JP6484050B2 - トナー及び二成分現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー及び該トナーを含む二成分現像剤に関し、特には、電子写真方式の画像形成装置に用いるトナーに関するものである。
トナーの低温定着性を向上させるために、結晶性ポリエステル樹脂を非晶性ポリエステル樹脂中に分散させた結着樹脂の使用が知られているが、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化度が下がることにより、トナーの保存安定性(耐トナー凝集性)が低下し、トナーが凝集しやすくなるという欠点があった。
この欠点に対して、特開2012−32639号公報(特許文献1)においては、結着樹脂として、テレフタル酸やイソフタル酸を主成分として含む多価カルボン酸とエチレングリコールを主成分として含むジオールとを縮重合させることにより得られる非晶性ポリエステル樹脂と、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールとを縮重合させることにより得られる結晶性ポリエステル樹脂とを用いて、混練粉砕法によりトナーを作製することにより、トナーの保存安定性(耐トナー凝集性)と低温定着性を両立させている。
特開2012−32639号公報
しかしながら、特開2012−32639号公報に記載されるトナーを用いると、感光体表面でフィルミングが発生し、画像品質が低下するといった問題があった。特に、感光体の表層がポリカーボネート樹脂を主成分として含むような有機感光体である場合、フィルミングの発生が顕著である。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、低温定着性に優れ、感光体表面でのフィルミングの発生を防止することが可能なトナーを提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるトナーを含む二成分現像剤を提供することにある。
本発明者は、特開2012−32639号公報に記載されるようなトナーを用いた場合に発生するフィルミングの原因について検討した。かかるトナーは、上述のように特定された非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂を用いた混練粉砕法によって作製されるが、ここで使用される結晶性ポリエステル樹脂は、二成分現像装置内でのトナー撹拌時やトナーカートリッジ内で、トナーに熱がかかるとトナー母粒子表面にブリードアウトしてしまう傾向にあることが分かった。
また、特開2012−32639号公報においては、離型剤として天然ワックス等が記載され、実際にはカルナバワックスが使用されている。カルナバワックスは、主成分としてエステル化合物を含む天然ワックスであるが、ヒドロキシ脂肪酸エステルや脂肪族アルコール等のヒドロキシ基を有する化合物を含有していることも知られている。このため、結晶性ポリエステル樹脂とカルナバワックスに含まれる遊離アルコールの間でエステル交換反応が起こり、結晶性ポリエステルの結晶構造が崩れトナー中で不安定な状態で存在することになる。そのため、現像槽内でのトナー撹拌時やトナーカートリッジ内で、トナーに熱がかかると、エステル交換反応した結晶性ポリエステル樹脂とワックスがブリードアウトしてしまうと考えられる。
そこで、本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、水酸基価が5mgKOH/g未満である合成エステルワックスを離型剤として用いると、トナー母粒子からの結晶性ポリエステル樹脂のしみ出しを抑え、感光体表面でのフィルミングの発生を防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、離型剤とを含むトナーにおいて、
前記非晶性ポリエステル樹脂が、テレフタル酸及びイソフタル酸のうちの一方を主成分とし、さらに他方を含むジカルボン酸モノマーと、エチレングリコールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる非晶性ポリエステル樹脂であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる結晶性ポリエステル樹脂であり、
前記離型剤が、モノエステル化合物を含む水酸基価5mgKOH/g未満の合成エステルワックスであることを特徴とする。
本発明のトナーの好適例においては、前記合成エステルワックスがモノエステル化合物を含む。
また、本発明の二成分現像剤は、上記のトナーと、キャリアとを含むことを特徴とする。
本発明のトナーによれば、テレフタル酸又はイソフタル酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーとエチレングリコールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる非晶性ポリエステル樹脂、及び炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂に、水酸基価5mgKOH/g未満の合成エステルワックスである離型剤を組み合わせることで、低温定着性に優れ、感光体表面でのフィルミングの発生を防止することが可能なトナーを提供することができる。
また、本発明の二成分現像剤によれば、かかるトナーを用いることにより、低温定着性に優れ、感光体表面でのフィルミングの発生を防止することが可能な二成分現像剤を提供することができる。
[トナー]
以下に、本発明のトナーを詳細に説明する。本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、離型剤とを含むトナーにおいて、前記非晶性ポリエステル樹脂が、テレフタル酸又はイソフタル酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、エチレングリコールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる非晶性ポリエステル樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる結晶性ポリエステル樹脂であり、前記離型剤が、水酸基価5mgKOH/g未満の合成エステルワックスであることを特徴とする。
本発明のトナーは、結着樹脂及び離型剤を含むトナー母粒子と、必要に応じて該トナー母粒子の表面に外添される外添剤とからなるが、トナー母粒子には、一般に、着色剤、帯電制御剤等の内添剤が更に含まれる。また、本発明のトナーは、体積平均粒子径が5μm〜10μmであることが好ましい。
[結着樹脂]
本発明のトナーに用いる結着樹脂は、上記非晶性ポリエステル樹脂及び上記結晶性ポリエステル樹脂を少なくとも含む。なお、結晶性ポリエステル樹脂や、離型剤、着色剤、帯電制御剤等の内添剤は、非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。
一般に、結晶性ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と比較して、トナーの機械的強度を低下させることなく、トナーの軟化温度や溶融粘度を下げることができるため、結晶性ポリエステル樹脂を非晶性ポリエステル樹脂と併用すると、トナーの低温定着性を向上できることが知られている。更に、本発明のトナーに用いる結着樹脂においては、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸モノマーの主成分が異なり、場合によってはジオールモノマーの主成分さえも異なるため、両樹脂の相溶化を抑えることができ、低温定着性と保存安定性のバランスのとれたトナー設計となる。
