JP4773866B2 - 黒トナー - Google Patents

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本発明は、電子写真法,静電記録法,磁気記録法,トナージェット方式記録法などを利用した記録方法に用いられるトナーに関するものである。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には、コロナ帯電あるいは帯電ローラー等による直接帯電等により、光導電性物質からなる潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、光エネルギーの照射等により潜像担持体上に電気的潜像を形成し、次いでこの電気的潜像を正又は負に帯電しているトナーで現像してトナー像を形成し、必要に応じて紙等の転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等によりトナー画像を転写材上に定着して定着画像を得るものである。そして、転写時に、転写材に転写されずに残余したトナーは、種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
この電気的潜像を可視化する現像方式としては、大別して乾式現像法と湿式現像法とがある。乾式現像法は、トナーとキャリアから構成される二成分現像剤を用いる方法と、トナーのみから構成される一成分現像剤を用いる方法とに分けられる。
近年、プリンターあるいは複写機等、電子写真法による画像形成装置においては、小型軽量化、高速高生産性化、省エネルギー化、高信頼性化、低価格化、メンテナンスフリー化など様々の要請を受ける中、より高い解像度の画像を形成することが要求されている。特に、黒色トナーにより形成される画像は、白黒画像形成装置のみならずカラー画像形成装置においても、微細な部分に至るまで極めて微細かつ忠実に再現することが要求されている。このため、トナーとしては一層の現像安定性、帯電安定性の向上が必要である。
これらの画像形成装置に用いられるトナーとしては、一般に、熱可塑性樹脂に、染料や顔料といった着色剤、離型剤としてのワックス、荷電制御剤などを分散せしめたトナー粒子を形成し、該トナー粒子の表面に必要に応じてシリカなどの無機微粒子を付着又は固着させて形成される。
黒色トナーに用いられる着色剤としては、一般にカーボンブラック、マグネタイト等の黒色顔料粒子が用いられる。カーボンブラックは比較的低価格で良好な黒色度を有するが、その導電性により黒色トナーの現像安定性、帯電安定性が低下しやすい。また、フルカラー画像形成装置に用いた場合には、カーボンブラックの導電性により、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーなど他のカラートナーと転写性が異なるため画像劣化の原因となっている。
一方、マグネタイトは一般に磁性一成分現像方式用の磁性トナーとして用いられる。カーボンブラックと比べてマグネタイトは比較的抵抗値が大きく、比較的良好な現像安定性、帯電安定性が得られるが、その抵抗値や着色力にはいまだ改良すべき点を有している。特にフルカラー方式の画像形成を行う場合、マグネタイトはカラートナーに用いる顔料に比べ抵抗が低く、静電的に同じ挙動を示しにくい。
また、磁性トナーは、十分な磁気拘束力を得るために、一般にマグネタイトを多量に含有する。そのため、トナーの低温定着性能を向上させることが難しい。特にフルカラー画像形成装置に用いた場合には、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーなど他のカラートナーと磁性トナーとの定着性が異なるようになり、画像の光沢が不均一になりやすい。
さらに、磁性一成分現像方式用で用いる磁性トナーは、現像は安定するものの、帯電性がまだ十分でないことから、例えば、非磁性二成分方式のカラートナーと組み合わせた場合、帯電性の差からカーボンブラックを用いた場合と同様に転写性の違いによる画像劣化が発生しやすい。また、磁性トナーを二成分現像方法に用いる場合、帯電性は向上するものの、磁性トナーが現像ロール等の現像剤担持体に磁気的に付着しやすくなり、耐久時の画像劣化を起こしやすかった。
これらの課題を解決するため、非磁性又は弱磁性の黒色顔料を用いたトナーが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。これらのトナーは飽和磁化が小さく、二成分現像方式に用いることも可能である。しかしながら、本発明者らの検討によると、これらのトナーは黒色顔料粒子の黒色度が不十分であり、反射濃度が十分に高く、高品位な黒文字、細線を表現することはできなかった。また、黒色顔料自体はある程度十分な黒色度を有している場合にも、結着樹脂中に黒色顔料を分散させると、黒色トナー単色では十分な画像濃度が得られない課題や、赤黒い画像になるといった課題があった。
また、低磁化の金属酸化物を含有しており、定着画像の色を規定したトナーに係る提案がなされている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら上記の金属酸化物は赤味を帯びた黒色であり、青色顔料と併用しないと実質的に黒色トナーに用いることはできなかった。鉄チタン複合酸化物に関しても、提案がなされているが(例えば、特許文献6参照)、磁化を下げた場合、ベタ画像部ではある程度の画像濃度が得られるが、ハーフトーン部は赤味を呈するといった課題があった。鉄チタン複合酸化物を用い、飽和磁化が5〜40Am2/kgである黒色顔料粉末も紹介されているが(例えば、特許文献7参照)、該黒色顔料粉末を含有する黒トナーを用いて、二成分現像を行ったり、カラートナーと組み合わせフルカラー画像形成を行ったりした場合、耐久時の問題が発生しやすかった。
特開2002−221821号公報 特開2004−102154号公報 特開平3−220566号公報 特開2004−54094号公報 特開2002−196528号公報 特開平3−002276号公報 特開2004−161608号公報
前述のように、非磁性又は弱磁性の黒色顔料は提案されているが、“着色力を上げる”、“黒色度を上げる”、“飽和磁化を低くする”といった黒色着色剤として要求される性質と、現像性、転写性、定着性といったトナー化した際に求められる性能とを良好に両立することのできる黒色着色剤は未だなかった。
着色剤の着色力が低い場合には、トナー中の着色剤量を上げたり、トナーの載り量を多くしたりすることにより、この問題を解決することは可能ではある。しかしながら、着色剤量を多くすると、定着性能が低下してしまいやすく、また、比重が大きくなることにより、現像や転写における電気的挙動が変わるため、ムラ、画像抜けといった、欠陥が発生しやすくなった。特に、画像欠陥は、フルカラー方式の電子写真方法に使用した場合、問題になりやすい。また、トナーの載り量を多くした場合、同様に現像や転写が困難になり、更には定着でも問題が発生しやすくなった。
そのため、着色力が大きく、黒色度の高い黒色着色剤を用いることが必要であり、更には、黒トナーとしてはこれらの着色剤の分散性を高め、より着色力を高めることが必要である。
また、フルカラー画像を形成する際においては、黒地部だけがガサついた画像になるという問題が生やすい。ガサつきの一つの原因として、カラートナーと黒トナーとのグロス差が挙げられる。
カラートナーと黒トナーとのグロス差の解消に関しては、黒トナーの結着樹脂の分子量制御、更に結着樹脂を構成するモノマー種の変更を行うことにより、粘弾性特性、融点を制御し、ベタ部であればグロスを揃えることは可能である。しかしながら、黒のハーフトーン部のガサつきを押さえることは困難であった。それは、ベタ部でグロスが揃うようにこれらの特性を制御しても、ハーフトーン画像を形成する場合には、黒トナーとカラートナーとで、転写性や定着性がずれてしまうためと思われる。そのため、上記の対応で亜は、ベタ部とハーフトーン部の両方で黒地部のガサツキを抑えることは、非常に困難であった。
本発明は、上述の課題を解決し、高解像度化を達成し、細線再現性に優れ、帯電安定性能、耐久安定性能に優れた黒トナーを提供することを目的とする。
また、本発明は、低画像濃度領域から高画像濃度領域まで、粒状感(ガサつき)が抑制された高品質の黒色画像を形成することが可能となる黒トナーを提供することを目的とする。
また、本発明は、赤味や青味を有さない高品質の黒色画像を形成することが可能となる黒トナーを提供することを目的とする。
また、本発明は、カラー画像形成装置においても、他色トナーと同様の転写性を有し、光沢性に優れ、安定して高解像度のフルカラー画像を形成することが可能となる黒トナーを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、少なくとも結着樹脂及び鉄チタン複合酸化物を含有する黒トナーであって、
該鉄チタン複合酸化物は着色剤であり、結着樹脂100質量部に対し20乃至70質量部含有されており、
該黒トナーは、重量平均粒径(D4)が3.0乃至9.0μmで、飽和磁化が2.0Am2/kg以下であり、
該黒トナーは、X線回折において、2θ=32.5乃至33.1度に最大ピークを有し、該最大ピークの半値幅が0.25度以下であり、
該黒トナーは、断面写真において、下記式
線形度={(鉄チタン複合酸化物の絶対最大長)2/鉄チタン複合酸化物の面積}×π/4
で表される該鉄チタン複合酸化物の線形度の個数頻度分布に関して、線形度が2.4より小さい範囲において最大頻度を有し、且つ、線形度3.0以上の鉄チタン複合酸化物の割合が30個数%より少ないことを特徴とする黒トナーに関する。
本発明によると、低画像濃度領域から高画像濃度領域まで、粒状感(ガサつき)が抑制され、赤味や青味を有さない高品質の黒色画像を形成することが可能となる黒トナーを提供できる。
また、本発明は、カラー画像形成装置においても、他色トナーと同様の転写性を有し、光沢性に優れ、安定して高解像度のフルカラー画像を形成することが可能となる黒トナーを提供できる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、着色剤に鉄チタン複合酸化物を用いた場合、該鉄チタン複合酸化物の粒径因子とトナー中への分散状態を制御することで、鉄チタン複合酸化物の着色力、黒色度の着色剤の特性を十分に引き出せると共に、現像、転写、定着といった、電子写真方法に関する特性についても、十分に特性が改善したトナーを得ることが出来ることを見出した。
