JP4057187B2 - 電子写真用トナー、二成分系現像剤、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナー及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やレーザービームプリンタ等において画像を形成しうる場合、一般にカールソン法が用いられている。従来の画像形成方法は、光学的手段によって感光体上に形成された静電潜像は現像工程で現像された後、転写工程で記録紙等の記録媒体に転写され、次に定着工程で一般に熱と圧力で記録紙等の記録媒体に定着される。そして、上記感光体は繰り返し使用されるため、転写後に感光体上に残る残存トナーを取り除くためにクリーニング装置が設置されている。
【0003】
この静電潜像の現像に用いられる現像方式は、トナーだけを用いる一成分現像法、トナー及びキャリアを用いる二成分現像法があるが、二成分現像法の二成分現像剤では、トナーとキャリアとを撹拌することによってトナーを摩擦帯電せしめるので、キャリアの特性、撹拌条件を選定することによって、トナーの摩擦帯電量を相当程度制御できるので、画像品質の信頼性が高く優れている。
【0004】
また、トナー像を定着する方式としては、加熱ローラーや加熱フィルムによる加熱定着方式があるが、加熱ローラー方式は、熱効率が良く、高速定着が可能であることから広く用いられている。
ところが、加熱定着方式は、加熱ローラーの表面と溶融状態のトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像の一部が加熱ローラーに付着し、付着したトナーが再転写されて複写画像を汚染する、所謂オフセット現象を発生せしめることがある。
この現象を防止することを目的に、加熱ローラーの表面をトナーに対する離型性に優れたシリコンゴムやフッ素樹脂で形成し、更にその表面にシリコーンオイル等の離型性液体を供給する方法がとられている。この方法は、トナーのオフセット現象を防止する点では極めて有効であるが、前記離型性液体を供給するための装置が必要となる。これは、装置の小型化、軽量化の妨げとなるだけでなく、前記離型性液体が加熱されて蒸発し不快臭を与えたり、機内の汚染を生じることがある。
【0005】
このような前記離型性液体による問題を改善するために、トナーの粘度を限定する方法(特開平1−133065公報、特開平2−161466公報、特開平2−100059公報、特開平3−229265号公報)、トナーに離型性のある樹脂等のワックスを含有させる方法(特公昭52―3304号公報)、ワックスの溶融粘度を限定する方法(特開平3−260659公報、特開平3−122660号公報)、ワックスドメインの径とワックスのトナー表面での存在率とを限定する方法(特開平7−84398公報)、ワックスドメイン形状を限定する方法(特開平6−161145公報)等が提案されている。
【0006】
また、加熱フィルムによる加熱定着方式については、より安定な定着性、省エネルギーの観点からさまざまな提案がなされている。例えば、オフセット現象をより抑制することを目的に、トナーの構成成分である結着樹脂、離型剤の粘度を限定する方法(特開平3−122661号公報)が提案されている。このように定着性に対するさまざまな提案がなされている。
しかしながら、トナーの粉体特性(特に保存性)と離型用オイルを実質的に用いない定着特性との両立を十分に満足したものは、未だ得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、保存安定性等の粉体特性に優れ、かつ、耐オフセット性の良好な電子写真用トナー、二成分系現像剤、及びそれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1> 少なくとも、結着樹脂、着色剤、ワックス及び共重合石油樹脂を含有する電子写真用トナーにおいて、前記ワックスの、示差走査熱量計により測定される吸熱開始温度が40〜120℃であり、溶融温度が80〜120℃であり、120℃における溶融粘度が1〜200センチポアズであり、かつ、該電子写真用トナーの、下記式(1)で表される形状係数SF−1が130〜160であり、下記式(2)で表される形状係数SF−2が110〜140であり、比表面積が1.9〜4.0であり、体積平均粒径が3〜10μmであり、前記共重合石油樹脂が、炭素数が9以上の芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られ、炭素数が9以上の芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーの重量比が98:2〜90:10であることを特徴とする電子写真用トナーである。
【0009】
【数2】
【0010】
(但し、Rは、トナー粒子径の最大長を表し、Sは、トナー粒子の投影面積を表し、Tは、トナー粒子の投影像の周囲長を表す。)
