ましい下限は50℃、好ましい上限は65℃である。
ことができる。
非結晶性ポリエステルのガラス転移温度は、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸はガラ
ス転移温度を向上させる働きがあり、セバシン酸やアジピン酸等の長鎖の脂肪族ジカルボ
ン酸はガラス転移温度を低下させる働きがあるのでこれらのジカルボン酸を適宜組み合わ
せることにより目的のガラス転移温度を達成することができる。しかし、芳香族ジカルボ
ン酸と長鎖の脂肪族ジカルボン酸とを適宜組み合わせることによって目的のガラス転移温
度を達成することができたとしても、軟化温度が高くなりすぎる傾向がある。
そこで、上記非結晶性ポリエステルは、屈曲した分子構造を分子鎖中に導入できる2価の
屈曲モノマー又は分岐鎖を有する2価のモノマーのいずれかを少なくとも含有する多価カ
ルボン酸と多価アルコールを含むモノマー混合物を重合させてなることが好ましい。
これら2価の屈曲モノマーや分岐鎖を有する2価のモノマーを含有するモノマー混合物を
重合してなるポリマーは、目的のガラス転移温度と低い軟化温度をより容易に両立させる
ことができ、結晶化を効果的に抑制することができる。
香族ジカルボン酸、オルト位又はメタ位がヒドロキシル基で置換された芳香族ジオール、
非対称位置にカルボキシル基を有する多環芳香族ジカルボン酸、非対称位置にヒドロキシ
ル基を有する多環芳香族ジオール等ポリマーの分子鎖に屈曲した分子構造を導入できるモ
ノマーであればジカルボン酸やジオールに限定されず、例えば、ジカルボン酸の無水物や
低級エステル、モノヒドロキシモノカルボン酸等であってもよく、例えば、無水フタル酸
、o−フタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸等のジカルボン酸及びこれらの無水物や低級エステル;サリチル酸、3−ヒ
ドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸等のモノヒドロキシモノカルボン酸;カテコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオールが挙げられる。
果的に抑制する。結晶化を効果的に抑制できる分岐鎖を有するモノマーとしては、分岐ア
ルキル鎖を有する脂肪族ジオールや、分岐アルキル鎖を有する脂環式ジオール等が挙げら
れる。なお、脂環式ジオールとしては、複数の脂環式ジオールが分岐アルキレン鎖により
連結された脂環式ジオールが好ましい。
上記分岐鎖を有する2価のモノマーとしては特に限定されず、例えば、1,2−プロパン
ジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール
(2,2‐ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5
−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペ
ンタンジオール、2−エチルー1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1
,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族ジオ
ール;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物等の脂環族ジオール類
等が挙げられる。
なかでも、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール、並びに、エチレングリコール及び/
又は1,4−ブタンジオールを主成分とするモノマー混合物を重合してなる非結晶性ポリ
エステルは、低温定着性、透明性に優れることから好適である。
3000〜2万である非結晶性ポリエステル(以下、非結晶性ポリエステル(A)ともい
う)と、ガラス転移温度が70〜85℃であり、重量平均分子量が3万〜30万である非
結晶性ポリエステル(以下、非結晶性ポリエステル(B)ともいう)とからなるものであ
ることが好ましい。
物として用いた場合、得られるトナーは溶融粘度が低くなることから、優れた低温定着性
が得られるが、保存安定性、耐高温オフセット性、耐ブロッキング性及び耐フィルミング
性に劣るものとなる。しかしながら、非結晶性ポリエステル(A)に加えて、ガラス転移
温度が高く、高分子量の非結晶性ポリエステル(B)を配合することにより、優れた低温
定着性を有しつつ、保存安定性、耐高温オフセット性、耐ブロッキング性を大幅に改善す
ることができる。
ーの強度が不充分であることに起因して、ブレード衝突時に微粉が発生し、ブレードや感
光ドラム、定着ロールに付着して、フィルミングを生じることがあったが、上記非結晶性
ポリエステル(B)は、高い樹脂強度を有していることから、耐フィルミング性に優れた
トナー用樹脂組成物として好適に用いることができる。更に、上記非結晶性ポリエステル
(A)と上記非結晶性ポリエステル(B)とは優れた相溶性を有することから、均一な相
状態となり、ガラス転移温度及び重量平均分子量を適度な範囲とすることができる。
限は65℃である。45℃未満であると、耐高温オフセット性や耐ブロッキング性が充分
に得られないことがあり、65℃を超えると、低温定着性が低下することがある。より好
ましい下限は50℃である。
上限は2万である。3000未満であると、トナー用樹脂組成物の強度が低くなることか
ら、得られるトナーの耐久性が不充分となることがあり、2万を超えると、優れた低温定
着性を実現することができないことがある。より好ましい下限は4000、より好ましい
上限は8000である。
エステル(B)を構成するセグメントとできる限り共通するセグメントを有するものを用
いることが好ましい。これにより、上記非結晶性ポリエステル(A)と非結晶性ポリエス
テル(B)との相溶性が更に向上する。
なお、本明細書において、相溶とは、非結晶性ポリエステル(A)と非結晶性ポリエステ
ル(B)とが、均一に混和している状態をいい、これらは、完全に相溶しても、また一部
が相溶してもよい。
しい上限は85℃である。70℃未満であると、保存安定性を向上させる効果が不充分な
ものとなることがあり、85℃を超えると、低温定着性が低下することがある。
しい上限が30万である。3万未満であると、得られるトナーの耐高温オフセット性及び
保存安定性が不充分となることがあり、30万を超えると、得られるトナーの低温定着性
が不充分となることがある。より好ましい下限は5万であり、上限は20万である。更に
好ましい下限は6万5千であり、上限は15万である。
エチレングリコールに基づくセグメント及び1,4−シクロヘキサンジメタノールに基づ
くセグメントを主セグメントとするポリエステル等が挙げられる。
このような主セグメントを有することにより、ガラス転移温度が70〜85℃であり、重
量平均分子量が3万〜30万である非結晶性ポリエステル(B)を実現することができる
