JP5929255B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
すなわち、本件発明は以下に記載する通りの静電荷像現像用トナーに係るものである。
前記結晶性樹脂が、最大の炭素数が12以下である脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮重合させて得られる結晶性ポリエステルであり、
前記離型剤が、下記式(I)、
R1−COO−R2 ・・・ (I)
(式中、R1及びR2はそれぞれ直鎖状アルキル基を示し、R1及びR2は同一であっても異なっていてもよい。)
で表され、炭素数が38以下であるものの含有量が4.0%以下であるモノエステルワックスであって、
示差走査熱量測定における、
1回目の昇温過程での、
低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl1、
高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh1、
2回目の昇温過程での、
低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl2、
高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh2
としたとき、
下記式(1)及び式(2)
ΔHl2/ΔHl1≦0.25・・・ 式(1)
0.95≦ΔHh2/ΔHh1・・・ 式(2)
の関係を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(2)前記モノエステルワックスにおける炭素数がC44であるものの含有率が45%〜55%であることを特徴とする(1)に記載の静電荷像現像用トナー。
(3)前記離型剤の示差熱・熱重量同時測定による165℃での質量減少率が3.5質量%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の静電荷現像用トナー。
(4)前記モノエステルワックスの[酸価+水酸基価]が15mgKOH/g以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
(5)前記結晶性樹脂の融点及び前記離型剤の融点が50℃以上90℃以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
(6)前記結晶性樹脂の融点と前記離型剤の融点が55℃以上85℃以下であることを特徴とする(5)に記載の静電荷現像用トナー。
(7)前記結晶性樹脂の融点と前記離型剤の融点が60℃以上80℃以下であることを特徴とする(6)に記載の静電荷現像用トナー。
(8)前記結晶性樹脂の融点をTmc[℃]とし、前記離型剤の融点をTmw[℃]としたとき、両者の差ΔTm[℃]が下記の関係を満たすことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
ΔTm=|Tmc−Tmw|<10℃
(9)前記モノエステルワックスが前記結着樹脂100質量部あたり4〜40質量部含有されていることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
(10)有機溶媒中に、少なくとも結晶性樹脂を含む結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、離型剤、着色剤を溶解又は分散させ、前記溶解液又は分散液からなる油相を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、トナー粒子を造粒することにより得られることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
本発明のトナーは少なくとも結着樹脂と結晶性樹脂と離型剤とを含有し、前記結晶性樹脂が、最大の炭素数が12以下である脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮重合させて得られる結晶性ポリエステルであり、前記離型剤が、下記式(I)
R1−COO−R2 ・・・ (I)
(式中、R1及びR2はそれぞれ直鎖状アルキル基を示し、R1及びR2は同一であっても異なっていてもよい。)
で表され、炭素数が38以下であるものの含有量が4.0%以下であるモノエステルワックスであって、
示差走査熱量測定における、
1回目の昇温過程での、
低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl1、
高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh1、
2回目の昇温過程での、
低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl2、
高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh2
としたとき、
下記式(1)及び式(2)
ΔHl2/ΔHl1≦0.25・・・ 式(1)
0.95≦ΔHh2/ΔHh1・・・ 式(2)
の関係を満たすことを特徴とする。
特にモノエステルワックスの炭素数38以下のものが副生成物として含まれ易くこれが、ワックスベーパーとして定着時に発生し、機内汚染の原因となることがある。モノエステルワックス由来のワックスベーパーは原材料や生成物を溶剤抽出や減圧蒸留操作を用いて精製することで、減らすことができ、炭素数38以下のものの含有量が4.0%以下であるときに、機内汚染性が低い理想的なエステルワックスを得ることができる。
モノエステルワックスの融点は例えば示差走査型熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線により決定することができる。なおDSC曲線は,TA−60WS及びDSC−60(島津製作所社製)を用いて測定することにより得られる。
なお、測定条件については後述する。
なお、本発明でいう炭素数分布C44とは、モノエステルワックスを構成する分子のうち炭素数が44である分子の割合を示す。
質量減少率とは、示差熱・熱重量同時測定装置(以下、TG−DTA)により大気下および窒素下、20℃〜400℃(昇温速度:4℃/分)まで温度を上げた時の165℃における離型剤の減量重量の全体に対する割合であり、以下のようにして測定する。
(質量減少率)
測定するサンプルを約10mg秤量し、アルミニウム製パンに入れ、60℃で24時間真空乾燥した後改めてサンプル重量を測定し、アルミニウム製パンを用いて、示差熱・熱重量同時測定計(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6200型)によって測定した。測定においては大気下または窒素下で20℃から400℃まで4℃/分の速度で昇温した時の165℃における減量重量の全体に対する割合を求め、質量減少率(%)とする。
