JP2017146538A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
トナー粒子と、個数粒度分布が2つのピークを持つ研磨剤粒子と、個数粒度分布が1つのピークを持つ脂肪酸金属塩粒子と、を有し、
研磨剤粒子の個数粒度分布の2つのピークのうち、小径側ピークの粒径をDaとし、大径側ピークの粒径をDbとし、脂肪酸金属塩粒子の個数粒度分布の1つのピークの粒径をDcとし、前記トナー粒子の体積平均粒径をDtとしたとき、下記式(1)〜式(3)の関係を満たす静電荷像現像用トナー。
・式(1): Da≦0.5×Dt
・式(2): Dc≦0.5×Dt
・式(3): Dt≦Db
前記研磨剤粒子の小径側ピークの粒径Daが、0.3μm以上4.0μm以下であり、
前記研磨剤粒子の大径側ピークの粒径Dbが、4.0μm以上20μm以下であり、
前記脂肪酸金属塩粒子のピークの粒径Dcが、0.1μm以上5.0μm以下であり、
前記トナー粒子の体積平均粒径をDtが、3.0μm以上10.0μm以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
前記トナー粒子の表面に、窪みを有する請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
前記脂肪酸金属塩粒子が表面に付着している前記トナー粒子の割合が、前記トナー粒子全体の30個数%以上90個数%以下であり、
かつ、前記トナー粒子の表面に付着している前記脂肪酸金属塩粒子のうち、前記トナー粒子の表面に強付着している前記脂肪酸金属塩粒子の割合が、50個数%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記トナー画像が表面に転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、
前記中間転写体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写工程と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写工程と、
前記中間転写体の表面をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項4に係る発明によれば、脂肪酸金属塩粒子が表面に付着しているトナー粒子の割合が30個数%未満、又はトナー粒子の表面に強付着している脂肪酸金属塩粒子の割合が50個数%未満である場合に比べ、中間転写体のクリーニング性が向上する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項8、又は9に係る発明によれば、トナー粒子、研磨剤粒子、及び脂肪酸金属塩粒子を有し、式(1)〜式(3)の少なくとも一つを満たさない静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、同じ画像密度の画像の出力を続けたときに生じる、画像部でのトナー飛散の発生と非画像部での筋状の画像欠陥の発生とを抑制する中間転写方式の画像形成装置、又は画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(単に「トナー」とも称す)は、トナー粒子と、個数粒度分布が2つのピークを持つ研磨剤粒子と、個数粒度分布が1つのピークを持つ脂肪酸金属塩粒子と、を有する。
そして、研磨剤粒子の個数粒度分布の2つのピークのうち、小径側ピークの粒径(以下「研磨剤粒子の小径側粒径」とも称する)をDaとし、大径側ピークの粒径(以下「研磨剤粒子の大径側粒径」とも称する)をDbとし、脂肪酸金属塩粒子の個数粒度分布の1つのピークの粒径(以下「脂肪酸金属塩粒子の粒径」とも称する)をDcとし、前記トナー粒子の体積平均粒径(以下「トナー粒子の粒径」とも称する)をDtとしたとき、下記式(1)〜式(3)の関係を満たす。
・式(1): Da≦0.5×Dt
・式(2): Dc≦0.5×Dt
・式(3): Dt≦Db
このトナーの飛散を抑制するためには、トナーに、脂肪酸金属塩粒子と共に、研磨剤粒子を含ませることが有効である。トナーに研磨剤粒子を含ませると、研磨剤粒子により中間転写体の表面に形成された脂肪酸金属塩の被膜が除去され、トナーの飛散は抑制される。
・式(1−2): Da≦0.3×Dt
・式(2−2): Dc≦0.4×Dt
・式(3−2): Dt≦0.7×Db
・研磨剤粒子の小径側粒径Da:0.3μm以上4.0μm以下(好ましくは0.3μm以上2.5μm以下)
・研磨剤粒子の大径側粒径Db: 4.0μm以上20μm以下(好ましくは5.0μm以上15μm以下)
