JP2003176107A - 疎水性無機酸化物微粉末とその製法および用途 - Google Patents

疎水性無機酸化物微粉末とその製法および用途

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JP2003176107A
JP2003176107A JP2001378053A JP2001378053A JP2003176107A JP 2003176107 A JP2003176107 A JP 2003176107A JP 2001378053 A JP2001378053 A JP 2001378053A JP 2001378053 A JP2001378053 A JP 2001378053A JP 2003176107 A JP2003176107 A JP 2003176107A
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inorganic oxide
oxide fine
hydrophobic
hydrophobic inorganic
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Eiji Komai
栄治 駒井
Masamichi Murota
正道 室田
Hirokuni Kino
博州 城野
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Nippon Aerosil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた疎水性と帯電性を有し、かつ帯電性
が安定な無機酸化物微粉末とその製法を提供する。 【解決手段】 無機酸化物微粉末の表面にエチレングリ
コール鎖および/またはプロピレングリコール鎖および
疎水基を存在させることにより、帯電安定性と疎水性と
を高めたことを特徴とし、好ましくは、疎水率が60%
以上、鉄粉に対する摩擦帯電量が−400〜+400μ
C/g、高温高湿下と低温低湿下の帯電量の差が10μC/g
未満である疎水性無機酸化物微粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体系では液体樹
脂やゴムにおいて、増粘剤、補強充填剤、接着性改良の
目的で添加され、また粉体系では粉体塗料や電子写真用
トナー等においてそれらの粉体の流動性改善,固結防
止,帯電調整等の目的で添加される疎水性金属微粉末と
その製造方法に関する。
【0002】また、本発明は上記疎水性無機酸化物微粉
末を含有することによって環境変化に対する帯電安定
性、画像特性およびクリーニング性を大幅に改善した電
子写真用トナー組成物(電子写真に限らず、静電記録、
静電印刷等における各種静電画像を現像するためのトナ
ーを含む。)に関する。電子写真用トナー等においては
ブラックもしくはフルカラー等の小粒径トナー(3〜6
μm平均径)に多量に添加しても帯電変動が少なく、また
環境変化に対する帯電安定性、画像特性およびクリーニ
ング性を大幅に改善することができる電子写真用トナー
組成物に関する。
【0003】
【従来技術】微細なシリカ、チタニア、アルミナなどの
金属酸化物粉体の表面を有機物によって処理した表面処
理金属酸化物粉体が、複写機、レーザープリンタ、普通
紙ファクシミリ等を含む電子写真において、トナー外添
剤として流動性の改善や帯電制御の目的で広く用いられ
ている。このような用途においては、表面処理金属酸化
物粉体をトナーに混ぜたときの流動性やキャリアである
鉄または酸化鉄に対する摩擦帯電性が重要なファクター
の一つとなっており、これらの特性を調整する外添剤が
用いられている。一般に、負帯電性のトナーについては
負帯電性の外添剤が用いられ、正帯電性のトナーについ
ては正帯電性の外添剤が用いられる。
【0004】従来、正帯電性のトナー流動性改善剤とし
て従来から用いられている金属酸化物はその表面にアミ
ノ基を有するものが殆どであり、このため水に対して親
和力が高く、環境変動による帯電変動などを起こしやす
く、また凝集等も起こりやすいと云う問題がある。例え
ば、特開昭62−52561号公報に記載されているも
のは、金属酸化物微粉末をエポキシ基含有シランカップ
リング剤やアミノ基含有有機化合物で処理したものであ
り、疎水性が十分ではないうえに、長期にわたる使用や
水分吸湿により帯電変動や流動性の面で不都合が生じる
問題がある。