<2> 前記<1>に記載の電子写真用トナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分系現像剤である。
<3> 潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を定着する定着工程とを含む画像形成方法において、前記トナーが前記<1>に記載の電子写真用トナーであり、かつ、前記定着工程が実質的に離型用オイルを介さずに定着することを特徴とする画像形成方法である。
【0011】
更に、前記課題を解決するための手段は、以下の態様が好ましい。
<4> スチレン系モノマーとインデン系モノマーとの共重合樹脂を含有する前記<1>に記載の電子写真用トナーが好ましい。
<5> 前記スチレン系モノマーと前記インデン系モノマーとのモル比が40:60〜80:20であり、前記共重合樹脂の軟化点Tmが100〜170℃である前記<4>に記載の電子写真用トナーが好ましい。
<6> 前記結着樹脂がポリエステル樹脂である前記<1>、<4>、<5>のいずれかに記載の電子写真用トナーが好ましい。
<7> 潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を定着する定着工程とを含む画像形成方法において、前記トナーが前記<4>から<6>のいずれかに記載の電子写真用トナーであり、かつ、前記定着工程が実質的に離型用オイルを介さずに定着することを特徴とする画像形成方法が好ましい。
【0012】
本発明の電子写真用トナーによれば、粉体として複写機内で扱われるとき、その流動性に問題がなく、また40℃から50℃程度に複写機内温度が上昇しても、トナーが凝集することはない。
これは、本発明に用いられるワックスが、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で吸熱開始温度が40〜120℃であるため、トナー表面のワックス露出部分が溶融し難くいことが挙げられる。よって、たとえ外添剤が攪拌等のストレスでトナー内に埋没しても、トナーが凝集し難くなる。一方、トナーが熱及び/又は圧力により被転写材に定着されるとき、トナー中から十分にワックスが溶出され、トナー層の最上層にワックス層が形成され、優れた耐オフセット性を発揮する。
【0013】
これはつぎのように考えられる。トナー中に添加されるワックスは、少なくともトナー粒径よりも小さなドメインを形成してトナー中に分散している。定着時に、ワックスはトナーから溶出して、定着ロールとトナーとの界面に存在することで機能を発揮する。しかし、トナー中に分散するワックスの総てが溶出することはできず、トナー表面に存在するか、又は、明らかに表面ごく近傍に存在するワックスだけが溶出し、定着に寄与することができる。理想的には、ワックスの分散をトナー表面近傍に偏在させることがよい。
【0014】
本発明では、比較的トナー形状を不定形にすることにより、トナー表面に占めるワックスの露出面積比を上げなくても、全体としてワックスの露出面積を大きくとることができる。これにより、トナー中から十分にワックスが溶出される。また、ワックスの溶融粘度が十分低いので、速やかにトナーから流れ出すことができると考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子写真用トナーについて、詳細に説明する。
[電子写真用トナー]
(トナーの形状係数)
本発明の電子写真用トナーは、下記式(1)で表される形状係数SF−1が130〜160であり、下記式(2)で表される形状係数SF−2が110〜140である。
【0016】
【数3】
【0017】
但し、Rは、トナー粒子径の最大長を表し、Sは、トナー粒子の投影面積を表し、Tは、トナー粒子の投影像の周囲長を表す。
【0018】
トナーの形状係数は、トナーの形状等の形態を表現する係数として使用され、光学顕微鏡等がとらえた画像の面積、長さ、形状等を高精度に定量解析することができる、画像解析という統計的手法に基づくものであり、イメージアナライザー(ルーゼックス5000、日本レギュレータ社製)により測定することができる。
【0019】
前記式(1)から明らかなように、形状係数SF−1は、トナー粒子の径の最大長を2乗した値を、トナー粒子の投影面積で割った値にπ/4を掛け、更に100倍して得られる数値であり、トナー粒子の形状が球に近いほど100に近い値となり、トナー粒子の形状が細長いほど100より大きな値となる。即ち、トナー粒子の最大径と最小径との差、つまり、歪みを表す。
一方、前記式(2)から明らかなように、形状係数SF−2は、トナー粒子の投影像の周囲長を2乗した値を、トナー粒子の投影面積で割った値に1/4πを掛け、更に100倍して得られる数値であり、トナー粒子の形状が球に近いほど100に近い値となり、周囲の形状が複雑なものほど100より大きな値となる。即ち、トナー表面積(凹凸性)を表現するものである。完全球形であればSF−1=SF−2=100である。
