JP4522312B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷の如き画像形成方法における静電荷現像、または、トナージェット方式における画像形成に使用可能なトナーに関し、高温オフセットを防止するためのオイルを使用しないか、又は、オイルの使用量を少なくした定着手段を用いても高精細、高品位、高画質を発現するトナーに関する。
近年、電子写真装置は、カラー化,高精細,高画質化を達成しつつ小型,軽量,低消費電力といったスペックが、よりシンプルな要素で構成されるように要求されている。
このように、電子写真の高精細,高画質化の要求が市場では高まっており、当該技術分野では高画質フルカラー化を達成しようと試みられている。フルカラー電子写真の場合は、3色又は4色のカラートナーを重ね合わせ画像を形成しているが、各々の色のカラートナーが同じように現像、転写されなければ色再現に劣ったり、色むらが生じてしまう。ところがこれらの着色は顔料や染料によって行なわれており、これらが現像、転写に与える影響は大きい。さらに、フルカラー画像においては定着時の定着性,混色性,耐オフセット性が重要であり、これらの性能にふさわしい結着樹脂が選択されるが、この結着樹脂の現像性、転写性に与える影響も大きい。この影響の一つとして、帯電量の温湿度の影響があげられ、広範な環境においても安定した帯電量を有するカラートナーの開発が急務とされている。
このような諸問題を解決する手段の一つにトナーに種々の外添剤を添加する方法がある。特に、解像性,濃度均一性,カブリなどの種々の画像特性を改良するのを目的として、トナーの帯電性、転写性の向上の為に種々の微粉体を外添することが広く行なわれている。
このような微粉体として、ゾルゲル法シリカを用いることが知られている。(特許文献1〜6)しかしながら、これらの提案では、確かに電子写真特性は向上しているものの、ゾルゲル法シリカに特有の吸湿性により、高湿下や長期間の放置によって十分な摩擦帯電量を得られず画像濃度の低下やカブリが発生したり、定着時に必要な熱量を奪われるため、定着不良を生じることがあるため、改善すべき点があった。
さらに、特許文献7〜11等には、トナーの外添剤として、大粒径無機粒子を併用する方法が提案されている。大粒径無機粒子の添加はいわゆるスペーサー効果を生み、無機微粉体が付着したトナー表面が、キャリア、現像剤塗布ブレード、現像剤供給ローラー、現像器内壁、撹拌羽根、他のトナー等と直接接するのを防ぎ、ストレスを低減する。これにより、無機微粉体の埋没をおさえ、トナーの長寿命化が達成される。しかしながら、帯電性の改良、転写性の向上、キャリア汚染の抑制防止などについて、改善すべき点があった。
特開平2001−066820号公報 特開平2002−006710号公報 特開平2002−108001号公報 特開平2002−318467号公報 特開平2004−053717号公報 特開平2004−177799号公報 特開平4−204751号公報 特開平5−346682号公報 特開平6−313980号公報 特開平6−332235号公報 特開平7−92724号公報
本発明の目的は、上述のような問題点を解決したトナーを提供することにある。
本発明の目的は、トナーのポテンシャルを最大限に引き出して、現像性、転写性、定着性に優れ、環境の影響を受けにくく、耐久性、安定性の良好なトナーを提供することにある。
本発明の目的は、カブリのない鮮明な画像を形成し得、画像濃度が高く、細線再現性、ハイライト部の階調性に優れ、且つ耐久安定性に優れたトナーを提供することにある。
本発明の目的は、流動性に優れ、且つ解像性と転写性に優れたトナーを提供することにある。
本発明の目的は、長期間の使用により発生する感光体表面への付着物を研磨、除去又は該付着物の発生を抑制し、画像欠陥のない安定した画像を長期にわたり得ることができるトナーを提供することにある。
本発明の更なる目的は、温度、湿度等の環境に左右されにくく、安定した摩擦帯電特性を有するトナーを提供することにある。
本発明の目的は、フルカラー画像又はマルチカラー画像を形成するための好適なカラートナーを提供することにある。
本発明の目的は、OHPでの透明性が良好で且つ低温定着性、耐高温オフセット性に優れたカラートナーを提供することにある。
本発明の目的は、保存性、耐熱性、耐ブロッキング性に優れたカラートナーを提供することにある。
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含むトナー粒子と無機微粒子を有するトナーにおいて
無機微粒子は、ゾルゲル法によって形成されたシリカにメチルシランによる1次表面処理を行い、該1次表面処理を行った後のシリカを乾燥し、解砕した後に、ヘキサメチルジシラザンによる2次表面処理を行ったものであり
無機微粒子の高温高湿環境放置;30℃/80%環境下で72時間放置後の含水分率MHHと常温低湿環境放置;23℃/5%環境下で72時間放置後の含水分率MNLの比MHH/MNLが1.0〜2.0であり、常温低湿環境放置後の含水分率MNLが0.1%以上3.0%未満であり
該無機微粒子の個数平均粒径が80〜200nmであることを特徴とするトナーに関する。
本発明者らは、あらゆる環境下において優れた現像性、転写性、定着性、耐久性を達成し、さらには、高温環境下における長期保存性を達成するトナーを得るために、鋭意検討を行った。特に、離型剤を有するトナーは、少なからず離型剤成分が、現像剤構成材料や画像形成システムへ付着、汚染し、悪影響を及ぼすため、そのトナー特性を機能的に活かすことが困難であった。その結果、結着樹脂、着色剤及び上記含水分率を有するゾルゲル法によって形成された無機微粒子を少なくとも有するトナーが極めて有効であることを見出した。
含水分率を低減したゾルゲル法によって形成された微粒子を用いることにより、あらゆる環境下においても優れた現像性、転写性を達成するとともに、優れた低温定着性、混色性、耐高温オフセット性、耐久性を達成するトナーを得ることができた。
本発明のトナーは、ゾルゲル法によって形成された無機微粒子を有することが特徴の一つである。ゾルゲル法によって形成された微粒子は単分散且つ真球状であり、トナーに均一な流動性、転写性、帯電性を付与することができるため望ましい。
また、該無機微粒子は、個数平均粒径が80〜200nmであることが好ましい。有効なスペーサー効果を発現し、トナー表面で機能を果たすために、また、安定的な帯電推移を得るためには、上記粒径範囲であることが望ましい。
なお、個数平均粒径が200nmより大きい場合には、トナーの流動性を阻害するとともに、またトナー表面から脱離し易い傾向を示す。脱離した無機微粒子は、現像剤構成材料や画像形成システム部材へ付着、汚染し、帯電特性の低下やそれに伴うトナー飛散の発生などの悪影響を及ぼすため、好ましくない。一方、個数平均粒径が80nmよりも小さい場合には、特に粉砕法で製造される表面に凹凸のあるトナーでは、十分なスペーサー効果が得られないため、転写性やトナー表面劣化抑制にしないため、好ましくない。また、帯電性として、極端にネガ性を示す傾向にあるため、均一帯電付与性や帯電量制御の点で好ましくない。
