JP4982233B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物およびそのフィルム - Google Patents
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Description
例えばスナック菓子用包装フィルムの場合、内容物の酸化劣化を防ぐ為にアルミニウム蒸着が行われる事が多いが、配合する添加剤の種類や量により、アルミニウム蒸着膜とポリプロピレン系フィルムとの接着強度が低下する事が問題となっている。
特に蒸着強度低下で問題となるのは、フィルムの滑り性や耐ブロッキング性を改良する為に配合する脂肪酸アミドであり、これら添加剤を配合しないでフィルム製膜した場合、フィルムの透明性と耐ブロッキング性のバランスが悪化する。
現在は、耐ブロッキング性に優れるポリプロピレン系樹脂により改善を図っており、特に低分子量成分の少ない、メタロセン系触媒,Ti−Mg系触媒といった高性能触媒で重合されるポリプロピレン系樹脂が検討されている。
しかしながら、この様な低分子量成分が少ないポリプロピレン系樹脂を大型製膜機で長時間製膜した場合、メヤニと呼ばれる加工不良現象が発生しやすく、フィルム生産性が低下する為に問題となっている。
特許文献1(特開2005−171117号公報)には、ポリプロピレン系樹脂に亜リン酸エステル類とベンゾフラノン類を配合する事でフィルム成形時のメヤニ付着を低減できる事が記載されている。
しかしながら、上記の公知技術で使用されるベンゾフラノン類には、食品衛生性に劣る可能性があり、多くの用途に適用できないといった課題を有している。
また、亜リン酸エステル類に関しては、特許文献1(特開2002−187985号公報)にもポリプロピレン系樹脂の熱安定性改良効果が高く食品衛生性や蒸着適性にも優れる事が記載され、亜リン酸エステル類とシリカ微粉末を含むポリプロピレン系フィルムも例示されている。しかしながら、この組成物を大型フィルム成形機で製膜した場合、メヤニは改善されるものの、シリカ微粉末が再凝集を起こしてフィッシュアイが多発する問題を有している。
本発明のポリプロピレン系樹脂は、主にプロピレンからなるモノマーを重合して得られる重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体、主にプロピレンからなるモノマーを重合して得られる重合体成分とプロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなるモノマーを重合させて得られる共重合体成分を少なくとも2段階以上の多段で製造して得られるポリプロピレン系共重合体(プロピレン−エチレンブロック共重合体という事がある。)等が挙げられる。好ましくはプロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体である。これらは単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
α−オレフィンとしては、炭素原子数4〜12のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどが挙げられる。好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、更に好ましくは共重合特性、経済性などの観点から、1−ブテン、1−ヘキセンである。
共重合体中のエチレンおよび/またはα−オレフィンの含有量は、通常0.1〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。
ここで、炭素原子数1〜8のアルキル基の代表例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i―プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、炭素数5〜8のシクロアルキル基の代表例としては、例えば1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシル基等が挙げられ、炭素原子数7〜12のアラルキル基の代表例としては、例えばベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基などが挙げられる。
R1、R2、R4として、好ましくは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキル基である。なかでも、R1、R4として、より好ましくはt−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基等のt−アルキル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基である。
R2として、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基等の炭素原子数1〜5のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基である。
R5として、好ましくは水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基等の炭素原子数1〜5のpアルキル基である。
置換基R3は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表すが、炭素原子数1〜8のアルキル基としては、たとえば前記と同様のアルキル基が挙げられる。好ましくは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、より好ましくは水素原子またはメチル機である。
