JP4628760B2 - 球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子、静電荷像現像用トナー外添剤およびトナー - Google Patents
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Description
即ち、本発明は第一に、
(1)(A)一般式(I):
Si(OR1)4
(式中、R1は独立に炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)
で示されるテトラアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物、またはそれらの組み合わせ、ならびに
(B)加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しないポリジオルガノシロキサン
の共加水分解および縮合反応によって得られる球状ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子と、
(2)一般式(II):
R2 3SiNHSiR2 3
(式中、R2は独立に炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)
で示されるシラザン化合物、もしくは一般式(III):
R2 3SiX
(式中、R2は前述のとおりであり、XはOH基または加水分解性基である)
で示されるシラン化合物、またはそれらの組み合わせと
を反応させることによって得られる、1次粒子の平均粒子径が0.01〜5μmである球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子、
を提供する。
(1)球状ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子は、上述のとおり、(A)前記一般式(I)で示されるテトラアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物、またはそれらの組み合わせ(以下、「テトラアルコキシシラン等」という)、ならびに(B)加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しないポリジオルガノシロキサンの共加水分解および縮合反応によって得られる。
(A)成分のテトラアルコキシシラン等は、前記一般式(I)で表されるもの、またはその部分加水分解縮合物である。なお、部分加水分解縮合物の分子中には、後述の加水分解・縮合反応に関与できるアルコキシ基等の加水分解性基が残存している。
(B)成分の加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しないポリジオルガノシロキサンは、特に限定されない。なお、(B)成分の加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しないポリジオルガノシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
QaR3 (3-a)Si[R4(R3 2Si)]bO(R3 2SiO)x[(R3 2Si)R4]cSiR3 (3-a)Qa
(式中、Qは加水分解性基であり、R3は独立に炭素原子数1〜6の1価炭化水素基であり、R4は独立に炭素原子数1〜6の2価炭化水素基であり、aは1、2または3であり、bは0または1であり、cは0または1であり、xは0〜100の整数である)
で示される化合物が好ましい。
(MeO)3SiO(Me2SiO)10Si(OMe)3 、
(MeO)3SiCH2CH2(Me2Si)O(Me2SiO)8(Me2Si)CH2CH2Si(OMe)3
等が挙げられる。なお、「Me」はメチル基を意味する(以下、同じ)。
前述の(A)テトラアルコキシシラン等ならびに(B)加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しないポリジオルガノシロキサンの共加水分解および縮合反応は、通常、水、親水性有機溶媒、塩基性化合物等の存在下で行われる。この反応により、球状ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子が得られる。なお、球状ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子の分子中には、アルコキシ基等の加水分解性基が実質的に残存していない。ここで、「実質的に残存していない」とは、存在量が0または1質量%以下であることを意味する。
R5OH
(式中、R5は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)
で示されるアルコールが挙げられる。
(2)シラザン化合物およびシラン化合物は、各々、前記一般式(II)および一般式(III)で示される。
前記(1)球状ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子は、通常、前記親水性有機溶媒および水を分散媒とした分散液の状態で得られる。この球状ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子は、そのままの状態で上記(2)シラザン化合物/シラン化合物と反応させてもよいが、分散媒を活性水素を持たない有機溶媒に変換してから反応させてもよい。この(2)シラザン化合物/シラン化合物との反応により、(1)球状ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子の表面に残存するシラノール基がトリアルキルシリル化され、凝集が防止される。
前記球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子は、1次粒子の形態で外添剤としての機能を発現するので、合一、凝集等により2次粒子を形成していないことが好ましい。
(球状係数)=(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)/(実際の粒子の表面積)
で定義される粒子の球状係数が、通常、0.6〜1であり、好ましくは0.8〜1であることを意味する。
[球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子の合成1]
攪拌機、滴下ロート、温度計を備えた3リットルのガラス製反応器にエタノール623.7g、水78.7g、28質量%アンモニア水12.5gを添加して混合した。この混合溶液を45℃に調整し、攪拌しながらテトラエトキシシラン394.2g(1.895モル)と、下記一般式(VI):