【0020】
ワックスのトナー表面の露出面積は、大きければ大きい程、定着性はよくなるが、トナーが不定形になることで、これは達成される。逆に球形に近い程、つまり形状係数SF−1が130より小さいと、また形状係数SF−2が110より小さいと、ワックスのトナー表面の露出面積が小さく、オフセットの発生を伴わずに定着することができる定着温度の幅が狭くなる。しかし、余りに不定形になりすぎると、例えば、形状係数SF−1が160より大きいと、また形状係数SF−2が140より大きいと、定着性に問題はないものの、現像スリーブ上の現像剤層ムラが発生して画像ムラになり、低品位な画像となってしまう。
形状係数SF−1は、140〜160が好ましい。また、形状係数SF−2は、120〜140が好ましい。
【0021】
本発明の電子写真用トナーの体積平均粒径は、3〜10μmであり、3〜8μmが好ましい。該トナーの体積平均粒径は、より鮮明な画像を作製するために、小さい方がよい。該トナーの体積平均粒径が10μmより大きいと、高品位な画像が得られなくなる。一方、該トナーの体積平均粒径が3μmより小さいと、静電的付着力が重力に比べて大きくなり、粉体としてハンドリングするのが困難になる。
【0022】
(比表面積)
本発明の電子写真用トナーは、比表面積が1.9〜4.0であり、好ましくは1.9〜3.0である。本発明における比表面積とは、BET表面積をいう。
トナー表面積を大きくすることにより、トナー表面に占めるワックスの露出面積比を上げなくても、全体としてワックスの露出面積を大きくとることができる。これにより、トナー中から十分にワックスが溶出される。また、ワックスの溶融粘度が十分低いので、速やかにトナーから流れ出すことができると考えられる。
【0023】
比表面積(BET表面積)が1.9より小さいと、ワックスの溶出量が少なく、オフセットの発生を伴わずに定着することができる定着温度の幅が狭くなる。一方、比表面積(BET表面積)が4.0より大きいと、トナー表面の小さな凹凸が多く、トナー表面に添加する無機微粉末が非常に多く必要になる。この無機微粉末は、トナーの保存性、搬送性、現像性、転写性の改善に必須のものであるが、多すぎると、現像剤としての帯電維持性、定着画像の発色性が低下してしまう。
BET表面積は、比表面積・細孔分布測定装置(コールターSA3100型、コールター社製)により測定することができる。
【0024】
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
【0025】
(ワックス)
前記ワックスは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で吸熱開始温度が40〜120℃であり、好ましくは45〜100℃である。
該吸熱開始温度が40℃より低いと、複写機内やトナーボトル内でトナーの凝集が発生してしまう。一方、該吸熱開始温度が120℃より高いと、定着時にワックスが十分に溶融し難く、オフセットが発生し易くなり、非オフセット領域が狭くなる。
前記吸熱開始温度は、ワックスを構成する分子量分布のうち、低分子量のものやその構造のもつ極性基の種類、量で左右される。一般に高分子量化すれば融点とともに吸熱開始温度も上昇するが、このやり方ではワックス本来の低溶融温度と、低粘度を損なってしまう。よって、ワックスの分子量分布のうち、これら低分子量のものだけを選別して除くことが有効であるが、この方法として、分子蒸留、溶剤分別、ガスクロマトグラフ分別等の方法がある。
【0026】
前記ワックスは、その溶融温度が80〜120℃であり、好ましくは、80〜110℃である。前記ワックスの溶融温度が、80℃未満ではワックスの変化温度が低すぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、複写機内の温度が高まった時に現像性が悪化する。一方、該溶融温度が、120℃を超える場合には、ワックスの変化温度が高すぎ、高温での定着を行えばいいが、省エネルギーの観点で望ましくない。
【0027】
前記ワックスは、120℃における溶融粘度が1〜200センチポアズであり、好ましくは、1〜100センチポアズである。
該溶融粘度が200センチポアズより高いと、トナーからの溶出が弱く、定着剥離性が不十分となる。
【0028】
前記ワックスのトナーに対する添加量は、1〜15重量%が好ましく、3〜8重量%がより好ましい。該添加量が1重量%より少ないと、十分な定着ラチチュード(トナーのオフセットを伴わずに定着することができる定着ロールの温度範囲)が得られないことがあり、一方、該添加量が10重量%より多いと、トナーから脱離して遊離するワックス量が増え、トナーの粉体流動性が悪化し、また、静電潜像を形成する感光体の表面に遊離ワックスが付着して、静電潜像が正確に形成できないことがある。また、ワックスは結着樹脂と比較して透明性が劣るため、OHP等の画像の透明性が低下し、黒ずんだ投影像となることがある。