本発明では、黒トナーは重量平均粒径(D4)が3.0乃至9.0μmであり、より好ましくは3.0乃至7.0μm、特に好ましくは4.0乃至6.5μmである。このような粒径を有するトナーは、画像の細線再現性、着色力等に優れる。一般的に、小粒径のトナーは、画像の細線再現性、着色力等に優れる一方で、白地のカブリや、耐久時におけるチャージアップ等が発生しやすい。特に、着色剤の分散が不均一である場合、上記のような問題が発生しやすかったが、本発明の黒トナーでは、これらの問題点を解決することが可能となった。
本発明の黒トナーは、飽和磁化が2.0Am2/kg以下であり、好ましくは1.5Am2/kg以下、更に好ましくは、1.0Am2/kg以下である。特に、黒トナーをキャリアと混合して二成分現像剤として用いる場合においては、飽和磁化が2.0Am2/kgを超える場合、現像器の現像剤担持体(現像ローラー、現像スリーブ)上にキャリアから遊離したトナーが滞留するようになる。この場合、サイクルが進んでも、トナーが現像に用いられずに、いつまでも現像剤担持体上に存在し続ける、いわゆる、つれまわりと呼ばれる現象が発生する。つれまわりが生じると、現像剤担持体上に多量のトナーが存在することになるため、現像剤担持体とキャリア間での電荷の受け渡しが不十分となり、トナーの帯電量が低下してしまう。その結果、トナーに対する現像領域での電界による作用が小さくなり、現像効率の低下やゴーストといった画像不良を起こしやすくなる。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物は、変動係数(=(粒径の標準偏差σ/個数平均一次粒径)×100)が45%以下であることが好ましい。変動係数が45%を超えるような鉄チタン複合酸化物は、加熱処理による焼結部分が多いものと思われ、所望の黒色度を得にくくなる。また、非磁性トナーに用いた場合、樹脂への分散性が悪くなり所望の画像濃度を得にくくなる。好ましくは40%以下である。また、本発明に係る鉄チタン複合酸化物の粒径の標準偏差σは0.01〜0.18μmが好ましい。
鉄チタン複合酸化物を着色剤として用いる場合、トナー中における該酸化物の分散状態を制御することにより、十分な黒色度を持つトナーを得ることが出来る。
更に、該黒トナーの断面写真の観察において、円相当径が0.1μm以上の鉄チタン複合酸化物に関し、下記式で表される鉄チタン複合酸化物の線形度が、個数基準で、2.4より小さい領域に最大頻度が存在することが好ましい。より好ましくは、1.4乃至2.0の範囲に最大頻度が存在することが好ましい。尚、線形度の測定に関しては、トナー中において鉄チタン複合酸化物が凝集して存在する場合には、凝集体としての線形度を測定する。
線形度={(鉄チタン複合酸化物の絶対最大長)2/鉄チタン複合酸化物の面積}×π/4
更に、上記の線形度に関して、3.0以上の線形度を持つ着色剤の存在量が、30個数%より少ないことが好ましく、より好ましくは20個数%より少ないことである。
本発明では、線形度を以上のように制御することにより、黒トナーにおいて濃度、黒色度の色の特性だけでなく、画像形成プロセスの観点から要求されるトナーの特性が向上するとことが分かった。
本発明の黒トナーにおいては、鉄チタン複合酸化物が一次粒子としてトナー中に分散されていても構わないが、多くの鉄チタン複合酸化物が一次粒子として存在する場合には、ハーフトーン部分での色味が赤味を呈しやすくなる。そのため、断面写真で観察される分散粒径が0.3μmより大きく1.2μm以下となる程度の凝集体として存在していることが好ましい。より好ましくは、分散粒径が0.35〜1.0μmであり、更に好ましくは0.4〜0.9μmである。
該黒トナーにおいて鉄チタン複合酸化物の線形度の最大頻度が2.4以上の場合、トナーの濃度が下がると共に、分散状態が不十分になり、特に、ハーフトーン画像を低温で定着するような場合において、紙への染み込みが阻害され、低温オフセット、剥れ等の定着不良が生じやすくなった。
3.0以上の線形度を持つ鉄チタン複合酸化物が30個数%以上の場合、カーボンブラックに比べ高抵抗である本発明に係る鉄チタン複合酸化物を用いた場合においても、トナー内に導電経路ができ、転写性能が低下してしまう。その結果、転写効率ダウンによる文字再現性の低下等、画像における問題が発生しやすくなる。
線形度を満足するためには、鉄チタン複合酸化物の形状、粒度分布、トナー中での分散状態を関連して制御することが必要である。粉砕トナーにおいて、鉄チタン複合酸化物が示す線形度を制御するためには、結着樹脂の粘度や、混練の温度制御の制御でも可能であるが、粘弾性の異なる2種類の樹脂を用いて低温で混練したりすることが有効である。また、樹脂微粒子や無機微粉体を結着樹脂に添加し、鉄チタン複合酸化物と共に混練することも、線形度の制御に関し有効であることが分かった。これらの微粒子や微粉体がフィラーとして働き、線形度を制御することができたものと考えられる。
一方、鉄チタン複合酸化物としては、粒径が均一で、トナー製造時に凝集を起こしにくいものを用いることが重要である。鉄チタン複合酸化物については、加熱焼成時の温度を、下げることにより、凝集塊を作らず、粒径の揃った粒子を得ることが可能となった。但し、母体となる粒子(例えば、マグネタイト)を生成後に、酸化チタンを加えて焼成する場合には、加熱焼成時の温度を下げてしまうと、焼成時における酸化チタン等の未反応体が粒子内に残りやすくなってしまう。そのため、予めTi原子を内部に含む粒子を用いて焼成を行うことがより好ましく、粒径の揃った粒子を得つつ、未反応体を低減することが可能となる。
本発明の黒トナーは、X線回折において、2θ=32.5乃至33.1度に最大ピークを有し、該最大ピークの半値幅が0.25度以下であることが好ましい。より好ましくは、0.23度以下であり、更に好ましくは0.20度以下である。尚、2θ=32.5乃至33.1度に最大ピークを有するということは、最大ピークのピークトップがこの範囲にあるということである。このようなX線回折におけるピーク特性は、鉄チタン複合酸化物に由来するものであり、トナーに含有させる鉄チタン複合酸化物の結晶系や、トナー中の鉄チタン複合酸化物の分散状態を制御することにより達成できる。
X線回折において最大ピークを供する(104)面に関しては、ヘマタイト(Fe23)では2θ=33.1〜33.2にピークを示し、Fe原子がTi原子に置き換えが進むにつれ、X線回折における回折角が狭角側にシフトする。2θ=32.5乃至33.1度に最大ピークを有するということは、結晶構造がFeTiO3−Fe23固溶体を主成分として含むものであり、鉄チタン複合酸化物となっているものと考えられる。この化合物は、三方晶構造であるヘマタイト(Fe23)のFeをTiに一部置換したコランダム構造をしている。この最大ピークの半値幅が0.25度を超える場合には、鉄チタン複合酸化物中においてチタンが不均一な存在状態となっているものと思われる。この場合、トナー粒子中における鉄チタン複合酸化物の分散が不均一になりやすい。そのため、十分な濃度が得られにくくなると共に、定着性能、転写性能といったトナーの特性が劣る結果となりやすい。また、鉄チタン複合酸化物は多結晶で構成されるものであるが、各結晶子が小さくなることによっても、最大ピークの半値幅が大きくなる。結晶子が小さい場合には、トナーが赤味を帯びやすく、良好な黒色を有する黒トナーが得られにくくなる。また、結晶子が小さい場合には、結晶子間の界面における抵抗が低下するため、十分な抵抗を持つ鉄チタン複合酸化物を得にくい。そのため、トナーに含有させた場合には、帯電性能が低下し、画像ムラとして認識されやすくなった。特に、カラートナーと併用してフルカラー画像を形成する場合、特に画像ムラが顕著となる。
即ち、上記のようなX線回折の特徴を有する本発明の黒トナーは、鉄チタン複合酸化物がトナー粒子中に均一に近い状態で分散しているものであり、且つ含有される鉄チタン複合酸化物が大きな結晶子で形成されているものである。
鉄チタン複合酸化物は、個数平均一次粒径(D1)が0.10〜0.30μmであること好ましく、0.15〜0.25μmがより好ましい。
鉄チタン複合酸化物は、一次粒径が大きい場合、十分な着色力が得られにくく、また、トナー表面からの欠落が発生しやすく、各種部材の汚染の原因になりやすい。また、一次粒径が小さい場合においては、赤味が強くなり品質の良い黒色を呈するのが困難であった。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物の飽和磁化は5.0Am2/kg以下が好ましく、より好ましく3.0Am2/kg以下である。飽和磁化が5.0Am2/kgを超える場合には、現行の非磁性トナーを用いるシステムに適合させることが困難であり、所望の画像濃度が得られにくくなり、また現像剤担持体に連れまわるトナーが増加するため、耐久後には、帯電量不足のトナーが増加し、カブリ発生の可能性が高くなる。また、上記のような飽和磁化を有する鉄チタン複合酸化物を用いることによって、トナーとして求められる飽和磁化を得ることが容易になる。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物の窒素吸着によるBET比表面積は、3.0〜15.0m2/gが好ましい。BET比表面積が3.0m2/g未満の場合には、粗大粒子となり、着色力が低下する。15.0m2/gを超える場合には、所望の黒色度を得ることが困難となる。より好ましくは、6.0〜12.0m2/g、更により好ましくは6.5〜11.0m2/gである。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物は、水蒸気吸着による比表面積(SH2O)と窒素吸着による比表面積(SN2)との比(SH2O/SN2)が0.75〜1.25であることが好ましい。
H2O/SN2が0.75未満の場合には、粒子の表面水酸基の量が少なくなり、またSH2O/SN2が1.25より大きい場合には、表面水酸基の量が必要以上に多量に存在するため、黒トナーとして用いる場合、結着樹脂中での分散性が悪くなるため所望の着色力が得られない。この好ましくは0.85〜1.15である。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物は、相対圧が0.30〜0.60の間における単位面積あたりの水蒸気吸着量(V0.6−V0.3)が0.3mg/m2以下であることが好ましい。0.3mg/m2を超える鉄チタン複合酸化物を用いてトナーを製造した場合には、高温高湿環境下での帯電特性が劣る原因になるので好ましくはない。