【0005】また、特開昭58−185405号公報に
はアミノ基含有シランカップリング剤と疎水化剤による
処理が開示されているが、これは零または正帯電性とす
るためにアミノ基含有シランカップリング剤の処理量が
多くなり、疎水化剤を用いても十分に疎水化されず、長
期にわたる使用や水分吸湿による帯電変動や流動性の面
で不都合が生ずる。しかもアミノ基含有シランカップリ
ング剤は高価であるという欠点もある。さらに特開平5
−222291号公報に記載されている改質無機質粉粒
体の製造方法は、無機質粉体の粒子表面にシリカを接合
した後に平均分子量10000以上のポリエチレングリ
コールと界面活性剤で処理する方法であるが、このよう
な方法では疎水性が十分ではなく、しかも平均分子量が
大きすぎるために改質剤による凝集や合一が見られ、長
期にわたる使用や水分吸湿により帯電変動や流動性の面
で障害となるなどの問題がある。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は、従来のトナー組成物等に
おける上記問題を解決したものであり、優れた疎水性と
帯電性を有すると共に、帯電量の変動が少なく、かつ流
動性の良い疎水性金属酸化物微粉末を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決する手段】すなわち本発明は(1)無機酸
化物微粉末の表面にエチレングリコール鎖および/また
はプロピレングリコール鎖および疎水基を存在させるこ
とにより、帯電安定性と疎水性とを高めたことを特徴と
する疎水性無機酸化物微粉末に関する。
【0008】本発明の上記無機酸化物微粉末は、(2)
透過率法による疎水率が60%以上である疎水性無機酸
化物微粉末、(3)鉄粉に対する摩擦帯電量が−400
〜+400μC/gである疎水性無機酸化物微粉末、
(4)高温高湿下の帯電量と低温低湿下の帯電量の差が
10μC/g未満である疎水性無機酸化物微粉末、(5)
エチレングリコール鎖またはプロピレングリコール鎖
と、疎水基との量比が1〜100:100〜1である疎
水性無機酸化物微粉末、(6)平均分子量3000以下
のポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコ
ールによって表面処理した疎水性無機酸化物微粉末、
(7)疎水基がアルキルシラン、アルキルシラザン、ま
たはシリコーンオイルである疎水性無機酸化物微粉末、
(8)無機酸化物微粉末が、シリカ、チタニア、または
アルミナの一種または二種以上である疎水性無機酸化物
微粉末を含む。
【0009】また、本発明は(9)無機酸化物微粉末
を、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリ
コールの一種または二種と、アルキルシラン、アルキル
シラザン、またはシリコーンオイルの一種または二種以
上によって、窒素雰囲気下で乾式表面処理することによ
り、該無機酸化物微粉末表面にエチレングリコール鎖ま
たはプロピレングリコール鎖、および疎水基を導入する
ことを特徴とする疎水性無機酸化物微粉末の製造方法、
(10)上記何れかに記載する疎水性無機酸化物微粉末
を含有する電子写真用トナー組成物に関する。
【0010】本発明の無機酸化物微粉末は、その表面に
エチレングリコール鎖またはプロピレングリコール鎖と
疎水基を有するので、高い疎水性と優れた帯電性および
その経時安定性を有する。具体的には、例えば、透過率
法による疎水率が60%以上であって、鉄粉に対する摩
擦帯電量が−400〜+400μC/g、高温高湿下の帯
電量と低温低湿下の帯電量の差が10μC/g未満の疎水
性無機酸化物微粉末を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づい
て具体的に説明する。本発明の無機酸化物微粉末は、そ
の表面にエチレングリコール鎖および/またはプロピレ
ングリコール鎖と疎水基を導入して帯電性を制御できる
ようにし、かつアルキル基等の疎水基によって疎水性を
高め、さらにアミノ基を除外することによって帯電性お
よび疎水性を制御できるようにして帯電安定性を高めた
ものである。
【0012】無機酸化物としてはシリカ、チタニア、ア
ルミナなどを用いることができる。これらは一種または
二種以上を混合したものでもよく、複合酸化物でもよ
い。これら無機酸化物の粒径は限定されない。因みにト
ナー組成物として用いるものは一般に0.001〜1.0
μmの一次粒径であれば良い。