さらに、該無機微粒子の高温高湿環境放置;30℃/80%環境下で72時間放置後の含水分率MHHと常温低湿環境放置;23℃/5%環境下で72時間放置後の含水分率MNLの比MHH/MNLは、1.0〜2.0であることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.8である。環境によるトナー特性の変動を高いレベルで低減し、トナーのポテンシャルを最大限に引き出し、安定的に発現させるためには、上記範囲であることが望ましい。
なお、MHH/MNLが1.0よりも小さくなるということは、通常は起こり得ないものと考えられる。また、MHH/MNLが2.0よりも大きくなるということは、環境によって帯電特性が極端に変化することを意味し、その変動幅も極めて大きいものと考えられる。通常使用において、日常の環境変動を考慮した場合や季節変動に伴う環境変動を考慮した時、より安定的なトナー特性を得るためには、好ましくない。
さらには、常温低湿環境放置後の含水分率MNLが0.1%以上3.0%未満であることが好ましい。トナーの個体差が無く、より均一性の高い帯電性を安定的に得るためには、MNLが上記範囲であることが望ましい。
なお、MNLが3.0%以上の場合には、低湿環境下でのトナー帯電性が不均一となり、極小的にトナーの帯電量が低くなるため、カブリや画像濃度ムラ、トナーの過剰消費などが発生するため、好ましくない。
該無機微粒子は、高温高湿環境放置後の含水分率MHHが0.1%以上3.0%未満であることが好ましい。
なお、MHHが3.0%以上の場合には、高湿環境下でのトナー帯電性が不十分となる、また、高湿環境下における放置により、極端にトナーの帯電量が低くなるため、カブリや画像濃度ムラ、トナーの過剰消費などが発生するため、好ましくない。
ゾルゲル法によって形成された該無機微粒子は、トナーへの帯電付与の点で、シリカ微粒子またはチタン微粒子であることが好ましい。
さらに、該無機微粒子は、シリル化剤、シロキサン類、金属アルコキシド、脂肪酸及び脂肪酸金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類の処理剤により処理されていることが、あらゆる環境で帯電安定性を得られるという点で、より好ましい。
また、該無機微粒子は、少なくともアルコキシシランにより表面処理されてなることが、含水分率を制御するという点でより好ましい。該無機微粒子に、含水分率制御と離型効果を付与するために、前記処理剤の他にシリコーンオイルを使用しても良い。
そして、本発明者らは、鋭意検討した結果、少なくとも樹脂、着色剤、離型剤、無機微粒子を有するトナーにおいて、該無機微粒子をトナー粒子に添加することにより、該トナーのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能であることを見出した。
本発明のゾルゲル法によって得られる無機微粒子の原材料及び製造方法は、特に制約されるものではないが、以下に、製造例を示す。
ゾルゲル法により生成されたシリカ微粒子をメチルシランで処理した後、ろ過を行い、流動層乾燥機を用いて110℃乾燥させた後、ピンミルで十分に解砕を行った。その後、速やかにトルエン溶媒中へ該シリカ含有量40%となるようにスラリー化し、処理剤を滴下する。そして、流動層乾燥機を用いて150℃で乾燥させた後、ピンミルで十分に解砕を行い、表面処理されたゾルゲル法シリカ微粒子を得る。
このように、ゾルゲル法によってシリカを生成させた後、1次表面処理を行い、その後、流動層乾燥機で、吸着水、構造水を取り除いた後、速やかに2次表面処理を行うことにより、通常製法に比べて大幅に含水分量を低減させて制御することができるものである。
また、必要な機能を付与するために、更に、表面処理を加えることも可能である。特に、文字中抜けの改良などの目的で、感光体や中間転写体などの本体部材とトナー表面の離型性を確保するためには、3次表面処理として、シリコーンオイルなどの離型性付与材料による表面処理を行うことが有効であると言える。
本発明の無機微粒子に用いられる表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤、フッ素含有シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤の如きカップリング剤やシラン化合物、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが使用できる。
例えば、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン等のようなアルキルアルコキシシランや、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、トリフロロプロピルトリメトキシシラン、トリフロロプロピルメチルジメトキシシラン、トリフロロプロピルメチルジクロロシラン等のシランカップリング剤を用いることができる。
処理剤の総添加量は、粒子の凝集を防止し、処理剤の特性を最大限に引き出すために、該無機微粒子100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは5〜40質量部が良い。
本発明のトナーは、必要に応じて、該無機微粒子の他に一種類以上の無機微粒子を有することができる。該無機微粒子としては、公知のものが使用できる。例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム微粒子、酸化マグネシウム微粒子、酸化亜鉛の如き金属酸化物の微粒子;チッ化ホウ素微粒子、チッ化アルミニウム微粒子、チッ化炭素微粒子の如きチッ化物;さらにチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウムなどが挙げられる。特に、平均一次粒子径1〜80nmの無機微粒子を用いることが好ましく、平均一次粒子径10〜50nmの無機微粒子を用いることがより好ましい。また、該無機微粒子は、必要な特性を得るために、表面処理を行なうことが好ましい。その際、表面処理剤としては、前述した公知のものを使用することができる。
本発明のトナー粒子に使用する結着樹脂としては、従来から、トナー用結着樹脂として知られる各種の材料樹脂が用いられる。
例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体のようなエチレン系共重合体;フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸系樹脂等である。これらの樹脂を単独で用いても良いし、二種類以上の樹脂を混合して用いても良い。
これらの樹脂の中で、特に負帯電能の高い(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂、又は(c)それらの混合物を用いることが好ましい。
特に、ハイブリッド樹脂は、特に、離型剤と組み合わせた場合、離型剤の分散性が良好となり、定着時に効果的に離型剤を機能させることができるため、非常に定着性に優れ、混色性、耐熱性、耐ブロッキング性も良好であり、カラートナーに適している。その反面、負帯電能が強く帯電が過大になり易く、極端な帯電量アップやそれに伴う現像性、転写性の低下が発生しやすい傾向にある。しかしながら、本発明の無機微粒子を組み合わせた場合には、それらの弊害は解消され、優れたトナー特性を得ることができる。
