JP6328488B2 - 球状シリカ微粉末及びその用途 - Google Patents

球状シリカ微粉末及びその用途 Download PDF

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Description

本発明は、球状シリカ微粉末及びその用途に関する。
デジタル複写機やレーザープリンターに使用されるトナーは、トナー同士の合着(ブロッキング)を防止し、流動性を高めるために、トナー表面にシリカ、チタニア、アルミナのようなトナー外添剤と呼ばれる表面が疎水化された球状酸化物が添加されている。トナーは、重合トナー、粉砕トナーの二種類が存在し、特に近年では、環境負荷低減のため、トナーの定着温度が低温である重合トナーの比率が増加してきている。重合トナーは弾性が低く、通常、外添剤として使用されている小粒径(200〜500m/g程度)の球状酸化物のみの場合、トナー同士の衝突により球状酸化物がトナーに埋没する。
トナーに球状酸化物が埋没することにより、トナーの流動性悪化や帯電性制御として添加されている外添剤の効果が低減し、帯電量の立ち上がりが悪化する問題がある。
トナー同士の接触機会を減らすため(スペーサー効果)、球状酸化物が外添剤として添加されている。現在急速に進展しつつある重合トナーのさらなる品質向上のため、トナー外添剤のスペーサー効果に対して、更なる改善が求められている。
特開平5−346682号公報 特開2000−81723号公報 特開2009−036980公報
本発明の目的は、スペーサー効果及び帯電の立ち上がりに優れたトナー外添剤を提供することであり、そのトナー外添剤に好適な球状シリカ微粉末を提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成するべく鋭意研究を進めたところ、これを達成する球状シリカ微粉末を見いだした。本発明はかかる知見に基づくものであり、以下の要旨を有する。
(1)レーザー粒度回折散乱式粒度分布測定器にて測定された平均粒子径が0.140μmを超え0.250μm以下であり、粒子径が0.050μmを超え0.080μm以下の粒子含有率が5.0〜20.0質量%であり、粒子径が0.300μm以上の粒子含有率が5.0質量%以下であることを特徴とする球状シリカ微粉末。
(2)レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された粒子径0.050μm以下の粒子含有率が5.0質量%未満であることを特徴とする前記(1)に記載の球状シリカ微粉末。
(3)顕微鏡法による投影面積円相当径0.100μm以上の粒子は、平均球形度0.88以上であり、球形度0.85以下の粒子個数割合が15%以下、球形度0.80以下の粒子個数割合が8%以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の球状シリカ微粉末。
(4)Na濃度が10ppm以下、Cl濃度が5ppm以下であることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれか一項に記載の球状シリカ微粉末。
(5)前記(1)から(4)のいずれか一項に記載の球状シリカ微粉末を疏水化処理して得られる球状シリカ微粉末。
(6)疎水化処理剤として、ヘキサメチルジシラザンを用いることを特徴とする前記(5)に記載の球状シリカ微粉末。
(7)前記(5)又は(6)に記載の球状シリカ微粉末を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー外添剤。
本発明によれば、スペーサー効果及び帯電量の立ち上がりが優れたトナーを調製するのに好適なトナー外添剤が提供される。また前記トナー外添剤に好適な球状シリカ微粉末が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の球状シリカ微粉末は、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された平均粒子径が0.140μmを超え0.250μm以下であることが必要である。平均粒子径が0.140μmを超え0.250μm以下の粒子は、球状シリカ微粉末の主構成粒子群となる領域である。平均粒子径が0.140μm以下であると、本発明の球状シリカ微粉末の割合が低下するため、必要な帯電量までにかかる帯電の立ち上がりが長時間化する。一方、平均粒子径が0.250μmを超えると、大径粒子の影響で、トナー外添剤の流動性が低下する可能性がある。そのため、好ましい平均粒子径は0.150μmを超え0.240μm以下、より好ましくは0.180μmを超え0.210μm以下である。