なお、本発明において、ジカルボン酸モノマーの主成分及びジオールモノマーの主成分とは、それぞれを構成するモノマーの中で最大のモル含有率を示すモノマーを言うが、単一のモノマーである場合(即ち、テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコール、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸、又は炭素数2〜10の脂肪族ジオールのモル含有率が100%である場合)も含まれる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂中における結晶性ポリエステル樹脂(A)と非晶性ポリエステル樹脂(B)の質量比(A/B)は、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜調整できるものの、低温定着性と保存安定性の両立の観点から、トナー母粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は5〜20質量%が好ましい。
本発明において、非晶性樹脂と結晶性樹脂は、結晶性指数により区別され、結晶性指数が0.6〜1.5の範囲にある樹脂を結晶性樹脂とし、結晶性指数が0.6未満であるか又は1.5を超える樹脂を非晶性樹脂とする。結晶性指数が1.5を超える樹脂は非晶性であり、また、結晶性指数が0.6未満である樹脂は結晶性が低く、非晶性部分が多い。
なお、結晶性指数とは、樹脂の結晶化の度合いの指標となる物性であり、軟化温度と吸熱の最高ピーク温度の比(軟化温度/吸熱の最高ピーク温度)により定義されるものである。ここで、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。結晶性ポリエステル樹脂においては、最高ピーク温度を融点とし、非晶性ポリエステル樹脂においては、得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。結晶化の度合いは、原料モノマーの種類及び比率、並びに製造条件(例えば反応温度、反応時間、冷却速度)等を調整することで制御できる。
[非晶性ポリエステル樹脂]
本発明のトナーに用いる非晶性ポリエステル樹脂は、テレフタル酸又はイソフタル酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、エチレングリコールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる非晶性ポリエステル樹脂である。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用されるジカルボン酸モノマーは、テレフタル酸又はイソフタル酸を主成分として含む。ここで、ジカルボン酸モノマーに占めるテレフタル酸又はイソフタル酸のモル含有率は、70%以上で且つ100%以下であることが好ましく、80%以上で且つ100%以下であることが更に好ましい。
また、上記ジカルボン酸モノマーは、テレフタル酸及びイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸を含むことができる。テレフタル酸及びイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸等が挙げられる。上記ジカルボン酸モノマーは、テレフタル酸又はイソフタル酸のエステル形成性誘導体や、テレフタル酸及びイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体、脂肪族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体も含むことができる。本発明において、エステル形成性誘導体には、カルボン酸の酸無水物やアルキルエステル等が含まれる。なお、テレフタル酸及びイソフタル酸以外のジカルボン酸モノマーを用いる場合、該ジカルボン酸モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の合成においては、上記ジカルボン酸モノマーと共に、3価以上のポリカルボン酸モノマーを用いてもよい。3価以上のポリカルボン酸モノマーとしては、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のポリカルボン酸やそのエステル形成性誘導体が使用できる。3価以上のポリカルボン酸モノマーを用いる場合、該ポリカルボン酸モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用されるジオールモノマーは、エチレングリコールを主成分として含む。ここで、ジオールモノマーに占めるエチレングリコールのモル含有率は、70%以上で且つ100%以下であることが好ましく、80%以上で且つ100%以下であることが更に好ましい。
また、上記ジオールモノマーは、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等を含むことができる。エチレングリコール以外のジオールモノマーを用いる場合、該ジオールモノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のトナーに用いる非晶性ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造できる。例えば、ジカルボン酸モノマーと、ジオールモノマーと、場合により3価以上のポリカルボン酸モノマーとを用いて、窒素ガス雰囲気中、190〜240℃の温度にて重縮合反応を行うことにより、非晶性ポリエステル樹脂を合成することができる。
上記重縮合反応において、ジオールモノマーと、カルボン酸モノマー(ジカルボン酸モノマーと、場合により3価以上のポリカルボン酸モノマーとを含む)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、1.3/1〜1/1.2が好ましい。また、上記重縮合反応において、カルボン酸モノマーに占めるジカルボン酸モノマーのモル含有率は、80〜100%であることが好ましい。更に、上記重縮合反応においては、必要に応じてジブチルスズオキシドやチタンアルコキシド(例えばテトラブトキシチタネート)等のエステル化触媒を使用することができる。
上記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、定着性、保存性及び耐久性等の観点から、60〜70℃が好ましい。
上記非晶性ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、100〜140℃が好ましい。
上記非晶性ポリエステル樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定されるテトラヒドロフラン(THF)可溶分のピークトップ分子量(Mp)が、トナーの耐熱性、熱保存性及び低温定着性の両立の観点から、3000〜15000が好ましい。GPCでは、移動相としてテトラヒドロフラン(THF)が使用され、標準物質にはポリスチレンが使用される。なお、ピークトップ分子量とは、GPCの測定により得られるクロマトグラムにおいて最大のピーク高さを示す分子量を指す。