なお、本発明において「ポリエステルユニット」とはポリエステルに由来する部分を示し、「ビニル系重合体ユニット」とはビニル系重合体に由来する部分を示す。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分であり、ビニル系重合体ユニットとは、ビニル基を有するモノマー成分であり、モノマー中に多価カルボン酸成分とビニル基を有するモノマー、または多価アルコール成分とビニル基を有するモノマーについては「ポリエステルユニット」成分として定義する。
本発明のトナーは、必要に応じて、離型剤を使用することができる。
離型剤としては、公知のものが使用できる。本発明において、特に好ましく用いられる離型剤としては、脂肪族炭化水素系離型剤が挙げられる。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素離型剤がよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素離型剤の分別を行なったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物];離型剤状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成された離型剤がその分子量分布からも好ましいものである。
離型剤の分子量分布は、メインピークが分子量400〜2400の領域にあることが好ましく、430〜2000の領域にあることがより好ましい。このような分子量分布をもたせることによりトナーに好ましい熱特性を付与することができる。
また、トナーの定着時により効果的に機能させるために、上記離型剤の融点は、60〜100℃にあることが好ましく、65〜90℃にあることがより好ましい。なお、本発明のトナーの吸熱ピーク温度とは、該離型剤を含むトナーの示差走査熱量計(DSC)測定において、吸熱曲線のメインピークの吸熱ピークが得られる極大の値を示す温度のことである。この吸熱ピーク温度は、離型剤の融点に由来する物性値である。
離型剤は、結着樹脂100質量部あたり0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
離型剤の添加方法としては、特に制約されるものではない。通常、樹脂を溶剤に溶解し樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、混練時に混合する方法でトナーに添加される。
本発明の着色剤としては、公知の染料または/及び顔料が使用される。
マゼンタトナー用着色顔料としてはC.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,155,163,202,206,207.209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35などが挙げられる。
顔料単独使用でも構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、C.Iソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40;C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28などの塩基性染料が挙げられる。
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45または下記式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
Figure 0004522312
〔式中、nは1〜5の整数を示す。〕
イエロー用着色顔料としてはC.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,74,83,97,155,180;C.I.バットイエロー1,3,20などが挙げられる。
また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
本発明に用いられる黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜12質量部、最も好ましくは0.8〜10質量部が良い。
本発明に用いるトナー粒子の製造方法としては、熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機によって構成材料を良く混練した後、機械的に粉砕し、粉砕粉を分級してトナー粒子を得る方法;結着樹脂溶液中に着色剤の如き材料を分散した後、噴霧乾燥することによりトナー粒子を得る方法;結着樹脂を構成すべき重合性単量体に所定材料を混合して単量体組成物を得、この組成物の乳化懸濁液を重合させることによりトナー粒子を得る懸濁重合によるトナー製造法などが適用できる。
本発明において、トナー中に有機金属化合物を含有させることができる。本発明に使用する有機金属化合物としては、芳香族カルボン酸と2価以上の金属との化合物が好ましい。
芳香族カルボン酸としては、下記3種の化合物が挙げられる。
Figure 0004522312
〔式中、R1乃至R7は同一又は異なる基を示し、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、−OH,−NH2,−NH(CH3),−N(CH32,−OCH3,−O(C25),−COOH又は−CONH2を示す。〕
好ましいR1としては、ヒドロキシル基、アミノ基及びメトキシ基が挙げられるが、中でもヒドロキシル基が好ましい。芳香族カルボン酸としては、特にジ−tert−ブチルサリチル酸の如きジアルキルサリチル酸が好ましい。
有機金属化合物を形成する金属としては、2価以上の金属原子が好ましい。2価の金属としてMg2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+,Cu2+が挙げられる。2価の金属としては、Zn2+,Ca2+,Mg2+,Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+,Cr3+,Fe3+,Ni3+があげられる。これらの金属の中で好ましいのはAl3+,Fe3+,Cr3+,Zn2+であり、特に好ましいのはAl3+である。
本発明においては、有機金属化合物として、ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物やジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛化合物が好ましい。
芳香族カルボン酸の金属化合物は、例えば、芳香族カルボン酸を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、2価以上の金属原子を溶融している水溶液を水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、次に水溶液のpHを調整し、室温まで冷却した後、ろ過水洗することにより芳香族カルボン酸の金属化合物を合成し得る。ただし、上記の合成方法だけに限定されるものではない。
有機金属化合物は、結着樹脂100質量部当り0.1〜10質量部(より好ましくは、0.1〜5質量部)使用するのがトナーの粘弾性特性及び摩擦帯電特性を調整する点で好ましい。
