JP6265077B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
ガラス転移温度が55℃以上80℃以下である架橋樹脂粒子を表層部に含むトナー粒子と、
前記トナー粒子に外添されたシリカ粒子であって、体積平均粒径が30nm以上300nm以下であり、且つ前記トナー粒子に対する被覆率が50%以上80%以下であるシリカ粒子と、
前記トナー粒子に外添されたチタニア粒子であって、前記トナー粒子に対する被覆率が20%以上50%以下であるチタニア粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。
前記表層部において、前記架橋樹脂粒子と、前記架橋樹脂粒子以外の領域との体積比(前記架橋樹脂粒子/前記架橋樹脂粒子以外の領域)は、0.1以上0.5以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを少なくとも含む静電荷像現像剤。
請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、
除去したトナーを前記現像手段へ供給するトナー供給手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容した現像手段により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング工程と、
除去したトナーを、前記現像手段へ供給するトナー供給工程と、
を有する画像形成方法。
請求項2に係る発明によれば、表層部において、架橋樹脂粒子と、架橋樹脂粒子以外の領域との体積比(架橋樹脂粒子/架橋樹脂粒子以外の領域)が、0.1未満である場合に比べ、回収トナーの現像手段への供給経路内でのつまりが抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項1に係る発明によれば、チタニア粒子のトナー粒子に対する被覆率が、10%未満又は50%超えの場合に比べ、画像濃度の低下が抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
図3は、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの一例を示す概略断面図である。
架橋樹脂粒子は、ガラス転移温度(Tg)が55℃以上である。シリカ粒子は、体積平均粒径が30nm以上300nm以下であり、且つトナー粒子に対する被覆率が50%以上100%以下である。
特に、クリーニング手段により除去されたトナーを現像手段へ供給するリサイクル機構(トナーリクレーム方式)を採用する画像形成装置では、トナーに機械的負荷及び熱的負荷がかかると、回収トナーの現像手段への供給経路内でトナー粒子同士の熱的固着が起こりやすくなり、供給経路内でつまりが発生しやすくなる。
この理由は、定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
この結果、トナーに熱的負荷及び機械的負荷がかかった場合でも、トナー粒子同士の固着は抑制される。
また、本実施形態に係るトナーでは、トナー粒子の表層部に、上記架橋樹脂粒子を有すると共に、上述のごとく、特定の体積平均粒径、及び特定の被覆率を有するシリカ粒子を外添している。これにより、トナー本来の機能であるトナーの流動性は確保される。
さらに、トナー粒子は、表層部に架橋樹脂粒子といった粒状物を含み、架橋樹脂粒子以外の領域は通常のトナー粒子成分(例えば、結着樹脂)で構成されることから、定着性の阻害も抑えられる。
本実施形態に係るトナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成され、上記架橋樹脂粒子を表層部に有する。
架橋樹脂粒子は、架橋された樹脂を含む粒子である。架橋された樹脂としては、具体的に、例えば、ビニル系二重結合を有する重合性単量体を少なくとも1種又は複数種含む単量体を架橋剤と共に重合架橋させた架橋重合体;上記重合性単量体を少なくとも1種又は複数種含む単量体の重合体に対し、架橋剤により架橋反応を生じさせた架橋重合体;熱、触媒等により自己架橋する樹脂(以下、「自己架橋性樹脂」とも称する。)から得られる架橋重合体;が挙げられる。
ラジカル重合性のビニル基を含有する単量体としては、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂との親和性の観点から、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を用いることが好ましい。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルのいずれか、又は両方であることを意味する。
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
なお、これら単量体は、1種単独又は2種以上併用して用いてもよい。
また、これら単量体の重合には、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、特に制限はないが、例えば、チオール成分を有する化合物が挙げられる。
脂環族ポリカルボン酸としては、炭素数8以上10以下の脂環族ポリカルボン酸(例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等)が挙げられる。
オキシポリカルボン酸としては、炭素数3以上6以下のオキシ多価カルボン酸(例えば、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等)が挙げられる。
