JP5506323B2 - トナー - Google Patents

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本発明は電子写真法に用いられるトナー及び該トナー用いた画像形成方法に関する。
複数色の有色トナーを被転写体上に転写、定着させて多色画像を形成するカラーコピーでは、更なる高画質化追求の為、例えば特許文献1乃至5には、透明トナーまたは無色トナー、あるいはそれらのトナーを使用する多色画像形成方法が記載されている。これらの方法は、高い光沢度の画像を形成することができる。しかしながら、写真画像のようなより高品位な画像を安定的に得ることや、耐候性、耐擦性などの十分な画像保護性を兼ね備えた良質な画像を得るには、大きな課題があった。
例えば、特許文献1に記載のトナーでは、十分な画像の光沢度(グロス)が得られなかったり、定着オイルムラによる画像グロスムラが発生し易い。また、画像排出時の温度が高温であるため、冷却された際に画像同士が密着する排紙接着が発生し、改善する必要があった。
特許文献2に記載の画像形成装置では、定着起因の色ずれやオフセットが発生しやすく、さらには、排紙接着も発生するため、改善する必要があった。
特許文献3では、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤を含む透明トナーが開示されている。これらの材料を添加すると、トナーの帯電特性や帯電安定性に悪影響を及ぼす。また、クリア画像の透明性が損なわれたり、画像グロス付与性や画像グロスが不均一となる。さらには、画像に対する耐擦性付与について考慮されていないため、改善する必要があった。
特許文献4では、チタン化合物を触媒として用いることで得られた樹脂を有するトナーが開示されている。しかしながら、これらの発明は、クリア画像の耐候性、耐擦性など、クリア画像による画像保護について考慮されていないため、改善する必要があった。
さらに、特許文献5では、脂肪族多価アルコールを含有するポリエステルを有する透明トナーが開示されている。しかしながら、これらの発明は、クリア層による有色トナー像や記録媒体の耐候性付与、耐擦性付与など、画像の保護について考慮されていないため、改善する必要があった。さらに、透明トナーとしての帯電特性や帯電安定性が不十分なため、改善する必要があった。
特開2001−175022号公報 特開2006−209090号公報 特開平10−213942号公報 特開2005−338816号公報 特開2005−99122号公報
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決し得るトナー及び画像形成方法を提供することを課題とする。
即ち、画像に高く均一な光沢度を付与し、有色トナー画像や記録媒体に耐候性を付与して退色を防ぎ、有色トナー画像のくすみや静電的な色ずれ、静電オフセットを防ぐトナー及び画像形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、銀塩写真のような画像の高い光沢度と均一性を達成させるだけでなく、有色トナー像や記録媒体の耐候性や耐擦性などの優れた画像保護性をすることを試み、発明を完成させた。本発明はすなわち、
(1)少なくとも結着樹脂と離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結着樹脂は、アルコール成分として脂肪族多価アルコールを用い、触媒としてチタン化合物を用いて合成されたポリエステル樹脂であって、かつ、軟化点が120℃以上200℃以下である結着樹脂Aを含み、
前記チタン化合物は、芳香族カルボン酸チタン化合物を含み、
前記トナーは、シラン化合物で処理されている酸化チタン微粒子を含み、
前記トナーを加圧成型した成型物の彩度(C*)及び明度(L*)が、
0.0≦(C*)≦15.0
88.0≦(L*)≦100.0
であることを特徴とするトナーに関する。
(2)また、記録媒体上にトナー画像を形成する工程を含む画像形成方法において、前記トナー画像は、前記記録媒体上の画像形成可能領域の全域に形成され、前記トナー画像を形成するトナーは(1)に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明のトナーを用いることで、均一性に優れた高光沢画像を長期に亘って、安定的に出力することができる。また、本発明のトナーを用いることで、有色トナー画像及び記録媒体に、優れた耐候性、耐擦性を付与することができる。更に、本発明のトナーを用いることで、定着時における有色トナーの飛び散りを効果的に防ぐことが可能である。
本発明のトナーを用いることで、好ましい態様により、排紙接着の発生低減に優れた画像を出力することができ、更に、定着画像上に画像形成しても、画像及び記録媒体の色度に悪影響を及ぼさない良好な画像を出力することができる。
実施例に用いる定着装置の概略構成図である。 細線再現性の評価用画像の説明図である。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーであり、上記結着樹脂が、アルコール成分として脂肪族多価アルコールを用い、触媒としてチタン化合物を用いて合成されたポリエステル樹脂であって、かつ、軟化点(Tm)が120℃以上200℃以下である結着樹脂Aを有することが特徴である。結着樹脂が、触媒としてチタン化合物を使用して得られたものであり、かつ、前記範囲の軟化点である結着樹脂Aを有することで、結着樹脂中におけるチタン化合物の分散状態が極めて高くなる。これによって、本発明のトナーは、有色トナー像や記録媒体に対して、優れた耐候性を付与することができるものと考えられる。さらには、着色剤を用いないトナーに特有の問題である、低い帯電性や帯電不均一性を改善することができ、安定した電子写真特性を有するトナーが得られることを見出した。
上記結着樹脂Aの軟化点が120℃未満の場合、チタン化合物の分散が不十分な状態となり、本発明の効果を発揮しない。また、軟化点が200℃よりも大きい場合、チタン化合物やトナー構成材料の凝集傾向が顕著となり、本発明の効果を発揮しない。より好ましくは、結着樹脂Aの軟化点が120℃以上140℃以下であり、本発明の効果が一層顕著となる。
また、本発明のトナーが有する結着樹脂中に、上記結着樹脂Aを5質量%以上、50質
量%以下含むことが好ましい。前記含有量の範囲を外れると、定着画像や記録媒体の光沢度レベルや帯電レベルに悪影響を及ぼす傾向にあり、好ましくない。より好ましくは、上記結着樹脂Aを、5質量%以上、30質量%以下含むことである。
本発明で用いる結着樹脂Aはポリエステル樹脂であり、酸とアルコールとの反応によって合成されたエステル結合を有する樹脂である。上記結着樹脂Aを合成するアルコール成分は、脂肪族多価アルコールが用いられる。
結着樹脂Aの合成に用いられる好ましい脂肪族多価アルコ−ルとしては、2価の脂肪族アルコールであり、具体的にはプロピレングリコール、エチレングリコ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル、エチレングリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等を例示することができる。