上記非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、帯電特性の観点から、0〜40mgKOH/gが好ましく、上記非晶性ポリエステル樹脂の水酸基価は、耐ホットオフセット性の観点から、0〜40mgKOH/gが好ましい。
上記非晶性ポリエステル樹脂のSP値(ソルビリティーパラメーター)は、10.5〜12.5が好ましい。
本発明のトナーにおいて、非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中60〜80質量%であることが好ましい。
[結晶性ポリエステル樹脂]
本発明のトナーに用いる結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる結晶性ポリエステル樹脂である。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用されるジカルボン酸モノマーは、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含む。ここで、ジカルボン酸モノマーに占める炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸のモル含有率は、80%以上で且つ100%以下であることが好ましい。
上記炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アゼライン酸、ゼバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等が挙げられる。また、ジカルボン酸モノマーは、これら脂肪族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体も含むことができる。なお、これらジカルボン酸モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成においては、上記ジカルボン酸モノマーと共に、3価以上のポリカルボン酸モノマーを用いてもよい。3価以上のポリカルボン酸モノマーとしては、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のポリカルボン酸やそのエステル形成性誘導体が使用できる。3価以上のポリカルボン酸モノマーを用いる場合、該ポリカルボン酸モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用されるジオールモノマーは、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含む。ここで、ジオールモノマーに占める炭素数2〜10の脂肪族ジオールのモル含有率は、80%以上で且つ100%以下であることが好ましい。
上記炭素数2〜10の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。なお、これらジオールモノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成においては、上記ジオールモノマーと共に、3価以上のポリオールモノマーを用いてもよい。3価以上のポリオールモノマーとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等が使用できる。3価以上のポリオールモノマーを用いる場合、該ポリオールモノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のトナーに用いる結晶性ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造できる。例えば、ジカルボン酸モノマーと、ジオールモノマーと、場合により3価以上のポリカルボン酸モノマーや3価以上のポリオールモノマーとを用いて、窒素ガス雰囲気中、190〜240℃の温度にて重縮合反応を行うことにより、結晶性ポリエステル樹脂を合成することができる。
上記重縮合反応において、ポリオールモノマー(ジオールモノマーと、場合により3価以上のポリオールモノマーとを含む)の水酸基と、カルボン酸モノマー(ジカルボン酸モノマーと、場合により3価以上のポリカルボン酸モノマーとを含む)のカルボキシル基との当量比(OH基/COOH基)は、保存性の観点等から、1.01〜1.14が好ましい。また、上記重縮合反応において、カルボン酸モノマーに占めるジカルボン酸モノマーのモル含有率は、90〜100%であることが好ましい。該ジカルボン酸モノマーのモル含有率が小さい程、結晶化の割合や速度が低くなり、耐トナー凝集性が不十分になる。更に、上記重縮合反応において、ポリオールモノマーに占めるジオールモノマーのモル含有率は、80〜100%であることが好ましい。なお、上記重縮合反応においては、必要に応じてジブチルスズオキシドやチタンアルコキシド(例えばテトラブトキシチタネート)等のエステル化触媒を使用することができる。
上記結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tmp)は、定着性、保存性及び耐久性等の観点から、60〜90℃が更に好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は、低温定着性及び耐ブロッキング性の観点から、65〜110℃が好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶化速度及び耐ブロッキング性の観点から、軟化点(Tm)と融点(Tmp)の比(Tm/Tmp)が1.0〜1.4であることが好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定されるテトラヒドロフラン(THF)可溶分のピークトップ分子量(Mp)が、保存性及び低温定着性等の観点から、10000〜90000が好ましい。GPCでは、移動相としてテトラヒドロフラン(THF)が使用され、標準物質にはポリスチレンが使用される。なお、ピークトップ分子量とは、GPCの測定により得られるクロマトグラムにおいて最大のピーク高さを示す分子量を指す。
上記結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、帯電特性の観点から、0〜30mgKOH/gが好ましく、上記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価は、耐ホットオフセット性の観点から、0〜40mgKOH/gが好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂のSP値(ソルビリティー パラメーター)は、9.3〜10.0が好ましい。該SP値が9.3未満では、非晶性ポリエステル樹脂に対する相溶性が低くなりすぎ、耐久性が不十分となる場合がある。一方、該SP値が10.0を超えると、結着樹脂のTgが低下し、耐ブロッキング性が低下する場合がある。また、非晶性樹脂と結晶性樹脂とのSP値の差が近いと相溶しすぎてしまう。この場合、低温定着には効果的であるが、耐ブロッキング性が低下する場合がある。一方で、SP値の差が離れすぎていると、低温定着性に効果をもたらさない場合があるため、非晶性樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の適当な選定が重要である。
