JP4773866B2 - 黒トナー - Google Patents
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着色剤の着色力が低い場合には、トナー中の着色剤量を上げたり、トナーの載り量を多くしたりすることにより、この問題を解決することは可能ではある。しかしながら、着色剤量を多くすると、定着性能が低下してしまいやすく、また、比重が大きくなることにより、現像や転写における電気的挙動が変わるため、ムラ、画像抜けといった、欠陥が発生しやすくなった。特に、画像欠陥は、フルカラー方式の電子写真方法に使用した場合、問題になりやすい。また、トナーの載り量を多くした場合、同様に現像や転写が困難になり、更には定着でも問題が発生しやすくなった。
カラートナーと黒トナーとのグロス差の解消に関しては、黒トナーの結着樹脂の分子量制御、更に結着樹脂を構成するモノマー種の変更を行うことにより、粘弾性特性、融点を制御し、ベタ部であればグロスを揃えることは可能である。しかしながら、黒のハーフトーン部のガサつきを押さえることは困難であった。それは、ベタ部でグロスが揃うようにこれらの特性を制御しても、ハーフトーン画像を形成する場合には、黒トナーとカラートナーとで、転写性や定着性がずれてしまうためと思われる。そのため、上記の対応で亜は、ベタ部とハーフトーン部の両方で黒地部のガサツキを抑えることは、非常に困難であった。
また、本発明は、赤味や青味を有さない高品質の黒色画像を形成することが可能となる黒トナーを提供することを目的とする。
該鉄チタン複合酸化物は着色剤であり、結着樹脂100質量部に対し20乃至70質量部含有されており、
該黒トナーは、重量平均粒径(D4)が3.0乃至9.0μmで、飽和磁化が2.0Am2/kg以下であり、
該黒トナーは、X線回折において、2θ=32.5乃至33.1度に最大ピークを有し、該最大ピークの半値幅が0.25度以下であり、
該黒トナーは、断面写真において、下記式
線形度={(鉄チタン複合酸化物の絶対最大長)2/鉄チタン複合酸化物の面積}×π/4
で表される該鉄チタン複合酸化物の線形度の個数頻度分布に関して、線形度が2.4より小さい範囲において最大頻度を有し、且つ、線形度3.0以上の鉄チタン複合酸化物の割合が30個数%より少ないことを特徴とする黒トナーに関する。
また、本発明は、カラー画像形成装置においても、他色トナーと同様の転写性を有し、光沢性に優れ、安定して高解像度のフルカラー画像を形成することが可能となる黒トナーを提供できる。
線形度={(鉄チタン複合酸化物の絶対最大長)2/鉄チタン複合酸化物の面積}×π/4
電子顕微鏡観察で撮影した画像(2万倍)の粒子に対して統計解析(グラフテック株式会社製デジタイザKD4620)を用いて、任意に350個測定し、その個数平均一次粒径(D1)及び粒径の標準偏差σを求めた。
粒子の変動係数(%)=(σ/D1)×100
本発明の黒トナーのX線回折測定は、CuKα線を用い、次の条件で測定したものである。
X線管球/Cu
管電圧/50kV
管電流/300mA
走査モード/連続
スキャン速度/4deg./min
サンプリング間隔/0.020deg.
スタート角度(2θ)/3deg.
ストップ角度(2θ)/60deg.
発散スリット/開放
発散縦制限スリット/10.00mm
散乱スリット/開放
受光スリット/開放
湾曲モノクロメーター使用
計数時間/1.0sec
サンプリング間隔/0.005deg.
スタート角度(2θ)/32deg.
ストップ角度(2θ)/34deg.