本発明の球状シリカ微粉末は、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された粒子径が0.050μmを超え0.080μm以下の粒子含有率が5.0〜20.0質量%であることが必要である。粒子径が0.050μmを超え0.080μm以下の粒子含有率が5.0質量%未満であると、帯電量の絶対値が低下する。一方、粒子径が0.050μmを超え0.080μm以下の粒子含有率が20.0質量%を超えると、球状シリカ微粉末の割合が少なくなるため、スペーサー効果の有効性が得られなくなる。好ましい範囲は、粒子径が0.050μmを超え0.080μm以下の粒子含有率が、6.0〜19.0質量%、更に好ましい範囲は、7.0〜18.0質量%である。
本発明の球状シリカ微粉末は、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された粒子径が0.300μm以上の粒子含有率が5.0質量%以下であることが必要である。粒子径が0.300μm以上の粒子含有率が5.0質量%以下であると、本発明の球状シリカ微粉末がトナーから脱離しにくいため、脱離によるスペーサー効果の低下を抑制できる。また、粒子径が0.300μm以上の粒子含有率が5.0質量%を超えると、トナー外添剤がトナーから脱離しやすくなり、スペーサー効果の低下による印刷時のカブリの発生の要因となる。そのため、好ましい粒子径0.300μm以上の粒子含有率は3.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
本発明の球状シリカ微粉末は、レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された粒子径が0.050μm以下の粒子含有率が5.0質量%未満であることが好ましい。粒子径が0.050μm以下の粒子含有率が5.0質量%未満であると、球状シリカ微粉末によるスペーサー効果が更に向上する。更に好ましくは、粒子径が0.050μm以下の粒子含有率が4.0質量%未満、最も好ましくは3.0質量%以下である。
本発明の球状シリカ微粉末のレーザー回折散乱式粒度分布は、ベックマンコールター社製「LS−230」を用いて測定することができる。測定に際しては、溶媒には水を用い、前処理として2分間、トミー精工社製「超音波発生器UD−200(超微量チップTP−040装着)」を用いて200Wの出力をかけて分散処理する。また、PIDS(Polarization Intensity Differential Scattering)濃度を45〜55質量%に調整する。粒度分布の解析は0.04〜2000μmの範囲を粒子径チャンネルがlog(μm)=0.04の幅で116分割にして行った。水の屈折率には1.33を用い、球状シリカ微粉末の屈折率には1.50を用いた。なお、測定した粒度分布において、累積質量が50%となる粒子が平均粒子径である。
本発明の球状シリカ微粉末は、顕微鏡法による投影面積円相当径0.100μm以上の粒子において、平均球形度が0.88以上であり、球形度0.85以下の粒子個数割合が15%以下、球形度0.80以下の粒子個数割合が8%以下であることが好ましい。球形度が低い粒子は、ストラクチャー構造を有している場合や凝集体を形成している場合が多く、球形度が低くなるほどその傾向は顕著になる。
顕微鏡法による投影面積円相当径0.100μm以上の粒子において、平均球形度が0.88以上であり、球形度0.85以下の粒子個数割合が15%以下、0.80以下の粒子個数割合が8%以下であれば、トナーに均一にシリカを外添でき、スペーサー効果が優れる。
0.100μm以上の粒子の平均球形度の更に好ましい範囲は、平均球形度が0.90以上であり、最も好ましくは0.92以上である。球形度が0.85以下の粒子個数割合の更に好ましい範囲は13%以下、最も好ましくは10%以下である。球形度が0.80以下の粒子個数割合の更に好ましい範囲は6.5%以下、最も好ましくは5%以下である。
本発明の球状シリカ微粉末の球形度は、下記方法で測定することができる。走査型電子顕微鏡(例えば日本電子社製「JSM−6301F型」)、透過型電子顕微鏡(例えば日本電子社製「JEM−2000FX型」)等にて撮影した粒子像を画像解析装置に取り込み、写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)から測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球形度はA/Bとなるので、試料の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)となる。本発明では、マウンテック社製「MacView」を用いて解析した任意の投影面積円相当径0.100μm以上の粒子200個の球形度を求め、その平均値を平均球形度とした。また、これらの粒子200個中の球形度0.85以下、あるいは0.80以下の粒子個数からそれぞれの粒子個数割合を計算した。