本発明のトナーにおいて、結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中5〜20質量%であることが好ましい。
[離型剤]
離型剤は、トナーを記録媒体に定着させるときに、トナーに離型性を付与するために添加される。本発明に用いる離型剤は、水酸基価5mgKOH/g未満の合成エステルワックスであり、カルボン酸とアルコールとから得られる合成エステルワックスが使用できる。
合成エステルワックスとしては、例えば、モノエステル化合物、ジエステル化合物、トリエステル化合物、テトラエステル化合物などのエステル化合物が挙げられる。また、エステルワックスの合成に使用されるカルボン酸としては、炭素数13〜30の高級脂肪酸が好ましく、アルコールとしては、炭素数2〜30のアルコールが好ましい。
モノエステル化合物は、1価のカルボン酸と1価のアルコールから得られるエステル化合物である。
1価のカルボン酸としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、べへン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などが使用できる。
1価のアルコールとしては、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、べへニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノールなどが使用できる。
ジエステル化合物は、1価のカルボン酸と2価のアルコールから得られるエステル化合物である。
2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−へキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、1,30−トリアコンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、1,4−フェニレングリコールなどが使用できる。
トリエステル化合物は、1価のカルボン酸と3価のアルコールから得られるエステル化合物である。
3価のアルコールとしては、例えば、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールエタン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが使用できる。
テトラエステル化合物は、1価のカルボン酸と4価のアルコールから得られるエステル化合物である。
4価のアルコールとしては、例えば、1,2,3,6−へキサンテトロール、ペンタエリスリトールなどが使用できる。
合成エステルワックスは、上述のようにカルボン酸とアルコールとから得られるが、合成エステルワックス中に、原料アルコールが多量に残留している場合、すなわち遊離アルコールが多量に含まれる場合、トナー製造工程(混練工程)において、非晶性ポリエステル樹脂中に分散される結晶性ポリエステル樹脂の分散状態に影響を与え、結晶性ポリエステル樹脂がブリードアウトしやすくなる。この原因としては、結晶性ポリエステル樹脂と遊離アルコール(特に第一級アルコール)とのエステル交換反応により、結晶性ポリエステル樹脂の結晶構造が変化しているのではないかと推定される。
本発明のトナーによれば、合成エステルワックスの水酸基価が5mgKOH/g未満であるため、結晶性ポリエステル樹脂とのエステル交換反応を十分に抑えることができ、延いては結晶性ポリエステル樹脂のブリードアウトを抑えることができる。
合成エステルワックスを構成するエステル化合物は、ワックスの99質量%以上100質量%以下を占めることが好ましい。また、エステル化合物は、耐ブロッキング性の向上効果の観点から、エステル結合を一つ有するモノエステル化合物であることが好ましい。
本発明のトナーに用いる合成エステルワックスは、融点が70℃以上95℃以下であることが好ましい。
本発明のトナーにおいて、離型剤である合成エステルワックスは、非晶性ポリエステル樹脂中に分散しており、該合成エステルワックスの含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中1〜5質量%であることが好ましい。
なお、本発明のトナーにおいては、合成エステルワックス以外の離型剤を本発明の目的を害しない範囲内で用いてもよく、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
[着色剤]
着色剤としては、トナーに一般に用いられている公知の顔料や染料を使用できる。具体的には、以下の着色剤が使用できる。
黒トナー用着色剤としては、カーボンブラックやマグネタイト等が使用できる。
イエロートナー用着色剤としては、C.I.ピグメント・イエロー1、同3、同74、同97、同98等のアセト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー12、同13、同14、同17等のアセト酢酸アリールアミド系ジスアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー93、同155等の縮合モノアゾ系黄色顔料;C.I.ピグメント・イエロー180、同150、同185等のその他黄色顔料、C.I.ソルベント・イエロー19、同77、同79、C.I.ディスパース・イエロー164等の黄色染料等が使用できる。
マゼンタトナー用着色剤としては、C.I.ピグメント・レッド48、同49:1、同53:1、同57、同57:1、同81、同122、同5、同146、同184、同238、C.I.ピグメント・バイオレット19等の赤色又は紅色顔料;C.I.ソルベント・レッド49、同52、同58、同8等の赤色系染料等が使用できる。
シアントナー用着色剤としては、C.I.ピグメント・ブルー15:3、同15:4等の銅フタロシアニン及びその誘導体の青色系染顔料;C.I.ピグメント・グリーン7、同36(フタロシアニン・グリーン)等の緑色顔料等が使用できる。
本発明のトナーにおいて、着色剤の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中2〜10質量%であることが好ましい。
[帯電制御剤]
帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加される。本発明のトナーに使用できる帯電制御剤としては、正電荷制御用又は負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。正電荷制御用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料及びその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフォニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等を挙げることができる。負電荷制御用の帯電制御剤としては、クロムアゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルトアゾ錯体染料、サリチル酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、ナフトール酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、ベンジル酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、長鎖アルキル・カルボン酸塩、長鎖アルキル・スルフォン酸塩等を挙げることができる。本発明のトナーにおいて、帯電制御剤の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中0.5〜5質量%であることが好ましい。
