JP4212998B2 - 静電荷像現像用トナーと画像形成方法及びトナーカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真等において用いられるトナー及びそれを用いた画像形成方法に関し、特に、定着エネルギーの少ない装置への適用も配慮したトナーに関する。
従来、電子写真法として各種の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体(像担持体)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を乾式トナーを用いて現像し、紙等の被転写体にトナー像を転写したのち、加熱、加圧等により定着し、コピーを得るものである。
電気的潜像を現像する方式には大別して、絶縁性有機液体中に各種の顔料や染料を微細に分散させた現像剤を用いる液体現像方式と、カスケード法、磁気ブラシ法、パウダークラウド法等のように天然または合成樹脂にカーボンブラック等の着色剤を分散したトナーを用いる乾式現像方式とがあり、乾式現像方式にはトナーのみの一成分現像方式と、トナーとキャリアを用いる二成分現像方式がある。
トナー像を転写紙上に加熱定着する方法としては、大別して接触定着法と非接触定着法があり、前者としては加熱ローラ定着、ベルト定着、後者としてはフラッシュ定着、オーブン(雰囲気)定着が挙げられる。加熱ローラ定着方式は、トナー像と加熱ローラが直接接触するため、極めて熱効率の良い定着方式であり、装置も小型化できるため、広く一般に用いられている。
しかしながら、近年の省エネルギー化により、定着時に使用できる熱エネルギーは非常に少なくなってきている。このため、このような定着装置に用いられるトナーは更に低温定着化が求められている。
この問題を解決する技術として、従来よりいくつかの提案がなされている。
例えば、ポリエステル樹脂と極性基を有するワックスから成る芯粒子を樹脂被覆し、ポリエステル樹脂とワックスの溶融粘度を規定したロール定着用トナー(例えば、特許文献1参照。)、特定のポリエステル樹脂と離型剤から成り、ポリエステル樹脂の80〜120℃における溶融粘度と溶融粘度と温度のグラフの傾きと特定の離型剤の溶融粘度を規定したフィルム定着用トナー(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)、特定のポリエステル樹脂と離型剤から成り、ポリエステル樹脂の80〜120℃における溶融粘度と溶融粘度と温度のグラフの傾きと特定の離型剤の溶融粘度を規定したフィルム定着用カプセルトナー(例えば、特許文献5参照。)、特定のポリエステル樹脂と有機金属化合物、離型剤を含有し、ポリエステル樹脂の120〜150℃における溶融粘度と溶融粘度と温度のグラフの傾きと特定の離型剤の溶融粘度を規定したフィルム定着用トナー(例えば、特許文献6参照。)、110〜130℃で測定された溶融粘度と温度の関係式を規定したスチレン−アクリル樹脂から成るトナー(例えば、特許文献7参照。)、特定の荷電制御剤を含有し、平均粘度勾配を規定したトナー(例えば、特許文献8参照。)、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の重縮合触媒がジオールのチタン酸エステルからなる新規なポリエステル樹脂(例えば、特許文献9参照。)などが開示されている。
以上のように、熱口ーラ温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)及び高い熱ローラ温度でもトナーが熱ロールに融着しないこと(耐ホットオフセット性)を両立し、低温定着性に優れるものとして、ポリエステル樹脂を用いることが知られている。しかしながら、画像形成機器における省エネルギー化はますます進み、上記従来の技術では十分な定着性を得ることが困難になってきている。
また、モノクロトナーの場合、着色剤としてカーボンブラックを使用することが一般的であるが、磁性トナーの場合には、磁性体が着色剤を兼ねる場合がある。そのような磁性トナーでは、カーボンブラックを使用するよりも低温で定着するものが得られている。この理由は、磁性体の主要構成材料である金属材料がカーボンブラックに比べて熱伝導率が高いことによると考えられる。
しかし、磁性体の含有は磁性一成分トナーとしての使用の場合には問題ないが、非磁性トナーへ含有させる場合には、磁気スリーブ、キャリアとの付着力を高めて現像性を低下させる。問題とならない磁化値にするためには、含有量を減らすという手段があるが、少ない含有量とした場合には低温定着化への効果が発現されないという不具合が生ずる。
近年ではカーボンブラックに代る着色剤として、黒色金属化合物微粉末を用いる試みが提案されている。
このような例としては、例えば、平均粒径0.1〜0.5μmのFe2TiO5とFe23−FeTiO3固溶体との混合物(例えば、特許文献10参照。)、FeOを25〜30%含有した磁性酸化鉄(例えば、特許文献11、特許文献12、特許文献13参照。)、残留磁化6emu/g以下のマグネタイト(例えば、特許文献14、特許文献15参照。)、内部にTi、表面にTiとFeからなる酸化鉄粒子(例えば、特許文献16参照。)、飽和磁化0.5〜10emu/g、粒径0.1〜0.4μm、Fe2TiO4で被覆されたルチル型TiO2混合相結晶(例えば、特許文献17参照。)、飽和磁化30emu/g以下、誘電損率50以下の金属化合物(例えば、特許文献18参照。)、飽和磁化40emu/g以下、含有量20重量部以下の金属化合物(例えば、特許文献19参照。)などが開示されている。
しかしながら、上記のような黒色金属化合物微粉末は、カーボンブラックに比べて粒径が大きいことから、トナー成分として用いた場合に分散が不均一となり、カーボンブラックよりも多量に使用しないと所望する黒色度が得られず、低温定着化の効果も少ない。しかし一方、あまり多量に使用すると黒色金属化合物微粉末の持っている磁性により現像性を低下させるという問題を生ずる。
特許第2743476号明細書 特開平3−122661号公報 特開平4−85550号公報 特公平8−16804号公報 特公平8−12459号公報 特公平7−82250号公報 特公平7−72809号公報 特開平10−246989号公報 特開2002−148867号公報 特許第2736680号明細者 特許第3101782号明細書 特許第3108823号明細書 特許第3174960号明細書 特許第3224774号明細書 特許第3261088号明細書 特開2000−319021号公報 特開2002−129063号公報 特開2002−189313号公報 特開2002−196528号公報
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、画像形成において定着エネルギーの少ない定着装置を用いた場合でも、低温定着が可能であり、しかも定着性及び耐熱保存性が優れ、好適な磁気特性を有したトナーとそれを用いた画像形成方法及びトナーカートリッジを提供するものである。
本発明は、トナーの含有成分である結着樹脂として特定の触媒の存在下に形成されたポリエステル樹脂を用い、更に着色剤としてカーボンブラックに代る新規な黒色着色剤(黒色酸化鉄化合物)を用いることにより、上記課題が解決されることを見出し本発明を完成するに至った。以下、本発明について具体的に説明する。
請求項1の発明は、結着樹脂と着色剤とを含む静電荷像現像用トナーにおいて、前記結着樹脂はチタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、及びカルボン酸チタニル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂であり、前記着色剤はチタン成分と鉄成分とを含有する黒色酸化鉄化合物で、かつ該チタン成分の含有量は波長分散型蛍光X線装置で測定した値がTi原子換算でFe原子に対して20〜45重量%であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