本発明のトナーは、その帯電性をさらに安定化させる為に必要に応じて上記の有機金属化合物以外の化合物を荷電制御剤として用いることができる。荷電制御剤としては、ニグロシン,イミダゾール系化合物などである。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当り0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部使用するのが好ましい。
また、本発明おいて、トナーを正帯電性とする場合には、正帯電性を示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェニルメタン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリジンなどを添加することが好ましい。
カラートナーをつくる場合においては、トナーの色調に影響を与えない無色または淡色の正荷電制御剤を用いることが好ましい。
次に、本発明に用いるトナーの粒径について説明する。
画像濃度、ハイライト再現性(ハーフトーン再現性)、細線再現性について鋭意検討した結果、本発明のトナーは、重量平均粒径が3.0〜9.0μmであることが好ましい。
トナーの重量平均粒径が9.0μmより大きい時は、基本的に高画質化に寄与し得るトナー粒子が少なく、感光ドラムにおける微細な静電荷像上には忠実に付着しづらく、ハイライト再現性に乏しく、さらに解像性も低い。必要以上のトナーの静電荷像上の乗りすぎが起こり、トナー消費量の増大を招きやすい傾向にある。
逆にトナーの重量平均粒径が3.0μmより小さい場合には、トナーの単位質量あたりの帯電量が高くなりやすく、濃度薄、特に低温低湿下での画像濃度薄が生じやすい。特にグラフィック画像の如き画像面積比率の高い画像を現像するには不向きである。
さらにトナーの重量平均粒径が3.0μmより小さい場合には、トナーの比表面積が大きくなるため、極端にトナー表面近傍の離型剤量が多くなるため、キャリアとの接触帯電がスムーズに行なわれず、充分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部への飛び散り、カブリが目立つ様になる。これに対処すべくキャリアの比表面積を稼ぐべくキャリアの小径化が考えられるが、重量平均径が3.0μm未満のトナーでは、トナーの自己凝集も起こり易く、キャリアとの均一混合が短時間で達成されず、トナーの連続補給耐久においては、カブリが生じてしまう傾向にある。
本発明のトナーは、非磁性一成分トナー現像、二成分系現像の何れの現像方法にも使用することができる。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合に、併用されるキャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金または酸化物及びフェライトやバインダー樹脂とこのバインダー樹脂中に分散され少なくとも磁性体を含む金属化合物粒子とを含有する磁性体分散型樹脂キャリアなど公知のキャリアと組み合わせて使用することができる。
特に、本発明の無機微粒子のポテンシャルを最大限に安定的に引き出すためには、磁性微粒子分散型樹脂コアの表面に被覆層を形成した磁性キャリアが好ましい。
本発明に使用できる磁性キャリアにおいて、磁性微粒子分散型樹脂コアに用いられる磁性微粒子は、マグネタイト微粒子であることが好ましく、また、磁性キャリアの真密度、磁気特性を調整する上で非磁性無機化合物であるヘマタイト(α−Fe23)微粒子を併用してもよい。
本発明に用いることができる、磁性微粒子分散型樹脂コア粒子を構成するバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、キシレン樹脂、アセトグアナミン樹脂、フラン樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独でも2種以上を混合しても構わないが、少なくともフェノール樹脂を含有していることが好ましい。
本発明におけるコア粒子を構成するバインダー樹脂と磁性微粒子との割合は、質量基準において、バインダー樹脂:磁性微粒子=1:99〜1:50であることが好ましい。
また本発明においては、キャリア被覆用コート材が、少なくとも結着樹脂及び導電性微粒子を含有することが好ましい。
本発明に使用できる磁性キャリアに用いるコート材を形成する結着樹脂としては、公知の樹脂であればいずれも用いることができるが、好ましくは、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフルオロクロロエチレンの如きパーフルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロクロルエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニルとフッ化ビニリデンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体等が挙げられる。
特に本発明に好ましく用いられるコート材を形成する結着樹脂としては、
Figure 0004522312
〔式中、mは0乃至10の整数を示す。〕
で示されるパーフルオロアルキルユニットを有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体又は共重合体がよい。
上述した樹脂は、単独でも使用できるが、夫々を混合して使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤等を混合し硬化させて使用することもできる。
本発明では、mが10を超える場合には、樹脂が溶媒から析出しやすく、コートをする場合に良好なコート膜が得にくくなる。mが5乃至9であることが、良好なトナー離型性とコート成膜性を兼ね備えるためにより好ましい。
さらに好ましくは、下記一般式(ロ)の樹脂を用いることで、コアとの密着性に優れる。
Figure 0004522312
〔式中、mは0乃至10の整数を示し、nは1乃至10の整数を示す。〕
さらに、下記一般式(ハ)で示されるユニットと下記一般式(ニ)で示される(メタ)アクリル酸エステルユニットを有する樹脂が、キャリアからのトナー離れ性を良化させるために好ましい。
Figure 0004522312
〔式中、mは0乃至10の整数を示し、nは1乃至10の整数を示し、lは1以上の整数を示す。〕
Figure 0004522312
〔式中、R1は水素又はメチル基を有し、R2は水素又は炭素数1乃至20のアルキル基を示し、kは1以上の整数を示す。〕
さらに、上記一般式(ハ)及び(ニ)の共重合体ユニットに(ニ)で示されるユニットをグラフト共重合した樹脂が、長期間使用してもトナー離れ性の特性が維持でき、コート材のキャリアからの耐剥離性にも優れ、特に好ましい。
コート材を形成する結着樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合には、この熱可塑性樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)において、重量平均分子量が10,000乃至300,000であることが、コート材の強度及びコート材とコア表面との耐剥離性を高める点で好ましい。
