JP3965496B2 - 電子写真現像剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用トナーにおいて、疎水性金属酸化物微粉末を混合することにより、粉体の流動性を改善すると共に固結を防止し、帯電変動を抑制した電子写真現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、微細なシリカ、チタニアやアルミナなどの金属酸化物粉体の表面を有機物によって処理した表面処理金属酸化物粉体が、複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリなどの電子写真において、トナー流動性改善剤として広く用いられている。
【0003】
このような用途においては、キヤリアである鉄や酸化鉄に対する摩擦帯電性が重要な粉体特性の一つである。一般に、負帯電のトナーには負帯電の外添剤が用いられ、正帯電のトナーには正帯電の外添剤が用いられるものが多く、正帯電のトナー流動性改善剤として金属酸化物粉末が一般に用いられている。このような金属酸化物粉末としてその表面にアミノ基を有するものが知られている。
例えば、特開昭62−52561号には、気相法により製造したシリカをエポキシ基含有シランで処理し、次いでアミン類で処理することが開示されている。また、特開平6−83099号には、金属酸化物粉末をエポキシ含有変性シリコーンオイルで加熱処理し、更にアミノ基含有有機化合物で処理することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、トナーが10μmから7μmに小粒径化するのに伴い、トナーの流動性が低下する問題があり、これを改善するためにトナー外添剤の添加量が従来よりも増えているが、このためトナー外添剤がトナーの帯電性に大きな影響を与えるようになってきた。特に環境による帯電変動が問題となっており、これを防止するため疎水性の高いトナー外添剤が求められてきている。
ところが、先に述べた従来の表面にアミノ基を有する金属酸化物粉末は水に対して親和力が高く、このため環境変動による帯電変動などを起こしやすく、また凝集等も起こりやすい問題がある。
【0005】
すなわち、従来のように金属酸化物微粉末をエポキシ基含有シランやアミノ基含有有機化合物によって処理するだけでは、疎水性が不十分であり、長期にわたる使用や水分吸湿により帯電変動を生じ、流動性も低下する。また、金属酸化物微粉末をエポキシ基含有変性シリコーンやアミノ基含有有機化合物によって処理した場合もやはり疎水性は十分でなく、長期間の使用や水分吸湿によって帯電変動を生じ、流動性が低下する。
【0006】
本発明は、従来の上記問題を解決した電子写真現像剤を提供することを目的とし、疎水性が高く、帯電性がコントロールされた表面改質金属酸化物微粉末を添加することにより安定な帯電性を有し、かつ流動性に優れた電子写真現像剤を完成させたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の構成からなる電子写真現像剤に関するものである。
(1)比表面積10〜400m2/gの金属酸化物微粉末を、エポキシ基含有シラン、アミノ基含有有機化合物、および両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンによって処理した透過率法による疎水率70%以上の疎水性金属酸化物微粉末を含有することを特徴とする電子写真現像剤。
【0008】
本発明の上記電子写真現像剤は以下の態様を含む。
(2)金属酸化物微粉末がシリカ、チタニアまたはアルミナである上記(1)に記載する電子写真現像剤。
(3)両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンが、以下の一般式で表されるものである上記(1)または上記(2)のいずれかに記載する電子写真現像剤。
(式中、Rはメチル基またはエチル基からなるアルキル基で、一部がビニル基、フェニル基、アミノ基を含む官能基のいずれか1つを含むアルキル基で置換されていてもよく、Xはハロゲン原子、水酸基またはアルコキシ基であり、nは15〜500の整数)
(4)両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンを、金属酸化物微粉末に対して1〜50重量%用いて処理した上記(1)〜上記(3)のいずれかに記載する電子写真現像剤。
【0009】
【発明の実施形態】
以下、本発明を実施例および比較例と共に詳細に説明する。
