JP2018185472A - トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温定着性および定着分離性を両立したトナーを提供する。【解決手段】 非晶性樹脂および着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、非晶性樹脂がポリエステルを主成分とする樹脂Aおよびポリエステルを主成分とする樹脂Bを含み、樹脂Aが多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、樹脂Aの軟化点が80℃以上120℃以下であり、樹脂Bが多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、樹脂Bの軟化点が130℃以上160℃以下であり、樹脂Aの多価カルボン酸由来のユニットの総モル数に対する3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットの合計モル数の割合W1(mol%)が25≦W1≦80を満足する。【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラーの画像形成装置(フルカラー複写機など)が広く普及するに従い、高速化、高画質化、省エネルギー化などが要求されている。具体的な省エネルギー化の対応策としては、定着工程での消費電力を低下させるために、低い定着温度で定着できるトナーが求められる。
特許文献1には、トナーの低温定着性を高めるために、結着樹脂である非晶性ポリエステル樹脂の可塑剤として結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナーが開示されている。結晶性ポリエステル樹脂を用いることで、可塑された非晶性ポリエステル樹脂は低粘度化し、低温定着性に対して、ある程度の効果は得られた。
しかしながら、高温高湿環境下において、上記トナーを用いて坪量の小さいメディアに印刷する場合、低粘度化したトナーは粘性応力が小さいため、定着ローラーからメディアが分離せず、定着ローラーに巻き付く場合があった。
すなわち、低温定着性と定着分離性(定着ローラーからの分離性)は、トレードオフ関係にあった。
特許文献2には、トナーの定着分離性を高めるため、トナー粒子の表面近傍にワックスを偏在させたトナーが開示されている。ワックスをトナー粒子の表面近傍に偏在させることで、定着時にワックスが染み出しやすくなり、定着分離性に対し、ある程度の効果は得られた。
しかしながら、近年では、従来よりもさらなる定着分離性の向上が求められている。その背景として、普通紙に限らず、厚紙や薄紙などの各種メディアに対応したマルチメディア機に対しても高い生産性が求められていることが挙げられる。具体的には、各種メディアに対してプロセススピードを変化させずに印刷を行う「メディア等速」の達成が求められている。ところが、現在の画像形成装置の大半は、厚紙と薄紙が混載されており、厚紙の後に薄紙に印刷する場合、メディアの定着ローラーへの巻き付きを抑えるために、定着ローラーを冷やすためのダウンタイムを持たせたりしている。
よって、「メディア等速」達成のためには、厚紙でも定着できる低温定着性と、薄紙でも定着ローラーから分離できる定着分離性を両立したトナーが求められている。
本発明の目的は、低温定着性および定着分離性を両立したトナーを提供することにある。
本発明は、非晶性樹脂および着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性樹脂が、
ポリエステルを主成分とする樹脂A、および、
ポリエステルを主成分とする樹脂B
を含み、
該樹脂Aが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Aの軟化点が、80℃以上120℃以下であり、
該樹脂Bが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Bの軟化点が、130℃以上160℃以下であり、
該樹脂A中の多価カルボン酸由来のユニットの総モル数に対する、該樹脂A中の3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットの合計モル数の割合W1(mol%)が、
25≦W1≦80
を満足することを特徴とするトナーである。
該非晶性樹脂が、
ポリエステルを主成分とする樹脂A、および、
ポリエステルを主成分とする樹脂B
を含み、
該樹脂Aが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Aの軟化点が、80℃以上120℃以下であり、
該樹脂Bが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Bの軟化点が、130℃以上160℃以下であり、
該樹脂A中の多価カルボン酸由来のユニットの総モル数に対する、該樹脂A中の3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットの合計モル数の割合W1(mol%)が、
25≦W1≦80
を満足することを特徴とするトナーである。
本発明のトナーを用いることにより、低温定着性と定着分離性を両立したトナーを提供することができる。
本発明のトナーは、非晶性樹脂および着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性樹脂が、
ポリエステルを主成分とする樹脂A、および、
ポリエステルを主成分とする樹脂B
を含み、
該樹脂Aが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Aの軟化点が、80℃以上120℃以下であり、
該樹脂Bが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Bの軟化点が、130℃以上160℃以下であり、
該樹脂A中の多価カルボン酸由来のユニットの総モル数に対する、該樹脂A中の3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットの合計モル数の割合W1(mol%)が、
25≦W1≦80
を満足することを特徴とする。
該非晶性樹脂が、
ポリエステルを主成分とする樹脂A、および、
ポリエステルを主成分とする樹脂B
を含み、
該樹脂Aが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Aの軟化点が、80℃以上120℃以下であり、
該樹脂Bが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Bの軟化点が、130℃以上160℃以下であり、
該樹脂A中の多価カルボン酸由来のユニットの総モル数に対する、該樹脂A中の3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットの合計モル数の割合W1(mol%)が、
25≦W1≦80
を満足することを特徴とする。
上述のとおり、低温定着性および定着分離性はトレードオフの関係にある。このトレードオフの状態を改善するために、本発明者らは、定着分離時のトナーの伸長に着目した。本発明者らは、伸長時に樹脂同士が絡まり合うことで、定着分離時のみ粘度が上昇し、トナーの定着分離性が向上して低温定着性と両立できると考えた。そこで、上記のようなトナーを用いて検討した結果、低温定着性を損なわずに定着分離性が向上することが分かった。
本発明に係る樹脂Aの軟化点は、80℃以上120℃以下である。また、樹脂A中の多価カルボン酸由来のユニットの総モル数に対する、3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットの合計モル数の割合W1(mol%)は、25≦W1≦80である。これらのことが、定着分離性およびトナーの帯電性の観点から好ましい。
樹脂Aの軟化点が上記範囲内である場合、トナーはある程度の粘度を確保できるため、低温定着性および定着分離性の観点から好ましい。樹脂Aの軟化点が80℃未満である場合、トナーがある程度の粘度を確保できないため、樹脂の絡まり合いも起こりづらくなり、定着分離性が悪化する。また、樹脂Aの軟化点が120℃より大きい場合、定着分離性は良化するものの、低温定着性が悪化する。
また、W1(mol%)が上記範囲内である場合、樹脂A中に枝分かれ構造が十分に存在するため、定着分離性の観点から好ましい。樹脂AのW1(mol%)が25未満である場合、樹脂中の枝分かれ構造が不十分となり、定着分離性が悪化する。W1(mol%)が80より大きい場合、枝分かれの構造が多くなるが、1つの高分子の長さが短くなってしまい、引き伸ばされた際の絡まりは起こりづらくなり、定着分離性が悪化する。
本発明に係る樹脂Bの軟化点は、130℃以上160℃以下である。樹脂Bの軟化点が上記範囲内である場合、トナーはある程度の粘度を確保できるため、低温定着性および定着分離性を両立することができる。また、トナーを溶融混練法で製造する場合、製造時における混練温度に対しても樹脂Bの粘度が適正な範囲となり、樹脂Aとの混合性が良化する。そのため、トナーの低温定着性および定着分離性が良化する。樹脂Bの軟化点が130℃未満である場合、トナーがある程度の粘度を確保できないため、定着分離性が悪化する。また、樹脂Bの軟化点が160℃より大きい場合、トナーがある程度の粘度を確保できないため、低温定着性が悪化する。また、トナーを溶融混練法で製造する場合、混練温度に対して軟化点が高いため、樹脂Bの粘度が高くなり、樹脂Bよりも軟化点が低い樹脂Aとの混合性が悪化する。そのため、トナーの低温定着性および定着分離性が悪化する。
樹脂A中の3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットは、それぞれ、トリメリット酸由来のユニットおよび無水トリメリット酸由来のユニットであることが、定着分離性および帯電維持性の観点から好ましい。その理由は、モノマーの剛直性に由来する。トリメリット酸は、芳香環を有しているため、樹脂中の架橋点として剛直になりやすい。そのため、定着分離時に引き延ばされたときの絡まり合い点としての強度が強く、定着分離性が良化する。また、その剛直性から、トナーを帯電した電荷も漏洩しづらく、トナーの帯電維持性が良化する。
さらに、樹脂Aの酸価は、45mgKOH/g以下であることが、定着分離性および帯電維持性の観点から好ましい。その理由は、樹脂の構造に由来する。酸価が大きいということは、モノマーが未反応のまま樹脂中に残っていることを示している。これにより、樹脂が十分な枝分かれ構造を持てなくなり、定着分離性が悪化する。さらに、酸価が大きいと、水分吸着もしやすくなり、帯電維持性も悪化する。
また、樹脂Aの水酸基価は、70mgKOH/g以下であることが、定着分離性および帯電維持性の観点から好ましい。その理由もまた、樹脂の構造に由来する。水酸基価が大きいということもまた、モノマーが未反応のまま樹脂中に残っていることを示している。これにより、樹脂が十分な枝分かれ構造を持てなくなり、定着分離性が悪化する。さらに、水分吸着もしやすくなり、帯電維持性も悪化する。
また、トナー粒子中の樹脂Aの含有量は、40.0質量%以上70.0質量%以下であることが、低温定着性および定着分離性の観点から好ましい。軟化点の低い樹脂Aが40.0質量%以上存在することで、低温定着性が良化する。一方で、70.0質量%よりも大きいと、トナー粒子に含まれる樹脂中の樹脂Bの割合が小さくなり、定着分離性が悪化する。
さらに、樹脂B中の多価カルボン酸由来のユニットの総モル数に対する、3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットの合計モル数の割合を、W2(mol%)としたとき、W1およびW2が、
W2<W1
を満足することが、低温定着性および定着分離性の観点から好ましい。その理由は、樹脂Aよりも軟化点が高い樹脂Bが、より多い枝分かれ構造を有することで、樹脂Aとの混合性が悪化してしまうためである。
W2<W1
を満足することが、低温定着性および定着分離性の観点から好ましい。その理由は、樹脂Aよりも軟化点が高い樹脂Bが、より多い枝分かれ構造を有することで、樹脂Aとの混合性が悪化してしまうためである。
さらに、樹脂Aのガラス転移点が55℃以上65℃以下であり、トナー粒子が結晶性ポリエステルを含有することが、低温定着性および定着分離性の観点から好ましい。樹脂Aのガラス転移点が55℃未満である場合、分子の絡まり合いを引き起こしづらくなり、定着分離性が悪化する。また、樹脂Aのガラス転移点が65℃より大きくしても、分子の絡まり合いはすでに十分であるため、定着分離性はこれ以上良化せず、低温定着性が悪化する。また、トナー粒子は、結晶性ポリエステルを含有することが好ましく、結晶性ポリエステルの可塑効果により、低温定着性が良化する。これにより、ガラス転移点が高く、分子の絡まり合いの起こりやすい樹脂Aを用いた場合であっても、より良好な低温定着性が発現する。
〈非晶性樹脂〉
本発明のトナーのトナー粒子に含まれる非晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂であることが必要である。ポリエステルの形成に用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価以上のカルボン酸)、その酸無水物またはその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、分岐ポリマーを形成する場合には、非晶性樹脂の分子内において、部分架橋することが有効である。そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。したがって、ポリエステルの形成に用いられるモノマーとしては、3価以上のカルボン酸、その酸無水物またはその低級アルキルエステル、および/または、3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
本発明のトナーのトナー粒子に含まれる非晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂であることが必要である。ポリエステルの形成に用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価以上のカルボン酸)、その酸無水物またはその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、分岐ポリマーを形成する場合には、非晶性樹脂の分子内において、部分架橋することが有効である。そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。したがって、ポリエステルの形成に用いられるモノマーとしては、3価以上のカルボン酸、その酸無水物またはその低級アルキルエステル、および/または、3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