本発明において,ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ,この温度におけるカラムに,溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し,試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては,試料の有する分子量分布を,数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては,Pressure Chemical co.製あるいは,東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9×105,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い,少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また,検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては,1×103〜2×106の分子量領域を適確に測定するために,市販のポリスチレンゲルカラムを複数組合せるのが良く,例えば,Waters社製のμ−StyraGel 500,103,104,105の組合せや,昭和電工社製のShOdexKA−801,802,803,804,805,806,807の組合せが好ましい。
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。なお、アルキレングリコールの炭素数は、2〜12であることが好ましい。これらの中でも、炭素数が2〜12であるアルキレングリコール又はビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物又はビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2〜12のアルキレングリコールの混合物が特に好ましい。
ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸を混合して用いる場合、ジカルボン酸に対する三価以上のカルボン酸の質量比は、0.01〜10%であることが好ましく、0.01〜1%がより好ましい。
架橋反応及び/又は伸長反応には活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体は、活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂等が好適に用いられる。
で示される官能基等が挙げられるが、中でも、イソシアネート基が好ましい。プレポリマーは、このような官能基の一つを有してもよいし、二種以上を有してもよい。
イソシアネート基を含有するポリエステルプレポリマーは、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、ポリオールとポリカルボン酸を重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂と、ポリイソシアネートの反応生成物等が挙げられる。
ジオールと三価以上のアルコールを混合して用いる場合、ジオールに対する三価以上のアルコールの質量比は、0.01〜10%であることが好ましく、0.01〜1%がより好ましい。
トナーを負荷電性に制御するものとして,例えば有機金属錯体,キレート化合物が有効である。モノアゾ金属錯体,芳香族ヒドロキシカルボン酸,金属錯体,芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には,芳香族ハイドロキシカルボン酸,芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩,無水物,エステル類,ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
例えば本発明のトナーをカラートナーとして使用する場合には,染料としては,C.I.ダイレクトレッド1,C.I.ダイレクトレッド4,C.I.アシッドレッド1,C.I.ベーシックレッド1,C.I.モーダンレッド30,C.I.ダイレクトブルー1,C.I.ダイレクトブルー2,C.I.アシッドブルー9,C.I.アシッドブルー15,C.I.ベーシックブルー3,C.I.ベージックブルー5,C.I.モーダントブルー7,C.I.ダイレクトグリーン6,C.I.ベーシックグリーン4,C.I.ベーシックグリーン6がある。顔料としては,黄鉛,カドミウムイエロー,ミネラルファストイエロー,ネーブルイエロー,ナフトールイエローS,ハンザイエローG,パーマネントイエローNCG,タートラジンレーキ,赤口黄鉛,モリブデンオレンジ,パーマネントオレンジGTR,ピラゾロンオレンジ,ベンジジンオレンジG,カドミウムレッド,パーマネントレッド4R,ウオッチングレッドカルシウム塩,エオシンレーキ,ブリリアントカーミン3B,マンガン紫,ファストバイオレットB,メチルバイオレットレーキ,紺青,オバルトブルー,アルカリブルーレーキ,ビクトリアブルーレーキ,フタロシアニンブルー,ファーストスカイブルー,インダンスレンブルーBC,クロムグリーン,酸化クロム,ピグメントグリーンB,マラカイトグリーンレーキ,ファイナルイエローグリーンGがある。
本発明のトナーを二成分フルカラー現像剤用トナーとして使用する場合には,次の様なものが挙げられる。マゼンダ用着色顔料としては,C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209,269,C.I.ピグメントバイオレット19,C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35が挙げられる。
非磁性着色剤の使用量は結着樹脂100質量部に対して,3〜20質量部好ましくは4〜15質量部である。
分散剤は、目的に応じて適宜選択することができ、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド等が挙げられるが、界面活性剤が好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
ージェント100、150(以上、ネオス社製)等が挙げられる。
5(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等を用いることが好ましい。
両性界面活性剤の具体例としては、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