【0013】無機酸化物微粉末表面にエチレングリコー
ル鎖やプロピレングリコール鎖を導入する化合物として
は、構造式中にこれらの鎖を有する化合物を用いること
ができ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコールなどが用いられる。エチレングリコール
鎖またはプロピレングリコール鎖はその極性基によって
帯電性を調整することができる。
【0014】上記ポリエチレングリコールまたはポリポ
リプロピレン等は平均分子量が3000以下であるもの
が好ましい。平均分子量が3000より大きいとこれら
の化合物の粘度が高くなり、処理の際、無機酸化物微粉
体どうしの凝集が目立つようになり、無機酸化物微粉体
が均一に表面処理され難く、帯電安定性にも悪影響を与
える。
【0015】疎水基としてはアルキルシランを用いるこ
とができる。アルキルシランは、一般のシランカップリ
ング剤やシリコーンオイルを用いることができ、より好
ましくはアルキルシラザンが良く、次式で表されるもの
が好ましい。 R3Si(NHSiR2)nNHSiR3 (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、一部の置換基
は水素原子またはビニル基等の他の置換基であっても良
く、nは0〜3の整数)上記アルキルシラザンは反応性
に優れ、疎水化の程度を高めるうえで好ましい。
【0016】無機酸化物微粉末表面のエチレングリコー
ル鎖ないしプロピレングリコール鎖と疎水基の量比は1
〜100:100〜1が好ましい。何れか一方が上記量
比より少なくと各々の官能基によって得られる効果が得
られ難くなる。
【0017】無機酸化物微粉末を、ポリエチレングリコ
ールまたはポリプロピレングリコールなどの一種または
二種以上と共に、アルキルシラン、アルキルシラザン、
またはシリコーンオイルの一種または二種以上からなる
疎水化剤によって窒素雰囲気下で乾式表面処理すること
により、本発明の無機酸化物微粉末を得ることができ
る。ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリ
コールなどは無機酸化物微粉末に帯電性を導入ないし付
与し、あるいは帯電性を制御し、または安定化する作用
を有する。なお、この無機酸化物微粉末を予めトリメチ
ルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリ
クロロシラン、トリメチルアルコキシシラン、ジメチル
ジアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘ
キサメチルジシラザン、各種シリコーンオイルや各種シ
ランカップリング剤等で疎水化処理を施しても良い。
【0018】無機酸化物微粉末に対するポリエチレング
リコールないしポリプロピレングリコール、およびアル
キルシランなどの添加量は、無機酸化物微粉末100重
量部に対してポリエチレングリコールないしポリプロピ
レングリコールが0.1〜50重量部、好ましくは1〜
20重量部が適当であり、アルキルシランが0.1〜1
00重量部、好ましくは1〜50重量部が適当である。
【0019】このように、ポリエチレングリコールない
しポリプロピレングリコールなどの一種または二種以上
と、アルキルシランないしシリコーンオイル、アルキル
シラザンなどの一種または二種以上で、表面処理するこ
とにより、ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基と疎
水基を表面に有する無機酸化物微粉末を得ることができ
る。表面処理は窒素雰囲気下による乾式処理が好まし
い。一般の湿式処理では凝集粒子ができやすいために元
の無機酸化物の特性を生かすことができない。一方、乾
式処理はプロセスや操作が簡便であり、湿式処理で必要
な後工程解砕処理が操作条件によっては不要になり、大
量生産が可能であって、溶剤使用が少ないために乾燥工
程のエネルギー消費が少なくてすみ、環境に優しいなど
の利点を有する。
【0020】このような製造工程によって、鉄粉キャリ
アに対する帯電量が−400〜+400μC/gの疎水性
無機酸化物微粉末を得ることができる。この帯電量は自
由にコントロールすることができる。すなわち、負帯電
性、零帯電性、正帯電性を選択でき、その強度も自由に
変えることができる。本発明の無機酸化物微粉末は帯電
量の範囲が−400〜+400μC/gと広く、かつ帯電
性を任意に制御することができるので適用範囲が広い。