本発明の球状シリカ微粉末は、Na濃度が10ppm以下、Cl濃度が5ppm以下であることが好ましい。Na濃度が10ppm超、及び/又はCl濃度が5ppmを超えて含有すると、トナー、あるいはトナー外添剤の帯電性が悪化する場合や帯電量の制御が困難になる場合があり、現像性、転写性を悪化させるおそれがある。
好ましくはNa濃度が8ppm以下、Cl濃度が4ppm以下、更に好ましくはNa濃度が5ppm以下、Cl濃度が3ppm以下である。
本発明の球状シリカ微粉末のNa濃度は原子吸光分析法、Cl濃度はイオンクロマトグラフ法を用いて、下記のような手順で測定することができる。
(1)Na濃度の測定:試料10gとイオン交換水70mlをポリエチレン製容器に入れ1分間振とう後、乾燥器に入れて95℃にて20時間放置後冷却する。蒸発した分の水を追加し定量とする。その後、遠心分離を行い、上澄み液をビーカーに取り供試液とする。これとは別に、前記操作の試料評量を除いた全操作を行って空試験用供試液とする。供試液の一部を原子吸光光度計を用い、吸光度を測定する。予め作成しておいた検量線からNa濃度を求め、含有率を算出する。空試験用供試液についても同様の測定を行い、結果を補正する。原子吸光光度計を例示すれば、島津製作所社製「AA−6800」である。検量線を作成するのに用いる標準液を例示すれば、関東化学社製原子吸光用Na標準液(濃度1000ppm)である。なお、測定の際のフレームには空気−アセチレンフレームを用い、波長589.0nmにおける吸光度を測定して定量した。
(2)Cl濃度の測定:試料10gとイオン交換水70mlをポリエチレン製容器に入れ1分間振とう後、乾燥器に入れて95℃にて20時間放置後冷却する。蒸発した分の水を追加し定量とする。その後、遠心分離を行い、上澄み液をビーカーに取り供試液とする。これとは別に前記操作の試料評量を除いた全操作を行って空試験用供試液とする。供試液の一部をイオンクロマトグラフで測定する。予め作成しておいた検量線からCl濃度を求め、含有率を算出する。空試験用供試液についても同様の測定を行い、結果を補正する。イオンクロマトグラフを例示すれば、DIONEX社製「ICS−1500」である。検量線を作成するのに用いる標準液を例示すれば、関東化学社製イオンクロマト用Cl標準液(濃度1000ppm)である。
球状シリカ微粉末の製造方法は、本発明の球状シリカ微粉末の球形度、Na濃度、Cl濃度を実現するために、金属シリコンの酸化反応法が好ましい。例えば金属シリコンを化学炎や電気炉等で形成された高温場に投じて酸化反応させながら球状化する方法(例えば特許第1568168号明細書)、金属シリコン粒子スラリーを火炎中に噴霧して酸化反応させながら球状化する方法(例えば特開2000−247626号公報)などによって製造することができる。使用する金属シリコンのNa濃度は10ppm以下、Cl濃度は5ppm以下であることが好ましい。
本発明の球状シリカ微粉末の粒度を得るためには、上記方法などで製造した球状シリカ微粉末をさらに、分級して製造する。分級方法としては、重力分級、慣性分級などの乾式分級、沈降分級や水力分級などの湿式分級、篩による篩分け分級など公知の方法を用いれば良い。また、分級した球状シリカ微粉末を組み合わせて配合することにより、所望の粒度を達成することができる。
本発明の球状シリカ微粉末をトナー外添剤に用いる場合には、表面処理剤で疎水化処理を行うことが好ましい。本発明で使用される表面処理剤としては、アルキルクロロシラン、アルキルアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤、チタネート系カップリング剤、フッ素系シランカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等である。これらの中でも、表面処理後の疎水性の高さから、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。また、これらの表面処理剤の1種類を単独で、あるいは、2種類以上の場合は混合するか、または、順次段階的に表面処理して、用途に応じて要求される疎水化特性を達成することができる。
球状シリカ微粉末の疎水化処理方法は、例えば、球状シリカ微粉末を浮遊させた状態で表面処理剤の原液を噴霧する方法、または表面処理剤をガス化させ球状シリカ微粉末に接触させる方法などがある。また、ヘキサメチルジシラザンなどのシリル化剤で表面処理を行う場合には、まず水を噴霧し、混合してシラノール基を活性化させた後に疎水化の表面処理を行っても良い。