前記コート材を形成する結着樹脂は、THF可溶成分のGPCのクロマトグラムにおいて、分子量2,000乃至100,000の領域にメインピークを有することが好ましく、さらに、分子量2,000乃至100,000の領域にサブピーク又はショルダーを有することが好ましい。最も好ましくは、前記コート材を形成する樹脂は、THF可溶成分のGPCクロマトグラムにおいて、分子量20,000乃至100,000の領域にメインピークを有し、分子量2,000乃至19,000の領域にサブピーク又はショルダーを有するのが良い。上記分子量分布を満足していることにより、小粒径のトナーにおいても多数枚の現像が可能な現像耐久性、トナーへの帯電安定性、外添剤のキャリア粒子表面への付着防止性がさらに向上する。
また、前記コート材を形成する樹脂がグラフト重合体の場合には、グラフト重合体の幹の重量平均分子量が15,000乃至200,000であり、枝の重量平均分子量が3,000乃至10,000であることが好ましい。前記重量平均分子量は、グラフト重合体の幹の部分の重合条件や、グラフト重合体の枝の部分の重合条件によって調整することが可能である。
本発明においては、グラフト重合体を有する樹脂をコート材として用いることが好ましく、前記キャリアコアのコートする場合、コート材のコア表面からの耐剥離性に優れ、特に好ましい。
また、本発明においては、コート材用樹脂として、コアとの密着性、スペント防止の観点から、シリコーン樹脂を使用することもできる。シリコーン樹脂は、単独で用いることもできるが、被覆層の強度を高め好ましい帯電に制御するために、カップリング剤と併用して用いることが好ましい。更に、前述のカップリング剤は、その一部が、樹脂をコートする前に、キャリアコア表面に処理される、いわゆるプライマー剤として用いられることが好ましく、その後の被覆層が、共有結合を伴った、より密着性の高い状態で形成することができる。
カップリング剤としては、アミノシランを用いると良い。その結果、ポジ帯電性を持ったアミノ基をキャリア表面に導入でき、良好にトナーに負帯電特性を付与できる。更に、アミノ基の存在は、磁性体分散型樹脂キャリアの場合、金属化合物に好ましく処理されている親油化処理剤と、シリコーン樹脂の両者を活性化させるため、シリコーン樹脂のキャリアコアとの密着性を更に高め、同時に樹脂の硬化を促進することでより強固な被覆層を形成することができる。
被覆層の被覆処理時は、30〜80℃の温度下において、減圧状態で被覆することが好ましい。
その理由は明確ではないが、下記に記載するものと予想される。
(i)被覆段階で適度の反応が進行し、キャリアコア表面に被覆材が均一に、また平滑に被覆される。
(ii)焼き付け工程において、少なくとも160℃以下での低温処理が可能となり、樹脂の過度な架橋を防止し、被覆層の耐久性を高められる。
コート材を形成する樹脂のコアに対するコート量は、コア100質量部に対し、0.3乃至4.0質量部であることが好ましい。好ましくは0.4乃至3.5質量部であり、更に好ましくは0.5質量部乃至3.2質量部である。
上記範囲の場合、良好なトナー離れ性を得ることができ、白抜け等の画像欠陥が起こりにくい。0.3質量部より少ないとキャリアコア表面を十分コートすることができず、本発明の効果を発現させることができず、また、4.0質量部を超えるとコート時に均一なコートができなくなり、チャージアップや、コア表面が露出し、その部分でのトナースペントを生じる場合がある。また、磁性キャリアの比抵抗が高くなり、白抜け等の画像欠陥を生じる場合がある。
また、上記コート樹脂中には、キャリア表面の形状を更に均一化するため、及び/又はトナーの帯電分布をよりシャープ化するために、微粒子を含有することが好ましい。
微粒子としては、有機、無機いずれも微粒子を用いることができるが、キャリアにコートを施す際に粒子の形状を保つことが必要であり、好ましくは、架橋樹脂粒子あるいは、無機の微粒子を好ましく用いることができる。具体的には、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、及びアルミナ等から単独あるいは混合して用いることができる。これらの中でも、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂が帯電安定性の観点で好ましい。
これらの微粒子は、コート樹脂100質量部に対して、1乃至40質量部含有させて用いることが好ましい。前記範囲で用いることにより、帯電安定性やトナー離れを良好にし、白抜け等の画像欠陥を防止することができる。1質量部未満の場合は、微粒子添加の効果を得ることができず、40質量部を超える場合、耐久中にコート層からの欠落が発生し、耐久性に劣る。
微粒子の粒径は、個数基準でピーク値が0.08乃至0.70μm(より好ましくは0.10乃至0.50μm)であることが、トナー離れを良好にするために好ましい。0.08μm未満の場合、コート材中に微粒子を分散させるのが困難であり、0.70μmを超える場合、耐久中にコート層からの欠落が発生し、耐久性に劣る。
また、上記コート樹脂中には、キャリアの比抵抗を下げ過ぎず、且つキャリア表面の残留電荷を除去するために、導電性微粒子を含有するのが好ましい。
導電性粒子としては、比抵抗が1×108Ω・cm以下のものが好ましく、更には比抵抗が1×106Ω・cm以下のものがより好ましい。具体的には、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、及び酸化錫から選ばれる少なくとも一種以上の粒子を含有する粒子が好ましい。特に導電性を有する粒子としては、カーボンブラックが、少量の添加量でキャリア表面の残留電荷を除去することが可能であり、且つ粒径が小さくキャリア表面の微粒子による凹凸を阻害することなく好ましく用いることができる。カーボンブラックの粒径は、個数基準でピーク値が10nm乃至60nm(より好ましくは15乃至50nm)であることが、キャリア表面の残留電荷を良好に除去し、かつキャリアからの脱離を良好に防止するために好ましい。
また、カーボンブラックのDBP吸油量としては、カーボンブラック100gへのDBP吸油量が20乃至500mlが好ましく、更に好ましくは25乃至300mlであり、特に好ましくは30乃至200mlである。
DBP吸油量が、上記範囲の場合、キャリア表面の残留電荷除去が効率的に行われ、キャリアの帯電コントロールするのに好ましい。20ml/100g未満の場合、カーボンブラックのストラクチャーが短いため、効率的な電荷除去が行われず、添加効果が発現しにくい。
これらの導電性微粒子は、コート樹脂100質量部に対し、1乃至15質量部含有させて用いることが、キャリアの比抵抗を下げすぎず、かつ、キャリア表面の残留電荷除去のために好ましい。1質量部未満の場合は、キャリア表面の残留電荷除去の効果が発現しにくく、15質量部を超える場合には、コート材中での分散が不安定になり、また、過剰の電荷除去効果のため、キャリア自身の帯電付与能が低下することがある。
本発明に使用できる磁性キャリアは、個数基準の平均粒径が10乃至80μmが好ましい。平均粒径が10μm未満の粒子は、キャリア付着しやすく、また、80μmを超えるものは、トナーに対して比表面積が小さくなることで良好な帯電付与ができなくなる場合がある。特に高画質化及びキャリア付着を防止する為には、15乃至60μm、好ましくは20乃至45μmが良い。