なお、鉄チタン複合酸化物の単位面積あたりの水蒸気吸着量(V0.6−V0.3)は、前記で測定した水蒸気吸着等温線における、相対圧0.30と0.60の水蒸気吸着量の差から求めた値である。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物におけるチタン含有量は、鉄元素に対して10〜38原子%が好ましい。チタン含有量が10原子%より少ない場合、所望の黒色度を持った粒子粉末を得にくくなり、チタン含有量が38原子%を超える場合、濃度の高い着色剤が得にくい。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物は、水蒸気吸着による比表面積値(SH2O)は2.25〜18.75m2/gが好ましい。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物の構成相としては、FeTiO3−Fe23固溶体が良い。また、FeTiO3−Fe23固溶体と、Fe2TiO5、Fe2TiO4−Fe34固溶体、FeTiO3、FeTiO4等の化合物との2種以上の混合物であっても良い。また原材料であるFe34や、γ−Fe23等のスピネル酸化鉄が含有されていても良い。しかしながら、着色剤の磁化を下げるためには、FeTiO3−Fe23固溶体以外の存在量を出来るだけ少なくするほうが良い。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物の明度(L)は、35〜44が好ましい。明度が44を超える場合には、該鉄チタン複合酸化物を着色剤として用いて黒色トナーとして使用した場合に、十分な画像濃度を得ることが困難である。明度が35未満の鉄チタン複合酸化物は工業的に製造することが困難である。より好ましくは、35〜43である。
鉄チタン複合酸化物の明度は以下のようにして測定した。試料0.5g、ヒマシ油0.5ml及び二酸化チタン1.5gとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、該塗布片について、分光色彩系カラーガイド(BYK−Gardner GmbH製)を用いて測色し、JIS Z 8729に定めるところに従って明度(L値)とした。
本発明に係る鉄チタン複合酸化物は、結着樹脂100質量部に対し20乃至70質量部含有されることが好ましい。より好ましくは、25乃至60質量部である。20質量部より少ない場合、トナーとしての隠ぺい力が不十分になり、画像濃度が不十分になりやすい。70質量部より多い場合、トナーとしての濃度、黒色度に関しては優れるものの、定着性が下がると共に転写性能もダウンし、画像ムラやかさツキの原因になりやすい。
なお、本発明に係る鉄チタン複合酸化物は、鉄とチタン以外にNa、Mg、Al、Si、P、Mn、Co、Ni、Cu、及びZnから選ばれる1種又は2種以上の元素を、鉄とチタンの合計量に対して0〜10原子%含んでも良い。
本発明のトナーは、各種原材料(例えば、結着樹脂、鉄チタン複合酸化物、離型剤、荷電制御剤等)を混合し、溶融混練したのち、衝突式粉砕或いは機械的衝撃力による粉砕を行い、次いで必要に応じて風力等による分級を行い、目的の粒径を有するトナーを得る粉砕法で製造することができる。或いは、懸濁重合法、乳化造粒法等によっても製造することができる。
本発明において結着樹脂は「ポリエステルユニット」を含有することが好ましい。「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルの構造を有する部分を示し、それらを含有する樹脂としては、ポリエステル樹脂やハイブリッド樹脂が挙げられる。尚、ハイブリッド樹脂とは、ポリエステルユニットとビニル系樹脂ユニットとが化学的に結合した樹脂である。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、又は二以上のカルボキシル基を有するカルボン酸エステル等のカルボン酸成分とが原料モノマーとして使用できる。
具体的には、例えば二価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
三価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
前記カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6乃至12のアルキル基で置換された琥珀酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
特に下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をアルコール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物等(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステルユニットが、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 0004773866
〔式中、Rはエチレン基又はプロピレン基、或いは、エチレン基とプロピレン基とが混じっていてもよく、x、yは1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。〕
また、架橋部位を有するポリエステルユニットを形成するための三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、及びこれらの酸無水物やエステル化合物が挙げられる。三価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1乃至1.9mol%が好ましい。
また、本発明においては、(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂成分、又は(c)それらの混合物を含むことが好ましい。
本発明のハイブリット樹脂を形成する場合、ビニル系樹脂ユニット及び/又はポリエステルユニットを生成する際のモノマー中に、両樹脂成分と反応し得るモノマーを含ませておくことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系樹脂ユニットを構成するモノマーのうちポリエステルユニットと反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系樹脂ユニットとポリエステルユニットの反応生成物であるハイブリット樹脂を得る方法としては、上述のように、i)ビニル系樹脂ユニットの製造時にポリエステルユニットと反応するモノマーを用い、得られたビニル系樹脂ユニットの存在下でポリエステルユニットを生成することにより得る方法、ii)ポリエステルユニットの製造時にビニル系樹脂ユニットと反応するモノマーを用い、得られたポリエステルユニットの存在下でビニル系樹脂ユニットを生成することにより得る方法が好ましい。
本発明のビニル樹脂を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
本発明のトナーに用いられる好ましい結着樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って合成されるエステル化合物を用いることができる。
(2)ビニル系樹脂ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系樹脂ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。
(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)乃至(5)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
本発明の黒トナーには、離型剤を含有させても良い。用いられる離型剤としては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。さらにベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。特に好ましく用いられるワックスとしては、分子鎖が短く、かつ立体障害が少なくモビリティに優れるパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスである。
離型剤は、示差走査熱量分析測定における吸熱曲線において、温度30乃至200℃の範囲に一個又は二個以上の吸熱ピークを有し、前記吸熱ピークの中の最大吸熱ピークのピーク温度が60℃乃至110℃であることが好ましく、60℃乃至90℃であることがより好ましい。該ピーク温度が60℃より低い場合、ブロッキング特性に劣るようになりやすい。また、該ピーク温度が110℃を超える場合、低温での離型性が低下し、低温定着性が劣るようになりやすく、低温での定着を行うためには、定着器において高い圧力をかける必要が生じる。
本発明に用いられる離型剤は、結着樹脂100質量部に対する含有量が1乃至10質量部であることが好ましく、2乃至8質量部であることがより好ましい。前記含有量が1質量部より少ないと、オイルレス定着時にうまく離型性を発揮できなかったり、低温定着性劣るようになることがある。10質量部を超えると、トナー表面へ離型剤が滲み出しやすくなり、定着画像上に白抜けが生じやすくなる場合がある。
粉砕法によるトナーの製造時には、離型剤を離型剤分散マスターバッチとして添加しても良い。
離型剤分散マスターバッチとしては、(i)ポリエステル樹脂;(ii)炭化水素系ワックス;(iii)スチレン系モノマー、アクリル酸系モノマー、及びメタクリル酸モノマーからなるグループより選ばれる1種又は2種以上のモノマーを用いて合成された重合体とポリオレフィンとのグラフト共重合体;とを少なくとも有するものが良い。