。なお、上記非結晶性ポリエステル(B)のうち市販品としては、例えば、PET−G(
イーストマンコダック社製)等が挙げられる。
ジメタノールに基づくセグメントの含有量の好ましい下限は5モル%であり、好ましい上
限は35モル%である。5モル%未満であると、上記非結晶性ポリエステル(B)のガラ
ス転移温度が70℃未満となり、保存性向上効果が得られないことがある。また、上記非
結晶性ポリエステル(B)の結晶化が進行し、定着性が低下することがある。35モル%
を超えると、上記非結晶性ポリエステル(B)のガラス転移温度が70℃未満となり、保
存性向上効果が得られないことがある。より好ましい下限は10モル%であり、より好ま
しい上限は30モル%である。
、ジオール成分としてのエチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールと
を含むモノマー混合物を重合させることにより得ることができる。
非結晶性ポリエステル(A)50〜95重量%に対して、非結晶性ポリエステル(B)5
0〜5重量%であることが好ましい。上記非結晶性ポリエステル(A)が50重量%未満
であると、得られるトナーの低温定着性が不充分となることがあり、上記非結晶性ポリエ
ステル(A)が95重量%を超えると、保存安定性、耐久性、耐高温オフセット性等が不
充分となることがある。
。上記結晶性ポリマーと上記非結晶性ポリエステルとが相溶することにより、上述のネッ
トワーク構造を安定して形成することができる。また、上記結晶性ポリマーと上記非結晶
性ポリエステルとが相溶する場合には、本発明のトナー用樹脂組成物は無色透明となり、
良好な発色を行うことができるカラートナー用樹脂組成物として好適に用いることができ
、また、高い樹脂強度を有しているので、耐高温オフセット性に優れたトナー用樹脂組成
物として好適に用いることができる。
なお、上記相溶とは、上記結晶性ポリマーと上記非結晶性ポリエステルとが、均一に混和
する状態をいい、これらは、完全に相溶しても、また一部が相溶してもよい。
結晶性ポリマーのガラス転移温度をA(℃)、上記非結晶性ポリエステルのガラス転移温
度をB(℃)としたときに、本発明のトナー用樹脂組成物のガラス転移温度C(℃)が下
記式(1)を満たすことが好ましい。
用樹脂組成物中の非結晶性ポリマーの重量分率を表す。
本発明のトナー用樹脂組成物のガラス転移温度が上記式(1)を満たす場合には、上記結
晶性ポリマーと上記非結晶性ポリエステルとが極めて良好に相溶する。
晶性ポリエステルとが構成モノマーとして、例えばテレフタル酸等の共通のモノマー成分
を有するようにすれば、相溶性を向上させることができる。例えば、上記結晶性ポリエス
テルが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリエチレンテレフタレート(PE
T)であり、非結晶性ポリエステルが、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール、並びに
、エチレングリコール及び/又は1,4−ブタンジオールとを主成分とするモノマー混合
物を重合してなるものであるときには、両者はよく相溶する。
の含有量としては、上記結晶性ポリマーの含有量の好ましい下限が2重量%、好ましい上
限が30重量%であり、上記非結晶性ポリエステルの含有量の好ましい下限が70重量%
、好ましい上限が98重量%である。
上記結晶性ポリマーの含有量が2重量%未満であると、耐高温オフセット性が劣ることが
あり、30重量%を超えると、低温定着性が劣ることがある。より好ましい下限は3重量
%、より好ましい上限は20重量%であり、更に好ましい下限は5重量%、更に好ましい
上限は15重量%である。
剤を含有することにより、上記結晶性ポリマー成分の結晶化を促進することができる。上
記結晶核剤としては特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケ
イ素、酸化鉄(III)、酸化チタン等の金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸鉛、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム等の無機塩;シュウ酸カルシウム、シュウ酸ナト
リウム等の有機酸塩;タルク、カオリン、クレイマイカ、ウオラストナイト等の粘土類等
が挙げられる。また、上記結晶核剤の形状としては特に限定されず、板状、球状の他、無
定形であってもよい。
好ましい。このような酸価は、上記結晶性ポリマー又は上記非結晶性ポリエステルの主鎖
末端の酸性の官能基、具体的には例えばカルボキシル基等、に起因するものである。酸価
がこの範囲にあると、得られるトナーが低温定着性に優れることに加え、紙との親和性も
向上する。
なお、本発明のトナー用樹脂組成物では、従来の100万レベルの高分子量ポリマーを含
む架橋系のトナー用樹脂組成物と異なり、数十万程度の分子量のポリマーしか含有しない
ことから、上記酸性の官能基が比較的均一に分布し、更に高い低温定着性が得られる。
に合成した上記結晶性ポリマーと上記非結晶性ポリエステルとを、上記結晶性ポリマーの
融点以上の温度下で混合し、次いで、上記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度以下に
急冷する方法が好適である。このように混練後に急冷することにより、含有する結晶性ポ
リマーを非結晶の状態にすることができる。
融点が180〜280℃である結晶性ポリマーと、ガラス転移温度が30〜80℃である
非結晶性ポリエステルとを、上記結晶性ポリマーの融点以上の温度で混練する工程と、混
練後に上記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度以下の温度にまで急冷する工程とを有
するトナー用樹脂組成物の製造方法もまた、本発明の1つである。
下にまで冷却することが好ましい。
上記急冷の手段としては特に限定されないが、例えば、ベルトクーラー、ダブルベルトク
ーラー、ドラムクーラー、冷却ロール等を用いる方法等が挙げられる。
色剤、電荷制御剤、磁性体、ゴム状ポリマー、スチレン−アクリル酸エステル共重合体か
らなるトナー用樹脂、キャリア、クリーニング性向上剤等の添加物と混合することにより
、トナーを製造することができる。
本発明のトナー用樹脂組成物を用いてなるトナーもまた、本発明の1つである。
件で昇温して示差熱分析を行ったときに、上記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と
上記結晶性ポリマーの融点との間に発熱ピークが認められない。
上記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と結晶性ポリマーの融点との間の発熱ピーク
は、上記結晶性ポリマーの結晶化に伴い現れるものであるため、このような発熱ピークが
認められないことは、本発明のトナーにおいては上記結晶性ポリマーが完全に結晶化して
