JP6837748B2 - トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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本発明は、トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
従来、電子写真等の画像形成に用いられるトナーは、画像形成装置内での搬送性、帯電性を確保するため、トナー母体粒子に無機微粒子が外添されてきた。
しかし、トナーに外添された無機微粒子は、現像器内でのトナー搬送中に搬送部材とのストレスによってトナー母体粒子中に埋め込まれてしまうと、トナーの流動性が損なわれ、トナー補給性、現像性、帯電性が経時で劣化する。そして、長期の繰り返し使用において画像濃度低下が発生する。
また、現像でトナーから外添剤が遊離してしまうと、トナーの帯電性、流動性の低下による画像濃度低下、現像詰まりが生じ易くなるだけでなく、現像ローラへトナーが付着し固定され、トナーが固定した箇所におけるトナーの汲み上げ量が低下し、異常画像が発生してしまう。
さらに、感光体や中間転写ベルトへ転写した際にトナーからの外添剤の遊離が多いと、外添剤が感光体や中間転写ベルト全体にフィルミングし、外添剤がフィルミングした箇所の光学的、電気的特性が低下し、異常画像を発生しやすい。画像形成装置には一般的に感光体や中間転写ベルト上に堆積するフィルミング物質を除去するクリーニング機構が設けられているが特に低温低湿環境下ではクリーニングする機能が低下するため不具合が発生しやすい。
一方、トナーの外添剤の遊離を画像形成中に完全に抑えることは難しい。また、感光体や中間転写ベルト上に適量外添剤が供給されると、供給された外添剤は、感光体や中間転写ベルト表面の清掃に役立ち好ましい。
また、近年は、トナーの小粒径化、球形化のために、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造される重合法のトナーをはじめ、液中でトナーを造粒して製造する方法が多数検討されている。特に、小粒径のトナーでは、相対的にトナー母体粒子の表面積が大きくなるため、流動性を確保するため、外添剤の添加量を増やさざるを得ず、それに伴ってトナー母体粒子からの外添剤の遊離も起きやすく、外添剤のフィルミングが増加する問題点が生じる。そのため、トナーを現像器内へ投入するまでは外添剤の遊離が起きず、感光体や中間転写ベルトにトナーが転写する際に、適量トナーから遊離するようなトナーが望まれている。
このように、トナーから外添剤が遊離する仕方を考慮することは、高画質の画像形成を継続的に行ううえで、非常に重要である。トナーからの外添剤の遊離のしやすさを求める方法として、例えばトナー分散液に超音波振動を与え、トナーから遊離した外添剤を除去した後のトナーの重量変化から、遊離した外添剤の割合を求める湿式法が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、上記特許文献1及び2に開示の湿式法は、大まかな外添剤の遊離のしやすさを求めることができるが、測定ばらつきが非常に大きく、測定値とトナーからの外添剤の遊離による感光体への外添剤のフィルミングの程度との相関がとれないことが多かった。また、外添剤がどのような状態で遊離していくか全く分からないため、不具合が外添剤の遊離によるものかどうか分からなかった。実際、同じトナーを用いているにもかかわらず、キャリア、現像ローラ、感光体、中間転写ベルト等の部材を変更するだけで、不具合の起き方が変わることを説明することができず、異常画像のない、安定した画像を得ることができなかった。
そこで、本発明は、常温常湿だけでなく、特に低温低湿環境下において長期に渡って繰り返し使用しても感光体上の外添剤によるフィルミングに起因する異常画像が発生せず、高い画像濃度が安定して確保できるトナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下に示すトナーである。即ち、
本発明のトナーは、結着樹脂を有するトナー母体粒子と、少なくとも2種類以上の無機微粒子とを含有するトナーであって、
前記無機微粒子を前記トナー母体粒子に対して1.0質量%〜3.5質量%含有し、
トナーを基板に衝突させる真空分散型画像解析法により真空分散器を用いて前記トナーを衝突させた場合、
カーボンテープからなる前記基板に分散した前記無機微粒子の遊離数が前記トナー1粒子あたり10個以下であり、
マイカからなる前記基板に分散した前記無機微粒子の遊離数が前記トナー1粒子あたり200個〜1,800個であり、
前記マイカからなる前記基板に分散した350nm以上500nm以下の前記無機微粒子の遊離数が前記トナー1粒子あたり50個以下であることを特徴とする。
本発明によると、常温常湿だけでなく、特に低温低湿環境下において長期に渡って繰り返し使用しても感光体上の外添剤によるフィルミングに起因する異常画像が発生せず、高い画像濃度が安定して確保できるトナーを提供することができる。
図1Aは、トナーを基板に衝突させる真空分散型画像解析法を説明するための一例図である。 図1Bは、トナーを基板に衝突させる真空分散型画像解析法を説明するための一例図である。 図1Cは、トナーを基板に衝突させる真空分散型画像解析法を説明するための一例図である。 図1Dは、トナーを基板に衝突させる真空分散型画像解析法を説明するための一例図である。 図1Eは、トナーを基板に衝突させる真空分散型画像解析法を説明するための一例図である。 図2は、カーボンテープ上のトナーの走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す一例図である。 図3は、マイカ上のトナーの走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す一例図である。 図4は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図5は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図6は、本発明の他の画像形成装置である、タンデム型カラー画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図7は、本発明の他の画像形成装置である、タンデム型カラー画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図8は、本発明の他の画像形成装置である、タンデム型カラー画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
(トナー)
本発明のトナーは、結着樹脂を有するトナー母体粒子と、少なくも2種類以上の無機微粒子とを含有する。
前記トナー母体粒子に対して前記無機微粒子を1.0質量%〜3.5質量%含有する。
本発明のトナーは、前記トナー母体粒子に対し、前記無機微粒子を外添することにより得られたものであることが流動性の付与の観点から好ましい。
トナーを基板に衝突させる真空分散型画像解析法により真空分散器を用いて前記トナーを衝突させた場合、
カーボンテープからなる前記基板に分散した前記無機微粒子の遊離数は、前記トナー1粒子あたり10個以下であり、マイカからなる前記基板に分散した前記無機微粒子の遊離数は、前記トナー1粒子あたり200個〜1,800個であり、前記マイカからなる前記基板に分散した350nm以上500nm以下の前記無機微粒子の遊離数は前記トナー1粒子あたり50個以下である。
本発明者らは、上記条件を満たすトナーが、常温常湿だけでなく、特に低温低湿環境下において長期に渡って繰り返し使用しても感光体上の外添剤によるフィルミングに起因する異常画像が発生せず、高い画像濃度が安定して確保できるトナーとなることを見出した。
本発明者らは、トナーからの外添剤の遊離のしやすさがフィルミングの発生に大きく寄与しているとの認識のもと、特に外添剤の特性に着目し研究を重ねた。そこで、トナーからの外添剤の遊離は、基本的にトナーが何かに衝突した際に、主に生じることを見出した。また、トナーからの外添剤の遊離は、トナーが衝突する基板の硬さにより変わることを見出した。
真空分散型画像解析法を用いた真空分散器を使って、カーボンテープからなる基板にトナーを衝突させた時、前記カーボンテープに分散した無機微粒子の遊離数は、トナーが画像形成装置にセットされる前、すなわちトナーにストレスが一切かかっていないときの無機微粒子の遊離状態に相当するとみなし得ることがわかった。カーボンテープ上のトナー1粒子あたりの無機微粒子の遊離数が10個以上である場合は、現像内で流動性が確保できず、適切な帯電性が得られないためトナー飛散による地肌汚れ画像が発生する。また、前記真空分散器を使って、マイカからなる基板にトナーを衝突させた時、前記マイカ上に分散した無機微粒子の遊離数は、硬いものにトナーがぶつかった際の無機微粒子の遊離状態に相当するとみなし得ることがわかった。マイカ上に分散した無機微粒子の遊離数がトナー1粒子あたり200個以下の場合は、無機微粒子のトナー母体への埋没が顕著になり、トナー同士の凝集が起こって黒ポチ画像が発生して画像濃度ムラが発生する。また、1,800個以上の場合は、感光体へのフィルミングが多くなり、フィルミング部に起因する白抜け画像が発生する。マイカ上に分散した無機微粒子の遊離数は、トナー1粒子あたり200個〜1,800個が好ましく、300個〜600個がより好ましい。
また、前記マイカからなる前記基板に分散した350nm以上500nm以下の前記無機微粒子の遊離数は、前記トナー1粒子あたり50個以下である。350nm以上500nm以下の前記無機微粒子の遊離数がトナー1粒子あたり50個以上である場合は、遊離した粗大な無機微粒子が感光体へ傷をつけ、白ポチなどの異常画像が発生する。
<真空分散型画像解析法>
本発明のトナーの評価方法におけるトナーの基板表面への衝突させる方法を、図1Aから図1Eを用いて説明する。
分散器上部にトナー試料81を置き(図1A参照)、分散器内部を真空ポンプ83により10kPaに減圧した後(図1B参照)、短時間(約0.1秒)、分散器上部に隙間を作り、トナー試料81を分散器の内部に吸引する(図1C参照)。1分放置した後(図1D参照)、分散器内部を常圧にし(図1E参照)、基板(ピンスタブ)82を取り出す。
本発明のトナーの評価方法において、トナーは分散器上部より極わずかの空気とともに導入されるが、分散器内が減圧空間であるため、分散器内の空気抵抗は非常に少ないので、分散器上部のトナーは高速で、直線的に基板に衝突する。
トナーを衝突させる基板上には、粘着性を有する箇所と、粘着性を有する箇所よりも硬い箇所とを、それぞれ少なくとも1箇所以上は設ける。粘着性を有する箇所で、トナーは捕獲される。トナーが粘着剤を有する箇所に衝突した際、トナー母体粒子から微粒子が遊離する場合もあるが、トナー母体粒子は粘着性を有する箇所に付着している必要がある。そのため、粘着性を有する箇所の材質としては、トナー母体粒子を確実に付着させることができるのであれば、どのようなものでも特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行うことを考えれば、ガス発生の少なく、補体粒子を確実に捕獲することのできるSEM観察用カーボンテープを用いることが好ましい。