[外添剤]
本発明のトナーに使用できる外添剤は、現像ローラ表面へトナー構成成分が融着する焼き付き現象を防止する観点から、疎水化処理された一次粒子径が75nm〜220nmの大粒径シリカ微粒子を少なくとも含むことが好ましい。なお、かかるシリカ微粒子の一次粒子径は、疎水化処理後のシリカ微粒子の平均一次粒子径を指す。
(大粒径シリカ微粒子)
本発明のトナーにおいて外添剤として使用できる大粒径シリカ微粒子は、その一次粒子径が75nm〜220nmである限り特に制限されるものではないが、ゾルゲル法で製造されたシリカ微粒子であることが好ましい。ゾルゲル法で製造されるシリカ微粒子は、粒度分布がシャープになることから、高い掻き取り効果を得ることができる。ゾルゲル法によるシリカ微粒子の製造方法としては、例えば、特開2013−249215号公報に記載される方法等が挙げられる。
(ゾルゲル法によるシリカ微粒子の製造方法)
ゾルゲル法によるシリカ微粒子の製造方法としては、例えば、アルカリ触媒を含むアルコール溶媒中に、テトラアルコキシシランとアルカリ触媒とを供給してシリカ微粒子を形成させた後、このシリカ微粒子の分散液から、溶媒を除去し、解砕する方法等が挙げられる。アルコール溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等が使用でき、必要に応じて水、ケトン等を加えた混合溶媒が使用できる。アルカリ触媒は、テトラアルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応を促進させるための触媒であり、例えば、アンモニア、尿素等が使用できる。テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の、下記一般式(1):
Si(OR14 ・・・(1)
(式中、Rは、互いに同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基である)に示されるケイ素アルコキシドが使用できる。溶媒除去方法としては、例えば、濾過、遠心分離、蒸留等が挙げられ、溶媒の除去後に、真空乾燥機等によりシリカ微粒子を乾燥させるのが好ましい。解砕方法としては、例えば、ジェットミル、振動ミル等の乾式粉砕装置を用いて行うことができる。
(疎水化処理)
疎水化処理方法としては、シリカ微粒子表面に疎水化剤を反応させる方法が使用できる。具体的には、撹拌部材及び温度計を備え、疎水化剤及び窒素ガス等の不活性ガスを導入する導入管が挿通された四つ口フラスコに、シリカ微粒子を入れ、120〜350℃に保つように撹拌しながら、疎水化剤と不活性ガスを導入し、所定時間(例えば2〜8時間)反応させることによってシリカ微粒子を疎水化することができる。疎水化剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン等のシランカップリング剤や、シリコーンオイル、シリコーンワニス等が使用でき、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。また、疎水化処理されたシリカ微粒子(以下、疎水性シリカ微粒子ともいう)は、疎水率が95%以上100%以下であることが好ましい。ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された疎水率が95%以上100%以下であるシリカ微粒子は、現像ローラに結晶性ポリエステル樹脂が付着していても、該結晶性ポリエステル樹脂に引っ付きにくいため、現像ローラ表面に固定され難くなる。更に、疎水化処理されたシリカ微粒子は、乾燥減量が0.8質量%以下であることが好ましい。
本発明のトナーにおいて、疎水化処理された一次粒子径が75nm〜220nmの大粒径シリカ微粒子の添加量は、特に限定されないが、トナー母粒子100質量部に対して0.5〜3質量部であるのが好ましい。
(その他の外添剤)
本発明のトナーに使用できる外添剤は、疎水化処理された一次粒子径が75nm〜220nmの大粒径シリカ微粒子以外の外添剤(以下、他の外添剤ともいう)を含んでもよい。例えば、トナーに流動性を付与する目的で、平均粒子径が7nm〜50nmの無機微粒子が使用できる。該無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒子や、該無機微粒子をシランカップリング剤、チタンカップリング剤又はシリコーンオイルにより表面処理(疎水化処理)したものが挙げられる。本発明のトナーにおいて、他の外添剤の添加量は、特に限定されないが、トナー母粒子100質量部に対して0.8〜2質量部であるのが好ましい。
本発明のトナーは、一成分現像剤として使用できるが、後述するように、本発明のトナーとキャリアの混合物を二成分現像剤として使用することもできる。
[トナー製造方法]
次に、本発明のトナーを製造する方法について説明する。本発明のトナーは、混練粉砕法や凝集法等の公知の方法によって製造できる。例えば、本発明のトナーを混練粉砕法によって製造する場合、まず、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、離型剤と、必要に応じて適宜選択される着色剤、帯電制御剤等の内添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機により混合し、得られる原料混合物を2軸混練機やオープンロール混練機等の溶融混練機により100〜180℃程度の温度で混練する。そして、得られる溶融混練物を冷却固化し、固化物をジェットミル等のエア式粉砕機により粉砕し、必要に応じて分級等の粒度調整を行うことにより、トナー母粒子を製造する。また、外添剤の添加方法としては、トナー母粒子と外添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機で混合する方法が一般的である。
[二成分現像剤]
以下に、本発明のトナーを二成分現像剤に利用する場合について説明する。上記二成分現像剤は、上述の本発明のトナーと、キャリアとを含むことを特徴とし、例えば、ナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)等の混合機を用いて、トナーとキャリアとを混合することによって製造できる。また、トナーとキャリアの配合比としては、例えば10:90〜5:95の質量比であることが好ましい。
[キャリア]
キャリアとしては、体積平均粒子径が20〜45μmの磁性体粒子を使用できる。キャリアの体積平均粒子径が20μm未満では、現像時に現像ローラから感光体にキャリアが移動することにより、得られる画像に白抜けが発生する場合がある。また、45μmを超えると、ドット再現性が悪くなり、画像が粗くなる。なお、本発明において、キャリアの体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置HELOS(SYMPATEC社製)に乾式分散装置RODOS(SYMPATEC社製)を用いて、分散圧3.0barの条件下で測定したときの値である。
