JP2003176106A - 疎水性無機酸化物微粉末とその製法および用途 - Google Patents

疎水性無機酸化物微粉末とその製法および用途

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JP2003176106A
JP2003176106A JP2001378052A JP2001378052A JP2003176106A JP 2003176106 A JP2003176106 A JP 2003176106A JP 2001378052 A JP2001378052 A JP 2001378052A JP 2001378052 A JP2001378052 A JP 2001378052A JP 2003176106 A JP2003176106 A JP 2003176106A
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hydrophobic
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Eiji Komai
栄治 駒井
Masamichi Murota
正道 室田
Hirokuni Kino
博州 城野
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Nippon Aerosil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた疎水性と帯電性を有し、かつ帯電性
が安定な無機酸化物微粉末とその製法を提供する。 【解決手段】 無機酸化物微粉末の表面にポリエチレン
オキシド基含有シロキシ基および疎水基を存在させるこ
とにより、帯電安定性と疎水性とを高めたことを特徴と
し、好ましくは、疎水率が80%以上、鉄粉に対する摩
擦帯電量が−400〜+400μC/g、高温高湿下と低
温低湿下の帯電量の差が5μC/g以下である疎水性無機
酸化物微粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体系では液体樹
脂やゴムにおいて、増粘剤、補強充填剤、接着性改良の
目的で添加され、また粉体系では粉体塗料や電子写真用
トナー等においてそれらの粉体の流動性改善,固結防
止,帯電調整等の目的で添加される疎水性金属微粉末と
その製造方法に関する。
【0002】また、本発明は上記疎水性無機酸化物微粉
末を含有することによって環境変化に対する帯電安定
性、画像特性及びクリーニング性を大幅に改善した電子
写真用トナー組成物(電子写真に限らず、静電記録、静
電印刷等における各種静電画像を現像するためのトナー
を含む。)に関する。電子写真用トナー等においてはブ
ラックもしくはフルカラー等の小粒径トナー(3〜6μm
平均径)に多量に添加しても帯電変動が少なく、また環
境変化に対する帯電安定性、画像特性およびクリーニン
グ性を大幅に改善することができる電子写真用トナー組
成物に関する。
【0003】
【従来技術】微細なシリカ、チタニア、アルミナなどの
無機酸化物粉体の表面を有機物によって処理した表面処
理無機酸化物粉体が、複写機、レーザープリンタ、普通
紙ファクシミリ等を含む電子写真において、トナー外添
剤として流動性の改善や帯電制御の目的で広く用いられ
ている。このような用途においては、表面処理無機酸化
物粉体をトナーに混ぜたときの流動性やキャリアである
鉄または酸化鉄に対する摩擦帯電性が重要なファクター
の一つとなっており、これらの特性を調整する外添剤が
用いられている。一般に、負帯電性のトナーについては
負帯電性の外添剤が用いられ、正帯電性のトナーについ
ては正帯電性の外添剤が用いられる。
【0004】従来、正帯電性のトナー流動性改善剤とし
て従来から用いられている無機酸化物はその表面にアミ
ノ基を有するものが殆どであり、このため水に対して親
和力が高く、環境変動による帯電変動などを起こしやす
く、また凝集等も起こりやすいと云う問題がある。例え
ば、特開昭62−52561号公報に記載されているも
のは、無機酸化物微粉末をエポキシ基含有シランカップ
リング剤やアミノ基含有有機化合物で処理したものであ
り、疎水性が十分ではないうえに、長期にわたる使用や
水分吸湿により帯電変動や流動性の面で不都合が生じる
問題がある。
【0005】また、特開昭58−185405号公報に
はアミノ基含有シランカップリング剤と疎水化剤による
処理が開示されているが、これは零または正帯電性とす
るためにアミノ基含有シランカップリング剤の処理量が
