JP2009020225A - 電子写真用トナーバインダーおよびトナー - Google Patents

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和徳 吉田
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Abstract

【課題】 低温定着性、高温高湿下での耐ブロッキング性に優れた電子写真用トナーバインダーを提供する。
【解決手段】 線形ポリエステル樹脂(A1)と非線形ポリエステル樹脂(A2)からなる電子写真用トナーバインダー(B)において、線形ポリエステル樹脂ジオール成分と2塩基酸成分が重縮合されてなるポリエステル樹脂からなる電子写真用トナーバインダーにおいて、該ポリエステル樹脂が、(i)アイソタクティシティが50%以上であるポリオキシプロピレングリコール(a1)が、該ジオール成分(a)中の80〜100重量%を構成し、(ii)該ポリエステル樹脂の数平均分子量が1,000〜30,000(iii)該ポリエステル樹脂のガラス転移点が53℃〜65℃であることを特徴とする電子写真用トナーバインダーを使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の現像に用いられる乾式トナー用として有用なポリエステル樹脂、およびこれをバインダーとして用いたトナーに関する。
トナーの低温定着性能を向上させる目的で、バインダーとしてポリエステル樹脂を用いることが従来より知られている(特許文献1、2)。
しかし、トナーの低温定着性をさらに向上させるためには、分子量やガラス転移温度(以下Tgと略す)を下げる必要があるが、そうした場合、高温高湿度下でのトナーの耐ブロッキング性が劣るという問題点を有していた。
特開昭62−178278号公報 特開平4−313760号公報
本発明は、高温高湿度下でのトナーの耐ブロッキング性と低温定着性とが共に優れるポリエステル樹脂からなるトナーバインダー、およびこのトナーバインダーを含有したトナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、これらの課題を鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、線形ポリエステル樹脂(A1)と非線形ポリエステル樹脂(A2)からなる電子写真用トナーバインダー(B)において、該線形ポリエステル樹脂(A1)が、ジオール成分(a)と2塩基酸成分(b)が重縮合されてなるポリエステル樹脂であって、(i)アイソタクティシティが50%以上であるポリオキシプロピレングリコール(a1)が、該ジオール成分(a)中の80〜100重量%を構成し、(ii)該線形ポリエステル樹脂(A1)の数平均分子量が1,000〜30,000、(iii)該線形ポリエステル樹脂(A1)のガラス転移点が53℃〜65℃であることを特徴とする電子写真用トナーバインダー(B);およびこのトナーバインダーを含有したトナーである。
本発明のポリエステル樹脂からなるトナーバインダー、およびこのトナーバインダーを含有したトナーは高温高湿度下での耐ブロッキング性と低温定着性とが共に優れる。
また高シャープメルト性を有し、その結果、時間あたりの出力枚数も従来より増大できる。
線形ポリエステル樹脂(A1)と非線形ポリエステル樹脂(A2)からなる本発明の電子写真用トナーバインダー(B)において、 線形ポリエステル樹脂(A1)としては、ジオール成分(a)と2塩基酸成分(b)との重縮合物が挙げられる。
ジオール成分(a)としては、アイソタクティシティが50%以上である必須成分のポリオキシプロピレングリコール(a1)と、その他の通常のジオール(a2)から構成され、耐ブロッキング性と高シャープメルト性の観点から、全ジオール成分(a)に占める高アイソタクティクなポリオキシプロピレングリコール(a1)の割合が80〜100重量%であり、好ましくは90〜100重量%、さらに好ましくは95〜100重量%である。
本発明におけるポリエステル樹脂のジオール成分(a)中の必須成分として使用されるアイソタクティシティが50%以上であるポリオキシプロピレングリコール(a1)は、(1)キラル体の(R)−プロピレンオキサイドまたは(S)−プロピレンオキサイドをそれぞれ単独で開環重合させる方法や、(2)特殊なキラルの触媒の存在下でラセミ体のアルキレンオキサイドを開環重合させる方法で得られ、特に限定されない。
このポリオキシプロピレングリコール(a1)のアイソタクティシティーは、得られる線形ポリエステル樹脂(A1)の高シャープメルト性と耐ブロッキング性の観点から80%以上が好ましく、さらに好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは、95%以上である。
本発明の高アイソタクティクなポリオキシプロピレングリコール(a1)のアイソタクティシティー(%)は、NMRで測定して算出することができる。具体的な算出方法は、例えば、「Journal of the American Chemical Society,No.33(第127巻),2005年,”A Highly Active,Isopecific Cobalt Catalyst for Propylene Oxide”,Kathryn L.Hiroharu Ajiro、Claire T.Cohen,Emil B.Lobkovsky,and Geoffrey W.Coates著」に記載されている。
線形ポリエステル樹脂(A1)は、ジオール成分(a)と2塩基酸成分(b)との重縮合物であるが、このジオール成分(a)は、上述のアイソタクティシティが高いポリオキシプロピレングリコール(a1)単独でもよいが、それ以外のアイソタクティシティが特に高くない通常のジオール(a2)を、前述した一定の範囲内で併用してもよい。
このような通常のジオール(a2)としては、水酸基価180〜1900mgKOH/gのジオール類が好ましく、具体的には、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールAなど);及び上記脂環式ジオールのAO付加物;ビスフェノール類[ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等、及びそれらの炭素数1〜30のアルキル基、ハロゲン等が1〜8個置換したもの(トリクロロビスフェノールA、テトラクロロクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノールF等のハロゲン置換体;2−メチルビスフェノールA、2,6−ジメチルビスフェノールA、2,2’−ジエチルビスフェノールF等のアルキル置換体)等]のEOを除くアルキレンオキシド(以下AOと略記する。)付加物;などが挙げられる。これらは2種以上併用して用いることもできる。