これらの他必要に応じてジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、スピログリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、パラキシレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等のジオ−ル、さらに必要により、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン等のトリオ−ル、ペンタエルスリト−ル等のテトラオ−ル等、他に、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類を用いることができる。
本発明で用いる結着樹脂Aの合成に用いられる酸成分は特段限定されないが、例えば2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステルが挙げられる。
2価のカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸などのアルキルジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。
3価以上のカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。
結着樹脂Aの合成方法は、後述するチタン化合物を触媒として用いて行うこと以外は特段限定されず、従来知られた方法により合成することができる。また、その分子量も特段限定されないが、通常、数平均分子量が4,000〜10,000程度の樹脂が用いられる。結着樹脂Aの軟化点は、酸とアルコールの種類、量比や反応時間などを変更することにより、上記範囲に調整することができる。
本発明で用いる結着樹脂Aは、触媒として少なくともチタン化合物を使用して得られる。チタン化合物の具体例としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C37O)2〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C4102N)2(C37O)2〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C511O)2〕、チタンジエチレートビストリエ
タノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C25O)2〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(OHC816O)2〕、チタン
ジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C1837O)2〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)1(C37O)3〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C6143N)3(C37O)1〕等が挙げられ、これらの中ではチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましい。
この他のチタン触媒の具体例としては、テトラ−n−ブチルチタネート〔Ti(C49
O)4〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(C37O)4〕、テトラステアリルチタネート
〔Ti(C1837O)4〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)4〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C817O)4〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C817O)2(OHC816O)2〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C14
29O)2(C817O)2〕等で挙げられ、これらの中ではテトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましい。これらは、例えばハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることができる。
また、チタン化合物は、芳香族カルボン酸チタン化合物を含むことが、本発明のトナーに、良好な帯電制御性、耐候性を付与する点で、より好ましい。
上記芳香族カルボン酸チタン化合物は、芳香族カルボン酸とチタンアルコキシドとが反応することにより得られるものであることが好ましい。また、芳香族カルボン酸としては、2価以上の芳香族カルボン酸(即ち、2つ以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸)及び/又は芳香族オキシカルボン酸であることが好ましい。
上記の2価以上の芳香族カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類又はその無水物、トリメリット酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸類又はその無水物、エステル化物等が挙げられる。また、上記芳香族オキシカルボン酸としては、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシカルボン酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸等が挙げられる。
これらの中でも、芳香族カルボン酸としては2価以上のカルボン酸を用いることがより好ましく、特にイソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレンジカルボン酸を用いることが好ましい。
上記のチタンアルコキシドとしては、下記一般式(1)で示されるものが好ましく用いられる。
Figure 0005506323
上記一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4は、炭素数1〜20のアルキル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、また置換基を有していてもよい。nは1〜10の整数を示す。
本発明におけるチタン化合物は、結着樹脂A 100質量部あたり0.001〜5.0質量部使用することが好ましく、0.005〜2.0質量部使用することがより好ましい。
本発明のトナーは、トナーを加圧成型した成型物の彩度(C*)及び明度(L*)が、
0.0≦(C*)≦15.0
88.0≦(L*)≦100.0
である。
彩度(C*)と明度(L*)はL*、a*、b*をSpectroScan Transmission(GretagMacbeth社製)を用いて測定することによって求められる。以下に具体的な測定条件を示す。
<測定条件>
観測光源:D50
観測視野:2°
濃度:DIN NB
白色基準:Pap
フィルター:なし
一般に、L*、a*、b*とは、色を数値化して表現するのに有用な手段であるL***表色系で用いられている値である。a*及びb*は、両者で色相を表す。色相とは、赤、