請求項2の発明は、前記チタンジケトンエノレートがチタンアセチルアセトナートであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項3の発明は、前記カルボン酸チタンが芳香族カルボン酸チタンであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項4の発明は、前記カルボン酸チタニル塩がマレイン酸チタニル塩又はシュウ酸チタニル塩であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項5の発明は、前記ポリエステル樹脂の分子骨格の一部がポリエポキシドで変性されたことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項6の発明は、前記黒色酸化鉄化合物の含有量がトナー全量に対して15〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項7の発明は、前記トナー中にカルナウバワックス、ライスワックス、エステルワックスから選ばれる少なくとも1種のワックス成分をトナー全量に対して0.5〜10重量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項8の発明は、前記トナーの飽和磁化σsが398kA/mの磁場において0.1〜5.0emu/gであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項9の発明は、前記静電荷像現像用トナーが二成分系トナー材料として用いられることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項10の発明は、トナーを用いて画像を形成する画像形成装置に着脱自在である前記トナーを充填するトナーカートリッジであって、該トナーは請求項1〜9のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするトナーカートリッジである。
請求項11の発明は、画像形成装置の像担持体上に形成された静電潜像に結着樹脂と着色剤とを含む静電荷像現像用トナーを用いて画像を形成し、該画像を被転写体上に転写、定着する画像形成方法であって、該静電荷像現像用トナーの前記結着樹脂はチタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、及びカルボン酸チタニル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂であり、前記着色剤はチタン成分と鉄成分とを含有する黒色酸化鉄化合物で、かつ該チタン成分の含有量は波長分散型蛍光X線装置で測定した値がTi原子換算でFe原子に対して20〜45重量%であることを特徴とする画像形成方法である。
請求項1〜9のトナーにおける主要成分として用いる結着樹脂と着色剤をそれぞれ、結着樹脂にチタン含有触媒の存在下に形成されたポリエステル樹脂を用い、更に着色剤にチタン成分の含有量が規定された黒色酸化鉄化合物を用いることにより、画像形成において定着エネルギーの少ない定着装置を用いた場合でも低温定着が可能であり、しかも定着性及び耐熱保存性が優れ、かつ好適な磁気特性を有したトナーを提供することが可能である。
また、チタン含有触媒の選択により、縮合反応が良好に進み好適な分子量に調整されたポリエステル樹脂が得られる。このような触媒によりポリエステル樹脂の粘度や弾性などを好適に制御することができ、更に光沢性や耐ホットオフセット性などの調整も可能となる。あるいは、ポリエステル樹脂をポリエポキシドで変性することにより、更にホットオフセット性を好適なものにすることができる。また、黒色酸化鉄化合物の含有量を調整することにより、着色力を維持しつつ定着温度を低下させることができる。あるいは、前記ワックス成分の含有により、更に低温定着性を好適なものにすることができる。更に、トナーの飽和磁化σsを規定することにより磁石を内臓したトナー担持体との保磁力を好適なものとし、現像性を良好とし、またトナー飛散、地肌汚れなどの問題を回避することができる。
請求項10のトナーカートリッジによれば、画像形成装置をコンパクトに構成することができるほか、簡単で着実なメンテナンス作業を行うことを可能とすることができる。すなわち、本発明のトナーを充填したトナーカートリッジの交換を行うだけで、低温定着が可能で定着性及び耐熱保存性の優れた安定した画像品質が実現できる。
請求項11の画像形成方法においては、本発明の低温定着が可能で好適な磁気特性を有したトナーを静電荷像現像用として用いるため、定着エネルギーの少ない定着装置を用いた場合でも優れた定着性及び耐熱保存性が得られ安定した画像形成が可能である。
前記のように、本発明に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤からなり、結着樹脂がチタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、及びカルボン酸チタニル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂であり、着色剤として、波長分散型蛍光X線装置で測定した、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して20〜45重量%含有する黒色酸化鉄化合物を用いることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。以下に、本発明のトナーに少なくとも含まれる結着樹脂と着色剤について順次説明する。
まず、本発明におけるポリエステル樹脂の合成に用いられるチタンを含有する触媒としては、チタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、及びカルボン酸チタニル塩等が挙げられる。これらの具体例を、ハロゲン化チタン及びカルボン酸チタニルの具体例と共に以下に例示する。
チタン含有触媒のうち、ハロゲン化チタンとしては特に限定されないが、例えば、ジクロロチタン、トリクロロチタン、テトラクロロチタン、トリフルオロチタン、テトラフルオロチタン、テトラブロモチタンなどが挙げられる。
チタンジケトンエノレートとしては特に限定されないが、例えば、チタンアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトナート、チタニルアセチルアセトナートなどが挙げられる。これらチタンジケトンエノレートの中ではチタンアセチルアセトナートが好ましい。
カルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、炭素数1〜32の脂肪族カルボン酸チタン、炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタンなどが挙げられる。2価以上のポリカルボン酸チタンの場合、チタンに配位するカルボキシル基は、1個でも2個以上でもよく、チタンに配位せず遊離のカルボキシル基が存在していてもよい。
炭素数1〜32の脂肪族カルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、脂肪族モノカルボン酸チタン、脂肪族ジカルボン酸チタン、脂肪族トリカルボン酸チタン及び4〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリカルボン酸チタンなどが挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、ぎ酸チタン、酢酸チタン、プロピオン酸チタン、オクタン酸チタンなどが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、シュウ酸チタン、コハク酸チタン、マレイン酸チタン、アジピン酸チタン、セバシン酸チタンなどが挙げられる。脂肪族トリカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、ヘキサントリカルボン酸チタン、イソオクタントリカルボン酸チタンなどが挙げられる。脂肪族トリカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、オクタンテトラカルボン酸チタン、デカンテトラカルボン酸チタンなどが挙げられる。
炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、芳香族モノカルボン酸チタン、芳香族ジカルボン酸チタン、芳香族トリカルボン酸チタン及び4〜8価又はそれ以上の芳香族ポリカルボン酸チタンなどが挙げられる.