【0029】
本発明に用いられるワックスとしては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等が挙げられる。誘導体とは、酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス等も利用できる。また、ビニル系重合体用のワックスとしては、アルコール、脂肪酸、酸アミド等が挙げられる。
【0030】
(結着樹脂)
前記結着樹脂としては、例えば、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。
【0031】
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類が挙げられる。これらの中でも、特にポリエステルが好ましく挙げられる。例えば、ビスフェノールAと多価芳香族カルボン酸とを主単量体成分とした重縮合物よりなる線状ポリエステル樹脂が好ましく挙げられる。
【0032】
本発明に使用されるポリエステル樹脂は、ポリオール成分とポリカルボン酸成分とから重縮合により合成される。
前記ポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0033】
前記ポリカルボン酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパンテトラメチレンカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
【0034】
また、軟化点が90〜150℃、ガラス転移点が55〜75℃、数平均分子量が3000〜8000、重量平均分子量が8000〜150000、酸価が5〜30、水酸基価が5〜40である樹脂が、特に好ましく使用できる。
【0035】
(着色剤)
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が代表的なものとして挙げられる。
【0036】
(その他の成分)
前記その他の成分として、スチレン系モノマーとインデン系モノマーとの共重合樹脂や、脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂がトナーに含有されることが好ましい。
これらの樹脂をトナーに含有させることにより、例えば、混練、粉砕、分級により作製されるトナーでは、トナーが粉砕され易くなり、トナーの形状係数を大きくすることができる。
【0037】
<スチレン−インデン共重合樹脂>
結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用する場合は、結着樹脂とともに、スチレン系モノマーとインデン系モノマーとの共重合樹脂をトナーに含有させると、トナー組成物の保存安定性がより向上するため好ましい。前記共重合樹脂は、低分子量(低溶融粘度)で高い軟化点を有し、更に、各種樹脂、エラストマー、ワックスとの相溶解性のバランスが良いという特徴を有している。前記共重合樹脂を結着樹脂と溶融ブレンドすることにより、トナー組成物の熱保存性を向上させることができるとともに、トナーの粉砕性が高くなり、トナーの生産性を向上させることができる点でも好ましい。更に、トナーの帯電特性にも、大きく影響を与えない点でも好ましい。
【0038】
中でも、下記一般式(I)で表されるスチレン系モノマーと、下記一般式(II)で表されるインデン系モノマーとの共重合樹脂が好ましい。
【0039】
【化1】
【0040】
前記一般式(I)中、R1、R2、R3、及びR4は、同一でも異なってもよく、水素原子、又は炭素数4以下のアルキル基を表す。炭素数4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。前記一般式(I)で表されるスチレン系モノマーの具体例としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロピルトルエン等が挙げられる。中でも、イソプロピルトルエンが好ましい。
【0041】
前記一般式(II)中、R5、R6、及びR7は、同一でも異なってもよく、水素原子、又は炭素数6以下のアルキル基を表す。炭素数6以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。前記一般式(II)で表されるインデン系モノマーの具体例としては、インデン、メチルインデン、エチルインデン等が挙げられる。中でも、インデンが好ましい。
【0042】
前記スチレン系モノマーと前記インデン系モノマーとのモル比は、40:60〜80:20であるのが好ましい。