複素環式多価カルボン酸は、窒素、酸素および硫黄原子から選択された少なくとも一種のヘテロ原子を有する多価カルボン酸(例えば、ピリジンジカルボン酸、ピリジントリカルボン酸、ピリジンテトラカルボン酸、トロピン酸等)などが挙げられる。この複素環式多価カルボン酸中の多価カルボン酸としては、脂肪族、脂環族又は芳香族ポリカルボン酸(特に炭素数3以上10以下のポリカルボン酸)が好ましく用いられる。
ここで、多価カルボン酸としては、多価カルボン酸の塩又は部分塩も挙げられる。多価カルボン酸塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(カリウム塩、ナトリウム塩等)などの無機塩、第3級アミンなどの有機塩が含まれる。多価カルボン酸としては、マレイン酸又はその酸無水物(無水マレイン酸)が特によい。
窒素含有化合物としては、例えば、メトキシメチルメラミンなどのアルコキシメラミン、N−メチロールメラミン、N−メチロール尿素などのメチロール基含有化合物;アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナミン類;メラミン−ホルマリン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂;などが挙げられる。
アクリルアミド基を有する化合物としては、メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジメチロール−メチレン−ビスアクリルアミド、1,1−ビスアクリルアミド−エタンなどが挙げられる。
エポキシ基又はイソシアネート基を有する化合物、金属化合物については、上述したものが挙げられる。
エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。 メチロール基を有する単量体又はその誘導体としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
加水分解縮合性基を有する単量体としては、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルジアルコキシメチルシラン、ビニルアルコキシジメチルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ジビニルジアルコキシシラン、ジビニルジ(2−メトキシエトキシ)シラン等のビニルアルコキシシラン類;ビニルジアセトキシメチルシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニルアセトキシシラン類;ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等のビニルハロシラン類;アリルトリアルコキシシラン等のアリルアルコキシシラン類;アリルトリクロロシラン等のアリルハロシラン類;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリアルコキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジアルコキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジクロロシラン等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルコキシシラン類;等が挙げられる。
アジリジニル基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)エチル、(メタ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)プロピル等が挙げられる。これらの自己架橋性基を有する単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、スチレン系架橋重合体とは、少なくとも50質量%以上のスチレン系単量体を構成単位として含む架橋重合体をいう。スチレン−(メタ)アクリル系架橋重合体とは、少なくとも併せて50質量%以上のスチレン系単量体及び(メタ)アクリル系単量体を構成単位として含む架橋重合体をいう。他の系の架橋重合体についても同様の定義とする。
架橋樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、55℃以上、好ましくは55℃以上80℃以下、より好ましくは60℃以上65℃以下である。ガラス転移温度を55℃以上とすることで、画像形成装置内の昇温に対し、トナー粒子表面の粘弾性の低下が抑制され、トナー粒子同士の固着が抑制される。なお、ガラス転移温度は、トナー粒子表面の粘弾性の低下を抑制するためには高いほど好ましいが、トナーの定着性を確保する観点から、上限は65℃であることが好ましい。
架橋樹脂粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて−80℃から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行ったときのASTMD3418−82に規定された方法で測定する。
架橋樹脂粒子の体積平均粒径の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM:S−4800型日立株式会社製)によるトナー粒子断面の画像を画像解析することにより行う。
具体的には、まず、測定対象となるトナー粒子をエポキシ樹脂に包埋した後、エポキシ樹脂を固化する。この固化物をミクロトームによって厚さ100nmに切片化する。切片のトナー粒子断面を、上記走査型電子顕微鏡を用いて10視野で観察(10000倍)する。各視野で観察された100個の架橋樹脂粒子について、粒子ごとの最長径と最短径を測定し、その中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を架橋樹脂粒子の体積平均粒径とする。
