JP5369984B2 - 食品包装用フィルム - Google Patents
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Description
中でも食品包装用途は、食品充填後のレトルト処理を施した後、箱詰め、輸送して店頭販売される形態が近年多くなっており、シール性と耐熱性を兼ね揃えたフィルムが要求されており、ポリプロピレン系フィルムなどが使用されている。
また更には、上述のようなレトルト処理後に、冷凍保存や、冷凍輸送時の落下による袋の破れが問題視されるケースが多く、低温下での破袋強度の向上も要望されている。
上述の要望を解決する方法として、今までいくつもの提案がなされている(例えば、特許文献1〜4参照)。
従来のフィルムでは、熱可塑性エラストマーを配合することにより、耐衝撃性は向上するがシール強度は十分ではなく、低温での落下時の耐破裂性が十分ではないという問題があった。
この場合において、上記食品包装用フィルムを明細書中に記載した方法で評価した落袋破袋の割合が20%以下で、かつレトルト処理後のシール強度が38〜110N/15mmであることが好ましい。
また、この場合において、20℃キシレン可溶部が5〜20質量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするポリプロピレン系ブロック共重合樹脂85〜95質量部と熱可塑性エラストマー5〜15質量部を配合した樹脂組成物からなることが好ましい。
特に、レトルト処理後の耐破袋性とシール強度との二律背反特性のバランスが向上し、両特性が両立しているので、レトルト食品の包装袋の構成材料として用いた場合に、優れたレトルト処理に適した特性を有している上に、レトルト処理後の食品の保存や輸送時における包装袋の衝撃等の外力に対する耐久性の信頼性が向上している。
従って、食品包装用フィルム、特に、レトルト食品用包装袋の構成材料として好適に用いることができる。
上記フィルムの20℃キシレン可溶部は22〜28質量%がより好ましい。ここで、20℃キシレン可溶部とは、フィルム中に含まれるゴム量を反映している。該フィルムの20℃キシレン可溶部が20質量%未満ではフィルムの耐衝撃性が低下し、該フィルムを用いて得られた包装袋の耐落体破袋性が低下するので好ましくない。逆に、30質量%を超えた場合は、フィルムのシール強度や透明性が低下するので好ましくない。
具体的には、特開2000−186159号公報で示されるように、気相法重合を行っているものを用いるのが好ましい。すなわち、第1工程で実質的に不活性溶剤の存在下にプロピレンを主体とした重合体部分(A成分)を重合し、次いで第2工程を気相中でエチレン含量が20〜50重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分(B成分)を重合して得られるブロック共重合体が挙げられる。
フィルムの20℃キシレン可溶部の量はポリプロピレン系ブロック共重合体のB成分や熱可塑性エラストマー成分の総含有量と相関があり、例えば、上記ポリプロピレン系ブロック共重合体を単独で用いる場合は、ポリプロピレン系ブロック共重合樹脂の20℃キシレン可溶部の量を20〜30質量%にする方法が挙げられる。
このとき、上記ポリプロピレン系ブロック共重合体中のエチレン含有量が同じでも、A成分やB成分中のエチレン−プロピレンの共重合比率により異なるので、適宜調整する必要がある。
そこで例えば、20℃キシレン可溶部が5〜20質量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするブロックポリオレフィン樹脂85〜95質量部と熱可塑性エラストマーを5〜15質量部配合した樹脂組成物を用いることが取り扱い性の点で好ましく、プロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするブロックポリオレフィン樹脂の20℃キシレン可溶部7〜18質量部がより好ましく、12〜18質量部がさらに好ましい。
また、プロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするブロックポリオレフィン樹脂の配合量は87〜93質量部が、熱可塑性エラストマーの配合量は7〜13質量部がより好ましい。
上記熱可塑性エラストマーのメルトフローレイト(MFR)と上記ポリプロピレン系ブロック共重合樹脂のメルトフローレイト(MFR)の差は、均一な混練とフィッシュアイ防止の点で0〜7が好ましく、好適には0〜4である。
また、上記熱可塑性エラストマーの極限粘度(η)とは、均シール強度保持とインパクト強度保持、落袋強度の観点からの点で1.0〜5.0が好ましく、好適には1.2〜3.0である。
上記熱可塑性エラストマーの極限粘度(η)と上記ポリプロピレン系ブロック共重合樹脂の極限粘度(η)の差は、均一な混練とフィッシュアイ防止の点で0〜5.0が好ましく、好適には0〜3.0である。