粘着性を有する箇所よりも硬い箇所は、粘着性がないため、トナー母体粒子の多くは、硬い箇所上に固定されない。しかし、トナー母体粒子に付着していた微粒子は、その小ささ故に、静電力、分子間力等により硬い箇所の上に留まる。粘着性を有する箇所よりも硬い箇所の材質としては、画像形成装置内でトナーが衝突する可能性がある箇所で使用されている材料を適宜選択するとよい。例えば、キャリアのコート膜、現像ローラ、感光体、中間転写体(ベルト、ローラ)、クリーニングブレード等を挙げることができる。粘着性を有する箇所よりも硬い箇所は、上記材料そのものを使用してもよいが、平滑な材料でない場合は、トナーと接する表面が同一の物質を平板、シート状、あるいは塗膜にして、前記基板表面に設けてもよい。
トナーを評価する際、分散器に投入するトナー試料としては、個数平均粒径が、0.5μm〜200μmの範囲のものを用いるとよい。また、好ましくは1μm〜100μmであり、さらに好ましくは2μm〜50μmである。分散器に投入するトナー試料の個数平均粒径が上記範囲内であると、外添剤のフィルミングを評価するうえで正確な測定結果を得ることができるからである。
本発明のトナーの評価方法における減圧空間は、耐圧性、投入する粒子の広がりを考えると、分散器の内径は50mm〜200mmが好ましく、70mm〜150mmがより好ましい。減圧空間の高さは、75mm〜300mmが好ましく、100mm〜260mmがより好ましい。減圧空間の高さが75mm以上であれば、粒子の分散が均一となり、260mm以下であれば、短時間で空間を減圧にすることができ、大型の真空ポンプも不要である。
本発明のトナーの評価方法における減圧空間の真空度は、20kPa以下が好ましく、5kPa〜15kPaがより好ましい。減圧空間の真空度が20kPa以下であると、減圧空間中に投入されたトナー粒子が空気抵抗を受け、基板へ衝突するエネルギーが弱くなるという問題を防止することができる。
本発明のトナーを評価するのに使用する分散器としては、分散器 NEBULA 1(Phenom−World製)が、取り扱い及び分散の再現性に優れており好ましい。
基板上に衝突させたトナーの単位面積当たりのトナー粒子の密度(A(個/mm))は、粘着性のある箇所に付着したトナーのトナー母体粒子の個数より求めることができる。粘着性のある箇所に付着したトナーから無機微粒子が遊離していても、前述のように無機微粒子の個数平均粒径はトナーに対して圧倒的に小さいため、検出される粒子の大きさにより、トナーのみを判別することができる。また、粘着性のある箇所に付着したトナーから遊離した無機微粒子の密度(A’(個/mm))から、A’/Aを計算し、粘着剤のある箇所に衝突したトナーが衝突した際、トナー1粒から遊離した無機微粒子の数を算出することができる。A’/Aの値により、トナーの良否を判定することができる。
また、粘着性を有する箇所よりも硬い箇所に付着した無機微粒子の密度(B(個/mm))から、トナー1個から遊離した無機微粒子の個数B/Aを算出し、B/Aの値により、トナーの良否を判定することができる。
粘着性を有する箇所及び粘着性を有する箇所よりも硬い箇所のトナー、及び無機微粒子の数を光学的な手段で測定することは難しいため、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて行う。
SEMでは、個々の無機微粒子の形状が分かるため、無機微粒子の粒径だけではなく、円形度、凸度、アスペクト比等の粒径パラメータも求めることができる。そのため、粘着性を有する箇所よりも硬い箇所に付着した無機微粒子に対して、特定の粒径パラメータを有する無機微粒子の密度(C(個/mm))を求め、C/Aを算出し、C/Aの値により、トナーの良否を判定することができる。
トナーに付着している無機微粒子は凝集している場合が多く、また複数の種類の無機微粒子を付着している場合があるため、特定の粒径の無機微粒子の密度から、C/Aを算出し、C/Aの値により、トナーの良否を判定することができる。
本発明では粘着性を有する箇所をカーボンテープ、それよりも硬い箇所をマイカとする。
具体的には、φ25×8のアルミ製ピンスタブ(イーエムジャパン製)表面にSEM用カーボン両面テープE3605(イーエムジャパン製)を貼り付け、その上にφ10に打ち抜いたマイカを貼り付ける。
このピンスタブを分散器 NEBULA 1(Phenom−World製)内に設置し、トナーを分散器のサンプル投入口に起き、分散器内を10kPaに減圧後、Φ25mmのサンプル投入口を約0.1秒開放し、トナーを分散器内に導入する。トナー試料の導入により、分散器内の圧力は20kPaに上昇する。尚、このような条件下では、トナーは、前記ピンスタブの基板に約7.3m/secの空気の流れに乗り衝突する。次に、その状態を1分間保持した後、分散器内を常圧にし、ピンスタブを取り出す。分散器内を常圧にする際には、約10kPa/5秒の速度で空気を分散器内に導入する。
ピンスタブ表面のカーボンテープ、マイカ上の無機微粒子の粒径を卓上SEM proX PREMIUM(PHENOM−WORLD製)でSEM観察し、パーティクルメトリックソフトウェア(PHENOM−WORLD製)で粒径分布測定を行った結果について記載する。
カーボンテープ上のトナーのSEM観察は、181及び13.5μm角の視野領域でランダムに10箇所SEM写真を撮影した。181μm角で撮影したSEM写真の一枚を図2に示す。カーボンテープ上にはトナー粒子のみしか観察されず、外添剤の遊離は全く観察できなかった。
パーティクルメトリックソフトウェアでSEM写真10枚分のトナーの総数を測定したところ、トナー粒子は586個/mmの密度で存在していることが分かった。
同様にマイカ上を13.5μm角の視野領域でSEM写真を10枚撮影した。SEM写真はランダムに撮影したが、SEM写真中にトナーがない場所を選び撮影した。マイカ上のSEM写真の一例を図3に示す。
マイカ上には無機微粒子が多数観察された。パーティクルメトリックソフトウェアでSEM写真10枚分の無機微粒子の総数を測定したところ、無機微粒子は8477366個/mmの密度で存在していることが分かった。
これにより、このトナーの場合、トナー粒子1個から無機微粒子が1446個遊離することが分かった。
<トナー母体粒子>
前記トナー母体粒子は、結着樹脂を含有し、更に必要に応じて、着色剤、離型剤、帯電制御剤などのその他の成分を含有してもよい。
<<結着樹脂>>
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン/酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン/エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などが挙げられる。
前記スチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体)としては、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン/クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体(スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/メタクリル酸エステル共重合体(スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
これらの樹脂の製造法としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などが利用できる。
これらの樹脂は、単独使用に限らず、二種以上併用することも可能である。
本発明に用いられる結着樹脂は、低温定着性の観点からポリエステル樹脂であるのがより好ましい。前記ポリエステル樹脂としては、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合によって通常得られるものが使用可能である。
前記アルコール成分としては、例えば、グリコール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA等のエチル化ビスフェノール類、その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体などが挙げる。
前記グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
また、前記カルボン酸成分としては、例えば、二価の有機酸単量体、三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。
前記二価の有機酸単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸などが挙げられる。
前記三価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸などが挙げられる。
特に、ポリエステル樹脂としては、耐熱保存性の関係から、ガラス転移点Tgが55℃以上のものが好ましく、さらに60℃以上のものがより好ましい。
本発明におけるDSC測定(吸熱ピークやガラス転移点Tg)は、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製)を用い、10℃/分で20〜150℃まで昇温して測定する。
−結晶性ポリエステル樹脂の併用について−
前記結着樹脂に結晶性ポリエステルを含有させると、そのシャープメルト性により、トナーに低温定着性及び耐熱保存性を付与することができる。
結着樹脂に結晶性ポリエステルを併用する場合DSC(示差走査熱量測定)によるトナーの吸熱ピーク測定にて、90〜130℃の範囲に結晶性ポリエステル樹脂に起因する吸熱ピークを有することが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂に起因する吸熱ピークが90〜130℃の範囲に存在すると、結晶性ポリエステル樹脂が常温では溶融せず、かつ、比較的低温な定着温度領域でトナーが溶融し、記録媒体に定着できるため、耐熱保存性と低温定着性をより効果的に発現させることができる。
また、吸熱ピークの吸熱量が1J/g以上、15J/g以下であることが好ましい。
吸熱量が1J/g以上であると、トナー中で有効にはたらく結晶性ポリエステル樹脂の量が少なすぎるため、結晶性ポリエステル樹脂の機能が十分に発揮されないという問題を有効に防止することができる。吸熱量が15J/g以下であると、トナー中で有効な結晶性ポリエステル樹脂の量が過剰であるため耐熱保存性の低下を招くという問題を有効に防止することができる。
「DSC測定」
