JP2019066781A - トナー、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーを用いて、長期にわたって継続的に高画質の画像を形成する。【解決手段】トナーは、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子Tを、複数含む。外添剤は、ハイドロタルサイト粒子53の粉体であるハイドロタルサイト粉体を含む。ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径は、80nm以上1000nm以下である。ハイドロタルサイト粉体の体積抵抗率は1.0×105Ω・cm以下である。ハイドロタルサイト粉体の量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、トナー、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、アモルファスシリコン感光体を備える画像形成装置が開示されている。
国際公開第2006/016643号
特許文献1に開示される技術により、感光体表面で絶縁破壊が生じることを抑制できる。しかし、長期にわたって継続的に高画質の画像を形成すること(特に、画像流れを抑制すること)については、いまだ改善の余地が残されている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、トナーを用いて、長期にわたって継続的に高画質の画像を形成することを目的とする。
本発明に係るトナーは、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む。前記外添剤は、ハイドロタルサイト粒子の粉体であるハイドロタルサイト粉体を含む。前記ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径は、80nm以上1000nm以下である。前記ハイドロタルサイト粉体の体積抵抗率は1.0×105Ω・cm以下である。前記ハイドロタルサイト粉体の量は、前記トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下である。
本発明に係る画像形成装置は、感光体ドラムと、像形成部と、現像装置と、転写部とを備える。前記感光体ドラムは、表層部にアモルファスシリコン層を備える。前記像形成部は、前記アモルファスシリコン層に静電潜像を形成するように構成される。前記現像装置は、前記静電潜像をトナーで現像して、前記感光体ドラム上にトナー像を形成するように構成される。前記転写部は、前記感光体ドラム上のトナー像を、記録媒体に転写するように構成される。前記トナーは、本発明に係るトナーである。
本発明によれば、トナーを用いて、長期にわたって継続的に高画質の画像を形成することが可能になる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。 本発明の実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成の一例を示す図である。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、又はトナー等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、その粉体に含まれる相当数の粒子について測定した値の個数平均である。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。また、酸価及び水酸基価の各々の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従って測定した値である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。また、帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。
本願明細書中では、未処理のシリカ粒子(以下、「シリカ基体」と記載する)も、シリカ基体に表面処理を施して得たシリカ粒子(すなわち、表面処理されたシリカ粒子)も、「シリカ粒子」と記載する。また、表面処理剤で疎水化されたシリカ粒子を「疎水性シリカ粒子」と、表面処理剤で正帯電化されたシリカ粒子を「正帯電性シリカ粒子」と、それぞれ記載する場合がある。未処理の酸化チタン粒子(以下、「酸化チタン基体」と記載する)も、酸化チタン基体に表面処理を施して得た酸化チタン粒子(すなわち、表面処理された酸化チタン粒子)も、表面に導電層を備える酸化チタン粒子も、「酸化チタン粒子」と記載する。未処理のハイドロタルサイト粒子(以下、「ハイドロタルサイト基体」と記載する)も、ハイドロタルサイト基体に表面処理を施して得たハイドロタルサイト粒子(すなわち、表面処理されたハイドロタルサイト粒子)も、表面に導電層を備えるハイドロタルサイト粒子も、「ハイドロタルサイト粒子」と記載する。また、ハイドロタルサイト基体を導電層で覆ったハイドロタルサイト粒子(すなわち、被覆層により導電性が付与されたハイドロタルサイト粒子)を、「導電性ハイドロタルサイト粒子」と記載する場合がある。
図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、現像装置10と、感光体ドラム20と、帯電装置21と、露光装置22と、転写ローラー23と、定着装置30とを備える。現像装置10は、現像ローラー10aと、トナー収容部Rとを備える。感光体ドラム20は、表層部にアモルファスシリコン層20aを備える。
帯電装置21は、感光体ドラム20のアモルファスシリコン層20aに一様に静電気を帯びさせるように構成される。帯電装置21としては、接触帯電方式でアモルファスシリコン層20aを帯電させる部材(例えば、直流電圧の印加により、又は直流電圧に交流電圧を重畳したAC重畳直流電圧の印加により、帯電させたローラー、ブラシ、又はブレード)が好ましい。また、露光装置22は、帯電装置21によって一様に静電気を帯びたアモルファスシリコン層20aに選択的に光を照射して静電潜像を形成するように構成される。露光装置22としては、例えばLEDヘッドを使用できる。帯電装置21及び露光装置22は、アモルファスシリコン層20aに静電潜像を形成するように構成される。すなわち、図1に示す画像形成装置100では、帯電装置21及び露光装置22が、像形成部に相当する。
現像装置10は、トナー収容部Rに現像剤を収容している。現像剤は、例えば、複数のトナー粒子Tを含む磁性トナー(1成分現像剤:キャリアを含まない現像剤)である。ただし、現像剤は、1成分現像剤に限られず、2成分現像剤であってもよい。
本実施形態に係るトナーは、次に示す構成(以下、「基本構成」と記載する)を有する。本実施形態に係る画像形成装置100では、本実施形態に係るトナーがトナー収容部Rに収容されている。
(トナーの基本構成)