線形ポリエステル樹脂(A1)は、ジオール成分(a)と2塩基酸成分(b)との重縮合物であるが、ジオール成分(a)以外に、その一部として3価以上のポリオール(c)を併用することができる。
このような3価以上のポリオール(c)としては、水酸基価150〜1900mgKOH/gのポリオールが好ましく、具体的には、3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトールなど);上記脂肪族多価アルコールのAO付加物;トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)のAO付加物;及びノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラックなど)のAO付加物などが挙げられる。これらは2種以上併用して用いることもできる。
一方、線形ポリエステル樹脂(A1)を構成する2塩基酸(b)としては、酸価180〜1250mgKOH/gの2塩基酸が好ましく、具体的には、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデセニルコハク酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸及びフマル酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び炭素数6〜21のアルキレンジカルボン酸である。これらは2種以上を併用して用いることもできる。
また、これらの2塩基酸(b)の酸無水物や、低級(炭素数1〜4)アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)も使用できる。
線形ポリエステル樹脂(A1)は、ジオール成分(a)と2塩基酸成分(b)との重縮合物であるが、2塩基酸成分(b)以外に、その一部として3価以上のポリカルボン酸(d)を併用することができる。
このような3価以上のポリカルボン酸(d)としては、酸価150〜1250mgKOH/gのポリカルボン酸が好ましく、具体的には、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、不飽和カルボン酸のビニル重合体(スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、α−オレフィン/マレイン酸共重合体、スチレン/フマル酸共重合体など)などが挙げられる。これらは2種以上を併用して用いることもできる。
これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、特に好ましいものはトリメリット酸、ピロメリット酸である。
また、これらの3価以上のポリカルボン酸(d)としては、上述の2塩基酸(b)の酸無水物又は低級(炭素数1〜4)アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
また、(a)〜(d)の他にも、ヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシステアリン酸及び硬化ヒマシ油脂肪酸など)を用いることができる。
本発明に用いる線形ポリエステル樹脂(A1)のガラス転移点(Tg)は通常53〜65℃、好ましくは54〜62℃、さらに好ましくは55〜58℃である。53℃未満ではトナー流動性が十分でない場合があり、65℃を超えると定着性が十分でない場合がある。
尚、上記及び以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
本発明に用いる線形ポリエステル樹脂(A1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により得られる数平均分子量(以下Mnと略称する)は、通常1,000〜30,000、好ましくは1,500〜20,000、更に好ましくは1,800〜10,000である。30,000を超えると本発明の目的とする定着性と耐久性のバランスが従来のものと同等になる場合がある。また1,000未満ではトナーの流動性が悪くなり好ましくない。
上記及び下記において線形ポリエステル樹脂(A1)の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分についてGPCを用いて以下の条件で測定される。
装置 : 東ソー製 HLC−8120
カラム : TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量: 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : ポリスチレン
なお、THF可溶分は以下の方法で得られる。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、試料約0.5gを精秤し、THF50mlを加え、3時間撹拌還流させて冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別する。このろ液をTHF可溶分として使用する。
本発明に用いる線形ポリエステル樹脂(A1)は、ジオール成分(a)と2塩基酸成分(b)とを通常公知のエステル化触媒[例えはスズ系化合物(ジブチルチンオキシド、ジオクチルスズジラウレートなど)、チタン系化合物(チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタントリエタノールアミネート、チタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネートなど)、アンチモン系化合物(3酸化アンチモンなど)]などの存在下で重縮合させることにより得られる。これらのうち環境負荷の観点から好ましくはチタン系化合物である。反応温度としては、特に制限はないが、好ましくは160℃〜280℃、更に好ましくは175〜270℃、特に好ましくは185〜260℃である。160〜280℃にすることで、適度な反応速度が得られ工業的生産が可能となる。