Fe原子に対するTi原子の含有量の測定は、まず検量線用サンプルを用いて検量線を作成し、検量線から測定試料の添加量を算出する。詳細には、「蛍光X線分析装置 RIX−2100型」(理学電気工業(株)製)中へ検量線用サンプルを入れ、X線強度を測定した。濃度の異なる複数(例えば、比Ti/Feが、0、0.1、0.2、0.3、0.4の5種)のサンプルに対して測定を繰り返し、検量線を作成した。次に、測定試料のX線強度を測定し、検量線に基づき、Ti原子の含有量を求めた。なお、蛍光X線分析は、JIS K 0119蛍光X線分析通則に従って行う。
窒素吸着による比表面積(SN2)は、「Mono Sorb MS−II」(湯浅アイオニックス(株)製)を用いて、N2吸着によるBET多点法により求められる。サンプルの前処理としては、50℃で10時間の脱気を行う。
測定装置としては、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、約1%NaCl水溶液を用いる。電解液には、1級塩化ナトリウムを用いて調製された電解液や、例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
鉄チタン複合酸化物及びトナーの磁化の強さは、磁気特性と真比重とから求められる。鉄チタン複合酸化物及びトナーの磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用いて測定することができる。測定方法としては、円筒状のプラスチック容器に十分密になるように試料(鉄チタン複合酸化物またはトナー)を充填し、10キロエルステッド(796kA/m)の外部磁場中に入れ、この状態で前記容器に充填した試料の磁化モーメントを測定する。さらに、前記容器に充填した試料の実際の質量を測定して、鉄チタン複合酸化物及びトナーの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(バーキンレルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。これをアルミバン中に入れ、リファレンスとして空のアルミバンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿(23℃、60%RH)下で測定を行う。この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の吸熱ピークが得られる。
トナーを水溶性樹脂(Tissue-Tek O.C.T. Compound(Sakura Finetechnical Co., Ltd.))中に分散させ、液体窒素を用いて、クライオミクロトーム(Reichert社製 ULTRACUT N FC4E)装置内での設定温度−80℃雰囲気下にて水溶性樹脂を凍結させて固定した後、ガラスナイフを用いて切削面形状を約0.1ミリ幅、約0.2ミリ長にトリミングした。次にダイヤモンドナイフを用いて、水溶性樹脂を含むトナーの超薄切片(厚み設定:70nm)を作製し、まつげプローブを用いてTEM観察用グリッドメッシュ上に移動し、室温に戻した後、水溶性樹脂を純水に溶解させTEM観察試料とした。
線形度={(鉄チタン複合酸化物の絶対最大長)2/鉄チタン複合酸化物の面積}×π/4
また、トナー中における鉄チタン複合酸化物の分散径(凝集径)は、線形度の測定に用いた画像データに基づき円相当径として算出する。
2.76mol/リットルのNaOH水溶液22.2リットルに、1.8mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液17.8リットルを添加し、全量40.0リットル、pH6.5の水酸化鉄塩コロイドを含む反応溶液を得た。その後、この反応溶液を90℃に昇温し、100分間空気を通気するとともに0.48mol/リットルの硫酸チタニル水溶液18.0リットルを添加し、黒色沈殿物を生成した。この間、温度90℃、pH6.5に保持した。
2.76mol/リットルのNaOH水溶液22.2リットルに、1.8mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液17.8リットルを添加し、全量40.0リットル、pH6.5の水酸化鉄塩コロイドを含む反応溶液を得た。その後、この反応溶液を90℃に昇温し、100分間空気を通気するとともに0.48mol/リットルの硫酸チタニル水溶液3.3リットルを添加し、黒色沈殿物を生成した。この間、温度90℃、pH6.5に保持した。
球状マグネタイト粒子粉末10kgを含有する水懸濁液に、硫酸チタニル43.6molを含有する水溶液(マグネタイト粒子粉末の全Feに対してTi換算で30原子%に相当)を添加する。なお添加時に反応溶液のpHを8.5以上に保持するように混合溶液中にNaOHを添加した。次いで、混合溶液のpHを8.0に調整してマグネタイト粒子の粒子表面にチタンの含水酸化物を沈着させた後、濾別、水洗、乾燥して粒子表面がチタン含水酸化物で被覆されている球状黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
加熱焼成条件を730℃で60分間に変更した以外は、鉄系黒色粒子の製造例−3と同じ方法で、鉄チタン複合酸化物を得た。これを黒着色剤4とする。構成相はFeTiO3−Fe2O3固溶体とFe3O4−γFe2O3の混合物であった。黒着色剤4の物性を表1に示す。
加熱焼成条件を840℃で120分間に変更した以外は、鉄系黒色粒子の製造例−3と同じ方法で、鉄チタン複合酸化物を得た。構成相はFeTiO3−Fe2O3固溶体とFe3O4−γFe2O3の混合物であった。これを黒着色剤5とする。黒着色剤5の物性を表1に示す。
0.48mol/リットルの硫酸チタニル水溶液の添加量を20リットル、pH9.5の条件に変更した以外は、鉄系黒色粒子の製造例−1の条件と同じようにして、黒色沈殿物を生成した。この黒色沈殿物を濾別、水洗後、60℃で乾燥し、さらにN2ガス流下730℃で60分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄チタン複合酸化物を得た。構成相はFeTiO3−Fe2O3固溶体であった。これを黒着色剤6とする。黒着色剤6の物性を表1に示す。