また置換基Xは、nが0である場合、2つのフェノキシ基骨格を有する基が直接結合している事を表し、nが1である場合、硫黄原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基もしくは炭素原子数5〜8のシクロアルキル基が痴漢している事もあるメチレン基を表す。
ここで、メチレン記に置換している炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基としては、それぞれ前記と同様のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。置換基Xとしては、好ましくはnが0であり、2つのフェノキシ基骨格を有する基が直接結合している事、または、nが1であり、メチレン基または、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が置換したメチレン基である。
また置換基Aは、炭素原子数2〜8のアルキレン基又は*−CO(R7)m−基(R7は炭素数1〜8のアルキレン基を、*は酸素原子との結合部位である事を示し、mは0または1である。)を表す。
炭素原子数2〜8のアルキ連記の代表例としては、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2、2−ジメチル−1,3−プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。*−CO(R7)m−基としては好ましくは、mが0である*−CO−基、または、mが1でありR7としてエチレンである*−CO(CH2CH2)−基である。
Y、Zは、そのいずれかの一方がヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシル基または炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、他方が水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば前記と同様のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えばアルキル部分が前記の炭素数1〜8のアルキル基と同様のアルキルであるアルコキシ基が挙げられる。また炭素数7〜12のアラルキルオキシ基としては、例えばアラルキル部分が前記炭素数7〜12のアラルキルと同様のアラルキルであるアラルキルオキシ基が挙げられる。
上記のフェノール系酸化防止剤の中でも好ましくは、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビタミンEに代表されるα−トコフェノール類から選ばれた少なくとも1種類以上からなるものである。
フェノール系酸化防止剤の配合量は、内容物の味覚臭気やフィルムの着色を問題ない範囲とする為、ポリプロピレン系樹脂に対して0.2重量%以下であることが好ましい。
リン系酸化防止剤の配合量は、ブラックスペックやチルロール汚れ、味覚臭気を問題ない範囲とする為、ポリプロピレン系樹脂に対して0.2重量%以下であることが好ましい。
[M2+1-XM3+X(OH)2]X+ [Ar 10x/n・mH2O]X- 式(II)
[M2+1-XM3+X(OH)2]X+が基本層であり、[Ar 10x/n・mH2O]X-が中間層である。M2+は、Mg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+等の2価金属のカチオンであり、、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、In3+などの3価金属のカチオンである。An−は、OH−、F−、Cl−、Br−、No3 −、Co3 −、So4 −、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、シュウ酸イオン、サリチン酸イオンなどのn価のアニオンであり、nは正の整数である。Xは、0<X≦0.33であり、mは正の整数である。上記ハイドロタルサイトは、天然鉱物であっても、合成品であっても良く、またその結晶構造、結晶粒子径、含水率、表面処理等を問わず使用することができる。好ましくは、下記ハイドロタルサイトである。
Mg4.5Al2(OH)13CO3・3H2O
Mg4.5Al2(OH)13(CO3)0.8・O0.2
Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O(天然鉱物)
Zn4Al2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
Mg3ZnAl2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
本発明のポリプロピレン系フィルムの好ましい厚みは、10〜250μmであり、更に好ましくは30〜150μmである。
Tダイフィルム製造装置を用いる場合の公知の成形加工条件例は下記の通りである。
ダイリップから押出される溶融樹脂の温度 … 180〜300℃
ダイリップ部での溶融樹脂の剪段速度 … 10〜1500sec−1
チルロールの回転速度 … 10〜500m/min
チルロールの温度 … 10〜80℃
本発明のポリプロピレン系フィルムが多層フィルムの場合の製造方法としては、通常用いられる共押出法、押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
