JP2017203884A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 更なる低温定着性能を有した上で、長期間の画像出力においても、高転写性を満足することのできるトナーを提供する。【解決手段】 結着樹脂、着色剤、離型剤、結晶性ポリエステル樹脂、及び樹脂組成物を含有するトナーであって、前記樹脂組成物は、脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレンアクリル系樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが5.0×104以上1.0×105以下であり、前記トナーのフローテスター昇温法により測定される溶融粘度−温度特性の傾斜Svが1.0×105Pa・s/℃以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、更なる高速化、高画質化、省エネルギー化等が要求されている。具体的な省エネルギー対応策としては、定着工程での消費電力を低下させるためには、より低い定着温度で定着できるトナーが求められる。高画質化を達成するためには、静電潜像担持体上のトナー画像の中間転写体への転写効率や、中間転写体上のトナー画像の紙への転写効率を高めることが求められる。
そこで、低温定着を達成するために、トナーの軟化剤として結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献1参照)。結晶性ポリエステル樹脂を用いることで、低温定着性に対し、ある一定の効果は得られた。しかし、結晶性ポリエステル樹脂をトナー中に微分散させることは難しく、結晶性ポリエステル樹脂が軟化剤として結着樹脂と相溶することなく、結晶ドメインとして存在し、軟化剤としての効果を十分に活かし切れていないという側面があった。
一方、転写効率向上のため、スペーサーとなる大粒径の無機微粒子をトナー表面に固着させた提案がなされている(特許文献2参照)。トナーと静電潜像担持体との界面、及びトナーと中間転写体との界面において、無機微粒子がスペーサーとなることで、潜像担持体及び中間転写体に対するトナーの接触面積が小さくなり、付着力を低減できることから、転写効率を高めることができる。
特開2012−98719号公報 特開2013−47754号公報
しかし、高温高湿環境下において、長期間画像出力を行うと、複写機本体内の温度が上昇する場合がある。その際、上記の結晶性ポリエステル樹脂を用い、大粒径の無機微粒子を固着させたトナーを用いると、トナー表面近傍にドメインとして存在していた結晶性ポリエスエル樹脂が柔らかい状態となる。その結果、スペーサーとなっていた大粒径の無機微粒子がトナー内部に埋め込まれ、転写効率が低減する場合があった。
さらに、近年は、普通紙に限らず、厚紙や薄紙等の各種メディアに対応できるマルチメディア対応性も要求されている。厚紙としては、単に表面が平坦な厚紙のみではなく、表面や表裏両面に凹凸を有するエンボス紙やラフ紙などの表面平滑度が相対的に低い用紙なども用いられる。それらの紙に対しては、十分な転写圧がかからないため、中間転写体上のトナー画像の一部が転写されず、白斑点と呼ばれる画質欠陥が生じる場合がある。よって、さらに転写効率を高めたトナーが求められている。
以上のことから、更なる低温定着性能を有した上で、長期間の画像出力においても、高転写性を満足することのできるトナーの開発が急務である。
本発明の目的は、上記のような問題点を解決したトナーを提供することにある。具体的には、更なる低温定着性能を有した上で、耐久性及び保存性に優れるため長期間の画像出力においても、高転写性を満足することのできるトナーを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によるトナーは、
結着樹脂、着色剤、離型剤、結晶性ポリエステル樹脂、及び樹脂組成物を含有するトナーであって、
前記樹脂組成物は、脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレンアクリル系樹脂であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが5.0×10以上1.0×10以下であり、
前記トナーのフローテスター昇温法により測定される溶融粘度−温度特性の傾斜Svが1.0×10Pa・s/℃以上であることを特徴とするトナーに関する。
本発明のトナーを用いることにより、更なる低温定着性能を有した上で、耐久性及び保存性に優れるため長期間の画像出力においても、高転写性を満足することのできるトナーを提供することができる。
本発明のトナーの製造に適用可能な熱球形化処理装置の概略図である。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、結晶性ポリエステル樹脂、及び樹脂組成物を含有するトナーであり、
前記樹脂組成物は、脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレンアクリル系樹脂であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが5.0×10以上1.0×10以下であり、
前記トナーのフローテスター昇温法により測定される溶融粘度−温度特性の傾斜Svが1.0×10Pa・s/℃以上であることを特徴とする。
上述のように、高温高湿環境下において、長期間画像出力を行うと、複写機本体内の温度が上昇する場合がある。その際、トナー表面近傍ドメインとして存在していた結晶性ポリエステル樹脂が柔らかい状態となり、スペーサーとなっていた大粒径の無機微粒子がトナー内部に埋め込まれ、転写効率が低減する場合があった。
そこで、本発明者等は、鋭意検討を重ね、転写性を向上させるためには、結晶性ポリエステル樹脂の分子量を高めつつ、トナー中に十分微分散させ、ドメインとして存在させないことが重要であることを見出し、本発明に至った。
結晶性ポリエステル樹脂の分子量を高めることにより、複写機本体内の温度が上昇しても、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が崩れにくく、柔らかくなりにくくなる。このために、スペーサーとなっている大粒径の無機微粒子がトナー内部に埋め込まれにくくなる。結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が崩れにくくなる理由としては、結晶性ポリエステル樹脂の分子量を高めることで、温度上昇に対して分子運動しやすい低分子量成分が少なくなるためである。これは、DSC測定において、半値幅が小さくなっていることからも裏付けられる。
一方、単純に結晶性ポリエステル樹脂の分子量を高めただけでは、結晶性ポリエステル樹脂を微分散させることはさらに難しくなり、軟化剤として結着樹脂と相溶しないため、可塑効果は軽減され、本来の目的である低温定着性を向上させることができない。
そこで、本発明者等は、結晶性ポリエステル樹脂を微分散させるスチレン系樹脂に注目した。本発明者等は、鋭意検討を重ね、結晶性ポリエステルは、長鎖の炭化水素のジオールとジカルボン酸のエステル化合物であるため、トナーの構成物質の中では、離型剤と結着樹脂の中位の極性に位置していることを見出した。さらに、長鎖の炭化水素のジオールとジカルボン酸で構成されているため、脂肪族系炭化水素化合物と親和性しやすい傾向にある。これらを考慮することにより、本発明者等は、樹脂組成物として脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレンアクリル系樹脂を用いることで、高分子量な結晶性ポリエステル樹脂を微分散させることができることを見出した。