本発明の球状シリカ微粉末は、疎水化度が60%以上であることが好ましい。疎水化度が60%未満では、高湿度環境下におけるトナーの帯電量が変化したり、トナー粒子同士が凝集して流動性が低下したりする。好ましくは65%以上、更に好ましくは70%以上である。疎水化度は以下のメタノール滴定法により測定することができる。すなわち、イオン交換水50ml、試料0.2gをビーカーに入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下する。ビーカー内のメタノール濃度が増加するにつれ粉体は徐々に沈降していき、その全量が沈んだ終点におけるメタノールとイオン交換水の混合溶液中のメタノールの容量%を疎水化度(%)とする。
疎水化処理された球状シリカ微粉末のトナーへの配合量は、通常、トナー100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。配合量が少なすぎると、トナーへの付着量が少なく十分なスペーサー効果が得られず、多すぎるとトナーの帯電性に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明の球状シリカ微粉末を含有するトナー外添剤のシリカ粉末には、本発明の球状シリカ微粉末が単独で使用されるものとは限らず、例えば、流動性付与効果の高い200〜500m/gの超微粉末シリカと併用して使用することもできる。
本発明の球状シリカ微粉末を含有するトナー外添剤が添加される静電荷像現像用トナーとしては、結着樹脂と着色剤を主成分として構成される公知のものが使用できる。また、必要に応じて帯電制御剤が添加されていてもよい。
本発明の球状シリカ微粉末を含有するトナー外添剤が添加された静電荷像現像用トナーは、一成分現像剤として使用でき、また、それをキャリアと混合して二成分現像剤として使用することもできる。二成分現像剤として使用する場合においては、上記トナー外添剤は予めトナー粒子に添加せず、トナーとキャリアの混合時に添加してトナーの表面被覆を行ってもよい。キャリアとしては、鉄粉等、あるいはそれらの表面に樹脂コーティングされた公知のものが使用される。
以下、本発明について、実施例及び比較例により、さらに詳細に説明する。
実施例1〜20 比較例1〜5
球状シリカ微粉末は、燃焼炉の頂部に内炎と外炎が形成できる二重管構造のLPG−酸素混合型バーナーが設置され、下部に捕集系ラインが直結されてなる装置を用いて製造した。上記バーナーの中心部には更にスラリー噴霧用の二流体ノズルが設置され、その中心部から、金属シリコン粉末(平均粒径9.8μm、Na濃度:0.2ppm、Cl濃度:0.4ppm)と水からなるスラリーを15.0kg/Hrのフィード量で噴射した。周囲からは酸素を供給した。火炎の形成は二重管バーナーの出口に数十個の細孔を設け、そこからLPGと酸素の混合ガスを噴射することによって行った。二流体ノズルから噴射され火炎を通過して生成した球状シリカ微粉末は、ブロワによって捕集ラインを空気輸送させ、バグフィルターで捕集した。なお、球状シリカ微粉末の球形度の調整は、金属シリコン粉末と水を混合した金属シリコン粉末の水スラリー濃度を、40〜65質量%の範囲で調整することにより行った。
捕集した球状シリカ微粉末は、イソプロピルアルコールを用いて水簸分級を行った。上澄み液中の球状シリカ微粉末、あるいは沈殿している球状シリカ微粉末を回収し、120℃、12時間乾燥させた。それらを適宜配合し、所望の球状シリカ微粉末A〜Yを得た。球状シリカ微粉末A〜Yのレーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された平均粒子径、粒子径0.150μm以上の粒子含有率、粒子径0.300μm以上の粒子含有率、粒子径0.050μm以下の粒子含有率、粒子径0.050μmを超え0.080μm以下の粒子含有率、顕微鏡法による投影面積円相当径0.100μm以上の粒子の平均球形度、球形度0.85以下の粒子個数割合、0.80以下の粒子個数割合を表1〜3に示す。なお、得られた球状シリカ微粉末のNa濃度はいずれも5ppm以下、Cl濃度はいずれも3ppm以下であった。
球状シリカ微粉末A〜Y各々100gを流動層(中央化工機社製「振動流動層装置VUA−15型」)に仕込み、Nガスで流動させたところに水2gを噴霧して5分間流動混合させた後、ヘキサメチルジシラザン(信越化学工業社製「HMDS−3」)を4g噴霧し、30分間流動混合した。流動混合後、130℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら生成したアンモニアを除去し、疎水性の球状シリカ微粉末を得た。得られた球状シリカ微粉末の疎水化度はいずれも70%以上であった。
ヘキサメチルジシラザンで疏水化処理を行った球状シリカ微粉末の、トナー外添剤としての特性を評価するために、圧縮度、圧縮度変化率、ブローオフ帯電量を以下の方法に従って測定した。それらの結果を表1および表2に示す。
(1)圧縮度