なお、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合は、架橋樹脂粒子を識別しやすくする観点から、切片のトナー粒子断面をルテニウム染色することが好ましい。
架橋樹脂粒子の数平均分子量Mnは、5000以上40000以下が好ましく、5500以上35000nm以下がより好ましい。
架橋樹脂粒子の分子量分布Mw/Mnは2.0以上6.0以下が好ましく、2.5以上5.5nm以下がより好ましい。
なお、架橋樹脂粒子の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)などの単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
また、結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロールイド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。本実施形態に係るトナー粒子では、表層部がシェル層、表層部より内部が芯部(コア粒子)に相当し、両者でコア・シェル構造を形成している。
表層部において、架橋樹脂粒子と架橋樹脂粒子以外の領域との体積比(架橋樹脂粒子/架橋樹脂粒子以外の領域)は、0.1以上0.5以下が好ましく、0.15以上0.45以下がより好ましい。上記架橋樹脂粒子と架橋樹脂粒子以外の領域との体積比を0.1以上とすることで、外添剤のトナー粒子への埋没が抑制されやすくなる。一方、当該体積比を0.5以下とすることで、外添剤のトナー粒子への付着強度が高まり、外添剤の遊離によるトナーの流動性の低下が抑制されやすくなる。
具体的には、まず、測定対象となるトナー粒子をエポキシ樹脂に包埋した後、エポキシ樹脂を固化する。この固化物をミクロトームによって厚さ100nmに切片化する。切片のトナー粒子断面を、上記走査型電子顕微鏡を用いて10視野で観察(10000倍)し、各視野で観察された画像から、表層部における架橋樹脂粒子の存在位置を確認する。
なお、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合は、架橋樹脂粒子を識別しやすくする観点から、切片のトナー粒子断面をルテニウム染色することが好ましい。
そして、SEM画像のトナー粒子の断面において、染色された架橋樹脂粒子(そのドメイン)を観察し、トナー粒子全体の架橋樹脂粒子の面積と、架橋樹脂粒子以外の面積を求め、比を算出する。そして、この算出を10個のトナー粒子について行い、その平均値を架橋樹脂粒子の体積比とする。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
本実施形態に係るトナー粒子には、外添剤として、少なくともシリカ粒子と、必要に応じてその他の粒子が外添される。
シリカ粒子は、体積平均粒径が30nm以上300nm以下であり、50nm以上150nm以下が好ましく、50nm以上120nm以下がより好ましい。体積平均粒径を30nm以上300nm以下とすることで、トナー粒子への埋没が生じ難くなる。また、シリカ粒子の遊離が抑制され、トナーの流動性が向上する。
その他の粒子としては、チタニア粒子が好ましい。チタニア粒子の体積平均粒径は、8nm以上50nm以下が好ましく、10nm以上40nm以下がより好ましい。体積平均粒径を8nm以上50nm以下とすることで、チタニア粒子の分散性が向上する。
チタニア粒子としては、例えば、アナターゼ型チタニア、ルテル型チタニア、メタチタン酸が挙げられる。これらの中でも、トナーの帯電性を保持する観点から、メタチタン酸が好ましい。
チタニア粒子以外のその他の粒子としては、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
第1樹脂粒子(トナー粒子の芯部(コア粒子)を構成する結着樹脂用の第1樹脂粒子)が分散された第1樹脂粒子分散液を準備し、第1樹脂粒子を凝集して、第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集工程)と、
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液と、第2樹脂粒子(トナー粒子のシェル層を構成する結着樹脂用の第2樹脂粒子)が分散された第2樹脂粒子分散液と、架橋樹脂粒子(トナー粒子のシェル層に含まれる架橋樹脂粒子)が分散された架橋樹脂粒子分散液と、を混合し、第1凝集粒子の表面に第2樹脂粒子と架橋樹脂粒子とを付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集工程)と、
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、
を経て、トナー粒子を製造することがよい。
なお、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子は同一のものを用いてもよい。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
なお、第1樹脂粒子分散液は、2種以上の第1樹脂粒子を適用する場合、それぞれの樹脂粒子分散液を準備し、混合して一つの樹脂粒子分散液として準備してもよいし、それぞれの樹脂粒子分散液を着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液と混合する際に混合してもよい。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
また、第2樹脂粒子についても、同様である