また本発明のポリプロピレン系フィルムは、事前に成形して得られたフィルムまたはシートを延伸してフィルムを製造する事もできる。延伸方法としては、例えばロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等により一軸または二軸に延伸する方法が挙げられる。
金属蒸着ポリプロピレンフィルムの製造方法としては、例えば、本発明のポリプロピレン系フィルムを高真空下に置き、蒸発した金属蒸気を導入してフィルム表面に蒸着させる方法が挙げられる。蒸着させる金属としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、ゲルマニウム、すず、セレンなどが挙げられるが、好ましくはアルミニウムである。アルミニウム蒸着膜のあるみは、通常100〜1000オングストロームであり、好ましくは300〜700オングストロームである。
実施例および比較例の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
G.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、下記条件で測定した。なお分子量分布は重量平均分子量(Aw)と数平均分子量(An)との比(Aw/An)で評価した。
機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製);
カラム:Shodex M/S 80;
測定温度:145℃;
溶媒:オルトジクロロベンゼン;
サンプル濃度:5mg/8mL;
検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
JIS K7105に従い測定した。
150mm×30mmのフィルム(製膜方向と長辺方向が一致するように採取した。)を用いて、フィルム同士を重ね合わせ、40mm×30mmの範囲に500gの荷重をかけて80℃で24時間状態調整を行った。その後、23℃、湿度50%の雰囲気下に30分以上放置し、東洋精機製引張試験機を用いて200mm/分の速度で剥離を行い、試料の剥離に要する強度を測定した。
平板に積層されたシリコンシートを測定台に設置し、該シリコンシート上に測定用フィルムを固定した。その後、固定された測定用フィルム上に、もう1枚の測定用フィルムを設置して2kgの荷重を掛け、このフィルムを一方向に10回滑らせた。シリコンシート上に固定した側のフィルムHazeを処理前後で測定し、その上昇値△Hazeによって耐傷付き性を評価した。
90mmφ押出機および、2台の65mmφ押出機を備えたTダイフィルム加工機を用いて2時間連続のフィルム成形を行い、ダイリップ部へのメヤニ付着状況を評価した。フィルムの成形条件およびメヤニ評価基準は次の通りである。
成形条件
フィルター … 濾過精度60μmの焼結フィルターを使用。
押出機設定温度 … 280℃
ダイ設定温度 … 260℃
ダイリップギャップ … 0.8mm
トータル押出量 … 220kg/hr
フィルム成形速度 … 50m/分
チルロール温度 … 40℃
フィルム厚さ … 70μm
メヤニ評価基準 … ダイに付着しているメヤニの長さを、フィルム押出方向に沿って測定し評価した。
5点 … メヤニが全く付着していない状況。
4点 … メヤニ長さの平均値が0.05mm未満。
3点 … メヤニ長さの平均値が0.05〜0.1mm。
2点 … メヤニ長さの平均値が0.1〜0.2mm。
1点 … メヤニ長さの平均値が0.2mm以上。
メヤニ評価と同様の条件でフィルム製膜を行い、製膜開始2時間後の欠点数を評価した。
欠点評価は、上記Tダイフィルム加工機に設置している欠点検査装置(株式会社ニレコ製 商品名DIPS)を用い、欠点の長さ(フィルム流れ方向に沿った長さ)が0.1mm以上のものの数を測定した。
走査電子顕微鏡を用いてシリカ微粉末の5,000倍観察を行い、得られた写真の画像解析を行う事で直径1μm以下の粒子の比率を求めた。
化合物名 : 2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f] [1,3,2]ジオキサホスフェピン
商品名 住友化学製 スミライザーGP
[フェノール系酸化防止剤]
商品名 イルガノックス1010 (チバスペシャリティーケミカルズ社製)
[リン系酸化防止剤]
商品名 イルガフォス168 (チバスペシャリティーケミカルズ社製)
[シリカ微粉末(1)]
商品名 富士シリシア株式会社製ゲル法シリカ 商品名サイリシア420
レーザー回折式粒度分布測定法による平均粒子径が3.0μm、見掛比重0.21g/cm3、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が96%であった。
[シリカ微粉末(2)]
商品名 水澤化学株式会社製 商品名ミズパールK300
レーザー回折式粒度分布測定法による平均粒子径が2.7μm、見掛比重0.41g/cm3、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が9%であった。
[シリカ微粉末(3)]
商品名 水澤化学株式会社製 商品名シルトンJC30
レーザー回折式粒度分布測定法による平均粒子径が2.9μm、見掛比重0.70g/cm3、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が0%であった。
Ti−Mg系触媒系のチーグラー・ナッタ型触媒を用いて気相中でプロピレンとエチレン、ブテン−1の共重合体を重合した。得られた樹脂粉末は、エチレン含有量が2.2重量%、ブテン−1含有量が4.5重量%であり、分子量分布Aw/Anは3.2であった。
[ポリプロピレン系樹脂(2)]
Ti−Mg系触媒系のチーグラー・ナッタ型触媒を用いて気相中でプロピレンとエチレンの共重合体を重合した。得られた樹脂粉末は、エチレン含有量が4重量%であり、分子量分布Aw/Anは3.8であった。