難水溶性の無機化合物分散剤の具体例としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
トナー中の無機粒子の含有量は、0.01〜5.0質量%であることが好ましく、0.01〜5.0質量%がより好ましい。
これにより、二成分現像剤では、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。また、一成分現像剤では、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なくなると共に、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等の部材へのトナーの融着を抑制し、現像装置の長期使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性が得られるため、高画質の画像を得ることができる。この比が1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合に、トナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
このためキャリアは、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。芯材の材料は、公知のものの中から適宜選択することができ、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、マンガン−マグネシウム系材料等が挙げられる。 芯材の体積平均粒子径は、10〜150μmであることが好ましく、40〜100μmがより好ましい。体積平均粒子径が10μm未満であると、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特に、ベタ部の再現が悪くなることがある。
二成分現像剤中のキャリアの含有量は、90〜98質量%であることが好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
(非晶性ポリエステル樹脂の合成例1)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物67部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物84部、テレフタル酸270部、イソフタル酸120部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、270℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下、7時間反応させて、[非晶性ポリエステル1]を合成した。得られた[非晶性ポリエステル1]は、酸価が19.8mgKOH/g、重量平均分子量Mwは3100であった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物47部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物98部、テレフタル酸240部、イソフタル酸150部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、270℃で12時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下、7時間反応させて、[非晶性ポリエステル2]を合成した。得られた[非晶性ポリエステル2]の重量平均分子量Mwは4200であった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物245部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物65部、テレフタル酸120部、イソフタル酸230部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、270℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下、7時間反応させて、[非晶性ポリエステル3]を合成した。得られた[非晶性ポリエステル3]の重量平均分子量Mwは27000であった。
上記で得られた非晶性ポリエステル1〜3の重量平均分子量を表1に示す。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、[中間体ポリエステル]を合成した。
得られた[中間体ポリエステル]は、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,500、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が51であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル]410部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂(活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体:以下「ポリエステルプレポリマー」という)を合成した。
得られたイソシアネート基を含有するポリエステル樹脂の遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物のアミン価は418であった。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法の一例を示すと、以下の通りである。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、脂肪族ジオール170部、脂肪族ジカルボン酸152部、無水トリメリット酸、及びハイドロキノンを仕込み、250℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させた。
次いで、8.3kPaの加圧下にて1時間反応させることにより、結晶性ポリエステルを合成した。
上記の結晶性ポリエステル樹脂の製造方法において脂肪族ジカルボン酸の種類及び量と、脂肪族ジオールの種類及び量とを変更することにより下記表2に示す特性の結晶性ポリエステル1〜7を調製した。
(モノエステルワックスの調製)
ジムロート還流器、Dean−Stark水分離器を備えた4つ口フラスコ反応装置にベンゼン1740部、長鎖アルキルカルボン酸成分1300部、長鎖アルキルアルコール成分1200部、さらにp−トルエンスルホン酸120部を加え十分攪拌し溶解後、5時間還流せしめた後、水分離器のバルブを開け、共沸留去を行った。共沸留去後炭酸水素ナトリウムで十分洗浄後、乾燥しベンゼンを留去した。得られた生成物を再結晶後、洗浄し精製してモノエステルワックスを得た。