ポリプロピレン系ブロック共重合樹脂のB成分と熱可塑性エラストマーに由来する成分は上記ポリプロピレン系ブロック共重合樹脂のA成分と相溶しにくく、A成分中に特定の径を有して分散している。
このような島成分は酸化ルテニウムを吸着しやすく、酸化ルテニウムを吸着にくいA成分由来の樹脂と区別が可能になる。
フィルムの耐衝撃性は、フィルム中の島の数と大きさに比例し、フィルムにおける島の占める体積の割合の増加に従い耐衝撃性が向上する。一方、シール強度は、逆にフィルム断面(フィルム面と平行な方向)における島の占める面積の割合の増加に従い低下をするという二律背反の事象がとなる。
前述したごとく、単にポリプロピレン系フィルムにゴム成分を配合することにより、該ゴム成分により衝撃等の外力のエネルギーを吸収・分散する方法は、耐衝撃性の改善手段としては有効な方法であるが、ゴム成分とマトリックス成分であるポリプロピレン樹脂との界面の剥離強度が低下するためにシール強度が低下し、フィルム自体の耐衝撃性が向上しても、ヒートシール部の強度が小さいと、袋に大きな力がかかったときにヒートシール部が剥離してしまい、袋が破れやすくなる。
しかしながら、本発明者らは、シール強度はフィルム中の島の形状の影響をも受け、島の形の断面(フィルム面と垂直な方向)のフィルム面と平行方向の扁平度を小さくすること、すなわち、円形に近づけることによりシール強度の低下を抑制することが可能となり、上記二律背反事象を打ち破ることができる事がわかった。
それゆえ、フィルム中での島の分散形状を制御することにより耐衝撃性とともにシール強度を向上させることが可能となる。
上記の島成分の長手方向の最大長さと該長手方向の最大長さと垂直方向の最大長さとの比はフィルム中に分散しているゴム成分の形状の水平方向の扁平度の尺度であり、該島成分の長手方向の最大長さと該長手方向の最大長さと垂直方向の最大長さとの比が0.2以上になるとシール強度の低下に対する影響が低くなる。また、長手方向の最大長さの大きさの影響も大きく、長手方向の最大長さが20μm以上の島の影響が大きいという経験的な知見を有している。従って、実最長径が20μm以上で長手方向の最大長さと該長手方向の最大長さと垂直方向の最大長さとの比が0.2以上である島成分の全体の島成分に対する割合を少なくすることによりシール強度を向上させることができ、耐破袋性を大きく向上させることができる。
したがって、本発明のフィルムは、レトルト後の食品の保存や輸送時に包装袋に衝撃等の大きな外力がかかっても、耐破裂性とシール漏れの発生抑制ができので、外力に対する耐久性の信頼性を向上させることができる。特に低温においてその効果は大きい。
その方法は、少なくともフェノール系、亜リン酸系およびアクリレート系の3種の酸化防止剤を含んでなることが好ましい。このときの酸化防止剤の総量は1500〜3500が好ましい。
それぞれの酸化防止剤の働きは以下の通りである。アクリレート系酸化防止剤は、押出し機内で、「RH」を熱・せん断により発生したラジカル「R・」を捕捉して「RH」に戻す働きがある。フェノール系酸化防止剤は、1次酸化防止剤といわれており、「R・」が酸素(O2)と結びつき「ROO・」となったラジカルを捕捉して「ROOH」にする働きがある。亜リン酸系は、分子内にフェノール系酸化防止剤の部分とリン酸系酸化防止剤の部分を持っており、フェノール系酸化防止剤の働きをしながらリン系酸化防止剤の働きをするという優れた性能を持っている。
該構成により、レトルトカレーに代表されるレトルト食品の包装材料として好適に用いることができる。
JIS K7210に従い、条件−14の方法(荷重2.16kg、温度230℃)で測定した。
2.20℃におけるキシレン可溶部の比率(質量%)
試料5gを沸騰キシレン500mlに完全溶融した後、20℃に降温し、4時間以上放置した。その後、析出物と溶液にろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃にて乾燥した。得られた乾燥物の質量から20℃キシレン可溶部量を測定し、その比率を求めた。
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されている方法により13C−NMR法で測定した。
JIS−K−6714に準拠し、東洋精機製作所製の「ヘーズテスターJ」を用いて測定した。
MD方向80mm×TD方向120mmのフィルムのシーラント面(シール面)同志を重ね合わせ、50℃×30分間余熱処理後、5cm×5cm部分をホットプレスでサンプルの単位面積当りの荷重が14.1MPa/cm2になるように調整し、荷重をかけて50℃×15分間加圧し、加圧後、これを23℃×65%RHの条件下で、冷却した後、ASTM D−1893に従い、引張試験機により剥離強度(mN/70mm)として測定した。N=4で測定し、その平均値をデータとする。この値が小さい程、耐ブロッキング性は良好である。