磁性キャリアの平均粒径は、走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子を300個以上抽出し、デジタイザーにより水平方向フェレ径をもってキャリア粒径として測定し、キャリアの個数平均粒径を算出するものとする。
本発明に使用できる磁性キャリアは、1000×(103/4π)・A/m(1000エルステッド)の磁界下で測定した磁化の強さ(σ1000)が15乃至75Am2/kg(emu/g)であり、残留磁化(σr)が7.5Am2/kg以下であることが好ましい。磁化の強さ(σ1000)が70Am2/kgを超える場合には、現像剤磁気ブラシ中でのトナーへのストレスが増大し、トナーが劣化し、またキャリアへのスペントも起こりやすくなる場合がある。また、磁化の強さ(σ1000)が15Am2/kg未満の場合、スリーブへの磁気的拘束力がなくなり、キャリア付着し、感光体表面に付着して画像に欠陥を生ずる場合がある。また、残留磁化(σr)が7.5Am2/kgをこえる場合は、磁気的凝集による流動性不良が生じる場合もある。
磁性微粒子分散型樹脂コアを製造する方法としては、バインダー樹脂のモノマーと磁性微粒子を混合し、前記モノマーを重合して磁性微粒子分散コア粒子を得る方法がある。このとき、重合に用いられるモノマーとしては、ビニル系モノマー、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を形成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が用いられる。例えば、硬化系フェノール樹脂を用いた磁性微粒子分散コア粒子の製造方法としては、水性媒体に磁性微粒子を入れ、この水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合して磁性微粒子分散コア粒子を得る方法がある。
磁性微粒子分散樹脂コア粒子を製造する他の方法としては、ビニル系又は非ビニル系の熱可塑性樹脂、磁性体、その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き混練機を用いて溶融・混練して、これを冷却後、粉砕・分級を行って磁性微粒子分散コア粒子を得る方法がある。この際、得られた磁性微粒子分散型コア粒子を熱あるいは機械的に球形化して前記樹脂キャリア用の磁性微粒子分散コア粒子として用いることが好ましい。バインダー樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂の如き熱硬化性樹脂が、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れる点で好ましい。バインダー樹脂は、本発明の特性をより好適に発現せしめるためには、フェノール樹脂がより好ましい。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、フェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)が、より好ましい。
アルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げられる。中でもホルムアルデヒドが特に好ましい。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1乃至4が好ましく、特に好ましくは1.2乃至3である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成し難かったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子の強度が弱くなる傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
本発明におけるトナーと混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは3〜13質量%、より好ましくは4〜10質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低くなりやすい上、本発明のような離型剤を含むトナーを用いた場合には、現像剤の劣化が発生しやすいため好ましくない。15質量%を超える場合には、トナーの帯電量分布が広くなりカブリや機内飛散を発生させるため好ましくない。
以下に本発明で用いる各物性値の測定方法について述べる。
本発明の無機微粒子の含水分率の測定方法
本発明の無機微粒子の含水分率の測定は、高温高湿環境;30℃/80%環境下で72時間放置後のサンプルと常温低湿環境放置;23℃/5%環境下で72時間放置後のサンプルを使用し、カールフィッシャー法にて行う。
本発明の無機微粒子の個数平均粒径測定方法
一次粒子径は、本発明の無機微粒子を透過電子顕微鏡で観察し、100個の粒子の長径を測定して個数平均粒子径を求める。トナー粒子上の粒子径は走査電子顕微鏡で観察し、100個の粒子の長径を測定して個数平均粒子径を求める。
測定時の倍率は4万〜6万倍とし、0.5nm以上の粒子を対象とする。
本発明の無機微粒子のBET比表面積の測定方法
本発明の酸化チタン及び無機微粒子のBET比表面積の測定は次のようにして行う。
BET比表面積は、例えば湯浅アイオニクス(株)製、全自動ガス吸着量測定装置(オートソープ1)を使用し、吸着ガスに窒素を用い、BET多点法により求める。サンプルの前処理としては、50℃で10時間の脱気を行う。
本発明のトナーの示差走査熱量計(DSC)測定
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得られる。吸熱ピーク温度とは、その中で極大の値を示す温度のことである。
本発明のトナーの粒径測定方法
測定装置としては、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、トナー粒子の体積分布から求めた重量基準のトナーの重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
以下に本発明に関する製造例及び実施例を示すが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
無機微粒子製造例
(シリカ製造例A−1)
撹拌機、滴下ロート、温度計をガラス製反応器にセットし、エタノールに、アンモニア水を加え撹拌し、25℃に保った。つぎにこの溶液にテトラエトキシシランを60分間で滴下し反応させた。滴下終了後さらに25℃にて3時間撹拌を続けシリカゾル懸濁液を得た。つぎにこのシリカゾル懸濁液を加熱し、エタノールを除去した後トルエンを加え更に加熱し、水を除去した。次に懸濁液中のシリカ粒子に対して3質量部のメチルシランを加えた後、80℃で1時間反応させシリカの疎水化処理を行なった。その後、懸濁液を加熱し、トルエンを除去し、流動層乾燥機で乾燥させた後、ピンミルで粉砕した。その後、速やかに再びトルエン溶液中に分散させた後、ヘキサメチルジシラザン10質量部を加え十分に撹拌を行う。その後、流動層乾燥機を用いて110℃で乾燥させた後、ピンミルで十分に解砕して、表1に示す個数平均粒子径110nmのゾルゲル法シリカ1を得た。
(シリカ製造例A−2)