・脂肪酸金属塩粒子の粒径Dc: 0.1μm以上5.0μm以下(好ましくは0.5μm以上3μm以下)
・トナー粒子の粒径Dt: 3.0μm以上10.0μm以下(好ましくは3.5μm以上7.0μm以下)
また、脂肪酸金属塩粒子の個数粒度分布が1つのピークを持つとは、脂肪酸金属塩粒子の個数基準の粒度分布において、最も頻度が高いピークを少なくとも有することが意味する。研磨剤粒子の個数粒度分布は、最も頻度が高いピークよりも頻度が小さい一つ又は複数の他のピークを有していてもよい。
そして、研磨剤粒子、及び脂肪酸金属塩粒子の各粒子(各ピークの粒径)は、ピーク頂点での粒径を示す。
測定対象となる粒子100個の円相当径を求める画像解析は、解析装置(ERA−8900:エリオニクス社製)を用いて、倍率10,000倍の二次元画像を撮影し、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、0.010000μm/pixel条件で投影面積を求め、式:円相当径=2√(投影面積/π)で円相当径を求める。
なお、脂肪酸金属塩粒子と研磨剤粒子と他の外添剤との区別は、次に示す方法により行う。トナーをヨウ化カリウムなど溶解させることにより比重1.5〜2.0に調整したを水溶液に界面活性剤を添加して撹拌することで分散させる。その後、分散液を24時間放置することで水溶液よりも比重の軽いトナーおよび脂肪酸金属塩粒子は、水溶液上部に分離し、水溶液よりも比重の重い研磨剤は水溶液の下部に沈殿する。上部に分離したトナー粒子および脂肪酸金属塩粒子を取り除き、室温(25℃)で乾燥させたサンプルをSEM観察しトナー粒子を除く0.1μm以上の粒子を脂肪酸金属塩粒子とする。また残った水溶液の50℃程度で加熱しすることで除去し、残った粒子を研磨剤粒子とする。これらの処理を経て、分離した粒子の上記観察手段によってDa、Db,Dcを求めることができる。
また、別途、研磨剤粒子、及び脂肪酸金属塩粒子を入手、又はトナーから採取する場合は、入手又は採取した研磨剤粒子、及び脂肪酸金属塩粒子を測定対象とし、上記測定を行う。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径Dt(=D50v)と定義する。
なお、トナーから測定する場合、例えば、トナーに対し水中で超音波処理(20kHz、10分)を施して表面に付着又は遊離している外添剤(研磨剤粒子、脂肪酸金属塩粒子、他の外添剤)を除去した上で、上記粒径測定を行う。
なお、脂肪酸金属塩付着トナー粒子の割合、及び脂肪酸金属塩粒子の強付着割合を各々上記範囲とする方法としては、その他、外添後のトナーに熱を掛けトナー粒子表面との外添剤の付着力を強くする方法等も挙げられる。
トナー10gを界面活性剤0.2質量%の水溶液40mlに分散させる。これをマグネチックスターラーと撹拌子を用いて500rpmで30秒間撹拌する。その後50mLの沈殿管付き遠心分離機にかけて10000rpmx2分の条件でトナーを分離して上澄み液を除去した後、室温(25℃)で24時間乾燥して第一前処理したトナーを得る。
測定対象となるトナーを100個、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察する。そして、トナー表面に脂肪酸金属塩が付着しているトナー割合を算出する。測定対象となる粒子100個のSEM観察は、ERA−8900:エリオニクス社製)を用いて行う。
第一前処理したトナーに対して、さらに、弱付着している脂肪酸金属塩粒子を除く、次の第二前処理を行う。トナー10gを界面活性剤0.2質量%の水溶液40mlに分散後に超音波ホモジナイザーUS300T(日本精機製作所製)を使用し、出力60W、周波数20kHzの超音波振動を1時間加えた。その後、50mLの沈殿管付き遠心分離機にかけて10000rpm×2分の条件でトナーを分離して上澄み液を除去した後、室温(25℃)で24時間乾燥して第二前処理したトナーを得る。
そして、第一前処理したトナーおよび第二前処理したトナーに対し蛍光X線測定を実施し、脂肪酸金属塩粒子に含まれる金属元素(亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バリウムなど)のNet強度を測定する。第二前処理したトナーのNet強度を第一前処理したトナーのNet強度で割って、100をかけた値(第二前処理したトナー/のNet強度/第一前処理したトナーのNet強度×100)を脂肪酸金属塩粒子の強付着割合とする。蛍光X線測定は、蛍光X線装置により測定されるが、本実施形態においては、(株)島津製作所の蛍光X線測定装置であるXRF1500を用いて測定する。
