JP4982233B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物およびそのフィルム - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物およびそのフィルム Download PDF

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Description

本発明はポリプロピレン系樹脂組成物、および、それからなるポリプロピレン系フィルムに関するものである。さらに詳しくは、フィルムの耐ブロッキング性に優れ、フィルムを長時間生産した際、メヤニやフィッシュアイを発生しにくいポリプロピレン系樹脂組成物、および、それからなるポリプロピレン系フィルムに関するものである。
ポリプロピレン系フィルムは透明性や剛性、フィルム強度、ヒートシール性能に優れるだけでなく、食品と接した場合の衛生性にも優れる為、食品包装用途を中心に使用されてきた。最近ではコンビニエンスストアの普及に伴い内容物の個包装化が進んでおり、それぞれの用途にあったフィルム性能の改良が進められている。
例えばスナック菓子用包装フィルムの場合、内容物の酸化劣化を防ぐ為にアルミニウム蒸着が行われる事が多いが、配合する添加剤の種類や量により、アルミニウム蒸着膜とポリプロピレン系フィルムとの接着強度が低下する事が問題となっている。
特に蒸着強度低下で問題となるのは、フィルムの滑り性や耐ブロッキング性を改良する為に配合する脂肪酸アミドであり、これら添加剤を配合しないでフィルム製膜した場合、フィルムの透明性と耐ブロッキング性のバランスが悪化する。
現在は、耐ブロッキング性に優れるポリプロピレン系樹脂により改善を図っており、特に低分子量成分の少ない、メタロセン系触媒,Ti−Mg系触媒といった高性能触媒で重合されるポリプロピレン系樹脂が検討されている。
しかしながら、この様な低分子量成分が少ないポリプロピレン系樹脂を大型製膜機で長時間製膜した場合、メヤニと呼ばれる加工不良現象が発生しやすく、フィルム生産性が低下する為に問題となっている。
メヤニとはフィルムが押出されるダイの出口部分に添加剤やPP劣化物が付着する現象で、発生量が増加するとフィルムに傷をつけたり、フィルムに混入してフィッシュアイの原因となる。
特許文献1(特開2005−171117号公報)には、ポリプロピレン系樹脂に亜リン酸エステル類とベンゾフラノン類を配合する事でフィルム成形時のメヤニ付着を低減できる事が記載されている。
しかしながら、上記の公知技術で使用されるベンゾフラノン類には、食品衛生性に劣る可能性があり、多くの用途に適用できないといった課題を有している。
また、亜リン酸エステル類に関しては、特許文献1(特開2002−187985号公報)にもポリプロピレン系樹脂の熱安定性改良効果が高く食品衛生性や蒸着適性にも優れる事が記載され、亜リン酸エステル類とシリカ微粉末を含むポリプロピレン系フィルムも例示されている。しかしながら、この組成物を大型フィルム成形機で製膜した場合、メヤニは改善されるものの、シリカ微粉末が再凝集を起こしてフィッシュアイが多発する問題を有している。
特開2005−171117号公報 特開2002−187985号公報
そこで本発明の目的は、フィルムの耐ブロッキング性や耐傷つき性に優れ、フィルムを長時間生産した際、メヤニやフィッシュアイを発生しにくいポリプロピレン系樹脂組成物、および、それからなるポリプロピレン系フィルムを提供する事にある。
本発明者は鋭意検討の結果、本発明が上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、ポリプロピレン系樹脂に対し、平均粒子径1.0〜5.0μm、見掛比重が0.1〜0.5g/cmであり、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が20%以下である単分散シリカ微粉末0.05〜0.60重量%、および下記一般式(I)で示される亜リン酸エステル類0.01〜0.20重量%を含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物および該組成物からなる層を少なくとも1層以上含むフィルムに関するものである。
Figure 0004982233
(式中、R,R,RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基又はフェニル基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。Xは硫黄原子もしくは−CHR−基(Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を表す。)を表し、nは0又は1である。Aは炭素数2〜8のアルキレン基又は、*−CO(R−基(Rは炭素数1〜8のアルキレン基を、*は酸素原子と結合する部分である事を示し、mは0または1である。)を表す。Y、Zは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、もう一方が水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のポリプロピレン系樹脂は、主にプロピレンからなるモノマーを重合して得られる重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体、主にプロピレンからなるモノマーを重合して得られる重合体成分とプロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなるモノマーを重合させて得られる共重合体成分を少なくとも2段階以上の多段で製造して得られるポリプロピレン系共重合体(プロピレン−エチレンブロック共重合体という事がある。)等が挙げられる。好ましくはプロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体である。これらは単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