ポリエステルの形成に用いられる多価アルコールとしては、例えば、以下の多価アルコールが挙げられる。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(A)で示されるビスフェノールおよびその誘導体:
(式(A)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、エチレン基またはプロピレン基を示す。xおよびyは、それぞれ独立に、0以上の整数である。x+yの平均値は、0以上10以下である。)、
下記式(B)で示されるジオールおよびその誘導体:
下記式(B)で示されるジオールおよびその誘導体:
(式(B)中、R3およびR4は、それぞれ独立に、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基を示す。vおよびwは、それぞれ独立に、0以上の整数である。v+wの平均値は、0以上10以下である。)
などが挙げられる。
などが挙げられる。
上記プロピレン基としては、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基が挙げられる。上記ブチレン基としては、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。これらの中でも、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましい。
これらの2価のアルコールおよび3価以上のアルコールは、単独で用いることもでき、複数を併用して用いることもできる。
ポリエステルの形成に用いられる多価カルボン酸としては、例えば、以下の多価カルボン酸が挙げられる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物およびこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましい。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物またはこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)またはその誘導体が、反応制御が容易であるため、好ましい。
これらの2価のカルボン酸などおよび3価以上のカルボン酸は、単独で用いることもでき、複数を併用して用いることもできる。
本発明に係るポリエステルを主成分とする樹脂の製造方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、上述のアルコール成分およびカルボン酸成分を同時に仕込み、エステル化反応またはエステル交換反応、および、縮合反応を経て重合させ、ポリエステルを製造する。重合温度は、180℃以上290℃以下の範囲であることが好ましい。ポリエステルの形成のための重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなどの重合触媒を用いることができる。特に、本発明に係る非晶性樹脂は、スズ系触媒を使用して重合されたポリエステルを主成分とする樹脂であることが好ましい。
本発明に係るポリエステルを主成分とする樹脂は、ポリエステルを主成分とするならば、他のポリマー成分を含有するハイブリッド樹脂であってもよい。例えば、ポリエステルとビニル系ポリマーとのハイブリッド樹脂が挙げられる。ビニル系ポリマーおよびポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、ビニル系ポリマーおよびポリエステルのそれぞれと反応しうるモノマーを含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方のポリマーの重合反応を行う方法が好ましい。
例えば、ポリエステルを形成するためのモノマーのうち、ビニル系ポリマーと反応しうるものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物などが挙げられる。ビニル系ポリマーを形成するためのモノマーのうち、ポリエステルと反応しうるものとしては、カルボキシ基またはヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂として、上記非晶性樹脂である上記ポリエステルを主成分とする樹脂を含有することが好ましい。また、ポリエステルを主成分とする樹脂以外にも、トナー粒子の結着樹脂として知られている種々の樹脂を併用することができる。このような樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
また、本発明の非晶性樹脂は、低軟化点の樹脂Aおよび高軟化点の樹脂Bを含む。樹脂Aと樹脂Bとの含有比率(A/B)は、質量基準で、20/80以上80/20以下であることが、低温定着性および耐ホットオフセット性の観点から好ましい。
樹脂Bのピーク分子量は、9000以上12000以下であることが、耐ホットオフセット性および定着分離性の観点から好ましい。樹脂Bの酸価は、15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。樹脂Bの水酸基価は、15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、トナーの保存性の観点から好ましい。
樹脂Aのピーク分子量は、4000以上8000以下であることが、低温定着性および定着分離性の観点から好ましい。
〈結晶性樹脂〉
本発明において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。なお、非晶性樹脂とは、該吸熱ピークが観測されない樹脂である。
本発明において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。なお、非晶性樹脂とは、該吸熱ピークが観測されない樹脂である。
本発明に係るトナー粒子に結晶性樹脂を含有させる場合、結晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂であることが好ましい。
本発明に係るトナー粒子に含まれる結晶性ポリエステルは、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールと炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸との重縮合物が好ましい。
その中でも、炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールと炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸との重縮合物が、低温定着性および保存性の観点から好ましい。
結晶性ポリエステルを使用することにより、トナーの低温定着性が良化する理由は、結着樹脂(非晶性樹脂)と結晶性ポリエステルが相溶し、結着樹脂の分子鎖の間隔を広げ、分子間力を弱めることによる。分子間力を弱めることで、トナーのガラス転移点(Tg)が大幅に低下し、溶融粘度を低い状態にすることができる。よって、結着樹脂(非晶性樹脂)と結晶性ポリエステルとの相溶性を高めることにより、低温定着性は良化していく傾向にある。結着樹脂(非晶性樹脂)と結晶性ポリエステルとの相溶性を高めるためには、結晶性ポリエステルを形成するためのモノマーの脂肪族ジオールおよび/または脂肪族ジカルボン酸の炭素数を短くし、エステル基の濃度を高め、極性を高めていくことが好ましい。
一方、Tgが大幅に低下したトナーにおいても、高温高湿環境下での使用や輸送などにおける保存性を確保する必要がある。そのためには、そのような環境下にトナーがさらされた場合には、相溶していたトナー中の結晶性ポリエステルを再結晶化させ、トナーのTgを結着樹脂のTgまで戻す必要がある。結晶性ポリエステルのエステル基の濃度が高く、結着樹脂と結晶性ポリエステルとの相溶性があまりにも高いと、結晶性ポリエステルを再結晶化させることが難しくなり、トナーの保存性が悪化することになる。以上のことから、低温定着性と保存性を両立できる結晶性ポリエステルは、炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールと炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸との重縮合物が好ましい。
炭素数2以上22以下(好ましくは炭素数6以上12以下)の脂肪族ジオールとしては、鎖状(好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましい。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖脂肪族、α,ω−ジオールが好ましい。
上記アルコール成分のうち、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールが、50質量%以上含まれることが好ましく、70質量%以上含まれることがより好ましい。
本発明において、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコールを用いることもできる。
その他の多価アルコールのうち、2価アルコールとしては、例えば、
ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどの芳香族アルコール;
1,4−シクロヘキサンジメタノール
などが挙げられる。
ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどの芳香族アルコール;
1,4−シクロヘキサンジメタノール
などが挙げられる。
その他の多価アルコールのうち、3価以上の多価アルコールとしては、例えば、
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどの芳香族アルコール;
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン
などの脂肪族アルコールなどが挙げられる。
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどの芳香族アルコール;
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン
などの脂肪族アルコールなどが挙げられる。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のアルコールを用いてもよい。
1価のアルコールとしては、例えば、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどのモノアルコールが挙げられる。
一方、炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数6以上12以下)の脂肪族ジカルボン酸としては、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸などが挙げられる。また、これらの酸無水物または低級アルキルエステルを加水分解したものなども挙げられる。
上記カルボン酸成分のうち、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸が、50質量%以上含まれることが好ましく、70質量%以上が含まれることがより好ましい。
本発明において、上記脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。
その他の多価カルボン酸のうち、2価のカルボン酸としては、例えば、
イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸;
n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;
シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸
などが挙げられる。また、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども挙げられる。
イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸;
n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;
シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸
などが挙げられる。また、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども挙げられる。
その他のカルボン酸のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、例えば、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸などの芳香族カルボン酸;
1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパンなどの脂肪族カルボン酸
などが挙げられる。また、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども挙げられる。
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸などの芳香族カルボン酸;
1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパンなどの脂肪族カルボン酸
などが挙げられる。また、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども挙げられる。
本発明において、結晶性ポリエステルは、1価のカルボン酸由来の部位を有していてもよい。
1価のカルボン酸としては、例えば、安息香酸、ナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸などが挙げられる。
本発明において、結晶性ポリエステルは、
