JP2002123036A - 乾式トナー - Google Patents
乾式トナーInfo
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Abstract
を長期にわたって安定して実現し、且つ、電子写真プロ
セスに高度に適用を可能とする乾式トナーを提供する。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス
成分、及びスルホン酸基を有する重合体を含有するトナ
ー粒子と、無機微粒子と、ハイドロタルサイト類化合物
粉末を有することを特徴とする乾式トナーである。
Description
記録法、磁気記録法、トナージェット法などを利用した
記録方法に用いられる乾式トナー(以下、トナーと称
す)に関するものである。詳しくは、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ、プロッター等に利用し得るトナーに
用いられる画像形成方法に関するものである。
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報に記載されて
いる如く多数の方法が知られている。一般には光導電性
物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像
を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要
に応じて直接的あるいは間接的手段を用い、紙の如き転
写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加
圧、或いは溶剤蒸気により定着し、定着画像を得るもの
である。また、トナー画像を転写する工程を有する場合
には、通常、感光体上の転写残余のトナーを除去する為
の工程が設けられ、上述の工程が繰り返される。
は、一般的に静電潜像をマゼンタトナー、シアントナ
ー、イエロートナー及びブラックトナーを使用して現像
し、各色のトナー画像を重ね合わせることにより多色画
像の再現を行っている。
形成装置の利用分野は、単にオリジナル原稿を複写する
ための複写機というだけでなく、コンピューターの出力
としてのプリンター、或いは個人向けのパーソナルコピ
ー、更には普通紙ファックス等へと急激に発展を遂げつ
つあり、多種多様な要求が高まっている。また、複写機
についても、デジタル化による高機能化が進んでいる。
特に、画像形成装置部分の小型化、高速化及びカラー化
は著しく、更には高信頼性や高解像度に対しても強く要
求されつつある。例えば、当初、200〜300dpi
(dot per inch)であった解像度は400
〜1200dpi、更には2400dpiとなりつつあ
る。
々の点で機能性の高い部材を用いることで、より簡素な
構成要素で設計されるようになってきている。その結
果、トナーに要求される機能性もより高度になり、トナ
ーの性能向上が達成できなければ、より優れた画像形成
装置が成り立たなくなってきているのが実状である。
は、トナー画像を現像するための静電潜像担持体にバイ
アスを印加した接触転写部材を圧接し、これら両者の接
触部で転写材を挟持搬送しながら該静電潜像担持体上の
トナー画像を転写材上に転写する装置が提案されてい
る。この様な転写装置は、従来から広く実用されている
コロナ放電を利用した転写装置と比べ、接触転写部材の
静電潜像担持体への当接圧を調節することによって転写
材を積極的に押圧支持することができるので、転写材の
搬送性が良好なものとなり、転写材搬送手段を最小限の
ものとすることが可能で、画像形成装置の小型化の要請
にも対応し易い。特に、転写材上にイエロートナー、マ
ゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーによ
る複数のトナー画像を多数回の転写によって重ね合わ
せ、多色画像の再現をおこなっているフルカラーの画像
形成装置の小型化に大きく寄与することができる。
用いた転写装置においては、静電潜像担持体との当接部
に転写材を挟持搬送しながら適切な電界形成を行う必要
から、ある程度の当接圧を加える必要がある。このた
め、上記当接部では、そこを通過中のトナー画像に圧力
が加わるので、トナー粒子同士が凝集し易く、その結
果、転写状態にムラを生じたり、トナー画像の輪郭部分
しか転写されない「転写中抜け」が発生するといった問
題を有していた。一般に上記の如き現象は、転写材上に
イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及び
ブラックトナーによる複数のトナー層が形成されるカラ
ー画像形成時に顕著に発生し易く、この場合には、画像
の色再現性にも悪影響を与える。
を用いることによって、画像形成装置の小型化等、多数
の利点がある反面、転写材上のトナー画像の状態による
影響が大きく、より一層のトナーの性能向上が求められ
ていた。
は、主成分として、結着樹脂、着色剤及びワックス成分
を含有してなる着色樹脂微粒子(トナー粒子)であり、
通常、その粒子径は個数平均径で6〜15μm程度であ
る。この様な着色樹脂微粒子からなるトナーの製造方法
としては、結着樹脂、染顔料及び/又は磁性体の如き着
色剤、ワックス成分等を溶融混練し、混練物を冷却後、
粉砕し、更に粉砕物を分級してトナー粒子を得る、所
謂、粉砕法によってトナーを得るのが一般的である。
は、現像される静電荷像の帯電極性に応じて、正文は負
の電荷を有するように構成する必要がある。トナーに電
荷を保有せしめるためには、トナーの主成分である結着
樹脂の摩擦帯電性を利用することもできるが、これだけ
ではトナーの帯電性は低いものになる。そこで、所望の
摩擦帯電性をトナーに付与するために荷電制御剤をトナ
ー中に添加することが行われている。この様な荷電制御
剤を含有するトナーは、比較的高い摩擦帯電量を示す場
合があるものの、一般に、高湿下におけるトナーの帯電
量や低湿下における帯電速度の低下がみられる。
子表面に存在する荷電制御剤付近での水分の吸脱着が挙
げられ、環境の雰囲気変化による荷電制御剤中の吸着水
分量の増減がトナーの帯電特性に影響を与えていると考
えられる。
御剤としては、負帯電性のものとして、モノアゾ染料の
金属錯塩、サリチル酸の金属錯塩、ナフトエ酸の金属錯
塩、ジカルボン酸の金属錯塩、銅フタロシアニン顔料等
が挙げられる。上記の荷電制御剤の多くは、電荷付与能
力としては十分に高いものが多いが、制御性に乏しいた
め、使用し得る結着樹脂や他の材料に制限があった。
は、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸を構成モ
ノマーとして有する荷電制御樹脂を含有するトナー、ま
た、特開平8−123096号公報では、該荷電制御樹
脂と特定のモノアゾ染料のFe錯塩を併用し、且つ該モ
ノアゾ染料のFe錯塩のトナー中の存在比を規定したト
ナーに関する技術が開示されている。しかしながら、該
荷電制御樹脂は結着樹脂に対する分散性が良好であるた
め、前者の場合には効率良く荷電制御能力を発揮するに
は添加量を増やす必要を生じた。また、後者の場合、該
モノアゾ染料のFe錯塩のトナー中の存在比を規定する
ことにより画像形成装置とのマッチングがある程度改善
されるが、トナーの帯電性自身については使用環境の影
響に対して改善の余地があるばかりか、有彩色の荷電制
御剤を用いることを必須としているため、カラー用トナ
ーへの適応を非常に困難なものとしている。
g−Al−CO3系ハイドロタルサイト類、また、特許
2682331号公報等では、Mg−Al−Zn−CO
3系ハイドロタルサイト類に代表される3元系ハイドロ
タルサイト類からなる無機微粉体をトナー中に添加する
ことによってトナーの現像特性を改善することが提案さ
れている。しかしながら、前者については、ハイドロタ
ルサイト類が有する受酸効果によって、帯電工程で発生
する酸性のコロナ生成物質の影響が感光体ドラムに及ぶ
のを防止することを目的としている。また、後者につい
ては、常温常湿環境下と低温低湿環境下でのトナーの帯
電安定性について配慮されているものの、高温高湿環境
下でのトナー帯電特性やフルカラー用トナーについては
改善の余地を残している。
を、更に転写材上に第2の転写を行うような多数回の転
写工程を有するフルカラー画像形成装置とのマッチング
については考慮されていない。
画質化や高解像度化の要求に伴って、トナーの小粒径化
や高機能化が求められるなか、重合法によるトナーの製
造方法が注目されている。重合法によるトナーの製造方
法としては、例えば、特公昭36−10231号公報、
特公昭51−14895号公報、特開昭53−1773
5号公報等で懸濁重合法によるトナーの製造方法が開示
されている。上記の方法では、結着樹脂の原材料である
重合性単量体中に着色剤、更に必要に応じて、重合開始
剤、分散剤、架橋剤、荷電制御剤、離型剤、極性樹脂、
その他の添加剤を溶解もしくは分散せしめて重合性単量
体組成物を調製し、得られた重合性単量体組成物を予め
調製しておいた分散安定剤を含有する水系分散媒体に投
入し、撹拌装置の使用により微粒子状の粒子を造粒し、
その後、この造粒粒子中の重合性単量体を重合させて粒
子を固化し、濾過、洗浄、乾燥を施して所望の粒径と組
成を有するトナー粒子を得ている。
では、特性に優れた小粒径のトナーが容易に得られるば
かりではなく、粉砕法によりトナーを製造した場合と異
なり、混練や粉砕といった工程が不要であるため、製造
に要するエネルギーの節約、製造時間の短縮、工程収率
の向上等、コスト削減効果が大きい。
造粒粒子中の重合性単量体を重合させる上記の製造方法
では、造粒粒子と水系分散媒体との接触面積が大きいの
で、造粒粒子中から極性基を多く含有するトナーの構成
材料が水系分散媒体中に溶出し、効果的にトナー粒子中
に含有させることが困難になる場合があった。
メチルプロパンスルホン酸を構成モノマーとして有する