黄、緑、青、紫等、色あいを尺度化したものである。a*及びb*のそれぞれは、色の方向を示しており、a*は赤−緑方向、b*は黄−青方向を表している。本発明においてC*は以下のように定義した。
C*=(a*2+b*21/2
トナー成型物の彩度(C*)及び明度(L*)は、トナー構成材料やトナー製造工程における熱的な履歴などがその数値に影響し、良好なトナー定着画像の色度を得るためには、重要な物性値である。
本発明のトナーのような粉体は、微粒子である程白色傾向を示すため、トナー成型物の色味規定の方がトナー粉体の色味規定よりも検出感度が極めて高く、高品位な画像を得るための規定として好ましい。本発明において、トナーを加圧成型した成型物とは、直径25mmの錠剤成型圧縮機にトナー2.5gを入れ、10MPaの圧力で90秒間圧縮成型し、直径25mmにペレット化したものをいう。本発明において、該トナー成型物の彩度(C*)及び明度(L*)が、上記範囲を外れると、定着画像や記録媒体の色度に悪影響を及ぼすため、高品位な画像を得ることができない。
上記彩度は、0.0≦(C*)≦10.0であることが好ましく、上記明度は、90.0
≦(L*)≦100.0であることが好ましい。本発明のトナーの明度は、結着樹脂の製
造条件変更による結着樹脂の色味調整や白色の着色剤を少量添加することにより、上記範囲に調整することができる。本発明のトナーの彩度は、結着樹脂の製造条件変更による結着樹脂の色味調整や各種着色剤を少量添加することにより、上記範囲に調整することができる。
本発明のトナーが有する結着樹脂は、アルコール成分としてビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を用いて合成されたポリエステル樹脂であって、かつ、軟化点(Tm)が60℃以上100℃以下である結着樹脂Bを更に含むことが好ましい。結着樹脂Bを結着樹脂Aと併用することにより、本発明のトナーは、有色トナー像や記録媒体との密着性を高めることができ、極めて耐擦性の高い画像を得ることができる。
また、結着樹脂Bは、触媒として少なくともチタン化合物を使用して得られたポリエステル樹脂であるとより好ましい。これによって、本発明のトナーは、有色トナー像や記録媒体に、耐候性と耐擦性を高いレベルで両立、付与することができ、高品位な画像を得ることができる。本発明者らは、画像の耐擦性が、トナーの定着時に発生する内部応力を抑制することによって、特徴的に得られることを見出した。結着樹脂特性としては、線収縮率を抑制することが重要である。本発明のトナーでは、結着樹脂中に、軟化点(Tm)が60℃以上100℃以下である結着樹脂Bを存在させることにより、線収縮率を制御し、
良好な画像耐擦性を発現させることが可能となり、好ましい。
上記結着樹脂Bの合成方法は特段限定されず、アルコール成分として、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を用いて合成された点以外は、結着樹脂Aと同様に合成することができる。また、その分子量も特段限定されないが、通常、数平均分子量が1,500〜4,000程度の樹脂が用いられる。
結着樹脂Bの合成にチタン化合物を使用する場合には、結着樹脂B100質量部あたり0.001〜5.0質量部使用することが好ましい。
本発明のトナーに用いる結着樹脂中に結着樹脂Bが含まれる場合には、全結着樹脂中に50質量%以上、95質量%以下の含有量であることが好ましい。また、結着樹脂中における結着樹脂Aと結着樹脂Bの含有比率は、1:1〜1:19であることが好ましく、1:1〜1:4であることがより好ましい。また、本発明のトナーに用いる結着樹脂は、結着樹脂A、及び結着樹脂Bに加えて、本発明の効果を阻害しない程度に、トナーに用いられる一般的な樹脂を併用することができる。結着樹脂A及び結着樹脂B以外の樹脂としては、スチレン−(メタ)アクリル共重合体に代表されるビニル系共重合体、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合されたハイブリッド樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられ、本発明の効果を阻害しない程度に、その含有量は10%以下であることが好ましい。
本発明のトナーは離型剤を有する。本発明では、離型剤の種類は特段限定されず用いることができるが、ワックスの分散性が良好であるものを用いることが好ましい。上述の結着樹脂Aと結着樹脂Bについて、両樹脂の相溶性は良好で、両方の樹脂特性を活かしたトナー設計が可能である。その一方で、添加材料の分散性に対しては、極めて不利となる。しかしながら、本発明のトナーのように顔料を含まないトナーでは、顔料分散性の問題は生じず、トナー原材料成分の分散性を十分に確保することで、樹脂特性を活かしたトナー設計が可能となることを見出した。そのため離型剤としては、十分な分散性を確保する点から、炭化水素系ワックスを用いることが好ましく、また、スチレン系モノマーで処理した離型剤を用いることが、より好ましいと言える。
本発明で使用される離型剤成分は、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量オレフィン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;ベヘン酸ベヘニルやステアリン酸ベヘニルなどの高級脂肪酸と高級アルコールとの合成反応物であるエステルワックス;および、脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの
芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。中でも好ましいものは、前述の脂肪族炭化水素系ワックスである。
本発明において、離型剤は、少なくともスチレン系モノマーで処理したワックスを含有していることが、トナー中の離型剤の高い分散性、それによる高い離型効果と定着画像の光沢均一性が得られる点で好ましい。離型剤を処理するスチレン系モノマーの例としてはスチレン、メチルスチレン、エチルスチレンなどが挙げられ、処理の方法としては特段限定されず、溶融混合による処理方法やドープによる処理方法やスプレー噴霧による処理方法など公知の処理方法を用いることができる。
本発明のトナーは、離型剤を結着樹脂100質量部に対し1〜8質量部有することが好ましい。また、離型剤をスチレン系モノマーで処理する場合、離型剤100質量部に対し20〜50質量部の処理剤を用いることが好ましい。
本発明のトナーは、シラン化合物で処理された酸化チタン微粒子を有することが好ましい。シラン化合物で処理された酸化チタン微粒子を有することで、更に良好な帯電特性と耐候性を得ることが可能となる。酸化チタン微粒子は、トナー粒子に添加するが、添加の方法は特段制限されない。また、酸化チタン微粒子は、トナー粒子100質量部に対し0.1〜3質量部添加することが好ましい。
本発明のトナーに用いられる酸化チタン微粒子は、硫酸法、塩素法、又は揮発性チタン化合物(例えばチタンアルコキシド、チタンハライド、チタンアセチルアセトネート)の低温酸化(熱分解、加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が好ましく用いられる。また、酸化チタン微粒子の結晶系としてはアナターゼ型、ルチル型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いることができる。