炭素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸、および、
炭素数10以上20以下の脂肪族モノアルコール
からなる群より選択される少なくとも1種の脂肪族化合物が分子鎖の末端に縮合した結晶性ポリエステルであることが、低温定着性および保存性の観点から好ましい。
炭素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸、および、
炭素数10以上20以下の脂肪族モノアルコール
からなる群より選択される少なくとも1種の脂肪族化合物が分子鎖の末端に縮合した結晶性ポリエステルであることが、低温定着性および保存性の観点から好ましい。
結晶性ポリエステルの再結晶化は、結晶核を起点として、結晶が成長していく。そこで、結晶性ポリエステルの分子鎖の末端に上記脂肪族化合物由来の部位を付与することで、そこが結晶核となり、再結晶化を促進することができるため、トナーの保存性が良化する。さらに、脂肪族化合物の炭素数が上記範囲内であれば、脂肪族化合物を分子鎖の末端に縮合させることも容易であり、遊離モノマーとして存在することは少なくなる。そのため、トナーの保存性の観点から好ましい。
また、脂肪族化合物の炭素数が上記範囲内であれば、結晶性ポリエステルと結着樹脂の相溶性を損ないにくくなるため、低温定着性の観点から好ましい。
また、上記脂肪族化合物を用いる量は、結晶性ポリエステル樹脂の形成に用いられるモノマーに対して、1.0mol%以上10.0mol%以下であることが好ましく、4.0mol%以上8.0mol%以下であることがより好ましい。上記脂肪族化合物の量が上記範囲内である場合、低温定着性を阻害することなく、適量の結晶核を存在させることができるため好ましい。
炭素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、
カプリン酸(デカン酸)、ウンデシル酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、トリデシル酸、ミリスチル酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、ノナデシル酸、アラキジン酸(イコサン酸)
などが挙げられる。
カプリン酸(デカン酸)、ウンデシル酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、トリデシル酸、ミリスチル酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、ノナデシル酸、アラキジン酸(イコサン酸)
などが挙げられる。
炭素数10以上20以下の脂肪族モノアルコールとしては、例えば、
カプリルアルコール(デカノール)、ウンデカノール、ラウリルアルコール(ドデカノール)、トリデカノール、ミリスチルアルコール(テトラデカノール)、ペンタデカノール、パルミチルアルコール(ヘキサデカノール)、マルガリルアルコール(ヘプタデカノール)、ステアリルアルコール(オクタデカノール)、ノナデカノール、アラキジルアルコール(イコサノール)
などが挙げられる。
カプリルアルコール(デカノール)、ウンデカノール、ラウリルアルコール(ドデカノール)、トリデカノール、ミリスチルアルコール(テトラデカノール)、ペンタデカノール、パルミチルアルコール(ヘキサデカノール)、マルガリルアルコール(ヘプタデカノール)、ステアリルアルコール(オクタデカノール)、ノナデカノール、アラキジルアルコール(イコサノール)
などが挙げられる。
本発明において、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、トナー粒子中の非晶性樹脂100質量部に対して3質量部以上20質量部以下であることが、低温定着性および高温高湿環境下における帯電性の観点から好ましい。
結晶性ポリエステルは、種々のポリエステルの合成法を利用して製造することができる。例えば、カルボン酸とアルコールとをエステル化反応またはエステル交換反応させた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで結晶性ポリエステルを得ることができる。その後、さらに、上記脂肪族化合物を加え、エステル化反応を行うことで、分子鎖の末端に上記脂肪族化合物由来の部位を有する結晶性ポリエステルを得ることができる。
上記エステル化またはエステル交換反応は、必要に応じて、硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウムなどのエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いて行うことができる。
また、上記重縮合反応は、例えば、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど重合触媒を用いて行うことができる。
エステル化もしくはエステル交換反応または重縮合反応において、得られる結晶性ポリエステルの強度を上げるために、全モノマーを一括仕込みしてもよい。また、低分子量成分を少なくするために、2価のモノマーをまず反応させた後、3価以上のモノマーを添加して反応させてもよい。
〈脂肪族系炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂〉
本発明に係るトナー粒子は、脂肪族炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂を含有していることが、低温定着性の観点から好ましい。
本発明に係るトナー粒子は、脂肪族炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂を含有していることが、低温定着性の観点から好ましい。
トナー粒子中の脂肪族炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂の含有量は、トナー粒子中の非晶性樹脂100質量部に対して1.0質量部以上15質量部以下であることが好ましい。含有量が上記範囲にあれば、脂肪族系炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂による非晶性樹脂中への結晶性ポリエステルの微分散が効率的に行われる。
また、スチレン系樹脂が有するユニットとしては、アクリロニトリル由来のユニットやメタアクリロニトリル由来のユニットのように、窒素原子を含む官能基を有するユニットを有することが好ましい。窒素原子を含む官能基を有するユニットを有することにより、結晶性ポリエステル樹脂との親和性が増し、結晶性ポリエステル樹脂の微分散効果が高まる。
ビニル系の官能基を有するモノマーとしては、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンおよびその誘導体;
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などの窒素原子を含むモノマー;
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などの不飽和二塩基酸;
マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物などの不飽和二塩基酸無水物;
マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルなどの不飽和二塩基酸のハーフエステル;
ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和二塩基酸エステル;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸などのα,β−不飽和酸;
クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物などのα,β−不飽和酸無水物もしくはα,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;
アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物またはこれらのモノエステルなどのカルボキシ基を含むモノマー;
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;
4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどのヒドロキシ基を含むモノマー;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類
などが挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンおよびその誘導体;
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などの窒素原子を含むモノマー;
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などの不飽和二塩基酸;
マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物などの不飽和二塩基酸無水物;
マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルなどの不飽和二塩基酸のハーフエステル;
ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和二塩基酸エステル;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸などのα,β−不飽和酸;
クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物などのα,β−不飽和酸無水物もしくはα,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;
アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物またはこれらのモノエステルなどのカルボキシ基を含むモノマー;
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;
4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどのヒドロキシ基を含むモノマー;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類
などが挙げられる。
本発明に用いられるポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したグラフト重合体は、上述したこれらの重合体同士の反応や、一方の重合体のモノマーと他方の重合体との反応など、公知の方法によって得ることができる。
〈離型剤〉
本発明に係るトナー粒子は、離型剤としてワックスを含有してもよい。
本発明に係るトナー粒子は、離型剤としてワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、例えば、
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;
酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;
カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;
脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの;
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;
ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;
ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;
ソルビトールなどの多価アルコール類;
パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどのアルコール類とのエステル類;
リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;
メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;
エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;
m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石鹸といわれているもの);
脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;
ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;
植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物
などが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;
酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;
カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;
脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの;
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;
ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;
ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;
ソルビトールなどの多価アルコール類;
パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどのアルコール類とのエステル類;
リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;
メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;
エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;