評価用フィルムを長手方向に平行かつフィルム面に垂直な方向にマイクロトームを用いて切断した切断断面を酸化ルテニウムで染色し、該染色面をカーボン蒸着して透過型電子顕微鏡を用いて観察し、フィルムの厚さ方向にを3等分し、その表層部側の600μm2の面積中に存在する長手方向の最大長さと該長手方向の最大長さと垂直方向の最大長さとの比が0.2以上である島成分の個数を係数した。該個数の係数は観察写真を用いて行った。観察写真は、5000倍に設定して撮影を行う。写真の上からトレーシング用紙を当てて、長手方法の最大長さが20μm以上のものを0.5mmシャープペンシル(ゼブラ社製Tapliclip 0.5mm)で芯は、ペンテル社製「Ain 0.5mm B」を用いて、トレースする。切断のやり方により切断面に筋や線が入っていることがあるが、それらは無視する。そのトレースしたものより求めた。
あらかじめ、12μmの2軸延伸ポリエステルフイルム(東洋紡績株式会社製E5100)のコロナ処理面(48mN/m以上)にポリエステル系接着剤を塗布して、該塗布面に6.5μmのアルミ箔(住軽アルミ箔株式会社製、食品包装用(レトルト用途))を積層することにより貼りあわせて、40℃で5日間エージングしたものを準備しておく。
上記積層体のアルミ箔面にポリエステル系接着剤を塗布して、該塗布面にコロナ処理(濡れ張力48mN/m以上)をした評価用の厚み70μmのポリプロピレン系樹脂フィルムのコロナ面がポリエステル系接着剤表面を接触するように貼り合せて、40℃で5日間エージングしてラミネートフイルムを得た。
上記のラミネートフイルムの作製に用いられるポリエステル系接着剤および該触媒は、どちらもが、東洋モートン株式会社製、TM590、CAT56である。どちらも、以下の方法で塗布した。
TM590:15kg、CAT56:2.4kg、酢酸エチル25.3kgを混合し十分攪拌して均一な液体とし、ザーンカップ#3で12.7秒に合せる。(不揮発分25%相当)該液を用いて、株式会社武蔵野機械設計事務所社製1000コ−テングテストマシーンUCT−2500を使い、100l×90μm/inchのグラビアロールで塗布、80℃乾燥させ、固形分が3g/m2になるように塗布する。
上記方法で調製したラミネートフイルムを西部機械株式会社製 テストシーラー(品番:特注品、LOT:A56430、DATE:670670)を用いて以下の条件で製袋した。
あらかじめ、270℃にバーの温度が達してから、空打ちを30回以上実施して、下バーを加温しておく、シール温度:270℃×2kg×1秒後、冷却バー:水温×2kg×1秒で行う。シールを打った後に次のシールを打つ間に必ず空打ちを1回実施してから行う。そのように実施し、130mm×165mm(シール巾:5mm)の3方をシールした袋を作製した。
該袋に水を200g入れて、東静電気株式会社製(TOSPACK V‐602G‐2型)を使い真空度90%、シール時間2秒、冷却時間1秒の条件でインパルスシールを行い全面シールされた水充填袋を作る。
該水充填袋を、株式会社日阪製作所製熱水レトルト処理機(RCS‐60SPXTG)で、0.2MPaの圧力、120℃で、30分処理(条件:昇温30℃⇒120℃:10分、120℃:30分、冷却120⇒30℃:10分)してレトルト処理を実施した。該レトルト処理を施した水充填袋を、縦方向160mm×横方向130mm×厚さ方向20mmの化粧箱に詰め、更に、該化粧箱を縦方向1箱、横方向3箱、奥行方向12箱の集積箱に集積梱包した。これを、5℃で24時間以上保管した後に、室温下で1.6mの高さ(コンクリート床面から集積梱包した箱の底部まで)から、化粧箱の縦方向を落下方向とし、天地を交互に変え連続して10回落下させ、破れる袋の割合を求める。n=3で実施し、平均値で表示する。
評価基準は、次の通りとした。
◎:破れた袋の割合が10%以下のもの、
○:破れた袋の割合が11〜20%のもの
×:破れた袋の割合が20%を超えるもの
上記方法でレトルト処理した水充填袋のシール部を縦方向に50mm横方向に15mm巾にカットして、JIS K7127−1989に準拠し、試験速度H:200mm/分の速度でシール強度を測定する。袋の横側をそれぞれn=5で測定し、その平均値で表示した測定装置としては、株式会社東洋ボールドウイン製万能引張試験機 TENSILON/STM−T−50BTを用いる。