いることを意味する。従って、本発明のトナーは、上述の物理的架橋構造が形成されてお
り、高温での粘度低下が少なく、低温定着性や保存性を低下させることなく、良好な耐オ
フセット性が発現することができる。
ルのガラス転移温度と結晶性ポリマーの融点との間に発熱ピークが全く認められない場合
のほか、上記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と結晶性ポリマーの融点との間に、
融点における吸熱量の1/10以下の発熱量を有するピークしか認められない場合も含む
ものである。発熱ピークが上記範囲内の微小なピークのみである場合には、上記結晶性ポ
リマーのほとんどが結晶化しているものと考えられ、本発明の目的を充分に実現できるか
らである。一方、融点における吸熱量の1/10を超える発熱量を有するピークが認めら
れる場合は、上記結晶性ポリマーは結晶化していないと考えられることから、高温での粘
度低下が起こり、耐オフセット性が低下する。
又は混合中に、上記結晶性ポリマーの結晶化温度以上の温度に加熱することが好ましい。
上記結晶性ポリマーの結晶化温度以上の温度に加熱することにより、含有される結晶性ポ
リマーが結晶化し上述のネットワーク構造が形成されることから、得られるトナーは低温
定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性に優れたものとなる。
本発明のトナー用樹脂組成物と添加物とを混合する工程と、混合中又は混合後に結晶性ポ
リマーの結晶化温度以上の温度に加熱する工程を有するトナーの製造方法もまた、本発明
の1つである。
温オフセット性の両方に優れていることから、離型剤を含有していなくてもよい。本発明
のトナーが離型剤を含有しない場合は、透明性が一層向上したトナーとなる。
ックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックス等のオレフィン系ワ
ックスやパラフィン系ワックス;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エス
テルワックス等の脂肪族エステル系ワックス;脱酸カルナバワックス;バルチミン酸、ス
テアリン酸、モンタン酸等の飽和脂肪族酸系ワックス;プラシジン酸、エレオステアリン
酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪族酸系ワックス;ステアリルアルコール、アラルキルア
ルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシル
アルコール等の飽和アルコール系ワックスや脂肪族アルコール系ワックス;ソルビトール
等の多価アルコール系ワックス;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミ
ド等の飽和脂肪酸アミド系ワックス;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカ
プリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミ
ド等の飽和脂肪酸ビスアミド系ワックス;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレ
ンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイ
ルセバシン酸アミド等の不飽和酸アミド系ワックス;m‐キシレンビスステアリン酸アミ
ド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族ビスアミド系ワックス;ステ
アリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシ
ウム等の脂肪酸金属塩;スチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーをポリオレフィンに
グラフト重合させたグラフト変性ワックス;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価
アルコールとを反応させた部分エステルワックス;植物性油脂を水素添加して得られるヒ
ドロキシル基を有するメチルエステルワックス;エチレン成分の含有割合が高いエチレン
−酢酸ビニル共重合体ワックス;アクリル酸等の飽和ステアリルアクリレートワックス等
の長鎖アルキルアクリレートワックス;ベンジルアクリレートワックス等の芳香族アクリ
レートワックス等が挙げられる。なかでも、長鎖アルキルアクリレートワックスや芳香族
アクリレートワックスは、トナー用樹脂組成物との相溶性に優れ透明性の高いトナーが得
られることから好適である。これらの離型剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用し
てもよいが、特に融点が30℃以上異なる2種以上の離型剤を併用することが好ましい。
上記離型剤のトナー中における大きさとしては特に限定されないが、長径が2μm以下で
あることが好ましい。
ーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、アニ
リンブラック、フタロシアニンブルー、キノリンイエローランプブラック、ローダミン−
B、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジ
ン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、スレン系顔料、インジコ系
顔料、キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン等が挙げられる。
これらの着色剤の配合量の好ましい下限は、通常、トナー用樹脂組成物100重量部に対
して1重量部、好ましい上限は10重量部である。
しては、例えば、ニグロシン染料、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、アジン等が挙げら
れ、負帯電用電荷制御剤としては、例えば、クロム錯体、鉄錯体等が挙げられる。なかで
も、酸変性荷電制御剤が好適であり、サリチル酸変性であるとトナー用樹脂組成物と架橋
してゴム弾性を発現する。ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム錯体ジ−tert−ブ
チルサリチル酸亜鉛錯体等のアルキル置換サルチル酸の金属錯体は、無色又は淡色である
ためトナーの色調に影響を与えないので好ましい。また、上記電荷制御剤としては、荷電
制御樹脂(CCR)も好適に用いることができる。上記荷電制御樹脂としては、例えば、
4級アンモニウム塩を含むモノマー、有機フッ素系モノマー、スルホン酸基含有モノマー
、フェニルマレイミド系モノマー等を共重合したスチレンアクリルポリマー等が挙げられ
る。
これらの電荷制御剤の配合量の好ましい下限は、通常、トナー用樹脂組成物100重量部