多くなり、疎水化剤を用いても十分に疎水化されず、長
期にわたる使用や水分吸湿による帯電変動や流動性の面
で不都合が生ずる。しかもアミノ基含有シランカップリ
ング剤は高価であるという欠点もある。さらに特開平5
−222291号公報に記載されている改質無機質粉粒
体の製造方法は、無機質粉体の粒子表面にシリカを接合
した後に平均分子量10000以上のポリエチレングリ
コールと界面活性剤で処理する方法であるが、このよう
な方法では疎水性が十分ではなく、しかも平均分子量が
大きすぎるために改質剤による凝集や合一が見られ、長
期にわたる使用や水分吸湿により帯電変動や流動性の面
で障害となるなどの問題がある。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は、従来のトナー組成物等に
おける上記問題を解決したものであり、優れた疎水性と
帯電性を有すると共に、帯電量の変動が少なく、かつ流
動性の良い疎水性無機酸化物微粉末を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決する手段】すなわち、本発明は、(1)無
機酸化物微粉末の表面にポリエチレンオキシド基含有シ
ロキシ基および疎水基を存在させることにより、帯電安
定性と疎水性とを高めたことを特徴とする疎水性無機酸
化物微粉末に関する。本発明の上記無機酸化物微粉末
は、具体的には、例えば(2)透過率法による疎水率が
80%以上である疎水性無機酸化物微粉末、(3)鉄粉
に対する摩擦帯電量が−400〜+400μC/gである
疎水性無機酸化物微粉末、(4)高温高湿下の帯電量と
低温低湿下の帯電量の差が5μC/g以下である疎水性無
機酸化物微粉末である。
【0008】本発明の上記無機酸化物微粉末は以下の構
成からなるものを含む。 (5)ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基が次式
(1)に示すポリエチレンオキシド基含有シランである疎
水性無機酸化物微粉末。 RO(C24O)nC36Si(OR’)3 …(1) 〔式中、Rはメチル基、エチル基、またはプロピル基か
らなるアルキル基であり、一部がビニル基、フェニル基
を含む官能基からなるグループの何れか1つを含むアル
キル基で置換されていてもよく、R’はメチル基、エチ
ル基からなるアルキル基、nは1以上〜30以下の整
数〕 (6)ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基が次式
(2)に示すポリエチレンオキシド基含有シリコーンオイ
ルである疎水性無機酸化物微粉末。
【化2】 〔式中、R''はC24、C36であり、R'''はメチル
基、エチル基またはプロピル基からなるアルキル基であ
り、p、a、bは1以上〜50以下の整数〕 (7)疎水基を付与する処理剤がアルキルシラン、アル
キルシラザン、またはシリコーンオイルである疎水性無
機酸化物微粉末。 (8)無機酸化物微粉末が、シリカ、チタニア、または
アルミナの一種または二種以上である疎水性無機酸化物
微粉末。 (9)ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基と疎水基
との量比が1〜100:100〜1である疎水性無機酸
化物微粉末。
【0009】更に本発明は(10)無機酸化物微粉末
を、ポリエチレンオキシド基含有シランまたはポリエチ
レンオキシド基含有シリコーンオイルの一種または二種
と、アルキルシラン、アルキルシラザン、またはシリコ
ーンオイルの一種または二種以上によって窒素雰囲気下
で乾式表面処理することにより、該無機酸化物微粉末表
面にポリエチレンオキシド基含有シロキシ基および疎水
基を導入することを特徴とする疎水性無機酸化物微粉末
の製造方法、(11)上記(1)〜(9)の何れかに記載する
疎水性無機酸化物微粉末を含有する電子写真用トナー組
成物に関する。
【0010】本発明の無機酸化物微粉末は、その表面に
ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基および疎水基を
存在させるので、高い疎水性を有すると共に帯電性およ
び帯電安定性に優れる。本発明において用いるポリエチ
レンオキシド基含有シロキシ基を有する処理剤として
は、上記(1)に示すポリエチレンオキシド基含有シラ
ン、または上記(2)に示すポリエチレンオキシド基含有
シリコーンオイルなどが好適である。これらの処理剤を
用いることにより、例えば、透過率法による疎水率が8
0%以上、鉄粉に対する摩擦帯電量が−400〜+40
0μC/g、高温高湿下の帯電量と低温低湿下の帯電量