α−オレフィンとしては、炭素原子数4〜12のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどが挙げられる。好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、更に好ましくは共重合特性、経済性などの観点から、1−ブテン、1−ヘキセンである。
共重合体中のエチレンおよび/またはα−オレフィンの含有量は、通常0.1〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂の230℃で測定されるメルトフローレート(MFR)は、流動性または製膜製の観点から、好ましくは0.1〜20g/10分であり、さらに好ましくは1〜15g/10分である。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂の分子量分布は、耐ブロッキング性や蒸着適正、フィッシュアイの少なさの点から、GPCで測定される分子量分布(Aw/An)が5以下であることが好ましく、更に好ましくは4以下、最も好ましくは3以下である。
上記の分子量分布を持つプロピレン系樹脂は、例えばマグネシウム化合物にTi化合物を複合化させた固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒、この固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与性化合物などの第3成分を組み合わせた触媒系、及び、メタロセン系触媒を用いることで得られることが挙げられ、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載された触媒系である。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂の重合方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒によるスラリー重合法、溶媒重合法、無溶媒による液相重合法、気相重合法、またはそれらを連続的に行う液相−気相重合法等が挙げられるが、生産性の観点から好ましくは気相重合法、液相−気相重合法などが挙げられる。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂の製造において、必要に応じてポリプロピレン残留溶媒や、製造時に副生する超低分子量のオリゴマーなどを除去するために、ポリプロピレンが融解する温度以下の温度で乾燥を行っても良い。例えば、乾燥方法としては、特開昭55−75410号、特許第2565753号公報に記載された方法等が挙げられる。
本発明で用いられる単分散シリカ微粉末は、平均粒子径が1〜5μm、見掛比重が0.1〜0.5g/cmであり、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が20%以下である単分散シリカ微粉末0.05〜0.6重量%である。
上記単分散シリカ微粉末の配合量が0.6重量%を超えると透明性や光沢が悪化し、0.05重量%に満たないと十分な耐ブロッキング性能を得る事ができない。好ましい単分散シリカ微粉末の配合量は0.1〜0.3重量%である。
本発明で使用する単分散シリカ微粉末は、レーザーカウンターで測定される平均粒子径が1〜5μm、かつ見掛比重が0.1〜0.5g/cmである必要がある。平均粒子径が1μm未満の場合や見掛比重が0.1g/cm未満の場合には無機シリカ微粉末の分散性や耐ブロッキング性能が劣り、粒子径が5μmを超える場合や見掛比重が0.5g/cmを超える場合はフィルム同士が擦れた場合の耐傷つき性に劣る。分散性や耐ブロッキング性能、耐傷つき性の観点から無機シリカ微粉末は、好ましい平均粒子径は1.5〜4μmであり、好ましい見掛比重は0.3〜0.4g/cmである。
上記単分散シリカ微粉末は、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が20%以下である必要がある。1μm以下の粒子数が20%を超えるシリカ微粉末を亜リン酸エステル類と併用する場合、該微粉成分が2次凝集をおこしフィッシュアイの原因となる。
上記単分散シリカ微粉末としては、例えば水澤化学社製ミズパールに代表される多孔質球状シリカなどを用いる事が出来る。
本発明では、特定の亜リン酸エステル類が0.01〜0.2重量%、好ましくは0.01〜0.05重量%配合される。亜リン酸エステル類が0.01重量%に満たない場合にはメヤニ改良効果が得られず、0.2重量%を超えるとフィルム製膜時にシリカ微粉末が再凝集してフィッシュアイになったり、食品衛生性が悪化する。
本発明で用いられる亜リン酸エステル類とは、下記一般式(I)で表される亜リン酸エステル類である。