荷電制御樹脂を含有するトナーを上記の如き懸濁重合法
によって製造した場合、該荷電制御樹脂と水系分散媒体
の相互作用が大きいため、これらの化合物をトナー粒子
中に効率よく含有させることが困難で、トナー粒子表面
に偏在し、その結果としてトナーの帯電性が不均一にな
ったり、温度や湿度の影響を受けて大きく変動を生じた
り、更には画像形成装置とのマッチングにも問題を生じ
ることがわかった。
従来技術の問題点を解決した乾式トナーを提供すること
にある。
特性に優れ、高画質な画像を長期にわたって安定して実
現し、且つ、電子写真プロセスに高度に適用を可能とす
る乾式トナーを提供することにある。本発明の目的は、
色再現性に優れたフルカラー用の乾式トナーを提供する
ことにある。
着樹脂、着色剤、ワックス成分、及びスルホン酸基を有
する重合体を含有するトナー粒子と、無機微粒子と、ハ
イドロタルサイト類化合物粉末を有することを特徴とす
る乾式トナーに関する。
有する重合体を含有するトナー粒子と、無機微粒子と、
ハイドロタルサイト類化合物粉末を共存させることによ
り、極めて良好な帯電特性を有し、画像形成装置との良
好なマッチングを可能とするトナーを得ることを知見
し、本発明を完成するに至った。
態を挙げて本発明を詳細に説明する。
樹脂、着色剤、ワックス成分、及びスルホン酸基を有す
る重合体を含有するトナー粒子と、無機微粒子と、
ハイドロタルサイト類化合物粉末を共存させることによ
って、帯電量や帯電速度を制御でき、トナーに望ましい
帯電特性を付与すると共に画像形成装置とのマッチング
を良好なものとすることが可能となり、過酷な使用条件
下においても画像劣化の発生を軽減し、画像形成装置の
性能を長期にわたって損なうことなく、高解像度で高精
細な画像を入手し得ることを見出した。
有する重合体を含有したトナー粒子と共にハイドロタル
サイト類化合物粉末を共存させることによってトナーの
帯電特性と画像形成装置とのマッチングが著しく改善さ
れる。これらの理由については必ずしも明らかではない
が、トナー粒子表面では、粒子表面に存在するスルホン
酸基を有する重合体の荷電制御効果によって、トナー粒
子への帯電付与と逆電荷保持の防止が行われると共に、
ハイドロタルサイト類化合物粉末が、それ自身の有する
受酸効果によってスルホン酸基を有する重合体と相互的
に作用し、環境変動の影響を最小限のものとしながらト
ナー粒子に好ましい帯電特性を付与することができるの
で、トナー粒子に迅速で均一な帯電特性を付与すること
が可能となる。更に、無機微粒子を存在させることによ
りトナー粒子に望ましい粉体特性を付与することができ
るので、トナー粒子とハイドロタルサイト類化合物粉末
の相互作用が一層強まると共に、トナー担持体上でのト
ナー層の形成状態が相乗的に良化し、電荷付与の授受が
迅速に行われるので、例えば過酷な環境で使用する場合
においても、画像劣化の程度を著しく軽減することが可
能となった。
ホン酸基を有する重合体を容易に存在させることが可能
である懸濁重合法を利用して製造されたトナーにおいて
顕著である。また、この場合、該重合体がトナー粒子表
面に偏在したとしても、ハイドロタルサイト類化合物粉
末を共存させることで、トナーの帯電や画像形成装置と
のマッチングに関わる問題を未然に防ぐことができる。
重合体としては、側鎖にスルホン酸基を有する高分子型
化合物等が挙げられ、特にスルホン酸基含有(メタ)ア
クリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上、好
ましくは5質量%以上含有し、且つガラス転移温度(T
g)が40〜90℃のスチレン及び/又はスチレン(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体からなる高分子型化合
物を用いた場合、トナー粒子に求められる熱特性に影響
を及ぼすことなく、好ましい帯電特性を享受することが
できる。
ミド系モノマーとしては、下記一般式(2)で表せるも
のが好ましく、具体的には、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパン酸や2−メタクリルアミド−2−メチル
プロパン酸等が挙げられる。
を示し、R1とR3は、それぞれ水素原子、C1〜C10の
アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアルコキ
シ基を示し、nは1〜10の整数を示す。]
は、トナー粒子中に結着樹脂100質量部に対して2〜
10質量部含有させることにより、トナー粒子が逆電荷
を保持しにくくし、帯電状態を一層良好なものとするこ
とができる。
体は、トナー製造時にアルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属を含有する無機化合物を添加することによっ
て、スルホン酸基の部分に塩構造が形成されるので、特
に上記の如きスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド
系モノマーを用いた高分子型化合物の場合、分子内での
スルホベタイン構造の生成が抑制され、水和を防止しな
がらハイドロタルサイト類化合物粉末との相互作用を確
保することができるので、環境変動に対するトナーの帯
電性が一層良好なものとなる。特に、懸濁重合法によっ
てトナーを製造する際、後述するようなアルカリ金属及
び/又はアルカリ土類金属を含有する分散安定剤を用い
ると、スルホン酸基との塩構造を容易に形成することが
できるので好ましい。
得るアルカリ金属、もしくはアルカリ土類金属として
は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等が挙げら
れ、中でもカルシウムが好ましい。
得るアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の含有量
は、トナー粒子の質量基準で100〜20000ppm
であることが好ましく、より好ましくは1000〜10
000ppmで、特に好ましくは2000〜7500p
pmである。
の含有量が100ppm未満の場合には添加効果が発現
されず、また、20000ppmを超える場合には該ア
ルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が関与する複塩
や錯塩の存在量が過剰となるため、トナーの帯電性に悪
影響を及ぼしたり、定着性や画像形成装置とのマッチン
グに問題を生じるようになり好ましくない。
及び/又はアルカリ土類金属の定量には、蛍光X線分析
やプラズマ発光分析(ICP)等の公知の分析方法を用
いることができる。分析方法の一例としては、蛍光X線
分析装置「SYSTEM3080」(理学電機工業
(株)社製)を使用し、「JIS K0119」に記載
されている蛍光X線分析通則により、トナー中のアルカ
リ金属及び/又はアルカリ土類金属を定量する方法が挙
げられる。
粉末としては、ハイドロタルサイト類化合物粉末が、下
記一般式(1)で示される不定比化合物であることが好
ましい。
ン、L1〜Lkはそれぞれ異なる3価の金属イオン、x
1〜xkとy1〜yjは金属イオンのモル比率、Aはn
価のアニオンを示し、X=x1+x2+…+xk、1−
X=y1+y2+…+yjであって、0<X≦0.5,
m≧0を満足し、jとkはそれぞれ1以上の整数を表
す。]
粉末の上記一般式(1)のM1〜Mjは、それぞれ異な
った2価の金属イオンであり、具体的には、Mg、Z
n、Ca、Ba、Ni、Sr、Cu及びFeからなる群
より適宜に選択できる。これらの中でも、Mgが好まし
く、特にMg以外の金属イオンの含有率(モル分率)
が、0.001≦y2+…+yj≦0.05の関係を満
足することが好ましい。
それぞれ異なった3価の金属イオンであり、具体的に
は、Al、B、Ga、Fe、Co及びInからなる群よ
り適宜に選択できる。これらの中でも、Alが好まし
く、特にAl以外の金属イオンの含有率(モル分率)
が、0.0003≦x2+…+xk≦0.02の関係を
満足することが好ましい。
の金属イオンは、それぞれ2種類以上存在させることが
好ましい。
ロタルサイト類化合物粉末の組成を上記の如く調整する
ことによって、トナーの帯電特性が更に改善される。
粉末の上記一般式(1)のA(n価のアニオン)として
は、CO3 2-、OH-、Cl-、I-、F-、Br-、S
O4 -、HCO3 -、CH3COO-、NO3 -、サリチル酸イ
オン-、クエン酸イオン3-、酒石酸イオン2-、(OOC
−COO)2-、[Fe(CN)6]4-が例示され、単
独、或いは複数種存在していてもかまわない。
化合物粉末の上記一般式(1)において、m≧0である
が、帯電性の安定化の観点から、その分子内に予め結晶
水を有していることが好ましく、0.1<m<0.6で
あることがより好ましい。
粉末の粉体性状としては、BET法で測定した窒素吸着
比表面積が1.0m2/g以上、より好ましくは5.0
〜100m2/gであって、且つ平均二次粒径を10μ
m以下とすることによって、スルホン酸基を有する重合
体との相互作用を高めることが可能であり、スルホン酸
基を有する重合体がトナー粒子表面に偏在するような状
態においてもその影響を最小限に留めることができる。
また、画像形成時に受けるトナー粒子表面の劣化を防止
し、特に多数回の転写工程を有するフルカラー画像形成
装置に用いた際、良好なトナー特性を維持する上で好ま
しい。更には、ハイドロタルサイト類化合物粉末が有す
る適度な研磨効果によって、トナー粒子が触れる部分の
クリーニングが可能であり、画像形成装置を良好な状態
に維持することができる。この際、該ハイドロタルサイ
ト類化合物粉末は多孔質の構造を有する軟質の粒子であ
るため、画像形成装置には傷や削れを生じない。また、
無機微粉体を共存させると分散性を向上させる効果を発
揮するので、上記の如き効果が一層良好なものとなる。
粉末のBET法で測定した窒素吸着比表面積の測定に