【0021】また、本発明によれば高温高湿下の帯電量
と低温低湿下の帯電量の差が小さく帯電安定性に優れた
無機酸化物微粉末を得ることができる。具体的には、本
発明の無機酸化物微粉末を配合した電子写真用トナー組
成物と鉄粉キャリアの混合物を、例えば、40℃、湿度
85%の高温高湿雰囲気(HH環境下)と、10℃、湿度
20%の低温低湿雰囲気(LL環境下)におのおの24時
間放置したときの帯電量の差が10μC/g未満、好まし
くは5μC/g以下のものを得ることができる。
【0022】また、本発明によれば透過率法による疎水
率60%以上、好ましくは70%以上の無機酸化物微粉
末を得ることができる。60%以上の疎水率を有するこ
とによって水分吸着が防止され、環境による帯電変動も
少なく、長期にわたる使用にも優れた性能を維持するこ
とができる。疎水率が60%より小さいと、水分吸着に
よる帯電変動を招き、長期にわたる使用で不都合を生じ
る。
【0023】さらに本発明は上記無機酸化物微粉末を含
有する電子写真用トナー組成物に関する。上記無機酸化
物微粉末の含有量は任意であり、得られる現像剤が上記
特性向上を示す量であればよく制限はされない。一般に
は概ね0.01〜5.0重量%の添加量が好ましい。この
量が0.01重量%未満ではこの無機酸化物微粉末を添
加したことによる流動性の改善効果や帯電性の安定効果
が十分に得られない。また、この含有量が5.0重量%
より多いと画像やクリーニング性に問題が生じてくる。
【0024】一般に、トナーには熱可塑性樹脂の他に少
量の顔料や電荷制御剤、外添剤が含まれている。本発明
の疎水性無機酸化物微粉末を配合したトナー組成物の他
の成分は従来と同様でよい。また磁性、非磁性の1成分
系トナー、2成分系トナー、負帯電性トナー、正帯電性
トナー、モノクロ用トナー、カラー用トナーのいずれに
ついても本発明の無機酸化物微粉末を用いることができ
る。特に小粒径トナー(3〜6μm平均径)に多く用い
ても、本発明の無機酸化物微粉末は帯電制御することが
できるので従来より多量に添加しても不具合を生じな
い。
【0025】なお、電子写真用トナー組成物において、
本発明の上記無機酸化物微粉末は単独で使用する場合に
限らず、他の無機酸化物微粉末と併用しても良い。例え
ば、上記疎水性無機酸化物微粉末と他の表面改質された
乾式シリカ微粉末や表面改質された乾式酸化チタン微粉
末や表面改質された湿式酸化チタン微粉末などを併用す
ことができる。
【0026】
【発明の効果】本発明の疎水性無機酸化物微粉末を配合
した電子写真用トナー組成物は高い疎水性を有し、帯電
コントロールされたものであるため帯電量の変動が少な
く、従って、電子写真用トナーとして長期に亘って優れ
た帯電安定性と高い流動性を示す。このため、画像濃度
の低下の問題がなく、画像特性に優れると共に良好なク
リーニング性を示す。
【0027】
【実施例】以下に実施例および比較例によって本発明を
具体的に示す。疎水率、帯電量とその安定性、および画
像特性は以下のように測定・評価した。なお、実施例お
よび比較例の結果を表1に示した。
【0028】〔疎水率〕試料(1g)を分液ロート(200ml)
に計り採り、これに純水(100ml)を加え、ターブラーミ
キサーで10分間振盪した後、10分間静置する。その
後、下層から溶液(20〜30ml)を抜き取り、その溶液(10m
m)を石英セルに分取し、純水をブランクとして比色計に
かけ、500nm波長の透過率を疎水率とする。 〔帯電量〕ガラス容器(75ml)に鉄粉キャリア(50g)と高
分散疎水性無機酸化物微粉末(0.1g)を入れ、ターブラミ
キサーで5分間振盪した後、この無機酸化物微粉末と鉄
粉の混合粉末を0.1g採取し、ブローオフ帯電量測定装
置(東芝ケミカル社製TB-200型)を用い、1分間窒素ブローし
た後の測定値を帯電量とする。
【0029】〔帯電安定性〕ガラス容器(75ml)に無機酸
化物微粉末(0.4g)とトナー粒子(7μmφ:40g)をミキサー
にて撹拌混合して電子写真用トナー組成物を調製し、こ
のトナー組成物2gに鉄粉キヤリア48gを加えた混合
粉を、温度40℃および湿度85%の高温高湿(HH)環境
下と、温度10℃および湿度20%の低温低湿(LL)環境
下におのおの24時間放置した後、この混合粉末をター
ブラミキサーで5分振盪した後に、混合粉末を0.2g採
取し、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製TB-200