Figure 0004982233
一般式(I)で表される亜リン酸エステル類において、置換基R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基またはフェニル基を表す。
ここで、炭素原子数1〜8のアルキル基の代表例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i―プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、炭素数5〜8のシクロアルキル基の代表例としては、例えば1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシル基等が挙げられ、炭素原子数7〜12のアラルキル基の代表例としては、例えばベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基などが挙げられる。
、R、Rとして、好ましくは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキル基である。なかでも、R、Rとして、より好ましくはt−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基等のt−アルキル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基である。
として、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基等の炭素原子数1〜5のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基である。
として、好ましくは水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基等の炭素原子数1〜5のpアルキル基である。
置換基Rは、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表すが、炭素原子数1〜8のアルキル基としては、たとえば前記と同様のアルキル基が挙げられる。好ましくは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、より好ましくは水素原子またはメチル機である。
また置換基Xは、nが0である場合、2つのフェノキシ基骨格を有する基が直接結合している事を表し、nが1である場合、硫黄原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは炭素原子数5〜8のシクロアルキル基が痴漢している事もあるメチレン基を表す。
ここで、メチレン記に置換している炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基としては、それぞれ前記と同様のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。置換基Xとしては、好ましくはnが0であり、2つのフェノキシ基骨格を有する基が直接結合している事、または、nが1であり、メチレン基または、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が置換したメチレン基である。
また置換基Aは、炭素原子数2〜8のアルキレン基又は*−CO(R−基(Rは炭素数1〜8のアルキレン基を、*は酸素原子との結合部位である事を示し、mは0または1である。)を表す。
炭素原子数2〜8のアルキ連記の代表例としては、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2、2−ジメチル−1,3−プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。*−CO(R−基としては好ましくは、mが0である*−CO−基、または、mが1でありRとしてエチレンである*−CO(CHCH)−基である。
Y、Zは、そのいずれかの一方がヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシル基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、他方が水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば前記と同様のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えばアルキル部分が前記の炭素数1〜8のアルキル基と同様のアルキルであるアルコキシ基が挙げられる。また炭素数7〜12のアラルキルオキシ基としては、例えばアラルキル部分が前記炭素数7〜12のアラルキルと同様のアラルキルであるアラルキルオキシ基が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には本発明の目的および効果を損なわない範囲で、フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤、アクリレート系酸化防止剤、中和剤を配合する事ができる。