の差が5μC/g以下である疎水性無機酸化物微粉末を得
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づい
て具体的に説明する。本発明の無機酸化物微粉末は、そ
の表面にポリエチレンオキシド基含有シロキシ基を導入
することによって帯電量を制御し、またアルキル基等の
疎水基を導入することによって疎水性を高め、しかもア
ミノ基を除外することによって帯電性および疎水性を制
御できるようにし、帯電安定性を高めたものである。
【0012】無機酸化物としてはシリカ、チタニア、ア
ルミナなどを用いることができる。これらは一種または
二種以上を混合したものでもよく、複合酸化物でもよ
い。これら無機酸化物の粒径は限定されない。因みに、
トナー組成物として用いるものは一般に0.001〜1
μmの粒径であれば良い。なお、シリカ微粉末等は気相
法によって製造したものが好ましい。湿式法で製造した
シリカ等は凝集粒子が大きく、粒子表面を均一に表面処
理するのが難しい。
【0013】ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基を
有する処理剤としては、例えば、次式(1)に示すポリエ
チレンオキシド基含有シランが好ましい。 RO(C24O)nC36Si(OR’)3…(1) 式中、Rはメチル基、エチル基またはプロピル基からな
るアルキル基であり、一部がビニル基、フェニル基を含
む官能基からなるグループの何れか1つを含むアルキル
基で置換されていてもよく、R’はメチル基またはエチ
ル基からなるアルキル基、nは1以上〜30以下の数で
ある。
【0014】ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基を
有する処理剤の他の例としては、次式(2)に示すポリエ
チレンオキシド基含有シリコーンオイルが好適である。
【化3】 式中、R''はC24、C36であり、R'''はメチル基、
エチル基またはプロピル基からなるアルキル基であり、
p、a、bは1以上〜50以下の整数である。
【0015】この処理剤によって酸化物微粉末の表面に
ポリエーテル基を導入することによって容易に帯電を弱
めることができ、また安定性を高めることができる。ま
た、疎水基を導入することによって吸水性等を防ぎ、環
境や経時による帯電変動を防ぐことが可能となる。
【0016】上記ポリエチレンオキシド基含有シラン、
ポリエチレンオキシド基含有シリコーンオイルは平均分
子量が8000以下であるものが好ましい。平均分子量
が8000より大きいとこれらの化合物の粘度が高くな
り、処理の際、無機酸化物微粉体どうしの凝集が目立つ
ようになり、無機酸化物微粉体が均一に表面処理され難
く、帯電安定性にも悪影響を与える。
【0017】疎水基を付与する処理剤としてはアルキル
基を有するシランカップリング剤やシリコーンオイルを
用いることができる。シランカップリング剤のなかでも
立体障害を起こし難いと云う観点からアルキルシラザン
が好んで用いられる。例えば次式(3)で表されるものが
好ましい。 R3Si(NHSiR2)nNHSiR3 …(3) (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、一部の置換基
は水素原子またはビニル基等の他の置換基であっても良
く、nは0〜3の整数)
【0018】無機酸化物微粉末を、ポリエチレンオキシ
ド基含有シランまたはポリエチレンオキシド基含有シリ
コーンオイル、好ましくは上記(1)式または(2)式の一
種または二種と、アルキルシラン、アルキルシラザン、
またはシリコーンオイルの一種または二種によって表面
処理することにより、本発明の無機酸化物微粉末を得る
ことができる。この無機酸化物微粉末は予めトリメチル
クロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリク
ロロシラン、トリメチルアルコキシシラン、ジメチルジ
アルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキ
サメチルジシラザン、各種シリコーンオイルや各種シラ
ンカップリング剤等で疎水化処理を施したものでも良
い。
【0019】無機酸化物微粉末に対するポリエチレンオ
キシド基含有シランないしポリエチレンオキシド基含有
シリコーンオイル、アルキルシランまたはシリコーンオ
イルの添加量は、無機酸化物微粉末100重量部に対し
てエポキシポリエチレングリコール0.1〜50重量
部、好ましくは1〜20重量部が適当であり、アルキル