硫酸チタニル水溶液の変わりに、4塩化チタン水溶液を用い、チタン処理量を半分にした以外は、鉄系黒色粒子の製造例−1の条件と同じようにして、黒色沈殿物を生成した。この黒色沈殿物を濾別、水洗後、60℃で乾燥し、さらにN2ガス流下820℃で120分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄チタン複合酸化物を得た。構成相はFeTiO3−Fe2O3固溶体とFe3O4−γFe2O3の混合物であった。これを黒着色剤7とする。黒着色剤7の物性を表1に示す。
鉄系黒色粒子の製造例−2において、硫酸チタニル水溶液を四塩化チタニル水溶液に変更した。1回目の四塩化チタニル水溶液は四塩化チタン換算で3.2molになるよう添加し、2回目の四塩化チタニル水溶液は四塩化チタン換算で8molになるように添加した。それ以外は、鉄系黒色粒子の製造例−2と同じ条件で、粒子表面がチタンで被覆されている黒色沈殿物を得た。
1回目の硫酸チタニル水溶液の添加量を10リットルに、2回目の硫酸チタニル水溶液の添加量を10リットルに変更した以外は、鉄系黒色粒子の製造例−2と同じ条件で、粒子表面がチタンで被覆されている黒色沈殿物を得た。
ビニル系共重合体として、スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れた。また、ポリエステルユニット材料としてポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、コハク酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系の単量体及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応せしめてハイブリッド樹脂(1)を得た。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.4mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸0.2mol、フマル酸1.7mol及び酸化ジブチル錫0.1gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂(1)を得た。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.4mol、テレフタル酸2.0mol、無水トリメリット酸0.2mol、フマル酸2.7molのモノマー構成で上記と同様に反応させ、ポリエステル樹脂(2)を得た。
個数平均粒径0.25μmのマグネタイト粉に対して、4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で100℃以上で高速混合撹拌し、マグネタイト粉を親油化処理した。同様にして、個数平均粒径0.60μmのヘマタイト粉も親油化処理した。
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
6質量部
・親油化処理したマグネタイト 63質量部
・親油化処理したヘマタイト 21質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、マグネタイト及びヘマタイトが分散された状態の球状の磁性樹脂粒子(キャリアコア)を得た。
以下の方法で黒トナー(ブラック1)を調製した。
・ポリエステル樹脂(1) 20質量部
・黒着色剤1 30質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1質量部
実施例1で用いた黒着色剤1の代わりに、黒着色剤2を用い添加量を45質量部に変更しこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー2を作製した。黒トナー2の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
実施例1で用いた黒着色剤1の添加量を表2に記載の量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー3、4を作製した。黒トナー3及び4の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
以下の方法で黒トナー5を調製した。
・ポリエステル樹脂(1) 20質量部
・黒着色剤3 30質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1質量部
・シリカA(個数分布のピーク値110nmのアモルファスシリカ) 10質量部
実施例1で用いた黒着色剤1の代わりに、黒着色剤4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー6を作製した。黒トナー6の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
以下の方法で黒トナー7を調製した。
・黒着色剤3 30質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1質量部
以下の方法で黒トナー8を調製した。
・黒着色剤3 30質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1質量部
・シリカA(個数分布のピーク値が110nmのアモルファスシリカ) 5質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度140℃に設定した二軸混練機(PCM−45型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
実施例1で用いた黒着色剤1の代わりに、黒着色剤5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー9を作製した。黒トナー9の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