さらに、樹脂組成物は、窒素原子を含む官能基を有するモノマーユニットが、樹脂組成物を構成する全モノマーユニットの総モル数に対し、10.0mol%以上50.0mol%以下であることが、優れた転写効率及び低温定着性を得るという観点から好ましい。窒素原子を含む官能基を有するモノマーユニットの総モル数が上記範囲内である場合、樹脂組成物の極性を、結着樹脂と結晶性ポリエステル樹脂と中位の極性に制御できるため、結晶性ポリエステル樹脂を最大限微分散させることができる。その結果、最大限の可塑効果が引き出され、低温定着性が良化すると共に、ドメインとして存在する結晶性ポリエステル樹脂が少なくなるため、スペーサーとなる大粒径の無機微粒子が埋め込まれることもなくなり、転写効率が向上する。
上記、樹脂組成物を用い、トナー中に高分子量な結晶性ポリエステル樹脂を微分散させることにより、複写機本体内の機内昇温領域における硬さの維持と、定着粘度領域に達する温度の低下とが両立できる。その物性を、フローテスター昇温法によって測定される溶融粘度―温度特性の傾斜Svで表現することができ、傾斜Svが大きくなるほど、トナーの硬さと低粘度を両立できていることを意味している。さらに、本発明者等は検討を進め、転写効率と低温定着性を両立できたトナーは、溶融粘度―温度特性の傾斜Svが1.0×10Pa・s以上になることを見出した。溶融粘度―温度特性の傾斜Svが1.0×10Pa・s未満になることは、トナーの粘度低下が早く起こり、複写機本体内の機内昇温領域における硬さを満足できなかったり、定着粘度領域に達する温度が高く、低温定着性が実現できないことを意味している。
本発明者等は、鋭意検討した結果、想定される複写機本体内の温度上昇に対しても、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が崩れにくい分子量としては、重量平均分子量Mwが5.0×10以上1.0×10以下であることを見出した。結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が上記の範囲である場合、結晶性ポリエステル樹脂の温度に対する結晶性と微分散性を両立することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが5.0×10未満である場合、分子運動しやすい低分子量成分の軽減、及びDSC測定における半値幅の縮小が十分ではない。そのため、長期画像出力により、スペーサーとなっていた大粒径の無機微粒子がトナー内部に埋め込まれてしまう場合がある。また、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが1.0×10より大きい場合、結晶性ポリエステル樹脂を微分散することが困難である。そのため、軟化剤としての可塑効果は軽減され、本来の目的である低温定着性を向上させることができない場合がある。
また、本発明の結晶性ポリエステル樹脂は、イソシアネートユニットを有していることが、優れた転写効率及び低温定着性を得ることができるという観点から好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の骨格となる長鎖の炭化水素のジオールとジカルボン酸のエステル化合物を形成した後に、イソシアネートモノマーを架橋剤として用いる。このようにすることで、結晶性ポリエステル樹脂の骨格の分子量は小さく抑えつつ、結晶性ポリエステル樹脂自体の分子量は高くすることができる。そして、本発明者等は、結晶性ポリエステル樹脂の分散性は、結晶性ポリエステルの骨格の分子量に大きく由来することを見出した。一方、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性は、結晶性ポリエステル樹脂自体の分子量に由来することも見出した。その結果、イソシアネートモノマーを架橋剤として用い、結晶性ポリエステル樹脂の骨格の分子量を抑えることで、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性と微分散性を両立できることから好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸ユニット、多価アルコールユニット及びイソシアネートユニットを有し、該ユニットの総モル数に対し、イソシアネートユニットの含有量が1.0mol%以上10.0mol%以下であることが、優れた転写効率及び低温定着性を得ることができるという観点から好ましい。イソシアネートユニットが上記範囲である場合、結晶性ポリエステル樹脂の骨格の重量平均分子量Mwを1.0×10前後に設計しても、結晶性ポリエステル樹脂自体の重量平均分子量Mwは5.0×10以上1.0×10以下に制御できるからである。
さらに、本発明の結晶性ポリエステル樹脂のイソシアネートユニットは、炭素数4以上8以下の直鎖脂肪族ジイソシアネートモノマー由来であることが、優れた低温定着性及び保存性を得ることができるという観点から好ましい。炭素数4以上8以下の直鎖脂肪族ジイソシアネートモノマーである場合、結晶性ポリエスエル樹脂の骨格である多価カルボン酸ユニット、多価アルコールユニットと鎖長が近しいため、結晶性ポリエステル樹脂の規則正しい折りたたみ構造が実現される。
また、結晶性ポリエステル樹脂の可塑効果は、下記の1)、2)によって実現されている。
1)結晶性ポリエステル樹脂の極性基(エステル結合部分)が結着樹脂の極性基に配向し、
2)結晶性ポリエステル樹脂の非極性基(多価カルボン酸ユニット及び多価アルコールユニットの炭化水素)が結着樹脂の分子間隔を広げる
よって、結着樹脂の分子鎖の間に、入りやすい結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。この観点から、結晶性ポリエステル樹脂は、規則正しく折りたたまれ立体障害とならず、最大限の可塑効果を引き出すことができることから好ましい。
また、本発明の結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸ユニットと多価アルコールユニットとを縮重合して得られる炭素数6以上18以下の結晶性ポリエステル樹脂であることが、優れた転写効率及び低温定着性を得ることができるという観点から好ましい。上記のとおり、結晶性ポリエステル樹脂の可塑効果は、結着樹脂の分子鎖の間に入り込むことで発現されるため、立体構造的に炭素数が小さい結晶性ポリエステル樹脂の方が好ましい。さらに、炭素数が小さいことは、エステル基濃度が高いことを意味しており、極性が非結着樹脂と近しくなる。そのため、より相溶しやすくなり、ドメインとして存在する結晶性ポリエステル樹脂が少なくなるため、スペーサーとなる大粒径の無機微粒子が埋め込まれることもなくなるため、優れた転写効率を得ることができるという観点からも好ましい。
さらに、本発明のトナーは、例えば、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風により表面処理を行うことが、優れた転写効率及び低温定着性を得ることができるという観点から好ましい。図1で表される表面処理装置の熱風により、トナーは瞬間的に溶融し、その後、急冷される。それにより、結晶性ポリエステル樹脂が再結晶化することなく、結着樹脂と相溶した状態を維持できるため、最大限の可塑効果を引き出し、低温定着性を良化させることができる共に、ドメインとして存在する結晶性ポリエステル樹脂をなくすことができる。このため、スペーサーとなっていた大粒径の無機微粒子がトナー内部に埋め込まれてしまうことを軽減することができる。
さらに、本発明のトナーは、結着樹脂として、低分子量の結着樹脂と高分子量の結着樹脂を混ぜ合わせて使用することが、優れた低温定着性を得ることができるという観点から好ましい。低分子量の結着樹脂と高分子量の結着樹脂を用いることで、低温定着性と高温オフセット性に対して機能分離することができ、最大限の低温定着性を実現することが可能となる。その結果、フローテスター昇温法による測定される溶融粘度―温度特性の傾斜Svを急峻にすることが可能となる。