本発明のトナーには、公知の荷電制御剤と組み合わせて使用することもできる。このような荷電制御剤としては、例えば、有機金属錯体、有機金属塩、キレート化合物が挙げられ、より詳しくはモノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体等が挙げられる。その他には、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類等のカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体等も挙げられる。また、荷電制御剤としては、ビスフェノール類、カリックスアレーン等のフェノール誘導体等も用いられる。
本発明に使用する荷電制御剤としては、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、または、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物であることが好ましく、その金属としては、2価以上の金属原子が好ましい。2価の金属としてMg2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+,Cu2+,が挙げられる。2価の金属としては、Zn2+,Ca2+,Mg2+,Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+,Cr3+,Fe3+,Ni3+,があげられる。これらの金属の中で好ましいのはAl3+,Cr3+であり、特に好ましいのはAl3+である。
本発明においては、荷電制御剤として、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物が特に好ましい。
本発明においては、荷電制御剤は、結着樹脂100質量部に対する含有量が0.1乃至10質量部であることが好ましく、0.2乃至5質量部であることがより好ましい。0.1質量部より少ないと高温高湿から低温低湿までの環境でのトナーの帯電量の変化が大きくなる場合がある。10質量部より多いとトナーの低温定着性に劣る場合がある。
本発明の黒トナーはフルカラー画像を形成する際に用いられる黒トナーとして用いることが好ましい。黒トナーと併用して用いられるカラートナーの着色剤としては、公知の顔料及び染料を単独で、又は併せて用いることができる。例えば染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等が挙げられる。
フルカラー画像形成用トナーとして使用する、マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
係る顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料が挙げられる。
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17;C.I.アシッドブルー6;C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。特に好ましく用いられるのは、C.I.ピグメントブルー15:3である。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、97、155、180、185、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
カラートナーに用いる着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して1乃至15質量部であることが好ましく、3乃至12質量部であることがより好ましく、4乃至10質量部であることが更に好ましい。着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表されるような中間色の再現性も低下し易くなり、さらにはトナーの帯電性の安定性が低下し、また低温定着性も得られにくくなる。着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、着色力が低くなり、濃度を出すためにトナーを多く使用しなければならなくなり、ドット再現性を損ないやすく、高い画像濃度の高品位画像が得られ難い。
トナーには、流動性、転写性、特にトナー離れを良化して、白抜けの発生を抑制する目的で、微粒子を外添して用いることが好ましい。トナー表面に外添される外添剤としては、そのうちの一つが無機微粒子であり、少なくとも、酸化チタン、酸化アルミナ、シリカのうちいずれか一種類以上であり、無機微粒子の個数分布のピーク値が80nm以上200nm以下であることが、キャリアとのトナー離れを良化するためのスペーサー粒子として機能させる上で好ましい。また、前記外添剤には、個数分布のピーク値が50nm以下の微粒子を併用することが、トナーの流動性を向上させる上で好ましい。
本発明の黒トナーを二成分系現像剤にいる場合、次のような磁性キャリアを用いることができる。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類金属等の金属およびそれらの磁性合金または磁性酸化物及び磁性フェライトが挙げられる。さらには、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアも用いることが出来る。
本発明においては、上述のキャリアをキャリアコアとして、該キャリアコアの表面を被覆材で被覆した被覆キャリアを用いることが好ましい。
被覆キャリアにおいて、キャリアコアの表面を被覆材で被覆する方法としては、被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁させて塗布しキャリアコアに付着させる方法、あるいは、単に粉体状態で混合する方法が適用できる。
キャリアコアの被覆材としては、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いる。
上記被覆材の処理量は、適宜決定すれば良いが、樹脂コートキャリアにおいて、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%となるように処理するのが良い。
キャリアは、50%体積平均粒径が好ましくは10〜80μm、より好ましくは20〜70μmであることが良い。
キャリアの50%体積粒径が10μm未満の場合には、二成分系現像剤のパッキングが強まり、トナーとキャリアとの混合性が低下し、トナーの帯電性が安定しにくくなり、さらにキャリアの感光体ドラム表面への付着が生じやすくなる。
キャリアの50%体積粒径が80μmを超える場合には、トナーとの接触機会が減ることから、低帯電量のトナーが混在し、カブリが発生しやすくなる。さらにトナー飛散が生じやすい傾向にあるため二成分系現像剤中のトナー濃度の設定を低めにする必要があり、高画像濃度の画像形成ができなくなることがある。更に、250メッシュ(目開き62μm)パス・400メッシュ(目開き36μm)オンのキャリア粒子を70質量%以上含有し、かつ50%体積粒径が10〜80μmである磁性キャリアが好ましい。
特に好ましいキャリアとしては、磁性フェライトコア粒子の如きキャリアコア粒子の表面をシリコーン樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂及びメタクリレート系樹脂等の被覆材で処理したものである。また、その際の処理量は、キャリアコア粒子100質量部に対し、0.01〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1質量部である。
磁性キャリアを上記の50%体積粒径及び特定の粒度分布を有するように調整する方法としては、例えば、篩を用いることによる分級によって、行うことが可能である。特に精度よく分級を行うために、適当な目開きの篩を用いて数回繰り返してふるうことが好ましい。また篩の開口の形状をメッキ等によって制御したものを使うことも有効な手段である。
二成分系現像剤において、トナー濃度としては、4質量%乃至12質量%で用いることが、帯電量付与、カブリ、画像濃度、白抜け防止の点で好ましい。
次に図を用いて本発明の黒トナーを用いた画像形成方法に関して説明する。
図1は本発明を実施した画像形成装置である電子写真方式のフルカラー複写機の概略構成図である。
図1において、ABCDの各ステーションは、フルカラー画像のそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するが、ステーションの色順については一切問わない。以下の説明において、例えば一次帯電器21とあれば、ABCD各ステーションにおける一次帯電器21A、21B、21C、21D指すものとする。それぞれのステーションにおいて、画像形成は次のように行われる。
まず、像担持体である感光ドラム4を回転自在に設け、該感光ドラム4を一次帯電器21で一様に帯電し、次に例えばレーザーのような発光素子22によって情報信号を露光して静電潜像を形成し、現像装置9で可視像化する。次に該可視像を転写帯電器23によって、転写紙搬送シート27により搬送された転写紙24上に転写する。
転写紙24は各ステーションでイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が重ねて転写される。
この4色の各トナー像が積層された転写紙24は定着装置25で熱と圧力とにより定着され、フルカラー像として装置外に排出される。また、転写時に転写されず、感光ドラム上に残存したトナーは、クリーニング手段26によって、クリーニングされる。
本発明に関する物性の測定法について以下に説明する。
<鉄チタン複合酸化物の個数平均粒径(D1)及び粒径の標準偏差σ>
電子顕微鏡観察で撮影した画像(2万倍)の粒子に対して統計解析(グラフテック株式会社製デジタイザKD4620)を用いて、任意に350個測定し、その個数平均一次粒径(D1)及び粒径の標準偏差σを求めた。
また、粒径の変動係数(%)は、前記個数平均一次粒径D1(μm)と粒径の標準偏差σ(μm)とから下記式に従って算出される。変動係数の値が小さくなるほど、粒度分布がシャープであることを表している。
粒子の変動係数(%)=(σ/D1)×100
<トナーのX線回折の測定>
本発明の黒トナーのX線回折測定は、CuKα線を用い、次の条件で測定したものである。
使用測定機/理学電機(株)社製、全自動X線回折装置RINT−TTRII
X線管球/Cu
管電圧/50kV
管電流/300mA
走査モード/連続
スキャン速度/4deg./min
サンプリング間隔/0.020deg.