リン系酸化防止剤としてイルガフォス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.05質量%およびフェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.20質量%を含有したエチレン含有量が7質量%で、20℃キシレン可溶部が15質量%のブロック共重合ポリプロピレン樹脂(MFR=3.0g/10分、住友化学株式会社製WFS5293−22)86質量%、イルガノックス1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)を0.05質量%含有するエチレン・プロピレン共重合体樹脂系の熱可塑性エラストマー(MFR=0.7g/10分、三井化学株式会社製、P0680)12質量部、エチレン量4質量%のポリプロピレンランダム共重合体樹脂(融点142℃)に亜リン酸エステル系酸化防止剤であるスミライザーGP(住友化学株式会社製)を5質量%配合したマスターバッチ樹脂(住友化学株式会社製MA180、MFR:10g/10分)1質量部およびエチレン量4質量%のポリプロピレンランダム共重合体樹脂(融点142℃)にアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学株式会社社製)を5質量%配合したマスターバッチ樹脂(住友化学株式会社製MA181、MFR:10g/10分)1質量%をTダイ製膜機にて溶融押出しを行い、冷却ロール温度55℃で厚み70μmの未延伸フィルムを得た。押し出し機スクリューは、L/D=29の単層タイプ。押し出し機の回転数は、55回転/分、ダイスは、フレキシブル、ハンガーコートタイプで、ダイス幅:4550mmの単層ダイを使用し、製膜を行った。押出し機の温度設定は、ホッパー入り口側230℃、押出し機出口側235℃、ダイス温度設定は、いづれも240℃に設定した。
その結果を表1に示す。
本実施例で得られた食品包装用フィルムは、表1に示したいずれの特性も良好であり高品質であった。
実施例1の方法において、エチレン・プロピレン共重合体樹脂系の熱可塑性エラストマー(MFR=0.7g/10分、三井化学株式会社製、P0680)の配合を取り止め、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂配合量を98質量部に変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例1の食品包装用フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本比較例1で得られた食品包装用フィルムは耐落袋破袋性が劣り低品質であった。
本実施例2で得られた食品包装用フィルムは、実施例1で得られた食品包装用フィルムと同等の特性を有しており高品質であった。
実施例1の方法において、エチレン・プロピレン共重合体樹脂系の熱可塑性エラストマー(MFR=0.7g/10分、三井化学株式会社製、P0680)の配合量を20質量%とし、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂配合量を78質量%に変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例2の食品包装用フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本比較例2で得られた食品包装用フィルムはエラストマー量が多いので、20℃キシレン可溶部量も増えて、耐落袋破袋性は向上するがシール強度に寄与するポリプロピレン量が減るので、レトルト処理後のシール強度が低く低品質であった。
実施例1の方法において、エチレン量4質量%のポリプロピレンランダム共重合体樹脂(融点142℃)に亜リン酸エステル系酸化防止剤であるスミライザーGP(住友化学株式会社製)を配合したマスターバッチ樹脂(住友化学株式会社製、MA180、MFR=10g/分)およびアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学株式会社製)を配合したマスターバッチ樹脂(住友化学株式会社製MA181、MFR=10g/分)の配合を取り止めブロック共重合ポリプロピレン樹脂配合量を88質量%に変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例3の食品包装用フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本比較例3で得られた食品包装用フィルムは、後添加の酸化防止剤がないので樹脂が劣化し、シール強度に寄与するポリプロピレンの表面積量が減るのでレトルト処理後のシール強度が低く低品質であった。また、耐ブロッキング性も実施例1で得られた食品包装用フィルムよりも劣っていた。
実施例1の方法において、押し出し機スクリュー回転数は75回転/分に変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例4の食品包装用フィルムを得た。その結果を表1に示す。本比較例4で得られた食品包装用フィルムは酸化防止剤を添加しているものの、シェア劣化がひどく、シール強度に寄与するポリプロピレンの表面積量が減るのでレトルト処理後のシール強度が低く低品質であった。また、耐ブロッキング性も実施例1で得られた食品包装用フィルムよりも劣っていた。