本発明におけるDSC測定(吸熱ピーク、ガラス転移温度Tg)は、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製)を用い、10℃/分で20〜150℃まで昇温して測定する。
本発明では結晶性ポリエステル由来の吸熱ピークは、結晶性ポリエステルの融点である80〜130℃付近に存在するものであり、吸熱量はベースラインと吸熱曲線で囲まれた範囲の面積から求められる。一般的に、DSC測定における吸熱量は温度上昇を二度行って測定を行なうことが多いが、本発明における吸熱ピーク及びガラス転移温度の測定は一度目の昇温の際の吸熱曲線を用いて導き出す。
結晶性ポリエステル由来の吸熱ピークがワックスの吸熱ピークと重なる場合には、重なったピークの吸熱量からワックス分の吸熱量を減算する。ワックス分の吸熱量は、ワックス単独の吸熱量とトナー中のワックス含有量から計算される。
前記結晶性ポリエステル樹脂とは、主鎖が規則的に配向する結晶構造をとっている割合が特に高く、融点近傍で樹脂の粘度が大きく変化するポリエステル樹脂のことを指す。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、例として、アルコール成分として、炭素数2〜12の飽和脂肪族ジオール化合物(特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、及びこれらの誘導体)と、少なくとも酸成分として、二重結合(C=C結合)を有する炭素数2〜12のジカルボン酸、若しくは、炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸(特にフマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸、及びこれらの誘導体)を用いて合成される結晶ポリエステル樹脂が好ましい。
中でも、吸熱ピーク温度と吸熱ショルダー温度との差をより小さくする点で、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、及び1,12−ドデカンジオールのいずれか一種類のアルコール成分と、フマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、及び1,12−ドデカン二酸のいずれか一種類のジカルボン酸成分のみで構成されることが好ましい。
また、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性及び軟化点を制御する方法としては、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステルなどを設計、使用するなどの方法が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全結着樹脂100質量%に対して0質量%〜15質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、5質量%以下であると、低温定着性に対する効果が十分に得られる。また、結晶性ポリエステル樹脂は耐ストレス性が相対的に低いので前記含有量が15質量%以下であると、トナー母体表面の結晶性ポリエステル樹脂部に外添剤が埋没してしまうので保存性が悪化するという問題を有効に防止することができる。
<<<着色剤>>>
本発明のトナーに用いる着色剤としては、例えばカーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染料や顔料など、従来公知の染料や顔料を使用することができる。これらは、単独あるいは混合して使用することが可能であり、ブラックトナーとしてもフルカラートナーとしても使用できる。
これらの着色剤の含有量は、トナーの結着樹脂成分に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。
<<<離型剤>>>
前記離型剤としては、従来公知のものが使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックスやフィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックスや蜜ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド、合成エステルワックス等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。
これら離型剤の中でも、カルナウバワックス及びその変性ワックスやポリエチレンワックス、合成エステル系ワックスが好適に用いられる。
これら離型剤は、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
また、これらの離型剤の含有量は、トナーの結着樹脂対して2質量%〜15質量%が好適である。2質量%以上であれば、ホットオフセット防止効果があり、15質量%以下であれば、転写性、耐久性の低下を防止できる。
離型剤の融点は、70℃〜150℃であることが好ましい。70℃以上であれば、トナーの耐熱保存性の低下を防止できる。150℃以下であれば、離型性の効果を発揮できる。
<<<帯電制御剤>>>
前記帯電制御剤としては、特に限定されないが、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、リンの単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料等が挙げられ、二種以上併用してもよい。 これら以外の帯電制御剤としては、スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩基等の官能基を有する高分子化合物が挙げられる。
これらの帯電制御剤の含有量は、トナーの結着樹脂成分に対し、0.1質量%〜10質量%、好ましくは1質量%〜5質量%である。
<無機微粒子>
前記トナー母体粒子に対して、前記無機微粒子を外添する。本発明では、少なくとも2種類以上の無機微粒子を使用する。ここで種類が異なるとは、無機微粒子における一次粒子の個数平均粒径が異なるものや材質が異なるものというが、本発明では、一次粒子の個数平均粒径が異なる少なくとも2種類以上の無機微粒子を使用することが好ましい。
トナー中に含有される前記無機微粒子の含有量は、複数種類の無機微粒子の含有量を合計した値で、前記トナー母体粒子に対し、1.0質量%〜3.5質量%である。
前記トナー母体粒子に外添剤として添加する前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、フッ素化合物、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この中でも、前記無機微粒子が、シリカ、チタン、アルミナ、フッ素化合物から選ばれる酸化物もしくは複合酸化物を少なくとも1種類含有していることが、良好な流動性が得られるため好ましい。
シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカ、ゾル−ゲル法により製造されるゾルゲルシリカなどが挙げられる。無機微粒子としては、表面及びシリカ微粒子の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SOの少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって製造された、シリカと他の金属酸化物の複合微粒子であってもよい。
前記無機微粒子は、表面を疎水化処理することが、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上等の観点から、好ましい。トナーに添加された無機微粒子が吸湿してしまうと、トナーとしての帯電量が低下し、現像性や転写性の低下が生じ易くなり、耐久性が低下する傾向があるからである。
例えば、前記無機微粒子の疎水化方法としては、無機微粒子と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理する方法などが挙げられる。また、本発明では、疎水化処理された又は疎水化処理されていない無機微粒子をシリコンオイル処理してもよい。
表面処理する疎水化処理剤としては、例えば、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、又は有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で又は併用して用いてもよい。
本発明のトナーに好ましく用いられるシリカ微粒子の処理について好適な例を説明する。
本発明において、シリカ微粒子は原体シリカ微粒子をシリコーンオイルによって処理した後、シラン又はシラザン化合物によって処理されたシリカ微粒子であることが好ましい。 転写性、高温高湿環境下での帯電安定性及び高温保管後の流動性をより高いレベルで成り立たせることが可能となる。
また、シリカ微粒子は原体シリカ微粒子をシリコーンオイルによる処理を行った後に解砕処理を行ったものであることがさらに好ましい。解砕処理を行うことにより、トナーの流動性がさらに高まる。
さらに、本発明において、シリカ微粒子は、シリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粒子における、ヘキサンを用いた抽出シリコーンオイル量が、0.50質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以下であることがより好ましい。この場合、高温保管における遊離オイルの低減が見込め、高温保管後の流動性が良好となり、ベタ画像の追従性が良好になる。
なお、上記抽出シリコーンオイル量は、原体シリカ微粒子をシリコーンオイルで処理する際の、処理量、処理温度によって適宜制御することが可能である。
さらに、本発明において、シリカ微粒子の疎水化率は95%以上100%以下であることが好ましく、97%以上100%以下であることがより好ましい。シリカ微粒子の疎水化率が95%以上である場合、高温高湿環境下保管時の帯電安定性がより向上する。シリカ微粒子の疎水化率は、シラン又はシラザン化合物の処理量及び処理条件により制御することができる。
本発明のシリカ微粒子の処理に用いられるシリコーンオイルとしては特段の制限なく公知のシリコーンオイルを用いることができるが、特にストレートシリコーンが好ましい。
より具体的には、例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、又はメチルハイドロジェンシリコーンオイルなどが挙げられる。
シリコーンオイル処理の方法は、例えばシリカ微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて直接混合してもよいし、原体シリカ微粒子へシリコーンオイルを噴霧しながら撹拌する方法によってもよい。あるいは適当な溶剤(好ましくは有機酸などでpH4に調整)にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、原体シリカ微粒子と混合した後、溶剤を除去して作製してもよい。また、原体シリカ微粒子を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながらアルコール水を添加し、シリコーンオイル系処理液を反応槽に導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去する方法をとってもよい。