は、例えば、比表面積測定装置「オートソーブ1」(湯
浅アイオニクス社製)を用い、BET多点法により測定
される。また、該ハイドロタルサイト類化合物粉末の平
均二次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で拡大写真
を撮影した後、例えば、画像処理装置「LuzexII
I」(ニレコ社製)を用いることによって計測される。
粉末は、表面処理剤によって疎水化処理が施されている
ことがトナーの帯電安定性や耐久性を図る上でも好まし
い。表面処理剤としては、高級脂肪酸類、カップリング
剤類、エステル類、シリコーンオイルのオイル類の使用
が可能である。これらの中でも高級脂肪酸類が好ましく
用いられ、具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、ラ
ウリル酸等が例示される。
サイト類化合物粉末の表面処理方法としては、従来公知
の方法を利用することができ、例えば、表面処理剤を溶
剤に溶解混合したり、加熱溶解して液状にした後に未処
理のハイドロタルサイト類化合物粉末と湿式混合する方
法、また、微粉末状の表面処理剤とハイドロタルサイト
類化合物粉末を機械的に乾式混合する方法が挙げられ、
表面処理後には、必要に応じ、例えば、洗浄、脱水、乾
燥、粉砕、分級等の手段を適宜に選択し、表面処理を施
したハイドロタルサイト類化合物粉末を得ることができ
る。
粒子に対する添加量としては、トナー粒子100質量部
に対して、0.03〜3質量部、より好ましくは0.1
〜1質量部である。添加量が0.03質量部未満となる
と、スルホン酸基を有する重合体や無機微粉体との相互
作用が得られず、添加効果が不十分となる。また、3質
量部を超える場合には、定着性や画像形成装置とのマッ
チングに新たな問題を生じる。
類化合物粉末の具体例を示す。
とによって、現像性、転写性、帯電安定性、流動性及び
耐久性が向上する。該無機微粉体としては公知のものが
使用可能であるが、特にシリカ,アルミナ,チタニアあ
るいはその複酸化物の中から選ばれることが好ましい。
更には、シリカであることがより好ましい。例えば、か
かるシリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相
酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシ
リカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス
等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能
であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノー
ル基が少なく、またNa2O,SO3 2-等の製造残渣の少
ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおい
ては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩
化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合
物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物
の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含す
る。
法で測定した窒素吸着表面積が30m2/g以上、特に
50〜400m2/gの範囲のものが良好な結果を与
え、トナー100質量部に対して0.3〜8質量部使用
され、好ましくは0.5〜5質量部である。
末をトナー表面近傍に存在するスルホン酸基を有する重
合体と共存させることにより、トナー粒子への水分吸着
量の制御がなされ、摩擦帯電量や帯電速度の制御効果が
増大する。また、スルホン酸基を有する重合体によるト
ナー担持体等への汚染に起因する画像不良を未然に防止
する。更に、トナーに適度な流動性が付与されるので、
トナーの均一帯電性が相乗的に良化し、連続で多数枚プ
リントアウトを繰り返しても上記した優れた効果が維持
される。
トナーに適度な流動性を付与することが困難であり、ま
た、スルホン酸基を有する重合体に起因するトナー担時
体の汚染への防止効果が小さくなってしまう。比表面積
が400m2/gを超える場合には、連続プリントアウ
ト時に該無機微粉末がトナー粒子表面に埋め込まれるた
めに、トナーの流動性が低下する場合がある。
未満の場合には、添加効果が発現されず、また、8質量
部を超えると、トナーの帯電性や定着性に問題を生じる
だけでなく、遊離した無機微粉体により画像形成装置と
のマッチングが著しく悪化する。
必要に応じ、疎水化,帯電性制御等の目的でシリコーン
ワニス,各種変性シリコーンワニス,シリコーンオイ
ル,各種変性シリコーンオイル,シランカップリング
剤,官能基を有するシランカップリング剤,その他有機
硅素化合物,有機チタン化合物等の処理剤で、あるい
は、種々の処理剤で併用して処理されていることも可能
であり好ましい。
面積の測定には、前述の如きBET多点法により測定さ
れる。
率を達成するためには、無機微粉体は少なくともシリコ
ーンオイルで処理されることがさらに好ましい。
響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン
(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化
ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭
化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨
剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末など
の流動性付与剤;ケーキング防止剤、あるいは例えばカ
ーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の
導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒
子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
剤として或いは、キャリアと混合して二成分系現像剤と
して使用することができる。
ば、トナーと混合させる磁性キャリアとしては、鉄、
銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム等よ
り選ばれる元素から、単独又は複合フェライト状態で構
成される。この際に使用する磁性キャリアの形状は、球
状、扁平、不定形等のものがあり、更に、磁性キャリア
の表面状態の微細構造(例えば、表面凹凸性)を適宜に
制御したものを用いることもできる。また、表面を樹脂
で被覆した樹脂被覆キャリアも好適に用いることができ
る。使用するキャリアの平均粒径は、好ましくは10〜
100μm、より好ましくは20〜50μmである。ま
た、これらのキャリアとトナーを混合して二成分系現像
剤を調製する場合の現像剤中のトナー濃度は、好ましく
は2〜15質量%程度である。
定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形
度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平
均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナ
ーの平均円形度が0.950〜0.995で、円形度標
準偏差が0.040未満となるようにトナーの粒子形状
を精密に制御することにより、現像性と転写性をバラン
ス良く改善することができる。
m)を2〜10μm、より好ましくは3〜6μmと小粒
径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像や
ラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。
に微小粒子のトナーの存在率が高くなるため、トナーを
均一に帯電させることが困難となり、画像カブリを生じ
るばかりか、画像形成装置とのマッチングにも支障を招
いていた。
ナー粒子の円形度頻度分布の平均円形度を0.950〜
0.995、好ましくは0.965〜0.995、より
好ましくは0.975〜0.990とすることにより、
従来では困難であった小粒径を呈するトナーの転写性が
大幅に改善されると共に低電位潜像に対する現像能力が
格段に向上する。特に上記の如き傾向は、デジタル方式
の微小スポット潜像を現像する場合や中間転写体を用い
多数回の転写を行うフルカラーの画像形成の際に非常に
有効で、画像形成装置とのマッチングも良好なものとな
る。また、現像兼クリーニング方式を用いた際のトナー
の回収性も向上する。
形度頻度分布の円形度標準偏差を0.040未満、好ま
しくは0.035未満、より好ましくは0.015以上
0.030未満とすることにより、トナー担持体上にト
ナーの薄層を形成する際に、トナー帯電量を適切なもの
とすることが可能となり、前述の如き問題を大幅に改善
することができる。
0.950未満のトナー粒子を15個数%以下とするこ
とによって、トナー担持体上へトナーの薄層形成状態が
一層改善されるので、画像形成も良好なものとなる。
分布や形状分布を呈するトナーを用いた場合、トナー粒
子の比表面積が小さいため、そのトナー粒子を構成する
材料の物性がトナーの特性に大きく反映される場合が多
いが、本発明のトナーにおいては、トナー粒子中にスル
ホン酸基を有する重合体を含有させ、且つその粒子表面
に無機微粉体とハイドロタルサイト類化合物粉末を共存
させることによって、トナー粒子への電荷付与を迅速
に、しかも均一に行うことができるので、トナーに望ま