芳香族モノカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、安息香酸チタンなどが挙げられる。芳香族ジカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、フタル酸チタン、テレフタル酸チタン、イソフタル酸チタン、1,3−ナフタレンジカルボン酸チタン、4,4−ビフェニルジカルボン酸チタン、2,5−トルエンジカルボン酸チタン、アントラセンジカルボン酸チタンなどが挙げられる。芳香族トリカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、トリメリット酸チタン、2,4,6一ナフタレントリカルボン酸チタンなどが挙げられる。芳香族ポリカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、ピロメリット酸チタン、2,3,4,6−ナフタレンテトラカルボン酸チタンなどが挙げられる。
これらカルボン酸チタンの中では炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタンが好ましく、芳香族ジカルボン酸チタンが更に好ましい。
カルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば炭素数1〜32の脂肪族カルボン酸チタニル、炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタニルなどが挙げられる。2価以上のポリカルボン酸チタニルの場合、チタンに配位するカルポキシル基は1個でも2個以上でもよく、チタンに配位せず遊離のカルボキシル基が存在していてもよい。
炭素数1〜32の脂肪族カルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、脂肪族モノカルボン酸チタニル、脂肪族ジカルボン酸チタニル、脂肪族トリカルボン酸チタニル及び4〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリカルボン酸チタニルなどが挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、ぎ酸チタニル、酢酸チタニル、プロピオン酸チタニル、オクタン酸チタニルなどが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、シュウ酸チタニル、コハク酸チタニル、マレイン酸チタニル、アジビン酸チタニル、セバシン酸チタニルなどが挙げられる。脂肪族トリカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、ヘキサントリカルボン酸チタニル、イソオクタントリカルボン酸チタニルなどが挙げられる。4〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、オクタンテトラカルボン酸チタニル、デカンテトラカルボン酸チタニルなどが挙げられる。
炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、芳香族モノカルボン酸チタニル、芳香族ジカルボン酸チタニル、芳香族トリカルボン酸チタニル及び4〜8価又はそれ以上の芳香族ポリカルボン酸チタニルなどが挙げられる。
芳香族モノカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、安息香酸チタニルなどが挙げられる。芳香族ジカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、フタル酸チタニル、テレフタル酸チタニル、イソフタル酸チタニル、1,3−ナフタレンジカルボン酸チタニル、4,4−ビフェニルジカルボン酸チタニル、2,5−トルエンジカルボン酸チタニル、アントラセンジカルボン酸チタニルなどが挙げられる。芳香族トリカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、トリメリット酸チタニル、2,4,6−ナフタレントリカルボン酸チタニルなどが挙げられる。4〜8価又はそれ以上の芳香族ポリカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、ピロメリット酸チタニル、2,3,4,6−ナフクレンテトラカルボン酸チタニルなどが挙げられる。
カルボン酸チタニル塩としては特に限定されないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸チタニル、脂肪族トリカルボン酸チタニル、4〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリカルボン酸チタニル、芳香族ジカルボン酸チタニル、芳香族トリカルボン酸チタニル、又は4〜8価又はそれ以上の芳香族ポリカルボン酸チタニルに挙げたカルボン酸チタニルの、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)塩もしくはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)塩などが挙げられる。これらカルボン酸チタニル塩の中では、マレイン酸チタニル塩及びシュウ酸チタニル塩が好ましい。
チタン含有触媒の使用量としては特に限定されないが、以降に示すポリエステル樹脂を得るのに用いるポリオールとポリカルボン酸の合計重量を基準として、下限は0.01%が好ましく、0.02%が更に好ましく、0.03%が特に好ましく、0.05%が最も好ましい。上限は5%が好ましく、2%が更に好ましく、1.5%が特に好ましく、0.8%が最も好ましい。0.01%以上では重縮合触媒としての作用が十分得られ、5%以下であると、触媒量に応じて高い触媒作用が得られる。また上記触媒量の範囲内であれば、得られるポリエステル樹脂からなるトナーバインダーを用いたトナーの、必要な諸特性がより良好となる。
なお、上記及び以下において、%は特に規定しない限り重量%を示す.
これらのチタン含有触媒のうちで好ましいものは、チタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、カルボン酸チタニル塩及びこれらの併用であり、より好ましくは、チタンジケトンエノレート、芳香族カルボン酸チタン、脂肪族カルボン酸チタニル塩、芳香族カルボン酸チタニル塩及びこれらの併用であり、更に好ましくは、チタンアセチルアセトナート、芳香族ジカルボン酸チタン、カルボン酸チタニル塩のうちアルカリ金属塩及びこれらの併用であり、特に好ましくはテレフタル酸チタン、イソフタル酸チタン、オルトフタル酸チタン、シュウ酸チタニル塩、マレイン酸チタニル塩及びこれらの併用であり、最も好ましくはテレフタル酸チタン、シュウ酸チタニルカリウム及びこれらの併用である。
次に、本発明のトナーバインダーを構成するポリエステル樹脂としては特に限定されないが、例えば、具体的には以下のものなどが挙げられ、これらのものを併用することもできる。
線状ポリエステル(Y):ジオール及びジカルボン酸を用いた線状のポリエステル樹脂
非線状ポリエステル(X):ジオール及びジカルボン酸とともにポリオール及び/又はポリカルボン酸を用いた非線状のポリエステル樹脂
変性ポリエステル:(Y)、(X)にポリエポキシドを反応させた変性ポリエステル樹脂。
ジオールとしては特に限定されないが、例えば、水酸基価180〜1900mgKOH/gのジオール類、具体的には、炭素数2〜12のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール及び1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド〔エチレンオキシド(以下FOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)及びブチレンオキシド(以下BOと略記する)など〕付加物;上記ビスフェノール類の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物及びこれらの併用であり、特に好ましいものはビスフエノール類のアルキレンオキシド付加物、及び、これと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
尚、上記及び以下において水酸基価及び酸価は、JIS K 0070に規定の方法で測定される。
3価以上のポリオールとしては特に限定されないが、例えば、水酸基価150〜1900mgKOH/gのポリオール類、具体的には、3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ぺンタエリスリトール及びソルビトールなど);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物;トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラックなど);上記トリスフェノール類の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物;上記ノボラック樹脂の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物であり、特に好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物である。
一方、前記ジカルボン酸としては特に限定されないが、例えば、酸価180〜1250mgKOH/gのジカルボン酸、具体的には、炭素数4〜36のアルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデセニルコハク酸など):炭素数4〜36のアルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。またこれらは2種以上を併用しても何ら問題ない。なお、ジカルボン酸としては上述のものの酸無水物又は低級(炭素数1〜4)アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