トナー粒子の表面には窪みを有すると、小径側研磨剤粒子、及び脂肪酸金属塩粒子は、トナー粒子の表面の窪みに入り込んだ状態となり易く、この状態によりトナー粒子と共にと共に中間転写体の表面に転写され、中間転写体クリーニング部の先端に到達し易くなる。このため、画像部でのトナー飛散の発生と非画像部での筋状の画像欠陥の発生とが抑制され易くなる。
測定対象となるトナー粒子100個を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察する。そして、画像解析によって、トナー粒子の収縮率により窪みを特定する。窪みのあるトナー粒子のSEM画像を2値化すると、窪みの両側に凸部が発生する。トナー粒子1個分の前記凸部を直線で結んだ長さを包絡周囲長とし、この包絡周囲長をトナー粒子1個分の実際の周囲長で割った値を1から引いた値に100かけた値を収縮率とし、窪みを特定する値とする。窪みがない場合は、収縮率は0となり、窪みが大きく、もしくは窪みの数が増えると収縮率は高くなる。測定対象となるトナー粒子100個の収縮率を求める画像解析は、解析装置(ERA−8900:エリオニクス社製)を用いて、倍率10,000倍の二次元画像を撮影し、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、0.010000μm/pixel条件で包絡周囲長と実際の周囲長から収縮率を求める。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、外添剤とをする。
トナー粒子は、結着樹脂を含む。トナー粒子は、必要に応じて、着色剤、離型剤、その他添加剤を含んでもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
外添剤は、研磨剤粒子、及び脂肪酸金属塩粒子を含む。外添剤は、他の外添剤を含んでもよい。つまり、トナー粒子は、研磨剤粒子、及び脂肪酸金属塩粒子のみ外添されていてもよいし、研磨剤粒子、及び脂肪酸金属塩粒子と他の外添剤とが外添されていてもよい。
研磨剤粒子としては、特に限定されないが、例えば、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、ジルコニア等の金属酸化物;炭化ケイ素等の炭化物;窒化ホウ素等の窒化物;ピロリン酸カルシウム粒子等のピロリン酸塩;炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸金属塩粒子;などの無機粒子が挙げられる。研磨剤粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、研磨剤粒子は、チタン酸金属塩の粒子が好ましく、研磨剤としての機能、入手性、コストの点から、チタン酸ストロンチウム粒子がより好ましい。
脂肪酸金属塩粒子は、脂肪酸と金属とからなる塩の粒子である。
脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の何れでもよい。脂肪酸の炭素数は、10以上25以下(好ましくは、12以上22以下)の脂肪酸が挙げられる。なお、脂肪酸の炭素数は、カルボキシ基の炭素を含む。
脂肪酸としては、例えば、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の不飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸;が挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、ステアリン酸、ラウリン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
金属としては、2価の金属がよい。金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛が挙げられる。これらの中でも、金属は、亜鉛が好ましい。
脂肪酸金属塩粒子として、ステアリン酸亜鉛粒子の製造方法を例に挙げると、例えば、ステアリン酸ナトリウムをカチオン置換する方法;ステアリン酸と水酸化亜鉛とを反応させる方法;などが挙げられる。
他の外添剤としては、例えば、個数平均粒径1μm以下(好ましくは500nm以下)の無機粒子(以下、「小径無機粒子」とも称する)が挙げられる。なお、小径無機粒子の個数平均粒径は、研磨剤粒子の個数平均粒径と同じ方法により測定される値である。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、小径無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、必要に応じて、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、トナー画像が表面に転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、中間転写体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