トナーが、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む。外添剤は、ハイドロタルサイト粒子の粉体(以下、「ハイドロタルサイト粉体」と記載する場合がある)を含む。ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径は、80nm以上1000nm以下である。ハイドロタルサイト粉体の体積抵抗率は1.0×105Ω・cm以下である。ハイドロタルサイト粉体の量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下である。
以下、図2を参照して、上記基本構成を有するトナーに含まれるトナー粒子の構成の一例について説明する。図2は、上記基本構成を有するトナーのトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。
図2に示されるトナー粒子Tは、トナー母粒子51と、複数のシリカ粒子52と、複数のハイドロタルサイト粒子53とを備える。複数のシリカ粒子52と複数のハイドロタルサイト粒子53とは、それぞれトナー母粒子51の表面に付着している。例えば、トナー母粒子51の粉体と、シリカ粒子52の粉体と、ハイドロタルサイト粒子53の粉体とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子51の表面にシリカ粒子52及びハイドロタルサイト粒子53を付着させることができる。図2に示すトナー粒子Tでは、シリカ粒子52の個数平均1次粒子径が、例えば、ハイドロタルサイト粒子53の個数平均1次粒子径よりも小さい。
以下、図1を参照して、画像形成装置100の説明を続ける。現像装置10は、静電潜像をトナーで現像して、感光体ドラム20上にトナー像を形成するように構成される。詳しくは、現像装置10は、磁性1成分ジャンピング現像方式で静電潜像を現像する。画像形成装置100は、現像装置10のトナー収容部Rにトナーを補給するためのトナーコンテナを備えていてもよい。
現像ローラー10aは、シャフト11と、マグネットロール12と、筒状の現像スリーブ13とを備える。現像スリーブ13は、シャフト11(固定軸)の周りを回転できるように支持されている。現像ローラー10aは、トナー収容部Rから供給されたトナーを担持できるように構成される。現像装置10は、トナー収容部Rにあるトナーを現像ローラー10aに供給するためのトナー供給ローラー14をさらに備える。トナー供給ローラー14は、現像剤(磁性トナー)を攪拌する役割を担ってもよい。また、現像装置10は、現像ローラー10aの表面に担持されたトナーを帯電させるためのトナー帯電部材15(例えば、ドクターブレード)を備える。トナー帯電部材15は、現像ローラー10a上のトナーの量(トナー層の厚さ)を規制する役割を担ってもよい。トナー帯電部材15は、例えば強磁性材料から構成される。トナー帯電部材15は、トナー(詳しくは、磁性トナー)を現像スリーブ13に押し付けるように作用する。トナーは、感光体ドラム20に供給される前に、現像装置10内で、現像スリーブ13又はトナー帯電部材15との摩擦により帯電する。例えば、正帯電性トナーは正に帯電する。
現像工程では、現像スリーブ13上のトナー(詳しくは、帯電したトナー)が感光体ドラム20に供給され、供給されたトナーが、感光体ドラム20のアモルファスシリコン層20aに形成された静電潜像のうち露光された部分に選択的に付着することで、感光体ドラム20のアモルファスシリコン層20a上にトナー像が形成される。
転写ローラー23は、感光体ドラム20に対向する。転写ローラー23と感光体ドラム20との間を記録媒体Pが通過するように、転写ローラー23と感光体ドラム20との間には記録媒体Pの搬送路が設けられている。転写ローラー23には、所定のタイミングでバイアス(電圧)が印加される。転写ローラー23は、バイアス(電圧)が印加されることで、電気的な力(詳しくは、感光体ドラム20と記録媒体Pとの電位差)に基づき感光体ドラム20上のトナー像を記録媒体P(詳しくは、感光体ドラム20と転写ローラー23との間に位置する記録媒体P)に転写するように構成される。すなわち、図1に示す画像形成装置100では、転写ローラー23が、転写部に相当する。
定着装置30は、第1ローラー31(例えば、ヒーターを備える加熱ローラー)と、第2ローラー32(例えば、ヒーターを備えない非加熱ローラー)とを備える。定着装置30は、記録媒体Pの表裏面のうち、表面(感光体ドラム20側の面)に存在するトナー像(詳しくは、転写工程で記録媒体Pに転写されたトナー像)に第1ローラー31が接触し、裏面に第2ローラー32が接触するように、記録媒体Pを挟むことで、トナー像を記録媒体Pに定着させるように構成される。
また、画像形成装置100は、感光体ドラム20上の不要なトナーを除去するためのクリーニングブレード25をさらに備える。クリーニングブレード25は、転写工程よりも後のタイミングで、感光体ドラム20の表面に付着している残留トナーを除去するように構成される。
また、画像形成装置100は、感光体ドラム20の表面を研磨するように構成される研磨部材24をさらに備える。詳しくは、研磨部材24は、感光体ドラム20の表面を摺擦するように設けられた摺擦ローラーである。研磨部材24は、転写ローラー23(転写部)よりも感光体ドラム20の回転方向の下流側に位置する。研磨部材24(詳しくは、摺擦ローラー)は、例えば、金属シャフトの表面が、発泡ウレタンのような弾性部材で覆われた構造を有する。研磨部材24は、感光体ドラム20の表面に当接した状態で回転できるように設けられている。感光体ドラム20の表面に残留したトナーが、研磨部材24のローラー表面に付着する。これにより、研磨部材24のローラー表面に均一な厚さのトナー層が形成される。トナー層中にはハイドロタルサイト粒子(外添剤)が含まれる。ハイドロタルサイト粒子は、研磨剤として機能する。研磨部材24は、トナーがローラー表面に付着した状態で感光体ドラム20の表面を摺擦することにより、ローラー表面に付着したトナー中のハイドロタルサイト粒子を研磨剤として、感光体ドラム20の表面を研磨するように構成される。研磨部材24のローラー回転速度は、感光体ドラム20の回転速度よりも速いことが好ましい。こうした回転速度の違いにより、研磨部材24によって感光体ドラム20の表面が的確に研磨されるようになる。研磨部材24は、感光体ドラム20の表面を研磨することによって、画像形成過程で感光体ドラム20の表面に形成されたイオン生成物を除去する。
本実施形態に係る画像形成装置100では、現像装置10が、前述の基本構成を有するトナーで静電潜像を現像して、感光体ドラム20上にトナー像を形成するように構成される。前述の基本構成を有するトナーは、トナー収容部Rに収容されている。前述の基本構成を有するトナーは、トナー粒子の外添剤としてハイドロタルサイト粉体を含む。ハイドロタルサイトは、下記式(1)で表すことができる。
Figure 2019066781