3価以上のポリカルボン酸としては特に限定されないが、例えば、酸価150〜1250mgKOH/gのポリカルボン酸、具体的には、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など);不飽和カルボン酸のビニル重合体(スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、α−オレフィン/マレイン酸共重合体、スチレン/フマル酸共重合体など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、特に好ましいものはトリメリット酸、ピロメリット酸である。なお、3価以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は低級(炭素数1〜4)アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
また、ジオール、ポリオール、ジカルボン酸及びポリカルボン酸とともにヒドロキシカルボン酸を共重合することもできる。ヒドロキシカルボン酸としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸などが挙げられる。
また、本発明は該ポリエステル樹脂の少なくとも一部がポリエポキシドで変性されてなるものであることが好ましい。例えば、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物であるポリエステル樹脂、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物であるポリエステル樹脂に更にポリエポキシドなどを反応させて得られる変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。前記ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂などは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて混合物として使用してもよい。
ポリオールとしては特に限定されないが、例えば、ジオール及び3価以上のポリオールなどが挙げられる。ポリカルボン酸としては特に限定されないが、例えば、ジカルボン酸及び3価以上のポリカルボン酸などが挙げられる。
ポリエポキシドとしては特に限定されないが、例えば、ポリグリシジルエーテル〔エチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ベンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラック(平均重合度3〜60)グリシジルエーテル化物など〕;ジエンオキサイド(ぺンタジエンジオキサイド、ヘキサジエンジオキサイドなど)などが挙げられる。これらの中で好ましくは、ポリグリシジルエーテルであり、更に好ましくは、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びビスフェノールAジグリシジルエーテルである。
ポリエポキシドの1分子当たりのエポキシ基数は、好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。ポリエポキシドのエポキシ当量としては特に限定されないが、好ましくは50〜500である。下限は、更に好ましくは70、特に好ましくは80であり、上限は、更に好ましくは300、特に好ましくは200である。エポキシ基数及び/又はエポキシ当量が上記範囲内であると、現像性と定着性が共により良好になる。上述の1分子当たりのエポキシ基数及びエポキシ当量の範囲を同時に満たせば更に好ましい。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、更に好ましくは1.5/1〜1/1.3、特に好ましくは1.3/1〜1/1.2である。また、使用するポリオールとポリカルボン酸の種類は、最終的に調整されるポリエステル系トナーバインダーのガラス転移点が40〜90℃となるよう分子量調整も考慮して選択されるのが好ましい。
前記ジオール及びジカルボン酸を用いた線状のポリエステル樹脂(Y)の具体的な例としては特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(3)などが挙げられる。
(1)ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸重縮合物。
(2)ビスフェノールA・EO4モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸重縮合物。
(3)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水マレイン酸重縮合物。
前記非線状ポリエステル樹脂(X)の具体的な例としては特に限定されないが、例えば、以下の(4)〜(10)などが挙げられる.
(4)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/テレフタル酸/無水フタル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(5)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水マレイン酸/ジメチルテレフタル酸エステル/無水トリメリット酸重縮合物。
(6)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(7)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(8)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(9)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/イソフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(10))ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/フマル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
ジオール及びジカルボン酸とともにポリオール及び/又はポリカルボン酸を用いた非線状のポリエステル樹脂にポリエポキシドを反応させた変性ポリエステル樹脂の具体的な例としては特に限定されないが、例えば、以下の(11)〜(20)などが挙げられる。
(11)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水ドデセニルコハク酸重縮合物にテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(12)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水ドデセニルコハク酸重結合物にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(13)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/イソフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(14)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(15)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(16)ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/フマル酸/無水トリメリット酸重縮合物にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(17)ビスフェノールA・PO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水ドデセニルコハク酸/無水トリメリット酸重縮合物にテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(18)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(19)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(20)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にフェノールノボラックグリシジルエーテル化物を反応させて得られる変性ポリエステル。
トナー用の結着剤(トナーバインダー)はフルカラー用、モノクロ用で各々異なる物性が求められており、このため用途に応じてポリエステル樹脂の設計も異なる。
すなわち、フルカラー用には高光沢画像が求められるため、低粘性のバインダーとする必要があるが、モノクロ用は光沢は特に必要なくホットオフセット性が重視されるため高弾性のバインダーとする必要がある。
モノクロ複写機等に有用である高い耐ホットオフセット性を得る場合は、非線状ポリエステル、変性ポリエステル及びこれらの混合物が好ましい。この場合、高弾性であることが好ましいことから、これのポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸を両方用いたものが特に好ましい。ポリオール及びポリカルボン酸の比率は、ポリオールとポリカルボン酸のモル数の和がジオール、ポリオール、ジカルボン酸、ポリカルボン酸のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、更に好ましくは0.5〜25モル%、特に1〜20モル%である。
モノクロ用ポリエステル樹脂の場合、耐ホットオフセット性の観点から、ポリエステル樹脂の貯蔵弾性率(G’)が6000Paとなる温度(TE)は、好ましくは130〜230℃、更に好ましくは140〜230℃、特に150〜230℃である。