一方、中間転写ベルト20上に残留したトナーは、中間転写体クリーニング装置30のクリーニングブレード30−1で除去されて回収される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
(トナー粒子(1))
−ポリエステル樹脂分散液の調製−
・エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕 37部
・ネオペンチルグリコール〔和光純薬工業(株)製〕 65部
・1,9 ノナンジオール〔和光純薬工業(株)製〕 32部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕 96部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂Aを得た。
体積平均粒径160nm、固形分30%、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂粒子が分散された非晶性ポリエステル樹脂分散液を得た。
・シアン顔料〔PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕 10部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕 2部
・イオン交換水 80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液を得た。
・パラフィンワックス〔HNP 9、日本精鑞社製〕 50部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕 2部
・イオン交換水 200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
・ポリエステル樹脂粒子分散液 200部
・着色剤粒子水分散液 25部
・離型剤粒子分散液 30部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
・イオン交換水 100部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用い十分に混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら45℃まで加熱した。45℃で15分保持した後、ここに上記と同じポリエステル樹脂分散液を緩やかに70部追加した。
トナー粒子(1)の体積平均粒径Dt(=D50v)は、3.2μmであり、SF1は130、収縮率は18.4%であった。
フラスコ加熱温度を50℃に変更し、保持時間を60分に変更した以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にして、体積平均粒径Dt(=D50v)が9.6μmであり、SF1が132、収縮率が16.21であるトナー粒子(2)を作製した。
攪拌を継続しながら加熱し、保持する温度を95℃、6時間に変更した以外は、トナー粒子(1)と同様にして、体積平均粒径Dt(=D50v)が3.5μmであり、SF1が120、収縮率が4.5%である窪みのが少ないトナー粒子(3)を作製した。
(研磨剤粒子の作製)
−研磨剤粒子(A1)〜(A12)−
メタチタン酸スラリーに、酸化チタンと等モル量の塩化ストロンチウムを加えた後、炭酸ガスを1L/minの流量で酸化チタンの2倍のモル量吹き込むと同時にアンモニア水を添加した。この時のpH値は8であった。沈殿物を水洗した後、110℃で24時間乾燥後、800℃で焼結させて、機械粉砕し、分級することでチタン酸ストロンチウム粒子からなる研磨剤粒子(Ab1)を作製した。また、粉砕条件及び分級条件を調整することで、チタン酸ストロンチウム粒子からなる研磨剤粒子(A2)〜(A12)を作製した。得られた研磨剤粒子(A1)〜(A10)は、個数粒度分布が一つのピークを持ち、ピークの粒径は以下のとおりである。
・研磨剤粒子(A1):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径0.12μm)
・研磨剤粒子(A2):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径1.50μm)
・研磨剤粒子(A3):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径2.00μm)