式(1)中、M2+は2価の金属イオンを表し、M3+は3価の金属イオンを表す。M2+としては、Mg2+、Zn2+、Ca2+、Ba2+、Ni2+、Sr2+、Cu2+、及びFe2+からなる群より選択される1種以上の2価金属イオンが好ましく、Mg2+又はZn2+が特に好ましい。M3+としては、Al3+、B3+、Ga3+、Fe3+、Co3+、及びIn3+からなる群より選択される1種以上の3価金属イオンが好ましく、Al3+又はFe3+が特に好ましい。式(1)中、xは、0.00超0.50以下の数値を表し、mは0以上の数値を表す。すなわち、mは0であってもよい。ハイドロタルサイトの生産性の観点からは、「0.10≦x≦0.33」及び「0.1≦m≦5.0」の両方を満足することが特に好ましい。An-は、n価アニオンを表す。An-としては、CO3 2-、OH-、Cl-、I-、F-、Br-、SO4 2-、HCO3 -、CH3COO-、及びNO3-からなる群より選択される1種以上のアニオンが好ましく、CO3 2-、Cl-、又はNO3-が特に好ましい。
ハイドロタルサイトは、正に帯電した基本層[M2+ 1-x3+ x(OH)2x+と、負に帯電した中間層[An- (x/n)・mH2O]x-とを含む。ハイドロタルサイトは、イオン性物質を吸着する性質を有する。例えば、ハイドロタルサイトは、アニオン交換性を有する。詳しくは、An-がアニオンと置換される。このため、ハイドロタルサイトは、アニオン吸着剤として機能する。
本実施形態に係る画像形成装置100では、研磨部材24が、感光体ドラム20の表面に当接し、ハイドロタルサイト粒子を研磨剤として感光体ドラム20の表面を研磨するように構成される。上述のように、ハイドロタルサイトは、イオン性物質を吸着する性質を有する。このため、ハイドロタルサイト粒子を研磨剤として感光体ドラム20の表面を研磨することで、画像形成過程で感光体ドラム20の表面に形成されたイオン性物質(特に、感光体ドラム20のアモルファスシリコン層20aを帯電させる際に発生する放電生成物)を除去し易くなる。研磨だけでなく吸着によってもイオン性物質が除去される。酸化チタン粒子よりもハイドロタルサイト粒子の方が、感光体ドラム20の表面に存在するイオン性物質を除去する効果が大きい(後述するトナーTA−1及びTB−6参照)。感光体ドラム20の表面に存在するイオン性物質が的確に除去されることで、画像流れ(詳しくは、画像が擦れたように流れてぼやける現象)が抑制されて、アモルファスシリコン感光体ドラムの長寿命化が図られる。また、外添剤がハイドロタルサイト粉体を含むことで、外添剤が酸化チタン粒子を含まなくても、感光体ドラム20の表面に存在するイオン性物質を的確に除去することが可能になる。ただし、外添剤が、ハイドロタルサイト粒子及び酸化チタン粒子の両方を含んでいてもよい。
研磨部材24がハイドロタルサイト粒子を研磨剤として感光体ドラム20の表面を研磨するためには、トナーに含まれるハイドロタルサイト粉体の量がトナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下であり、ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径が80nm以上1000nm以下であることが好ましい。ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径が小さ過ぎると、転写工程において、トナー粒子に多くのハイドロタルサイト粒子が付着したまま、感光体ドラム20から記録媒体Pへトナーが転写される。このため、研磨部材24に十分な量のハイドロタルサイト粒子が供給されにくくなる。ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径が大き過ぎると、トナーが現像ローラー10aから感光体ドラム20へ移動する前に、多くのハイドロタルサイト粒子がトナー粒子から脱離する。このため、研磨部材24に十分な量のハイドロタルサイト粒子が供給されにくくなる。ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径が80nm以上1000nm以下であれば、感光体ドラム20の表面で適量のハイドロタルサイト粒子をトナー粒子から脱離させて、研磨部材24に十分な量のハイドロタルサイト粒子を供給することが可能になる。画像流れを抑制するためには、トナーに含まれるハイドロタルサイト粉体の量がトナー母粒子100質量部に対して2.0質量部以上3.0質量部以下であることが特に好ましい。なお、トナーに含まれるハイドロタルサイト粉体の量が多過ぎると、かぶりが発生し易くなる(後述するトナーTB−2参照)。
トナーが正帯電性トナーである場合、転写工程では、転写ローラー23が、トナーに対して相対的に負に帯電することにより、静電的な力でトナーを引き寄せる。ハイドロタルサイト粒子も正に帯電し易い場合には、転写工程において、トナー粒子に多くのハイドロタルサイト粒子が付着したまま、感光体ドラム20から記録媒体Pへトナーが転写されることになる。このため、研磨部材24に十分な量のハイドロタルサイト粒子が供給されにくくなる。転写工程の後において感光体ドラム20の表面に十分な量のハイドロタルサイト粒子を残すためには、負帯電性を強めるための表面処理(以下、「負帯電化処理」と記載する場合がある)が施されたハイドロタルサイト粒子を使用することが好ましい。負帯電化処理のための表面処理剤としては、シラザン化合物が特に好ましい。
一般的なハイドロタルサイト粉体(詳しくは、電気抵抗の高いハイドロタルサイト粉体)をそのままトナー粒子の外添剤として使用するだけでは、長期にわたって継続的に高画質の画像を形成することは難しかった。詳しくは、ハイドロタルサイト粉体の体積抵抗率が高過ぎると、過剰に帯電したハイドロタルサイト粒子が感光体ドラム20の表面に存在し易くなる。こうしたハイドロタルサイト粒子に電圧が加わると、絶縁破壊が起きて感光体ドラム20にダメージを与える可能性がある。感光体ドラム20の損傷は、黒点画像の原因になる。本願発明者は、ハイドロタルサイト粉体の体積抵抗率を1.0×105Ω・cm以下にすることで、こうした課題を解決した。ハイドロタルサイト粒子が十分低い電気抵抗を有することで、ハイドロタルサイト粒子は過剰に帯電しにくくなる。ハイドロタルサイト粉体の体積抵抗率を十分低くするためには、ハイドロタルサイト粉体に含まれるハイドロタルサイト粒子が、ハイドロタルサイト基体と、ハイドロタルサイト基体の表面に存在する導電層とを備えることが好ましい。導電層は、ハイドロタルサイト基体の表面全体を覆っていてもよいし、ハイドロタルサイト基体の表面を部分的に覆っていてもよい。導電層としては、酸化インジウムスズ層が特に好ましい。ハイドロタルサイト粉体の生産性の観点からは、ハイドロタルサイト粉体の体積抵抗率が1.0×101Ω・cm以上1.0×105Ω・cm以下であることが好ましい。
前述の基本構成を有するトナーにおいて、外添剤は、個数平均1次粒子径5nm以上30nm以下のシリカ粉体(詳しくは、シリカ粒子の粉体)をさらに含むことが特に好ましい。粒子径の小さいシリカ粉体は、トナーに流動性を付与し易い。しかし、粒子径の小さいシリカ粒子は、外力によりトナー母粒子中へ埋没し易い。前述の基本構成を有するトナーでは、トナー母粒子の表面に、粒子径の大きいハイドロタルサイト粉体(詳しくは、個数平均1次粒子径80nm以上1000nm以下のハイドロタルサイト粉体)が存在することで、ストレスがシリカ粒子に加わりにくくなり、トナー母粒子中へのシリカ粒子の埋没が抑制される。