しい特性を付与することができる。
及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的
に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明
ではフロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」
(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用い
て算出した。
たトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」
とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線
の長さと定義する。
合いを示す指標であり、トナーが完全な球形の場合に
1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は
小さな値となる。
頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μ
m)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの
粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算
出される。
不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意
し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を
0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段
としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテ
ー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着
したものを用い、5分間分散処理を用い、測定用の分散
液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上となら
ない様に適宜冷却する。
像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000
〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、ト
ナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデー
タを用いて、トナーの円相当径や円形度頻度分布等を求
める。
微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面観察において、
(1)フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重
量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9
≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈
するトナー粒子の断層面を20箇所選び出し、(2)選
び出したトナー粒子の断層面中に存在するワックス成分
に起因する相分離構造のうち、最も大きいものの長径r
をそれぞれ計測し、(3)求められたr/Rの相加平均
値(r/R)stが、0.05≦(r/R)st≦0.95
を満たすように、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的
に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることが
好ましい。
stが、0.05≦(r/R)st≦0.95を満たす様に
ワックス成分を分散させることにより、スルホン酸基を
有する重合体を効率良くトナー表面に局在化させること
ができるので、トナーの帯電性の安定化に寄与し、これ
らをトナー粒子表面近傍に固定化した効果を持続させる
ことができる。また、ワックス成分をトナー粒子中に内
包化させることで、トナー表面の劣化や画像形成装置へ
の汚染等を防止することができる。
stが、0.25≦(r/R)st≦0.90を満たす分散
状態にある場合、良好な帯電性が維持され、ドット再現
に優れたトナー画像を長期にわたって形成し得ることが
可能となるので好ましい。
ナーの粒子形状を制御することによりトナーの比表面積
は減少していくので、トナー中のスルホン酸基を有する
重合体の含有状態やワックス成分の含有状態を特定する
効果が著しいものとなる。
用いるワックス成分とその外周を構成する結着樹脂との
結晶相と非晶相の微細構造の相違を利用して、重金属に
より一方の成分の電子密度を高めて材料間のコントラス
トを付ける電子染色法を用いることが好ましい。具体的
には、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分
に分散させた後、40℃の雰囲気温度の中で2日間硬化
させ、得られた硬化物を四酸化ルテニウム(Ru
O4)、また、必要により四酸化オスミウム(OsO4)
を併用して電子染色を施した後、ダイヤモンドナイフを
備えたウルトラミクロトームを用いて薄片状のサンプル
を切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナ
ーの断面層形態を観察する。
す。後述の実施例で得られたトナー粒子は、ワックス成
分が結着樹脂で内包化されていることが観察された。
しては、具体的には、パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワック
ス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、
フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及び
その誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィン
ワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデ
リラワックス等の天然ワックス及びそれらの誘導体等が
挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブ
ロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高
級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パ
ルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エ
ステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワ
ックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、も
しくは併用して用いることができる。
シャートロプシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワ
ックス、高級アルコール、若しくは、高級エステルを使
用した場合に、現像性や転写性の改善効果が更に高くな
る。なお、これらのワックス成分には、トナーの帯電性
に影響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていても
よい。
質量部に対して1〜30質量部使用するのが好ましい。
は、「ASTM D3418−82」に準じて測定され
たDSC曲線における主体吸熱ピーク温度(融点)が3
0〜120℃、より好ましくは40〜90℃の範囲にあ
る化合物が好ましい。
用いることにより、得られるトナーの良好な定着性はも
とより、該ワックス成分による離型効果が効率良く発現
され、十分な定着領域が確保されると共に、従来から知
られるワックス成分による現像性、耐ブロッキング性や
画像形成装置への悪影響を排除することができる。特
に、トナーの粒子形状が球形化するに従い、トナーの比
表面積は減少していくので、ワックス成分の熱特性と分
散状態を制御することは非常に効果的なものとなる。
点)の測定には、例えば「DSC−7」(パーキンエル
マー社製)を用いる。装置検出部の温度補正にはイリジ
ウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはイリジ
ウムの融解熱を用いる。測定に際しては、測定サンプル
をアルミニウム製パンに入れたものと、対照用にアルミ
ニウム製パンのみのもの(空パン)をセットし、20〜
180℃の測定領域を昇温速度10℃/minで昇温し
た時に得られるDSC曲線から主体吸熱ピーク温度(融
点)が求められる。なお、ワックス成分のみを測定する
場合には、測定時と同一条件で昇温−降温を行って前履
歴を取り除いた後に測定を開始する。また、トナー中に
含まれた状態のワックス成分を測定する場合には、前履
歴を取り除く操作を行わず、そのままの状態で測定を行
なう。
ては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アク
リル共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチ
レン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法により
直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成す
るための単量体が用いられる。具体的にはスチレン;o
−(m−,p−)メチルスチレン,m−(p−)エチル
スチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸
メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル
酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アク
リル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メ
タ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニ
ル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)
アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸
ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセ
ン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如
きエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単
独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第
2版III−P139〜192(John Wiley
&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)
が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合して用
いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には
トナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じや
すく、一方75℃を超える場合はトナーの定着点の上昇
をもたらす。
機械的強度を高めるために結着樹脂の合成時に架橋剤を
用いることが好ましい。
は、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス
(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、
エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコール#200、#400、#600の各
ジアクリレート、 ジプロピレングリコールジアクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリ
エステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及
び上記のジアクリレートをメタクリレートに代えたもの
が挙げられる。
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,
2−ビス(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニ
ル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌ
レート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルト
リメリテートが挙げられる。
00質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量
部、より好ましくは0.1〜5質量部であることが良
い。
リエステル樹脂やポリカーボネート樹脂等の極性を有す
る樹脂(以下、「極性樹脂」と称す)を併用することが
できる。トナー中に極性樹脂を添加することによって、
トナー中のスルホン酸基を有する重合体の含有状態を上
述の如き特定の状態に制御することが容易となる。
トナーを製造する場合には、分散工程から重合工程に至
る重合反応時に上記の如き極性樹脂を添加すると、トナ
ー粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈す
る極性のバランスに応じて、添加した極性樹脂がトナー
粒子の表面に薄層を形成したり、トナー粒子表面から中
心に向け傾斜性をもって存在するように制御することが
できる。この時、スルホン酸基を有する重合体と相互作
用を有するような極性樹脂を用いることによって、トナ
ー中へのスルホン酸基を有する重合体の存在状態を望ま
しい形態にすることが可能である。特に酸価が1〜20
mgKOH/gを呈する極性樹脂を用いるとスルホン酸
基を有する重合体の存在状態を制御することが容易とな
る。
質量部に対して0.5〜25質量部使用するのが好まし
く、より好ましくは1〜15質量部である。0.5質量
部未満ではトナー粒子中での極性樹脂の存在状態が不均
一となり、逆に25質量部を超えるとトナー粒子表面に
形成される極性樹脂の薄層が厚くなるため、何れの場合
もスルホン酸基を有する重合体の含有状態を制御するの
が困難になり、その機能を十分に発現することができな
い。
リエステル樹脂の組成は以下の通りである。
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル
1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、
下記(ア)式で表わされるビスフェノール誘導体及び下
記(イ)式で示されるジオール類が挙げられる。
樹脂やポリカーボネート系樹脂を用いることも本発明の
好ましい実施形態である。これらの極性樹脂を用いると
トナーの帯電特性が向上し、画像カブリや飛び散りが改
善されると共に、ドット再現性に優れる高品位な画像を
得ることができる。また、トナー粒子に適度な機械的強
度を付与することが可能となり、画像形成装置から受け
るトナー劣化の影響を最小限にとどめ、多数枚プリント
アウトに対する耐久性や後述する画像形成装置とのマッ
チングも向上する。更には、前述の如きトナーの形状分
布を達成するためのトナーの球形化処理や重合法によっ
てトナーを直接製造する際の乾燥処理等のトナー製造工
程から受ける影響を最小限とすることができる。また、
極性樹脂は2種類以上を組み合わせて用いることも可能
で、それ自身の有する帯電性を利用することもできる。
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン
酸、マレイン酸、コハク酸、セバシン酸、チオジグリコ
ール酸、ジグリコール酸、マロン酸、グルタン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、しょうのう酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等の多塩基
酸と;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒド
ロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビ
スフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
等の多価アルコール類とを縮合重合したものであって、
得られた縮合重合体の主鎖又は側鎖に反応性基を有する
ものである。反応性基とは、カルボン酸(又はその
塩)、スルホン酸(又はその塩)、エチレンイミノ酸、
エポキシ基、イソシアネート基、二重結合、酸無水物、
ハロゲン原子等様々なものが例示でき、この反応性ポリ
エステル樹脂をお互いに反応させて、あるいは多官能性
の架橋剤(例えば多価アルコール、多塩基酸など)と反
応させて、さらに反応性ポリエステルとビニル系単量体
を反応(例えばエステル化、共重合など)させてTHF
不溶分を得ることができる。例えば重合法によりトナー
を得る場合には、反応性ポリエステル樹脂として不飽和
ポリエステル樹脂を用い、これとビニル系単量体(必要
に応じてジビニルベンゼン等の架橋剤も含む)を共重合
する。この場合には、極性を有する不飽和ポリエステル
樹脂は、重合の進行と共にトナー表面付近に移行し、ト
ナー粒子の表面に薄層を形成するため、耐ブロッキング
性や耐オフセット性が特に優れたトナーを得ることが可
能である。
脂は、前述の如き反応性基を含有していればどんなもの
でも使用可能であるが、あまり分子量が低すぎると架橋
反応にあずからないポリエステル樹脂がトナー表面に存
在してしまうことがあり、耐ブロッキング性が低下する
ことがある。また、あまり高分子量であると、例えば重
合法によりトナーを得る場合には、ビニル系単量体への
該反応性ポリエステル樹脂の溶解が困難となるため、製
造が困難となる。従って、反応性ポリエステル樹脂の重
量平均分子量は、3,000〜100,000程度が特
に性能の優れたトナーを得るのに好適である。
脂としては、下記一般式(I)で示される繰り返し単位
を分子構造中に有するポリカーボネート系樹脂が好まし
く用いられる。
るが、例えば2価フェノールとカーボネート前駆体とを
溶液法又は溶融法で反応せしめて製造されるあらゆる公
知のポリカーボネートを使用することができ、一例を挙
げれば下記一般式(II)
置換基であり、このR2が複数の場合、それらは同一で
あってもよいし、異なっていてもよく、mは、0〜4の
数である。Zは、単結合、脂肪族炭化水素基、芳香族置
換基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−CO
−結合で表わされる結合などを示す。〕で表わされる構
造の繰返し単位を有する重合体などが挙げられる。
を充当することができるが、通常は一般式(III)〜
(V)
わされる二価フェノールとホスゲンまたは炭酸エステル
化合物などのカーボネート前駆体とを反応させることに
よって容易に製造することができる。すなわち、例え