本発明のシリカ微粒子の処理に用いられるシラン又はシラザン化合物としては特段の制限なく公知のシラン又はシラザン化合物を用いることができる。
具体的には、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、又はジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。 中でも、処理の均一性及びカップリング結合の確実性の観点から、ヘキサメチルジシラザンを用いることが好ましい。シラン化合物又はシラザン化合物は、一種、あるいは二種以上組み合わせて使用できる。
本発明のシリカ微粒子を得るのに必要なシラン又はシラザン化合物の少なくとも一方による処理は、原体シリカ微粒子を撹拌によりクラウド状としたものに気化したシラン又はシラザン化合物を反応させる乾式処理又は、原体シリカ微粒子を溶媒中に分散させ、シラン又はシラザン化合物を滴下反応させる湿式法のような一般に知られた方法で処理することができる。
本発明において、シラン化合物又はシラザン化合物で処理する場合、原体シリカ微粒子100質量部に対して、シラン化合物又はシラザン化合物を総量で1質量部以上50質量部以下使用するとよい。
尚、シリカ微粒子を他の無機微粒子に代えて、上記した方法と同様の方法により疎水化処理を行うことができる。
前記無機微粒子のうち少なくとも1種類の無機微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が40nm〜200nmの範囲であることが好ましい。個数平均粒径が40nm以上であれば、熱的又は機械的ストレスに強く、また、200nm以下であれば、トナーの流動性の低下を防ぐことができる。したがって、良好な帯電性を維持しつつ、フィルミング防止を図るためには、外添剤としての前記無機微粒子の個数平均粒径は、40nm〜200nmであることが好ましい。また、前記無機微粒子の個数平均粒径は、70nm〜150nmであることがより好ましい。
前記無機微粒子の個数平均粒径は、トナーの個数平均粒径の1/5以下であると好ましく、1/10以下であるとより好ましい。
本発明においては、前記無機微粒子は、複数種類添加させることが好ましく、上記個数平均粒径が40nm〜200nmの無機微粒子に加え、個数平均粒径が2nm〜10nmの無機微粒子も添加させることが好ましい。粒径が大きいものはトナーと部材の接触を抑制するスペーサーとして働き、粒径が小さいものはトナーに流動性を与える。無機微粒子の粒径が大きくなるほどトナーから遊離し易くなるが、無機微粒子をトナーと逆極性の帯電性にすることで、静電気力による付着力を付与し、遊離を抑制することができる。
個数平均粒径2nm〜10nmの無機微粒子は、フィルミング防止とトナーの流動性付与の両方に効果があるという点で好ましい。個数平均粒径2nm以上であれば流動性が良好なうえ、現像プロセスにおけるストレスによりトナー母体粒子への無機微粒子の埋め込みが発生して、トナー粒子の非静電的付着力が増加し、感光体へのフィルミングが悪化するという問題を有効に防止することができる。また、個数平均粒径10nm以下であれば、トナー表面に付着し接触面積を低下させることで流動性の機能が十分発揮されないという問題を有効に防止することができる。
−無機微粒子の粒径測定−
本発明において、無機微粒子の粒径測定は、以下のように行うことができる。無機微粒子を、TEM(透過型電子顕微鏡、日立製H−9000NAR)により観察し、無作為に100粒子を選択し、画像処理ソフト(ニコレ社画像解析装置 Luzex AP)により粒径を算出し、個数平均粒径を求める。
<トナーの特性>
<<トナーの平均粒径>>
本発明のトナーにおいて、その個数平均粒径は、3.0μm以上であることが好ましい。
細線再現性等に優れた高画質を得るためには、個数体積平均粒径が、4μm〜10μmであることがより好ましい。
3μm以上であれば、現像工程におけるクリーニング性、転写工程における転写効率に支障をきたさず、画像品質を良好に保つことができる。10μm以下であれば、画像の細線再現性を良好に保つことができる。
−トナー個数平均粒径−
トナー個数平均粒径の測定は、種々の方法によって測定可能であるが、例えば米国コールター・エレクトロニクス社製のコールターマルチサイザーIIIを使用することができる。
<<平均円形度>>
本発明のトナーにおいて、その平均円形度は、0.910から0.975であることが好ましい。
特にトナーが、以下で記載するトナーの製造方法のうち、重合法により製造されたトナーである場合には、0.930から0.975の平均円形度のものが得られやすく、また、粉砕法により製造されたトナーである場合には、0.910から0.965の平均円形度のものが得られやすい。
−平均円形度−
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000(東亜医用電子株式会社製)により計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1mL〜0.5mL加え、更に測定試料を0.1g〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000個/μL〜1万個/μLとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
<<シェル構造の平均厚み>>
前記トナーに対し、ルテニウム染色によるトナー断面観察をしたとき、前記トナーは、コントラスト差による組成の異なるコア・シェル構造を有し、そのシェル構造の平均厚みは、前記トナーの個数平均粒径に対して1/60〜1/10であることが母体トナー表面の硬度を適切にし、外添剤の埋没や遊離を防ぐことから好ましい。
シェル構造の平均厚みは、具体的には以下のように測定することができる。
トナーをエポキシ系樹脂に包埋して硬化させた後、ナイフで断面出しして、ウルトラミクロトームULTRACUT UCT(Leica社製)を用いて、厚さが80nmのトナーの超薄切片を作製する。次に超薄切片を四酸化ルテニウムで5分間ガス暴露することでシェルとコアを識別染色する。さらに、TEM(透過型電子顕微鏡)H7000(日立ハイテク社製)を用いて、加速電圧100kVでトナーの超薄切片を観察し、シェルの厚さを測定する。 このとき、トナー10粒子のシェルの厚さを測定し、平均値を算出する。
個数平均粒径が6μmのトナーに対して、ルテニウム染色をしたとき、コントラストの違うシェル層が表面に100nm〜600nmの平均厚みで観察される。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーは、前記トナー母体粒子に対し、前記無機微粒子を外添することにより得ることができる。
前記トナー母体粒子は、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合、分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等の各種製造方法により得ることができる。
本発明のトナーにおいては、高画質高精細の画像を出力させるべく、小粒径で球形に近いトナーであることが好ましい。このため、トナーの製造方法としては、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等が好ましい。
<<懸濁重合法>>
油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤、帯電制御剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で乳化法によって乳化分散する。このときに、離型剤を分散させる撹拌速度、温度等の条件によって離型剤粒径を制御する。その後、重合反応を行い粒子化した後に、本発明におけるトナー母体粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えばよい。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
前記重合性単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有すものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
<<乳化重合凝集法>>
水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途、着色剤、粒径を制御した離型剤、帯電制御剤等を水系媒体中に分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナー母体粒子を得る。その後に、無機微粒子の湿式処理を行えばよい。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
<<ポリマー懸濁法>>
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。トナー組成物の油相には、結着樹脂、プレポリマー、顔料等の着色剤、粒径を制御した離型剤、帯電制御剤等を揮発性溶剤に溶解又は分散する。
水系媒体中に、トナー組成物からなる油相を界面活性剤、固体分散剤等の存在下で分散させ、プレポリマーの反応を行わせて粒子化する。その後に無機微粒子の湿式処理を行えばよい。
<<乾式粉砕法>>
粉砕系の一例としては、少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤を含む原材料を機械的に乾式混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また、着色剤の分散性を向上させるために着色剤をマスターバッチ処理後、他の原材料と混合し、次工程へ処理してもよい。
機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。トナーを混練する具体的な装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、個数平均粒径が3μm〜10μmになるように行うのが望ましい。
さらに、粉砕物は風力式分級機等により、2.5μm〜20μmに粒度調整される。