に対して0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。
、商品名「EPTシリーズ」、商品名「MATシリーズ」、商品名「MTSシリーズ」(
いずれも戸田工業社製)、商品名「DCMシリーズ」(同和鉄粉社製)、商品名「KBC
シリーズ」、商品名「KBIシリーズ」、商品名「KBFシリーズ」、商品名「KBPシ
リーズ」(いずれも関東電化工業社製)、商品名「Bayoxide Eシリーズ」(B
ayer AG社製)等が挙げられる。
ゴム、ニトリルゴム(アクリロニトリル‐ブタジエン共重合体)、クロロプレンゴム、ブ
チルゴム、アクリルゴム、ポリウレタンエラストマー、シリコーンゴム、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロスルフィン化ポリエチ
レン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルイソプ
レンゴム等の合成ゴム、ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマー等のエラスト
マー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体等の芳香族炭化水素と共役ジエン
系炭化水素とのブロック共重合体が挙げられる。なお、ブロック共重合体にはスチレン−
ブタジエンブロック共重合体やスチレン−イソプレンブロック共重合体等が混合されてあ
ってもよく、これらの水素添加物が混合されてあってもよい。
また、末端に水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホニル基、シアノ基、ニトロ
基、ハロゲン基等の極性基を有する芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体か
らなるゴム状ポリマーは、トナーとの親和性に優れるので好ましい。これら末端に極性基
を有するブロック共重合体はリビング重合により得ることができる。
ゴム状ポリマーは、トナーに含まれる樹脂の樹脂強度を向上させることができる。よって
、ゴム状ポリマーを含有するトナーは、トナーのフィルミング現象を防止することができ
、また、高い樹脂強度が必要な非磁性1成分トナーに好適なトナーが得られる。
、希土類等の金属単体、合金、酸化物、フェライト等が挙げられる。キャリアは表面が酸
化されていてもよい。また、キャリア表面がポリテトラフルオロエチレン、モノクロロト
リフルオロエチレンポリマー、ポリフッ化ビニリデン、シリコーンポリマー、ポリエステ
ル、ジ−tert−ブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリ
マー、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン塩基性染料、シリカ粉末、アルミ
ナ粉末等で被覆されていてもよい。キャリアを被覆することにより好ましい摩擦帯電性を
キャリアに付与することができる。
向上するものであれば特に限定されない。トナーの流動性が向上するとトナーがクリーニ
ングブレードに付着しにくくなる。例えば、フッ化ビニリデンポリマー等のフッソ系ポリ
マー粉末、アクリル酸エステルポリマー等のアクリル系ポリマー粉末、ステアリン酸亜鉛
、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛等の脂肪酸金属塩粉末、酸化亜鉛粉末、酸化
チタン粉末等の金属酸化物粉末、微粉末シリカ粉末、シランカップリング剤やチタンカッ
プリング剤やシリコンオイル等により表面処理が施されたシリカ粉末、ヒュームドシリカ
等が挙げられる。また、上記クリーニング性向上剤としては、アクリル系ポリマーやスチ
レン系ポリマー等からなる粒径0.05〜0.5μmの球体も好適に用いることができる
。
ましい下限が1mJ/mg、好ましい上限が20mJ/mgである。1mJ/mg未満で
あると、上述のネットワーク構造が形成されず耐高温オフセット等の所期の効果が得られ
ないことがあり、20mJ/mgを超えると、定着ロールによる加圧時にトナーの粘度が
充分に低下せず、定着後の印字表面に凹凸が生じて光沢が劣ったり、低温定着性が劣った
りすることがある。より好ましい下限は2mJ/mg、より好ましい上限は15mJ/m
gである。
2)で表される剪断ひずみを与えて0.02秒後から0.1秒後の緩和弾性率曲線の勾配
Kが−27以上であることが好ましい。
.1)は、剪断ひずみを与えて0.1秒後の緩和弾性率を表す。
性質を有することを示す。上記緩和弾性率曲線の勾配Kが−27以上であることは、本発
明のトナー内において上述のネットワーク構造が形成されており、均一に分散した上記物
理的架橋構造を形成した結晶を中心に高融点の結晶性ポリマー中の非結晶成分と非結晶性
ポリエステルとが絡まり合った構造によりゴムライクな性質が発現していることを意味す
ると考えられる。従って、上記緩和弾性率曲線の勾配Kが−27以上である本発明のトナ
ー用樹脂組成物は、低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性に優れ、良好
な発色を行うトナーを与えることができる。上記緩和弾性率曲線の勾配Kが−27未満で
あると、上述のネットワーク構造の形成が不充分であると考えられ、所期の効果が得られ
ないことがある。
なお、上記緩和弾性率は、例えば、本発明のトナーを溶融した後に所定の大きさの円盤状
に成形したものを試験用試料とし、緩和弾性率測定装置(例えば、レオメトリックス社製
RMS−800等)を用いて測定することができる。
平均分子量が2000以下の位置にピークが認められることが好ましい。これにより定着
性が向上する。また、本発明のトナーは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで
測定したときに、重量平均分子量が1万以上の位置にピークが認められることが好ましい
。これにより耐水性が向上する。
画質が得られる。
本発明のトナーの含水分量としては特に限定されないが、好ましい下限は0.01重量%
、好ましい上限は0.2重量%である。0.01重量%未満であると、製造上の問題から
製造が困難となり、0.2重量%を超えると、充分な帯電安定性が得られないことがある
。
本発明のトナーの安息角としては特に限定されないが、23℃、湿度60%における安息
角の好ましい下限は1度、好ましい上限は30度である。1度未満であると、トナーのハ
ンドリングが困難となることがあり、30度を超えると、トナーの流動性が不足すること
がある。なお、上記トナーの安息角は、例えば、パウダーテスター(例えば、ホソカワミ
クロン社製PT−N型等)等により測定することができる。
好ましい上限は2μmである。0.01μm未満であると、印字を行うことが困難となる
ことがあり、2μmを超えると得られる画像の表面光沢が不充分となることがある。なお
、上記表面粗さは、本発明のトナーを用いて印字した画像の印字部をJIS B 060