本発明で用いられるフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジーt−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ポロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス−(4−6−ジ−t−ブチルフェノール) (ケミノックス1129)、2,2’−ブチリデン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビタミンEに代表されるα−トコフェノール類等が挙げられる。
上記のフェノール系酸化防止剤の中でも好ましくは、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビタミンEに代表されるα−トコフェノール類から選ばれた少なくとも1種類以上からなるものである。
フェノール系酸化防止剤の配合量は、内容物の味覚臭気やフィルムの着色を問題ない範囲とする為、ポリプロピレン系樹脂に対して0.2重量%以下であることが好ましい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニレンジホスナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) 2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フルオロホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル) エチルホスファイト、2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−5−エチル−5−ブチル−1,3,2−オキサホスホリナン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニルー2,2’−ジイル)ホスファイト等が挙げられる。
リン系酸化防止剤の配合量は、ブラックスペックやチルロール汚れ、味覚臭気を問題ない範囲とする為、ポリプロピレン系樹脂に対して0.2重量%以下であることが好ましい。
中和剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウムや、ハイドロタルサイト、アルカリ土類金属の酸化物または水酸化物等が挙げられる。これらの中和剤は、単独で用いてもよく、少なくとも2種以上を併用してもよい。
ハイドロタルサイトとしては、下記一般式(II)で示されるアニオン交換性の層状化合物が挙げられる。
[M2+1-XM3+X(OH)2X+ [Ar 10x/n・mH2O]X- 式(II)
[M2+1-XM3+X(OH)2X+が基本層であり、[Ar 10x/n・mH2O]X-が中間層である。M2+は、Mg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+等の2価金属のカチオンであり、、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、In3+などの3価金属のカチオンである。Anは、OH、F、Cl、Br、No 、Co 、So 、Fe(CN) 3−、CHCOO、シュウ酸イオン、サリチン酸イオンなどのn価のアニオンであり、nは正の整数である。Xは、0<X≦0.33であり、mは正の整数である。上記ハイドロタルサイトは、天然鉱物であっても、合成品であっても良く、またその結晶構造、結晶粒子径、含水率、表面処理等を問わず使用することができる。好ましくは、下記ハイドロタルサイトである。
Mg4.5Al(OH)13CO・3H
Mg4.5Al(OH)13(CO0.8・O0.2
MgAl(OH)12CO・3H
MgAl(OH)14CO・4H
MgAl(OH)16CO・4HO(天然鉱物)
ZnAl(OH)12CO・mHO(mは0〜4)
MgZnAl(OH)12CO・mHO(mは0〜4)
アルカリ土類金属の酸化物または水酸化物とは、周期表第II族の金属原子の酸化物または水酸化物であり、例えば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが上げられる。好ましくは水酸化カルシウムである。
中和剤の配合量としては、ポリプロピレン系樹脂に対して、0.001〜0.2重量%である事が好ましい。更に好ましくは0.005〜0.05重量%である。配合量が0.001重量%未満の場合、触媒残渣の不活性化が不十分であり、加工機を腐食する事があり、0.2重量%を超えた場合、変色の悪化や安定剤の分解が起こる事があり、また、本発明の効果が飽和してしまい、経済的でない事がある。
本発明で用いられる樹脂組成物には本発明の目的および効果を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の添加剤やその他の樹脂を添加しても良い。その他の添加剤としては、例えば高級脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステルに代表される滑剤、炭素原子数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステルなどの帯電防止剤の他、造核剤、粘着剤、防曇剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