また、酸化チタン微粒子を処理するシラン化合物として、例えばヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらシラン化合物の処理量は、酸化チタン微粒子100質量部に対して好ましくは3〜30質量部である。
本発明のトナーには、荷電制御剤を含有させることができる。使用できる荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。具体的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
上記のうち、特に好ましく用いられる荷電制御剤は、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、該芳香族カルボン酸誘
導体の金属化合物であり、その金属が2価以上であることが好ましい。芳香族カルボン酸の金属化合物の製造例を示す。例えば、2価以上の金属イオンが溶解している水溶液を、芳香族カルボン酸を溶解した水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌する。次に水溶液のpHを調整し、常温まで冷却した後、ろ過水洗することにより合成することができるが、上記の合成方法だけに限定されるものではない。2価の金属としてMg2+、Ca2+、Sr2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+が挙げられる。これらのうち、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+、Cr3+、Fe3+、Ni3+、Zr4+が挙げられる。これら3価以上の金属の中で好ましいのはAl3+、Cr3+、Zr4+であり、特に好ましいのはAl3+、Zr4+である。また、芳香族カルボン酸誘導体としては、サリチル酸誘導体が好ましい。該荷電制御剤は、結着樹脂100質量部に対し0.1乃至10質量部使用することが好ましい。この範囲の含有量とすると、トナーの帯電レベルを適度に調整できるため現像時に必要な帯電量が得られやすくなる。また、トナー製造工程の一部である混練時に、結着樹脂中に存在するカルボキシル基と前記した芳香族カルボン酸の金属化合物の中心金属との金属架橋反応を適度に起こすことができる。それによって、トナーの粘弾性を調整することも可能であり、トナーの熱溶融特性を改良することができる。また、前述したようにトナー内部よりもトナー粒子表面の荷電制御剤濃度を高くし、かつ、トナー内部に存在する荷電制御剤よりも帯電性の強い荷電制御剤をトナー粒子表面に存在させることにより、帯電特性を制御しやすくなり好ましい。
本発明のトナーには、流動性向上剤が外部添加(以下、外添という)されていることが好ましい。ここで、流動性向上剤とは、トナー粒子に外添することにより、流動性が増加し得る機能を有するものであり、画質向上の観点から添加される。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末などのフッ素系樹脂粉末;湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微粉末などのシリカ微粉末が挙げられる。そして、それらシリカ微粉末をシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどの処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が用いられる。このような流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。
流動性向上剤は、トナー粒子100質量部に対して0.01乃至10質量部、好ましくは0.05乃至5質量部使用するのが良い。
本発明のトナーは、重量平均粒径が4乃至9μmであることが好ましい。このようにトナーの重量平均粒径を小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。重量平均粒径が4μm未満であると、例えば感光ドラム表面への付着力が高くなり、転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となりやすい。また、トナー単位質量あたりの帯電量が高くなり、例えば低温低湿環境下において画像濃度が低下してしまう場合がある。さらに、流動性の低下や部材への付着性の増加により、例えばキャリアとの摩擦帯電がスムーズに行われにくく、充分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部のカブリが目立つ様になる。また、重量平均粒径が9μmを超えると、高画質化に寄与し得る微粒子が少ないため、トナーの流動性に優れるというメリットがあるものの、感光ドラム上の微細な静電荷像上に忠実に付着しづらく、ハーフトーン部再現性が低下し、階調性も低下する場合がある。また、感光体ドラム表面等の部材への融着が起きやすい。さらに、4μm以下の粒径を有するトナーの含有率が3乃至40個数%であり、9μm以上の粒径を有するトナーの含有率が10体積%以下であると、現像性、転写性のバランスの取れたトナーが得られやすく、特に好ましい。
次に本発明のトナーを二成分系現像方法で使用される場合の補給用現像剤及び二成分現像剤に用いられるキャリアについて説明する。
磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用できる。
上記磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解又は懸濁させて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着させる方法、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いる。上記被覆材料の処理量は、キャリアコア粒子に対し0.1乃至30質量%(好ましくは0.5乃至20質量%)が好ましい。これらキャリアの個数平均粒径は10乃至100μm、好ましくは20乃至70μmを有することが好ましい。
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2乃至15質量%、好ましくは4乃至13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
また、本発明のトナーは、トナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30乃至200℃の範囲に1個または複数の吸熱ピークを有し、吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60乃至105℃の範囲にあることがより好ましい。本発明において、定着画像の光沢度や定着画像と定着部材の離型性を十分に得るためには、前記特徴であることがより好ましい。
本発明のトナーの製造方法としては様々な方法が適用できる。例えば、本発明のトナーは、結着樹脂、離型剤及び他の任意の材料を溶融混練し、これを冷却して粉砕し、必要に応じて粉砕物の球形化処理や分級処理を行い、更に無機微粒子を混合すること等によって製造することが可能である。