尚、純度の高いモノマーを使用すると、着色や、製造工程において、加熱時に臭気が発生するのを抑制することができるのでより好ましい。
前記共重合樹脂の製法については、特開平6−184249号公報に詳しく記載されている。
【0043】
前記共重合樹脂は、トナー中に、結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部含有させるのが好ましく、3〜15重量部含有させるのがより好ましい。該含有量が1重量部未満であると、トナーの保存安定性が低下し易くなることがあり、20重量部を超えると、カラー画像の透明性を低下させることがある。
【0044】
前記共重合樹脂の環球式軟化点は、100〜170℃であるのが好ましい。該軟化点が100℃未満だと画像欠損が低下することがあり、170℃を超えると、低温定着性を悪化させることがある。
【0045】
<共重合石油樹脂>
前記脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂(以下、単に「共重合石油樹脂」と称する。)とは、石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレン等を製造するエチレンプラントから副生する分解油留分に含まれるジオレフィン及びモノオレフィンを原料として合成されたものであり、イソプレン、ピペリレン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテンから選ばれる少なくも1種以上の脂肪族炭化水素モノマーと、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、イソプロペニルトルエンから選ばれる少なくも1種以上の芳香族炭化水素モノマーとを共重合させたものが好ましい。
【0046】
前記芳香族炭化水素モノマーとしては、モノマー純度の高いピュアモノマーを使用すると、樹脂の着色や、加熱時の臭気を低く押さえることができるのでより好ましい。前記芳香族炭化水素モノマーの純度としては95%以上が好ましく、98%以上がより好ましい。前記芳香族炭化水素モノマーは、炭素数が9以上のモノマーからなることが好ましく、このモノマーと脂肪族炭化水素モノマーとから得られる共重合石油樹脂の場合には、炭素数が9未満の芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーとから得られる共重合石油樹脂に比べて結着樹脂、例えば、ポリエステル樹脂との相溶性がより高くなる。
【0047】
更に、トナーの粉砕性や熱保存性を満足する前記共重合石油樹脂の構成としては、芳香族炭化水素モノマー量が多い方が好ましい。但し、芳香族炭化水素モノマーが多すぎると、ワックスの分散性が悪くなり、一方、脂肪族炭化水素モノマーが多すぎると、熱保存性等が低下するので、芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーとの重量比は、98:2〜90:10である。
【0048】
<添加剤>
本発明では、トナーに、内部添加剤として定着性を向上させるワックス等の定着助剤、帯電を調整する帯電制御剤を添加することができる。
更に、トナーの長期保存性、流動性、現像性、転写性をより向上させるために、トナー表面に、無機粉、樹脂粉を単独又は併用して添加してもよい。無機粉としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、樹脂粉としては、PMMA、ナイロン、メラミン、ベンゾグアナミン、フッ素系等の球状粒子、塩化ビニリデン、脂肪酸金属塩等の不定形粉末が挙げられる。無機粉又は樹脂粉を、トナー表面に添加する場合、それぞれの添加量は、トナーに対して0.5〜4重量%が好ましく、0.5〜3重量%がより好ましい。
【0049】
(トナーの製造方法)
本発明の電子写真用トナーにおいて、前記内部添加剤をトナー粒子の内部に添加するには混練処理が行われる。この時の混練としては、各種の加熱混練機を用いて行うことができる。該加熱混練機としては、三本ロール型、一軸スクリュー型、二軸スクリュー型、バンバリーミキサー型が挙げられる。
【0050】
トナーの形状係数が特定値に制御された本発明の電子写真用トナーの製造法は任意である。その製造工程で、形状係数を制御するためには、混練物の、衝突板式、ジェット式といった粉砕方式の選択が挙げられる。衝突板式のように何らかの対象物にトナーを衝突させるものは表面粉砕型といわれるが、例えば、マイクロナイザー、ウルマックス、Jet−o−マイザーがある。また、トナー同士を衝突させるものは体積粉砕型といわれるが、KTM(クリプトン)、ターボミル等がある。更に体積粉砕型に衝突板を設けて両者の特性を併せ持つ体積/表面粉砕型は、I式Jet−Millがある。
【0051】