シラン0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量
部が適当である。
【0020】このように、ポリエチレンオキシド基含有
シランまたはポリエチレンオキシド基含有シリコーンオ
イルの一種または二種と、アルキルシランないしシリコ
ーンオイル、アルキルシラザンの一種または二種以上で
表面処理することにより、ポリエチレンオキシド基含有
シロキシ基と疎水基を表面に有する無機酸化物微粉末を
得ることができる。なお、表面処理は窒素雰囲気下の乾
式処理が好ましい。水中などにシリカ粉末等を分散させ
て処理剤を滴下する湿式処理では気相法で製造した微粉
末の場合、増粘性が高いので均一に表面処理するのが難
しい。無機酸化物微粉末の表面のポリエチレンオキシド
基含有シロキシ基と疎水基の量比は1〜100:100
〜1が好ましい。何れか一方が上記量比より少なくと各
々の官能基によって得られる効果が得られ難くなる。
【0021】このような製造工程によって、鉄粉キャリ
アに対する帯電量が−400〜+400μC/gの疎水性
無機酸化物微粉末を得ることができる。この帯電量は自
由にコントロールすることができる。すなわち、負帯電
性、零帯電性、正帯電性を選択でき、その強度も自由に
変えることができる。本発明の無機酸化物微粉末は帯電
量の範囲が−400〜+400μC/gと広く、かつ帯電
性を任意に制御することができるので適用範囲が広い。
【0022】また、本発明によれば高温高湿下の帯電量
と低温低湿下の帯電量の差が小さく帯電安定性に優れた
無機酸化物微粉末を得ることができる。具体的には、本
発明の無機酸化物微粉末を配合した電子写真用トナー組
成物と鉄粉キャリアの混合物を、例えば、40℃、湿度
85%の高温高湿雰囲気(HH環境下)と、10℃、湿
度20%の低温低湿雰囲気(LL環境下)におのおの2
4時間放置したときの帯電量の差が5μC/g以下のもの
を得ることができる。
【0023】また、本発明によれば透過率法による疎水
率80%以上、好ましくは85%以上の無機酸化物微粉
末を得ることができる。80%以上の疎水率を有するこ
とによって水分吸着が防止され、環境による帯電変動も
少なく、長期にわたる使用にも優れた性能を維持するこ
とができる。疎水率が80%より小さいと、水分吸着に
よる帯電変動を招き、長期にわたる使用で不都合を生じ
る。
【0024】さらに本発明は上記無機酸化物微粉末を含
有する電子写真用トナー組成物に関する。上記無機酸化
物微粉末の含有量は任意であり、得られる現像剤が上記
特性向上を示す量であればよく制限はされない。一般に
は概ね0.01〜5.0重量%の添加量が好ましい。この
量が0.01重量%未満ではこの無機酸化物微粉末を添
加したことによる流動性の改善効果や帯電性の安定効果
が十分に得られない。また、この含有量が5.0重量%
より多いと画像やクリーニング性に問題が生じてくる。
【0025】一般に、トナーには熱可塑性樹脂の他に少
量の顔料や電荷制御剤、外添剤が含まれている。本発明
の疎水性無機酸化物微粉末を配合したトナー組成物の他
の成分は従来と同様でよい。また磁性、非磁性の1成分
系トナー、2成分系トナー、負帯電性トナー、正帯電性
トナー、モノクロ用トナー、カラー用トナーのいずれに
ついても本発明の無機酸化物微粉末を用いることができ
る。特に小粒径トナー(3〜6μm平均径)に多く用い
ても、本発明の無機酸化物微粉末は帯電制御することが
できるので従来よりも多量に添加しても不具合を生じな
い。
【0026】なお、電子写真用トナー組成物において、
本発明の上記無機酸化物微粉末は単独で使用する場合に
限らず、他の無機酸化物微粉末と併用しても良い。例え
ば、上記疎水性無機酸化物微粉末と他の表面改質された
乾式シリカ微粉末や表面改質された乾式酸化チタン微粉
末や表面改質された湿式酸化チタン微粉末などを併用す
ことができる。
【0027】
【発明の効果】本発明の疎水性無機酸化物微粉末を配合
した電子写真用トナー組成物は高い疎水性を有し、帯電
コントロールされたものであるため帯電量の変動が少な
く、従って、電子写真用トナーとして長期に亘って優れ
た帯電安定性と高い流動性を示す。このため、画像濃度
の低下の問題がなく、画像特性に優れると共に良好なク
リーニング性を示す。
【0028】
【実施例】以下に実施例および比較例によって本発明を
具体的に示す。疎水率、帯電量とその安定性、および画
像特性は以下のように測定・評価した。なお、実施例お
よび比較例の結果を表1に示した。
【0029】〔疎水率〕試料(1g)を分液ロート(200ml)