図1には、研磨部材24を備える画像形成装置100を例示したが、図1に示す画像形成装置100から研磨部材24を除いた画像形成装置にも本発明は適用できる。こうした画像形成装置では、クリーニングブレード25にハイドロタルサイト粒子が供給されることによって、感光体ドラム20とクリーニングブレード25との間に挟まれたハイドロタルサイト粒子が、感光体ドラム20の表面に存在するイオン性物質を除去するように作用する。
図1には、磁性トナーを用いて画像を形成する画像形成装置100を例示したが、本発明は、非磁性トナーを用いて画像を形成する画像形成装置にも適用できる。非磁性トナーを磁性キャリア(例えば、フェライトキャリア)と混合することで、2成分現像剤を調製できる。
トナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子(以下、非カプセルトナー粒子と記載する)であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載する)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、コアと、コアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、実質的に樹脂から構成される。例えば、低温で溶融するコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散していてもよい。シェル層は、コアの表面全体を覆っていてもよいし、コアの表面を部分的に覆っていてもよい。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂から構成されてもよいし、実質的に熱可塑性樹脂から構成されてもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有していてもよい。シェル層の形成方法は任意である。例えば、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法のいずれの方法を用いて、シェル層を形成してもよい。
以下、非カプセルトナー粒子の構成の好適な例について説明する。トナー母粒子及び外添剤について、順に説明する。トナーの用途に応じて必要のない成分を割愛してもよい。カプセルトナー粒子では、以下に示される非カプセルトナー粒子におけるトナー母粒子をコアとして使用してもよい。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。トナー母粒子は、必要に応じて、内添剤(例えば、離型剤、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。画像形成に適したトナーを得るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)が4μm以上9μm以下であることが好ましい。
(結着樹脂)
一般に、結着樹脂は、トナーの主成分となる。磁性粉を含む磁性トナーの好適な一例では、トナー母粒子の約60質量%を結着樹脂が占める。磁性粉を含まない非磁性トナーの好適な一例では、トナー母粒子の約85質量%を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましく、酸価5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下のポリエステル樹脂が特に好ましい。
ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコールと1種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、脂肪族ジオール又はビスフェノール等)又は3価以上のアルコールを好適に使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を好適に使用できる。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸(より具体的には、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸等)、α,ω−アルカンジカルボン酸(より具体的には、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸等)、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、又はイソドデシルコハク酸等)、アルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸等)、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、又はシクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
ポリエステル樹脂の好適な例としては、1種以上のα,ω−アルカンジオール(例えば、エチレングリコール)と1種以上の芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸)と1種以上の3価以上のカルボン酸(例えば、トリメリット酸)とを含む単量体(樹脂原料)の重合物が挙げられる。
また、トナー母粒子は、結着樹脂として、ポリエステル樹脂以外の樹脂を含有してもよい。ポリエステル樹脂以外の結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂のような熱可塑性樹脂が好ましい。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として好適に使用できる。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。画像形成に適したトナーを得るためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有してもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。黒色着色剤として、後述する磁性粉を用いてもよい。すなわち、トナー母粒子は、磁性粉以外の着色剤を含まなくてもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含んでいてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有してもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有してもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤(より具体的には、有機金属錯体又はキレート化合物等)を含有させることで、トナー母粒子のアニオン性を強めることができる。また、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有してもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