(MeO)3SiCH2CH2(Me2Si)O(Me2SiO)8(Me2Si)CH2CH2Si(OMe)3
で示される加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しないポリジオルガノシロキサン20.0g(0.0193モル)との混合物、および1.3質量%アンモニア水272.1gを同時に添加開始し、3時間かけて滴下した。滴下終了後、75℃に加熱し、3時間反応させて共加水分解、縮合反応を行い、球状ポリジメチルシロキサン含有シリカ微粒子の分散液を得た。得られた分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン75.0g(0.466モル)を添加し、75℃に加熱し、3時間反応させ、前記シリカ微粒子をトリメチルシリル化した。その後、該分散液から溶媒を減圧下で留去して、球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子137gを得た。得られた球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子について、以下の基準に従って、試験を行った。得られた結果は表1に示す。
メタノールに球状シリカ微粒子を質量比で1:0.005となるよう添加した後、超音波照射器により該球状シリカ微粒子をメタノール中に分散させた。このように処理した球状シリカ微粒子の粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名:LA910)で測定し、その平均粒子径を求めた(こうして求められた平均粒子径は、所謂、体積平均粒子径である)。なお、電子顕微鏡を用いて前記球状シリカ微粒子の平均粒子径を測定し、前記装置による測定結果から求めた平均粒子径と比較して、それらの値が一致していることを確認し、さらに該球状シリカ微粒子の凝集が生じていないことを確認することにより、該平均粒子径が1次粒子のものであると判断した。
疎水化度の測定は、メタノール滴定試験により行った。具体的には、水50ml中に添加された球状シリカ微粒子0.2gの全量が湿潤されるまで、球状シリカ微粒子混合液を攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下して滴定し、その終点でのメタノールと水との混合物中におけるメタノールの百分率により表わされる値を疎水化度とした。この疎水化度の数値が大きいほど疎水性が高く、数値が小さいほど親水性が高いことを示す。
ガラス転移点(Tg)60℃、軟化点110℃のポリエステル樹脂96質量部と、色剤(商品名:カーミン6BC、住化カラー(株)製)4質量部とを溶融しながら混練し、粉砕し、分級した後、平均粒子径7μmのトナーを得た。このトナー10gに球状シリカ微粒子0.3gをサンプルミルにより混合し、外添剤混合トナーを得た。これを用いて以下の方法で凝集度を評価した。
凝集度とは、粉体の流動性を表す値である。この凝集度は、パウダーテスタ(ホソカワミクロン株式会社製)と、200、100及び60メッシュのふるいをこの順序で下から重ねた三段のふるいとを用いて測定した。測定手段としては、5gのトナーからなる粉体を三段ふるいの上段の60メッシュのふるいの上にのせ、パウダーテスタに2.5Vの電圧を印加して15秒間三段ふるいを振動させ、60メッシュのふるいに残留した粉体質量a(g)と、100メッシュのふるいに残留した粉体質量b(g)と、200メッシュのふるいに残留した粉体質量c(g)とから下記式によって凝集度(%)を算出する。
凝集度(%)=(a+b×0.6+c×0.2)×100/5
凝集度が小さいほど流動性が良好で、凝集度が大きいほど流動性が不良であると評価できる。
外添剤混合トナー3部と、キャリアであるフェライト(商品名:FL100、パウダーテック社製)97部とを混合して現像剤を調製した。これを用いて以下の方法でトナー帯電量および感光体へのトナー付着を評価した。
前記現像剤を高温高湿(30℃、90%RH)と低温低湿(10℃、15%RH)の各条件下に1日放置した後、同一条件下で十分混合し摩擦帯電を行った。それぞれの試料の帯電量を同一条件下でブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製、TB−200型)を用いて測定した。
前記現像剤を、有機感光体を備えた二成分改造現像機に入れ、30000枚のプリントテストを実施した。このとき、感光体へのトナーの付着は、全ベタ画像での白抜けとして感知できる。ここで、白抜けの程度は、白抜け個所の数が10個以上/cm2を「多い」、1〜9個/cm2を「少ない」、0個/cm2を「なし」と評価した。
[球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子の合成2]
実施例1において、前記一般式(VI)で表されるポリジオルガノシロキサンの代わりに、下記一般式(VII):
(MeO)3SiO(Me2SiO)10Si(OMe)3
で表される加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しないポリジオルガノシロキサン16.2g(0.0193モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして、球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子129gを得た。得られた球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子について、上述の基準に従って、試験を行った。なお、外添剤混合トナーについても、実施例1と同様にして作製した。得られた結果は表1に示す。
[球状疎水性シリカ微粒子の合成1]
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7g、水41.4g、28質量%アンモニア水49.8gを添加して混合した。この混合溶液を35℃に調整し、撹拌しながらテトラメトキシシラン1163.7gおよび5.4質量%アンモニア水418.1gを同時に添加開始し、前者は6時間、後者は4時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下後も0.5時間撹拌を続け、加水分解を行い、シリカ微粒子の分散液を得た。ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管を取り付け、該分散液を60〜70℃に加熱し、メタノール1132gを留去したところで水1200gを添加し、次いで、該分散液を70〜90℃に加熱し、メタノール273gを留去し、シリカ微粒子の水性分散液を得た。この水性分散液に、室温で、メチルトリメトキシシラン11.6g(テトラメトキシシランに対してモル比で0.1である量)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間撹拌し、シリカ微粒子の表面疎水化処理を行った。