本発明の電子写真用トナーバインダーのポリエステル樹脂(A)は、線形ポリエステル樹脂(A1)と非線形ポリエステル樹脂(A2)から構成されるが、この非線形ポリエステル樹脂(A2)は、まず、線形ポリエステル樹脂(A1)と同様にして、ジオール成分(a)と2塩基酸成分(b)とを、通常公知のエステル化触媒の存在下で重縮合させる。その後、この重縮合物に3価以上のポリカルボン酸(d)を追加し、残りの水酸基と重縮合させ、三次元的な架橋を形成させることにより得られる。
なお、この3価以上のポリカルボン酸(d)としては、線形ポリエステル樹脂(A1)で前述したものと同様のものが使用できる。
本発明における線形ポリエステル樹脂(A1)と非線形ポリエステル樹脂(A2)との混合比は高温でのホットオフセット性、及び低温定着性の観点から、20/80〜60/40が好ましく、30/70〜50/50がより好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂(A)の測定した融解熱量ピーク温度をα(℃)、フローテスター測定における軟化点をβ(℃)した場合、 高シャープメルト性の観点から、α/βの値が0.6〜1.4が好ましく、0.8〜1.2がより好ましい。
この融解熱量ピーク温度α(℃)は、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定した値である。示差走査熱量測定装置(例えば、セイコー電子工業(株)製;DSC20、SSC/580)などで測定できる。
また、フローテスター測定における軟化点β(℃)とは、JISK−7210「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイトI(MVR)の試験方法」に規定の方法で、フローテスターで下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をいう。
昇温速度 : 6℃/分
荷重 :20kg
ダイ : 直径1mm×高さ1mm
フローテスター測定装置としては、例えば、島津製作所(株)製 フローテスター CFT−500などで測定できる。
本発明のトナーバインダー(B)には、ポリエステル樹脂(A)とともに、ポリエステル樹脂の特性を損なわない範囲で、他の樹脂も含有させることができる。
この他の樹脂としては、スチレン系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体及びスチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの付加縮合物の硬化物等)、ウレタン樹脂(ジオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
これら他の樹脂の含有量は、トナーバインダー(B)の重量を基準として、通常0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%である。
本発明の電子写真用トナーは、本発明のトナーバインダー(B)及び着色剤からなり、必要により離型剤、荷電制御剤、流動化剤など種々の添加剤等を含有させることができる。
着色剤としては公知の染料、顔料及び磁性粉を用いることができる。
具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、バラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミン、ピグFBメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、プリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOP、マグネタイト、鉄黒などが挙げられる。
着色剤の使用量は、染料又は顔料を使用する場合は、トナーバインダーの重量に基づいて通常0.5〜15重量%であり、磁性粉を使用する場合は、通常20〜150重量%である。
離型剤としては、軟化点50〜170℃のワックス類が用いられる。ワックス類としては、ポリオレフィン樹脂類[ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン(炭素数3〜8)共重合体、フィッシャートロプシュワックス、ポリメチレンなど]、パラフィン類(n−パラフィン、イソパラフィンなど)、エステルワックス類(カルナウバワックス、モンタンワックス、ライスワックス等)、炭素数30以上の脂肪族アルコール、炭素数30以上の脂肪酸及びこれらの混合物等が挙げられる。離型剤の量は、トナーバイ
ンダーの重量に基づいて、通常0〜30重量%、好ましくは1〜20重量%である。
荷電制御剤としては、公知のものすなわち、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー及びハロゲン置換芳香環含有ポリマーなどが挙げられる。
荷電制御剤の使用量はトナーバインダーの重量に基づいて、通常0〜5重量%である。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末及び炭酸カルシウム粉末など公知のものを用いることができ、使用量はトナーバインダーの重量に基づいて、通常0〜5重量%である。
トナーの製造法としては、公知の混練粉砕法などが挙げられる。上記トナー構成成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後、ジェットミルなどを用いて微粉砕し、更に風力分級し、粒径D50が通常2〜20μmの粒子として得られる。
本発明の電子写真用トナーは、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、及び樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)により表面をコーティングしたフェライトなどのキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。
また、キャリアー粒子のかわりに帯電ブレードなどの部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
次いで、公知の熱ロール定着方法などにより支持体(紙、ポリエステルフィルムなど)に定着して記録材料とされる。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