1に算術平均粗さ(Ra)の測定方法として規定される方法により測定することができる
。
明のトナーの粘度としては、150℃における溶融粘度の好ましい下限が100mPa・
s、好ましい上限が5万mPa・sである。100mPa・s未満であると、保存性が劣
ることがあり、5万mPa・sを超えると、充分な表面光沢が得られないことがある。よ
り好ましい上限は1万mPa・sである。
、低温定着性と耐高温オフセット性、耐ブロッキング性との両方に優れることから、スイ
ッチをいれてから印刷が可能になるまでの時間を短縮することができるので、経済的であ
り、更に、ローラの温度が下がっても画像の鮮明性を維持することができるので、印刷の
高速化を図ることができる。本発明のトナーは無色透明であるので、所望の色を容易に調
整することができる。本発明のトナーは、画像再現性に優れる。
、定着ローラに離型オイルが塗布されていなくても良好な定着性を発現することができる
。
また、本発明のトナー用樹脂組成物に用いる結晶性ポリマーと非結晶性ポリエステルとは
、架橋したり、別に高分子量樹脂を配合したりせずとも、低温から高温にわたる広い範囲
で良好な定着性を発現することができ、低温定着性と耐高温オフセット性、耐ブロッキン
グ性との両方に優れるトナーを得ることができる。このような非架橋トナー用樹脂組成物
を用いたトナーは、高分子量樹脂を含むトナー用樹脂を用いたトナーに比べて粉砕されや
すく、シャープな溶融特性を示し、光沢のある定着画像が得られる。
発色を行うことができるトナー用樹脂組成物及びトナーを提供することができる。
されるものではない。
(1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)の製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に
従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、
ジオール成分として1,4−ブタンジオール120モルを加え、エステル化縮合触媒とし
てチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水及
びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水及びメ
タノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポ
ンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数6
0rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、ポリブチレンテレフタレートを得た。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に
従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈
曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、分岐モノマー成分とし
てネオペンチレングリコール60モル、他のジオールとしてエチレングリコール60モル
、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、
200℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行
った。蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した
。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポ
ンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数6
0rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、非結晶性ポリエステルを得た。
得られたポリブチレンテレフタレート7重量部、非結晶性ポリエステル93重量部を二軸
押出機を用いて240℃で溶融混練後、ベルトクーラーを用いて40℃まで急冷し、トナ
ー用樹脂組成物を得た。
得られたトナー用樹脂組成物100重量部に荷電制御剤(TN−105:保土谷化学社製
)1重量部、銅フタロシアニンブルー顔料2.5重量部及びカルナバワックス1重量部を
ヘンシェルミキサーで充分に混合した後、120℃で溶融混練し、冷却、粗粉砕した。そ
の後、ジェットミル(ラボジェット:日本ニューマチック社製)で微粉砕して、平均粒径
約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(MDS−2:日本
ニューマチック社製)で分級して、平均粒径約10μmのトナー微粉末を得た。このトナ
ー微粉末100重量部に、疎水性シリカ(R972:日本アエロジル社製)1.0重量部
を均一に混合(外添)してトナーを製造した。
トナー用樹脂組成物の製造において、ポリブチレンテレフタレート(PBT)と非結晶性
ポリエステルとの配合比を表1に示した組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてト
ナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
結晶性ポリエステルの原料モノマーとして、テレフタル酸100モルとエチレングリコー
ル120モルとを用いた以外は、実施例1と同様にして結晶性ポリエステルと非結晶性ポ
リエステルとを得た。
得られた結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとを用い、混練温度を270℃にし
た以外は、実施例1と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
結晶性ポリエステルの原料モノマーとして、テレフタル酸60モル、イソフタル酸40モ
ル及び1,4−ブタンジオール120モルとを用いた以外は、実施例1と同様にして結晶
性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとを得た。
得られた結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとを用い、混練温度を160℃にし
た以外は、実施例1と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
実施例1で作製した非結晶性ポリエステル100重量部に荷電制御剤(TN−105:保
土谷化学社製)1重量部、銅フタロシアニンブルー顔料2.5重量部及びカルナバワック
ス1重量部をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、120℃で溶融混練し、冷却、粗
粉砕した。その後、ジェットミル(ラボジェット:日本ニューマチック社製)で微粉砕し