その他の樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテンなどのオレフィン系樹脂、フッ化ビニリデン・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体に代表されるフッ素系樹脂が挙げられ、これらは不均一系触媒で製造されたものでも、メタロセン系触媒に代表される均一系触媒で製造された物でも良い。また、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体やスチレンイソプレン−スチレン共重合体を水添したスチレン系共重合体ゴム、その他のエラストマ−等も挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法としては、均質な組成物を得るように、公知の方法が挙げられる。例えば、ポリプロピレン系樹脂のパウダーと各種添加剤をヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて配合した後、直接ペレット化する方法や、比較的高濃度の添加剤マスターバッチを二軸造粒機等の高混練押出機を用いてペレット化した後、ポリプロピレン系樹脂と配合する方法、添加剤を溶融させて液状でポリプロピレンに添加する方法等が挙げられる。
本発明のポリプロピレンフィルムは、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物からなる単層フィルムであってもよく、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物からなる層を少なくとも1層以上含む積層フィルムであってもよい。積層フィルムの場合、上記ポリプロピレン系樹脂組成物からなる層は、フィルム最表面に構成されることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系フィルムの好ましい厚みは、10〜250μmであり、更に好ましくは30〜150μmである。
本発明のポリプロピレン系フィルムの製造方法としては、公知のインフレーションフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置等を用い、公知の成形加工条件で製膜する方法が挙げられる。中でもTダイフィルム製造装置を用いる製造方法が好ましい。
Tダイフィルム製造装置を用いる場合の公知の成形加工条件例は下記の通りである。
ダイリップから押出される溶融樹脂の温度 … 180〜300℃
ダイリップ部での溶融樹脂の剪段速度 … 10〜1500sec−1
チルロールの回転速度 … 10〜500m/min
チルロールの温度 … 10〜80℃
本発明のポリプロピレン系フィルムが多層フィルムの場合の製造方法としては、通常用いられる共押出法、押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
また本発明のポリプロピレン系フィルムは、事前に成形して得られたフィルムまたはシートを延伸してフィルムを製造する事もできる。延伸方法としては、例えばロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等により一軸または二軸に延伸する方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系フィルムは、金属蒸気をフィルム表面に蒸着させて得られる金属蒸着ポリプロピレンフィルムとしても使用することができる。
金属蒸着ポリプロピレンフィルムの製造方法としては、例えば、本発明のポリプロピレン系フィルムを高真空下に置き、蒸発した金属蒸気を導入してフィルム表面に蒸着させる方法が挙げられる。蒸着させる金属としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、ゲルマニウム、すず、セレンなどが挙げられるが、好ましくはアルミニウムである。アルミニウム蒸着膜のあるみは、通常100〜1000オングストロームであり、好ましくは300〜700オングストロームである。
以下、実施例および比較例によって本発明を説明する。
実施例および比較例の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)分子量分布(GPC)
G.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、下記条件で測定した。なお分子量分布は重量平均分子量(Aw)と数平均分子量(An)との比(Aw/An)で評価した。
機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製);
カラム:Shodex M/S 80;
測定温度:145℃;
溶媒:オルトジクロロベンゼン;
サンプル濃度:5mg/8mL;
検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
(2)透明性(HAZE、単位:%)
JIS K7105に従い測定した。
(3)耐ブロッキング性(単位:kg/12cm2
150mm×30mmのフィルム(製膜方向と長辺方向が一致するように採取した。)を用いて、フィルム同士を重ね合わせ、40mm×30mmの範囲に500gの荷重をかけて80℃で24時間状態調整を行った。その後、23℃、湿度50%の雰囲気下に30分以上放置し、東洋精機製引張試験機を用いて200mm/分の速度で剥離を行い、試料の剥離に要する強度を測定した。
(4)耐傷付き性