<結着樹脂>
本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とすることが必要である。ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、分岐ポリマーを作製する場合には、結着樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表されるビスフェノール及びその誘導体;式(B)で示されるジオール類;が挙げられる。
Figure 2017203884
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
Figure 2017203884
3価以上のアルコール成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン。これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステル。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、以下のものが挙げられる。1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステル。これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
本発明のポリエステルユニットの製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述のアルコールモノマー及びカルボン酸モノマーを同時に混合し、エステル化反応またはエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。ポリエステルユニットの重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。特に、本発明の結着樹脂は、スズ系触媒を使用して重合されたポリエステルユニットがより好ましい。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とするならば他の樹脂成分を含有するハイブリッド樹脂であっても良い。例えば、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂とのハイブリッド樹脂が挙げられる。ハイブリッド樹脂のような、ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニットとポリエステル樹脂との反応生成物を得る方法としては、以下の方法が好ましい。
・ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニット及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応を行うという方法。
例えば、ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
また、本発明では結着樹脂として、ポリエステル樹脂を主成分とするならば、上記のビニル系樹脂以外にも、従来から結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を併用することができる。このような樹脂化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂等。
また、本発明の結着樹脂のピーク分子量は5,000以上13,000以下であることが、優れた低温定着性と耐ホットオフセット性を得ることができるという観点から好ましい。また、本発明の結着樹脂の酸価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における優れた帯電安定性を得ることができるという観点から好ましい。さらに、本発明の結着樹脂の水酸基価は2mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることが、優れた低温定着性と保存性を得ることができるという観点から好ましい。
また、本発明の結着樹脂は、低分子量の結着樹脂Bと高分子量の結着樹脂Aを混ぜ合わせて使用しても良い。高分子量の結着樹脂Aと低分子量の結着樹脂Bの含有比率(A/B)は質量基準で10/90以上60/40以下であることが、優れた低温定着性と耐ホットオフセット性を得ることができるという観点から好ましい。
高分子量の結着樹脂Aのピーク分子量は10,000以上20,000以下であることが、優れた耐ホットオフセット性を得ることができるという観点から好ましい。また、高分子量の結着樹脂の酸価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における優れた帯電安定性を得ることができるという観点から好ましい。
低分子量の結着樹脂Bのピーク分子量は4000以上6000以下であることが、優れた低温定着性を得ることができるという観点から好ましい。また、低分子量の結着樹脂の酸価は10mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下において優れた帯電安定性を得ることができるという観点から好ましい。
<結晶性ポリエステル樹脂>
本発明の結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸ユニットと多価アルコールユニットとを縮重合して得られる炭素数6以上18以下の結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。その際、炭素数2〜22の脂肪族ジオールと、炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得られる。
炭素数2〜22(より好ましくは炭素数6〜12)の脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖脂肪族、α,ω−ジオールが好ましく例示される。
上記アルコール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2〜22の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。
本発明において、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を用いることもできる。該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のアルコ−ルを用いてもよい。該1価のアルコールとしては、例えばn−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のモノアルコールなどが挙げられる。
一方、炭素数2〜22(より好ましくは炭素数6〜12)の脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。
本発明において、上記カルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。
本発明において、上記炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども含まれる。また、その他のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステル等の誘導体等も含まれる。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のカルボン酸を含有していてもよい。1価のカルボン酸としては、例えば安息香酸、ナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸等のモノカルボン酸が挙げられる。