スタート角度(2θ)/3deg.
ストップ角度(2θ)/60deg.
発散スリット/開放
発散縦制限スリット/10.00mm
散乱スリット/開放
受光スリット/開放
湾曲モノクロメーター使用
なお、特定ピークの半値幅の測定においては、測定精度を上げるため、以下の項目を変更し測定した。
走査モード/FTモード
計数時間/1.0sec
サンプリング間隔/0.005deg.
スタート角度(2θ)/32deg.
ストップ角度(2θ)/34deg.
<鉄チタン複合酸化物のTi原子の含有量>
Fe原子に対するTi原子の含有量の測定は、まず検量線用サンプルを用いて検量線を作成し、検量線から測定試料の添加量を算出する。詳細には、「蛍光X線分析装置 RIX−2100型」(理学電気工業(株)製)中へ検量線用サンプルを入れ、X線強度を測定した。濃度の異なる複数(例えば、比Ti/Feが、0、0.1、0.2、0.3、0.4の5種)のサンプルに対して測定を繰り返し、検量線を作成した。次に、測定試料のX線強度を測定し、検量線に基づき、Ti原子の含有量を求めた。なお、蛍光X線分析は、JIS K 0119蛍光X線分析通則に従って行う。
なお、試料として、鉄チタン複合酸化物と樹脂との混練物を用いる場合は、試料プレス成型機(MAEKAWA Testing machine (MFG Co., LTD製)を用いてサンプルをプレス成形する。試料に鉄チタン複合酸化物を用いる場合には、鉄チタン複合酸化物と樹脂を混合し、トナーでの作製と同様に、試料プレス成型機を用いサンプルを成形した。プレスは、約4gの試料に対して、196000kPa(2000kg/cm2)の圧力を約30秒間かけることにより行い、厚さ2mm、直径約39mmの測定片を作成した。
<鉄チタン複合酸化物のBET比表面積>
窒素吸着による比表面積(SN2)は、「Mono Sorb MS−II」(湯浅アイオニックス(株)製)を用いて、N2吸着によるBET多点法により求められる。サンプルの前処理としては、50℃で10時間の脱気を行う。
鉄チタン複合酸化物の水蒸気吸着による比表面積(SH2O)は、「水蒸気吸着装置 BELSORP18」(日本ベル(株)製)を用いて、鉄チタン複合酸化物を120℃にて2時間脱気処理し、25℃の吸着温度にて水蒸気吸着等温線を測定し、相対圧0.05〜0.30の範囲でBET法により測定した値である。尚、相対圧が0.30或いは0.60の際の水蒸気吸着量V0.3或いはV0.6の測定も上記の装置を用いて、25℃の吸着温度で行った。
<トナー粒子(未外添のトナー)及びトナーの重量平均粒径(D4)の測定>
測定装置としては、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、約1%NaCl水溶液を用いる。電解液には、1級塩化ナトリウムを用いて調製された電解液や、例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)を、0.1〜5mlを加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記測定装置により、試料の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、試料の体積分布と個数分布とを算出する。得られたこれらの分布から、試料の重量平均粒径(D4)を求める。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
<鉄チタン複合酸化物及びトナーの磁化の測定>
鉄チタン複合酸化物及びトナーの磁化の強さは、磁気特性と真比重とから求められる。鉄チタン複合酸化物及びトナーの磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用いて測定することができる。測定方法としては、円筒状のプラスチック容器に十分密になるように試料(鉄チタン複合酸化物またはトナー)を充填し、10キロエルステッド(796kA/m)の外部磁場中に入れ、この状態で前記容器に充填した試料の磁化モーメントを測定する。さらに、前記容器に充填した試料の実際の質量を測定して、鉄チタン複合酸化物及びトナーの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
<ワックスの吸熱ピークの測定方法>
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(バーキンレルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。これをアルミバン中に入れ、リファレンスとして空のアルミバンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿(23℃、60%RH)下で測定を行う。この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の吸熱ピークが得られる。
<トナー中の鉄チタン複合酸化物の線形度の測定>
トナーを水溶性樹脂(Tissue-Tek O.C.T. Compound(Sakura Finetechnical Co., Ltd.))中に分散させ、液体窒素を用いて、クライオミクロトーム(Reichert社製 ULTRACUT N FC4E)装置内での設定温度−80℃雰囲気下にて水溶性樹脂を凍結させて固定した後、ガラスナイフを用いて切削面形状を約0.1ミリ幅、約0.2ミリ長にトリミングした。次にダイヤモンドナイフを用いて、水溶性樹脂を含むトナーの超薄切片(厚み設定:70nm)を作製し、まつげプローブを用いてTEM観察用グリッドメッシュ上に移動し、室温に戻した後、水溶性樹脂を純水に溶解させTEM観察試料とした。
電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)を用いて、加速電圧100kVにて、このTEM観察試料の写真を撮った。倍率は5000〜10000倍とする。
その画像情報をインターフェースを介して、600dpiで読み取り、画像解析装置Win ROOF Version5.0(マイクロソフト社製−三谷商事)に導入し、2値の画像データに変換する。そのうち、円相当径が0.1μm以上の鉄チタン複合酸化物粒子について、無作為に解析を行うこととし、サンプリング数が100回を超えるまで測定を繰り返し、各粒子の線形度を下式にて求める。尚、線形度の測定に関しては、トナー中において鉄チタン複合酸化物が凝集して存在する場合には、凝集体としての線形度を測定する。更に、この線形度分布を、0.2刻みで1.0から5.0まで頻度分布をとり、その最大頻度の範囲を求めた。また、3.0以上の線形度を有する鉄チタン複合酸化物の存在量については、線形度の全範囲に対し、線形度3.0以上の頻度分布を求めた。
線形度={(鉄チタン複合酸化物の絶対最大長)2/鉄チタン複合酸化物の面積}×π/4
また、トナー中における鉄チタン複合酸化物の分散径(凝集径)は、線形度の測定に用いた画像データに基づき円相当径として算出する。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例2〜5は参考例である。
(鉄系黒色粒子の製造例−1)
2.76mol/リットルのNaOH水溶液22.2リットルに、1.8mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液17.8リットルを添加し、全量40.0リットル、pH6.5の水酸化鉄塩コロイドを含む反応溶液を得た。その後、この反応溶液を90℃に昇温し、100分間空気を通気するとともに0.48mol/リットルの硫酸チタニル水溶液18.0リットルを添加し、黒色沈殿物を生成した。この間、温度90℃、pH6.5に保持した。
この黒色沈殿物を濾別、水洗後、60℃で乾燥し、さらにN2ガス流下730℃で60分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄チタン複合酸化物を得た。
得られた黒色粒子粉末の個数平均一次粒径(D1)は0.17μm、標準偏差σは0.059μm、変動係数(=(σ/D1)×100)は34.7%、窒素吸着によるBET比表面積値は9.9m2/gであり、飽和磁化値σsは0.3Am2/kgであり、全鉄に対するチタン含有量は26.8原子%であった。構成相はFeTiO3−Fe23固溶体であった。これを黒着色剤1とする。
(鉄系黒色粒子の製造例−2)
2.76mol/リットルのNaOH水溶液22.2リットルに、1.8mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液17.8リットルを添加し、全量40.0リットル、pH6.5の水酸化鉄塩コロイドを含む反応溶液を得た。その後、この反応溶液を90℃に昇温し、100分間空気を通気するとともに0.48mol/リットルの硫酸チタニル水溶液3.3リットルを添加し、黒色沈殿物を生成した。この間、温度90℃、pH6.5に保持した。
更に、この黒色沈殿物を含む水懸濁液に、硫酸チタニル水溶液を16.7リットル加え、粒子表面がチタンで被覆されている黒色沈殿物を得た。
この黒色沈殿物を濾別、水洗後、60℃で乾燥し、さらにN2ガス流下790℃で60分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄チタン複合酸化物を得た。構成相はFeTiO3−Fe23固溶体とFe−γFeの混合物であった。これを黒着色剤2とする。黒着色剤2の物性を表1に示す。
(鉄系黒色粒子の製造例−3)