粉砕法において、原材料を溶融混練させた後の冷却工程にて、混練物の厚さを2.5mm以上にするのが好ましく、2.5mm以上8mm以下にするのがより好ましい。混練物の冷却速度が遅くなり、混練物中で溶融している結晶性ポリエステル樹脂の再結晶が行なわれる時間が長くなるため、再結晶が促進され、結晶性ポリエステル樹脂の機能をより効果的に発揮させることができる。再結晶を促進させるには前述のように脂肪酸アミドを配合するのも有効な手段ではあるが、このように製造工程を調整することでも効果が得られる。混練物の厚さに上限はないが、8mmより厚くすると、粉砕工程において効率が著しく低下すること、また、ピーク比C/Rが高くなるため、8mm以下の厚さに留めることが好ましい。
次いで、トナー母体粒子へ無機微粒子の外添が行われる。トナー母体粒子と無機微粒子とをミキサー類を用い混合・攪拌することにより、外添剤である前記無機微粒子は解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。
使用できる混合装置としては、粉体を混合できる限り特に制限はなく、公知の装置を用いることができ、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、Qミキサーなどが挙げられる。これらの混合装置は、ジャケット等を装備して内部の温度を調節できるものが好ましい。
無機微粒子のトナー母体表面への付着強度は混合装置の回転羽の周速を変更したり、混合・攪拌時間を変更することにより、制御できる。また、混合装置内へ熱を付与しながら無機微粒子を外添すると、表面が軟化し、無機微粒子をトナー母体表面へ埋め込ませることができるため、トナー母体表面への付着強度を制御できる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、磁性キャリア、樹脂キャリアが挙げられる。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対してトナー1質量部〜10質量部が好ましい。
前記キャリアは、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
(トナー収容ユニット)
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体(像担持体ともいう)と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段のから選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
本発明のトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、常温常湿だけでなく、特に低温低湿環境下において長期に渡って繰り返し使用しても感光体上の外添剤によるフィルミングに起因する異常画像が発生せず、高い画像濃度が安定して確保できる前記トナーの特徴を活かし、長期的な画像安定性を有し、かつ高品質・高精細な画像を形成することができる。
(画像形成装置、及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
本発明の画像形成装置は、より好ましくは、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含む。
また、本発明の画像形成方法は、より好ましくは、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含む。
前記現像手段、及び前記現像工程において、前記トナーが使用される。好ましくは、前記トナーを含有し、更に必要に応じて、キャリアなどのその他の成分が含有された現像剤を用いることにより、前記トナー像を形成するとよい。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。
<静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
<現像手段>
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
次に、本発明の画像形成装置により画像を形成する方法を実施する一の態様について、図4を参照しながら説明する。
図4は、その画像形成装置の一例の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム(以下、感光体という)110の回りには、帯電装置としての帯電ローラ120、露光装置130、クリーニングブレードを有するクリーニング装置160、除電装置としての除電ランプ170、現像装置140、中間転写体としての中間転写体150とが配設されている。中間転写体150は、複数の懸架ローラ151によって懸架され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成されている。この懸架ローラ151の一部は、中間転写体へ転写バイアスを供給する転写バイアスローラとしての役目を兼ねており、図示しない電源から所定の転写バイアス電圧が印加される。また、中間転写体150のクリーニングブレードを有するクリーニング装置190も配設されている。また、中間転写体150に対向し、最終転写材としての転写紙1100に現像像を転写するための転写手段として転写ローラ180が配設され、転写ローラ180は、図示しない電源装置により転写バイアスを供給される。そして、中間転写体150の周りには、電荷付与手段としてのコロナ帯電器152が設けられている。
現像装置140は、現像剤担持体としての現像ベルト141と、現像ベルト141の回りに併設した黒(以下、Bkという)現像ユニット145K、イエロー(以下、Yという)現像ユニット145Y、マゼンタ(以下、マゼンタという)現像ユニット145M、シアン(以下、Cという)現像ユニット145Cとから構成されている。 また、現像ベルト141は、複数のベルトローラに張り渡され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成され、上記感光体110との接触部では感光体110とほぼ同速で移動する。
各現像ユニットの構成は共通であるので、以下の説明はBk現像ユニット45Kについてのみ行ない、他の現像ユニット145Y、145M、145Cについては、図中でBk現像ユニット145Kにおけるものと対応する部分に、該ユニットにおけるものに付した番号の後にY、M、Cを付すに止め説明は省略する。Bk現像ユニット145Kは、トナー粒子とキャリア液成分とを含む、高粘度、高濃度の液体現像剤を収容する現像タンク142Kと、下部を現像タンク142K内の液体現像剤に浸漬するように配設された汲み上げローラ143Kと、汲み上げローラ143Kから汲み上げられた現像剤を薄層化して現像ベルト141に塗布する塗布ローラ144Kとから構成されている。塗布ローラ144Kは、導電性を有しており、図示しない電源から所定のバイアスが印加される。
なお、本実施形態に係る複写機の装置構成としては、図4に示すような装置構成以外にも、図5に示すような、各色の現像ユニット145を感光体110の回りに併設した装置構成であってもよい。
続いて、本実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。図4において、感光体110を矢印方向に回転駆動しながら帯電ローラ120により一様帯電した後、露光装置130により図示しない光学系で原稿からの反射光を結像投影して感光体110上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置140により現像され、顕像としてのトナー像が形成される。現像ベルト141上の現像剤層は、現像領域において感光体との接触により薄層の状態で現像ベルト141から剥離し、感光体110上の潜像の形成されている部分に移行する。この現像装置140により現像されたトナー像は、感光体110と等速移動している中間転写体150との当接部(一次転写領域)にて中間転写体150の表面に転写される(一次転写)。3色又は4色を重ね合わせる転写を行う場合は、この工程を各色ごとに繰り返し、中間転写体150にカラー画像を形成する。
中間転写体上の重ね合せトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器152を、中間転写体150の回転方向において、感光体110と中間転写体150との接触対向部の下流側で、かつ中間転写体150と転写紙1100との接触対向部の上流側の位置に設置する。そして、コロナ帯電器152が、該トナー像に対して、該トナー像を形成するトナー粒子の帯電極性と同極性の真電荷を付与し、転写紙1100へ良好な転写がなされるに十分な電荷をトナー像に与える。上記トナー像は、コロナ帯電器152により帯電された後、転写ローラ180からの転写バイアスにより、図示しない給紙部から矢印方向に搬送された転写紙1100上に一括転写される(二次転写)。この後、トナー像が転写された転写紙1100は、図示しない分離装置により感光体110から分離され、図示しない定着装置で定着処理がなされた後に装置から排紙される。一方、転写後の感光体110は、クリーニング装置160によって未転写トナーが回収除去され、次の帯電に備えて除電ランプ170により残留電荷が除電される。カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過する。
−タンデム型カラー画像形成装置−
本発明による画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置としても使用できる。タンデム型カラー画像形成装置の実施形態の一例について説明する。タンデム型の電子写真装置には、図6に示すように、各感光体1上の画像を転写装置2により、シート搬送ベルト3で搬送するシートsに順次転写する直接転写方式のものと、図7に示すように、各感光体1上の画像を1次転写装置2によりいったん中間転写体4に順次転写して後、その中間転写体4上の画像を2次転写装置5によりシートsに一括転写する間接転写方式のものとがある。2次転写装置5は転写搬送ベルトであるが、ローラ形状方式もある。
直接転写方式のものと、間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体1を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置7を配置しなければならず、シート搬送方向に大型化する欠点がある。これに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設置することができる。給紙装置6及び定着装置7をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには、定着装置7をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなる。そのため、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、シートsの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着装置7を通過するときのシート搬送速度と、転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。