キャリアの飽和磁化については、飽和磁化が低いほど感光体と接する磁気ブラシ(現像ローラ表面に形成される)が柔らかくなるので、静電潜像に忠実な画像が得られるが、飽和磁化が低すぎると、感光体表面にキャリアが付着し、白抜け現象が発生しやすくなる。一方、飽和磁化が高すぎると、磁気ブラシの剛直化により、静電潜像に忠実な画像が得られにくくなる。このため、キャリアの飽和磁化は、30〜100emu/gの範囲内にあるのが好ましい。
このようなキャリアとして、磁性を有するコア粒子表面に被覆層を設けた被覆キャリアが一般的によく使用される。コア粒子としては公知の磁性粒子が使用できるが、フェライト系粒子が好ましい。フェライト系粒子を用いると、飽和磁化の高いキャリアが得られ、感光体へのキャリア付着量を低減できる。フェライト系粒子としては公知のものを使用でき、例えば、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライト等が挙げられる。
これらのフェライト系粒子は、公知の方法で作製できる。例えば、FeやMg(OH)等のフェライト原料を混合し、この混合粉を加熱炉で加熱して仮焼する。得られた仮焼品を冷却した後、振動ミルでほぼ1μmの粒子となるように粉砕し、粉砕粉に分散剤と水を加えてスラリーを作製する。このスラリーを湿式ボールミルで湿式粉砕し、得られる懸濁液をスプレードライヤーで造粒乾燥することによって、フェライト粒子が得られる。
上記キャリアの被覆層を構成する被覆材としては、公知の樹脂材料が使用でき、例えば、アクリル樹脂やシリコーン樹脂等が挙げられる。特に、シリコーン樹脂で被覆した被覆キャリア、即ちシリコーン樹脂の被覆層を有する被覆キャリアが好ましい。シリコーン樹脂の被覆層を有する被覆キャリアを用いると、結晶性ポリエステル樹脂や離型剤等のトナー成分がキャリア表面に付着し難くなり、キャリア汚染を抑え、帯電安定性に優れる。
シリコーン樹脂としては公知のものが使用できる。また、シリコーン樹脂は、例えばワニスの形態等で市販されており、これらを好適に使用できる。具体例としては、シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR115、TSR114、TSR102、TSR103、YR3061、TSR110、TSR116、TSR117、TSR108、TSR109、TSR180、TSR181、TSR187、TSR144、TSR165、信越化学工業株式会社製:KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR267、KR269、KR211、KR212)、アルキッド変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR184、TSR185)、エポキシ変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR194、YS54)、ポリエステル樹脂変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR187)、アクリル変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR170、TSR171)、ウレタン変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR175)、反応性シリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製:KA1008、KBE1003、KBC1003、KBM303、KBM403、KBM503、KBM602、KBM603)等が挙げられる。
上記被覆材には、キャリアの体積抵抗率値を制御するため、導電材が添加されることが好ましい。導電材としては、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの導電材の中でも、作製安定性、コスト、電気抵抗の低さという観点からカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類は特に限定されないが、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が90〜170ml/100gの範囲にあるものが、作製安定性に優れる点で好ましい。また、一次粒子径として100nm以下のものが分散性に優れるため特に好ましい。これら導電材は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。導電材の添加量は、被覆材100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
被覆材でキャリア粒子を被覆するには、公知の方法が採用できる。例えば、被覆材の有機溶媒溶液中にキャリア粒子を浸漬させる浸漬法、被覆材の有機溶媒溶液をキャリア粒子に噴霧するスプレー法、キャリア粒子を流動エアにより浮遊させた状態で被覆材の有機溶媒溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア粒子と被覆材の有機溶媒溶液とを混合し、有機溶媒等の溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。ここで、上記被覆材の有機溶媒溶液は、導電材を含むことが好ましい。
[物性測定方法]
以下に、本発明に関する各物性値の測定方法について説明する。
{樹脂の分子量}
本発明において、ポリエステル樹脂の分子量〔ピークトップ分子量(Mp)及び数平均分子量(Mn)〕は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。また、分子量の測定には、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液として使用する。なお、ピークトップ分子量とは、GPCの測定により得られるクロマトグラムにおいて最大のピーク高さを示す分子量を指す。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25質量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
{樹脂の酸価及び水酸基価}
本発明において、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される値とする。なお、試料に架橋に伴う溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
{SP値}
本発明において、SP値は、Fedorsらが提案した「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」に記載される方法によって計算される。
{融点}
示差走査熱量計(例えば、セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、測定試料を200℃まで昇温してから、降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、昇温速度10℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を融点(Tmp)とする。