TEは、例えば、樹脂をラボプラストミルを用いて130℃、70rpmで30分間溶融混練後のブロックを、市販の動的粘弾性測定装置を用いて、樹脂温度を変化させながら貯蔵弾性率(G’)を測定することで求められる。
低温定着性及び耐熱保存安定性の観点から、モノクロ用ポリエステル樹脂の複素粘性率(η*)が1000Pa・sとなる温度(TE)は、好ましくは80〜140℃、更に好ましくは90〜135℃、特に105〜130℃である。
モノクロ用ポリエステル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)不溶分を5〜70%含有していることが好ましく、更に好ましくは10〜60%、特に15−50%である。THF不溶分が5%以上で耐ホットオフセット性が良好になり、70%以下で良好な低温定着性が得られる。
上記THF不溶分及びTHF可溶分は以下の方法で得られる。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、試料約0.5gを精秤し、THF50mlを加え、3時間撹拌還流させて冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別する。THF不溶分の値(%)は、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した後の重量と試料の重量比から算出する。
なお、後述する分子量の測定には、このろ液をTHF可溶分として使用する。
ポリエステル樹脂のピークトップ分子量はモノクロ用、フルカラー用いずれの場合も、好ましくは1000〜30000、更に好ましくは1500〜25000、特に1800〜20000である。ピークトップ分子量が1000以上で、耐熱保存安定性及び粉体流動性が良好となり、30000以下でトナーの粉砕性が向上し、生産性が良好となる。
上記及び下記においてポリエステル樹脂のピ−クトップ分子量及び数平均分子量は、THF可溶分についてGPCを用いて以下の条件で測定される。
装置 :東ソー製 HLC−8120
カラム :TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量:100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :ポリスチレン
上記条件で得られたクロマトグラム上最大のピ−ク高さを示す分子量をピークトップ分子量と称する。
ポリエステル樹脂のTgはモノクロ用、フルカラー用いずれの場合も、好ましくは40〜90℃、更に好ましくは50〜80℃、特に55〜75℃である。Tgが40℃〜90℃の範囲で耐熱保存安定性と低温定着性がより良好になる。
なお、上記及び以下においてポリエステル樹脂のTgは、セイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いてASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
また、線状ポリエステル樹脂の製造方法としては特に限定されないが、例えば、ジオール、ジカルボン酸及び重縮合触媒を180℃〜260℃に加熱し、常圧及び/又は減圧条件で脱水縮合させてポリエステル樹脂を得る方法などが挙げられる。
非線状ポリエステル樹脂の製造方法としては特に限定されないが、例えば、ジオール、ジカルボン酸、3価以上のポリオール及び重縮合触媒を180℃〜260℃に加熱し、常圧及び/又は減圧条件で脱水縮合させた後、更に3価以上のポリカルボン酸を反応させてポリエステル樹脂を得る方法などが挙げられる。3価以上のポリカルボン酸をジオール、ジカルボン酸及び3価以上のポリオールと同時に反応させることもできる。
変性ポリエステル樹脂の製造方法としては特に限定されないが、例えば、非線状ポリエステル樹脂にポリエポキシドを加え、180℃〜260℃でポリエステルの分子伸長反応を行うことで変性ポリエステル樹脂を得る方法などが挙げられる。
なお、本発明に用いるトナーバインダー(結着樹脂)においては、ポリエステル樹脂を2種以上併用して用いることもできる。
次に、本発明に係る黒色酸化鉄化合物は、例えば、粒子表面をチタン化合物で被覆したマグネタイト粒子粉末、マグネタイト粒子粉末とチタン化合物との混合粉末又は粒子表面をチタン化合物で被覆したヘマタイト粒子粉末を還元して得られた還元粉末のそれぞれを非酸化性雰囲気下700℃以上の温度で加熱焼成した後粉砕する方法によって得られる。粒子表面をチタン化合物で被覆したマグネタイト粒子粉末を原料として用いる場合には、磁化値が小さい粒子が得られやすく非磁性という点から好ましい方法である。
マグネタイト粒子粉末、ヘマタイト粒子粉末としては、粒状、球状、針状等いかなる形態の粒子でもよく、また、大きさは0.03〜1.5μm程度の粒子を使用することができる。原料粒子のサイズと生成物粒子のサイズには相関があり、小さいサイズの原料粒子を用いると小さいサイズの生成物粒子が、大きいサイズの原料粒子を用いると大きいサイズの生成物粒子が得られる傾向にある。
黒色酸化物化合物の構造としては、Fe23−FeTiO3固溶体を含有する多結晶粒子粉末であることが黒色でありかつ磁性が弱いという点から好ましい。
チタン化合物としては、チタンの含水酸化物、水酸化物、酸化物のいずれをも使用することができる。マグネタイト粒子粉末と混合する場合には水溶性のチタン化合物を用いるのが好ましい。チタン化合物の量は、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量の範囲が好ましい。10重量%未満の場合には、得られる黒色顔料粒子粉末の磁化値が大きくなりトナーの現像能力が低下し、画像濃度が低くなる。45重量%を超える場合には非磁性の黒色顔料粒子粉末が得られるが、TiO2の生成量が多くなるためL値(明度)が高くなりトナー着色力が低下する。
Ti原子換算でのFe原子に対する比率は、蛍光X線分析装置を使用し、得られたメインピークの比率により求めることができる。
すなわち、本発明の着色剤として用いるチタン成分と鉄成分からなる黒色酸化鉄化合物において、該チタン成分の含有量は波長分散型蛍光X線装置で測定した値がTi原子換算でFe原子に対して上記のように10〜45重量%であることが分散性の点からも好ましい。
本発明は、結着樹脂としてチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂、着色剤として、波長分散型蛍光X線装置で測定した、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%含有する黒色酸化鉄化合物を用いることで従来技術の欠点を改善するものである。すなわち本発明ではカーボンブラックに比べ粒径の大きい黒色酸化鉄化合物を用いても、該黒色酸化鉄化合物の分散性が良いため、少ない添加量で充分な着色力を得ることができ、低温定着性や耐熱保存性に悪影響を与えることがない。
本発明で黒色酸化鉄化合物の分散性が改善されるメカニズムについては明確とはなっていないが、チタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂とチタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%含有する黒色酸化鉄化合物を用いることで、樹脂に対する黒色酸化鉄化合物の親和性が増し、分散性が改善されたものと考えられる。
トナー中に含まれる黒色酸化鉄化合物の含有量は15〜40重量部、好ましくは20〜30重量部である。15重量部未満の場合、トナーの着色力が不十分となり、トナーが赤味を帯びた色になる。また、定着温度が充分に低下しない。40重量部以上の場合は、トナーの比重が大きくなりすぎて、現像能力が低下する。
また、本発明では、398kA/mの磁場で測定したトナーの飽和磁化σsは0.08〜5.5emu/gであることが好ましく、更に好ましくは0.1〜5.0emu/gである。トナーの飽和磁化が5.5emu/g以上の場合、磁気スリーブ、磁気ブラシなどの磁石を内蔵したトナー担時体との保持力が強くなり、感光体への現像性が悪化する。0.08emu/g未満の場合は、トナー担時体との保持力が弱くなり、トナー飛散、地汚れが悪化する。
なお、トナーの飽和磁化は、理研電子(株)製の磁化測定装置BHU−60を用い、内径7mmφ、高さ10mmのセルに充填したトナーに、磁界を5KOeまで掃引して測定し得られた履歴曲線から求めたものである。
本発明では、ワックス成分としてカルナウバワックス、ライスワックス、及びエステルワックスから選ばれる少なくとも1種から選ばれるものを含有することが好ましい。
なお、カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。ライスワックスは米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスである。エステルワックスは単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。
これらのワックス成分は上記のように単独または併用して使用される。ワックス成分の添加量は0.5〜10重量部、更に好ましくは2〜8重量部である。本発明では、カルナウバワックス、ライスワックス、合成エステルワックスの他のワックス成分も使用可能である。例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等のようなポリオレフィンワックスなどである。
更に、本発明のトナーはポリエステル樹脂以外の他樹脂も使用可能である。
本発明に用いられる他の樹脂としては、従来より公知の樹脂が使用される。例えば、スチレン、ポリ−α−スチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂などが挙げられる。また、これら樹脂の製造方法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合いずれも使用できる。
本発明のトナーにおいては、極性を制御するために、極性制御を配合することが可能である。この場合の極性制御剤としては、例えばニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物などが挙げられる