m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石鹸といわれているもの);
脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;
ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;
植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物
などが挙げられる。
これらのワックスの中でも、低温定着性および耐ホットオフセット性の観点から、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス、カルナバワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。耐ホットオフセット性の観点から、炭化水素系ワックスがより好ましい。
トナー粒子中のワックスの含有量は、トナー粒子中の結着樹脂(非晶性樹脂)100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては、45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内である場合、トナーの保存性および耐ホットオフセット性の観点から好ましい。
〈着色剤〉
トナー粒子に含有させる着色剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
トナー粒子に含有させる着色剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、例えば、
カーボンブラック;
イエロー着色剤とマゼンタ着色剤およびシアン着色剤とを用いて黒色に調色したもの
などが挙げられる。
カーボンブラック;
イエロー着色剤とマゼンタ着色剤およびシアン着色剤とを用いて黒色に調色したもの
などが挙げられる。
マゼンタ着色剤のうち、マゼンタ用顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;
C.I.ピグメントバイオレット19;
C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35
などが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;
C.I.ピグメントバイオレット19;
C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35
などが挙げられる。
マゼンタ用染料としては、例えば、
C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;
C.I.ディスパースレッド9;
C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;
C.I.ディスパーバイオレット1
などの油溶染料や、
C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;
C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28
などの塩基性染料
などが挙げられる。
C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;
C.I.ディスパースレッド9;
C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;
C.I.ディスパーバイオレット1
などの油溶染料や、
C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;
C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28
などの塩基性染料
などが挙げられる。
シアン着色剤のうち、シアン用顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;
C.I.バットブルー6;
C.I.アシッドブルー45;
フタロシアニン骨格に1個以上5個以下のフタルイミドメチル基を置換した銅フタロシアニン顔料
などが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;
C.I.バットブルー6;
C.I.アシッドブルー45;
フタロシアニン骨格に1個以上5個以下のフタルイミドメチル基を置換した銅フタロシアニン顔料
などが挙げられる。
シアン用染料としては、例えば、C.I.ソルベントブルー70などが挙げられる。
イエロー着色剤のうち、イエロー用顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;
C.I.バットイエロー1、3、20
などが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;
C.I.バットイエロー1、3、20
などが挙げられる。
イエロー用染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー162などが挙げられる。
着色剤は、顔料または染料を単独で使用してもよいが、染料および顔料を併用することによって鮮明度を向上させやすいため、染料および顔料の併用が、フルカラー画像の画質の観点から好ましい。
トナー粒子中の着色剤の含有量は、トナー粒子中の結着樹脂(非晶性樹脂)100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
〈荷電制御剤〉
本発明に係るトナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。
本発明に係るトナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。
荷電制御剤としては、無色でトナーの帯電スピードが速くかつ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、例えば、
サリチル酸金属化合物;
ナフトエ酸金属化合物;
ジカルボン酸金属化合物;
スルホン酸またはカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物;
スルホン酸塩またはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物;
カルボン酸塩またはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物;
ホウ素化合物;
尿素化合物;
ケイ素化合物
カリックスアレーン
などが挙げられる。
サリチル酸金属化合物;
ナフトエ酸金属化合物;
ジカルボン酸金属化合物;
スルホン酸またはカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物;
スルホン酸塩またはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物;
カルボン酸塩またはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物;
ホウ素化合物;
尿素化合物;
ケイ素化合物
カリックスアレーン
などが挙げられる。
ポジ系荷電制御剤としては、例えば、
四級アンモニウム塩;
四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;
グアニジン化合物;
イミダゾール化合物
などが挙げられる。
荷電制御剤はトナー粒子に対して内添してもよいし、外添してもよい。
四級アンモニウム塩;
四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;
グアニジン化合物;
イミダゾール化合物
などが挙げられる。
荷電制御剤はトナー粒子に対して内添してもよいし、外添してもよい。
トナー粒子中の荷電制御剤の含有量は、結着樹脂(非晶性樹脂)100質量部に対して0.2質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
〈無機微粒子〉
本発明のトナーは、必要に応じて、無機微粒子を含有させることもできる。
本発明のトナーは、必要に応じて、無機微粒子を含有させることもできる。
無機微粒子は、トナー粒子に内添してもよいし、外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。
外添剤としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機物の微粒子(無機微粒子)が挙げられる。
無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイルまたはそれらの混合物などの疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
トナーの流動性の向上のためには、比表面積が50m2/g以上400m2/g以下の無機微粒子が好ましい。トナーの耐久性の安定化のためには、比表面積が10m2/g以上50m2/g以下の無機微粒子であることが好ましい。トナーの流動性の向上および耐久性の安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲内の無機微粒子を併用してもよい。
トナー中の外添剤の量は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合には、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いることができる。
〈現像剤〉
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性を向上させるために、また、長期にわたり安定した画像を得るために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤のトナーとして用いることが好ましい。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性を向上させるために、また、長期にわたり安定した画像を得るために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤のトナーとして用いることが好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、
表面を酸化した鉄粉または未酸化の鉄粉;
鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属粒子またはそれらの合金粒子または酸化物粒子;
フェライトなどの磁性体;
磁性体と、磁性体が分散された状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)
などが挙げられる。
表面を酸化した鉄粉または未酸化の鉄粉;
鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属粒子またはそれらの合金粒子または酸化物粒子;
フェライトなどの磁性体;
磁性体と、磁性体が分散された状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)
などが挙げられる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、二成分系現像剤中のトナーの含有量は、2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上13質量%以下であることがより好ましい。
〈製造方法〉
トナー粒子を製造する方法としては、結着樹脂(非晶性樹脂)および着色剤、必要に応じて、離型剤(ワックス)、結晶性ポリエステルおよび荷電制御剤などを混合する必要がある。そのため、上記材料を溶融混練し、混練物を冷却した後、粉砕および分級する粉砕法が好ましい。
トナー粒子を製造する方法としては、結着樹脂(非晶性樹脂)および着色剤、必要に応じて、離型剤(ワックス)、結晶性ポリエステルおよび荷電制御剤などを混合する必要がある。そのため、上記材料を溶融混練し、混練物を冷却した後、粉砕および分級する粉砕法が好ましい。
以下、粉砕法によるトナーの製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料をそれぞれ所定量秤量して配合し、混合する。混合装置としては、例えば、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂(非晶性樹脂)中に着色剤などを分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。連続生産の観点から、1軸または2軸押し出し機が主流となっている。例えば、
KTK型2軸押し出し機((株)神戸製鋼所製)、
TEM型2軸押し出し機(東芝機械(株)製)、
PCM混練機((株)池貝製)、
2軸押し出し機(ケイ・シー・ケイ社製)、
コ・ニーダー(ブス社製)、
ニーデックス(日本コークス工業(株)製)
などが挙げられる。
KTK型2軸押し出し機((株)神戸製鋼所製)、
TEM型2軸押し出し機(東芝機械(株)製)、
PCM混練機((株)池貝製)、
2軸押し出し機(ケイ・シー・ケイ社製)、
コ・ニーダー(ブス社製)、
ニーデックス(日本コークス工業(株)製)
などが挙げられる。
溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロールなどで圧延し、水などによって冷却してもよい。
次に、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕する。粉砕工程では、まず、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどの粉砕機で粗粉砕する。その後、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(ターボ工業(株)製)、エアージェット方式による微粉砕機などの粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて、
慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、
遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、
TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、
ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)
などの分級機や篩分機を用いて分級する。
慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、
遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、
TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、
ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)
などの分級機や篩分機を用いて分級する。
その後、加熱によるトナー粒子の表面処理を行い、トナーの円形度を増加させてもよい。
例えば、図1に示す表面処理装置を用いて、熱風によりトナー粒子の表面処理を行うこともできる。
原料定量供給手段1により定量供給された混合物は、圧縮気体調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ、熱処理が行われる処理室6に導かれる。
このとき、処理室6に供給された混合物は、処理室6内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため、処理室6に供給された混合物は、処理室6内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された混合物を熱処理するための熱風は、熱風供給手段7から供給され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室6内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。旋回部材13は、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室6内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃以上300℃以下であることが好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着や合一を抑えつつ、トナー粒子を均一に球形化処理することが可能となる。
熱処理された熱処理トナー粒子は、冷風供給手段8から供給される冷風によって冷却される。冷風供給手段8から供給される冷風の温度は、−20℃以上30℃以下であることが好ましい。冷風の温度が上記範囲内であれば、熱処理トナー粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理トナー粒子の融着や合一を抑えることができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m3以上15.0g/m3以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室6の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段10の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室6の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室6の内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体粒子供給口14から供給されるトナーの旋回方向、冷風供給手段8から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段7から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室6内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、トナー(粉体粒子)に強力な遠心力がかかり、トナー(粉体粒子)の分散性がさらに向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃ったトナーを得ることができる。
トナーの平均円形度は、0.950以上0.980以下であると、転写性およびクリーニング性の観点から好ましい。
必要に応じて、トナー粒子の表面に外添剤が外添処理される。
外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと外添剤を所定量配合し、
ダブルコン・ミキサー、
V型ミキサー、
ドラム型ミキサー、
スーパーミキサー、
ヘンシェルミキサー、
ナウタミキサー、
メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)、
ノビルタ(ホソカワミクロン(株)製)
などの混合装置を外添機として用いて、撹拌し、混合する方法が挙げられる。
ダブルコン・ミキサー、
V型ミキサー、
ドラム型ミキサー、
スーパーミキサー、
ヘンシェルミキサー、
ナウタミキサー、
メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)、
ノビルタ(ホソカワミクロン(株)製)
などの混合装置を外添機として用いて、撹拌し、混合する方法が挙げられる。
トナーおよび原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
〈GPCによる結晶性ポリエステル樹脂の分子量測定〉
まず、室温で24時間かけて、結晶性ポリエステル樹脂をo−ジクロロベンゼンに溶解させる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、テトラヒドロフラン(THF)に可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
まず、室温で24時間かけて、結晶性ポリエステル樹脂をo−ジクロロベンゼンに溶解させる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、テトラヒドロフラン(THF)に可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー(株)製)
カラム:TSK gel GMHHR−HHT 7.8cmI.D×30cm 2連(東ソー社製)
検出器:高温用RI
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.05%アイオノール添加)
流速:1.0mL/分
試料:0.1%の試料を0.4mL注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算をすることによって算出される。
カラム:TSK gel GMHHR−HHT 7.8cmI.D×30cm 2連(東ソー社製)
検出器:高温用RI
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.05%アイオノール添加)
流速:1.0mL/分
試料:0.1%の試料を0.4mL注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算をすることによって算出される。
〈GPCによる非晶性樹脂の分子量測定〉
非晶性樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
非晶性樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナー/非晶性樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120GPC
検出器:RI(東ソー(株)製)
カラム:ShodexKF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶媒(溶離液):テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。標準ポリスチレン樹脂としては、例えば、TSKスタンダードポリスチレンF−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500(商品名)(東ソー(株)製)などが挙げられる。
検出器:RI(東ソー(株)製)
カラム:ShodexKF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶媒(溶離液):テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。標準ポリスチレン樹脂としては、例えば、TSKスタンダードポリスチレンF−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500(商品名)(東ソー(株)製)などが挙げられる。
〈非晶性樹脂、樹脂組成物、トナーの軟化点の測定方法〉
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメーター(商品名:流動特性評価装置フローテスターCFT−500D、(株)島津製作所製)を用い、装置(レオメーター)付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダーに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダー底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメーター(商品名:流動特性評価装置フローテスターCFT−500D、(株)島津製作所製)を用い、装置(レオメーター)付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダーに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダー底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、流動特性評価装置フローテスターCFT−500Dに付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。
なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。
まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
〈非晶性樹脂およびトナーのガラス転移点(Tg)の測定〉
〈結晶性樹脂の融解ピーク温度(Tp)の測定〉
ガラス転移点は、示差走査熱量分析装置(商品名:Q2000、TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
〈結晶性樹脂の融解ピーク温度(Tp)の測定〉
ガラス転移点は、示差走査熱量分析装置(商品名:Q2000、TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂またはトナー約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/分
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
測定範囲30℃以上180℃以下の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。一度180℃まで昇温させ、10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30℃以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移点(Tg)とする。さらに、温度60℃以上90℃以下の範囲における温度−吸熱量曲線の最大吸熱ピークになる温度を融解ピーク温度(Tp)とする。
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
測定範囲30℃以上180℃以下の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。一度180℃まで昇温させ、10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30℃以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移点(Tg)とする。さらに、温度60℃以上90℃以下の範囲における温度−吸熱量曲線の最大吸熱ピークになる温度を融解ピーク温度(Tp)とする。
〈DSCによるトナーからの結晶性樹脂に由来する吸熱ピークの測定〉
トナーからの結晶性樹脂に由来する吸熱ピークの測定は、示差走査熱量分析装置(商品名:Q2000、TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
トナーからの結晶性樹脂に由来する吸熱ピークの測定は、示差走査熱量分析装置(商品名:Q2000、TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、トナー約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/分
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
保持温度:50℃
測定範囲30℃以上180℃以下の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。一度50℃まで昇温させ3日間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30℃以上100℃以下の範囲においてベースラインに対して吸熱ピークが得られる。このときの吸熱ピークが、エンタルピー緩和や離型剤に由来する吸熱ピークと分離できている場合は、その吸熱ピークを結晶性樹脂に由来する吸熱ピークとする。
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
保持温度:50℃
測定範囲30℃以上180℃以下の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。一度50℃まで昇温させ3日間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30℃以上100℃以下の範囲においてベースラインに対して吸熱ピークが得られる。このときの吸熱ピークが、エンタルピー緩和や離型剤に由来する吸熱ピークと分離できている場合は、その吸熱ピークを結晶性樹脂に由来する吸熱ピークとする。