実施例1
[高アイソタクティックなポリプロピレングリコールの合成]
(S)−プロピレンオキサイド120部とKOH30部を1Lのオートクレーブに入れ、室温で48時間攪拌して重合させた。得られた重合物を70℃に昇温して溶融し、KOHを水洗するため、トルエンを100部、水100部を加えて分液を3回繰り返した。そのトルエン相を、0.1mol/Lの塩酸で中和し、水100部を加えてさらに分液を3回行い、そのトルエン相からトルエンを留去することで白色固体のポリオキシプロピレングリコール(a1−1)を得た。
得られたポリプロピレングリコール(a1−1)は、水酸基価37.4mgKOH/g、融点57℃、アイソタクティシティ99%、数平均分子量Mn3,000であった。
[線状ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、得られたアイソタクティックなポリプロピレングリコール(a1−1)950部、テレフタル酸40部、イソフタル酸8部、及び縮合触媒としてジブチル錫2部を入れ、210℃で加熱して窒素気流下に生成する水を留去しながら6時間反応させた。
次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で反応槽から取り出し、室温まで冷却後、粉砕して本発明の線状ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
(A1−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は8、水酸基価は12、Tgは59℃、Mnは6,710、ピークトップ分子量Mpは18,000であった。また、数平均分子量1,500以下の成分の比率は1.0%であった。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのEO2モル付加物350部、ビスフェノールAのPO3モル付加物326部、テレフタル酸278部、無水フタル酸40部、及び縮合触媒としてジブチル錫2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら8時間反応させた。
次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、反応槽にさらに無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応させた後に取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂(A2−1)を得た。
(A2−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は33、水酸基価は16、Tgは70℃、Mnは4,010、Mpは11,310であった。数平均分子量1,500以下の成分の比率は0.9%であった。
[トナーバインダーの製造]
(A1−1)400部と(A2−1)600部をラボプラストミルにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー(B−1)を得た。
比較例1
[線状ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物430部、ビスフェノールAのPO3モル付加物300部、テレフタル酸262部、イソフタル酸70部、及び縮合触媒としてジブチル錫2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して、比較のための線状ポリエステル樹脂(A1’−1)を得た。
(A1’−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は8、水酸基価は12、Tgは59℃、Mnは6,820、Mpは19,000であった。数平均分子量1,500以下の成分の比率は1.0%であった。
[トナーバインダーの製造]
(A1’−1)400部と実施例1で得られた(A2−1)600部をラボプラストミルにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して、比較のため比較のためのトナーバインダー(B’−1)を得た。
比較例2
[線状ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール500部、テレフタル酸450部、イソフタル酸190部、及び縮合触媒としてジブチル錫2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して比較のための線状ポリエステル樹脂(A1’−2)を得た。
(A1’−2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は6、水酸基価は10、Tgは57℃、Mnは5,900、Mpは17,000であった。数平均分子量1,500以下の成分の比率は1.0%であった。
[トナーバインダーの製造]
(A1’−2)400部と実施例1で得られた(A2−1)600部をラボプラストミルにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して、比較のためのトナーバインダー(B’−2)を得た。
比較例3
[線状ポリエステル樹脂の合成]
実施例1のアイソタクティックなポリプロピレングリコール(a1−1)の代わりに、通常の市販のアイソタクティックでないポリプロピレングリコール(a2−1)950部[三洋化成工業製、サンニックスPP−3000、数平均分子量3,000]を使用すること以外は同様にして、窒素気流下に生成する水を留去しながら6時間反応させた。
次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で反応槽から取り出し、室温まで冷却後、粉砕して、比較のための線状ポリエステル樹脂(A1’−3)を得た。
(A1’−3)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は8、水酸基価は12、Tgは28℃、Mnは6,660、Mpは17,500であった。数平均分子量1,500以下の成分の比率は 1.0%であった。
[トナーバインダーの製造]
(A1’−3)400部と実施例1で得られた(A2−1)600部をラボプラストミルにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して、比較のためのトナーバインダー(B’−3)を得た。