本発明のトナーの製造方法は、従来公知の方法でよく、樹脂成分、着色剤、ワックス成分、その他場合によっては荷電制御剤等をミキサー等を用いて混合し、熱ロール、エクストルーダー等の混練機を用い混練した後、冷却固化し、これをジェットミル等の粉砕で粉砕し、その後分級し得られる。
上記トナーには必要に応じてその他、添加剤を添加する事も可能である。添加剤としては、シリカ、酸化アルミニウム類、酸化チタン類を例示することができる。高流動性を付与する事を主目的する場合には疎水化処理シリカあるいはルチル型微粒子酸化チタンとして平均一次粒径が0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.1μmの範囲ものから適宜選択でき、特に有機シラン表面処理シリカあるいはチタニアが好ましく、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%の割合で使用される。
また、例えば本発明のトナーを二成分系乾式トナー(二成分系トナー)として使用する場合に混合して使用するキャリアとしては、ガラス、鉄、フェライト、ニッケル、ジルコン、シリカ等を主成分とする、粒径30〜1000μm程度の粉末、または、該粉末を芯材としてスチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂等をコーティングしたものから適宜選択して使用可能である。
また、本発明のトナーは、各種電子写真における装置に搭載される、いわゆる画像形成装置に着脱自在であるトナーカートリッジに充填して用いることができる。このようなトナーカートリッジの形態で用いることにより、本発明のトナーを充填したトナーカートリッジの交換を行うだけで、低温定着が可能で、定着性及び耐熱保存性の優れた安定した画像形成が実現する。また、トナーカートリッジの形態とすれば、画像形成装置をコンパクトに構成することができ、簡単で着実なメンテナンス作業が可能となる。
更に、本発明のトナーは、前記のように各種電子写真における画像形成、すなわち像担持体上に形成された静電潜像をトナーによって現像を形成し、この現像を被転写体上に転写、定着する画像形成方法に用いられるように構成されており、特に、低温定着が可能であるほか、好適な磁気特性を有しているため、低エネルギーで定着を要する方式に適用でき、しかもトナーの定着性及び耐熱保存性は優れており、安定した画像が形成できる。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、部は重量部を示す.なお、以降に記載の軟化点は下記条件で測定して求めたものである(フローテスターを用いて下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とした。)。
〈軟化点の測定方法〉
装置:フローテスター CFT−500D(島津(株)製)
荷重:20kgf/cm2
ダイ:1mmφ−1mm
昇温速度:6℃/min
試料量:1.0g
まず、実施例及び比較例のトナー処方に用いる各種の線状ポリエステル樹脂、非線状ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂を合成した。
[線状ポリエステル樹脂の合成]
線状ポリエステル(A1):
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物430部、ビスフェノールA・PO3モル付加物300部、テレフタル酸257部、イソフタル酸65部、無水マレイン酸10部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム2部を入れ220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(A1)を得た。A1はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は8、水酸基価は12、Tgは59℃、数平均分子量は6890、ピークトップ分子量は19800であった。
線状ポリエステル(A2):
重縮合触媒をテレフタ酸チタン2部に代える以外は前記A1の場合と同様に反応させ、室温まで冷却後、粉砕して線状ポリエステル樹脂(A2)を得た。
[比較用線状ポリエステル樹胎の合成]
比較用線状ポリエステル(Ac1):
重縮合触媒をチタンテトラグリコキシド2部に代える以外は前記A1の場合と同様に反応させた。反応速度が遅かったため、常圧下で16時間、減圧下で8時間反応させて比較用線状ポリエステル樹脂(Ac1)を得た。Ac1は紫褐色をした樹脂であり、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は5、水酸基価は11、Tgは58℃、数平均分子量は6500、ピークトップ分子量は20200であった。
比較用線状ポリエステル:(重縮合物は得られず)
重縮合触媒をチタンテトラブトキシド2部に代える以外は前記A1の場合と同様に反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でチタンテトラブトキシド1.5部を5回追加したが、酸価5まで反応させることができず、目的の重縮合物は得られなかった。また、反応物は紫褐色に強く着色していた。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
非線状ポリエステル(B1):
冷却管、攪拌機及び窒素導入菅の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物350部、ビスフェノールA・PO3モル付加物326部、テレフタル酸278部、無水フタル酸40部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1.5部を入れ230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂(B1)得た。B1はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は36、水酸基価は17、Tgは69℃、数平均分子量は3810、ピークトップ分子量は11400であった。
非線状ポリエステル(B2):
重縮合触媒をテレフタル酸チタン1.5部に代える以外は前記B1の場合と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(B2)を得た。B2はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は33、水酸基価は15、Tgは69℃、数平均分子量は4130、ピークトップ分子量は11830であった。
非線状ポリエステル(B3):
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物132部、ビスフェノールA・PO3モル付加物371部、ビスフェノールA・EO2モル付加物20部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のPO5モル付加物125部、テレフタル酸201部、無水マレイン酸25部、ジメチルテレフタル酸エステル35部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1.5部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸65部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し非線状ポリエステル樹脂(B3)を得た。B3の軟化点は142℃、酸価は30、水酸基価は17、Tgは57℃、数平均分子量は1380、ピークトップ分子量は4150、THF不溶分は26%であった。
非線状ポリエステル(B4):
冷却管、粉砕機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物410部、ビスフェノールA・PO3モル付加物270部、テレフタル酸110部、イソフタル酸125部、無水マレイン酸15部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸25部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後粉砕し非線状ポリエステル樹脂(B4)を得た。B4は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は18、水酸基価は35、Tgは61℃、数平均分子量は1990、ピークトップ分子量は5310であった。
非線状ポリエステル(B5):
重縮合触媒をテレフクル酸チタン2部に代える以外は前記B4の場合と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して非線状ポリエステル樹脂(B5)を得た。B5は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は17、水酸基価は35、Tgは61℃、数平均分子量は2110、ピークトップ分子量は5450であった。
[比較用非線状ポリエステル樹脂の合成]
比較用非線状ポリエステル(Bc1)
重縮合触媒をチタンテトラグリコキシド2部に代える以外は前記B1の場合と同様に反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でチタンテトラグリコキシド1.5部を4回追加し、比較用非線状ポリエステル樹脂(Bc1)を得た。Bc1は紫褐色をした樹脂であり、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は33、水酸基価は16、Tgは68℃、数平均分子lは3680、ピークトップ分子量は11800であった。
[変性ポリエステル樹脂の合成]
変性ポリエステル(C1):