得られた吸熱ピークがエンタルピー緩和や離型剤に由来する吸熱ピークと分離できない場合や、非晶性樹脂と結晶性樹脂との相溶性が高く、吸熱ピークとして現れない場合は、溶剤への溶解度の差を利用してトナーから結晶性樹脂を分離してから測定を行う。
トナーからの結晶性樹脂の分離は以下の手順で行う。
第一分離:23℃のメチルエチルケトン(MEK)にトナーを溶解させ、可溶分(非晶性樹脂)と不溶分(結晶性樹脂、離型剤、着色剤、無機粒子)を分離する。
第二分離:100℃のMEKに、第一分離で得られた不溶分(結晶性樹脂、離型剤、着色剤、無機粒子)を溶解させ、可溶分(結晶性樹脂、離型剤)と不溶分(着色剤、無機粒子)を分離する。
第三分離:23℃のクロロホルムに、第二分離で得られた可溶分(結晶性樹脂、離型剤)を溶解させ、可溶分(結晶性樹脂)と不溶分(離型剤)を分離する。
得られた可溶分(結晶性樹脂)のDSC測定を行うことで、結晶性樹脂に由来する吸熱ピークを測定することができる。
〈トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法〉
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、
100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンターMultisizer3、ベックマン・コールター社製)、および、
測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト(商品名:ベックマン・コールターMultisizer3 Version3.51、(ベックマン・コールター社製)
を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、
100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンターMultisizer3、ベックマン・コールター社製)、および、
測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト(商品名:ベックマン・コールターMultisizer3 Version3.51、(ベックマン・コールター社製)
を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定および解析を行う前に、以下のように上記専用ソフトの設定を行う。
上記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに上記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに上記電解水溶液約30mLを入れる。そして、この中に分散剤(商品名:コンタミノンN、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。上記コンタミノンNは、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤および有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液である。
(3)超音波分散器(商品名:Ultrasonic Dispension System Tetora150、日科機バイオス(株)製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れる。そして、この水槽中に上記コンタミノンNを約2mL添加する。この超音波分散器は、発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵しており、電気的出力は120Wである。
(4)上記(2)のビーカーを上記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ上記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに、60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散させた上記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の上記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
〈トナーの平均円形度の測定方法〉
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−3000、シスメックス社製)によって、校正作業時の測定および解析条件で測定する。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−3000、シスメックス社製)によって、校正作業時の測定および解析条件で測定する。
上記フロー式粒子像分析装置の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長Lなどが計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形のときに円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200以上1.000以下の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
粒子像が円形のときに円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200以上1.000以下の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。
まず、ガラス製の容器中にあらかじめ不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として上記コンタミノンNをイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。さらに、測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となるように適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(商品名:VS−150、ヴェルヴォクリーア社製)を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース(商品名:PSE−900A、シスメックス社製)を使用した。この手順に従って調製した分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(商品名:RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A、Duke Scientific社製)をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定および解析条件で測定を行った。
〈無機微粒子のBET比表面積の測定〉
無機微粒子のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行った。具体的な測定方法は、以下のとおりである。
無機微粒子のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行った。具体的な測定方法は、以下のとおりである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置(商品名:TriStar3000、(株)島津製作所製)を用いた。測定条件の設定および測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000Version4.00」を用いて行いた。また、装置には、真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続されている。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本発明における無機微粒子のBET比表面積とした。
なお、BET比表面積は以下のようにして算出した。
まず、無機微粒子に窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)と外添剤の窒素吸着量Va(mol・g−1)を測定した。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(mol・g−1)を縦軸とした吸着等温線を得た。次いで、外添剤の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(mol・g−1)を、下記のBET式を適用して求めた。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
(ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる(この直線をBETプロットという)。
(ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる(この直線をBETプロットという)。
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きと切片の値が算出できる。これらの値を用いて該の傾きと切片の連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きと切片の値が算出できる。これらの値を用いて該の傾きと切片の連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
さらに、算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm2)から、下記式に基づいて、無機微粒子のBET比表面積S(m2/g)を算出する。
S=Vm×N×0.162×10−18
(ここで、Nはアボガドロ数(mol−1)である。)
S=Vm×N×0.162×10−18
(ここで、Nはアボガドロ数(mol−1)である。)
本装置を用いた測定は、装置に付属の「TriStar3000取扱説明書V4.0」に従うが、具体的には、以下の手順で測定した。
十分に洗浄し、乾燥させた専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5mL)の風袋を精秤した。そして、ロートを使って、この試料セルの中に約0.1gの外添剤を入れた。
十分に洗浄し、乾燥させた専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5mL)の風袋を精秤した。そして、ロートを使って、この試料セルの中に約0.1gの外添剤を入れた。
無機微粒子を入れた該試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した前処理装置(商品名:バキュプレップ061、(株)島津製作所社製)にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続した。なお、真空脱気の際には、無機微粒子が真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気した。セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3mTorr)となった。真空脱気終了後、窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外した。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋との差から外添剤の正確な質量を算出した。なお、この際に、試料セル内の外添剤が大気中の水分などで汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をした。
次に、無機微粒子が入った試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付けた。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、装置の分析ポートに試料セルをセットした。なお、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行った。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を、同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの容積の差から換算して算出した。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却した。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入してトナーに窒素分子を吸着させた。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより該吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換した。なお、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定した。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出した。さらに、このVmの値を用いて、上述したように無機微粒子のBET比表面積を算出した。
〈低軟化点の樹脂A1の製造例〉
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:62.3質量部(0.16mol、多価アルコールの総モル数に対して90.0mol%)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:6.4質量部(0.02mol、多価アルコールの総モル数に対して10.0mol%)