平板に積層されたシリコンシートを測定台に設置し、該シリコンシート上に測定用フィルムを固定した。その後、固定された測定用フィルム上に、もう1枚の測定用フィルムを設置して2kgの荷重を掛け、このフィルムを一方向に10回滑らせた。シリコンシート上に固定した側のフィルムHazeを処理前後で測定し、その上昇値△Hazeによって耐傷付き性を評価した。
(5)メヤニ評価
90mmφ押出機および、2台の65mmφ押出機を備えたTダイフィルム加工機を用いて2時間連続のフィルム成形を行い、ダイリップ部へのメヤニ付着状況を評価した。フィルムの成形条件およびメヤニ評価基準は次の通りである。
成形条件
フィルター … 濾過精度60μmの焼結フィルターを使用。
押出機設定温度 … 280℃
ダイ設定温度 … 260℃
ダイリップギャップ … 0.8mm
トータル押出量 … 220kg/hr
フィルム成形速度 … 50m/分
チルロール温度 … 40℃
フィルム厚さ … 70μm
メヤニ評価基準 … ダイに付着しているメヤニの長さを、フィルム押出方向に沿って測定し評価した。
5点 … メヤニが全く付着していない状況。
4点 … メヤニ長さの平均値が0.05mm未満。
3点 … メヤニ長さの平均値が0.05〜0.1mm。
2点 … メヤニ長さの平均値が0.1〜0.2mm。
1点 … メヤニ長さの平均値が0.2mm以上。
(6)フィッシュアイ(FE)評価
メヤニ評価と同様の条件でフィルム製膜を行い、製膜開始2時間後の欠点数を評価した。
欠点評価は、上記Tダイフィルム加工機に設置している欠点検査装置(株式会社ニレコ製 商品名DIPS)を用い、欠点の長さ(フィルム流れ方向に沿った長さ)が0.1mm以上のものの数を測定した。
(7)シリカ微粉末に含まれる直径1μm以下の粒子の比率
走査電子顕微鏡を用いてシリカ微粉末の5,000倍観察を行い、得られた写真の画像解析を行う事で直径1μm以下の粒子の比率を求めた。
実施例および比較例で用いた各成分は以下のとおりである。
[亜リン酸エステル類]
化合物名 : 2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f] [1,3,2]ジオキサホスフェピン
商品名 住友化学製 スミライザーGP
[フェノール系酸化防止剤]
商品名 イルガノックス1010 (チバスペシャリティーケミカルズ社製)
[リン系酸化防止剤]
商品名 イルガフォス168 (チバスペシャリティーケミカルズ社製)
[シリカ微粉末(1)]
商品名 富士シリシア株式会社製ゲル法シリカ 商品名サイリシア420
レーザー回折式粒度分布測定法による平均粒子径が3.0μm、見掛比重0.21g/cm、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が96%であった。
[シリカ微粉末(2)]
商品名 水澤化学株式会社製 商品名ミズパールK300
レーザー回折式粒度分布測定法による平均粒子径が2.7μm、見掛比重0.41g/cm、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が9%であった。
[シリカ微粉末(3)]
商品名 水澤化学株式会社製 商品名シルトンJC30
レーザー回折式粒度分布測定法による平均粒子径が2.9μm、見掛比重0.70g/cm、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が0%であった。
[ポリプロピレン系樹脂(1)]
Ti−Mg系触媒系のチーグラー・ナッタ型触媒を用いて気相中でプロピレンとエチレン、ブテン−1の共重合体を重合した。得られた樹脂粉末は、エチレン含有量が2.2重量%、ブテン−1含有量が4.5重量%であり、分子量分布Aw/Anは3.2であった。
[ポリプロピレン系樹脂(2)]
Ti−Mg系触媒系のチーグラー・ナッタ型触媒を用いて気相中でプロピレンとエチレンの共重合体を重合した。得られた樹脂粉末は、エチレン含有量が4重量%であり、分子量分布Aw/Anは3.8であった。
[ポリプロピレン系樹脂組成物(1)]
上記のポリプロピレン系樹脂(1)に、フェノール系酸化防止剤0.09重量%と亜リン酸エステル類0.05重量%をヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット化した。
[ポリプロピレン系樹脂組成物(2)]
上記のポリプロピレン系樹脂(1)に、フェノール系酸化防止剤0.13重量%をヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット化した。
[ポリプロピレン系樹脂組成物(3)]
上記のポリプロピレン系樹脂(1)に、亜リン酸エステル類0.18重量%をヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット化した。
[高密度ポリエチレン(1)]
商品名 京葉ポリエチレン社製 G1801
[高密度ポリエチレン(2)]
商品名 京葉ポリエチレン社製 G2502
[シリカ微粉末マスターバッチ(1)]
住友化学株式会社製 MB138−1B (シリカ微粉末(1)配合量 … 2.3重量%)
[シリカ微粉末マスターバッチ(2)]
30mmφ異方向2軸造粒機を用い、シリンダー設定温度230℃、押出量20kg/hr、スクリュー回転数300rpmの条件で、ポリプロピレン系樹脂(2)に対しシリカ微粉末(2)2.3重量%、フェノール系酸化防止剤0.15重量%、リン系酸化防止剤0.5重量%を含むペレットを造粒した。
[シリカ微粉末マスターバッチ(3)]