シリカゾル懸濁液の製造条件を変更し、メチルシランをメチルトリエトキシシランに変更し、ヘキサメチルジシラザンをヘキシルトリメトキシシランに変更すること以外は、シリカ製造例A−1と同様にして、表1に示す個数平均粒子径200nmのゾルゲル法シリカ1を得た。
(シリカ製造例A−3)
シリカ製造例A−1の製造条件を変更して得られたシリカゾル懸濁液を加熱し、エタノールを除去した後トルエンを加え更に加熱し、水を除去した。次に懸濁液中のシリカ粒子に対して3質量部のメチルトリメトキシシランを加えた後、80℃で1時間反応させシリカの疎水化処理を行なった。流動層乾燥機を用いて110℃で乾燥させた後、ピンミルで十分に解砕した。得られたシリカ微粒子を乾式でヘキサメチルジシラザン10質量部で処理した後、流動層乾燥機を用いて110℃で乾燥させた後、ピンミルで十分に解砕した。さらにジメチルシリコンオイル5質量部で表面処理した後、流動層乾燥機を用いて110℃で乾燥させた後、ピンミルで十分に解砕して、表1に示す個数平均粒子径80nmのゾルゲル法シリカ3を得た。
(シリカ製造例A−4)
シリカゾル懸濁液の製造条件を変更し、メチルシランをジメチルジメトキシシランに変更し、ヘキサメチルジシラザンをヘキシルトリメトキシシランを5質量部、ジメチルポリシロキサンを5質量部に変更すること以外は、シリカ製造例A−2と同様にして、表1に示す個数平均粒子径200nmのゾルゲル法シリカ4を得た。
(シリカ製造例A−5)
撹拌機、滴下ロート、温度計をガラス製反応器にセットし、エタノールに、アンモニア水を加え撹拌し、20℃に保った。つぎにこの溶液にテトラエトキシシランを60分間で滴下し反応させた。滴下終了後さらに20℃にて5時間撹拌を続けシリカゾル懸濁液を得た。つぎにこのシリカゾル懸濁液を加熱し、エタノールを除去した後トルエンを加え更に加熱し、水を除去した。次に懸濁液中のシリカ粒子に対して30%のヘキサメチルジシラザンを加えた後、120℃で2時間反応させシリカの疎水化処理を行なった。その後、懸濁液を加熱し、トルエンを除去し、乾燥させたあと、ピンミルで解砕し、表1に示す個数平均粒子径100nmのゾルゲル法シリカ5を得た。
(シリカ製造例A−6)
シリカゾル懸濁液の製造条件を変更すること以外は、シリカ製造例A−5と同様にして、表1に示す個数平均粒子径75nmのゾルゲル法シリカ6を得た。
(シリカ製造例A−7)
シリカゾル懸濁液の製造条件を変更すること以外は、シリカ製造例A−5と同様にして、表1に示す個数平均粒子径205nmのゾルゲル法シリカ7を得た。
Figure 0004522312
樹脂製造例
(ハイブリッド樹脂製造例1)
ビニル系共重合体として、スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、コハク酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応せしめてハイブリッド樹脂(1)を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
(ポリエステル樹脂製造例1)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、テレフタル酸1.7mol、無水トリメリット酸1.1mol、フマル酸2.4mol及び酸化ジブチル錫0.1gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂(1)を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
(ビニル系樹脂の製造例1)
トルエン溶媒1000mlとビニル系共重合体として、スチレン2.4mol、n−ブチルアクリレート0.26mol、モノブチルマレート0.09mol、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.11molを、温度計,ステンレス製撹拌棒,流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した3リットルの4つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で、窒素雰囲気にて120℃の温度で撹拌しつつトルエンを還流させながら反応させ、ビニル系樹脂(1)を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
Figure 0004522312
離型剤製造例
アーゲ法により合成された炭化水素をプレス発汗法で精製して得られたノルマルパラフィンワックス:ワックスA(融点:73.3℃)を使用した。
<磁性微粒子分散型樹脂コアの製造例1>
下記に示す材料を用いて磁性微粒子分散樹脂コア(R−1)を作製した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(37質量%水溶液) 6質量部
・マグネタイト粒子 76質量部
・ヘマタイト粒子 8質量部
上記材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性微粒子が分散された状態の磁性微粒子分散樹脂コア(R−1)を得た。
<被覆層用コート材の製造例1>
一方の末端にエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量5,000のメチルメタクリレートマクロマー3質量部、下記化合物(ロ)をユニットとするモノマー46質量部、メチルメタクリレート51質量部を、還流冷却器,温度計,窒素吸い込み管及びすり合わせ方式撹拌装置を配した4ツ口フラスコに添加し、更にトルエン100質量部、メチルエチルケトン100質量部、アゾビスイソバレロニトリル2.4質量部を加え、窒素気流下80℃で10時間保ち、グラフト共重合体溶液(固形分35質量%)を得た。グラフト共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)による重量平均分子量は、20,000であった。
Figure 0004522312
得られたグラフト共重合体溶液30質量部に対して、メラミン樹脂(個数平均粒径0.25μm)0.7質量部、カーボンブラック(個数平均粒径35nm、DBP吸油量50ml/100g)1.2質量部、トルエン100質量部をホモジナイザーにて撹拌し、コート材(L−1)を得た。
<磁性キャリア製造例1>
磁性微粒子分散型樹脂コア(R−1)100質量部をせん断応力を連続して加えながら撹拌しつつ、コート材(L−1)を徐々に加え、溶媒を70℃で揮発させて、コア表面への樹脂コートを行った。この樹脂コートされた磁性キャリア粒子を100℃で2時間撹拌しながら熱処理し、解砕した後、目開き76μmの篩で分級して、平均粒径35μm、比抵抗5.9×109Ω・cm、真比重3.6g/cm3、磁化の強さ(σ1000)50.6Am2/kg、残留磁化4.8Am2/kg、の磁性キャリア(C−1)を得た。
[実施例1]
ハイブリッド樹脂(1) 100質量部
フタロシアニン顔料(シアン着色剤) 4質量部
ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム錯体(負荷電性制御剤) 3質量部
ワックスA 3質量部
上記化合物をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行ない、二軸押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級して、重量平均粒径が6.1μmである負摩擦帯電性の非磁性のシアントナー粒子を得た。