に計り採り、これに純水(100ml)を加え、ターブラーミ
キサーで10分間振盪した後、10分間静置する。その
後、下層から溶液(20〜30ml)を抜き取り、その溶液液(1
0mm)を石英セルに分取し、純水をブランクとして比色計
にかけ、500nm波長の透過率を疎水率とする。 〔帯電量〕ガラス容器(75ml)に鉄粉キャリア(50g)と高
分散疎水性無機酸化物微粉末(0.1g)を入れ、ターブラミ
キサーで5分間振盪した後、この無機酸化物微粉末と鉄
粉の混合粉末を0.1g採取し、ブローオフ帯電量測定装
置(東芝ケミカル社製TB-200型)を用い、1分間窒素ブローし
た後の測定値を帯電量とする。 〔帯電安定性〕ガラス容器(75ml)に無機酸化物微粉末
(0.4g)とトナー粒子(7μmφ:40g)をミキサーにて撹拌混
合して電子写真用トナー組成物を調製し、このトナー組
成物2gに鉄粉キヤリア48gを加えた混合粉を、温度
40℃および湿度85%の高温高湿(HH)環境下と、温度
10℃および湿度20%の低温低湿(LL)環境下におのお
の24時間放置した後、この混合粉末をターブラミキサ
ーで5分振盪した後に、混合粉末を0.2g採取し、ブロ
ーオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製TB-200型)を用い、
1分間窒素ブローした後の測定値を帯電量とし、HH環
境下とLL環境下に放置した場合の帯電量の差を求め
た。この差が5μC/g以下であれば環境変動に対して安
定であると認められる。 〔画像特性〕市販の複写機を用い、50,000枚以上印刷し
たところで画像のかぶりや濃淡の分布を観察した。
【0030】〔実施例1〕フュームドシリカ(商品名「ア
エロシ゛ル50」、比表面積50m2/g、日本アエロシ゛ル社製品)100
重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら
ポリエチレンオキシド基含有シラン(日本ユニカー社製品「A
-1230」)2重量部、ヘキシルトリメトキシシラン5重量
部を滴下し、150℃で1時間加熱撹拌し、その後冷却
した。得られた微粉末の鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は
−288μC/g、透過率法による疎水率は96%を示し
た。この微粉末を負帯電性7μmトナーに混合したトナ
ー組成物と鉄粉キャリアとを24時間、LL条件下およ
びHH条件下に放置して摩擦帯電させたところ、LLと
HHでの帯電量の差が1μC/gと小さく、帯電量の環境
安定性に優れるものであった。また、市販の複写機を用
い50000枚以上印刷したが画像特性は良好であっ
た。
【0031】〔実施例2〕フュームドシリカ(商品名「ア
エロシ゛ル380S」、比表面積380m2/g、日本アエロシ゛ル社製品)10
0重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しなが
らポリエチレンオキシド基含有シラン(日本ユニカー社製品
「A-1230」)3重量部、ヘキサメチルジシラザン35重量
部を滴下し、150℃で1時間加熱撹拌し、その後冷却
した。得られた微粉末の鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は
−340μC/g、透過率法による疎水率は93%を示し
た。この微粉末を負帯電性7μmトナーに混合したトナ
ー組成物と鉄粉キャリアとを24時間、LL条件下およ
びHH条件下に放置して摩擦帯電させたところ、LLと
HHでの帯電量の差が2μC/g、帯電量の環境安定性に
優れるものであった。また、市販の複写機を用い500
00枚以上印刷したが画像特性は良好であった。
【0032】〔実施例3〕超微粒子チタニア(商品名
「酸化チタンTN90」、比表面積90m2/g、日本アエロシ゛ル社製品)
100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌し
ながらポリエチレンオキシド基含有シラン(日本ユニカー社
製品「A-1230」)4重量部、デシルトリメトキシシラン1
5重量部を滴下し、150℃で1時間加熱撹拌し、その
後冷却した。得られた微粉末の鉄粉キャリアとの摩擦帯
電量は+259μC/g、透過率法による疎水率は81%
を示した。この微粉末を負帯電性7μmトナーに混合し
たトナー組成物と鉄粉キャリアとを24時間、LL条件
下およびHH条件下に放置して摩擦帯電させたところ、
LLとHHでの帯電量の差が3μC/gと小さく、帯電量
の環境安定性に優れるものであった。また、市販の複写