{軟化点}
フローテスター(商品名:CFT−100C、株式会社島津製作所製)を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点(Tm)とする。
{ガラス転移温度}
日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用いて、試料10mgを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定する。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
{トナーの体積平均粒子径}
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、トナー粒子20mg及びアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用いて、超音波周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザーII、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布からトナーの体積平均粒子径を求めた。
{ワックス中の水酸基価}
水酸基価は、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数と定義される値であり、JIS K 0070(1992)に準じて測定される。
具体的には試料Xg(約1g)をフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬(無水酢酸20mlにピリジンを加えて400mlにしたもの)20mlを正確に加える。フラスコの口に空気冷却管を装着し、95〜100℃のグリセリン浴にて加熱する。1時間30分後、冷却し、空気冷却管から精製水1mlを加え、無水酢酸を酢酸に分解する。
次に電位差滴定装置を用いて0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行い、得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。
更に空試験として、試料を入れないで滴定し、滴定曲線の変曲点を求める。
水酸基価は、次式によって算出する。
水酸基価={(B−C)×f×28.05/X}+D
式中、Bは空試験に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、Cは滴定に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Xは試料の質量(g)、Dは酸価、また、28.05は水酸化カリウムの1mol量56.11の1/2を表す。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(非晶性ポリエステル樹脂PA1の調製)
反応槽中に、テレフタル酸440g(2.7モル)、イソフタル酸235g(1.4モル)、アジピン酸7g(0.05モル)、エチレングリコール554g(8.9モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5gを入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸103g(0.54モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ、所定の軟化点で樹脂を取出した。回収されたエチレングリコールは219g(3.5モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを非晶性ポリエステル樹脂PA1とした。非晶性ポリエステル樹脂PA1は、Tgが63℃、Tmが115℃、Mpが4800、酸価が22mgKOH/g、水酸基価が35mgKOH/gであった。
(非晶性ポリエステル樹脂PA2の調製)
反応槽中に、テレフタル酸310g(1.9モル)、イソフタル酸465g(2.8モル)、アジピン酸36g(0.25モル)、エチレングリコール610g(9.8モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5gを入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸52g(0.27モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で樹脂を取出した。回収されたエチレングリコールは262g(4.2モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを非晶性ポリエステル樹脂PA2とした。非晶性ポリエステル樹脂PA2は、Tgが60℃、Tmが140℃、Mpが10500、酸価が10mgKOH/g、水酸基価が0mgKOH/gであった。
(結晶性ポリエステル樹脂PC1の調製)
反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール132g(1.12モル)、1、10−デカンジカルボン酸230g(1.0モル)、及び重合触媒としてテトラブトキシチタネート3gを入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2mgKOH/g以下になったところで樹脂を取出した。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを結晶性ポリエステル樹脂PC1とした。結晶性ポリエステル樹脂PC1は、Tmpが66℃、Tmが73℃(Tm/Tmp=1.1)、Mpが13500であった。
(結晶性ポリエステル樹脂PC2の調製)
反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール132g(1.12モル)、1、18−オクタデカンジカルボン酸343g(1.0モル)、及び重合触媒としてテトラブトキシチタネート3gを入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2mgKOH/g以下になったところで樹脂を取出した。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを結晶性ポリエステル樹脂PC2とした。結晶性ポリエステル樹脂PC2は、Tmpが68℃、Tmが95℃(Tm/Tmp=1.4)、Mpが20000であった。
[実施例1]
(トナーT1の調製)
非晶性ポリエステル樹脂PA1 80質量部
結晶性ポリエステル樹脂PC1 20質量部
合成エステルワックス(WEP−5、日油社製、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(テトラエステル化合物)、水酸基価1.5mgKOH/g) 5質量部
カーボンブラック(MA−100、三菱化学社製) 7質量部
帯電制御剤(ボントロンE84、オリエント化学社製) 1質量部
上記トナー原料をヘンシェルミキサ(FM20C、日本コークス社製)で5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をオープンロール型連続混練機(MOS320−1800、三井鉱山社製)で溶融混練した。