上記シアントナー粒子100質量部とゾルゲル法シリカ1:1.0質量部、硫酸法で得られた1次粒径40nmの酸化チタンをトルエン溶媒中でイソブチルトリメトキシシラン30質量部で処理して得られた酸化チタン:0.3質量部をヘンシェルミキサーで混合し、非磁性のシアントナー1を得た。得られたシアントナー1は、重量平均粒径が6.0μmであった。
前述のシアントナー1と磁性キャリア;C−1とをトナー濃度6%で混合して二成分系現像剤を作製し、カラー複写機CLC−800(キヤノン製,単色モードA4サイズ28枚/分)の定着ユニットの定着ローラの表層をPFAチューブに変え、オイル塗布機構を取り外した改造機で画像を出力した。その際、感光ドラムは、その表層を#500の研磨シートで研磨した十点平均粗さ1.1μmの感光ドラムを用いた。そして、高温高湿環境下(32.5℃/85%)にて画像面積比率25%のオリジナル原稿を用いて2万枚の耐刷試験を行った。この耐刷試験後、5日間、前記高温高湿環境下で保管した後、前記画像を1枚出力し、画像濃度を測定した。また、低常温低湿環境下(5℃/5%)にて画像面積比率5%のオリジナル原稿を用いて1万枚の耐刷試験を、その後、画像面積比率25%のオリジナル原稿を用いて1万枚の耐刷試験を行った。単位面積当たりのトナー載り量は0.6mg/cm2に設定し、耐刷試験を行った。
その結果、環境に依らず画像濃度推移が安定しており、ライン中抜けの無い高品位な画像を安定して得られ、定着可能な温度範囲も広く良好な結果を得た。下記の評価項目・判断基準の結果を表3に示した。
(評価項目・判断基準)
マクベス画像濃度の測定
マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用いて原稿画像濃度が1.7のベタ黒画像を単色で出力し測定した画像濃度を示す。
転写効率の測定
実施例及び比較例の画出し実験において、丸または帯の画像を複数個形成できるチャートを用いて、ドラム上の転写残部分をテーピングし紙上に貼った濃度をD1、紙上に転写された上にテーピングした濃度をD2とする。本発明においては各画出し環境下にて、マクベス画像濃度が1.0の画像を用い、初期、耐久後、についてそれぞれ測定した。
転写効率(%)=D2/(D1+D2)×100として算出した。
カブリ
カブリの評価は、東京電色社製REFRECTOMETER MODEL TC−6DSを使用して測定し、シアントナー画像ではamberフィルターを使用し、下記式より算出した。数値が小さいほど、カブリが少ないことを示す。
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−サンプルの非画像部の反射率(%)
A;カブリが1.0%以下であり、良好なレベルである。
B;1.0%〜2.0%であり、実用上問題のないレベルである。
C;2.0〜4.0%であり、実用上問題となるレベルである。
D;4.0%以上であり、実用不可能なレベルである。
トナー飛散
耐久後の現像装置、本体内現像装置周辺のトナーによる汚れ具合を観察する。
A;現像装置、本体内現像装置周辺のトナーによる汚れが全く観察されない。
B;現像装置で微量のトナーによる汚れが観察されるが実用問題のないレベルで
ある。
C;現像装置、本体内現像装置周辺のトナーによる汚れが観察され、実用上問題
となるレベルである。
D;現像装置、本体内現像装置周辺がトナーによって著しく汚れ、本体機能にも
悪影響を及ぼし、実用不可能なレベルである。
ハイライト再現性
マクベス画像濃度0.3、0.4、0.5の画像を出力し、濃度の均一性、がさつきの程度を目視により評価する。
A;画像濃度の均一性に優れた良好な出力画像である。
B;画像濃度の均一性にやや欠けるが実用上問題のないレベルである。
C;画像濃度の均一性が悪く、がさついた出力画像であり、実用上問題となるレベルであ
る。
D;画像濃度の均一性が著しく悪く、がさついた出力画像であり、実用不可能なレベルで
ある。
感光体表面状態
耐久後の感光体表面30ヶ所を走査型電子顕微鏡で観察する。
A;トナー等の付着物、傷が観察されない。
B;トナー等の付着物、傷が数ヶ所で観察されるが、画像欠陥として現れない程度であり
、実用上問題のないレベルである。
C;トナー等の付着物、傷が十カ所以上で観察され、画像欠陥として現れ、実用上問題と なるレベルである。
D;トナー等の付着物、傷が多数観察され、著しい画像欠陥として現れ、実用不可能なレ
ベルである。
○定着性試験
以下の操作は低温低湿(5℃、5%RH)環境下で行った。
定着装置を画像形成装置から取り外し、「プローバーボンド紙」(105g/m2、フォックスリバー社製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.45〜0.50mg/cm2のベタ画像の未定着画像を用意した。次いで、定着装置の速度を40枚(A4サイズ)/分、定着温度を90℃から5℃ずつ変化させて設定し、前記の未定着画像を定着装置に通し、定着させた。
各定着温度での定着画像の後端から5cmの部分について、4.9KPaの荷重をかけつつ柔和な薄紙(例えば、商品名「ダスパー」、小津産業社製)により、得られた定着画像を5往復摺擦し、摺擦前と摺擦後の画像濃度をそれぞれ測定して、下式により画像濃度の低下率ΔD1(%)を算出した。なお、画像濃度はX−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定した。
ΔD1(%)=(摺擦前の画像濃度−摺擦後の画像濃度)×100/摺擦前の画像濃度
ΔD1が10%未満となる温度領域を定着温度幅とした。
参考例1〜3、比較例1〜3]
実施例1と同様に実験を行い、その結果を表3に示した。
Figure 0004522312

Claims (3)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤を含むトナー粒子と無機微粒子を有するトナーにおいて
    無機微粒子は、ゾルゲル法によって形成されたシリカにメチルシランによる1次表面処理を行い、該1次表面処理を行った後のシリカを乾燥し、解砕した後に、ヘキサメチルジシラザンによる2次表面処理を行ったものであり
    無機微粒子の高温高湿環境放置;30℃/80%環境下で72時間放置後の含水分率MHHと常温低湿環境放置;23℃/5%環境下で72時間放置後の含水分率MNLの比MHH/MNLが1.0〜2.0であり、常温低湿環境放置後の含水分率MNLが0.1%以上3.0%未満であり
    該無機微粒子の個数平均粒径が80〜200nmであることを特徴とするトナー。
  2. 該無機微粒子の高温高湿環境放置後の含水分率MHHと常温低湿環境放置後の含水分率MNLの比MHH/MNLが1.0〜1.8であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該無機微粒子は、高温高湿環境放置後の含水分率MHHが0.1%以上3.0%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
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