本発明の画像形成方法は、記録媒体上にトナー画像を形成する工程を含み、前記トナー画像は、記録媒体上の画像形成可能な領域の全域に形成され、前記トナー画像を形成するトナーは、上述した本発明のトナーである。これによって、有色トナー像領域及び有色トナー像のない記録媒体領域を合わせた画像全体に、極めて良好な光沢度、耐候性、耐擦性を付与することが可能となる。このような画像形成方法は、画像形成装置の画像形成領域を調整することで、行うことができ、その装置の構造や種類は特段限定されない。
また、本発明の画像形成方法は、予め有色トナー画像が定着されている記録媒体上に、上述した本発明のトナー画像を形成することが好ましい。これによって、予め定着された有色トナー画像を使用することによって、高い画像品質を損なうことなく、極めて良好な光沢度、耐候性、耐擦性を付与することが可能となる。この際、有色トナー像は、定着部材へのオフセットによる付着が懸念されるが、有色トナー像や記録媒体との密着性の高い本発明のトナーを用いることにより、その懸念は解消することができる。
予め有色トナー画像が定着されている記録媒体上に、本発明のトナー画像を形成するための方法は、例えば、5色フルカラー画像が出力可能な装置を用い、記録媒体上に一端4色の有色トナー画像を定着させ出力した後、再度該記録媒体を給紙部に戻し、該記録媒体上に本発明のトナー画像を形成することが挙げられる。
上記加熱加圧手段は、画像定着に通常用いられるものであれば、特段制限されない。例えば、定着手段である、発熱手段を備えた定着ローラー、及び加圧手段である加圧ローラーを有する定着器が挙げられる。温度は通常120〜200℃に設定され、圧力は、面圧9.0×103〜1.0×106N/m2の範囲に設定されている。
本発明のトナーと併用して、画像形成に用いられる有色トナーは特段限定されず、通常トナーが有する構成であればよい。例えば結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー粒子と外添剤を有する有色トナーが挙げられる。有色トナーの着色剤としては、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を用いて黒色に調色したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤:
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207.209、238;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
また、マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアントナー用着色剤:
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロートナー用着色剤:
イエロー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
また、イエロー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して好ましくは0.1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上20質量部以下であり、最も好ま
しくは3質量部以上15質量部以下である。
以下、本発明における各物性の測定方法について説明する。
<結着樹脂の軟化点(Tm)の測定方法>
JIS K 7210に則り、高化式フローテスターにより測定されるものを指す。具体的な測定方法を以下に示す。高化式フローテスター(島津製作所製)を用いて1cm3
試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1960N/m2(2
0kg/cm2)の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、
これにより、プランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を樹脂の軟化点(Tm)とする。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水
槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーの最大吸熱ピークのピーク温度の測定>
ワックスおよびトナーの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、トナー約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のトナーのDSC測定における吸熱曲線の最大吸熱ピークとする。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による分子量分布の測定>
結着樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、結着樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調製する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(結着樹脂A―1の製造例)
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。
テレフタル酸 42.8質量部プロピレングリコール 40.0質量部イソフタル酸とチタンテトラ−i−プロポキサイドの化合物 0.7質量部
その後、220℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させた。
さらに、無水トリメリット酸17.2質量部を加え、180℃に加熱し、2時間反応させ樹脂A―1を合成した。GPCで求めた樹脂A−1の分子量は、重量平均分子量(Mw)93,000、数平均分子量(Mn)6,400、ピーク分子量(Mp)13,800、ガラス転移点は61℃、軟化点は140℃であった。
(結着樹脂A−2〜A−8の製造例)
触媒の種類及びアルコール成分について、表1に示すように変更した以外は、上記結着樹脂A−1と同様に結着樹脂A−2〜A−8を製造した。なお、触媒については、表2に示す。
Figure 0005506323
Figure 0005506323
(結着樹脂B―1の製造例)
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。
テレフタル酸 22.6質量部無水トリメリット酸 1.7質量部ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
75.6質量部トリメリット酸とチタンテトラ−n−ブトキサイドの化合物 0.7質量部
その後、200℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させ、その後、10mmHgに減圧し1時間反応させ、樹脂B−1を合成した。GPCで求めた樹脂B−1の分子量は、重量平均分子量(Mw)6,200、数平均分子量(Mn)2,500であり、ピーク分子量(Mp)2,900、ガラス転移点は55℃、軟化点は90℃であった。
(結着樹脂B−2〜B−7の製造例)
触媒の種類及びアルコール成分について、表3に示すように変更した以外は、上記結着樹脂B−1と同様に結着樹脂B−2〜B−7を製造した。なお、触媒については、表2に示す。