[外添剤]
トナー母粒子の表面には、外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)が付着している。前述の基本構成を有するトナーでは、トナー粒子が、外添剤としてハイドロタルサイト粉体を備える。外添剤は、内添剤とは異なり、トナー母粒子の内部には存在せず、トナー母粒子の表面のみに選択的に存在する。例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させることができる。トナー母粒子と外添剤粒子との結合の強さは、攪拌条件(より具体的には、攪拌時間、及び攪拌の回転速度等)、外添剤粒子の粒子径、外添剤粒子の形状、及び外添剤粒子の表面状態などによって調整できる。
ハイドロタルサイト粉体としては、例えば、協和化学工業株式会社製の「キョーワード(登録商標)500PL」の粉砕物を使用できる。粉砕条件(より具体的には、粉砕時間及びパス回数等)を変えることで、ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径を調整できる。協和化学工業株式会社製の「キョーワード 500PL」では、前述の式(1)において、M2+がMg2+を表し、M3+がAl3+を表し、An-がCO3 2-を表し、xが0.25を表し、mが0.5を表す。また、An-がCO3 2-を表すため、nは2を表し、「x/n」は0.125(=0.25/2)を表す。
外添剤粒子としては、ハイドロタルサイト基体と、ハイドロタルサイト基体の表面に存在する導電層とを備えるハイドロタルサイト粒子が好ましい。導電層としては、SbドープSnO2層又は酸化インジウムスズ層のようなドーピング金属酸化物が好ましく、酸化インジウムスズ層が特に好ましい。ハイドロタルサイト基体にITO(Indium Tin Oxide)処理を施すことにより、ハイドロタルサイト基体の表面に酸化インジウムスズ層を形成できる。なお、導電層は、ドーピング金属酸化物以外の導電性材料(より具体的には、金属、炭素材料、又は導電性高分子等)を含む層であってもよい。
ハイドロタルサイト粒子は、表面処理(例えば、負帯電化処理)されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、又はアルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(例えば、鎖状シラザン化合物又は環状シラザン化合物)、又はシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)を使用できる。導電性ハイドロタルサイト粒子(詳しくは、導電層を備えるハイドロタルサイト粒子)では、導電層の表面が負帯電化処理されていてもよいし、ハイドロタルサイト基体の表面領域のうち導電層で覆われていない領域が負帯電化処理されていてもよい。負帯電化処理のための表面処理剤としては、シラザン化合物(より具体的には、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)等)が特に好ましい。
トナー母粒子の表面に、ハイドロタルサイト粒子ではない外添剤粒子(以下、「他の外添剤粒子」と記載する場合がある)を付着させてもよい。他の外添剤粒子の好適な例としては、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が挙げられる。また、外添剤粒子として、脂肪酸金属塩(より具体的には、ステアリン酸亜鉛等)のような有機酸化合物の粒子、又は樹脂粒子を使用してもよい。また、外添剤粒子として、複数種の材料の複合体である複合粒子を使用してもよい。
[トナーの製造方法]
前述の基本構成を有するトナーを容易かつ好適に製造するためには、例えば、次に示す溶融混練工程と粉砕工程と分級工程と外添工程とを含むことが好ましい。
(溶融混練工程)
以下、溶融混練工程の一例について説明する。溶融混練工程では、結着樹脂及び内添剤を含むトナー材料(例えば、ポリエステル樹脂、着色剤、及び離型剤)を混合して、混合物を得る。トナー材料の混合には、混合装置(例えば、FMミキサー)を好適に使用できる。また、トナー材料として、結着樹脂及び着色剤を含むマスターバッチを用いてもよい。
続けて、得られた混合物を溶融混練し、溶融混練物を得る。混合物の溶融混練には、二軸押出機、三本ロール混練機、又は二本ロール混練機を好適に使用できる。
(粉砕工程及び分級工程)
以下、粉砕工程及び分級工程の一例について説明する。まず、ドラムフレーカーのような冷却固化装置を用いて上記溶融混練物を冷却することにより固化する。続けて、第1の粉砕装置を用いて、得られた固化物を粗粉砕する。その後、得られた粗粉砕物を、第2の粉砕装置を用いてさらに粉砕する。続けて、得られた粉砕物を、分級機(例えば、風力分級機)を用いて分級する。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
(外添工程)
外添工程では、トナー母粒子の表面に、少なくともハイドロタルサイト粉体を含む外添剤(例えば、ハイドロタルサイト粉体及びシリカ粉体)を付着させる。混合機を用いて、トナー母粒子に外添剤が埋め込まれないような条件でトナー母粒子と外添剤とを混合することで、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることができる。
上記工程により、トナー粒子を多数含むトナーを製造することができる。なお、必要のない工程は割愛してもよい。例えば、市販品をそのまま材料として用いることができる場合には、市販品を用いることで、その材料を調製する工程を割愛できる。また、所定の化合物を得るために、原料として、その化合物の塩、エステル、水和物、又は無水物を使用してもよい。効率的にトナーを製造するためには、多数のトナー粒子を同時に形成することが好ましい。同時に製造されたトナー粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーTA−1〜TA−21及びTB−1〜TB−6(それぞれ静電潜像現像用トナー)を示す。
Figure 2019066781
表1中、「HT−1」〜「HT−10」はそれぞれ、表2に示すハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10を意味する。ハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10はそれぞれ、後述する方法で作製される。なお、トナーTB−6では、ハイドロタルサイト粒子を使用せず、ハイドロタルサイト粒子の代わりに酸化チタン粒子を使用した。表1に示すハイドロタルサイト粉体の量は、トナー母粒子100質量部に対する相対的な量(単位:質量部)を示している。