そして、混合分散液中で、第1樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、第1樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む第1凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下の範囲内が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液と、第2樹脂粒子(トナー粒子のシェル層を構成する結着樹脂用の第2樹脂粒子)が分散された第2樹脂粒子分散液と、架橋樹脂粒子(トナー粒子のシェル層に含まれる架橋樹脂粒子)が分散された架橋樹脂粒子分散液と、を混合する。なお、第2樹脂粒子分散液と架橋樹脂粒子分散液とは予め混合し、これを第1凝集粒子分散液と混合してもよい。
そして、この混合分散液中で、第1凝集粒子の表面に第2樹脂粒子及び架橋樹脂粒子を付着するように凝集して、第1凝集粒子の表面に第2樹脂粒子及び架橋樹脂粒子が付着した第2凝集粒子を形成する。
そして、混合分散液のpHを、例えば6.5以上8.5以下程度の範囲にすることにより、凝集の進行を停止させる。
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して、例えば、第2樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば第2樹脂粒子のガラス転移温度より10℃から30℃高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤(以下、「現像剤」と称することがある)は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、除去したトナーを前記現像手段へ供給するトナー供給手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置300は、例えば、直方体の筐体200を有し、筐体200内の下方側には記録紙(記録媒体の一例)Pが集積された用紙入れ204が装填されており、用紙入れ204の装填位置に対応して、回転するアームの一端側に引出ロール92を備えている。アームの他端側にはアームの回転中心と同軸に配置されたロール94と、該ロールに対応して配置されたロール96が設けられている。
また画像形成装置300は、筐体200内の上方側に円筒状の像保持体としての感光体10を備えている。
従って、定着ロール100側から到来した記録紙Pはロール対106、108に挟まれ、ロール対106、108が連続して回転すれば、前記記録紙Pは用紙受け202に搬送される。
なお、図1では記録紙Pの搬送路を想像線で示している。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ400は、例えば、取り付けレール416及び露光のための開口部418が備えられた筐体417により、感光体407(像保持体の一例)と、感光体407の周囲に備えられた帯電ロール408(帯電手段の一例)、現像装置411(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置413(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
また、図2中、409は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、412は転写装置(転写手段の一例)、415は定着装置(定着手段の一例)、500は記録紙(記録媒体の一例)を示している。なお、図2では、感光体クリーニング装置413により除去されたトナーを、例えば、供給搬送路(トナー供給手段の一例)を通じて現像装置411へと供給して再利用するトナーリクレームの機構は省略している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ46の着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置40は、トナーカートリッジ46と、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 :114部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:84部
・テレフタル酸ジメチルエステル:75部
・ドデセニルコハク酸:19.5部
・トリメリット酸 :7.5部
・ポリエステル樹脂(1)(Mw:58,000):136部
・ジメチルアクリルアミド((株)興人製、分子量99):16部
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、製品名:イルガキュア184):8部
・酢酸エチル:233部
・水酸化ナトリウム水溶液(0.3N):0.1部
(架橋樹脂粒子分散液(1)の調製)
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・・79部
・アクリル酸n−ブチル・・・・・・・・・5.2部
・アクリル酸ジメチルアミノエチル・・・15.8部
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・1.8部
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・2.0部
・アジピン酸ジビニル・・・・・・・・・・1.0部
(以上、和光純薬工業(株)製)
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・・74部
・アクリル酸n−ブチル・・・・・・・・・6.3部
・アクリル酸ジメチルアミノエチル・・・15.8部