Figure 0005506323
<離型剤1の製造例>
・低密度ポリエチレン(DSCによる吸熱ピークが100℃) 30質量部
・スチレン 54質量部
・n−ブチルアクリレート 13質量部
・アクリロニトリル 3質量部
をオートクレーブに仕込み、系内をN2置換後、昇温撹拌しながら180℃に保持した。
系内に、2質量%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50質量部を5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、上記低密度ポリエチレンにビニル樹脂成分が反応した重合体Aを得た。重合体Aの分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)5,500、数平均分子量(Mn)2,800であった。
次に、パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度75℃)100質量部に対して上記重合体A30質量部を130℃で20分溶融混合し、冷却、粉砕して離型剤1を得た。離型剤1の最大吸熱ピークのピーク温度は75℃であった。
<離型剤2の製造例>
スチレンモノマー600gに反応開始剤としてジクミルパーオキサイド100gを添加した後、加熱溶融したパラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度75℃)2000gに撹拌しながら滴下し、4時間反応させ、離型剤2を得た。上記離型剤2の最大吸熱ピークのピーク温度は75℃であった。
<キャリアの製造例>
個数平均粒径0.30μmのマグネタイト粉と、個数平均粒径0.30μmのヘマタイト粉に対して、それぞれ4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
・処理したマグネタイト 80質量部
・処理したヘマタイト 4質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水20質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性体含有樹脂キャリアコアを得た。
コート材として、メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体(共重合比(質量%比)8:2、重量平均分子量44,000)を用い、これがコート時に前記磁性体分散樹脂コア100質量部に対して1.2質量部となるように、メチルエチルケトン及びトルエンの混合溶媒を溶媒として10質量%の前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体を含有するキャリアコート溶液を作製した。また、このキャリアコート溶液に、メラミン樹脂(個数平均粒径0.2μm)0.4質量部、カーボンブラック(個数平均粒径30nm、DBP吸油量50ml/100g)0.6質量部をホモジナイザーによりよく混合する。ついで、この混合溶液に前記磁性体分散樹脂コアを投入し、これに剪断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、磁性体分散樹脂コア表面へ前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体をコートした。
前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体でコートされた樹脂コート磁性体分散樹脂コアを100℃で2時間撹拌することによって熱処理後、冷却、解砕し、200メッシュの篩で分級して、個数平均粒子径37μm、真比重3.7g/cm3、磁化の強さ56.5(Am2/kg)の磁性キャリアを得た。
<実施例1>
表5に示すように、結着樹脂A−1 30質量部、結着樹脂B−1 70質量部、離型剤1 5質量部、荷電制御剤として3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物0.5質量部をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った。回転二軸押出機で溶融混練を行った。回転二軸押出機の原料供給口から出口までの長さは1560/926mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転型である。またバレル内の加熱温度は100℃、スクリュー回転速度は300回転/分、混合物の供給速度は10kg/時、平均滞留時間は約14秒であった。尚、回転二軸押出の原料供給口から出口までの長さは1560mmであり、ベント口は真空吸引されている。
得られた混練物をスチール製ベルト式圧延機にて挟みながら通過させ、更に冷却ローラにて圧延冷却し、冷却コンベアにて常温まで冷却した。
得られた冷却物をハンマーミルで粒径約1乃至2mm程度に粗粉砕した。次いで粗粉砕物をエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。
その後、得られた微粉砕物を表面改質装置を用い、表面改質、分級し、重量平均粒径(D4)が6.0μmのトナー粒子が得られた。
次に、得られたトナー粒子100質量部に、酸化チタン1(個数平均粒径:40nm、結晶形:ルチル形、処理剤:i-ブチルトリメトキシシラン、処理量:10質量部)0.
8質量部を外添混合し、トナー1を得た。
さらに上記得られた磁性キャリアとトナー1で二成分系現像剤を作製した。二成分系現像剤は、磁性キャリア92質量%、トナー8質量%で混合した。補給用現像剤は、磁性キャリア7質量%、トナー93質量%で混合した。
<実施例2乃至10、比較例1乃至7>
トナー原料の種類や配合量を表5に示すものとした以外は、トナー1と同様にして、トナー2乃至17を製造した。用いた外添剤は表4に示すものである。ただし、添加剤を使用する場合には、以下のものを使用した。添加剤Cyとして、C.I.ピグメントブルー15:3を使用した。添加剤Tiとして、個数平均粒径が50nmの疎水化処理した酸化チタン微粉体を使用した。添加剤Yeとして、C.I.ピグメントイエロー74を使用した。また、トナー1〜17について、その物性を表6に示す。
なお、実施例8、9及び10を、それぞれ参考例8、9及び10とする。
Figure 0005506323
Figure 0005506323
Figure 0005506323
[イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックトナーの製造例]
(結着樹脂2の製造例)
テレフタル酸 30mol%
アジピン酸 10mol%
トリメリット酸 8mol%
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
31mol%
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
23mol%
上記に示す酸成分及びアルコール成分と、エステル化触媒として2−エチルヘキサン酸錫を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて240℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出し、冷却、粉砕し、軟化点145℃の結着樹脂2を得た(Mn:4,200、Mw:490,000)。