Figure 2019066781
表2中、「In化合物」、「Sn化合物」、及び「HMDS」の各々の意味は、次のとおりである。
In化合物:オクチル酸インジウム
Sn化合物:p−トルイル酸スズ
HMDS:ヘキサメチルジシラザン
また、「In化合物」、「Sn化合物」、及び「HMDS」の各々に示す量は、ハイドロタルサイト基体10質量部に対する相対的な量(単位:質量部)を示している。表2に示される「粒子径」は、個数平均1次粒子径(単位:nm)である。
以下、トナーTA−1〜TA−21及びTB−1〜TB−6の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[材料の準備]
(ポリエステル樹脂の合成)
温度計、ガラス製の窒素導入管、攪拌装置(ステンレススチール製の攪拌羽根)、及び流下式コンデンサー(熱交換器)を備えた容量2Lの4つ口フラスコ内に、エチレングリコール55モル部と、テレフタル酸40モル部と、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物5モル部とを入れた。続けて、そのフラスコをマントルヒーター上にセットした。そして、窒素導入管を通じてフラスコ内に窒素ガスを導入し、フラスコ内を窒素雰囲気(不活性雰囲気)にした。続けて、窒素雰囲気で、フラスコ内容物を攪拌しながら温度200℃まで昇温させて、窒素雰囲気かつ温度200℃の条件で、フラスコ内容物を攪拌しながら反応(縮重合反応)させた。
重合反応中に単量体(詳しくは、添加した上記エチレングリコール、テレフタル酸、及び1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物)が減少したため、その減少量に相当する量の単量体を補給した。単量体の減少は、飛散又は昇華等に起因すると考えられる。重合反応中にフラスコ内の樹脂を少量採取して酸価を測定し、フラスコ内の樹脂の酸価が8mgKOH/gになった時点で重合反応を停止した。その後、フラスコ内容物を、ステンレススチール製の容器(バット)に取り出して、室温環境で温度25℃まで冷却して、ポリエステル樹脂を得た。
(ハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10の作製方法)
ハイドロタルサイト微粉末(協和化学工業株式会社製「キョーワード 500PL」)を、ハイドロタルサイトの個数平均1次粒子径が表2に示す値になるまで、流動層式対向型ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製「100AFG」)を用いて粉砕し、ハイドロタルサイト基体の粉体を得た。続けて、得られたハイドロタルサイト基体の粉体10質量部を、ITO処理剤を含む液に分散させて、ハイドロタルサイト分散液を得た。ITO処理剤を含む液としては、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウムとp−トルイル酸スズとを、それぞれ表2に示す量だけ溶解させた液を使用した。例えば、ハイドロタルサイト粉体HT−1の作製では、ITO処理剤を含む液として、混合溶媒90質量部に、オクチル酸インジウム2.0質量部とp−トルイル酸スズ0.20質量部とを溶解させた液を使用した。また、ハイドロタルサイト粉体HT−5の作製では、ITO処理剤を含む液として、混合溶媒90質量部とオクチル酸インジウム2.0質量部とp−トルイル酸スズ0.20質量部とに加えて、さらに表面処理剤(ヘキサメチルジシラザン)を含む液を使用した。
続けて、得られたハイドロタルサイト分散液を攪拌しながら、温度180℃で60分間の熱処理を行い、乾燥したハイドロタルサイト粒子の粉体を得た。得られたハイドロタルサイト粒子は、乾燥により凝集していた。このため、ハイドロタルサイト粉体を、解砕した後、分級した。その結果、多数のハイドロタルサイト粒子(詳しくは、ITO処理されたハイドロタルサイト粒子)を含むハイドロタルサイト粉体(ハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10)が得られた。得られたハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10の各々に含まれるハイドロタルサイト粒子は、ハイドロタルサイト基体と、ハイドロタルサイト基体の表面に存在する導電層(詳しくは、酸化インジウムスズ層)とを備えていた。得られたハイドロタルサイト粉体HT−5に含まれるハイドロタルサイト粒子は、シラザン化合物(ヘキサメチルジシラザン)で表面処理されることにより、表面処理されていないハイドロタルサイト粒子よりも強い負帯電性を有していた。
上記のようにして得られたハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10に関して、個数平均1次粒子径及び体積抵抗率を測定した結果は、表2に示すとおりであった。ハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10の各々の個数平均1次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した粒子投影像を画像解析することにより求めた。詳しくは、ハイドロタルサイト粉体の投影像に含まれる相当数の1次粒子の各々について測定された円相当径の個数平均値を、ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径とした。画像解析には、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を使用した。体積抵抗率の測定方法は、以下のとおりであった。
<体積抵抗率の測定方法>
電気抵抗計(株式会社三菱ケミカルアナリテック製「MCP−PD51」)を用いて、ハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10の各々の体積抵抗率を測定した。円筒形の金属製セルに、厚みM(単位:cm)の試料(測定対象:ハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10のいずれか)を充填した。続けて、セル内の試料の上下に、それぞれ試料に接するように電極面積S(単位:cm2)の上部電極及び下部電極を設置した。電極面積Sは、電極と試料との接触面積に相当する。続けて、上部電極に荷重5kNを加えた。さらに、この状態で電極間に電圧V0を印加し、その時に流れる電流I(単位:A)から、式「体積抵抗率=(V0/I)×(S/M)」に基づいて体積抵抗率(単位:Ω・cm)を求めた。電圧V0は100Vであった。
[トナーの製造方法]