球状マグネタイト粒子粉末10kgを含有する水懸濁液に、硫酸チタニル43.6molを含有する水溶液(マグネタイト粒子粉末の全Feに対してTi換算で30原子%に相当)を添加する。なお添加時に反応溶液のpHを8.5以上に保持するように混合溶液中にNaOHを添加した。次いで、混合溶液のpHを8.0に調整してマグネタイト粒子の粒子表面にチタンの含水酸化物を沈着させた後、濾別、水洗、乾燥して粒子表面がチタン含水酸化物で被覆されている球状黒色磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
上記粒子表面がチタンの含水酸化物で被覆されている球状黒色磁性酸化鉄粒子粉末100gを、N2ガス流下790℃で120分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄チタン複合酸化物を得た。これを黒着色剤3とする。構成相はFeTiO3−Fe23固溶体とFe−γFeの混合物であった。黒着色剤3の物性を表1に示す。
(鉄系黒色粒子の製造例−4)
加熱焼成条件を730℃で60分間に変更した以外は、鉄系黒色粒子の製造例−3と同じ方法で、鉄チタン複合酸化物を得た。これを黒着色剤4とする。構成相はFeTiO3−Fe23固溶体とFe−γFeの混合物であった。黒着色剤4の物性を表1に示す。
(鉄系黒色粒子の製造例−5)
加熱焼成条件を840℃で120分間に変更した以外は、鉄系黒色粒子の製造例−3と同じ方法で、鉄チタン複合酸化物を得た。構成相はFeTiO3−Fe23固溶体とFe−γFeの混合物であった。これを黒着色剤5とする。黒着色剤5の物性を表1に示す。
(鉄系黒色粒子の製造例−6)
0.48mol/リットルの硫酸チタニル水溶液の添加量を20リットル、pH9.5の条件に変更した以外は、鉄系黒色粒子の製造例−1の条件と同じようにして、黒色沈殿物を生成した。この黒色沈殿物を濾別、水洗後、60℃で乾燥し、さらにN2ガス流下730℃で60分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄チタン複合酸化物を得た。構成相はFeTiO3−Fe23固溶体であった。これを黒着色剤6とする。黒着色剤6の物性を表1に示す。
(鉄系黒色粒子の製造例−7)
硫酸チタニル水溶液の変わりに、4塩化チタン水溶液を用い、チタン処理量を半分にした以外は、鉄系黒色粒子の製造例−1の条件と同じようにして、黒色沈殿物を生成した。この黒色沈殿物を濾別、水洗後、60℃で乾燥し、さらにN2ガス流下820℃で120分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄チタン複合酸化物を得た。構成相はFeTiO3−Fe23固溶体とFe−γFeの混合物であった。これを黒着色剤7とする。黒着色剤7の物性を表1に示す。
(鉄系黒色粒子の製造例−8)
鉄系黒色粒子の製造例−2において、硫酸チタニル水溶液を四塩化チタニル水溶液に変更した。1回目の四塩化チタニル水溶液は四塩化チタン換算で3.2molになるよう添加し、2回目の四塩化チタニル水溶液は四塩化チタン換算で8molになるように添加した。それ以外は、鉄系黒色粒子の製造例−2と同じ条件で、粒子表面がチタンで被覆されている黒色沈殿物を得た。
この黒色沈殿物を濾別、水洗後、60℃で乾燥し、さらにN2ガス流下770℃で60分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄チタン複合酸化物を得た。構成相はFeTiO3−Fe23固溶体であった。これを黒着色剤8とする。黒着色剤8の物性を表1に示す。
(鉄系黒色粒子の製造例−9)
1回目の硫酸チタニル水溶液の添加量を10リットルに、2回目の硫酸チタニル水溶液の添加量を10リットルに変更した以外は、鉄系黒色粒子の製造例−2と同じ条件で、粒子表面がチタンで被覆されている黒色沈殿物を得た。
この黒色沈殿物を濾別、水洗後、60℃で乾燥し、さらにN2ガス流下740℃で60分間加熱焼成した後、粉砕処理して、鉄チタン複合酸化物を得た。構成相はFeTiO3−Fe23固溶体であった。これを黒着色剤9とする。黒着色剤9の物性を表1に示す。
Figure 0004773866
(ハイブリッド樹脂の製造方法−1)
ビニル系共重合体として、スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れた。また、ポリエステルユニット材料としてポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、コハク酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系の単量体及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応せしめてハイブリッド樹脂(1)を得た。
(ポリエステル樹脂製造例1)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.4mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸0.2mol、フマル酸1.7mol及び酸化ジブチル錫0.1gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂(1)を得た。
(ポリエステル樹脂製造例2)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.4mol、テレフタル酸2.0mol、無水トリメリット酸0.2mol、フマル酸2.7molのモノマー構成で上記と同様に反応させ、ポリエステル樹脂(2)を得た。
(キャリアの製造例)
個数平均粒径0.25μmのマグネタイト粉に対して、4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で100℃以上で高速混合撹拌し、マグネタイト粉を親油化処理した。同様にして、個数平均粒径0.60μmのヘマタイト粉も親油化処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
6質量部
・親油化処理したマグネタイト 63質量部
・親油化処理したヘマタイト 21質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、マグネタイト及びヘマタイトが分散された状態の球状の磁性樹脂粒子(キャリアコア)を得た。
コート樹脂として、メチルメタクリレートとパーフルオロアルキル基(炭素数7(即ち、−(CF−CF))を有するメチルメタクリレートの共重合体(共重合比8:1 重量平均分子量45,000)を用いた。さらにコート樹脂100質量部に対し、メラミン粒子(個数平均粒径290nm)を10質量部、カーボン粒子(比抵抗1×10-2Ω・cm、個数平均粒径30nm)を6質量部を混合し、メチルエチルケトン:トルエン=1:10である混合溶液に、固形分濃度が10質量%となるように添加した。そして、超音波分散機で30分間分散することにより、コート溶液を作製した。
このコート溶液を剪断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、コート樹脂分が磁性樹脂粒子100質量部に対して2.5質量部となるように磁性樹脂粒子表面への樹脂コートを行った。この樹脂コートされた磁性キャリア粒子を100℃で2時間撹拌しながら熱処理し、冷却後、解砕した後、200メッシュ(目開き75μm)の篩で分級して、50%体積粒径33μm、真比重3.53g/cm3、見かけ比重1.84g/cm3、磁場79.6kA/mにおける磁化の強さ42Am2/kgのキャリアを得た。
<実施例1>
以下の方法で黒トナー(ブラック1)を調製した。
・ハイブリッド樹脂(1) 80質量部
・ポリエステル樹脂(1) 20質量部
・黒着色剤1 30質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度140℃に設定した二軸混練機(PCM−45型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。得られた微粉砕物は、重量平均粒径(D4)4.8μmであった。次に、得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去してブラック分級品を得た。
得られたブラック分級品100質量部に対して、疎水化処理した個数分布のピーク値40nmの酸化チタンを1.0質量部、個数分布のピーク値110nmのアモルファスシリカを1.5質量部外添混合し、黒トナー(黒トナー1)を得た。得られた黒トナー1は、重量平均粒径(D4)5.5μm、個数平均粒径(D1)4.9μmであった。
8質量部の黒トナー1と92質量部の磁性キャリア1とをターブラーミキサーにより混合し、黒現像剤1とした。
この黒現像剤1を用いて、図1の如き構成を有するキヤノン製フルカラー複写機CLC−5000の改造機で反転現像による画像形成を行い、黒トナーの電子写真における特性の評価を行った。黒トナー1の処方を表2に、物性を表3に、試験結果を表4に記載する。詳細な評価方法に関しては、後述する。
<実施例2>
実施例1で用いた黒着色剤1の代わりに、黒着色剤2を用い添加量を45質量部に変更しこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー2を作製した。黒トナー2の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<実施例3、4>