型)を用い、1分間窒素ブローした後の測定値を帯電量
とし、HH環境下とLL環境下に放置した場合の帯電量
の差を求めた。この差が5μC/g以下であれば環境変動
に対して安定であると認められる。 〔画像特性〕市販の複写機を用い、50,000枚以上印刷し
たところで画像のかぶりや濃淡の分布を観察した。
【0030】〔実施例1〕フュームドシリカ(商品名アエ
ロシ゛ル50、比表面積50m2/g、日本アエロシ゛ル社製品)100重
量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら平
均分子量200のポリエチレングリコール2重量部、ヘ
キサメチルジシラザン15重量部を滴下し、150℃で
1時間加熱撹拌して冷却した。得られた微粉末は、鉄粉
キャリアとの摩擦帯電量−300μC/g、透過率法によ
る疎水率91%であった。この微粉末を負帯電性トナー
(7μm)に混合してトナー組成物とし、これを鉄粉キャリ
アと混合し、24時間、LL条件下およびHH条件下に
放置して摩擦帯電させたところ、LLとHHでの帯電量
の差が2μC/gと小さく、帯電量の環境安定性に優れる
ものであった。また、市販の複写機を用い50000枚
以上印刷したが画像特性は良好であった。
【0031】〔実施例2〕フュームドシリカ(商品名アエロ
シ゛ル380S、比表面積380m2/g、日本アエロシ゛ル社製品)100
重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら
平均分子量400のポリプロピレングリコール16重量
部、ヘキサメチルジシラザン50重量部を滴下し、15
0℃で1時間加熱撹拌して冷却した。得られた微粉末
は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量−250μC/g、透過
率法による疎水率85%であった。この微粉末を負帯電
性トナー(7μm)に混合してトナー組成物とし、これを鉄
粉キャリアと混合し、24時間、LL条件下およびHH
条件下に放置して摩擦帯電させたところ、LLとHHで
の帯電量の差が4μC/gと小さく、帯電量の環境安定性
に優れるものであった。また、市販の複写機を用い50
000枚以上印刷したが画像特性は良好であった。
【0032】〔実施例3〕超微粒子チタニア(商品名:
酸化チタンTN90、比表面積90m2/g、日本アエロシ゛ル社製品)1
00重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しな
がら平均分子量3000のポリエチレングリコール2重
量部、オクチルトリメトキシシラン20重量部を滴下
し、150℃で1時間加熱撹拌して冷却した。得られた
微粉末は鉄粉キャリアとの摩擦帯電量−10μC/g、透
過率法による疎水率80%であった。この微粉末を負帯
電性トナー(7μm)に混合してトナー組成物とし、これを
鉄粉キャリアと混合し、24時間、LL条件下およびH
H条件下に放置して摩擦帯電させたところ、LLとHH
での帯電量の差が5μC/gと小さく、帯電量の環境安定
性に優れるものであった。また、市販の複写機を用い5
0000枚以上印刷したが画像特性は良好であった。
【0033】〔実施例4〕超微粒子複合酸化物(商品名
MOX90、比表面積95m2/g、テ゛ク゛サ社製)100重量部をミ
キサーに入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら平均分子量
200のポリエチレングリコール11重量部、ジメチル
シリコーンオイル10重量部、n−ヘキサン20重量部
を滴下し、200℃で1時間加熱攪拌し、更に溶剤を除
去し、その後冷却した。得られた微粉末は鉄粉キャリア
との摩擦帯電量+15μC/g、透過率法による疎水率7
1%であった。この微粉末を正帯電性トナー(7μm)に混
合してトナー組成物とし、これを鉄粉キャリアと混合
し、24時間、LL条件下およびHH条件下に放置して
摩擦帯電させたところ、LLとHHでの帯電量の差が3
μC/gと小さく、帯電量の環境安定性に優れるものであ
った。また、市販の複写機を用い50000枚以上印刷
したが画像特性は良好であった。
【0034】〔比較例1〕ポリエチレングリコール除い
た以外は実施例1と同様にしてシリカ微粉末の表面処理
を行った。得られた微粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯
電量−650μC/g、透過率法による疎水率99%であ