上記のモノエステルワックス製造方法において、長鎖アルキルカルボン酸の種類及び量と、長鎖アルキルアルコールの種類及び量とを変更することにより表3に示す特性のモノエステルワックス1〜6を調製した。
ビーカー内に、[非晶性ポリエステル1]100部、[結晶性ポリエステル1]20部、[ポリエステルプレポリマー]10部、及び酢酸エチル150部を入れ、攪拌して溶解させた。次に、[モノエステルワックス1]を15部及びカーボンブラック9部を加えて、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスクの周速度6m/秒で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした。さらに、ケチミン化合物2.7部を加えて溶解させてトナー材料液を調製した。
容器に水系媒体250部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで攪拌しながら、トナー材料液100部を添加し、10分間混合して、乳化スラリーを調製した。
分散スラリー100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。さらに、得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
得られたトナー母体粒子100部に対し,外添剤を3.8部を添加し,ヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製)にて周速33m/sの条件の下,3分間ずつ混合し,さらに酸化チタンを0.59部を同装置にて周速33m/sの条件の下,3分間混合した。混合後の粉体を目開き38μmのメッシュに通過させ,粗大粉を取り除き疎水性微粉末を外添した[トナー1]を作製した。
実施例1の[モノエステルワックス1]を[モノエステルワックス2]に変更した以外は実施例1と同様にして、[トナー2]を得た。
実施例1の[モノエステルワックス1]を[モノエステルワックス3]に変更した以外は実施例1と同様にして、[トナー3]を得た。
実施例1の[結晶性ポリエステル1]を[結晶性ポリエステル2]に変更した以外は実施例1と同様にして、[トナー4]を得た。
実施例1の[結晶性ポリエステル1]を[結晶性ポリエステル3]に変更した以外は実施例1と同様にして、[トナー5]を得た。
実施例1の[結晶性ポリエステル1]を[結晶性ポリエステル4]に変更した以外は実施例1と同様にして、[トナー6]を得た。
実施例4の[結晶性ポリエステル2]の部数を6部、[モノエステルワックス1]の部数を40部に変更した以外は実施例4と同様にして、[トナー7]を得た。
実施例4の[結晶性ポリエステル2]の部数を40部、[モノエステルワックス1]の部数を3部に変更した以外は実施例4と同様にして、[トナー8]を得た。
実施例4の[モノエステルワックス1]を[モノエステルワックス4]に変更した以外は実施例4と同様にして、[トナー9]を得た。
実施例4の[非晶性ポリエステル1]を[非晶性ポリエステル2]に変更した以外は実施例4と同様にして、[トナー10]を得た。
実施例4の[非晶性ポリエステル1]を[非晶性ポリエステル3]に変更した以外は実施例4と同様にして、[トナー11]を得た。
実施例1の[結晶性ポリエステル1]を[結晶性ポリエステル5]に変更した以外は実施例1と同様にして、[トナー12]を得た。
実施例11の結着樹脂前駆体を使用しない以外は実施例11と同様にして、[トナー13]を得た。
実施例1の[結晶性ポリエステル1]を[結晶性ポリエステル6]に変更した以外は実施例1と同様にして、[トナー14]を得た。
実施例1の[結晶性ポリエステル1]を[結晶性ポリエステル7]に変更した以外は実施例1と同様にして、[トナー15]を得た。
実施例4の[モノエステルワックス1]を[モノエステルワックス5]に変更した以外は実施例4と同様にして、[トナー16を得た。
実施例4の[モノエステルワックス1]を[モノエステルワックス6]に変更した以外は実施例4と同様にして、[トナー17]を得た。
表4に[トナー1]〜[トナー17]の処方表を示す。
(分子量の測定)
分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定される。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ,この温度におけるカラムに,溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し,試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては,試料の有する分子量分布を,数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては,Pressure Chemical co.製あるいは,東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9×105,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い,少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また,検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
離型剤の融点(Tmw)、結晶性樹脂の吸熱ピーク温度及び非晶性樹脂のガラス転移温度は,示差走査型熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線により決定することができる。なおDSC曲線は,TA−60WS及びDSC−60(島津製作所社製)を用いて,以下に示す測定条件で測定することにより得られる。また、吸熱ピークの極小値での温度を融点とする。
サンプル容器 : アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量 : 5mg
リファレンス : アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気 : 窒素(流量:50ml/分)
温度条件:
開始温度 : 20℃
昇温速度 : 10℃/分
終了温度 : 150℃
保持時間 : なし
降温速度 : 10℃/分
終了温度 : 20℃
保持時間 : なし
昇温速度 : 10℃/分
終了温度 : 150℃
測定結果を解析する際には,2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最大ピークを中心として±5℃の範囲を指定し,データ解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求めることが可能である。次に,DSC曲線のピーク温度+5℃及び−5℃の範囲でデータ解析ソフトのピーク解析機能を用いて,DSC曲線の最大吸熱温度を求めることができる。この温度が離型剤の融点及び結晶性樹脂の吸熱ピーク温度に相当する。