実施例1で用いた黒着色剤1の添加量を表2に記載の量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー3、4を作製した。黒トナー3及び4の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<実施例5>
以下の方法で黒トナー5を調製した。
・ハイブリッド樹脂(1) 80質量部
・ポリエステル樹脂(1) 20質量部
・黒着色剤3 30質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1質量部
・シリカA(個数分布のピーク値110nmのアモルファスシリカ) 10質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度110℃に設定した二軸混練機(PCM−45型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
この粗砕物について実施例1と同様にして微粉砕、分級及び、外添を行い黒トナー5を作製した。黒トナー5の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<比較例1>
実施例1で用いた黒着色剤1の代わりに、黒着色剤4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー6を作製した。黒トナー6の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<比較例2>
以下の方法で黒トナー7を調製した。
・ポリエステル樹脂(1) 100質量部
・黒着色剤3 30質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度140℃に設定した二軸混練機(PCM−45型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、一次粗砕物を得た。
更に、この一次粗砕物を、温度140℃に設定した二軸混練機(PCM−45型、池貝鉄工(株)製)にて混練し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、二次粗砕物を得た。
この二次粗砕物について実施例1と同様にして微粉砕、分級及び、外添を行い黒トナー7を作製した。黒トナー7の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<比較例3>
以下の方法で黒トナー8を調製した。
・ポリエステル樹脂(1) 100質量部
・黒着色剤3 30質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1質量部
・シリカA(個数分布のピーク値が110nmのアモルファスシリカ) 5質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度140℃に設定した二軸混練機(PCM−45型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
この粗砕物について実施例1と同様にして微粉砕、分級及び、外添混合を行い黒トナー8を作製した。黒トナー8の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<比較例4>
実施例1で用いた黒着色剤1の代わりに、黒着色剤5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー9を作製した。黒トナー9の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<比較例5>
実施例1で作製した粗砕物を、衝突式気流粉砕機の高圧気体の圧力を変え微粉砕し、次に、得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去し、重量平均粒径9.5μmのブラック分級品を得た。この分級品に対して実施例1と同様に酸化チタン及びアモルファスシリカの外添を行い、黒トナー10を得た。黒トナー10の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<比較例6>
実施例1で作製した粗砕物を、衝突式気流粉砕機の高圧気体の圧力を変え微粉砕し、次に、得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去し、重量平均粒径2.8μmのブラック分級品を得た。この分級品に対して実施例1と同様に酸化チタン及びアモルファスシリカの外添を行い、黒トナー11を得た。黒トナー11の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<比較例7、8>
実施例1で用いた黒着色剤1の添加量を表2に記載の量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー12、13を作製した。黒トナー12、13の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<実施例6、7>
表2に記載した原材料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、黒トナー14、15を作製した。黒トナー14、15の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
尚、ワックスBは、DSCによる吸熱メインピーク85℃であるパラフィンワックスであり、内添させたスチレンアクリル樹脂微粒子(表にはSt−Ac樹脂粒子と記載)は、モル比でスチレン:メタクリル酸メチル=50:50、個数平均粒径150nm、数平均分子量12,000、重量平均分子量80,000、THF不溶分30質量%のものを用いた。
<実施例8〜13>
表2に記載した原材料を用いて、実施例1と同様に混練物を得て、衝突式気流粉砕機による微粉砕を行い、更に多分割分級装置による分級を行った。この際、衝突式気流粉砕機の高圧気体の圧力、及び、多分割分級装置での分級条件を変え、黒トナー16〜21を得た。黒トナー16〜21の処方、物性及び試験結果を表2〜4に示す。
<実施例14>
以下の方法でシアントナー(シアン1)を調製した。
(第一の混練工程)
・ハイブリッド樹脂(1) 60質量部
・合成後、一度も乾燥工程を経ずに得た固形分(C.I.Pigment Blue15:3)40質量%のペースト状顔料(残りの60質量%は水) 100質量部
上記の原材料をニーダー型ミキサーに仕込み、混合しながら非加圧下で昇温させる。最高温度(ペースト中の溶媒の沸点により必然的に決定される。この場合は90〜100℃程度)に達した時点で水相中の顔料が、溶融樹脂相に分配もしくは移行し、これを確認した後、さらに30分間加熱溶融混練させ、ペースト中の顔料を充分に移行させる。その後、一旦、ミキサーを停止させ、熱水を排出した後、さらに130℃まで昇温し、約30分間加熱溶融混練を行い、顔料を分散させるとともに水分を留去する。これらの工程を終了した後、冷却し、混練物を取り出し、第1の混練物を得た。この第1の混練物の含水量は0.5質量%程度であった。
(第二の混練工程)
・ハイブリッド樹脂(1) 92.5質量部
・上記第1の混練物(顔料粒子の含有量40質量%) 12.5質量部
・ワックスA(パラフィン DSCによる吸熱メインピーク68℃) 5質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)
1.0質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、実施例1と同様に高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕し、その後、多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去してシアントナー粒子を得た。
得られたシアントナー粒子100質量部に対して、疎水化処理した個数分布におけるピーク値40nmの酸化チタンを1.0質量部、個数分布におけるピーク値110nmのアモルファスシリカを1.5質量部外添混合し、シアントナーを得た。得られたシアントナーは、重量平均粒径5.5μmであった。
8質量部のシアントナーと92質量部の磁性キャリア1とをターブラーミキサーにより混合し、シアン現像剤とした。
次に、C.I.Pigment Blue15:3を含有するペースト状顔料の代わりに、C.I.Pigment Yellow 74、或いは、C.I.Pigment Red 122を40質量%含有し、水を60質量%含有するペースト状顔料を用い、表2に示す含有量になるように添加する以外は、上記のシアントナーの作製と同様にして、イエロートナー、マゼンタトナーを作製し、またキャリアと混合してイエロー現像剤及びマゼンタ現像剤を調製した。
実施例1で用いた評価機で、シアン現像剤、イエロー現像剤及びマゼンタ現像剤と実施例1で作製した黒現像剤1とを用いて、フルカラーの画像を行ったところ、鮮明で画像欠陥のないフルカラー画像を得ることが出来た。
Figure 0004773866
次に、画像形成装置を用いた黒トナーの評価方法について説明する。評価にはキヤノン製フルカラー複写機CLC5000を用い、レーザーは655nmの半導体レーザーを用い、スポット径を絞り、1200dpiで出力できるようにした。また、定着ローラーの表層をシリコーンチューブに変え、オイル塗布機構を取り外した。
<白地カブリ>