本発明のトナーバインダー(B−1)及び比較トナーバインダー(B’−1)〜(B’−3)それぞれについて、トナーバインダー100部、カルナバワックス5部及びイエロー顔料[クラリアント(株)製toner yellow HG VP2155]4部をヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル(株)製]0.5部をサンプルミルにて混合して、トナー(T−1)及び比較トナー(T’−1)〜(T’−3)を得た。
これらのトナー最低定着温度(MFT)、トナーの耐ブロッキング性、ホットオフセット発生温度(HOT)を評価した結果を表1に示す。
これらの具体的な評価方法を以下に説明する。
<最低定着温度(MFT)の評価方法>
23℃・50%R.H.の条件下、トナー30部とフェライトキャリア(F−150;パウダーテック社製)800部をポリビンに投入して、手振りで、均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。
これらの現像剤を用いて市販の複写機(AR5030;シャープ製)で現像した未定着画像を作成した。さらにこの未定着画像を、別の市販の複写機(SF8400A;シャープ製)の定着ユニットを改造して熱ローラー温度を可変にした定着機を用いて、プロセススピード145mm/secで定着した。
定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度を、本発明における「最低定着温度」とした。
この最低定着温度が低いほど、低温定着性が優れる。
<トナーの耐ブロッキング性の評価方法>
上記の最低定着温度(MFT)で作成した現像剤を、50℃・85%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。
同環境下において該現像剤のブロッキング状態を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シャープ製)でコピーした時の画質を観察した。
以下の判定基準で評価した。
判定基準
◎:トナーのブロッキングがなく、画質も良好である
○:トナーのブロッキングはないが、1000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察される
△:トナーのブロッキングが目視でき、1000枚複写後の画質に乱れが観察される
×:トナーのブロッキングが目視でき、1000枚までに画像が出なくなる
<ホットオフセット発生温度(HOT)の評価方法>
上記の最低定着温度の評価方法と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。
ホットオフセットが発生した定着ロール温度を、本発明における「ホットオフセット発生温度」とした。
このホットオフセット発生温度が高いほど、耐ホットオフセット性が優れる。
Figure 2009020225
表1から明らかなように、ジオール成分としてアイソタクティシティが99%のポリオキシプロピレングリコールから合成した線形ポリエステル樹脂(A1−1)を用いた実施例1のトナーは、低温定着性、高温高湿下での耐ブロッキング性に関して、従来のポリエステル樹脂や、通常のアイソタクティシティの低いポリオキシプロピレングリコールから合成した線形ポリエステル樹脂から製造した電子写真用トナーバインダーを含有したトナーに比べ、優れていることがわかる。
本発明のポリエステル樹脂からなるトナーバインダー、およびこのトナーバインダーを含有したトナーは高温高湿度下での耐ブロッキング性と低温定着性とが共に優れる。また高シャープメルト性も有するので、時間あたりの出力枚数も従来より増大できる。

Claims (7)

  1. 線形ポリエステル樹脂(A1)と非線形ポリエステル樹脂(A2)からなる電子写真用トナーバインダー(B)において、該線形ポリエステル樹脂(A1)が、ジオール成分(a)と2塩基酸成分(b)が重縮合されてなるポリエステル樹脂であって、
    (i)アイソタクティシティが50%以上であるポリオキシプロピレングリコール(a1)が、該ジオール成分(a)中の80〜100重量%を構成し、
    (ii)該線形ポリエステル樹脂(A1)の数平均分子量が1,000〜30,000
    (iii)該線形ポリエステル樹脂(A1)のガラス転移点が53℃〜65℃であることを特徴とする電子写真用トナーバインダー(B)。
  2. 該ジオール成分(a1)の数平均分子量が、300〜5,000である請求項1記載の電子写真用トナーバインダー。
  3. 該ジオール成分(a)中の該ポリオキシプロピレングリコール(a1)が、80〜100重量%である請求項1または2記載の電子写真用トナーバインダー。
  4. さらに該ポリオキシプロピレングリコール(a1)のアイソタクティシティが80%以上である請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
  5. 該ポリエステル樹脂(A)を構成する線形ポリエステル樹脂(A1)と、非線形ポリエステル樹脂(A2)の割合が重量比で20/80〜60/40である請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
  6. 該ポリエステル樹脂(A)のDSC測定における融解熱量ピーク温度をα(℃)、フローテスター測定における軟化点をβ(℃)とした場合の、 α/βの値が0.6〜1.4である請求項1〜5のいずれか記載の電子写真用トナーバインダー
  7. 請求項1〜6いずれか記載の電子写真用トナーバインダーを含有することを特徴とする電子写真用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011008252A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Xerox Corp トナー性能向上用精製ポリエステル樹脂
JP2011123298A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Sanyo Chem Ind Ltd 正帯電トナー用トナーバインダー

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