実施例1で作製した粗砕物を、衝突式気流粉砕機の高圧気体の圧力を変え微粉砕し、次に、得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去し、重量平均粒径9.5μmのブラック分級品を得た。この分級品に対して実施例1と同様に酸化チタン及びアモルファスシリカの外添を行い、黒トナー10を得た。黒トナー10の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
実施例1で作製した粗砕物を、衝突式気流粉砕機の高圧気体の圧力を変え微粉砕し、次に、得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去し、重量平均粒径2.8μmのブラック分級品を得た。この分級品に対して実施例1と同様に酸化チタン及びアモルファスシリカの外添を行い、黒トナー11を得た。黒トナー11の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
実施例1で用いた黒着色剤1の添加量を表2に記載の量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー12、13を作製した。黒トナー12、13の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
表2に記載した原材料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー14、15を作製した。黒トナー14、15の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
尚、ワックスBは、DSCによる吸熱メインピーク85℃であるパラフィンワックスであり、内添させたスチレンアクリル樹脂微粒子(表にはSt−Ac樹脂粒子と記載)は、モル比でスチレン:メタクリル酸メチル=50:50、個数平均粒径150nm、数平均分子量12,000、重量平均分子量80,000、THF不溶分30質量%のものを用いた。
表2に記載した原材料を用いて、実施例1と同様に混練物を得て、衝突式気流粉砕機による微粉砕を行い、更に多分割分級装置による分級を行った。この際、衝突式気流粉砕機の高圧気体の圧力、及び、多分割分級装置での分級条件を変え、黒トナー16〜21を得た。黒トナー16〜21の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
以下の方法でシアントナー(シアン1)を調製した。
・ハイブリッド樹脂(1) 60質量部
・合成後、一度も乾燥工程を経ずに得た固形分(C.I.Pigment Blue15:3)40質量%のペースト状顔料(残りの60質量%は水) 100質量部
・ハイブリッド樹脂(1) 92.5質量部
・上記第1の混練物(顔料粒子の含有量40質量%) 12.5質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1.0質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、実施例1と同様に高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕し、その後、多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去してシアントナー粒子を得た。
画像部濃度が1.4程度となるように、且つ、非画像部の電位(VD)と現像スリーブに印加される現像バイアスの直流成分(VDC)との電位差が150V(Vback)となるように、感光体上の電位を調整した。この条件でベタ白の画像形成を行い、画像形成中に感光体を止め、転写工程前の感光体上のトナーをマイラーテープを用いて剥ぎ取り、紙上に貼り付けた。また、マイラーテープをそのまま紙上に貼り付け、これをリファレンスとした。
A:反射率差が0.5%以下であり、良好なもの。
B:反射率差が0.5%を超え1.0%以下である。
C:反射率差が1.0%を超えるが、目視ではカブリ画像として判別できないもの。
D:反射率差が1.0%を超え、画像上白地部にかぶりが見られるもの。
前記トナー及び前記改造機を用いて30H画像を形成し、この画像を目視にて観察し、前記画像の細線再現性について以下の基準に基づき評価した。なお、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白とし、FFHをベタ黒とするときのハーフトーン画像である。
A:全くガサツキを感じなく、滑らかな画像である。
B:ガサツキを余り感じない。
C:ややガサツキ感はある。
D:顕著なガサツキ感がある。
E:非常に顕著なガサツキ感がある。
ベタ黒画像(FFH)の場合の載り量が1.0mg/cm2になるように画像を作製した。次に、このコントラスト条件で、ハーフトーン画像(30H)を作製し、定着器を通さず未定着画像として取り出した。一方、レーザージェット4100(ヒューレットパッカード社製)の定着器を取り外し、温度制御可能な外部定着試験用装置を作製した。この装置を用いて定着温度を変化させながら、A4紙上に上記の未定着画像の定着を行った。得られた定着画像に対して、こすり試験で画像が剥れるかどうかのコールドオフセット評価を行った。こすり試験においては、荷重4.9kPaでシルボン紙で10往復こすった際に、画像濃度低下率が10%を超える場合に画像が剥れたと判断した。また、定着器の1周後の白地部分に前周の画像が現れるかどうかのホットオフセット評価を目視で行った。なお、定着器の紙送り速度は100mm/sに設定した。
B:ベタ画像の定着可能範囲が30〜40℃の範囲であり、定着可能温度領域において、ハーフトーン領域でのホットオフセットが発生しない。
C:ベタ画像の定着可能範囲が30〜40℃の範囲あるが、定着可能温度領域において、ハーフトーン領域でのオフセットが見られる。
D:定着可能範囲が30℃未満のもの。