画像部濃度が1.4程度となるように、且つ、非画像部の電位(V)と現像スリーブに印加される現像バイアスの直流成分(VDC)との電位差が150V(Vback)となるように、感光体上の電位を調整した。この条件でベタ白の画像形成を行い、画像形成中に感光体を止め、転写工程前の感光体上のトナーをマイラーテープを用いて剥ぎ取り、紙上に貼り付けた。また、マイラーテープをそのまま紙上に貼り付け、これをリファレンスとした。
測定に関しては、東京電色技術センター製DENSITOMETER TC−6DSを用い、反射率(%)を、測定し、レファレンスとの差分をカブリの値とした。
A:反射率差が0.5%以下であり、良好なもの。
B:反射率差が0.5%を超え1.0%以下である。
C:反射率差が1.0%を超えるが、目視ではカブリ画像として判別できないもの。
D:反射率差が1.0%を超え、画像上白地部にかぶりが見られるもの。
<細線再現性の測定>
前記トナー及び前記改造機を用いて30H画像を形成し、この画像を目視にて観察し、前記画像の細線再現性について以下の基準に基づき評価した。なお、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白とし、FFHをベタ黒とするときのハーフトーン画像である。
A:全くガサツキを感じなく、滑らかな画像である。
B:ガサツキを余り感じない。
C:ややガサツキ感はある。
D:顕著なガサツキ感がある。
E:非常に顕著なガサツキ感がある。
<定着性>
ベタ黒画像(FFH)の場合の載り量が1.0mg/cm2になるように画像を作製した。次に、このコントラスト条件で、ハーフトーン画像(30H)を作製し、定着器を通さず未定着画像として取り出した。一方、レーザージェット4100(ヒューレットパッカード社製)の定着器を取り外し、温度制御可能な外部定着試験用装置を作製した。この装置を用いて定着温度を変化させながら、A4紙上に上記の未定着画像の定着を行った。得られた定着画像に対して、こすり試験で画像が剥れるかどうかのコールドオフセット評価を行った。こすり試験においては、荷重4.9kPaでシルボン紙で10往復こすった際に、画像濃度低下率が10%を超える場合に画像が剥れたと判断した。また、定着器の1周後の白地部分に前周の画像が現れるかどうかのホットオフセット評価を目視で行った。なお、定着器の紙送り速度は100mm/sに設定した。
A:ベタ画像の定着可能範囲が40℃よりも広く、定着可能温度領域において、ハーフトーン領域でのホットオフセットが発生しない。
B:ベタ画像の定着可能範囲が30〜40℃の範囲であり、定着可能温度領域において、ハーフトーン領域でのホットオフセットが発生しない。
C:ベタ画像の定着可能範囲が30〜40℃の範囲あるが、定着可能温度領域において、ハーフトーン領域でのオフセットが見られる。
D:定着可能範囲が30℃未満のもの。
<転写効率>
感光体上に載り量が0.6mg/cm2になるように感光体の電位コントラストを調整し、この条件で画像形成を行い、転写紙上に未定着画像を形成した。転写紙上に転写した画像にマイラーテープを貼り測定した画像濃度(D)と、感光体上の転写残トナーをマイラーテープで剥ぎ取り、それを紙上に貼り測定した画像濃度(D)から、転写紙上への転写効率(=D/(D+D))を求めた。画像濃度の測定は、濃度計(X−rite 500Series)を用いて行った。また、転写電流を変化させ、転写電流に対する転写効率のプロファイルを求めた。
次に、黒トナーの代わりに、シアントナー(実施例14で製造したもの)を用い、紙上にシアントナーを転写した後、シアントナーの転写位置より下流にある黒トナーの転写位置において、転写電流をかけ(黒トナーの転写は行わない)、紙から感光体に剥ぎ取られるトナー量を転写電流を振りプロファイルを取った。(いわゆる再転写プロファイル)。このシアントナーと黒トナーの再転写と転写効率のプロファイルの比較を行った。
A:シアンの再転写効率が5%以内(紙上に95%以上)で、黒トナーの転写効率が95%以上になる転写電流条件が存在する。
B:シアンの再転写効率が5%以内(紙上に95%以上)で、黒トナーの転写効率が93%以上95%未満になる転写電流条件が存在する。
C:シアンの再転写効率が5%以内(紙上に95%以上)で、黒トナーの転写効率が90%以上93%未満になる転写電流条件が存在する。
D:シアンの再転写効率が5%以内(紙上に95%以上)で、黒トナーの転写効率が90%未満である。
<画像濃度>
トナー載り量が0.6g/cmになるように画像形成を行い、該画像の濃度を測定した。測定は、X−rite社製反射濃度計500 Series Spectrodensitemeterを用いて行った。
<黒の色相>
前記改造機を用いて、紙上(カラーレーザーコピア用紙TKCLA4、キヤノン製)に7段階(0.10g/cm、0.15g/cm、0.20g/cm、0.25g/cm、0.30g/cm、0.35g/cm、0.40g/cm)で載り量を変化させて定着画像を形成し、各定着画像について、Gretag Macbeth社製 Spectroscanを用い(測定条件:D65、視野角2度)、CIE a、bを測定した。得られたa、bをプロットし、各点をなめらかに結ぶ曲線を引き、曲線上での、原点(a=0、b=0)からの最大の距離になる値を求めた。評価基準は以下のとおりである。尚、原点からの距離は一般的にはcで表され、彩度と呼ばれる。
={(a2+(b21/2
A:cの最大値が5以下である。
B:cの最大値が5を超え10以下である。
C:cの最大値が10を超えるもの。
<空回転後のゴースト>
上記改造機より現像器を取り出し、現像剤を入れ、外部のモーターから連結して、現像器の駆動を行った。なお、現像剤支持体である現像ローラーの移動速度は、350mm/s、現像剤の漏らし量は30mg/cm2になるように調整した。この状態で30分現像器の駆動を行った後、上記改造機に現像器をセットし画像形成を行った。ゴーストとは一枚のプリント画像のうち、スリーブ2周目で、1周目で黒画像が形成された場所(黒印字部)と、されない場所(非画像部)での濃度差である。ここの濃度差を、反射濃度差を測定することにより評価を行った。スリーブ1周目においてFFH画像、00H画像の帯びの画像形成を行った後、2周目以降にハーフトーンの30H画像を出力し、2周目のハーフトーン部における、画像の濃淡を調べた。
A:ハーフトーン画像における濃度差が0.02未満である。
B:ハーフトーン画像における濃度差が0.02以上0.04未満である。
C:ハーフトーン部の画像濃度差が0.04以上0.06未満で、ゴーストとして認識の出来る。
D:ハーフトーン部の画像濃度差が0.06以上であり、はっきりとゴースト画像として認識される。
Figure 0004773866
Figure 0004773866
本発明の黒トナーを用いることのできるフルカラー画像形成装置の概略構成図である。

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂及び鉄チタン複合酸化物を含有する黒トナーであって、
    該鉄チタン複合酸化物は着色剤であり、結着樹脂100質量部に対し25乃至60質量部含有されており、
    該鉄チタン複合酸化物は、個数平均一次粒径(D1)が0.10乃至0.30μmであり、飽和磁化が3.8Am /kg以下であり、
    該黒トナーは、重量平均粒径(D4)が3.0乃至9.0μmで、飽和磁化が2.0Am2/kg以下であり、
    該黒トナーは、X線回折において、2θ=32.5乃至33.1度に最大ピークを有し、該最大ピークの半値幅が0.20度以下であり、
    該黒トナー断面写真観察から求められる線形度を下記式で表される値と定義した時、該線形度の個数頻度分布において
    i)最大頻度を示す線形度が、線形度2.4より小さい領域存在し、
    ii)線形度3.0以上の鉄チタン複合酸化物の割合が、全鉄チタン複合酸化物の個数に対して30個数%より少ない
    ことを特徴とする黒トナー。
    線形度={(鉄チタン複合酸化物の絶対最大長)2 /鉄チタン複合酸化物の面積}×π/4
  2. 前記鉄チタン複合酸化物は主成分としてFeTiO3−Fe23固溶体を含むことを特徴とする請求項1に記載の黒トナー。
  3. 鉄チタン複合酸化物の下式で表される粒径の変動係数が45%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の黒トナー。
    粒径の変動係数=(粒径の標準偏差/個数平均一次粒径)×100
  4. 前記黒トナーは、飽和磁化が1.5Am2/kg以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の黒トナー。
  5. 前記結着樹脂は、(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットとが化学的に結合したハイブリッド樹脂、及び、(c)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂の混合物からなるグループより選ばれる樹脂であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の黒トナー。
  6. 前記黒トナーの断面写真において観察される鉄チタン複合酸化物の分散粒径が0.3μmより大きく1.2μm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の黒トナー。
  7. 前記黒トナーは、磁性キャリアと混合されて二成分現像剤として用いられることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の黒トナー。
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