・テレフタル酸:21.6質量部(0.13mol、多価カルボン酸の総モル数に対して74.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:62.3質量部(0.16mol、多価アルコールの総モル数に対して90.0mol%)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:6.4質量部(0.02mol、多価アルコールの総モル数に対して10.0mol%)
・テレフタル酸:21.6質量部(0.13mol、多価カルボン酸の総モル数に対して74.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、170まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:
9.7質量部(0.05mol、多価カルボン酸の総モル数に対して26.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度170℃に維持したまま、8時間反応させる。そして、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が106℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、(第2反応工程)、樹脂A1を得た。得られた樹脂A1は、軟化点Tm:106℃、ガラス転移点Tg:60.1℃であった。
9.7質量部(0.05mol、多価カルボン酸の総モル数に対して26.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度170℃に維持したまま、8時間反応させる。そして、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が106℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、(第2反応工程)、樹脂A1を得た。得られた樹脂A1は、軟化点Tm:106℃、ガラス転移点Tg:60.1℃であった。
〈低軟化点の樹脂A2〜A18の製造例〉
樹脂A1の製造例において多価アルコール成分および/または多価カルボン酸成分のそれぞれのモノマーおよびモノマーのmol%が表1となるように変更し、第2反応工程の時間はそれぞれの軟化点になるところまで調整した。それら以外は、樹脂A1の製造例と同様にして反応を行い、樹脂A2〜A18を得た。樹脂A1〜A18の物性を表1に示す。
樹脂A1の製造例において多価アルコール成分および/または多価カルボン酸成分のそれぞれのモノマーおよびモノマーのmol%が表1となるように変更し、第2反応工程の時間はそれぞれの軟化点になるところまで調整した。それら以外は、樹脂A1の製造例と同様にして反応を行い、樹脂A2〜A18を得た。樹脂A1〜A18の物性を表1に示す。
〈高軟化点の樹脂B1の製造例〉
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:63.3質量部(0.16mol、多価アルコールの総モル数に対して90.0mol%)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:6.5質量部(0.02mol、多価アルコールの総モル数に対して10.0mol%)
・テレフタル酸:16.9質量部(0.10mol、多価カルボン酸の総モル数に対して57.0mol%)
・アジピン酸:6.5質量部(0.04mol、多価カルボン酸の総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:63.3質量部(0.16mol、多価アルコールの総モル数に対して90.0mol%)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:6.5質量部(0.02mol、多価アルコールの総モル数に対して10.0mol%)
・テレフタル酸:16.9質量部(0.10mol、多価カルボン酸の総モル数に対して57.0mol%)
・アジピン酸:6.5質量部(0.04mol、多価カルボン酸の総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・トリメリット酸:6.8質量部(0.03mol、多価カルボン酸の総モル数に対して18.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させた。そして、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が138℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、(第2反応工程)、樹脂B1を得た。得られた樹脂B1は、軟化点Tm:138℃、ガラス転移点Tg:59℃であった。
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させた。そして、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が138℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、(第2反応工程)、樹脂B1を得た。得られた樹脂B1は、軟化点Tm:138℃、ガラス転移点Tg:59℃であった。
〈高軟化点の樹脂B2〜B6の製造例〉
樹脂B1の製造例において、多価アルコール成分および/または多価カルボン酸成分のそれぞれのモノマーおよびモノマーのmol%が表2となるように変更し、第2反応工程の時間はそれぞれの軟化点になるところまで調整した。それら以外は、樹脂B1の製造例と同様にして反応を行い、樹脂B2〜B6を得た。
樹脂B1の製造例において、多価アルコール成分および/または多価カルボン酸成分のそれぞれのモノマーおよびモノマーのmol%が表2となるように変更し、第2反応工程の時間はそれぞれの軟化点になるところまで調整した。それら以外は、樹脂B1の製造例と同様にして反応を行い、樹脂B2〜B6を得た。
〈結晶性樹脂Cの製造例〉
・ヘキサンジオール:34.5質量部(0.29mol、多価アルコールの総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:65.5質量部(0.28mol、多価カルボン酸の総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・ヘキサンジオール:34.5質量部(0.29mol、多価アルコールの総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:65.5質量部(0.28mol、多価カルボン酸の総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2−エチルヘキサン酸スズ:0.5質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させることにより結晶性樹脂Cを得た(第1反応工程)。得られた結晶性樹脂C1は、ピーク分子量Mp:10000、融解ピーク温度:67℃であった。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させることにより結晶性樹脂Cを得た(第1反応工程)。得られた結晶性樹脂C1は、ピーク分子量Mp:10000、融解ピーク温度:67℃であった。
〈樹脂組成物Dの製造例〉
・低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P):51.6質量部(0.11mol、樹脂組成物モノマーの総モル数に対して15.0mol%)
・キシレン:25.0質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に175℃の温度まで昇温した。
・低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P):51.6質量部(0.11mol、樹脂組成物モノマーの総モル数に対して15.0mol%)
・キシレン:25.0質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に175℃の温度まで昇温した。
・スチレン:30.7質量部(0.29mol、樹脂組成物を構成するモノマーの総モル数に対して42.0mol%)
・アクリロニトリル:14.5質量部(0.27mol、樹脂組成物を構成するモノマーの総モル数に対して39.0mol%)
・アクリル酸:0.5質量部(0.01mol、樹脂組成物を構成するモノマーの総モル数に対して1.0mol%)
・アクリル酸ブチル:2.7質量部(0.02mol、樹脂組成物モノマーの総モル数に対して3.0mol%)
・キシレン:10.0質量部
・ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート:0.5質量部
その後、上記材料を3時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで、溶剤を留去して、樹脂組成物Dを得た。得られた樹脂組成物Dは、ピーク分子量Mp6000、軟化点125℃であった。
・アクリロニトリル:14.5質量部(0.27mol、樹脂組成物を構成するモノマーの総モル数に対して39.0mol%)
・アクリル酸:0.5質量部(0.01mol、樹脂組成物を構成するモノマーの総モル数に対して1.0mol%)
・アクリル酸ブチル:2.7質量部(0.02mol、樹脂組成物モノマーの総モル数に対して3.0mol%)
・キシレン:10.0質量部
・ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート:0.5質量部
その後、上記材料を3時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで、溶剤を留去して、樹脂組成物Dを得た。得られた樹脂組成物Dは、ピーク分子量Mp6000、軟化点125℃であった。
〈トナー1の製造例〉
・樹脂A1:62.5質量部
・樹脂B1:30質量部
・結晶性樹脂C:7.5質量部
・樹脂組成物D:5質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度:90℃):5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3:7質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(商品名:ボントロンE88、オリエント化学工業(株)製):0.3質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20秒−1、回転時間5分で混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに、ファカルティF−300(ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130秒−1、分散ローター回転数を120秒−1とした。
・樹脂A1:62.5質量部
・樹脂B1:30質量部
・結晶性樹脂C:7.5質量部
・樹脂組成物D:5質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度:90℃):5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3:7質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(商品名:ボントロンE88、オリエント化学工業(株)製):0.3質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20秒−1、回転時間5分で混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに、ファカルティF−300(ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130秒−1、分散ローター回転数を120秒−1とした。
得られたトナー粒子を100質量部に、疎水性シリカ粒子(BET比表面積:200m2/g)1.0質量部およびイソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(BET比表面積:80m2/g)1.0質量部を混合して、トナー1を得た。混合には、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)を用い、混合条件は、回転数30秒−1および回転時間10分とした。トナー1の重量平均粒径(D4)は6.5μmであり、平均円形度は0.955であった。
〈トナー2〜24の製造例〉
トナー1の製造例において、樹脂A1、樹脂B1、結晶性樹脂C1が表3となるように変更して以外は、トナー1の製造例と同様の操作を行い、トナー2〜24を得た。トナー14においては、樹脂A−8および樹脂A−18を併用した。
トナー1の製造例において、樹脂A1、樹脂B1、結晶性樹脂C1が表3となるように変更して以外は、トナー1の製造例と同様の操作を行い、トナー2〜24を得た。トナー14においては、樹脂A−8および樹脂A−18を併用した。
〈磁性コア粒子1の製造例〉
・工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 62.7質量部
MnCO3 29.5質量部
Mg(OH)2 6.8質量部
SrCO3 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレス鋼製のビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 62.7質量部
MnCO3 29.5質量部
Mg(OH)2 6.8質量部
SrCO3 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレス鋼製のビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393であった。
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393であった。