また、本発明の結晶性ポリエステル樹脂は、イソシアネートユニットを有しているウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂であることが、優れた転写効率及び低温定着性を得ることができるという観点から好ましい。その中でも、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを重縮合して得られる結晶性ポリエステル樹脂同士をジイソシアネートモノマーで結合させることが、優れた転写効率及び低温定着性を得ることができるという観点から好ましい。
ジイソシアネートモノマーとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートおよびこれらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。また、必要により、3価以上のポリイソシアネートを併用してもよい。
上記芳香族ジイソシアネートの具体例(3価以上のポリイソシアネートを含む)としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂肪族ジイソシアネートの具体例(3価以上のポリイソシアネートを含む)としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
上記脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ジイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは炭素数4〜6の脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、以下のような方法により製造することができる。前記した脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアルコールとをエステル化反応、またはエステル交換反応させた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで未変性の結晶性ポリエステル樹脂を得ることができる。
その後、上記反応系を上圧に戻した後、前記したイソシアネートモノマーを投入して反応させることにより、ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂を得ることができる。
上記エステル化またはエステル交換反応は、必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウムなどの通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いて行うことができる。
また、上記重縮合反応は、通常の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用して行うことができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、適宜に決めればよい。
エステル化もしくはエステル交換反応または重縮合反応において、得られる結晶性ポリエステル樹脂の強度を上げるために全モノマーを一括混合してもよい。また、低分子量成分を少なくするために2価のモノマーを先ず反応させた後、3価以上のモノマーを添加して反応させたりする等の方法を用いてもよい。
ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂は上記の製造方法に限らず、従来公知の製造方法で製造されたものであってもよい。
<脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレン系樹脂>
本発明におけるトナーでは、脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレン系樹脂を含有することが重要である。
また脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレン系樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下であることが好ましい。含有量がこの範囲にあるとき、脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレン系樹脂による結着樹脂中への結晶性ポリエステルの微分散が効率的に行われると考えられる。
また、スチレン系樹脂の構成モノマーユニットとして、アクリロニトリル又はメタアクリロニトリルのごとく、窒素原子を含む官能基を有するモノマーユニットを含有することが好ましい。構成モノマーユニットとして窒素原子を含む官能基を有するモノマーユニットを含有することにより、結晶性ポリエステル樹脂との親和性が増し、結晶性ポリエステル樹脂の微分散効果が高まると考えられる。
脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレン系樹脂に関して、ポリオレフィンは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素の重合体または共重合体であれば特に限定されず、様々なポリオレフィンを用いることができる。特にポリエチレン系、ポリプロピレン系が好ましく用いられる。
ビニル系基を有するモノマーとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレン及びその誘導体などのスチレン系単位。
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などのN原子を含むビニル系単位。
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などの不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物などの不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルなどの不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸などのα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物などのα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を含むビニル系単位。
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどのヒドロキシ基を含むビニル系単位。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類などのアクリル酸エステルからなるエステル単位。
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類などのメタクリル酸エステルからなるエステル単位が挙げられる。
本発明に用いられるポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したグラフト重合体は、前述したこれらの重合体同士の反応や、一方の重合体のモノマーと他方の重合体との反応等、公知の方法によって得ることができる。
<離型剤>
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどのアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
本発明では、ワックスは、結着樹脂100質量部あたり1質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