て、平均粒径約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(MD
S−2:日本ニューマチック社製)で分級して、平均粒径約10μmのトナー微粉末を得
た。このトナー微粉末100重量部に、疎水性シリカ(R972:日本アエロジル社製)
1.0重量部を均一に混合(外添)してトナーを製造した。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に
従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸99モル、ト
リメリット酸1モル、ジオール成分としてビスフェノールAプロピレンオキシド付加物1
05モル、エステル化縮合触媒としてジブチル錫オキシド0.05モルを仕込み、200
℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。
蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポ
ンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数6
0rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、非結晶性ポリエステルを得た。
得られた非結晶性ポリエステルを用いた以外は、比較例3と同様にしてトナーを製造した
。
実施例1〜4及び比較例1〜4で作製したトナー用樹脂組成物又はトナーについて、以下
の方法により評価を行った。
結果は表1に示した。
(1)結晶性ポリエステル
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭
和電工社製のHFIP−806M(2本)を直列につないで使用し、重量平均分子量を測
定した。測定条件は、温度は40℃、試料は0.1重量%ヒドロキシフルオロイソプロパ
ノール(HFIP)溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量は100
μL、キャリア溶媒としては1L当たりTFAを0.68g含むHFIPを用いた。校正
試料として標準ポリスチレンを用いた。
(2)非結晶性ポリエステル
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭
和電工社製のKF−800P(1本)、KF−806M(2本)、KF−802.5(1
本)を直列につないで使用し、重量平均分子量を測定した。測定条件は、温度は40℃、
試料は0.2重量%THF溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量は
100μLキャリアー溶媒はTHF、校正試料として標準ポリスチレンを用いた。
(3)トナー用樹脂組成物及びトナー
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭
和電工社製のKF−800P(1本)、KF−806M(2本)、KF−802.5(1
本)を直列につないで使用し、分子量及び分子量分布を測定した。測定条件は、温度は4
0℃、試料は0.2重量%THF溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注
入量は100μLキャリアー溶媒はTHF、校正試料として標準ポリスチレンを用いた。
トナー用樹脂組成物を融点以上の温度でしばらく保持した後、急冷を行い、結晶化を完全
に抑制したサンプルを作製した。このサンプルについて、示差走査熱量計(セイコー電子
工業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10℃/分で、JIS K 712
1に準拠して測定し、該規格(9.3「ガラス転移温度の求め方」)に記載されている中
間ガラス転移温度を求めた。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10
℃/分で試料の10mgを加熱し、JIS K 7121に準拠して測定し、該規格(9
.1「融解温度の求め方」)に記載されている融解ピーク値を求めてこれを結晶融点Tm
とし、また、DSCチャートをから結晶融点Tmにおける吸熱量を求めた。
トナー用樹脂組成物又はトナーからなる試料10mgを示差走査熱量計(セイコー電子工
業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10℃/分で加熱し、JIS K 7
121に準拠して測定し、発熱ピークが観察されるか、及び、該発熱ピークのピーク温度
を測定した。
エチルアルコールの代わりにテトラヒドロフラン(THF)を用いた以外は、JIS K
6751に準拠した方法により酸価を求めた。
トナー用樹脂組成物の色を目視にて観察した。
トナー10gを100mLサンプル瓶に取り、50℃の恒温槽中に8時間放置した後、パ
ウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて250μmのフィルターでふるいにか
けフィルター上に凝集物が残存するかを観察し、凝集物がある場合には、トナー重量に対
する凝集物の重量(重量%)を求めた。
1万枚印刷を行い、定着ローラにトナーが付着していないかを目視で観察し、トナーの付
着が見られないものをフィルミングなしと評価した。
グロスメータ(光沢度計、スガ試験機社製、UGV−50)を用い、トナーで黒く塗りつ
ぶした試験紙をグロスメータに取りつけ反射角が75度となるよう光路を設定し光沢度を
測定した。
トナー6.5重量部を平均粒径50〜80μmの鉄粉キャリア93.5重量部と混合して
現像剤を作製した。電子写真複写機としてコニカ社製のKL−2010を熱定着ローラの
設定温度が最大200℃まで変えられるように改造したものを用いた。
熱定着ローラの設定温度を段階的に変化させて、各設定温度の熱定着ローラによって未定
着トナー像を転写紙に定着させた複写物を得た。
得られた複写物の余白部分や定着画像がトナーにより汚されているか否かを観察し、汚れ
が生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。また、非オフセット温度領域の最大
値を高温オフセット温度とし、最小値を低温オフセット温度とした。
電子写真複写機の熱定着ローラの設定温度を段階的に変えて複写を行い、余白部分や定着
画像にかぶりが発生することなく余白部分や定着画像がトナーにより汚されておらず、得
られた複写物の定着画像をタイプライター用砂消しゴムで擦ったとき、定着画像の濃度の
低下が10%未満である場合を定着良好と判定し、その時の最低温度を求めた。
なお、画像の濃度はマクベス光度計を用いて測定した。
(1)ポリアミド(ポリアミドエステル共重合体)の製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に