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物549部、ビスフェノールA・PO3モル付加物20部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物133部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のEO5モル付加物10部、テレフタル酸252部、イソフタル酸19部、無水トリメリット酸10部及び重縮合触媒としてチタンアセチルアセトナート2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで無水トリメリット酸50部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ軟化点が105℃になった時点で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル20部を加え、軟化点150℃で取り出し、室温まで冷却後、粉砕して変性ポリエステル樹脂(C1)を得た。C1の軟化点は150℃、酸価は53、水酸基価は17、Tgは74℃、数平均分子量は1800、ピークトップ分子量は6700、THF不溶分は33%であった。
変性ポリエステル(C2):
重縮合触媒をマレイン酸チタニルカリウム2部に代える以外は前記C1の場合と同様に反応させ、軟化点150℃で取り出し、室温まで冷却後粉砕して変性ポリエステル樹脂(C2)を得た。C2の軟化点は150℃、酸価は51、水酸基価は16、Tgは74℃、数平均分子量は1940、ピークトップ分子量は6630、THF不溶分は35%であった。
変性ポリエステル(C3)
冷却管、攪拌機及び窒素導入菅の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物317部、ビスフェノールA・PO2モル付加物57部、ビスフェノールA・PO3モル付加物298部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のPO5モル付加物75部、イソフタル酸30部、テレフタル酸157部、無水マレイン酸27部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1.5部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、次いで無水トリメリット酸68部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ軟化点が120℃になった時点で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル25部を加え、軟化点155℃で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し変性ポリエステル樹脂(C3)を得た。C3の軟化点は155℃、酸価は10、水酸基価は29、Tgは58℃、数平均分子量は3120、ピークトップ分子量は6130、THF不溶分は36%であった。
変性ポリエステル(C4):
縮合触媒をテレフタル酸チタン1.5に代える以外は前記C3の場合と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して変性ポリエステル樹脂(C4)を得た。C4の軟化点は155℃、酸価は9、水酸基価は28、Tgは59℃、数平均分子量は3050、ピークトップ分子量は6010、THF不溶分は38%であった。
(実施例1)
下記のトナー処方1に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径7.5μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.75重量部を混合し、実施例1のトナーを得た。
(トナー処方1)
線状ポリエステル樹脂(A1) 10重量部
非線状ポリエステル樹脂(B1) 40重量部
Ti−Fe着色剤 45重量部
(Ti含有量:40重量%、平均一次粒径0.33μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
(重量平均分子量:6000)
得られたトナーの飽和磁化σsは5.5emu/gであった。このトナーと、平均粒径80μmの球形フェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアにより、トナー濃度3.5重量部の二成分系トナー(現像剤)を調整した。
調整した現像剤を用いて、トナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
<定着性の評価方法>
図1に示した構成の定着器(面圧:0.7×105Pa.s)をimagio MF6550(株式会社リコー製)に装着し、ヒーター温度を振ってコピーを行い定着画像を得る。定着後の画像(トナー付着量:0.85±0.05mg/cm2)にメンデイングテープ(3M社製)を貼り、一定の圧力(2Kg)を掛けた後、ゆっくり引き剥がす。その前後の画像濃度をマクベス濃度計により測定し、次式にて定着率を算出する。
定着率(%)=(テープ引き剥がし後の画像濃度/元の画像濃度)×100
(元の画像濃度:テープ付着前の画像濃度)
定着ローラの温度を段階的に下げて、上記式で示す定着率が80%以下となるときの温度を定着温度とする。
<耐熱保存性の評価方法>
50ccのガラス容器にトナーを充填し、55℃の恒温槽に24時間放置する。このトナーを室温に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)にて針入度を測定する。この値が大きいほど耐熱保存性が優れている。
(実施例2)
下記のトナー処方2に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.5μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.00重量部を混合し、実施例2のトナーを得た。
(トナー処方2)
線状ポリエステル樹脂(A2) 35重量部
非線状ポリエステル樹脂(B2) 55重量部
Ti−Fe着色剤 10重量部
(Ti含有量:45重量%、平均一次粒径0.25μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
(重量平均分子量:6000)
得られたトナーの飽和磁化σsは0.08emu/gであった。実施例2のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例3)
下記のトナー処方3に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径5.5μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.50重量部を混合し、実施例3のトナーを得た。
(トナー処方3)
線状ポリエステル樹脂(B3) 49重量部
Ti−Fe着色剤 45重量部
(Ti含有量:35重量%、平均一次粒径0.45μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 4重量部
(重量平均分子量:6000)
トナーの飽和磁化σsは5.3emu/gであった。実施例3のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(比較例1)
下記のトナー処方4に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.5μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.00重量部を混合し、比較例1のトナーを得た。
(トナー処方4)
線状ポリエステル樹脂(Ac1) 35重量部
非線状ポリエステル樹脂(Bc1) 55重量部
Ti−Fe着色剤 10重量部
(Ti含有量:45重量%、平均一次粒径0.25μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
(重量平均分子量:6000)
トナーの飽和磁化σsは0.09emu/gであった。比較例1のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例4)
下記のトナー処方6に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.5μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.25重量部を混合し、実施例4のトナーを得た。
(トナー処方6)
変性ポリエステル樹脂(C1) 49重量部
Ti−Fe着色剤 43重量部
(Ti含有量:20重量%、平均一次粒径0.25μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 4重量部
(重量平均分子量:6000)
トナーの飽和磁化σsは5.1emu/gであった。実施例4のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例5)
下記のトナー処方7に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径7.5μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.75重量部を混合し、実施例5のトナーを得た。
(トナー処方7)
変性ポリエステル樹脂(C2) 49重量部
Ti−Fe着色剤 13重量部
(Ti含有量:45重量%、平均一次粒径0.15μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 4重量部
(重量平均分子量:6000)
トナーの飽和磁化σsは0.09emu/gであった。実施例5のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例6)
下記のトナー処方8に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径5.5μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.50重量部を混合し、実施例6のトナーを得た。
(トナー処方8)
非線状ポリエステル樹脂(B4) 35重量部
変性ポリエステル樹脂(C3) 55重量部
Ti−Fe着色剤 10重量部