<着色剤>
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
<荷電制御剤>
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速くかつ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
<無機微粒子>
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物などの疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m/g以上400m/g以下の無機微粉体が好ましく、耐久性を安定化させるためには、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粉体であることが好ましい。流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粉体を併用してもよい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサなどの公知の混合機を用いることができる。
<現像剤>
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
<製造方法>
トナー粒子を製造する方法としては、結着樹脂、離型剤、着色剤、結晶性ポリエステルを溶融混練する必要があることから、上記材料を溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕法が好ましい。
以下、粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、離型剤、着色剤、結晶性ポリエステル、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサ、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製(旧三井三池化工機(株)製))などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機((株)池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどの粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ(株)製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)などの分級機や篩分機を用いて分級する。
その後、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風により表面処理を行うことが、優れた転写効率及び低温定着性を得ることができるという観点から好ましい。
原料定量供給手段1により定量供給された混合物は、圧縮気体調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。
このとき、処理室に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された混合物を熱処理するための熱風は、熱風供給手段7から供給され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃〜300℃であることが好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着や合一を抑制しつつ、トナー粒子を均一に球形化処理することが可能となる。
更に熱処理された熱処理トナー粒子は冷風供給手段8から供給される冷風によって冷却され、冷風供給手段8から供給される温度は−20℃〜30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理トナー粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理トナー粒子の融着や合一を抑制することができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体供給口から供給されるトナーの旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、トナーに強力な遠心力がかかり、トナーの分散性が更に向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃ったトナーを得ることができる。
トナーの平均円形度は、0.950以上0.980以下であると、転写性が向上し、かつクリーニング性を両立できるため好ましい。
更に必要に応じて、トナー粒子の表面に外添剤が外添処理される。外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサ、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製(旧三井三池化工機(株)製)))、ノビルタ(ホソカワミクロン(株)製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
トナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
<GPCによる結晶性ポリエステル樹脂の分子量測定>
まず、室温で24時間かけて、結晶性ポリエステル樹脂をo−ジクロロベンゼンに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC−8121GPC/HT(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 7.8cmI.D×30cm連(東ソー(株)製)
検出器:高温用RI
温度 :135℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.05%アイオノール添加)
流速 :1.0mL/分
試料 :0.1%の試料を0.4mL注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算をすることによって算出される。
<GPCによる樹脂組成物の分子量測定>
組成物樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー(株)製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー(株)製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<結着樹脂、結晶性ポリエスエル樹脂、樹脂組成物、トナーの軟化点の測定方法>
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」((株)島津製作所製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<トナーの溶融粘度−温度特性の傾斜Svの算出>
トナーの溶融粘度―温度特性の傾斜Svの算出は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」((株)島津製作所製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる
測定試料は、約1.0gのトナーを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
得られた溶融粘度―温度特性のデータから、1℃刻みに溶融粘度を算出する。そして、直前の粘度に対し、10.0%以上粘度低下が起こる直前の溶融粘度v1及び温度T1を算出する。さらに、定着粘度領域として、溶融粘度v2が5×10Pa・s以下になる直前の温度T2を算出する。