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニア製のビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナ製のビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニア製のビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナ製のビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、結着樹脂としてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(大川原化工機(株)製)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤や結着樹脂の有機成分を除去した。
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、結着樹脂としてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(大川原化工機(株)製)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤や結着樹脂の有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
〈被覆樹脂1の調製〉
・シクロヘキシルメタクリレート:26.8質量%
・メチルメタクリレート:0.2質量%
・メチルメタクリレートマクロモノマー:8.4質量%(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
・トルエン:31.3質量%
・メチルエチルケトン:31.3質量%
・アゾビスイソブチロニトリル:2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れた。そして、窒素ガスを導入して十分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
・シクロヘキシルメタクリレート:26.8質量%
・メチルメタクリレート:0.2質量%
・メチルメタクリレートマクロモノマー:8.4質量%(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
・トルエン:31.3質量%
・メチルエチルケトン:31.3質量%
・アゾビスイソブチロニトリル:2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れた。そして、窒素ガスを導入して十分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
〈被覆樹脂溶液1の調製〉
・重合体溶液1(樹脂固形分濃度:30%):33.3質量%
・トルエン:66.4質量%
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製):0.3質量%(一次粒径:25nm、BET比表面積:94m2/g、DBP吸油量:75mL/100g)
上記材料を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散処理を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液1を得た。
・重合体溶液1(樹脂固形分濃度:30%):33.3質量%
・トルエン:66.4質量%
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製):0.3質量%(一次粒径:25nm、BET比表面積:94m2/g、DBP吸油量:75mL/100g)
上記材料を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散処理を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液1を得た。
〈磁性キャリア1の製造例〉
(樹脂被覆工程)
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
(樹脂被覆工程)
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
〈二成分系現像剤1の製造例〉
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(商品名:V−20、(株)セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(商品名:V−20、(株)セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
〈二成分系現像剤2〜24の製造例〉
二成分系現像剤1の製造例において、表4のように変更した以外は、二成分系現像剤1の製造例と同様の操作を行い、二成分系現像剤2〜24を得た。
二成分系現像剤1の製造例において、表4のように変更した以外は、二成分系現像剤1の製造例と同様の操作を行い、二成分系現像剤2〜24を得た。
〈実施例1〉
画像形成装置として、キヤノン(株)製のデジタル商業印刷用画像形成装置(商品名:image RUNNER ADVANCE C9075 PRO)の改造機を用いた。そして、シアン位置または/およびマゼンタ位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、紙上のトナーの載り量が所望になる画像を形成し、後述の評価を行った。改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、およびレーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
画像形成装置として、キヤノン(株)製のデジタル商業印刷用画像形成装置(商品名:image RUNNER ADVANCE C9075 PRO)の改造機を用いた。そして、シアン位置または/およびマゼンタ位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、紙上のトナーの載り量が所望になる画像を形成し、後述の評価を行った。改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、およびレーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表5に示す。
[低温定着性]
紙:CS−680(68.0g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量:1.20mg/cm2(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VDおよびレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
定着試験環境:低温低湿環境:温度15℃/湿度10%RH(以下「L/L」)
プロセススピード:400mm/秒
上記評価画像を出力し、低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。画像濃度低下率は、X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を用い、まず、中心部の画像濃度を測定する。次に、画像濃度を測定した部分に対し、4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけてシルボン紙により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃度を再度測定する。そして、下記式を用いて摺擦前後での画像濃度の低下率を算出した。得られた画像濃度の低下率が最初に15%を超える温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど低温定着性が良好である。
紙:CS−680(68.0g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量:1.20mg/cm2(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VDおよびレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
定着試験環境:低温低湿環境:温度15℃/湿度10%RH(以下「L/L」)
プロセススピード:400mm/秒
上記評価画像を出力し、低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。画像濃度低下率は、X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を用い、まず、中心部の画像濃度を測定する。次に、画像濃度を測定した部分に対し、4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけてシルボン紙により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃度を再度測定する。そして、下記式を用いて摺擦前後での画像濃度の低下率を算出した。得られた画像濃度の低下率が最初に15%を超える温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど低温定着性が良好である。
画像濃度の低下率=(摩擦後の画像濃度−摩擦前の画像濃度)/摩擦前の画像濃度
[定着分離性]
紙:CS−680(68.0g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量:1.20mg/cm2(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VDおよびレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙の先端余白5mmの位置に2cm×29cmの画像を配置
定着試験環境:高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H」)
プロセススピード:400mm/秒
上記評価画像を出力し、定着分離性を評価した。各定着温度で定着を行い、定着時に巻き付きが起こるかを目視で観測し、巻き付きが見られない上限の温度を定着分離可能温度とした。定着分離可能温度が高いほど定着分離性が良好である。
[定着分離性]
紙:CS−680(68.0g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量:1.20mg/cm2(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VDおよびレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙の先端余白5mmの位置に2cm×29cmの画像を配置
定着試験環境:高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H」)
プロセススピード:400mm/秒
上記評価画像を出力し、定着分離性を評価した。各定着温度で定着を行い、定着時に巻き付きが起こるかを目視で観測し、巻き付きが見られない上限の温度を定着分離可能温度とした。定着分離可能温度が高いほど定着分離性が良好である。
[定着ラチチュード]
定着ラチチュード=定着分離可能温度−最低定着温度
とする。
定着ラチチュードは大きいほど良い。
定着ラチチュード=定着分離可能温度−最低定着温度
とする。
定着ラチチュードは大きいほど良い。
(評価基準)
A:定着ラチチュード50℃以上
B:定着ラチチュード40℃以上50℃未満
C:定着ラチチュード30℃以上40℃未満
D:定着ラチチュード25℃以上30℃未満
E:定着ラチチュード25℃未満
A:定着ラチチュード50℃以上
B:定着ラチチュード40℃以上50℃未満
C:定着ラチチュード30℃以上40℃未満
D:定着ラチチュード25℃以上30℃未満
E:定着ラチチュード25℃未満
〈実施例2〜21および比較例1〜7〉
二成分系現像剤2〜28を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表5に示す。
二成分系現像剤2〜28を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表5に示す。
Claims (6)
- 非晶性樹脂および着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性樹脂が、
ポリエステルを主成分とする樹脂A、および、
ポリエステルを主成分とする樹脂B
を含み、
該樹脂Aが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Aの軟化点が、80℃以上120℃以下であり、
該樹脂Bが、多価アルコール由来のユニットおよび多価カルボン酸由来のユニットを有し、
該樹脂Bの軟化点が、130℃以上160℃以下であり、
該樹脂A中の多価カルボン酸由来のユニットの総モル数に対する、該樹脂A中の3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットの合計モル数の割合W1(mol%)が、
25≦W1≦80
を満足することを特徴とするトナー。 - 前記樹脂A中の3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットが、それぞれ、トリメリット酸由来のユニットおよび無水トリメリット酸由来のユニットである請求項1に記載のトナー。
- 前記樹脂Aの酸価が、45mgKOH/g以下であり、前記樹脂Aの水酸基価が、70mgKOH/g以下である請求項1または2に記載のトナー。
- 前記トナー粒子中の前記樹脂Aの含有量が、40.0質量%以上70.0質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記樹脂B中の多価カルボン酸由来のユニットの総モル数に対する、前記樹脂B中の3価以上のカルボン酸由来のユニットおよび3価以上のカルボン酸の無水物由来のユニットの合計モル数の割合を、W2(mol%)としたとき、W1およびW2が、
W2<W1
を満足する請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。 - 前記樹脂Aのガラス転移点が、55℃以上65℃以下であり、
前記トナー粒子が、結晶性ポリエステルを含有する
請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
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