(Ti含有量:45重量%、平均一次粒径0.25μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
(重量平均分子量:6000)
トナーの飽和磁化σsは0.12emu/gであった。実施例6のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例7)
下記のトナー処方9に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径5.5μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.50重量部を混合し、実施例7のトナーを得た。
(トナー処方9)
非線状ポリエステル樹脂(B5) 25重量部
変性ポリエステル樹脂(C4) 25重量部
Ti−Fe着色剤 45重量部
(Ti含有量:20重量%、平均一次粒径0.35μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
(重量平均分子量:6000)
トナーの飽和磁化σsは4.75emu/gであった。実施例7のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例8)
下記のトナー処方10に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.0μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.25重量部を混合し、実施例8のトナーを得た。
(トナー処方10)
非線状ポリエステル樹脂(B5) 38重量部
変性ポリエステル樹脂(C4) 38重量部
Ti−Fe着色剤 17重量部
(Ti含有量:30重量%、平均一次粒径0.25μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリエチレン 5重量部
(重量平均分子量:1000)
トナーの飽和磁化σsは1.50emu/gであった。実施例8のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例9)
下記のトナー処方11に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.0μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.25重量部を混合し、実施例9のトナーを得た。
(トナー処方11)
非線状ポリエステル樹脂(B5) 27.5重量部
変性ポリエステル樹脂(C4) 27.5重量部
Ti−Fe着色剤 38重量部
(Ti含有量:30重量%、平均一次粒径0.25μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリエチレン 5重量部
(重量平均分子量:1000)
トナーの飽和磁化σsは3.75emu/gであった。実施例9のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例10)
下記のトナー処方12に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.0μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.25重量部を混合し、実施例10のトナーを得た。
(トナー処方12)
非線状ポリエステル樹脂(B5) 32重量部
変性ポリエステル樹脂(C4) 32重量部
Ti−Fe着色剤 30重量部
(Ti含有量:40重量%、平均一次粒径0.15μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリエチレン 3.25重量部
(重量平均分子量:1000)
カルナウバワックス 0.75重量部
トナーの飽和磁化σsは0.75emu/gであった。実施例10のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例11)
下記のトナー処方13に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.0μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.25重量部を混合し、実施例11のトナーを得た。
(トナー処方13)
非線状ポリエステル樹脂(B4) 30重量部
変性ポリエステル樹脂(C3) 30重量部
Ti−Fe着色剤 30重量部
(Ti含有量:40重量%、平均一次粒径0.15μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
ライスワックス 8重量部
トナーの飽和磁化σsは0.85emu/gであった。実施例11のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例12)
下記のトナー処方14に示した各成分を2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.0μmとした後、ヘンシェルミキサーを用いてシリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.25重量部を混合し、実施例12のトナーを得た。
(トナー処方14)
非線状ポリエステル樹脂(B4) 34重量部
変性ポリエステル樹脂(C3) 34重量部
Ti−Fe着色剤 25重量部
(Ti含有量:25重量%、平均一次粒径0.15μm)
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
合成エステルワックス 5重量部
トナーの飽和磁化σsは1.45emu/gであった。実施例12のトナーを前記実施例1と同様の条件で現像剤として調整し、実施例1と同じようにしてトナーの定着性及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 0004212998
本発明の実施例1〜12のトナーはいずれも、定着温度が低く、耐熱保存性が優れていることが確認された。また、飽和磁化σsも398kA/mの磁場において0.08〜5.5emu/gであり良好な値を示した。
実施例においてトナーの定着性を評価するために画像形成装置(imagio MF6550)に搭載した定着器の概略構成を示す模式図である。
符号の説明
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 金属シリンダー
4 オフセット防止層
5 加熱ランプ
6 金属シリンダー
7 オフセット防止層
8 加熱ランプ
T トナー像
S 付着支持体

Claims (11)

  1. 結着樹脂と着色剤とを含む静電荷像現像用トナーにおいて、前記結着樹脂はチタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、及びカルボン酸チタニル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂であり、前記着色剤はチタン成分と鉄成分とを含有する黒色酸化鉄化合物で、かつ該チタン成分の含有量は波長分散型蛍光X線装置で測定した値がTi原子換算でFe原子に対して20〜45重量%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記チタンジケトンエノレートがチタンアセチルアセトナートであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記カルボン酸チタンが芳香族カルボン酸チタンであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記カルボン酸チタニル塩がマレイン酸チタニル塩又はシュウ酸チタニル塩であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記ポリエステル樹脂の分子骨格の一部がポリエポキシドで変性されたことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記黒色酸化鉄化合物の含有量がトナー全量に対して15〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記トナー中にカルナウバワックス、ライスワックス、エステルワックスから選ばれる少なくとも1種のワックス成分をトナー全量に対して0.5〜10重量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記トナーの飽和磁化σsが398kA/mの磁場において0.1〜5.0emu/gであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 前記静電荷像現像用トナーが二成分系トナー材料として用いられることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. トナーを用いて画像を形成する画像形成装置に着脱自在である前記トナーを充填するトナーカートリッジであって、該トナーは請求項1〜9のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするトナーカートリッジ。
  11. 画像形成装置の像担持体上に形成された静電潜像に結着樹脂と着色剤とを含む静電荷像現像用トナーを用いて画像を形成し、該画像を被転写体上に転写、定着する画像形成方法であって、該静電荷像現像用トナーの前記結着樹脂はチタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、及びカルボン酸チタニル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂であり、前記着色剤はチタン成分と鉄成分とを含有する黒色酸化鉄化合物で、かつ該チタン成分の含有量は波長分散型蛍光X線装置で測定した値がTi原子換算でFe原子に対して20〜45重量%であることを特徴とする画像形成方法。
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