・研磨剤粒子(A4):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径4.60μm)
・研磨剤粒子(A5):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径5.00μm)
・研磨剤粒子(A6):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径3.0μm)
・研磨剤粒子(A7):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径3.5μm)
・研磨剤粒子(A8):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径8.0μm)
・研磨剤粒子(A9):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径10.0μm)
・研磨剤粒子(A10):チタン酸ストロンチウム粒子(ピークの粒径18.0μm)
・研磨剤粒子(A11):酸化セリウム粒子(ピークの粒径0.2μm)
・研磨剤粒子(A12):酸化セリウム粒子(ピークの粒径4.0μm)
研磨剤粒子(A1)〜(A14)を用いて、表1に示す組合せ及び量で2種の研磨剤粒子(第一及び第二の研磨剤粒子)を混合し、研磨剤粒子(Ab1)〜(Ab12)を作製した。
(脂肪酸金属塩粒子(FM1)〜(FM5)の作製)
エタノール10000部にステアリン酸1422部を加え、液温75℃で混合した後、水酸化亜鉛507部を少しずつ加え、投入終了後から1時間攪拌混合した。その後、液温20℃まで冷却し、生成物を濾別してエタノール及び反応残渣を除いて、固形物を取り出した。加熱型真空乾燥器を用いて、取り出した固形物を150℃で3時間乾燥させた。乾燥器から固形物を取り出して放冷した後、ステアリン酸亜鉛の固形物を得た。
得られた固形物をジェットミルで粉砕した後、エルボージェット分級機(マツボー社製)で分級し、ステアリン酸亜鉛粒子からなる脂肪酸金属塩粒子(FM1)を得た。また、粉砕条件及び分級条件を調整することで、ステアリン酸亜鉛粒子からなる脂肪酸金属塩粒子(FM2)〜(FM5)を作製した。得られた脂肪酸金属塩粒子(FM1)〜(FM5)個数粒度分布が一つのピークを持ち、ピークの粒径は以下のとおりである。
・脂肪酸金属塩粒子(FM1):ステアリン酸亜鉛粒子(ピークの粒径0.6μm)
・脂肪酸金属塩粒子(FM2):ステアリン酸亜鉛粒子(ピークの粒径1.5μm)
・脂肪酸金属塩粒子(FM3):ステアリン酸亜鉛粒子(ピークの粒径2.0μm)
・脂肪酸金属塩粒子(FM4):ステアリン酸亜鉛粒子(ピークの粒径4.2μm)
・脂肪酸金属塩粒子(FM5):ステアリン酸亜鉛粒子(ピークの粒径5.5μm)
エタノール10000部にラウリン酸1001部を加えて、液温75℃で混合した後、水酸化亜鉛507部を少しづつ加え、投入終了後から1時間撹拌混合した。その後、液温20℃まで冷却し、生成物を濾別してエタノールおよび反応残渣を除き、とりだした生成固形物を加熱真空乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥させた。乾燥器から取り出し放冷後、ラウリン酸亜鉛の固形物を得た。得られたジェットミルで粉砕した後、エルボージェット分級機(マツボー社製)で分級し、個数粒度分布が1つのピークを持ち、ピークの粒径1.0μmラウリン酸亜鉛粒子からなる脂肪酸金属塩粒子(FM6)を得た。
トナー粒子(1)100部に対して、脂肪酸金属塩粒子(FM1)を0.3部添加し、ノビルター(ノビルタNOB130、ホソカワミクロン社製)を用いて、クリアランス2mm、回転数3000rpm、攪拌時間10分の条件で攪拌して、トナー粒子(1)に脂肪酸金属塩粒子(FM1)を外添した。
次に、脂肪酸金属塩粒子(FM1)を外添したトナー粒子(1)に対して、研磨剤粒子(Ab1)0.3部、及びシリカ粒子(アエロジル社製A200)2.0部を添加し、ヘンシェルミキサーにて2000rpmで3分間混合し、トナーを得た。
ニーダーにMn−Mgフェライト(体積平均粒径:50μm、パウダーテック社製、形状係数SF1:120)を1,000部投入し、パーフルオロオクチルメチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(重合比率:20/80、Tg:72℃、重量平均分子量:72,000、綜研化学(株)製〕1 50部をトルエン700部に溶かした溶液を加え、常温で20分混合した後、70℃に加熱して減圧乾燥した後、取り出し、コートキャリアを得た。さらに得たコートキャリアを75μm目開きのメッシュでふるい、粗粉を除去してキャリアを得た。キャリアの形状係数SF1は122であった。