これに対し、後者は、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
以上のようなことから、最近は、タンデム型電子写真装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
そして、この種のカラー電子写真装置では、図7に示すように、1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置8で除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。
図8は、この発明の一実施の形態を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真装置である。図中、符号100は、複写装置本体、符号200は、それを載せる給紙テーブル、符号300は、複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、符号400は、さらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。
そして、図8に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
そのタンデム画像形成装置20の上には、図8に示すように、さらに露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、このような2次転写装置22及び定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。又は、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動した後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33及び第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14・15・16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写装置本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
又は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
(トナー母体粒子1の製造)
<結晶性ポリエステル樹脂1の合成>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール1,200部と、テレフタル酸1,200部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.4部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスで不活性雰囲気とし、機械攪拌にて180rpmで7時間攪拌を行った。その後、減圧下にて210℃まで徐々に昇温を行い1.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、[結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。
得られた[結晶性ポリエステル樹脂1]の数平均分子量は4,800、重量平均分子量は15,000、融点は110℃であった。
<非晶性ポリエステル樹脂1の合成>
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物660部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物103部、テレフタル酸283部、イソフタル酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で5時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応させた。次に、無水トリメリット酸35部を加え、常圧下、180℃で2時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂1を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂1の数平均分子量は3,500、重量平均分子量は18,000、ガラス転移点(Tg)は58℃、酸価は25mgKOH/g、水酸基価は52mgKOH/gであった。
−トナー母体粒子1の処方−
結晶性ポリエステル樹脂1 10質量部
非晶性ポリエステル樹脂1 90質量部
着色剤(カーボンブラック): 10質量部
離型剤:カルナウバワックス(融点:81℃) 4質量部
帯電制御剤:モノアゾFe金属錯体 2質量部
上記の処方に従いへンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM20B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で混練部120℃、送り部100℃にて溶融、混練した。得られた混練物は、ローラにて2.7mmの厚さに圧延した後にベルトクーラーにて室温まで冷却し、ハンマーミルにて200μm〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で個数平均粒径が7.0±0.2μmとなるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子1を得た。このときのトナー母体粒子の平均円形度は0.930であった。また断面観察によるコア・シェル層は確認されなかった。
(無機微粒子の製造)
<シリカ微粒子1の製造>
−解砕処理あり−
撹拌機付きオートクレーブに、一次粒子の個数平均粒径が7nmのシリカ微粒子基体(A1)(日本アエロジル製)を投入し、その後、撹拌による流動化状態において、温度200℃に加熱し、基体物1を得た。
反応槽内を撹拌しながら、基体物1 100質量部に対し、10質量部のジメチルシリコーンオイル(粘度=50cs)を噴霧し、30分間撹拌を続けた後、撹拌しながら300℃まで昇温させてさらに2時間撹拌した。その後、取り出し、ピン式解砕装置を用いて解砕処理を行った。次に、反応器内部を窒素ガスで置換して反応器を密閉し、基体物1の100質量部に対し、10質量部のヘキサメチルジシラザンを内部に噴霧してシラン化合物処理を行った。
この反応を60分間継続した後、反応を終了した。 反応終了後、オートクレーブを脱圧し、窒素ガス気流による洗浄を行い、過剰のヘキサメチルジシラザン及び副生物を除去した。その後、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)で1pass解砕処理し、解砕処理ありのシリカ微粒子1を得た。
尚、上記ピン式解砕装置による解砕処理は、20LのQミキサーにジメチルシリコーンオイル処理した基体物1を投入し、周速度50m/sで1分間解砕した。
−解砕処理なし−
上記ピン式解砕装置による解砕処理を除いた以外は同様の方法により、解砕処理なしのシリカ微粒子1を得た。
<シリカ微粒子2の製造>
−解砕処理あり−
撹拌機付きオートクレーブに、一次粒子の個数平均粒径が45nmのシリカ微粒子基体(A4)(日本アエロジル製)を投入し、その後、撹拌による流動化状態において、温度200℃に加熱し、基体物2を得た。
上記解砕処理ありのシリカ微粒子1の製造方法において、基体物1に代えて基体物2を用いた以外は、シリカ微粒子1の製造方法と同様にして、解砕処理ありのシリカ微粒子2を得た。
−解砕処理なし−
上記ピン式解砕装置による解砕処理を除いた以外はシリカ微粒子2の製造方法と同様の方法により、解砕処理なしのシリカ微粒子2を得た。
<酸化チタン微粒子1>
第1処理工程として、一次粒子の個数平均粒径15.0nmの針状のルチル型酸化チタン微粒子(テイカ製)100質量部に対して、10質量部のイソブチルトリメトキシシランを噴霧し、酸化チタン微粒子が流動した状態でシラン化合物による処理を行った。この反応を60分間継続した後、反応を終了した。第2処理工程として、第1処理工程によって生成した酸化チタン微粒子に対し、10質量部のジメチルシリコーンオイルを噴霧し、30分間撹拌を続けた。その後、撹拌しながら温度を190℃まで昇温させてさらに3時間撹拌することによって、ジメチルシリコーンオイルを酸化チタン微粒子表面に焼き付け、反応を終了した。その後、酸化チタン微粒子の凝集体がなくなるまで、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で繰り返し解砕処理を行ない、一次粒子の個数平均粒径が15nmである酸化チタン微粒子1を得た。
<シリカ微粒子3の製造>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を有するガラス製反応器に、アルコール溶媒としてメタノールを693.0g、水を46.0g、及び28質量%のアンモニア水を55.3g添加して、メタノール、水、及びアンモニアの混合溶液を作製した。得られた混合溶液を反応温度35℃に調整し、反応温度を保ちながら撹拌し、テトラメトキシシランを1293.0g(8.5モル)、及び、5.4質量%のアンモニア水を464.5g同時に滴下開始した。このとき、テトラメトキシシランの滴下時間を8時間として滴下した。なお、アンモニア水はテトラメトキシシランよりも1時間早く滴下が終了するように滴下速度を調整した。テトラメトキシシランの滴下が終了後、1時間撹拌を続けて加水分解を行い、ゾルゲルシリカ微粒子のメタノール−水分散液を得た。次いで、該分散液を75℃に加熱してメタノールを1,320g留去し、その後、1,320gの水を加えた。そして、該分散液を90℃に加熱してメタノールを532.4g留去することにより、ゾルゲルシリカ微粒子の水性分散液を得た。この水性分散液にメチルイソブチルケトンを1,584g添加した後、90℃〜110℃に加熱し、15時間かけてメタノールと水の混合物を1,474g留去した。得られたゾルゲルシリカ微粒子のメチルイソブチルケトン分散液を25℃まで冷却した後、表面処理剤としてヘキサメチルジシラザンを322g(2.0モル、SiO単位1モルに対して0.24モル)添加し、130℃に加熱して、7時間反応させることにより、ゾルゲルシリカ微粒子に表面処理を施した。この分散液から溶媒を80℃で減圧留去することにより、一次粒子の個数平均粒径が110nmのシリカ微粒子3を得た。
(トナー母体粒子2の製造)
<樹脂粒子分散液1>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イオン交換水683部、メタクリル酸のエチレンオキサイド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩エレミノールRS−30(三洋化成工業社製)11部、ポリ乳酸10部、スチレン60部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル70部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3.8×10rpmで40分間撹拌した。次に、75℃まで昇温して5時間反応させた後、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で7時間熟成し、樹脂粒子分散液1を得た。
レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所社製)を用いて、樹脂粒子分散液1の体積平均粒径を測定したところ、320nmであった。また、樹脂粒子分散液1の樹脂を単離したところ、ガラス転移点が59℃であり、重量平均分子量が6×10であった。
<中間体ポリエステル1>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物264部、テレフタル酸208部、アジピン酸80部及びジブチルスズオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で9時間反応させた後、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時聞反応させた。次に、無水トリメリット酸35部を加え、常圧下、180℃で2時間反応させ、中間体ポリエステル1を得た。中間体ポリエステル1は、数平均分子量が1.8×10、重量平均分子量が3.5×10、ガラス転移点が38℃、酸価が25KOHmg/gであった。
<プレポリマー1>
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、410部の中間体ポリエステル1、イソホロンジイソシアネート89部及び酢酸エチル500部を入れ、100℃で5時間反応させ、プレポリマー1を得た。プレポリマー1は、遊離イソシアネートの含有量が1.53質量%であった。
<ケチミン1>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応させ、ケチミン1を得た。ケチミン1は、アミン価が417KOHmg/gであった。
<水系媒体1>
イオン交換水990部、83部の樹脂粒子分散液1、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液エレミノールMON−7(三洋化成工業社製)37部及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の水系媒体1を得た。
<マスターバッチ1>
イオン交換水1,200部、DBP吸油量が42mL/100mg、pHが9.5のカーボンブラックのPrintex35(デクサ社製)540部、及び1,200部のポリエステル1を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合し、2本ロールを用いて110℃で1時間混練した後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、マスターバッチ1を得た。
<分散液1>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、378部のポリエステル1、ガラス転移点が71℃のパラフィンワックス100部及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌しながら、80℃まで昇温して5時間保持した後、1時間で30℃まで冷却した。次に、500部のマスターバッチ1及び酢酸エチル500部を加えて、1時間混合した。得られた混合液1,324部を容器に移し、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度を1kg/時、ディスクの周速度を6m/秒とし、粒径が0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散させた。次に、ポリエステル1の65質量%酢酸エチル溶液1,324部を加え、上記の条件のビーズミルで2パスし、分散液1を得た。分散液1を130℃で30分間乾燥させたところ、固形分濃度が50質量%であった。
<乳化スラリー1>
749部の分散液1、115部のプレポリマー1及び2.9部のケチミン1を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、5×10rpmで2分間混合した後、1,200部の水系媒体1を加え、TKホモミキサーを用いて、1.3×10rpmで25分間混合し、乳化スラリー1を得た。
<分散スラリー1>
撹拌機及び温度計をセットした容器に、乳化スラリー1を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、40℃で24時間熟成し、分散スラリー1を得た。
<濾過ケーキ>
100部の分散スラリー1を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーを用いて、1.2×10rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーを用いて、1.2×10rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサーを用いて、1.2×10rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーを用いて、1.2×10rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
<トナー母体粒子2>
得られた濾過ケーキを、循風乾燥機を用いて、45℃で48時間乾燥した後、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子2を得た。このときのトナー母体粒子2の平均円形度は0.960、個数平均粒径は6.0μmであった。また、断面観察によるシェル構造の平均厚みは700nmであった。
−数平均分子量及び質量平均分子量の測定−
数平均分子量及び質量平均分子量は、以下のように測定した。なお、以下、全ての合成例における数平均分子量及び質量平均分子量も同様の条件で測定した。
装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel
SuperHZM−Mx3
温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
流速:0.35mL/分
試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.01mL注入
以上の条件で測定したトナー樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出した。単分散ポリスチレン標準試料としては、5.8×100〜7.5×1,000,000の範囲のものを10点使用した。
−酸価の測定−
酸価は、以下のようにして測定した。なお、以下、全ての合成例における酸価も同様の条件で測定した。
三角フラスコに試料を1g〜1.5gを精秤し、これにキシレン20mLを加えた後、加熱溶解した。溶解後ジオキサン20mLを加え、液が濁り又はかすみを生じない間にN/10水酸化カリウム標準メタノール溶液で1%フェノールフタレイン溶液を指示薬としてできるだけ早く滴定した。同時に空試験を行った。
酸価=[5.61×(A−B)×f]/S
但し、
A:本試験に要したN/10水酸化カリウム標準メタノール溶液のmL数
B:空試験に要したN/10水酸化カリウム標準メタノール溶液のmL数
f:N/10水酸化カリウム標準メタノール溶液のファクター
S:試料(g)
−水酸基価の測定−
水酸基価は、以下のように測定した。なお、以下、全ての合成例における水酸基価も同様の条件で測定した。
JIS K0070−1966に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行った。
0.5gの中間体ポリエステル1を100mLのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mLを正しく加えた。その後、100℃±5℃の浴中に浸して加熱した。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解した。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁をよく洗浄した。この液をN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差自動手滴定装置(DL―53 Titrator、メトラー・トレド社製)を用いて電位差滴定を行い、水酸基価を求めた。
−ガラス転移点の測定−
示差走査熱量計(DSC−60、株式会社島津製作所製)を用い、10℃/分間で20℃〜150℃まで昇温した際のDSCチャートから求めた。
(トナー母体粒子3の製造)
<樹脂粒子分散液2>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イオン交換水683部、メタクリル酸のエチレンオキサイド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩エレミノールRS−30(三洋化成工業社製)11部、ポリ乳酸20部、スチレン60部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル70部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3.8×10rpmで40分間撹拌した。次に、75℃まで昇温して3時間反応させた後、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成し、樹脂粒子分散液2を得た。
レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所社製)を用いて、樹脂粒子分散液2の体積平均粒径を測定したところ、250nmであった。
また、樹脂粒子分散液2の樹脂を単離したところ、ガラス転移点が61℃であり、重量平均分子量が5.5×10であった。
樹脂粒子分散液1の代わりに、樹脂粒子分散液2を用いた以外は、トナー母体粒子2と同様にして、トナー母体粒子3を得た。
トナー母体粒子3の平均円形度は0.960、個数平均粒径は6.0μmであった。また、断面観察によるシェル構造の平均厚みは400nmであった。
(実施例1)
20Lヘンシェルミキサーにトナー母体粒子1(2kg)に対し、下記表1で示すような割合で、解砕処理されたシリカ微粒子1と酸化チタン微粒子1を投入した。ジャケット冷却水を30℃にし、下記表2に示す条件で混合・撹拌処理し、トナー母体粒子表面にシリカ微粒子1と酸化チタン微粒子1が被覆された、トナー粒子1を得た。
上記で得られたトナー粒子1に対し、下記の真空分散型画像解析法によりカーボンテープとマイカ上の無機微粒子の遊離数を測定した。