本発明の電子写真現像剤は、金属酸化物微粉末を、エポキシ基含有シラン、アミノ基含有有機化合物および両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンによって処理して得た疎水性金属酸化物微粉末を含有することを特徴とする。
すなわち、本発明は、このような処理により、エポキシ基を開環させ、そこにアミノ基を導入し、さらに開環により生成した水酸基や金属酸化物の水酸基に反応性のある官能基を持つオルガノポリシロキサンを反応させることにより疎水性が高く、かつ帯電性がコントロールされた金属酸化物微粉末としたものを電子写真用トナーに混合したものである。
【0010】
本発明において用いる金属酸化物微粉末の種類は限定されない。一般には、シリカ、チタニア、アルミナなどが好適に用いられる。また、これら金属酸化物微粉末は、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、トリメチルアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、各種シリコーンオイルや各種シランカップリング剤などで予め疎水化処理が施されてたものでもよい。
【0011】
本発明の金属酸化物微粉末の大きさは、比表面積が10〜400m2/gのものである。金属ハロゲン化合物の気相高温加熱分解法等により上記比表面積の金属酸化物微粉末を得ることができる。
【0012】
本発明では金属酸化物微粉末の表面処理剤として、エポキシ基含有シラン、アミノ基含有有機化合物および両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンが用いられる。
このうち、エポキシ基含有シランは、例えば、グリシジル基、エポキシシクロヘキシル基などのエポキシ基を有するトリアルコキシシラン類もしくはジアルコキシシラン類であり、その具体的な例は次の通りである。即ち、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0013】
また、アミノ基含有有機化合物としては、モノアミン、ジアミン、トリアミンもしくはテトラミンが好ましい。具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
【0014】
両末端に反応性のある官能基を有するオルガノポリシロキサン(両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンと云う)は、以下の一般式(1)で表されるものが好適に用いられる。
式中、Rはメチル基またはエチル基からなるアルキル基で、一部がビニル基、フェニル基、アミノ基を含む官能基のいずれか1つを含むアルキル基で置換されていてもよく、Xはハロゲン原子、水酸基またはアルコキシ基、nはシロキサン結合の重合度である。
【0015】
上記一般式のオルガノポリシリキサンはシロキサン結合の両末端にハロゲン原子、水酸基またはアルコキシ基を有し、両末端がこれらの反応基によって封鎖されている。従って、オルガノポリシロキサン端末がこの反応基を介してエポキシ基の開環により生成した水酸基や金属酸化物の水酸基と反応して安定な疎水性の表面処理層を形成し、金属酸化物微粉末を疎水化する。
【0016】
好ましいオルガノポリシロキサンは、上記一般式においてシロキサン結合の重合度nが15〜500のものである。この重合度nが15よりも小さいとシロキサンの分子量が小さいため揮発しやすくなり、疎水化の程度を高めることが困難になる。一方、重合度nが500を上回ると粉体どうしの凝集が大きくなり、微粉末としての特性が失われるので好ましくない。
【0017】
これらのエポキシ基含有シラン、アミノ基含有有機化合物および両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンの使用量は、処理しようとする金属酸化物微粉末に対して、全量で2〜100重量%の範囲が好ましい。
ここで、アミノ基含有有機化合物の添加量はエポキシ基含有シラン添加量と等モルかそれ以下が適当である。それ以上であると、エポキシ基と反応しないアミノ基含有有機化合物が遊離するので好ましくない。
また、両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンの使用量は処理しようとする金属酸化物微粉末に対して1〜50重量%が好ましい。この添加量が1重量%より少ないと処理の効果が明瞭でなく、また50重量%を上回ると効果が飽和する。
【0018】