従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸95モル、屈
曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチレングリ
コール70モル、他のジオールとしてエチレングリコール50モル、6−ナイロン(東洋
紡社製:T−850)を生成ポリエステルアミドの60重量%に相当する理論量を加え、
エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、2
00℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行っ
た。蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポ
ンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数6
0rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、ポリアミドエステルを得た。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に
従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈
曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、分岐モノマー成分とし
てネオペンチレングリコール60モル、他のジオールとしてエチレングリコール60モル
、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、
200℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行
った。蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した
。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポ
ンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数6
0rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、非結晶性ポリエステル(A)を得た。
得られたポリアミドエステル共重合体10重量部、非結晶性ポリエステル(A)90重量
部を溶融混練してトナー用樹脂組成物を得た。
得られたトナー用樹脂組成物100重量部に荷電制御剤(TN−105:保土谷化学社製
)1重量部、銅フタロシアニンブルー顔料2.5重量部及びカルナバワックス1重量部を
ヘンシェルミキサーで充分に混合した後、130℃で溶融混練し、冷却、粗粉砕した。そ
の後、ジェットミル(ラボジェット:日本ニューマチック社製)で微粉砕して、平均粒径
約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(MDS−2:日本
ニューマチック社製)で分級して、平均粒径約10μmのトナー微粉末を得た。このトナ
ー微粉末100重量部に、疎水性シリカ(R972:日本アエロジル社製)1.0重量部
を均一に混合(外添)してトナーを製造した。
(1)結晶性ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に
従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、
ジオール成分として1,4−ブタンジオール120モル、エステル化縮合触媒としてチタ
ンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、220℃で、生成する水及びメタ
ノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水及びメタノー
ルが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポ
ンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数6
0rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、高融点結晶性ポリエステルを得た。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に
従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈
曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、分岐モノマー成分とし
てネオペンチレングリコール60モル、他のジオールとしてエチレングリコール60モル
、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、
200℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行
った。蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した
。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポ
ンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数6
0rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、非結晶性ポリエステル(A)を得た。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に
従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100モル、
ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール20モル、エチレングリコール
100モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モル
を仕込み、200℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル
化反応を行った。蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応
を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポ
ンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数6
0rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、非結晶性ポリエステル(B)を得た。