得られた球状疎水性シリカ微粒子について、上述の基準に従って、試験を行った。なお、外添剤混合トナーについても、実施例1と同様にして作製した。得られた結果は表2に示す。
[球状疎水性シリカ微粒子の合成2]
攪拌機、滴下ロート、温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7g、水38.9g、28質量%アンモニア水52.3gを添加して混合した。この混合溶液を35℃に調整し攪拌しながらテトラメトキシシラン1163.7g(7.65モル)および5.48質量%アンモニア水418.1gを同時に添加開始し、前者は6時間、後者は5時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下後も0.5時間攪拌を続け、加水分解を行い、シリカ微粒子の分散液を得た。得られた分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン184.7g(1.14モル)を添加し、該分散液を120℃に加熱し、3時間反応させ、シリカ微粒子をトリメチルシリル化した。その後、溶媒を減圧下で留去して、球状疎水性シリカ微粒子540gを得た。
得られた球状疎水性シリカ微粒子について、上述の基準に従って、試験を行った。なお、外添剤混合トナーについても、実施例1と同様にして作製した。得られた結果は表2に示す。
[球状親水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子の合成]
攪拌機、滴下ロート、温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、エタノール623.7g、水78.7g、28質量%アンモニア水12.5gを添加して混合した。この溶液を45℃に調整し、攪拌しながらテトラエトキシシラン394.2g(1.895モル)と、下記一般式(VI):
(MeO)3SiCH2CH2(Me2Si)O(Me2SiO)8(Me2Si)CH2CH2Si(OMe)3
で示される加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しないポリジオルガノシロキサン20.0g(0.0193モル)の混合物、および1.3質量%アンモニア水272.1gを同時に添加開始し、3時間かけて滴下した。滴下終了後、75℃に加熱し、3時間反応させて共加水分解、縮合反応を行い、球状ポリジメチルシロキサン含有シリカ微粒子の分散液を得た。その後、該分散液から溶媒を減圧下で留去して、球状親水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子121gを得た。
得られた球状親水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子について、上述の基準に従って、試験を行った。なお、外添剤混合トナーについても、実施例1と同様にして作製した。得られた結果は表2に示す。
実施例1で得た球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子の代わりに、ヒュームドシリカを疎水化処理した疎水性シリカ(商品名:アエロジルR972、日本アエロジル(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして、外添剤混合トナーを得た。得られた外添剤混合トナーについて実施例1と同様にして試験を行った。得られた結果は表2に示す。
実施例1で得た球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子の代わりに、平均粒子径0.3μmの高純度球状アモルファスシリカ(商品名:アドマファインSO−22R、アドマテック社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、外添剤混合トナーを得た。得られた外添剤混合トナーについて実施例1と同様にして試験を行った。得られた結果は表2に示す。
Claims (4)
- (1)(A)一般式(I):
Si(OR1)4
(式中、R1は独立に炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)
で示されるテトラアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物、またはそれらの組み合わせ、ならびに
(B)加水分解性シリル基を有し、親水性基を有しないポリジオルガノシロキサン
の共加水分解および縮合反応によって得られる球状ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子と、
(2)一般式(II):
R2 3SiNHSiR2 3
(式中、R2は独立に炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)
で示されるシラザン化合物、もしくは一般式(III):
R2 3SiX
(式中、R2は前述のとおりであり、XはOH基または加水分解性基である)
で示されるシラン化合物、またはそれらの組み合わせと
を反応させることによって得られる、1次粒子の平均粒子径が0.01〜5μmである球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子。 - 前記(B)加水分解性シリル基を有するポリジオルガノシロキサンが、一般式(IV):
QaR3 (3-a)Si[R4(R3 2Si)]bO(R3 2SiO)x[(R3 2Si)R4]cSiR3 (3-a)Qa
(式中、Qは加水分解性基であり、R3は独立に炭素原子数1〜6の1価炭化水素基であり、R4は独立に炭素原子数1〜6の2価炭化水素基であり、aは1、2または3であり、bは0または1であり、cは0または1であり、xは0〜100の整数である)
で示される化合物である請求項1に記載のシリカ微粒子。
- 請求項1または2に記載の球状疎水性ポリジオルガノシロキサン含有シリカ微粒子からなる静電荷像現像用トナー外添剤。
- 請求項3に記載の静電荷像現像用トナー外添剤を外添してなるトナー。
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