得られた溶融混練物を、冷却ベルトで冷却させた後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(IDS−2、日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕し、さらにエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ−LABO)を用いて分級して、体積平均粒子径6.5μmのトナー母粒子を得た。
次に、得られたトナー母粒子100質量部に、外添剤としてシランカップリング剤で疎水化処理された平均一次粒子径16nmのシリカ粒子(日本アエロジル(株)製R972)0.7質量部と、平均一次粒子径30〜40nmの酸化チタン1質量部(チタン工業(株)製ST550)とを撹拌羽根の先端速度を15m/秒に設定した気流混合機(三井鉱山社製、ヘンシェルミキサ)で2分間撹拌することによって、体積平均粒子径6.5μmの実施例1のトナーT1を作製した。
[実施例2〜実施例5及び比較例1〜比較例2]
(トナーT2〜T7の調製)
トナー原料の種類を表1に示されるものに代えた以外は、トナーT1の調製と同様の方法で、体積平均粒子径6.5μmの実施例2〜実施例5及び比較例1〜比較例2のトナーT2〜5及びT6〜7を調製した。
Figure 0006484050
WEP3:合成エステルワックス、日油社製、ベヘニルベヘネート(モノエステル化合物)、水酸基価2.5mgKOH/g
WEP7:合成エステルワックス、日油社製、ヘキサグリセリンオクタベヘネート(ポリマーエステル化合物)、水酸基価8.0mgKOH/g
カルナバワックス:水酸基価12.8mgKOH/g
(キャリアの調製)
フェライト粒子(体積平均粒径45μm)100質量部
トルエン 15質量部
シリコーン樹脂(数平均分子量:約15000)2質量部
カーボンブラック(一次粒径25nm、吸油量150ml/100g)0.15質量部
オクチル酸 0.1質量部
フェライト粒子を除く上記材料を10分間スターラで撹拌させ、分散した被覆用塗液を調製した後、この被覆用塗液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダに入れ、60℃で25分撹拌した後、更に加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることにより、体積平均粒子径が45μm、シリコーン樹脂の被覆率100%、体積抵抗率が2×1011Ω・cm、飽和磁化が65emu/gのキャリアを作製した。
(二成分現像剤D1の調製)
トナーT1(A)と上記キャリア(B)とを6:94の質量比(A:B)でナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)に投入し、20分間撹拌混合することによって、実施例1の二成分現像剤D1を作製した。
(二成分現像剤D2〜D7の調製)
トナーT1に代えてトナーT2〜T7を用いた以外は、二成分現像剤D1の調製と同様の方法で、実施例2〜実施例5及び比較例1〜比較例2の二成分現像剤D2〜5及びD6〜7を作製した。
(評価)
作製した実施例1〜実施例5並びに比較例1〜比較例2のトナーT1〜T5及びT6〜7並びに二成分現像剤D1〜5及びD6〜7について、下記に示す評価方法に従い、低温定着性、フィルミング現象及び耐ブロッキング性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(低温定着性の評価方法)
作製した上記二成分現像剤及びトナーを、カラー複合機(商品名:MX−2640、シャープ株式会社製)の現像装置及びトナーカートリッジにそれぞれ充填し、定着装置における定着ローラ温度を150℃±1℃に設定し、気温20℃、湿度60%の環境にて、定着強度測定用の画像サンプルを作成した。
定着強度測定用の画像サンプルは、一辺が3cmのベタ画像部(画像濃度ID=1.5)を含む原稿を、記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)上にコピーすることにより作成した。
画像サンプルのベタ画像部を内側にして折り曲げ、折り曲げた状態で折り曲げ線上に850gのローラを一定加圧で一往復転がし、折り曲げ部分においてトナー画像が剥離した剥離サンプルを作成した。
剥離サンプルを広げて剥離したトナーをエアーブラシで吹き払い、定着強度の指標として剥離幅(折り曲げ部分にできる白地の最大ライン幅)を測定した。
低温定着性の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。剥離幅が0.3mm未満。
△:やや不良。剥離幅が0.3mm以上0.5mm未満。
×:不良。剥離幅が0.5mm以上。
(フィルミング現象の評価方法)
作製した上記二成分現像剤及びトナーを、カラー複合機(商品名:MX−2640、シャープ株式会社製)の現像装置及びトナーカートリッジにそれぞれ充填し、現像ローラの軸方向における中央部と両端部の3点の位置に、一辺が1cmの正方形のベタ画像(ID=1.45〜1.50)が形成されるように、50000枚の連続プリントテストを行った。その後、A3用紙にベタ画像(ID1.6〜1.8)を出力し、目視で画像の判定を行った。
フィルミング現象の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。出力したベタ画像に荒れがない状態で、かつ、感光体表面にトナーの融着がない。
△:やや不良。出力したベタ画像に荒れがない状態であるが、感光体表面にトナーの融着がある。
×:不良。出力したベタ画像に荒れが確認でき、感光体表面にトナーの融着がある。
(耐ブロッキング性の評価方法)
作製した上記二成分現像剤及びトナーを、市販複写機(商品名:MX−5111FN、シャープ株式会社製)に充填し、画像が感光体上に現像されないように調整した状態で、20℃の恒温下で現像機のみを2時間連続運転し、二成分現像剤の偏り、及び凝集物の発生の有無を確認した。
耐ブロッキング性の評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好。二成分現像剤の偏りがない。
○:良好。二成分現像剤の偏りはややあるが、凝集物の発生はない。
×:不良。凝集物の発生がある。
Figure 0006484050

Claims (2)

  1. 非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、離型剤とを含むトナーにおいて、
    前記非晶性ポリエステル樹脂が、テレフタル酸及びイソフタル酸のうちの一方を主成分とし、さらに他方を含むジカルボン酸モノマーと、エチレングリコールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる非晶性ポリエステル樹脂であり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる結晶性ポリエステル樹脂であり、
    前記離型剤が、モノエステル化合物を含む水酸基価5mgKOH/g未満の合成エステルワックスであることを特徴とするトナー。
  2. 請求項1に記載のトナーと、キャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。
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