一般に体積粉砕型では粉砕物は不定形になり易く、それに比べて表面粉砕型では丸くなり易い。また、分級回数によっても、形状が変化する。分級回数が多い程、丸くなり易い。更には、その後工程としてハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を加えることで形状を変化させることができ、熱風による球形化も上げることができる。
【0052】
[二成分系現像剤]
本発明の電子写真用トナーは、一成分現像方式、二成分現像方式のどちらで用いてもよいが、樹脂被覆キャリアと組み合わせた二成分現像方式で用いるのが好ましい。キャリアとして樹脂被膜キャリアを使用することにより、トナーの小粒径化による帯電の立ち上がりや帯電分布の悪化、及び帯電量の低下からくる地汚れや濃度ムラを改善することができる。
【0053】
キャリアは、公知のキャリアであれば特に制限されるものでなく、鉄粉系キャリア、フェライト系キャリア、表面コートフェライトキャリア等が使用できる。また、それぞれの表面添加粉末は所望の表面処理を施して用いてもよい。
【0054】
[画像形成方法]
以上の如き構成の本発明の電子写真用トナーは、従来公知の画像形成方法、即ち、潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を定着する定着工程とを含む画像形成方法に、好適に用いることができる。
本発明の電子写真用トナーを用いた本発明の画像形成方法は、定着工程において実質的に離型用オイルを介さずに定着するため、離型用オイルの使用に伴う問題を回避でき、耐オフセット性の良好な画像形成方法を提供することができる。
【0055】
定着工程で使用される定着ロールの表面は、トナーを付着させない目的で、トナーに対して離型性の優れた材料、例えば、シリコンゴムやフッ素系樹脂等で形成することが好ましい。この際、定着ロールに塗布されるシリコーンオイル等の離型性液体は、限りなく少ないことが好ましい。前記離型性液体は、定着ラチチュードに対しては有効であるが、定着される被転写材に転移するため、ベトツキがあり、また、テープを貼れない、マジックで文字を書き加えられない等の問題がある。これはOHPについて顕著である。また、前記離型性液体は、定着表面の荒さをスムーズにできないため、OHPの透明性の低下の要因にもなっている。
【0056】
本発明の電子写真用トナーは、十分な定着ラチチュードを示すので、定着ロールには、シリコーンオイル等の離型性液体を全く塗布しないか、あるいは塗布したとしても、わずかでよい。例えば、A4用紙1枚当たり、1μリットル以下でよい。この程度の範囲であれば、前述の諸問題は実質上回避することができる。
定着工程で使用される定着装置は、特に制限されるものではなく、従来公知のロール−ロール接触型定着装置、ロール−ベルト接触型定着装置等を使用することができる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は、総て「重量部」を意味する。
【0058】
(実施例1)
線状ポリエステル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87部
(テレフタル酸/ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステル:Tg=62℃、Mn=4,000、Mw=35,000、酸価=12、水酸価=25)
マゼンタ顔料(C.I.ピグメント・レッド57)・・・・・・・・ 3部
ワックスA ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5部
(ベヘン酸ステアリル、吸熱開始温度:47℃、120℃時の溶融粘度:50センチポアズ)
共重合石油樹脂(A)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5部
(C5系石油留分(イソプレン)/C5系石油留分(ピペリレン)/イソプロペニルトルエン=モノマー重量比(1.5/1.5/97)、軟化点:125℃)
【0059】
上記混合物をエクストルーダーで混練し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した後、風力式分級機で細粒、粗粒を分級し、体積平均粒径d50=8.0μmのマゼンタトナー粒子を得た。
【0060】
得られたトナー100部に対して、平均粒径40nmの負帯電性シリカ1.0部、及び平均粒径15nmの負帯電性チタニア0.5部を添加して外添トナーとした。これらのトナー(サンプリング数:100個)のイメージアナライザー(ルーゼックス5000、日本レギュレータ社製)による形状係数SF−1及びSF−2、比表面積・細孔分布測定装置(コールターSA3100型、コールター社製)により測定したBET表面積の測定結果を表1に示す。
次に、前記外添トナー6部に対して、粒子径50μmのフェライトにスチレンメタクリレート共重合体を被覆したキャリア100部を添加、混合して現像剤を製造した。