(トナー母粒子の作製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20」)を用いて、結着樹脂(前述の手順で合成したポリエステル樹脂)100質量部と、磁性粉(マグネタイト:三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)85質量部と、第1電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−207P」、成分:4級アンモニウム塩由来の繰返し単位を含むスチレン−アクリル酸系樹脂)3質量部と、第2電荷制御剤(ニグロシン染料:オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」)1質量部と、離型剤(エステルワックス:日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」)5質量部とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度100g/分、軸回転速度150rpm、溶融混練温度(シリンダー温度)120℃の条件で溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて、設定粒子径2mmの条件で粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルT250」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、風力分級機(コアンダ効果を利用した分級機:日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)8μmのトナー母粒子が得られた。
(外添工程)
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、トナー母粒子の粉体100質量部と、正帯電性シリカ粒子の粉体(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA200」、内容:表面処理により疎水性及び正帯電性が付与された乾式シリカ粒子、表面処理剤:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)及びアミノシラン、個数平均1次粒子径:約12nm)0.8質量部と、表1に示される種類及び量のハイドロタルサイト粉体(ハイドロタルサイト粉体HT−1〜HT−10のいずれか)とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20」)を用いて回転速度2000rpmの条件で5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させた。ただし、トナーTB−6の製造では、ハイドロタルサイト粉体の代わりに、導電性酸化チタン粒子の粉体(チタン工業株式会社製「EC−100」、基体:TiO2粒子、被覆層:SbドープSnO2、個数平均1次粒子径:300nm、体積抵抗率:10Ω・cm)を使用した。導電性酸化チタン粒子の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して1.0質量部とした。
例えば、トナーTA−1の製造では、100質量部のトナー母粒子の粉体と、1.0質量部のハイドロタルサイト粉体HT−1と、0.8質量部の正帯電性シリカ粒子の粉体(AEROSIL RA200)とを混合した。また、トナーTB−6の製造では、100質量部のトナー母粒子の粉体と、1.0質量部の導電性酸化チタン粒子の粉体(EC−100)と、0.8質量部の正帯電性シリカ粒子の粉体(AEROSIL RA200)とを混合した。
上記のような外添処理の後、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー(表1に示されるトナーTA−1〜TA−21及びTB−1〜TB−6)が得られた。
[評価方法]
各試料(トナーTA−1〜TA−21及びTB−1〜TB−6)の評価方法は、以下のとおりである。
(第1画像形成装置の準備)
第1画像形成装置としては、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−4020DN」、感光体ドラム:アモルファスシリコンドラム)を使用した。トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−21及びTB−1〜TB−6のいずれか)を、第1画像形成装置の現像装置及びトナーコンテナに投入した。
(第2画像形成装置の準備)
第2画像形成装置としては、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−4020DN」、感光体ドラム:アモルファスシリコンドラム)に摺擦ローラーを搭載した画像形成装置を使用した。摺擦ローラーは、金属シャフトと、金属シャフトを覆う発泡ウレタン層とを備えていた。第2画像形成装置は、摺擦ローラーの金属シャフトを回転させるためのモーターをさらに備えていた。トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−21及びTB−1〜TB−6のいずれか)を、第2画像形成装置の現像装置及びトナーコンテナに投入した。
(画像流れ)
常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)下、所定の画像形成装置(詳しくは、前述の手順で準備した第1画像形成装置又は第2画像形成装置)を用いて、文字を含む画像パターン(JIS X 6931)で5000枚の紙(A4サイズの普通紙)に連続印刷を行う耐刷試験を行った。そして、最後に印刷された画像パターン(JIS X 6931)中の文字の画質(詳しくは、画像流れによる文字の識別性の低下度合)を目視で評価した。
上記耐刷試験後、その画像形成装置を高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)に移し、その画像形成装置を高温高湿環境下に24時間静置した。続けて、その画像形成装置を用いて、上記画像パターン(JIS X 6931)を紙(A4サイズの普通紙)に印刷した。そして、印刷された画像パターン(JIS X 6931)中の文字の画質(詳しくは、画像流れによる文字の識別性の低下度合)を目視で評価した。
第1画像形成装置及び第2画像形成装置の各々について、上記「第1画像流れ評価」及び「第2画像流れ評価」を行い、下記基準に従って画像流れを評価した。
◎(非常に良い):高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下で印刷された画像パターンの文字認識の程度は、常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)下で印刷された画像パターンの文字認識の程度と同等であった。