ば、塩化メチレンなどの溶媒中において、公知の酸受容
体や分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲン
のようなカーボネート前駆体との反応により、あるいは
二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカー
ボネート前駆体とのエステル交換反応によって製造され
る。
ト系樹脂の分子量は特に制限されないが、GPCにおい
て測定したピーク分子量が1000〜500000の範
囲にあるものが好ましく、さらに好ましくは2000〜
100000である。ピーク分子量が1000よりも低
いと帯電特性に悪影響がでる場合があり、500000
よりも高いと溶融粘度が高くなりすぎ、定着性に問題を
生じる場合がある。また、本発明において使用されるポ
リカーボネート系樹脂を製造するに際し、適当な分子量
調節剤、粘弾性改善のための分岐剤、反応を促進するた
めの触媒等必要に応じて使用することができる。
類の重合体に限定されるわけではなく、例えば反応性ポ
リエステル樹脂を同時に二種類以上用いることや、ビニ
ル系重合体を二種類以上用いることが可能であり、さら
に全く種類の異なる重合体、例えば反応性の無いポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ
アルキルビニルエーテル、ポリアルキルビニルケトン、
ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリルエステル、メラミ
ンホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ナイロン、ポリウレタン等様々な重合体を必要に応
じてバインダー樹脂に添加することができる。
ー粒子の表面上に形成された薄層は、前記の如き透過型
電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察
において、四酸化ルテニウム(RuO4)及び/又は四
酸化オスミウム(OsO4)による電子染色法によって
識別される。この時、トナー粒子の表面上に形成された
薄層のトナー内部方向には結着樹脂とワックス成分が存
在し、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び
/又は紡錘形の島状に分散されている様子が同時に観察
される。代表的な例を図1の(c)及び(d)に示す。
なお、図1の(c)の如く、薄層がトナー粒子の表面を
実質的に均一に覆っている状態を連続層と定義し、図1
の(d)の如く、薄層がトナー粒子の表面を部分的に覆
っている状態を不連続層と定義する。
イエロー着色剤,マゼンタ着色剤及びシアン着色剤が挙
げられ、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体ま
たは以下に示すイエロー着色剤/マゼンタ着色剤/シア
ン着色剤を混合して黒色に調色されたものが利用され
る。
窒素吸着比表面積が100m2/g以下であることが好
ましく、窒素吸着比表面積が100m2/gよりも大き
くなるとトナー中への分散が困難となり、トナーの帯電
性や着色力に問題を生じる。また、重合法によりトナー
を製造する際にはモノマーの重合性にも影響を及ぼすた
め使用に適さない。
は、「ASTM D3037−78」に準じて行う。
BP吸油量は40〜150ml/100gであることが
望ましい。
ストラクチャーの短いカーボンブラックではトナーの帯
電量が低くなりすぎ易く、150ml/100gを超え
ると強固な長ストラクチャーのためカーボンブラックの
微細な分散が得られにくい。
414−79」に準拠して行う。
は、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンス
ラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリル
アミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的
には、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、1
3、14、15、17、62、74、83、93、9
4、95、97、109、110、111、120、1
27、128、129、147、168、174、17
6、180、181、191等が好適に用いられる。
は、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、ア
ンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化
合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、
チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具
体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド2、3、
5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、5
7:1、81:1、144、146、166、169、
177、184、185、202、206、220、2
21、254等を用いることが特に好ましい。
は、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラ
キノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。
具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー1、
7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、
60、62、66等が特に好適である。
することができ、更には、固溶体の状態で用いることも
できる。また、トナー中に含有させる着色剤の添加量と
しては、着色剤として磁性体を用いた場合には、結着樹
脂100質量部に対して40〜150質量部使用するこ
とが好ましく、その他の着色剤を用いた場合には、重合
性ビニル単量体100質量部に対して5〜20質量部使
用することが好ましい。
せしめて磁性トナーとすることもできる。この場合、磁
性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明で
使用できる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイ
ト、フェライト等の如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケ
ルのような金属、或いはこれらの金属と、アルミニウ
ム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、ア
ンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシ
ウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナ
ジウム等の金属との合金及びその混合物が挙げられる。
体としては、より好ましくは、表面改質された磁性体を
用いる。特に、重合法によりトナーを製造する場合には
重合阻害のない表面改質剤により疎水化処理を施したも
のを用いることが好ましい。このような表面改質剤とし
ては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤等を挙げることができる。
がlμm以下、好ましくは0.1〜1μmのものを用い
るとよい。磁性体としては、795.8kA/m(10
kエスルテッド)印加での磁気特性として、保磁力(H
c)が1.59〜23.9Am2/g(20乃至300エ
ルステッド)、飽和磁化(σS)が50〜200Am 2/
g、残留磁化(σr)が2〜20Am2/gのものを用い
ることが好ましい。
微調整することを目的として、前記のスルホン酸を含有
する重合体と共に公知の荷電制御剤を併用することがで
きる。この時、トナー粒子を直接重合法を用いる場合に
は、重合阻害性が無く水系分散媒体への可溶化物の無い
荷電制御剤が好ましい。具体的化合物としては、ネガ系
荷電制御剤としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボ
ン酸の如きカルボン酸の金属化合物;スルホン酸又はカ
ルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物;ホウ素化合
物;尿素化合物;ケイ素化合物;カリークスアレーン等
が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として、四級アンモニ
ウム塩;該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型
化合物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物等が挙
げられる。
の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合に
おいては、キャリヤとの摩擦帯電を利用し、また、非磁
性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合に
おいては、ブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を
積極的に利用することでトナー粒子中に必ずしも荷電制
御剤を含む必要はない。
現像剤として或いは、キャリアと混合して二成分系現像
剤として使用することができる。
ば、トナーと混合させる磁性キャリアとしては、鉄、
銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム等よ
り選ばれる元素から、単独又は複合フェライト状態で構
成される。この際に使用する磁性キャリアの形状は、球
状、扁平、不定形等のものがあり、更に、磁性キャリア
の表面状態の微細構造(例えば、表面凹凸性)を適宜に
制御したものを用いることもできる。また、表面を樹脂
で被覆した樹脂被覆キャリアも好適に用いることができ
る。使用するキャリアの平均粒径は、好ましくは10〜
100μm、より好ましくは20〜50μmである。ま
た、これらのキャリアとトナーを混合して二成分系現像
剤を調製する場合の現像剤中のトナー濃度は、好ましく
は2〜15質量%程度である。
は、結着樹脂、着色剤、ワックス成分等を加圧ニーダー
等により溶融混練した後、冷却した混練物を所望のトナ
ー粒径に微粉砕し、更に微粉砕物を分級して粒度分布を
調整してトナーにする粉砕法;前述の如き懸濁重合法を
用いて直接トナーを製造する方法;特公昭56−139
45号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い
て溶融混練物を空気中に霧化して球状トナーを製造する
方法;及びソープフリー重合法に代表される乳化重合法
等、公知の方法を用いることが可能であるが、重合性ビ
ニル系単量体の重合反応時の水系分散媒体中のpHを制
御しながら懸濁重合法によりスルホン酸基を有する重合
体の含有状態を特定したトナーを製造することが好まし
い。
水系分散媒体を調製する場合に使用する分散剤として
は、公知の無機系及び有機系の分散剤を用いることがで
きる。具体的には、無機系の分散剤としては、例えば、
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アル
ミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等
が挙げられる。また、有機系の分散剤としては、例え
ば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロー
ス、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、
デンプン等を用いることができる。
ン型の界面活性剤の利用も可能である。例えば、ドデシ
ル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペン
タデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オ
レイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等を用いることが
できる。
は、無機系の難水溶性の分散剤が好ましく、しかも酸に
可溶性である難水溶性無機分散剤を用いるとよい。ま
た、本発明においては、難水溶性無機分散剤を用い、水
系分散媒体を調製する場合に、これらの分散剤が重合性
ビニル系単量体100質量部に対して、0.2〜2.0
質量部となるような割合で使用することが好ましい。ま
た、本発明においては、重合性単量体組成物100質量
部に対して300〜3,000質量部の水を用いて水系
分散媒体を調製することが好ましい。
無機分散剤が分散された水系分散媒体を調製する場合に
は、市販の分散剤をそのまま用いて分散させてもよい
が、細かい均一な粒度を有する分散剤粒子を得るため
に、水等の液媒体中で、高速撹拌下、上記したような難
水溶性無機分散剤を生成させて調製してもよい。例え
ば、リン酸三カルシウムを分散剤として使用する場合、
高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム
水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成す
ることで、好ましい分散剤を得ることができる。
方法によれば、従来、荷電制御剤が含有されたトナーに
みられていた高湿下での摩擦帯電量の低下、及び低湿下
での摩擦帯電速度の低下が抑制され、しかもトナー担持
体の汚染の発生を有効に抑制し得るトナーが容易に得ら
れる。
おいて使用する重合性単量体組成物について説明する。
該重合性単量体組成物は、少なくとも、重合性ビニル系
単量体、着色剤、荷電制御剤、及び、先に説明したスル
ホン酸基を有する重合体、ワックス成分、更に必要に応
じて各種の添加物を溶解、混合して調製される。
ては、前記に挙げたような重合性単量体を理論ガラス転
移温度(Tg)が40〜75℃を示すように適宜混合し
て用いられる。特に、Tgが高い場合には、フルカラー
画像を形成するためのカラートナーを製造した場合にお
いて、各色トナーの定着時の混色性が低下し、色再現性
に乏しく、更にOHP画像の透明性が低下するため好ま
しくない。
いる重合開始剤としては、具体的には、2,2’−アゾ
ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、1,1,−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−
アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジ
アゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエ
チルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカ
ーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジク
ロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド
の如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。これらの重
合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化する
が、一般的には、重合性ビニル系単量体100質量部に
対して5〜20質量部用いられる。重合開始剤の種類
は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を
参考に、単独又は混合して使用される。
するため、公知の架橋剤、連鎖移動剤及び重合禁止剤等
を更に添加し用いてもよい。これらの添加剤は、前記重
合性単量体組成物中に予め添加しておくこともできる
し、また、必要に応じて、重合反応の途中で適宜に添加
することもできる。
るが、本発明はなんらこれらに限定されるものではな
い。
重合体の具体例を表2に示す。
体例を表3に示す。
ミックス(エムテクニック社製)を具備した2リットル
用4つ口フラスコ中に、イオン交換水700質量部と
0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液800質量
部を投入し、高速撹拌装置の回転数を15000rpm
に設定し、65℃に加温せしめた。ここに1.0mol
/リットル−CaCl 2水溶液70質量部を添加し、微
小な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分
散媒体を調製した。
3時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)3質量部を添加し、重合性単量
体組成物を調製した。
体組成物を投入し、内温65℃のN 2雰囲気下で、高速
撹拌装置の回転数を15000rpmに維持しつつ、1
5分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その
後、撹拌装置をパドル撹拌羽根を具備したものに換え、
200rpmで撹拌しながら同温度に保持し、重合性ビ
ニル系単量体の重合転化率がほぼ100%になったとこ
ろで重合反応を完了した。
留去し、次いで、冷却後に希塩酸を添加して難水溶性分
散剤を溶解せしめた。更に水洗浄を数回繰り返した後、
スプレードライヤーと円錘型乾燥機を用いて、球形化と
乾燥処理を施し、重合体粒子(A)を得た。
微粉体(A)1.6質量部とハイドロタルサイト類化合
物粉末(A)0.3質量部をヘンシェルミキサー(三井
金属社製)で乾式混合して、トナー(A)とした。
9μmで、円形度頻度分布における平均円形度は0.9
85、円形度標準偏差は0.019で、円形度0.95
未満のトナー粒子数は2.5個数%であった。
面観察を行ったところ、図1(a)の模式図のようにト
ナー粒子の内部方向には結着樹脂とワックス成分が存在
し、前記(r/R)stの値は0.36であった。
ン酸基を有する重合体、及びワックス成分の種類と添加
量を変更する以外は、前記トナーの製造例1と同様にし
て重合体粒子(B)〜(H)を得た後、無機微粉体とハ
イドロタルサイト類化合物粉末の種類と添加量を変更し
ながらトナー(B)〜(H)を調製した。
を有する重合体とワックス成分の種類と添加量を変更す
る以外は、前記トナーの製造例1と同様にして比較用重
合体粒子(a)を得た後、ハイドロタルサイト類化合物
粉末は未添加とし、無機微粉体(B)1.4質量部のみ
をヘンシェルミキサー(三井金属社製)で乾式混合して
比較用トナー(a)を調製した。
を有する重合体に代えて、カリックスアレーン3質量部
を用いると共に着色剤とワックス成分の種類と添加量を
変更する以外は、前記トナーの製造例1と同様にして比
較用重合体粒子(b)を得た後、無機微粉体(B)1.
4質量部とハイドロタルサイト類化合物粉末(H)0.
5質量部をヘンシェルミキサー(三井金属社製)で乾式
混合して比較用トナー(b)を調製した。
酸基を有する重合体とワックス成分の種類と添加量を変
更する以外は、前記トナーの製造例1と同様にして比較
用重合体粒子(c)と(d)を得た後、ハイドロタルサ
イト類化合物粉末は未添加とし、無機微粉体(B)1.