φ25×8のアルミ製ピンスタブ(イーエムジャパン製)表面にSEM用カーボン両面テープE3605(イーエムジャパン製)を貼り付け、その上にφ10に打ち抜いたマイカを貼り付けた。
このピンスタブを分散器 NEBULA 1(Phenom−World製)内に設置し、トナーを分散器のサンプル投入口に起き、分散器内を10kPaに減圧後、サンプル投入口を約0.1秒開放し、トナーを分散器内に導入した。トナー試料の導入により、分散器内の圧力は20kPaに上昇した。その状態を1分間保持した後、分散器内を常圧にし、ピンスタブを取り出した。分散器内を常圧にする際には、約10kPa/5秒の速度で空気を分散器内に導入した。
ピンスタブ表面のカーボンテープ、マイカ上の無機微粒子の粒径を卓上SEM proX PREMIUM(PHENOM−WORLD製)でSEM観察し、パーティクルメトリックソフトウェア(PHENOM−WORLD製)で粒径分布測定を行った。
測定結果を表3に示す。
また、トナーが常温常湿および低温低湿環境下で長期に渡って繰り返し使用しても感光体のフィルミングによる異常画像が発生せず、高い画像濃度が安定して確保できるかを、下記評価基準により、評価した。結果を表4に示す。
<評価方法>
本発明では以下の評価機を用いて評価した。
4色の非磁性2成分系の現像部と4色用の感光体を有するタンデム方式のリコー社製フルカラー複写機 imagio MP C4503 の一部をチューニングした評価機を用いて評価した。印字速度は高速印字(45枚/分/A4)で評価した。
<<評価項目>>
1)低温低湿環境でのフィルミング性
温度10℃、相対湿度15%の温湿度環境において、20%画像面積濃度チャートを10,000枚および50,000枚出力した後の感光体に付着した付着成分量を目視により評価した。
全く付着がなく良好なものを◎、わずかに曇りの痕跡が観察されるものを○、曇りのスジが確認できるものを△、曇り面積が多いものを×として評価した。
なお、”◎”、”○”及び”△”と評価されたものは、フィルミング性については実用上問題のないレベルであり、画像濃度ムラも許容範囲である。
2)長期画像濃度安定性
2−1)常温常湿環境
温度23℃、相対湿度50%の温湿度環境において、5%画像面積濃度チャートを30,000枚および100,000枚出力した後、内部パターンを用いて黒ベタ(A3面積)を4枚連続通紙し、4枚目後半の画像濃度をX−Rite938(X−Rite社製)を用いて測定した。
2−2)低温低湿環境
温度10℃、相対湿度15%の温湿度環境において、5%画像面積濃度チャートを5,000枚および10,000枚出力した後、内部パターンを用いて黒ベタ(A3面積)を4枚連続通紙し、4枚目後半の画像濃度をX−Rite938(X−Rite社製)を用いて測定した。
なお、黒ベタ画像の画像濃度は、ID=1.3以上であれば実用上問題ないが、径時で高い画像濃度を安定して維持するのが良い。
3)常温常湿環境下での画像
温度23℃、相対湿度50%の温湿度環境において、5%画像面積濃度チャートを30,000枚および100,000枚出力した後、内部パターンを用いて黒ベタ(A3面積)を4枚連続通紙した。この黒べた画像4枚について、白ポチや白抜けなどの異常画像を目視で確認した。
(実施例2から9)
実施例1において、トナー母体粒子、及び無機微粒子の種類、並びに無機微粒子の含有量を下記表1で示すような割合に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー2から9を得た。
トナー2から9に対し、実施例1と同様の測定及び評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
(実施例10)
トナー4を得た後、このトナーを表面改質装置(サーフュージングシステム・日本ニューマチック工業社製)により以下の条件で熱による表面改質を行い、トナー10を得た。
現像剤供給部;テーブルフィーダー+振動フィーダー
分散ノズル;4本(各90度の対称配置)
噴出角度;30度
熱風流量=6m/min
インジェクションエア流量=0.8m/min
ブロワー風量=10m/min
熱風温度=145℃
Feed量(サンプル供給量):2kg/h
冷風温度=15℃、冷却水温度=5℃
トナー10に対し、実施例1と同様の測定及び評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
(比較例1から4)
実施例1において、トナー母体粒子、及び無機微粒子の種類、並びに無機微粒子の含有量を下記表1で示すような割合に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー12から15を得た。
トナー12から15に対し、実施例1と同様の測定及び評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
(比較例5)
トナー10を得た後、このトナーを実施例10と同様にして熱による表面改質を行い、トナー16を得た。
トナー16に対し、実施例1と同様の測定及び評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 結着樹脂を有するトナー母体粒子と、少なくとも2種類以上の無機微粒子とを含有するトナーであって、
前記無機微粒子を前記トナー母体粒子に対して1.0質量%〜3.5質量%含有し、
トナーを基板に衝突させる真空分散型画像解析法により真空分散器を用いて前記トナーを衝突させた場合、
カーボンテープからなる前記基板に分散した前記無機微粒子の遊離数が前記トナー1粒子あたり10個以下であり、
マイカからなる前記基板に分散した前記無機微粒子の遊離数が前記トナー1粒子あたり200個〜1,800個であり、
前記マイカからなる前記基板に分散した350nm以上500nm以下の前記無機微粒子の遊離数が前記トナー1粒子あたり50個以下であることを特徴とするトナーである。

<2> 前記無機微粒子が、シリカ、チタン、アルミナ、フッ素化合物から選ばれる酸化物又は複合酸化物を少なくとも1種類を含有する前記<1>に記載のトナーである。
<3> 前記無機微粒子のうち、少なくとも1種類は、個数平均粒径が40nm〜200nmの無機微粒子である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 前記無機微粒子のうち、少なくとも1種類は、個数平均粒径が70nm〜150nmの無機微粒子であって、他の1種類は、個数平均粒径が2nm〜10nmの無機微粒子である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 前記トナーに対し、断面観察をした場合、
前記トナーは、コントラスト差による組成の異なるシェル構造を有し、
前記シェル構造の平均厚みが、前記トナーの直径に対して1/60〜1/10であることを特徴とする前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> キャリアと、前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーとを含有することを特徴とする二成分系現像剤である。
<7> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーを収容した、トナー収容ユニットである。
<8> 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含み、
前記トナーが、前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<9> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含み、
前記トナーが、前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナー、前記<6>に記載の二成分現像剤、前記<7>に記載のトナー収容ユニット、前記<8>に記載の画像形成装置、前記<9>に記載の画像形成方法によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特許3129074号公報 特開2014−174341号公報

Claims (9)

  1. 結着樹脂を有するトナー母体粒子と、少なくとも2種類以上の無機微粒子とを含有するトナーであって、
    前記無機微粒子を前記トナー母体粒子に対して1.0質量%〜3.5質量%含有し、
    トナーを基板に衝突させる真空分散型画像解析法により真空分散器を用いて前記トナーを衝突させた場合、
    カーボンテープからなる前記基板に分散した前記無機微粒子の遊離数が前記トナー1粒子あたり10個以下であり、
    マイカからなる前記基板に分散した前記無機微粒子の遊離数が前記トナー1粒子あたり200個〜1,800個であり、
    前記マイカからなる前記基板に分散した350nm以上500nm以下の前記無機微粒子の遊離数が前記トナー1粒子あたり50個以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記無機微粒子が、シリカ、チタン、及びアルミナから選ばれる酸化物又は複合酸化物を少なくとも1種類を含有する請求項1に記載のトナー。
  3. 前記無機微粒子のうち、少なくとも1種類は、個数平均粒径が40nm〜200nmの無機微粒子である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 前記無機微粒子のうち、少なくとも1種類は、個数平均粒径が70nm〜150nmの無機微粒子であって、他の1種類は、個数平均粒径が2nm〜10nmの無機微粒子である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記トナーに対し、断面観察をした場合、
    前記トナーは、コントラスト差による組成の異なるシェル構造を有し、
    前記シェル構造の平均厚みが、前記トナーの直径に対して1/60〜1/10であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. キャリアと、請求項1から5のいずれかに記載のトナーとを含有することを特徴とする二成分系現像剤。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載のトナーを収容した、トナー収容ユニット。
  8. 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含み、
    前記トナーが、請求項1から5のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含み、
    前記トナーが、請求項1から5のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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