感光体上に載り量が0.6mg/cm2になるように感光体の電位コントラストを調整し、この条件で画像形成を行い、転写紙上に未定着画像を形成した。転写紙上に転写した画像にマイラーテープを貼り測定した画像濃度(D)と、感光体上の転写残トナーをマイラーテープで剥ぎ取り、それを紙上に貼り測定した画像濃度(DR)から、転写紙上への転写効率(=D/(D+DR))を求めた。画像濃度の測定は、濃度計(X−rite 500Series)を用いて行った。また、転写電流を変化させ、転写電流に対する転写効率のプロファイルを求めた。
B:シアンの再転写効率が5%以内(紙上に95%以上)で、黒トナーの転写効率が93%以上95%未満になる転写電流条件が存在する。
C:シアンの再転写効率が5%以内(紙上に95%以上)で、黒トナーの転写効率が90%以上93%未満になる転写電流条件が存在する。
D:シアンの再転写効率が5%以内(紙上に95%以上)で、黒トナーの転写効率が90%未満である。
トナー載り量が0.6g/cm2になるように画像形成を行い、該画像の濃度を測定した。測定は、X−rite社製反射濃度計500 Series Spectrodensitemeterを用いて行った。
前記改造機を用いて、紙上(カラーレーザーコピア用紙TKCLA4、キヤノン製)に7段階(0.10g/cm2、0.15g/cm2、0.20g/cm2、0.25g/cm2、0.30g/cm2、0.35g/cm2、0.40g/cm2)で載り量を変化させて定着画像を形成し、各定着画像について、Gretag Macbeth社製 Spectroscanを用い(測定条件:D65、視野角2度)、CIE a*、b*を測定した。得られたa*、b*をプロットし、各点をなめらかに結ぶ曲線を引き、曲線上での、原点(a*=0、b*=0)からの最大の距離になる値を求めた。評価基準は以下のとおりである。尚、原点からの距離は一般的にはc*で表され、彩度と呼ばれる。
c*={(a*)2+(b*)2}1/2
A:c*の最大値が5以下である。
B:c*の最大値が5を超え10以下である。
C:c*の最大値が10を超えるもの。
上記改造機より現像器を取り出し、現像剤を入れ、外部のモーターから連結して、現像器の駆動を行った。なお、現像剤支持体である現像ローラーの移動速度は、350mm/s、現像剤の漏らし量は30mg/cm2になるように調整した。この状態で30分現像器の駆動を行った後、上記改造機に現像器をセットし画像形成を行った。ゴーストとは一枚のプリント画像のうち、スリーブ2周目で、1周目で黒画像が形成された場所(黒印字部)と、されない場所(非画像部)での濃度差である。ここの濃度差を、反射濃度差を測定することにより評価を行った。スリーブ1周目においてFFH画像、00H画像の帯びの画像形成を行った後、2周目以降にハーフトーンの30H画像を出力し、2周目のハーフトーン部における、画像の濃淡を調べた。
A:ハーフトーン画像における濃度差が0.02未満である。
B:ハーフトーン画像における濃度差が0.02以上0.04未満である。
C:ハーフトーン部の画像濃度差が0.04以上0.06未満で、ゴーストとして認識の出来る。
D:ハーフトーン部の画像濃度差が0.06以上であり、はっきりとゴースト画像として認識される。
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂及び鉄チタン複合酸化物を含有する黒トナーであって、
該鉄チタン複合酸化物は着色剤であり、該結着樹脂100質量部に対し25乃至60質量部含有されており、
該鉄チタン複合酸化物は、個数平均一次粒径(D1)が0.10乃至0.30μmであり、飽和磁化が3.8Am 2 /kg以下であり、
該黒トナーは、重量平均粒径(D4)が3.0乃至9.0μmで、飽和磁化が2.0Am2/kg以下であり、
該黒トナーは、X線回折において、2θ=32.5乃至33.1度に最大ピークを有し、該最大ピークの半値幅が0.20度以下であり、
該黒トナーの断面写真観察から求められる線形度を下記式で表される値と定義した時、該線形度の個数頻度分布において、
i)最大頻度を示す線形度が、線形度2.4より小さい領域に存在し、
ii)線形度3.0以上の鉄チタン複合酸化物の割合が、全鉄チタン複合酸化物の個数に対して30個数%より少ない、
ことを特徴とする黒トナー。
線形度={(鉄チタン複合酸化物の絶対最大長)2 /鉄チタン複合酸化物の面積}×π/4 - 前記鉄チタン複合酸化物は主成分としてFeTiO3−Fe2O3固溶体を含むことを特徴とする請求項1に記載の黒トナー。
- 該鉄チタン複合酸化物の下式で表される粒径の変動係数が45%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の黒トナー。
粒径の変動係数=(粒径の標準偏差/個数平均一次粒径)×100 - 前記黒トナーは、飽和磁化が1.5Am2/kg以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の黒トナー。
- 前記結着樹脂は、(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットとが化学的に結合したハイブリッド樹脂、及び、(c)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂の混合物からなるグループより選ばれる樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の黒トナー。
- 前記黒トナーの断面写真において観察される鉄チタン複合酸化物の分散粒径が0.3μmより大きく1.2μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の黒トナー。
- 前記黒トナーは、磁性キャリアと混合されて二成分現像剤として用いられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の黒トナー。
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