昇温過程で得られる温度40〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークにおいて、このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発明におけるガラス転移温度Tgとした。
上記で得られた二成分現像剤を(株)リコー社製複写機(Imagio Neo C355)で付着量4.0g/m2、未定着画像を作成し、次に(株)リコー社製複写機(Imagio Neo C355)の定着装置(オイルレス方式)を改造したローラ温度を自由に設定できる外部定着機を用い、紙送りを120mm/secに固定し、100℃〜140℃まで温度を5℃ずつ変更した。この時、十分に溶融しきれずに未画像部に画像が再転写するオフセット現象について定着ローラ上および紙上を観察し、画像が再転写しない温度を低温側の非オフセット温度とした。このとき、非オフセットの温度が115℃未満ものを◎、115℃以上125℃未満を○、125℃以上×として、判定した。
上記同様に未定着画像を作製し、同条件で外部定着機を用い170℃から5℃ずつ温度を上昇した。この時、十分に溶融しきれずに未画像部に画像が再転写するオフセット現象について定着ローラ上および紙上を観察し、画像が再転写しない温度を高温側の非オフセット温度とした。このとき、非オフセットの温度が200℃以上を◎、185℃以上195℃未満を○、175℃以上185℃未満を△、170℃以下を×として、判定した。
(株)リコー社製複写機(Imagio Neo C355)の定着装置(オイルレス方式)を改造したローラ温度を自由に設定できる外部定着機を用い定着ニップ直後、定着ローラ側に剥離用の爪が設けられており、定着終了後用紙を定着ローラから一定の力で剥離するのが、このときの画像評価で、爪あとが付いないものを◎、爪あとが色ムラとなってわかるものを○、爪で剥離できないものを×として、判定した。
トナーを50℃で8時間保管した後,42メッシュの篩で2分間篩い,金網上の残存率を測定した。
このとき,耐熱保存性が良好なトナー程,残存率は小さい。なお耐熱保存性は,残存率が20%未満である場合を◎、30%未満である場合○、40%未満を×として,判定した。
機内汚染性は上記で得られた二成分現像剤を(株)リコー社製複写機(Imagio Neo C355)で付着量5.0g/m2、となる画像を定着温度180℃で連続出力・定着した際に排気孔からでる粉塵量をダストトラック MODEL8520(TSI社)
をもちいて測定した際に、1 mg/m3未満を◎、1 mg/m3以上、4mg/m3未満を○、4mg/m3以上を×として、判定した。
一方、実施例1から14は、本発明の範囲内であるため、その程度には差はあるがそれぞれ良好な結果が得られた。
Claims (10)
- 少なくとも結着樹脂と離型剤とを含有し、前記結着樹脂が結晶性樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記結晶性樹脂が、最大の炭素数が12以下である脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮重合させて得られる結晶性ポリエステルであり、
前記離型剤が、下記式(I)、
R1−COO−R2 ・・・ (I)
(式中、R1及びR2はそれぞれ直鎖状アルキル基を示し、R1及びR2は同一であっても異なっていてもよい。)
で表され、炭素数が38以下であるものの含有量が4.0%以下であるモノエステルワックスであって、
示差走査熱量測定における、
1回目の昇温過程での、
低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl1、
高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh1、
2回目の昇温過程での、
低温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHl2、
高温側の吸熱ピークに基づく吸熱量をΔHh2
としたとき、
下記式(1)及び式(2)
ΔHl2/ΔHl1≦0.25・・・ 式(1)
0.95≦ΔHh2/ΔHh1・・・ 式(2)
の関係を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記モノエステルワックスにおける炭素数がC44であるものの含有率が45%〜55%であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記離型剤の示差熱・熱重量同時測定による165℃での質量減少率が3.5質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷現像用トナー。
- 前記モノエステルワックスの[酸価+水酸基価]が15mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
- 前記結晶性樹脂の融点及び前記離型剤の融点が50℃以上90℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
- 前記結晶性樹脂の融点と前記離型剤の融点が55℃以上85℃以下であることを特徴とする請求項5に記載の静電荷現像用トナー。
- 前記結晶性樹脂の融点と前記離型剤の融点が60℃以上80℃以下であることを特徴とする請求項6に記載の静電荷現像用トナー。
- 前記結晶性樹脂の融点をTmc[℃]とし、前記離型剤の融点をTmw[℃]としたとき、両者の差ΔTm[℃]が下記の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
ΔTm=|Tmc−Tmw|<10℃ - 前記モノエステルワックスが前記結着樹脂100質量部あたり4〜40質量部含有されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
- 有機溶媒中に、少なくとも結晶性樹脂を含む結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、離型剤、着色剤を溶解又は分散させ、前記溶解液又は分散液からなる油相を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、トナー粒子を造粒することにより得られることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
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