った。この微粉末を負帯電性トナー(7μm)に混合してト
ナー組成物とし、これを鉄粉キャリアと混合し、24時
間、LL条件下およびHH条件下に放置して摩擦帯電さ
せたところ、LLとHHでの帯電量の差が15μC/gと
大きく、帯電量の環境安定性が低かった。また、市販の
複写機を用い50000枚以上印刷したが、画像特性は
かぶりや画像濃度が濃くなる現象が生じた。
【0035】〔比較例2〕ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)を除いた以外は実施例2と同様にしてシリカ微粉末の
表面処理を行った。得られた微粉末は、鉄粉キャリアと
の摩擦帯電量0μC/g、透過率法による疎水率0%であ
った。この微粉末を負帯電性トナー(7μm)に混合してト
ナー組成物とし、これを鉄粉キャリアと混合し、24時
間、LL条件下およびHH条件下に放置して摩擦帯電さ
せたところ、LLとHHでの帯電量の差が8μC/gと大
きく、帯電量の環境安定性が低かった。また、市販の複
写機を用い50000枚以上印刷したが、画像特性は白
抜けが生じ、画像濃度が薄くなる現象が生じた。
【0036】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 375 G03G 9/08 375 // C01F 7/02 C01F 7/02 E (72)発明者 城野 博州 三重県四日市市三田町3番地 日本アエロ ジル株式会社四日市工場内 Fターム(参考) 2H005 AA08 CA12 CA26 CA30 CB07 CB13 EA01 EA10 4G042 DA01 DB28 DC03 DE03 DE07 DE12 4G047 CA02 CB08 CC03 CD03 4G072 AA25 AA38 BB05 GG03 HH17 HH28 JJ47 QQ06 QQ07 RR11 UU07 4G076 AA02 AA26 AB02 AB11 BF06 DA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機酸化物微粉末の表面にエチレングリ
    コール鎖および/またはプロピレングリコール鎖および
    疎水基を存在させることにより、帯電安定性と疎水性と
    を高めたことを特徴とする疎水性無機酸化物微粉末。
  2. 【請求項2】 透過率法による疎水率が60%以上であ
    る請求項1に記載する疎水性無機酸化物微粉末。
  3. 【請求項3】 鉄粉に対する摩擦帯電量が−400〜+
    400μC/gである請求項1または2に記載する疎水性
    無機酸化物微粉末。
  4. 【請求項4】 高温高湿下の帯電量と低温低湿下の帯電
    量の差が10μC/g未満である請求項1、2または3の疎
    水性無機酸化物微粉末。
  5. 【請求項5】 エチレングリコール鎖またはプロピレン
    グリコール鎖と、疎水基との量比が1〜100:100
    〜1である請求項1〜4の何れかに記載する疎水性無機
    酸化物微粉末。
  6. 【請求項6】 平均分子量3000以下のポリエチレン
    グリコールまたはポリプロピレングリコールによって表
    面処理した請求項1〜5の何れかに記載する疎水性無機
    酸化物微粉末。
  7. 【請求項7】 疎水基がアルキルシラン、アルキルシラ
    ザン、またはシリコーンオイルである請求項1〜6の何
    れかに記載の疎水性無機酸化物微粉末。
  8. 【請求項8】 無機酸化物微粉末が、シリカ、チタニ
    ア、またはアルミナの一種または二種以上である請求項
    1〜5の何れかに記載の疎水性無機酸化物微粉末。
  9. 【請求項9】 無機酸化物微粉末を、ポリエチレングリ
    コールまたはポリプロピレングリコールの一種または二
    種と、アルキルシラン、アルキルシラザン、またはシリ
    コーンオイルの一種または二種以上によって、窒素雰囲
    気下で乾式表面処理することにより、該無機酸化物微粉
    末表面にエチレングリコール鎖またはプロピレングリコ
    ール鎖、および疎水基を導入することを特徴とする疎水
    性無機酸化物微粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8の何れかに記載する疎水
    性無機酸化物微粉末を含有する電子写真用トナー組成
    物。
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