機を用い50000枚以上印刷したが、画像特性は良好
であった。
【0033】〔実施例4〕超微粒子複合酸化物(商品名
「MOX90」、比表面積95m2/g、テ゛ク゛サ社製品)100重量部
をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながらポリエ
チレンオキシド基含有シリコーンオイル(信越化学社製
品:KF618)5重量部、ジメチルシリコーンオイル(KF96-
100)15重量部、n-ヘキサン40重量部を滴下し、2
00℃で1時間加熱攪拌し、さらに溶剤を除去し、その
後冷却した。得られた微粉末の鉄粉キャリアとの摩擦帯
電量は+20μC/g、透過率法による疎水率は88%を
示した。この微粉末を正帯電性7μmトナーに混合した
トナー組成物と鉄粉キャリアとを24時間、LL条件下
およびHH条件下に放置して摩擦帯電させたところ、L
LとHHでの帯電量の差が2μC/gと小さく、帯電量の
環境安定性に優れるものであった。また、市販の複写機
を用い50000枚以上印刷したが画像特性は良好であ
った。
【0034】〔比較例1〕実施例1のポリエチレンオキ
シド基含有シランA-1230(日本ユニカー社製品:A-1230)を除
いた以外は実施例1と同様にしてフュームドシリカを表
面処理した。得られた微粉末の鉄粉キャリアとの摩擦帯
電量は−550μC/g、透過率法による疎水率は99%
を示した。この微粉末を負帯電性7μmトナーに混合し
たトナー組成物と鉄粉キャリアとを24時間、LL条件
下およびHH条件下に放置して摩擦帯電させたところ、
LLとHHでの帯電量の差は11μC/gと大きく、帯電
量の環境安定性が低かった。また、市販の複写機を用い
50000枚以上印刷したが画像特性はかぶりや画像濃
度が濃くなる現象が生じた。
【0035】〔比較例2〕実施例2のヘキサメチルジシ
ラザン(HMDS)を除いた以外は実施例2と同様にして
フュームドシリカを表面処理した。得られた微粉末の鉄
粉キャリアとの摩擦帯電量は−100μC/g、透過率法
による疎水率は0%を示した。この微粉末を負帯電性7
μmトナーに混合したトナー組成物と鉄粉キャリアとを
24時間、LL条件下およびHH条件下に放置して摩擦
帯電させたところ、LLとHHでの帯電量の差は15μ
C/gと大きく、帯電量の環境安定性が低かった。また、
市販の複写機を用い50000枚以上印刷したが、画像
特性は白抜けが生じ、画像濃度が薄くなる現象が生じ
た。
【0036】〔比較例3〕実施例3のポリエチレンオキ
シド基含有シランの代わりにアミノシラン(信越化学社
製KBE903)を用いた以外は実施例3と同様にして酸化チ
タン微粒子を表面処理した。得られた微粉末の鉄粉キャ
リアとの摩擦帯電量は150μC/g、透過率法による疎
水率は65%を示した。この微粉末を負帯電性7μmト
ナーに混合したトナー組成物と鉄粉キャリアとを24時
間、LL条件下およびHH条件下に放置させ、摩擦帯電
させたところ、LLとHHでの帯電量の差は10μC/g
と大きく、帯電量の環境安定性が低かった。また、市販
の複写機を用い50000枚以上印刷したが、画像特性
は白抜けが生じ、画像濃度が薄くなる現象が生じた。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の疎水性無機酸化
物微粉末は、高い疎水性を有し、かつ帯電コントロール
がされていて帯電変動が少ない。また、帯電量の環境変
化による経時変化も殆どなく化学的に安定である。従っ
て、本発明の疎水性無機酸化物微粉末を配合した電子写
真用トナー組成部は帯電性、耐久性の改善効果に優れ、
経時安定性を向上させることができる。さらに液体樹脂
に用いた場合、その表面にポリエチレンオキシド基含有
シロキシ基を持っているため、充填剤との相溶性が優
れ、機械的強度や増粘性を向上することができる。
【0038】本発明の電子写真用トナー組成物は、この
ような高い疎水性を有し、帯電コントロールされた疎水
性無機酸化物微粉末を配合したものであるため、帯電性
変動が少なく、従って電子写真用トナーとして、長期に
亘って帯電安定性と高い流動性を示す。このため、画像
濃度の低下の問題がなく、画像特性に優れると共に、良
好なクリーニング性を示す。