球状シリカ微粉末A〜Yに疎水化処理が施された粉末5gと、トナー母体として、平均粒子径5μmの架橋スチレン樹脂粉(綜研化学社製商品名「SX−500H」)500g、流動性付与のため市販のフュームドシリカ(比表面積200m/g)5gをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製「FM−10B型」)に入れ、1000rpmで3分間混合し模擬トナーを作製した。この模擬トナーの圧縮度を、パウダテスター(ホソカワミクロン社製「PT−E型」)を用いて評価した。圧縮度は下記式によって算出される。
圧縮度=(固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重×100(%)
なお、ゆるみ見掛け比重は、100mlのカップに疑似トナーを入れ、タッピングをしない状態で測定した比重であり、固め見掛け比重は、100mlのカップに疑似トナーを入れ、1秒に1回の速さで180回タッピング後に測定した見掛け比重である。この圧縮度の値が小さいほど、流動性が良好であることを表す。
(2)圧縮度変化率
ヘンシェルミキサーの混合時間を3分から30分に変更して圧縮度測定を行い、圧縮度変化率を下記式から算出した。
圧縮度変化率=混合時間30分の時の圧縮度/混合時間3分の時の圧縮度
この圧縮度変化率が1に近い、すなわち圧縮度の変化が小さいほど、スペーサー効果が良好であることを表す。
(3)吸引ブローオフ帯電量
ヘンシェルミキサーで3分間混合した模擬トナーを0.10g、負帯電極性トナー用標準キャリア(日本画像学会より頒布「N−01」)を1.90g、50mlのポリエチレン瓶に入れてアサヒ理化製作所社製小型ボールミル回転架台「AV−1型」を用い、1秒間に1回転の速度で回転振とうさせた。10分間振とう後、この模擬トナーとキャリアの混合物のうち、0.30gを秤量し、吸引分離式帯電量測定器(三協パイオテク社製「セパソフトSTC-1-C1」)のファラデーゲージ内に入れ、帯電量を測定した。吸引時間は3分間、吸引圧力は3.0kPaとし、模擬トナーとキャリアの分離に用いるスクリーンには目開き32μmの金網を使用した。帯電量は、温度25℃、相対湿度60%の条件にて測定した。ここで得られた帯電量の絶対値が高いほど帯電性が良好であることを表す。
(4)立ち上がり帯電量
小型ボールミル回転架台での回転振とう時間を、帯電が立ち上がり中の1分間とし、上記と同様にブローオフ帯電量測定を行った。
ここで得られた帯電量の絶対値が高いほど、帯電の立ち上がりが早いことを表す。
Figure 0006328488
Figure 0006328488
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実施例と比較例の対比から明らかなように、本発明によれば、スペーサー効果に優れたトナー外添剤が提供される。また前記トナー外添剤への添加に好適な球状シリカ微粉末が提供される。
本発明の球状シリカ微粉末は、複写機やレーザープリンター等に使用される電子写真用トナーの外添剤として利用される。

Claims (7)

  1. レーザー粒度回折散乱式粒度分布測定器にて測定された平均粒子径が0.140μmを超え0.250μm以下であり、粒子径0.050μmを超え0.080μm以下の粒子含有率が5.0〜20.0質量%であり、粒子径0.300μm以上の粒子含有率が5.0質量%以下であることを特徴とする球状シリカ微粉末。
  2. レーザー回折散乱式粒度分布測定機にて測定された粒子径0.050μm以下の粒子含有率が5.0質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の球状シリカ微粉末。
  3. 顕微鏡法による投影面積円相当径0.100μm以上の粒子は、平均球形度0.88以上、球形度0.85以下の粒子個数割合が15%以下、球形度0.80以下の粒子個数割合が8%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状シリカ微粉末。
  4. Na濃度が10ppm以下、Cl濃度が5ppm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の球状シリカ微粉末。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の球状シリカ微粉末を疏水化処理して得られる球状シリカ微粉末。
  6. 疏水化処理剤として、ヘキサメチルジシラザンを用いることを特徴とする請求項5に記載の球状シリカ微粉末。
  7. 請求項5又は6に記載の球状シリカ微粉末を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー外添剤。
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