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・2.6部
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・2.7部
・アジピン酸ジビニル・・・・・・・・・・1.0部
(以上、和光純薬工業(株)製)
(シリカ粒子(1)の作製)
アエロジル法で得られたシリカ粒子にHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行い、乾燥、粉砕により、体積平均粒径120nm、BET比表面積25m2/g、比重1.4であるシリカ粒子(1)を得た。
なお、比表面積は、BET方式による窒素の比表面積値であり、BET方式の比表面積測定器(フローソープII2300、島津製作所社製)を用いて測定した。
シリカ粒子(1)の作製に準じて、体積平均粒径40nm、BET比表面積22m2/g、比重2.3であるシリカ粒子(2)、体積平均粒径280nm、BET比表面積23m2/g、比重2.3であるシリカ粒子(3)、体積平均粒径350nm、BET比表面積19m2/g、比重2.3であるシリカ粒子(4)、体積平均粒径20nm、BET比表面積51m2/g、比重2.4であるシリカ粒子(5)を得た。
イルメナイトを鉱石として用い、硫酸に溶解させ鉄粉を分離し、TiOSO4を加水分解してTiO(OH)2を生成させる湿式沈降法を用いてTiO(OH)2を製造した。なお、TiO(OH)2の製造の過程で、加水分解と核生成のための分散調整及び水洗を行った。得られたTiO(OH)2100部を、水1000ml中に分散し、これにイソブチルトリメトキシシラン40部を室温(25℃)で撹拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗を繰り返した。そして、得られた「イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理されたメタチタン酸粒子」を150℃で乾燥し、体積平均粒径40nm、BET比表面積120m2/g、比重4.2である疎水性メタチタン酸粒子(1)(チタニア粒子(1)とも称する)を作製した。
・ポリエチレンワックス(東洋アドレ(株)製、ポリワックス725、融点:100℃) 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) 0.5部
・イオン交換水:200部
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン) 1,000部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR) 15部
・イオン交換水 9,000部
(トナー粒子の作製)
・イオン交換水:290部
・ポリエステル樹脂分散液(1):115部
・着色剤分散液:25部
・離型剤分散液:50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、20質量%):2.8部
・ポリエステル樹脂分散液(1)62部
・架橋樹脂粒子分散液(1)30部
トナー粒子100部に対してシリカ粒子(1)1.5部とチタニア粒子(1)1.0部とを、サンプルミルを用いて10,000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナー(1)を作製した。得られたトナー(1)の体積平均粒径は6.5μmであった。
架橋樹脂粒子分散液(1)を架橋樹脂粒子分散液(2)に代えて、その添加量を15部とし、シリカ粒子(1)をシリカ粒子(2)に代えて、その添加量を0.5部としたこと以外は実施例1と同様にして、トナー(2)を作製した。
架橋樹脂粒子分散液(1)を架橋樹脂粒子分散液(2)に代えて、その添加量を15部とし、シリカ粒子(1)をシリカ粒子(3)に代えて、その添加量を1.5部としたこと以外は実施例1と同様にして、トナー(3)を作製した。
架橋樹脂粒子分散液(1)の添加量を6.0部としたこと以外は実施例1と同様にして、トナー(4)を作製した。
チタニア粒子(1)を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、トナー(5)を作製した。
シリカ粒子(1)の添加量を2.0部とし、チタニア粒子(1)の添加量を0.4部としたこと以外は実施例1と同様にして、トナー(6)を作製した。
ポリエステル樹脂分散液(1)と架橋樹脂粒子分散液(1)とを混合した分散液を追添加しないで、ポリエステル樹脂分散液(1)のみを追添加した以外は実施例1と同様にして、トナー(7)を作製した。
第1凝集粒子形成工程で用いるポリエステル樹脂分散液(1)に架橋樹脂粒子分散液(1)を混合して、第1凝集粒子を形成した以外は比較例1と同様にして、トナー(8)を作製した。
シリカ粒子(1)をシリカ粒子(4)に代えて、その添加量を2.0部としたこと以外は実施例1と同様にして、トナー(9)を作製した。
シリカ粒子(1)をシリカ粒子(5)に代えて、その添加量を1.0部とし、チタニア粒子(1)の添加量を1.5部としたこと以外は実施例1と同様にして、トナー(10)を作製した。
シリカ粒子(1)をシリカ粒子(2)に代えて、その添加量を1.0部としたこと以外は実施例1と同様にして、トナー(11)を作製した。
各例で得られたトナーを用いて、現像剤を作製した後、以下の評価を行った。結果を表1、2に示す。トナーの評価には、トナーリクレーム方式を採用する富士ゼロックス社製Docu CentreII 4000改造機(画像出力速度を45枚/分から50枚/分に変更)を用いた。評価は、40℃85%RH環境下にて実施した。