【0039】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 375 G03G 9/08 375 // C01F 7/02 C01F 7/02 E (72)発明者 城野 博州 三重県四日市市三田町3番地 日本アエロ ジル株式会社四日市工場内 Fターム(参考) 2H005 AA08 CA12 CA26 CB07 CB13 EA01 EA07 EA10 4G042 DA01 DB28 DC03 DE03 DE07 DE12 DE16 4G047 CA02 CB04 CB08 CC03 CD03 4G072 AA38 AA41 BB05 GG01 GG03 HH14 HH28 QQ06 QQ07 UU07 4G076 AA02 AB02 BA24 BF01 DA02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機酸化物微粉末の表面にポリエチレン
    オキシド基含有シロキシ基および疎水基を存在させるこ
    とにより、帯電安定性と疎水性とを高めたことを特徴と
    する疎水性無機酸化物微粉末。
  2. 【請求項2】 透過率法による疎水率が80%以上であ
    る請求項1に記載する疎水性無機酸化物微粉末。
  3. 【請求項3】 鉄粉に対する摩擦帯電量が−400〜+
    400μC/gである請求項1または2に記載する疎水性
    無機酸化物微粉末。
  4. 【請求項4】 高温高湿下の帯電量と低温低湿下の帯電
    量の差が5μC/g以下である請求項1、2または3の疎水
    性無機酸化物微粉末。
  5. 【請求項5】 ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基
    が次式(1)に示すポリエチレンオキシド基含有シランで
    ある請求項1〜4の何れかに記載する疎水性無機酸化物
    微粉末。 RO(C24O)nC36Si(OR’)3 …(1) 〔式中、Rはメチル基、エチル基、またはプロピル基か
    らなるアルキル基であり、一部がビニル基、フェニル基
    を含む官能基からなるグループの何れか1つを含むアル
    キル基で置換されていてもよく、R’はメチル基、エチ
    ル基からなるアルキル基、nは1以上〜30以下の整
    数〕
  6. 【請求項6】 ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基
    が次式(2)に示すポリエチレンオキシド基含有シリコー
    ンオイルである請求項1〜5の何れかに記載する疎水性
    無機酸化物微粉末。 【化1】 〔式中、R''はC24、C36であり、R'''はメチル
    基、エチル基またはプロピル基からなるアルキル基であ
    り、p、a、bは1以上〜50以下の整数〕
  7. 【請求項7】 疎水基を付与する処理剤がアルキルシラ
    ン、アルキルシラザン、またはシリコーンオイルである
    請求項1〜6の何れかに記載の疎水性無機酸化物微粉
    末。
  8. 【請求項8】 無機酸化物微粉末が、シリカ、チタニ
    ア、またはアルミナの一種または二種以上である請求項
    1〜7の何れかに記載の疎水性無機酸化物微粉末。
  9. 【請求項9】 ポリエチレンオキシド基含有シロキシ基
    と疎水基との量比が1〜100:100〜1である請求
    項1〜8の何れかに記載する疎水性無機酸化物微粉末。
  10. 【請求項10】 無機酸化物微粉末を、ポリエチレンオ
    キシド基含有シランまたはポリエチレンオキシド基含有
    シリコーンオイルの一種または二種と、アルキルシラ
    ン、アルキルシラザン、またはシリコーンオイルの一種
    または二種以上によって窒素雰囲気下で乾式表面処理す
    ることにより、該無機酸化物微粉末表面にポリエチレン
    オキシド基含有シロキシ基および疎水基を導入すること
    を特徴とする疎水性無機酸化物微粉末の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9の何れかに記載する疎水
    性無機酸化物微粉末を含有する電子写真用トナー組成
    物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015086103A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 松本油脂製薬株式会社 変性シリカ微粒子の製造方法及びその利用
JP2017508024A (ja) * 2013-12-20 2017-03-23 エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH 粒子の表面処理及びその使用

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