表2に従って、脂肪酸金属塩粒子の種類及び添加量、ノビルターによる攪拌条件、研磨剤粒子の種類及び添加量、並びに、キャリアの種類を変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーと共に、現像剤を得た。
得られた現像剤のトナーについて、既述の方法に従って、脂肪酸金属塩付着トナー粒子の割合、及び脂肪酸金属塩粒子の強付着割合を測定した。
各例で得られた現像剤を用い、色筋(中間転体クリーニング部からのトナーすり抜けに起因する色筋A、中間転写体の摩耗に起因する色筋B)、及びトナー飛散について評価を行った。結果を表2に示す。
その後、現像剤を、画像形成装置「700 Digital Color Press(富士ゼロックス社製)」の現像装置に充填し、高温高湿(28.5℃、85%RH)環境下で、画像密度(エリアカバレッジ)1%の画像をA4紙に100,000枚を出力した。
出力された99,901枚から100,000枚までの100枚の画像について、中間転体クリーニング部からのトナーすり抜けに起因する色筋A、中間転写体の摩耗に起因する色筋Bの発生の有無を目視にて観察し、非画像部で、色筋が発生した枚数を数えた。
また、100枚の画像について、トナー飛散の発生の有無を目視にて観察し、画像部(画像部の周囲)で、トナー飛散が発生した枚数を数えた。
各評価基準は、以下の通りである。
G1:非画像部で、長さが0.5〜5mmの色筋発生なし、又は5枚未満
G2:非画像部で、長さが0.5〜5mmの色筋発生が5枚以上10枚未満
G3:非画像部で、長さが0.5〜5mm色筋色筋発生が10枚超え
G1:非画像部で、長さが10mm以上の色筋発生なし、又は5枚未満
G2:非画像部で、長さが10mm以上の色筋発生が5枚以上10枚以下
G3:非画像部で、長さが10mm以上の色筋色筋発生が10枚超え
G1:画像部で、トナー飛散の発生なし。
G2:画像部で、トナー飛散の発生が1枚以上10枚未満
G3:画像部で、トナー飛散の発生が10枚超え
また、本実施例では、中間転体クリーニング部からのトナーすり抜けに起因する色筋Aも良好な結果が得られていることもわかる。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (9)
- トナー粒子と、個数粒度分布が2つのピークを持つ研磨剤粒子と、個数粒度分布が1つのピークを持つ脂肪酸金属塩粒子と、を有し、
研磨剤粒子の個数粒度分布の2つのピークのうち、小径側ピークの粒径をDaとし、大径側ピークの粒径をDbとし、脂肪酸金属塩粒子の個数粒度分布の1つのピークの粒径をDcとし、前記トナー粒子の体積平均粒径をDtとしたとき、下記式(1)〜式(3)の関係を満たす静電荷像現像用トナー。
・式(1): Da≦0.5×Dt
・式(2): Dc≦0.5×Dt
・式(3): Dt≦Db - 前記研磨剤粒子の小径側ピークの粒径Daが、0.3μm以上4.0μm以下であり、
前記研磨剤粒子の大径側ピークの粒径Dbが、4.0μm以上20μm以下であり、
前記脂肪酸金属塩粒子のピークの粒径Dcが、0.1μm以上5.0μm以下であり、
前記トナー粒子の体積平均粒径をDtが、3.0μm以上10.0μm以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。 - 前記トナー粒子の表面に、窪みを有する請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記脂肪酸金属塩粒子が表面に付着している前記トナー粒子の割合が、前記トナー粒子全体の30個数%以上90個数%以下であり、
かつ、前記トナー粒子の表面に付着している前記脂肪酸金属塩粒子のうち、前記トナー粒子の表面に強付着している前記脂肪酸金属塩粒子の割合が、50個数%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記トナー画像が表面に転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、
前記中間転写体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写工程と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写工程と、
前記中間転写体の表面をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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