フェライト粒子(パウダーテック社製、平均粒径50μm)100部とメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、重量平均分子量95000)1.5部を、トルエン500部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温(25℃)で15分間攪拌混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温してトルエンを留去し、その後冷却し、105μmの篩を用いて分級して樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
この樹脂被覆フェライトキャリアと、各例で得られたトナーと、をそれぞれ混合し、トナー濃度が7質量%の現像剤(二成分系静電荷像現像剤)を作製した。
A4薄紙(ST紙)の連続両面画像出力(画像は全面ハーフトーン30%)を5,000枚実施し、クリーニング装置から現像装置までの供給搬送路(図1の供給搬送路74参照)内のトナーを回収し、106μmの目開きの網で篩分し、網上に残ったトナー粗粉量を以下の判断基準により評価した。
G1(◎):網上に残った粗粉量の、全体に対する重量比が2質量%以下
G2(○):網上に残った粗粉量の、全体に対する重量比が2質量%超え10質量%以下
G3(△):網上に残った粗粉量の、全体に対する重量比が10質量%超え30質量%以下
G4(×):網上に残った粗粉量の、全体に対する重量比が30質量%を超える
1辺が3cmの正方形の黒ベタ画像を紙面の左上、中央、右下に有する画像パターンをC2紙上に連続して1万枚出力テストを実施した。1万枚目の黒ベタ画像、現像器ブレードを観察し、以下の判断基準により評価した。
G1(◎):黒ベタ画像に白筋はなく、現像器ブレード(層厚規制部材)へのトナー固着も見られない
G2(○):現像器ブレードへのトナー固着が見られるものの、黒ベタ画像に白筋は発生していない
G3(△):現像器ブレードへのトナー固着が見られ、黒ベタ画像に白筋が発生しているがわずか
G4(×):黒ベタ画像全面に白筋がある
同様の画像を1万枚出力テストした後、感光体上の付着物の様子を目視で観察し、以下の判断基準により評価した。
G1(◎):感光体に付着物は確認されない
G2(○):感光体に付着物が確認されるがわずか
G3(△):感光体に筋状に成長した付着物が確認されるがわずか
G4(×):感光体ほぼ全域に付着物がある
また、実施例1〜3は、表層部に架橋樹脂粒子を含まない比較例1、2に比べて、粗粉量、現像器ブレードへのトナー固着がより低減されることがわかる。
さらに、実施例1は、表層部における架橋樹脂粒子の体積比が0.1未満である実施例4、及び外添剤としてシリカ粒子のみを外添した実施例5に比べて、粗粉量、現像器ブレードへのトナー固着がより低減されることがわかる。
また、本実施例は、感光体表面付着評価においても、良好な結果が得られた。
20 帯電ロール(帯電手段の一例)
30 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
40 現像装置(現像手段の一例)
46 トナーカートリッジ
52 転写ロール(転写手段の一例)
60 除電装置
70 クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
74 供給搬送路
100 定着ロール
104 カム
200 筐体
204 用紙入れ
220 記録紙反転部
300 画像形成装置
407 感光体(像保持体の一例)
408 帯電ロール(帯電手段の一例)
409 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
411 現像装置(現像手段の一例)
412 転写装置(転写手段の一例)
413 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
415 定着装置(定着手段の一例)
416 取り付けレール
417 筐体
418 露光のための開口部
400 プロセスカートリッジ
500 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
600 トナー
601 トナー粒子
602 架橋樹脂粒子
603 表層部
604 シリカ粒子
Claims (7)
- ガラス転移温度が55℃以上80℃以下である架橋樹脂粒子を表層部に含むトナー粒子と、
前記トナー粒子に外添されたシリカ粒子であって、体積平均粒径が30nm以上300nm以下であり、且つ前記トナー粒子に対する被覆率が50%以上80%以下であるシリカ粒子と、
前記トナー粒子に外添されたチタニア粒子であって、前記トナー粒子に対する被覆率が20%以上50%以下であるチタニア粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。 - 前記表層部において、前記架橋樹脂粒子と、前記架橋樹脂粒子以外の領域との体積比(前記架橋樹脂粒子/前記架橋樹脂粒子以外の領域)は、0.1以上0.5以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを少なくとも含む静電荷像現像剤。
- 請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、
除去したトナーを前記現像手段へ供給するトナー供給手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容した現像手段により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング工程と、
除去したトナーを、前記現像手段へ供給するトナー供給工程と、
を有する画像形成方法。
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