<シアントナーの製造例>
・結着樹脂2 100質量部
・離型剤1 5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
・荷電制御剤3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物
0.2質量部
を用いて、無色トナー1の製造例と同様にして、シアントナーを得た。
さらに磁性キャリアとシアントナーで二成分系現像剤を作製した。二成分系現像剤は、磁性キャリア92質量%、トナー8質量%で混合した。補給用現像剤は、磁性キャリア7質量%、トナー93質量%で混合した。
<イエロートナーの製造例>
・結着樹脂2 100質量部
・離型剤1 5質量部
・C.I.ピグメントイエロー74 8質量部
・荷電制御剤3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物
0.5質量部
を用いて、無色トナー1の製造例と同様にして、シアントナーを得た。
さらに磁性キャリアとイエロートナーで二成分系現像剤を作製した。二成分系現像剤は、磁性キャリア91質量%、トナー9質量%で混合した。補給用現像剤は、磁性キャリア7質量%、トナー93質量%で混合した。
<マゼンタトナーの製造例>
・結着樹脂2 100質量部
・離型剤1 5質量部
・C.I.ピグメントレッド122 6質量部
・荷電制御剤3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物
0.5質量部
を用いて、無色トナー1の製造例と同様にして、シアントナーを得た。
さらに磁性キャリアとマゼンタトナーで二成分系現像剤を作製した。二成分系現像剤は、磁性キャリア92質量%、トナー8質量%で混合した。補給用現像剤は、磁性キャリア7質量%、トナー93質量%で混合した。
<ブラックトナーの製造例>
・結着樹脂2 100質量部
・離型剤1 5質量部
・カーボンブラック(平均一次粒径:60nm) 6質量部
・荷電制御剤3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物
0.5質量部
を用いて、無色トナー1の製造例と同様にして、シアントナーを得た。
さらに磁性キャリアとブラックトナーで二成分系現像剤を作製した。二成分系現像剤は、磁性キャリア92質量%、トナー8質量%で混合した。補給用現像剤は、磁性キャリア7質量%、トナー93質量%で混合した。
<画像評価>
トナー1〜17について、以下のように評価を行った。市販のフルカラー複写機 imagePRESS C1(キヤノン株式会社)を下記条件で出力できるように改造した。また、評価は下記の条件で実施し、初期試験は1枚目、耐久試験は10,000枚目で各種評価を行った。
なお、トナー9〜11については、有色トナー上にのみ本発明のトナーを定着させ、それ以外のトナーについては記録紙上の画像形成可能領域の全域に、本発明のトナーを定着させた。
また、トナー8〜11については、有色トナーを定着させる前に本発明のトナーを重ね、5色のトナーを同時に記録紙上に定着させた。それ以外のトナーについては、有色トナーを記録紙上に定着させ排出させた後に、再度記録紙を給紙部に配置し、そして本発明のトナーを定着させた。
条件:
印刷環境 温度23℃/湿度60RH%(以下「N/N」)
温度30℃/湿度80RH%(以下「H/H」)
温度23℃/湿度5RH%(以下「N/L」)
記録媒体 カラーレーザーコピア光沢厚紙NS−701
(記録媒体光沢度:70.3%、150g/m2、キヤノンマーケティングジャパン株式
会社)
画像形成速度 有色トナーとして、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックトナー、及び本発明の実施例・比較例のトナーの全5色フルカラー画像が出力できるように改造した。(A4サイズ、単色で60枚/分、5色フルカラーで11枚/分)
定着条件 定着温度を170℃に設定し、図1に示す定着器を取りつけることができるように、複写機本体の改造を行った。
出力画像 5色ベタ黒:単位面積当たりのトナー載り量を1.5mg/cm2
(各色0.3mg/cm2
実施例に用いた定着器について図1に基づき説明する。
図1において、定着手段である定着ローラー39は、例えば厚さ5mmのアルミ製の芯金41上に厚さ2mmのRTV(室温加硫型)シリコーンゴム層42、この外側に厚さ50μmのフッ素ゴム層68、この外側にHTV(高温加硫型)シリコーンゴム層43を有し、直径60mmである。
一方、加圧手段である加圧ローラー40は、例えば厚さ5mmのアルミ芯金44の上に厚さ2mmのRTVシリコーンゴム層45、この外側に厚さ50μmのフッ素ゴム層69、この外側に厚さ230μmのHTVシリコーンゴム層70を有し、直径60mmである。
上記定着ローラー39には発熱手段であるハロゲンヒータ46が配置され、加圧ローラー40には同じくハロゲンヒータ47が芯金内に配設されて両面からの加熱を行っている。定着ローラー39及び加圧ローラー40に当接されたサーミスタ48a及び48bにより定着ローラー39及び加圧ローラーの温度が検知され、この検知温度に基づき制御装置49a及び49bによりハロゲンヒータ46及び47がそれぞれ制御され、定着ローラー39の温度及び加圧ローラー40の温度が共に一定の温度(例えば、160℃±10℃で保つように制御される。定着ローラー39と加圧ローラー40は加圧機構(図示せず)によって総圧約40kgで加圧されている。
クリーニング装置Cはノーメックス(商品名)より成る不織布ウェブ56を押圧ローラー55にて定着ローラー39に押し当ててクリーニングしている。該ウェブ56は巻き取り装置(図示せず)により適宜巻き取られ、定着ローラー39との当接部にトナー等が堆積しないようにされている。
<画像光沢度(グロス)の測定>
N/Nの条件で耐久初期(1枚目)の画像及び耐久後(10,000枚目)の画像を出力し、画像光沢度(%)を測定した。
画像光沢度(グロス)の測定は、ハンディ型グロスメーターPG−1M(日本電色工業株式会社製)を用いて測定した。測定としては、投光角度、受光角度をそれぞれ60°に合わせた。画像光沢度は、出力した画像上20点の光沢度(グロス)を測定し、その平均値を画像光沢度(%)とした。
なお、評価基準は以下のように定めた。
A:記録媒体光沢度との差分が、3%未満
B:記録媒体光沢度との差分が、3%以上7%未満
C:記録媒体光沢度との差分が、7%以上11%未満
D:記録媒体光沢度との差分が、11%以上15%未満
E:記録媒体光沢度との差分が、15%以上
高画質出力用電子写真機器として問題ないレベルは、A乃至Cである。
<画像光沢度(グロス)均一性の評価>
画像光沢度(グロス)均一性の評価は、上記画像光沢度(グロス)測定時の最大値と最小値との差を以下の基準に基づき評価した。
A:2.0%未満 非常に良い。
B:2.0%以上3.5%未満 ほとんど気にならない。
C:3.5%以上5.0%未満 光沢ムラが確認できるが使用上問題ない。
D:5.0%以上7.0%未満 光沢ムラが確認でき、違和感がある。
E:7.0%以上。問題あり。
なお、問題ないレベルは、A乃至Cである。
<トナー画像または記録媒体の色味変動の評価>