これらの値から、以下の式を用いることで、溶融粘度−温度特性の傾斜Svを算出することができる。
Figure 2017203884
<非晶質樹脂及びトナーのガラス転移温度(Tg)の測定>
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂約5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。さらに、温度60〜90℃の範囲における温度―吸熱量曲線の最大吸熱ピークの面積から求められる熱量を吸熱量とする。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として下記の希釈液を約0.3mL加える。
・希釈液:「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈したもの
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーの平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用いる。水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用した。該手順に従い調製した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<高分子量の結着樹脂A1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:72.0質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:
21.0質量部(0.13モル;多価カルボン酸総モル数に対して75.0mol%)
・アジピン酸:
3.7質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:
3.3質量部(0.02モル;多価カルボン酸総モル数に対して10.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持した状態で、15時間反応させた。ASTM D36−86に従って測定した軟化点が140℃の温度に達したことを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、結着樹脂A1を得た。得られた結着樹脂A1は、ピーク分子量Mp10,000、軟化点Tm140℃、ガラス転移温度Tg60℃であった。
<低分子量の結着樹脂B1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.9質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:
26.8質量部(0.16モル;多価カルボン酸総モル数に対して96.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:
3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持した状態で、1時間反応させた。ASTM D36−86に従って測定した軟化点が90℃の温度に達したことを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、結着樹脂B1を得た。得られた結着樹脂B1は、ピーク分子量Mp6,000、軟化点Tm90℃、ガラス転移温度Tg55℃であった。
<中分子量の結着樹脂C1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:72.1質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:
22.4質量部(0.14モル;多価カルボン酸総モル数に対して80.0mol%)
・アジピン酸:
3.5質量部(0.02モル;多価カルボン酸総モル数に対して14.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:
2.0質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して6.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持した状態で、15時間反応させた。ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃の温度に達したことを確認してから温度を下げて反応を止め、(第2反応工程)、結着樹脂C1を得た。得られた結着樹脂C1は、ピーク分子量Mp9,000、軟化点Tm120℃、ガラス転移温度Tg58℃であった。
<結晶性ポリエステル樹脂D1の製造例>
・エチレングリコール:
23.9質量部(0.32モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・セバシン酸:
76.1質量部(0.31モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2−エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持した状態で、4時間反応させた(第1反応工程)。
・ヘキサメチレンジイソシアネート:
5.3質量部(0.03モル;多価カルボン酸、多価アルコール及びイソシアネートの総モル数に対して4.0mol%)
その後、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻した後、上記材料を加え、常圧下にて100℃で3時間反応させることにより結晶性ポリエステル樹脂D1を得た(第2反応工程)。得られた結晶性ポリエステルポリエステル樹脂D1の重量平均分子量Mw、融解ピーク温度Tmを表1に示す。
<結晶性ポリエステル樹脂D2〜D15の製造例>
結晶性ポリエステル樹脂C1の製造例において、第1反応工程における多価アルコール成分、多価カルボン酸成分の各モノマーの種類及び質量部数、並びに反応時間、並びに第2反応工程におけるモノマーの種類及び質量部数を表1に示すように変更した。これらの変更以外は結晶性ポリエステル樹脂C1の製造例と同様にして反応を行い、結晶性ポリエステル樹脂D2〜D15を得た。結晶性ポリエステル樹脂D2〜D15の物性を表1に示す。
<樹脂組成物E1の製造例>
・低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P):
51.6質量部(0.11モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して15.0mol%)
・キシレン:25.0質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に175℃の温度まで昇温した。
・スチレン:
30.7質量部(0.29モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して42.0mol%)
・アクリロニトリル:
14.5質量部(0.27モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して39.0mol%)
・アクリル酸:
0.5質量部(0.01モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して1.0mol%)
・アクリル酸ブチル:
2.7質量部(0.02モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して3.0mol%)
・キシレン:10.0質量部
・ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート:0.5質量部
その後、上記材料を3時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで、溶剤を留去して、樹脂組成物E1を得た。得られた樹脂組成物E1のピーク分子量、軟化点を表2に示す。DSC装置で測定されるΔH(融解熱量)において、添加した炭化水素化合物の量のΔHより、樹脂組成物E1のΔHは小さいことから、グラフト変性されていることは明白である。
<樹脂組成物E2〜E9の製造例>
樹脂組成物E1製造例において、構成するモノマー及び質量部数を変更したほかは同様にして反応を行い、樹脂組成物E2〜E9を得た。樹脂組成物E2〜E9の物性を表2に示す。樹脂組成物E1と同様の方法で、樹脂組成物E2〜E8がグラフト変性されていることを確認した。
Figure 2017203884
Figure 2017203884
<トナー1製造例>
・結着樹脂A1 40質量部
・結着樹脂B1 50質量部
・結晶性ポリエステル樹脂C1 10質量部
・樹脂組成物D1 5質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE88 オリエント化学工業(株)製) 0.3質量部
上記材料を三井ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)を用いて、回転数20s−1、回転時間5分で混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、フロイント・ターボ(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF−300(ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s−1、分散ローター回転数を120s−1とした。
得られたトナー粒子を用い、図1で示す表面処理装置によって熱処理を行い熱処理トナー粒子を得た。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、また、熱風温度C=160℃、熱風流量=6m/分、冷風温度E=−5℃、冷風流量=4m/分、ブロワー風量=20m/分、インジェクションエア流量=1m/分とした。
得られた熱処理トナー粒子を100質量部に、疎水性シリカ(BET:200m2/g)1.0質量部、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(BET:80m2/g)を1.0質量部、三井ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s−1、回転時間10分間で混合して、トナー1を得た。トナー1の重量平均粒径(D4)は6.5μmであり、平均円形度は0.970であった。トナー1の物性を表3に示す。
<トナー2〜29の製造例>
トナー1の製造例において、結着樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、及び樹脂組成物を表3に示すように変更し、表面処理装置の工程を省いた以外は同様の操作を行い、トナー2〜トナー29を得た。トナー2〜トナー29の物性を表3に示す。
Figure 2017203884
<磁性コア粒子1の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 62.7質量部
MnCO 29.5質量部
Mg(OH) 6.8質量部
SrCO 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
<被覆樹脂1の調製>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量%
メチルエチルケトン 31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
<被覆樹脂溶液1の調製>
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75mL/100g)を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
<二成分系現像剤1の製造例>
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
<二成分系現像剤2〜29の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、表4のように変更する以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2〜29を得た。
Figure 2017203884
<実施例1>
画像形成装置として、キヤノン(株)製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C9075 PROの改造機を用いた。そして、シアン位置または/及びマゼンタ位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、紙上のトナーの載り量が所望になる画像を形成し、後述の評価を行った。改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表5に示す。
[耐久性]
紙 : CS−680(68.0g/m
(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量 : 0.35mg/cm(FFh画像)
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像 : 上記A4用紙画像比率100%のチャート
定着試験環境 : 高温高湿環境:温度30℃/相対湿度85%(以下「H/H」)
定着温度 : 170℃
プロセススピード : 450mm/秒
耐久画像出力試験として、画像比率0.1%のFFh出力の帯チャートを用いて、A4用紙に10,000枚出力を行った。その後、上記評価画像を出力し、画像中の白斑点の個数を目視で確認した。Dランク以上であれば、本発明の効果が得られているレベルとする。
(評価基準)
A:白斑点が5個未満
B:白斑点が5個以上、10個未満
C:白斑点が10個以上、15個未満
D:白斑点が15個以上、20個未満
E:白斑点が20個以上
[低温定着性]
紙 : CS−680(68.0g/m
(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量 : 1.20mg/cm
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像 : 上記A4用紙の中心に10cmの画像を配置
定着試験環境 : 低温低湿環境:温度15℃/相対湿度10%(以下「L/L」)
定着温度 : 170℃
プロセススピード : 450mm/秒
上記評価画像を出力し、低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。画像濃度低下率は、X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を用い、先ず、中心部の画像濃度を測定する。次に、画像濃度を測定した部分に対し、4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけてシルボン紙により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃度を再度測定する。そして、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)を測定した。Dランク以上であれば、本発明の効果が得られているレベルとする。
(評価基準)
A:濃度低下率2.0%未満