[ポリプロピレン系樹脂組成物(1)]
上記のポリプロピレン系樹脂(1)に、フェノール系酸化防止剤0.09重量%と亜リン酸エステル類0.05重量%をヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット化した。
[ポリプロピレン系樹脂組成物(2)]
上記のポリプロピレン系樹脂(1)に、フェノール系酸化防止剤0.13重量%をヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット化した。
[ポリプロピレン系樹脂組成物(3)]
上記のポリプロピレン系樹脂(1)に、亜リン酸エステル類0.18重量%をヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット化した。
商品名 京葉ポリエチレン社製 G1801
[高密度ポリエチレン(2)]
商品名 京葉ポリエチレン社製 G2502
住友化学株式会社製 MB138−1B (シリカ微粉末(1)配合量 … 2.3重量%)
[シリカ微粉末マスターバッチ(2)]
30mmφ異方向2軸造粒機を用い、シリンダー設定温度230℃、押出量20kg/hr、スクリュー回転数300rpmの条件で、ポリプロピレン系樹脂(2)に対しシリカ微粉末(2)2.3重量%、フェノール系酸化防止剤0.15重量%、リン系酸化防止剤0.5重量%を含むペレットを造粒した。
[シリカ微粉末マスターバッチ(3)]
30mmφ異方向2軸造粒機を用い、シリンダー設定温度230℃、押出量20kg/hr、スクリュー回転数300rpmの条件で、ポリプロピレン系樹脂(2)に対しシリカ微粉末(3)2.3重量%、フェノール系酸化防止剤0.15重量%、リン系酸化防止剤0.5重量%を含むペレットを造粒した。
ポリプロピレン系樹脂組成物(3)91.5重量%、およびシリカ微粉末マスターバッチ(2)7.0重量%、高密度ポリエチレン(2)1.5重量%をペレットブレンドした後、ろ過精度60μmの金属焼結フィルターを使用した90mmφ押出機、および、2台の65mmφ押出機を用いて280℃で溶融混練し、フィードブロック型のTダイ(ダイ幅1250mm、リップ開度0.8mm)に導入して、ダイ温度260℃で溶融押出を行った。
押し出された溶融膜を50m/分で回転する冷却水温度40℃のチルロールで冷却固化させ、厚さ70μmの未延伸フィルムを2時間製膜しながらメヤニ、フィッシュアイの発生状況を評価した。
前記メヤニ、フィッシュアイ評価終了後、溶融膜の引取速度を135m/minへ増速し、フィルム物性評価用フィルム(厚さ25μm)を得た。
実施例2
ポリプロピレン系樹脂組成物(2)91.5重量%、およびシリカ微粉末マスターバッチ(2)7.0重量%、高密度ポリエチレン(1)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
実施例3
ポリプロピレン系樹脂組成物(1)89.5重量%、およびシリカ微粉末マスターバッチ(2)7.0重量%、高密度ポリエチレン(1)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
ポリプロピレン系樹脂組成物(2)91.5重量%、シリカ微粉末マスターバッチ(1)7.0重量%、高密度ポリエチレン(1)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
比較例2
ポリプロピレン系樹脂組成物(3)91.5重量%、シリカ微粉末マスターバッチ(1)7.0重量%、高密度ポリエチレン(2)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
比較例3
ポリプロピレン系樹脂組成物(2)91.5重量%、シリカ微粉末マスターバッチ(2)7.0重量%、高密度ポリエチレン(1)1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
比較例4
ポリプロピレン系樹脂組成物(1)を91.5重量%、シリカ微粉末マスターバッチ(3)7.0重量%、高密度ポリエチレン1.5重量%をペレットブレンドした後は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
これに対して、本発明の要件であるシリカ微粉末の見掛比重や1μm以下のシリカ微粉末の比率、酸化防止剤の種類を満足しない比較例1〜3は、フィルム製膜時のメヤニ・フィッシュアイの低減効果やフィルム物性が不十分であり、本発明の要件であるシリカ微粉末の見掛比重を満足しない比較例4はフィルムの耐傷つき性に劣る事がわかる。
Claims (2)
- 分子量分布(Aw/An)が5以下であるポリプロピレン系樹脂に対し、平均粒子径1.0〜5.0μm、見掛比重が0.1〜0.5g/cm3であり、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が20%以下である単分散シリカ微粉末0.05〜0.60重量%、および下記一般式(I)で示される亜リン酸エステル類0.01〜0.20重量%を含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
- 単分散シリカ微粉末が、平均粒子径1.0〜5.0μm、見掛比重が0.1〜0.5g/cm 3 であり、走査電子顕微鏡観察で見られる1μm以下の粒子数が9%以下のものである請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
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