【0061】
<耐オフセット性の評価>
得られた現像剤を用い、市販の電子写真複写機(A−Color630、富士ゼロックス社製)により、A4の転写紙に縦5cm、横4cmのソリッド未定着トナー像を形成した。このときトナー量が0.6〜0.8mg/cm2となるように、トナー像を形成した。次に、定着ロールの温度を自由に設定でき、モニターできるように前記A−Color630を改造したものを用い、定着ロールへの離型用オイルの供給を止めて、実質上、定着ロールの表面に離型用オイルが存在しない状態でテストを行った。
即ち、定着ロールの表面温度を段階的に変化させ、各表面温度において、前記転写紙上の未定着トナー像の定着を行った。この際、紙の余白部分に定着ロールからのトナー汚れが生じるか否かの観察を目視で行い、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域として、耐オフセット性を評価した。この結果を表1に示す。
【0062】
<保存安定性の評価>
前記得られたトナー20gを、容積150ccのポリエチレン製ボトルに入れ、47℃の恒温槽で24時間保管した。室温(25℃)まで放冷した後、トナーをボトルから取り出し、トナー粒子間の融着状態を目視で観察し、融着の全く発生しないものを○、融着が事実上問題となるものは×、として評価した。この結果を表1に示す。
【0063】
(実施例2)
実施例1において、共重合石油樹脂(A)を共重合石油樹脂(B)(C5系石油留分(イソプレン)/C5系石油留分(ピペリレン)/純度98%イソプロペニルトルエン=モノマー重量比(1.5/1.5/97)、軟化点:125℃)に代えた外は、実施例1と同様に作製し、体積平均粒径d50=8.0μmのマゼンタトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様に形状係数及びBET表面積を測定し、耐オフセット性及び保存安定性の評価を行った。
【0064】
(実施例3)
実施例1において、ワックスAをワックスB(精製粒状カルナバワックス、東亜化学社製、吸熱開始温度:約50℃、120℃時の溶融粘度:40センチポアズ)に代えた外は、実施例1と同様に作製し、体積平均粒径d50=7.6μmのマゼンタトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様に形状係数及びBET表面積を測定し、耐オフセット性及び保存安定性の評価を行った。
【0065】
(実施例4)
実施例1において、ワックスAをワックスC(ベヘン酸エチレングリコール、吸熱開始温度:60℃、120℃時の溶融粘度:110センチポアズ)に代えた外は、実施例1と同様に作製し、体積平均粒径d50=6.5μmのマゼンタトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様に形状係数及びBET表面積を測定し、耐オフセット性及び保存安定性の評価を行った。
【0066】
(実施例5)
実施例1において、ワックスAをワックスD(シュウ酸ヘプタトリアコンタノール、吸熱開始温度:56℃、120℃時の溶融粘度:150センチポアズ)に代えた外は、実施例1と同様に作製し、体積平均粒径d50=7.3μmのマゼンタトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様に形状係数及びBET表面積を測定し、耐オフセット性及び保存安定性の評価を行った。
【0067】
(実施例6)
線状ポリエステル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88部
(テレフタル酸/ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物/ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステル:Tg=70℃、Mn=4,600、Mw=38,000、酸価=11、水酸価=23)
シアン顔料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3部
(Β型フタロシアニン:C.I.ピグメント・ブルー15:3)
ワックスA ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5部
(前記ベヘン酸ステアリル、吸熱開始温度:47℃、120℃時の溶融粘度:50センチポアズ)
共重合石油樹脂(A)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4部
(前記C5系石油留分(イソプレン)/C5系石油留分(ピペリレン)/イソプロペニルトルエン=モノマー重量比(1.5/1.5/97)、軟化点:125℃)
【0068】