B:濃度低下率2.0%以上、5.0%未満
C:濃度低下率5.0%以上、10.0%未満
D:濃度低下率10.0%以上、15.0%未満
E:濃度低下率15.0%以上
[保存性]
100ccの樹脂製カップにトナー5gを入れ、温度及び湿度可変型の恒温槽(55℃41%)に48時間静置し、静置後にトナーの凝集性を評価した。凝集性は、ホソカワミクロン(株)製パウダーテスタPT-Xにて0.5mmの振幅にて10秒間、目開き20μmのメッシュで振るった際に、残ったトナーの残存率を評価指標とした。Dランク以上であれば、本発明の効果が得られているレベルとする。
(評価基準)
A:残存率2.0%未満
B:残存率2.0%以上、5.0%未満
C:残存率5.0%以上、10.0%未満
D:残存率10.0%以上、15.0%未満
E:残存率15.0%以上
<実施例2〜24、および比較例1〜5>
二成分系現像剤2〜24を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例2は、表面改質工程がなくなっているため、実施例1に対して低温定着性が劣る。
実施例3は、結着樹脂が中分子量の結着樹脂のみになっているため、実施例2に対して低温定着性が劣る。
実施例4は、結晶性ポリエステル樹脂の相溶性が若干低下するため、実施例3に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例5は、結晶性ポリエステル樹脂の相溶性が若干低下するため、実施例4に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例6は、結晶性ポリエステル樹脂の相溶性が若干低下するため、実施例5に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例7は、結晶性ポリエステル樹脂の相溶性が高くなるため、実施例6に対して保存性が劣る。
実施例8は、結晶性ポリエステル樹脂の可塑効果が軽減されるため、実施例7に対して低温定着性が劣る。また、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化度が低下するため、実施例7に対して保存性が劣る。
実施例9は、結晶性ポリエステル樹脂の微分散性が低下するため、実施例8に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例10は、結晶性ポリエステル樹脂の微分散性が低下するため、実施例8に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例11は、結晶性ポリエステル樹脂の微分散性が低下するため、実施例9に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例12は、結晶性ポリエステル樹脂の微分散性が低下するため、実施例10に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例13は、結晶性ポリエステル樹脂の分子量が高くなるため、実施例12に対して低温定着性が劣る。
実施例14は、結晶性ポリエステル樹脂の骨格の分子量が高くなるため、実施例12に対して低温定着性が劣る。
実施例15は、結晶性ポリエステル樹脂の骨格の分子量が高くなるため、実施例13に対して低温定着性が劣る。
実施例16は、結晶性ポリエステル樹脂の骨格の分子量が高くなるため、実施例14に対して低温定着性が劣る。
実施例17は、結晶性ポリエステル樹脂の骨格の分子量が高くなるため、実施例16に対して低温定着性が劣る。
実施例18は、結晶性ポリエステル樹脂の微分散性が低下するため、実施例17に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例19は、結晶性ポリエステル樹脂の微分散性が低下するため、実施例17に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例20は、結晶性ポリエステル樹脂の分子量が大きくなるため、実施例17に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
実施例21は、結晶性ポリエステル樹脂の分子量が小さくなるため、実施例17に対して白斑点、保存性が劣る。
実施例22は、結晶性ポリエステル樹脂の添加部数が多くなるため、実施例17に対して白斑点、保存性が劣る。
実施例23は、結晶性ポリエステル樹脂の添加部数が少なくなるため、実施例17に対して低温定着性が劣る。
実施例24は、樹脂組成物が「窒素原子を含む官能基を有するモノマーユニット」を有しないため、実施例23に対して低温定着性の評価基準である濃度低下率が劣る。
比較例1は、結晶性ポリエステル樹脂の添加部数が少なくなるため、実施例23に対して低温定着性が劣る。
比較例2は、結晶性ポリエステル樹脂の微分散性が低下するため、実施例17に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
比較例3は、結晶性ポリエステル樹脂の微分散性が低下するため、実施例17に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
比較例4は、結晶性ポリエステル樹脂の分子量が大きくなるため、実施例20に対して低温定着性及び白斑点が劣る。
比較例5は、結晶性ポリエステル樹脂の分子量が小さくなるため、実施例21に対して白斑点、保存性が劣る。
Figure 2017203884
1.原料定量供給手段
2.圧縮気体流量調整手段
3.導入管
4.突起状部材
5.供給管
6.処理室
7.熱風供給手段
8.冷風供給手段
9.規制手段
10.回収手段
11.熱風供給手段出口
12.分配部材
13.旋回部材
14.粉体粒子供給口

Claims (5)

  1. 結着樹脂、着色剤、離型剤、結晶性ポリエステル樹脂、及び樹脂組成物を含有するトナーであって、
    前記樹脂組成物は、脂肪族系炭化水素化合物によってグラフト変性されたスチレンアクリル系樹脂であり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが5.0×10以上1.0×10以下であり、
    前記トナーのフローテスター昇温法により測定される溶融粘度−温度特性の傾斜Svが1.0×10Pa・s/℃以上であることを特徴とするトナー。
  2. 前記結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸ユニット、多価アルコールユニット及びイソシアネートユニットを有し、
    前記ユニットの総モル数に対し、前記イソシアネートユニットの含有量が1.0mol%以上10.0mol%以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記イソシアネートユニットが、炭素数4以上8以下の直鎖脂肪族ジイソシアネートモノマー由来である請求項2に記載のトナー。
  4. 前記樹脂組成物は、さらに窒素原子を含む官能基を有するモノマーユニットを有し、
    前記樹脂組成物を構成する全モノマーユニットの総モル数に対し、前記窒素原子を含む官能基を有するモノマーユニットの含有量が10.0mol%以上50.0mol%以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記結晶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸ユニットと多価アルコールユニットとを縮重合して得られる炭素数6以上18以下の結晶性ポリエステル樹脂である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
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