色味変動は画像面積比率50%、評価紙をカラーレーザーコピアペーパー、評価環境をN/Nに設定し、耐久初期(1枚目)の画像及び耐久後(10,000枚目)の画像を出力した。また出力画像はグリーン(イエロートナー、シアントナー共にトナー載り量0.3mg/cm2)、レッド(マゼンタトナー、シアントナー共にトナー載り量0.3mg
/cm2)、及びブルー(マゼンタトナー、シアントナー共にトナー載り量0.3mg/
cm2)とした。各色とも載り量0.4mg/cm2の本発明のトナーを使用した画像と使用しなかった画像を測定用サンプルとし、そのトナー画像または記録媒体の色味の差を測定した。また、耐候性試験として、画像サンプルを市販のウェザーメーターで、JISK7102に準じて、長期の暴露評価を行った。
また、色味変動の差(ΔC)は以下のように定義した。
ΔC={(無色トナー使用画像のa*−無色トナー未使用画像のa*2
+(無色トナー使用画像のb*−無色トナー未使用画像のb*21/2
測定は、画像中の任意の5点を測定してその平均値を出し、上記式によってΔCを求めた。
A:0≦ΔC<1.0(目視では判断できないレベル)
B:1.0≦ΔC<2.0(目視ではかろうじて分かるが、気にならない)
C:2.0≦ΔC<3.0(使用可能レベル)
D:3.0≦ΔC<4.5(トナー画像または記録媒体の色味の変化が見られ、違和感がある)
E:4.5≦ΔC(トナー画像または記録媒体の色味が著しく変化している)
なお製品として問題ないレベルは、A乃至Cである。結果は表に示す。
<定着時の細線再現性の評価>
定着時の飛び散りの評価は、図2に示すような縞状の潜像画像を形成し、定着後の画像について評価を行った。図2は、解像度600dpiにおける潜像部幅が4ドット(170μm)であり、非潜像部幅が10ドット(420μm)の潜像画像である。潜像部はイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色トナーを使用し、潜像部及び非潜像部を無色トナーでオーバーコートしている。尚、評価環境はN/L環境、評価紙はカラーレーザーコピアペーパーを使用した。
評価基準を以下に示す。
A:良好な細線の定着状態を示す。
B:軽微な飛び散りが19本中、3本未満観察される。
C:軽微な飛び散りが19本中、3本以上7本未満観察される。
D:軽微な飛び散りが19本中、7本以上観察される。
あるいは細線の周囲のやや目立つ飛び散りが19本中、5本未満観察される。
D:細線の周囲のやや目立つ飛び散りが19本中、5本以上10本未満観察される。
E:細線の周囲のやや目立つ飛び散りが19本中、11本以上観察される。
なお製品として使用可能レベルは、A乃至Cである。
<定着時の耐擦性の評価>
専用の擦り試験機で画像を擦り、擦り前後の本発明トナー画像部の光沢度(グロス)を測定し、光沢度差を評価した。擦り試験機は、静電気により用紙を固定する台の上に用紙上に9ヶ所配された5mm角、200gの真鍮製の重りを載せる構造となっている。用紙と重りの間にはシルボンC紙(小津産業社製)が挟まれている。用紙を固定する台は紙の長手方向に往復運動できるようになっており、このとき画像はシルボンC紙に擦られて欠落する。本実施例では、10往復させて画像を擦った。
擦り前の画像光沢度(グロス)の平均値と擦り後の画像光沢度平均値との差を以下の基準に基づき評価した。
A:5.0%未満 非常に良い。
B:5.0%以上10.0%未満 ほとんど気にならない。
C:10.0%以上15.0%未満 光沢ムラが確認できるが使用上問題ない。
D:15.0%以上20.0%未満 光沢ムラが確認でき、違和感がある。
E:20.0%以上。問題あり。
なお、問題ないレベルは、A乃至Cである。
<定着時の排紙接着性の評価>
定着時の排紙接着性の評価は、図2に示すような縞状の潜像画像を形成し、定着後の画像について評価を行った。図2は、解像度600dpiにおける潜像部幅が4ドット(170μm)であり、非潜像部幅が10ドット(420μm)の潜像画像である。潜像部はイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色トナーを使用し、潜像部及び非潜像部を無色トナーでオーバーコートしている。尚、評価環境は、H/H環境、評価紙はカラーレーザーコピアペーパーを使用し、連続で1000枚出力する。そして、出力画像を重ねた状態で、N/N環境で1時間静置した後、評価を行う。
評価基準を以下に示す。
A:排紙接着の発生はなく、良好な状態を示す。
B:画像同士の軽微な接着は見られるが、問題ない。
C:画像同士の接着が、一部で発生する。画像を剥すことが容易でき、画像への影響も見られない。
D:画像同士の接着が、発生する。画像を剥すと、トナー部分の光沢度が変化するため、出力画像として、使用するには好ましくない。
E:画像同士の接着が、顕著に発生する。画像を剥すと、トナー部分が剥れるため、出力画像として、使用できない。
なお製品として使用可能レベルは、A乃至Cである。結果は表に示す。
Figure 0005506323

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂と離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    前記結着樹脂は、アルコール成分として脂肪族多価アルコールを用い、触媒としてチタン化合物を用いて合成されたポリエステル樹脂であって、かつ、軟化点が120℃以上200℃以下である結着樹脂Aを含み、
    前記チタン化合物は、芳香族カルボン酸チタン化合物を含み、
    前記トナーは、シラン化合物で処理されている酸化チタン微粒子を含み、
    前記トナーを加圧成型した成型物の彩度(C*)及び明度(L*)が、
    0.0≦(C*)≦15.0
    88.0≦(L*)≦100.0
    であることを特徴とするトナー。
  2. 前記結着樹脂は、前記結着樹脂Aを5質量%以上、50質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記結着樹脂は、アルコール成分としてビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を用いて合成されたポリエステル樹脂であって、かつ、軟化点が60℃以上100℃以下である結着樹脂Bを更に含むことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記離型剤は、炭化水素系ワックスを含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のトナー。
  5. 前記離型剤は、スチレン系モノマーで処理したワックスを含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のトナー。
  6. 記録媒体上にトナー画像を形成する工程を含む画像形成方法において、前記トナー画像は、前記記録媒体上の画像形成可能領域の全域に形成され、前記トナー画像を形成するトナーは請求項1乃至の何れか1項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  7. 前記トナー画像は、予め有色トナー画像が定着されている記録媒体上に、加熱加圧手段により形成されることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
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