2質量部と無機微粉体(C)0.3質量部をヘンシェル
ミキサー(三井金属社製)で乾式混合して比較用トナー
(c)と(d)を調製した。
例で用いた着色剤、スルホン酸基を有する重合体、及び
ワックス成分の種類と添加量、及び、乾式混合に用いた
無機微粒子とハイドロタルサイト類化合物粉末の種類と
添加量、更に得られたトナーの諸性状を表4にまとめて
示した。
プリンター「LBP−2030」(キヤノン社製)の解
像度を1200dpiに改造した後、プロセスカートリ
ッジにトナーの製造例1で得られたトナー(A)を充填
し、必要に応じて逐次補給しながら、常温常湿環境下に
おいて単色モードによって12枚/分(A4サイズ紙)
のプリントアウト速度で10,000枚分のプリントア
ウト試験を行った。
度、画像飛び散り、ドット再現性、及び画像カブリに優
れるものであった。
では階調性、また、高温高湿環境下(30℃/85%)
では一次転写性(感光体ドラム上から中間転写体上への
トナー画像の転写性)と二次転写性(中間転写体上から
転写紙上へのトナー画像の転写性)について評価したと
ころ、何れも良好な結果が得られた。
リーブ、感光体ドラム、及び中間転写体の状態を観察し
たところ問題はなく、画像形成装置とのマッチングにも
優れることがわかった。
た。
(H)を各々用いることを除いては、実施例1と同様に
評価したところ、概ね良好な結果を得た。
た。
〜(d)を各々用いることを除いては、実施例1と同様
に評価した。
る重合体とハイドロタルサイト類化合物粉体を特定の状
態で含有していないため、良好な結果が得られなかっ
た。
た。
の説明とその評価基準について述べる。
プリントアウトを終了した時の画像濃度により評価し
た。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計RD918」
(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地
部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し
た。 A:1.40以上 B:1.35以上、1.40未満 C:1.00以上、1.35未満 D:1.00未満
示す様な小径(45μm)の孤立ドットパターンの画像
をプリントアウトし、そのドット再現性を評価した。 A:100個中の欠損が2個以下 B:100個中の欠損が3〜5個 C:100個中の欠損が6〜10個 D:100個中の欠損が11個以上
ラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙
上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃度計RD
918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラー
テープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引い
た数値を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリ
が抑制されていることになる。 A:0.03未満 B:0.03以上、0.07未満 C:0.07以上、0.15未満D:0.15以上
ラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙
上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃度計RD
918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラー
テープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引い
た数値を用いて評価した。数値が小さい程、転写性が良
好であることになる。 A:0.03未満 B:0.03以上、0.07未満 C:0.07以上、0.10未満 D:0.10以上
ーをマイラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、
それを紙上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃
度計RD918」で測定する。得られた反射濃度から、
マイラーテープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を
差し引いた数値を用いて評価した。数値が小さい程、転
写性が良好であることになる。 A:0.03未満 B:0.03以上、0.07未満 C:0.07以上、0.10未満 D:0.10以上
化させながら、低画像濃度部から高画像濃度部の画像が
バランスよく配合されたグラフィック画像を出力し、ハ
イライト部の階調性と中間濃度部の再現性について評価
した。〜ハイライト部の階調性評価〜 A:非常に階調性に優れる B:階調性に優れる C:やや階調性に劣る D:階調性に劣る 〜中間濃度部の再現性評価〜 A:非常に好ましく再現されている B:好ましく再現されている C:やや再現性に劣る D:再現性に劣る
トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目
視で評価した。 A:固着は未発生。 B:汚染が発生しているが、固着はほとんど発生せず。 C:固着があるが、画像への影響が少ない。 D:固着が多く、画像ムラを生じる。
留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影
響を目視で評価した。 A:未発生。 B:わずかに傷の発生が見られるが、画像への影響はな
い。 C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない。 D:固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる。
残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への
影響を目視で評価した。 A:未発生。 B:表面に残留トナーの存在が認められるものの、画像
への影響はない。 C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない。 D:固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる。
下記のトナーを充填し、必要に応じて逐次補給しなが
ら、フルカラーモードによって12枚/分(A4サイズ
紙)のプリントアウト速度で5000枚分のグラフィッ
ク画像をプリントアウトする以外は、実施例1と同様に
プリントアウト試験を行った。 ブラック…トナー(A)、イエロー…トナー(B) マゼンタ…トナー(C)、シアン… トナー(D)
度、画像カブリ抑制に優れ、転写不良による画像濃度ム
ラや色再現ムラのない良好なフルカラー画像であった。
また、高温高湿環境下や低温低湿環境下においても画像
の劣化は軽微で、画像形成装置とのマッチングも良好で
あった。
用いる以外は、実施例9と同様に評価を行ったところ、
得られたフルカラー画像には画像カブリや転写不良に起
因する画像濃度ムラや色再現ムラが発生した。また、高
温高湿環境下や低温低湿環境下での画像の劣化が著し
く、画像形成装置とのマッチングも十分ではなかった。 ブラック…比較用トナー(a)、イエロー…比較用トナ
ー(b) マゼンタ…比較用トナー(c)、シアン… 比較用トナ
ー(d)
ーは、スルホン酸基を有する重合体を含有するトナー粒
子、無機微粒子、及びハイドロタルサイト類化合物粉末
を有しているので、環境変動に対する帯電特性に優れ、
高画質な画像を長期にわたって安定して実現し、電子写
真プロセスに高度に適応を可能とすることができる。
光体ドラムの如き静電潜像担持体上に形成されたトナー
像を中間転写材上に転写するようなフルカラー用の電子
写真プロセスに高度に適応し、色再現性に優れ、高解像
度で高精細のフルカラー画像形成を行うことができる。
面の一例を示す模式図である。
の説明図である。
Claims (11)
- 【請求項1】少なくとも結着樹脂、ワックス成分、及び
スルホン酸基を有する重合体を含有するトナー粒子と、
無機微粒子と、ハイドロタルサイト類化合物粉末を有す
ることを特徴とする乾式トナー。 - 【請求項2】 スルホン酸基を有する重合体が、スルホ
ン酸基含有(メタ)アクリルアミド系モノマーを共重合比
で2質量%以上含有し、且つガラス転移温度(Tg)が
40〜90℃のスチレン及び/又はスチレン(メタ)アク
リル酸エステル共重合体からなる高分子型化合物である
ことを特徴とする請求項1に記載の乾式トナー。 - 【請求項3】 ハイドロタルサイト類化合物粉末が、下
記一般式(1)で示される不定比化合物であることを特
徴とする請求項1又は2に記載の乾式トナー。 【化1】 [式中、M1〜Mjはそれぞれ異なる2価の金属イオ
ン、L1〜Lkはそれぞれ異なる3価の金属イオン、x
1〜xkとy1〜yjは金属イオンのモル比率、Aはn
価のアニオンを示し、X=x1+x2+…+xk、1−
X=y1+y2…+yjであって、0<X≦0.5、m
≧0を満足し、jとkはそれぞれ1以上の整数を表
す。] - 【請求項4】 ハイドロタルサイト類化合物粉末が、表
面処理剤によって疎水化処理がなされていることを特徴
とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乾式トナー。 - 【請求項5】 フロー式粒子像測定装置で計測されるト
ナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムに
おいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2
〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.
950〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未
満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
記載の乾式トナー。 - 【請求項6】 円相当径−円形度スキャッタグラムにお
いて、トナーの平均円形度が0.965〜0.995
で、円形度標準偏差が0.035未満であることを特徴
とする請求項5に記載の乾式トナー。 - 【請求項7】 円相当径−円形度スキャッタグラムにお
いて、トナーの平均円形度が0.975〜0.990
で、円形度標準偏差が0.015以上0.035未満で
あることを特徴とする請求項5に記載の乾式トナー。 - 【請求項8】 フロー式粒子像測定装置で計測されるト
ナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムに
おいて、円形度0.950未満のトナー粒子が15個数
%以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
かに記載の画像形成方法。 - 【請求項9】 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたト
ナー粒子の断層面観察において、 (1)フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重
量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9
≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈
するトナー粒子の断層面を20箇所選び出し、 (2)選び出したトナー粒子の断層面中に存在するワッ
クス成分に起因する相分離構造のうち、最も大きいもの
の長径rをそれぞれ計測し、 (3)求められたr/Rの相加平均値(r/R)stが、 0.05≦(r/R)st≦0.95 を満たすように、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的
に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを
特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の乾式トナ
ー。 - 【請求項10】 r/Rの相加平均値(r/R)stが、 0.25≦(r/R)st≦0.90 を満たすように該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に
球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特
徴とする請求項9に記載の乾式トナー。 - 【請求項11】 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた
トナー粒子の断層面観察において、トナー粒子の表面に
は、四酸化ルテニウム(RuO4)及び/又は四酸化オ
スミウム(OsO4)による電子染色法によって識別さ
れる材料による薄層が形成されており、そのトナー内部
方向には結着樹脂とワックス成分が存在し、該ワックス
成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島
状に分散されていることを特徴とする請求項1乃至10
のいずれかに記載の乾式トナー。
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