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂(MFR=3.0g/10分、住友化学株式会社製WFS5293−22)をリン系酸化防止剤としてイルガフォス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.05質量%およびフェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.20質量%を含有したエチレン量5%、20℃キシレン可溶部が10質量%のブロック共重合ポリプロピレン樹脂(WFS5293−26:住友化学株式会社製、MFR=3.1g/10分)に代え、該配合割合を81質量%とし、かつエチレン・プロピレン共重合体樹脂系の熱可塑性エラストマー(MFR=0.7g/10分、三井化学株式会社製、P0680)の配合量を17質量%に変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施例2の食品包装用フィルムを得た。その結果を表1に示す。
実施例1の方法において、エチレン・プロピレン共重合体樹脂系の熱可塑性エラストマー(MFR=0.7g/10分、三井化学株式会社製、P0680)の配合量をそれぞれ7、9、および14質量%として、総樹脂量が100質量%になるようにブロック共重合ポリプロピレン樹脂の配合量を変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施例3〜5の食品包装用フィルムを得た。その結果を表1に示す。
これらの実施例で得られた食品包装用フィルムは、実施例1で得られた食品包装用フィルムと同様に耐落袋破袋性およびレトルト処理後のシール強度の両方が優れており高品質であった。
実施例1の方法において、フェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、分子量1178)を0.15質量%、スミライザーGP(住友化学株式会社製)を0.05質量%を含有したエチレン含有量が7質量%で、20℃キシレン可溶部が15質量%のブロック共重合ポリプロピレン樹脂(MFR=3.0g/10分、住友化学株式会社製WFS5293−39)87.4質量%、イルガノックス1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、分子量531)を0.05質量%含有するエチレン・プロピレン共重合体樹脂系の熱可塑性エラストマー(MFR=0.7g/10分、三井化学株式会社製、P0680)12質量%、エチレン量4質量%のポリプロピレンランダム共重合体樹脂にアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学株式会社製)を5質量%配合したマスターバッチ樹脂(住友化学株式会社製MA181、MFR:10g/10分)0.6質量部にした以外は、実施例1と同様の方法で実施例6の食品包装用フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例6で得られた食品包装用フィルムは、実施例1で得られた食品包装用フィルムより若干レトルト処理後のシール強度が劣るが耐落袋破袋性およびレトルト処理後のシール強度が両立しており高品質であった。
Claims (3)
- プロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするフィルムにおいて、少なくともフェノール系酸化防止剤、亜リン酸系酸化防止剤およびアクリレート系酸化防止剤を含んでいて、該フィルムの20℃キシレン可溶部が20〜30質量%であり、該フィルムを長手方向に平行かつフィルム面に垂直な方向に切断した切断断面を酸化ルテニウムで染色し、該染色面をカーボン蒸着して透過型電子顕微鏡を用いて観察し、実面積で600μm2の面積中に存在する長手方向の最大長さが20μm以上で長手方向の最大長さと該長手方向の最大長さと垂直方向の最大長さとの比が0.2以上である島成分の割合が20%以上であることを特徴とする食品包装用フィルム。
- 上記食品包装用フィルムを明細書中に記載した方法で評価した落袋破袋の割合が20%以下で、かつレトルト処理後のシール強度が38〜110N/15mmであることを特徴とする請求項1に記載の食品包装用フィルム。
- 20℃キシレン可溶部が5〜20質量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするポリプロピレン系ブロック共重合樹脂85〜95質量部と熱可塑性エラストマー5〜15質量部を配合した樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の食品包装用フィルム。
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