得られた高融点結晶性ポリエステル10重量部、非結晶性ポリエステル(A)80重量部
及び非結晶性ポリエステル(B)20重量部を溶融混練してトナー用樹脂組成物を得た。
得られたトナー用樹脂組成物100重量部に荷電制御剤(TN−105:保土谷化学社製
)1重量部、銅フタロシアニンブルー顔料2.5重量部及びカルナバワックス1重量部を
ヘンシェルミキサーで充分に混合した後、130℃で溶融混練し、冷却、粗粉砕した。そ
の後、ジェットミル(ラボジェット:日本ニューマチック社製)で微粉砕して、平均粒径
約8μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(MDS−2:日本ニュー
マチック社製)で分級して、平均粒径約10μmのトナー微粉末を得た。このトナー微粉
末100重量部に、疎水性シリカ(R972:日本アエロジル社製)1.0重量部を均一
に混合(外添)してトナーを製造した。
トナー用樹脂組成物の製造において、結晶性ポリエステルの配合量を20重量部とした以
外は、実施例6と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に
従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸99モル、ト
リメリット酸1モル、ジオール成分としてビスフェノールAプロピレンオキシド付加物1
05モル、エステル化縮合触媒としてジブチル錫オキシド0.05モルを仕込み、200
℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。
蒸留塔より水及びメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポ
ンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数6
0rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、非結晶性ポリエステルを得た。
得られた非結晶性ポリエステルのみをトナー用樹脂として用いた以外は実施例5と同様に
してトナーを製造した。
同様の評価を行った。
ただし、ポリエステルブロック共重合体の分子量及び分子量分布の測定には、GPC測定
装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭和電工社製
のKF−800P(1本)、KF−806M(2本)、KF−802.5(1本)を直列
につないで使用し、重量平均分子量を測定した。測定条件は、温度は40℃、試料は0.
2重量%THF溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量は100μL
キャリア溶媒はTHF、校正試料として標準ポリスチレンを用いた。
結果を表2に示した。
発色を行うことができるトナー用樹脂組成物及びトナーを提供することができる。
Claims (4)
- 融点が180〜280℃である結晶性ポリマーと、ガラス転移温度が30〜80℃である
非結晶性ポリエステルとを含有するトナー用樹脂組成物であって、
JIS K 7121に準拠した方法により常温から10℃/分の条件で昇温して示差熱
分析を行ったときに、前記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と前記結晶性ポリマー
の融点との間に発熱ピークが認められる
ことを特徴とするトナー用樹脂組成物。 - 請求項1記載のトナー用樹脂組成物を用いてなるトナーであって、
JIS K 7121に準拠した方法により常温から10℃/分の条件で昇温して示差熱
分析を行ったときに、非結晶性ポリエステルのガラス転移温度と結晶性ポリマーの融点と
の間に発熱ピークが認められない
ことを特徴とするトナー。 - 融点が180〜280℃である結晶性ポリマーと、ガラス転移温度が30〜80℃である
非結晶性ポリエステルとを、前記結晶性ポリマーの融点以上の温度で混練する工程と、混
練後に前記非結晶性ポリエステルのガラス転移温度以下の温度にまで急冷する工程とを有
することを特徴とするトナー用樹脂組成物の製造方法。 - 請求項1記載のトナー用樹脂組成物と添加物とを混合する工程と、混合中又は混合後に結
晶性ポリマーの結晶化温度以上の温度に加熱する工程を有することを特徴とするトナーの
製造方法。
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---|---|---|---|
JP2004262728A JP2005189808A (ja) | 2003-12-05 | 2004-09-09 | トナー用樹脂組成物及びトナー |
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JP2004262728A JP2005189808A (ja) | 2003-12-05 | 2004-09-09 | トナー用樹脂組成物及びトナー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004262728A Pending JP2005189808A (ja) | 2003-12-05 | 2004-09-09 | トナー用樹脂組成物及びトナー |
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007084760A (ja) * | 2005-09-26 | 2007-04-05 | Taihei Kagaku Seihin Kk | 離型フィルムおよびその製造方法 |
JP2009075586A (ja) * | 2007-09-20 | 2009-04-09 | Xerox Corp | トナー組成物製造プロセス |
EP2381313A1 (en) * | 2010-04-21 | 2011-10-26 | Ricoh Company, Ltd. | Toner containing crystalline polyester |
WO2012105719A1 (en) * | 2011-02-03 | 2012-08-09 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner |
US9116449B2 (en) | 2013-03-25 | 2015-08-25 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developer, and toner cartridge |
JP2019045662A (ja) * | 2017-09-01 | 2019-03-22 | キヤノン株式会社 | トナーおよびその製造方法 |
-
2004
- 2004-09-09 JP JP2004262728A patent/JP2005189808A/ja active Pending
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