○(良い):高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下で印刷された画像パターンの文字認識の程度は、常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)下で印刷された画像パターンの文字認識の程度よりも劣った。しかし、高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下で印刷された画像パターンについても、文字認識は可能であった。
×(良くない):高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下で印刷された画像パターンには、文字認識の不可能な箇所が存在した。
(絶縁破壊)
高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下、第1画像形成装置を用いて、印字率20%で5000枚の紙(A4サイズの普通紙)に連続印刷を行う耐刷試験を行った。続けて、その第1画像形成装置を高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下に24時間静置した。続けて、その第1画像形成装置を用いて、白紙画像を1000枚連続で出力する耐刷試験を行った。続けて、印刷された1000枚の紙の各々について、感光体ドラムの周期で黒点の有無を確認した。そして、下記基準に従って絶縁破壊を評価した。
良い(○):1000枚の紙のいずれにも黒点がなかった。
良くない(×):1000枚の紙のいずれかで黒点があった。
(かぶり)
常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)下、第1画像形成装置を用いて白紙画像を出力し、かぶり濃度(FD)を測定した。かぶり濃度(FD)の測定には、白色光度計(有限会社東京電色製「TC−6DS」)を用いた。かぶり濃度(FD)が0.010以下であれば○(良い)と評価し、かぶり濃度(FD)が0.010を超えていれば×(良くない)と評価した。なお、かぶり濃度(FD)は、印刷後の評価用紙の空白部の反射濃度からベースペーパー(未印刷紙)の反射濃度を引いた値に相当する。
[評価結果]
トナーTA−1〜TA−21及びTB−1〜TB−6について、画像流れと、絶縁破壊と、かぶりとの各々の評価結果を、表3に示す。画像流れに関しては、第1画像形成装置を用いて評価した結果を「摺擦なし」に示し、第2画像形成装置を用いて評価した結果を「摺擦あり」に示している。
Figure 2019066781
トナーTA−1〜TA−21(実施例1〜21に係るトナー)はそれぞれ、前述の基本構成を有していた。トナーTA−1〜TA−21はそれぞれ、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含んでいた。外添剤は、ハイドロタルサイト粉体を含んでいた。ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径は、80nm以上1000nm以下であった(表1及び表2参照)。ハイドロタルサイト粉体の体積抵抗率は1.0×105Ω・cm以下であった(表1及び表2参照)。ハイドロタルサイト粉体の量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下であった(表1参照)。
表3に示されるように、トナーTA−1〜TA−21はそれぞれ、長期にわたって継続的に高画質の画像を形成することができた。
本発明に係るトナー及び画像形成装置はそれぞれ、例えば、複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 現像装置
10a 現像ローラー
11 シャフト
12 マグネットロール
13 現像スリーブ
14 トナー供給ローラー
15 トナー帯電部材
20 感光体ドラム
20a アモルファスシリコン層
21 帯電装置
22 露光装置
23 転写ローラー
24 研磨部材
25 クリーニングブレード
30 定着装置
31 第1ローラー
32 第2ローラー
51 トナー母粒子
52 シリカ粒子
53 ハイドロタルサイト粒子
100 画像形成装置
R トナー収容部
T トナー粒子

Claims (9)

  1. トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含むトナーであって、
    前記外添剤は、ハイドロタルサイト粒子の粉体であるハイドロタルサイト粉体を含み、
    前記ハイドロタルサイト粉体の個数平均1次粒子径は、80nm以上1000nm以下であり、
    前記ハイドロタルサイト粉体の体積抵抗率は1.0×105Ω・cm以下であり、
    前記ハイドロタルサイト粉体の量は、前記トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下である、トナー。
  2. 前記ハイドロタルサイト粒子は、ハイドロタルサイト基体と、前記ハイドロタルサイト基体の表面に存在する導電層とを備える、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記導電層は、酸化インジウムスズ層である、請求項2に記載のトナー。
  4. 前記トナーは、正帯電性トナーであり、
    前記ハイドロタルサイト粒子は、負帯電性を強めるための表面処理が施されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記ハイドロタルサイト粒子は、シラザン化合物で表面処理されている、請求項4に記載のトナー。
  6. 前記外添剤は、酸化チタン粒子を含まない、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 表層部にアモルファスシリコン層を備える感光体ドラムと、
    前記アモルファスシリコン層に静電潜像を形成するように構成される像形成部と、
    前記静電潜像をトナーで現像して、前記感光体ドラム上にトナー像を形成するように構成される現像装置と、
    前記感光体ドラム上のトナー像を、記録媒体に転写するように構成される転写部と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記トナーは、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナーである、画像形成装置。
  8. 前記感光体ドラムの表面に当接し、前記ハイドロタルサイト粒子を研磨剤として前記感光体ドラムの表面を研磨するように構成される研磨部材をさらに備える、請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記研磨部材は、前記トナーがローラー表面に付着した状態で前記感光体ドラムの表面を摺擦することにより、前記ローラー表面に付着したトナー中の前記ハイドロタルサイト粒子を研磨剤として、前記感光体ドラムの表面を研磨するように構成される摺擦ローラーである、請求項8に記載の画像形成装置。
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