30mmφ異方向2軸造粒機を用い、シリンダー設定温度230℃、押出量20kg/hr、スクリュー回転数300rpmの条件で、ポリプロピレン系樹脂(2)に対しシリカ微粉末(3)2.3重量%、フェノール系酸化防止剤0.15重量%、リン系酸化防止剤0.5重量%を含むペレットを造粒した。
実施例1
ポリプロピレン系樹脂組成物(3)91.5重量%、およびシリカ微粉末マスターバッチ(2)7.0重量%、高密度ポリエチレン(2)1.5重量%をペレットブレンドした後、ろ過精度60μmの金属焼結フィルターを使用した90mmφ押出機、および、2台の65mmφ押出機を用いて280℃で溶融混練し、フィードブロック型のTダイ(ダイ幅1250mm、リップ開度0.8mm)に導入して、ダイ温度260℃で溶融押出を行った。
押し出された溶融膜を50m/分で回転する冷却水温度40℃のチルロールで冷却固化させ、厚さ70μmの未延伸フィルムを2時間製膜しながらメヤニ、フィッシュアイの発生状況を評価した。
前記メヤニ、フィッシュアイ評価終了後、溶融膜の引取速度を135m/minへ増速し、フィルム物性評価用フィルム(厚さ25μm)を得た。
実施例2
ポリプロピレン系樹脂組成物(2)91.5重量%、およびシリカ微粉末マスターバッチ(2)7.0重量%、高密度ポリエチレン(1)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
実施例3
ポリプロピレン系樹脂組成物(1)89.5重量%、およびシリカ微粉末マスターバッチ(2)7.0重量%、高密度ポリエチレン(1)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
比較例1
ポリプロピレン系樹脂組成物(2)91.5重量%、シリカ微粉末マスターバッチ(1)7.0重量%、高密度ポリエチレン(1)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
比較例2
ポリプロピレン系樹脂組成物(3)91.5重量%、シリカ微粉末マスターバッチ(1)7.0重量%、高密度ポリエチレン(2)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
比較例3
ポリプロピレン系樹脂組成物(2)91.5重量%、シリカ微粉末マスターバッチ(2)7.0重量%、高密度ポリエチレン(1)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
比較例4
ポリプロピレン系樹脂組成物(1)を91.5重量%、シリカ微粉末マスターバッチ(3)7.0重量%、高密度ポリエチレン1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
Figure 0004982233
Figure 0004982233
本発明の要件を満足する実施例1〜3は、耐ブロッキング性と耐傷つき性に優れ、フィルム製膜時のメヤニやフィッシュアイを発生しにくいポリプロピレン系樹脂組成物である事がわかる。
これに対して、本発明の要件であるシリカ微粉末の見掛比重や1μm以下のシリカ微粉末の比率、酸化防止剤の種類を満足しない比較例1〜3は、フィルム製膜時のメヤニ・フィッシュアイの低減効果やフィルム物性が不十分であり、本発明の要件であるシリカ微粉末の見掛比重を満足しない比較例4はフィルムの耐傷つき性に劣る事がわかる。

Claims (2)

  1. 分子量分布(Aw/An)が5以下であるポリプロピレン系樹脂に対し、平均粒子径1.0〜5.0μm、見掛比重が0.1〜0.5g/cm3であり、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が20%以下である単分散シリカ微粉末0.05〜0.60重量%、および下記一般式(I)で示される亜リン酸エステル類0.01〜0.20重量%を含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 0004982233
    (式中、R1,R2,R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基又はフェニル基を表し、R3は水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。Xは硫黄原子もしくは−CHR6−基(R6は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を表す。)を表し、nは0又は1である。Aは炭素数2〜8のアルキレン基又は、*−CO(R7m−基(R7は炭素数1〜8のアルキレン基を、*は酸素原子と結合する部分である事を示し、mは0または1である。)を表す。Y、Zは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、もう一方が水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)
  2. 単分散シリカ微粉末が、平均粒子径1.0〜5.0μm、見掛比重が0.1〜0.5g/cm 3 であり、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が9%以下のものである請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
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