上記混合物を予備混合した後、エクストリューダーで混錬し、ジェットミルで粉砕した。風力式分級機で分級して、体積平均粒径d50=7.2μmのシアントナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様に形状係数及びBET表面積を測定し、耐オフセット性及び保存安定性の評価を行った。
【0071】
(比較例1)
実施例1において、分級後に更に熱風処理を施して、体積平均粒径d50=8.5μmの球形に近いマゼンタトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様に形状係数及びBET表面積を測定し、耐オフセット性及び保存安定性の評価を行った。
【0072】
(比較例2)
実施例1において、混合物をエクストルーダーで混練し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した後、風力式分級機で細粒、粗粒を分級し、その中間サイズの粒子を得る過程を3回繰り返した外は、実施例1と同様に作製し、体積平均粒径d50=8.0μmのマゼンタトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様に形状係数及びBET表面積を測定し、耐オフセット性及び保存安定性の評価を行った。
【0073】
(比較例3)
実施例1において、ワックスAをワックスE(コノール30F、新日本理化社製、吸熱開始温度:37℃、120℃時の溶融粘度:10センチポアズ)に代えた外は、実施例1と同様に作製し、体積平均粒径d50=6.4μmのマゼンタトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様に形状係数及びBET表面積を測定し、耐オフセット性及び保存安定性の評価を行った。
【0074】
(比較例4)
実施例1において、ワックスAをワックスF(ポリプロピレン、重量平均分子量:8300、吸熱開始温度:60℃、120℃時の溶融粘度:溶融せず)に代えた外は、実施例1と同様に作製し、体積平均粒径d50=6.4μmのマゼンタトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対し、実施例1と同様に形状係数及びBET表面積を測定し、耐オフセット性及び保存安定性の評価を行った。
【0075】
【表1】
【0076】
表1の結果より、実施例1〜7の本発明の電子写真用トナーを用いると、非オフセット温度領域は、低温度から高温度まで広範囲に渡っており、耐オフセット性が良好であることがわかる。また、保存安定性も問題がなかった。これに対して、比較例1、2及び4の電子写真用トナーを用いると、保存安定性は問題がなかったが、非オフセット温度領域が狭く、耐オフセット性が悪かった。また、比較例3の電子写真用トナーを用いると、非オフセット温度領域が低温側にシフトしていて、広範囲に渡っていたが、保存安定性が悪かった。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、保存安定性等の粉体特性に優れ、かつ、耐オフセット性の良好な電子写真用トナー、二成分系現像剤、及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
Claims (3)
- 少なくとも、結着樹脂、着色剤、ワックス及び共重合石油樹脂を含有する電子写真用トナーにおいて、前記ワックスの、示差走査熱量計により測定される吸熱開始温度が40〜120℃であり、溶融温度が80〜120℃であり、120℃における溶融粘度が1〜200センチポアズであり、かつ、該電子写真用トナーの、下記式(1)で表される形状係数SF−1が130〜160であり、下記式(2)で表される形状係数SF−2が110〜140であり、比表面積が1.9〜4.0であり、体積平均粒径が3〜10μmであり、前記共重合石油樹脂が、炭素数が9以上の芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られ、炭素数が9以上の芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーの重量比が98:2〜90:10であることを特徴とする電子写真用トナー。
- 請求項1に記載の電子写真用トナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分系現像剤。
- 潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を定着する定着工程とを含む画像形成方法において、前記トナーが請求項1に記載の電子写真用トナーであり、かつ、前記定着工程が実質的に離型用オイルを介さずに定着することを特徴とする画像形成方法。
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