比表面積10〜400m2/gの金属酸化物微粉末を、上記所定量のエポキシ基含有シラン、アミノ基含有有機化合物および両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンと共に混合し、加熱処理することにより所望の疎水性金属酸化物微粉末が得られる。
本発明において、混合加熱処理方法は公知の方法を用いることができる。すなわち、金属ハロゲン化合物の気相高温加熱分解法等により生成された金属酸化物微粉末をミキサーに入れ、窒素雰囲気下で撹拌し、エポキシ基含有シラン、アミノ基含有有機化合物、および両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンの所定量を、要すれば溶剤と共に上記金属酸化物微粉末に滴下もしくは噴霧して十分に分散させた後、50℃以上、好ましくは150℃以上の温度で0.1〜5時間、好ましくは1〜2時間撹拌して表面処理すると共に溶剤、副生成物を蒸発除去して、冷却することにより均一な表面改質金属酸化物微粉末が得られる。
【0019】
以上の表面処理により得られる表面改質金属酸化物は、高い疎水性を有し、かつ処理条件により帯電量を任意に調整することができる。即ち、負帯電性、零帯電性、正帯電性を選択でき、その強度も自由に変えることができる。
具体的には、例えば、鉄粉キャリアに対して−700〜+700μC/gの帯電量を示し、かつ透過率法による疎水率を70%以上に高めることができる。
【0020】
上記表面改質金属酸化物は、70%以上の疎水率を有することができるので、水分吸着が殆どなく、従って環境による帯電変動も極めて少なく、長期にわたって優れた性能を示す。因みに疎水率が70%より小さいと、水分吸着による帯電変動などを生じ、長期間の使用に不都合を来す。
【0021】
以上の表面処理によって得た疎水性金属酸化物微粉末は、通常の方法でトナーに添加することができる。トナーは一般に熱可塑性樹脂のほか少量の顔料および電荷制御剤を含有する。このトナーをキャリアおよびその他の添加剤と混合して本発明の電子写真現像剤が得られる。この現像剤は、トナーに上記疎水性金属酸化物微粉末が配合されていれば、他の成分は従来と同様でよい。例えば、磁性、非磁性の1成分系トナーと2成分系トナーのいずれでもよい。また、負帯電性トナーと正帯電性トナーのどちらでも用いる事ができる。
【0022】
本発明において用いる上記疎水性金属酸化物微粉末は、トナー表面に比較的多量に含ませてもトナーの特性を十分に高める事ができる。また、得られた現像剤が湿度や温度の影響を受け難くなり、かぶりや画像の低下も起こし難くなる。
【0023】
上記疎水性金属酸化物微粉末のトナーへの添加量は、得られる現像剤が上記特性の向上を示す量であれば良く、特に制限はされない。通常はトナーの全重量を基準にして0.1〜3重量%程度である。
【0024】
【発明の効果】
上記疎水性金属酸化物微粉末を添加した本発明の電子写真現像剤は、流動性、帯電性、耐久性が優れ、経時安定性を向上することができる。また、クリーニング性やかぶり現象等の画像特性も大幅に改良できる。
【0025】
【実施例および比較例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に示す。なお、各例において表面改質金属酸化物の帯電量、疎水率および流動性は以下の方法によって測定したものである。
( 1 ) 帯電量
ガラス容器(75ml)に鉄粉キャリア50gと表面改質金属酸化物粉末0.1gを入れて蓋をし、ターブラミキサーで5分間振盪した後、該表面改質金属酸化物粉末が混在した鉄粉キャリアを0.1g採取し、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製TB-200型)で1分間窒素ブローした後の値を帯電量とする。
( 2 ) 疎水率
試料1gを分液ロート(200ml)に計りとり、これに純水100mlを加えて栓をし、ターブラーミキサーで10分間振盪した後、10分間静置する。静置後、下層の20〜30mlをロートから抜き取った後に、下層の混合液を石英セル(10mm)に分取し、純水をブランクとして比色計にかけ、その500nmの透過率を疎水率とする。
( 3 ) 流動性
試料とトナーを一定量混合したものを、100メッシュ(目開き150μm)と200メッシュ(目開き75μm)の篩を重ねた上部に置き、振盪機を用いて篩い分け、200メッシュの篩を通過したトナーと投入したトナー全量との割合で評価する。
【0026】
実施例1
フュームドシリカ(比表面積200m2/g、日本アエロジル社製:アエロジル200)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、エポキシ基含有シラン(信越化学社製:KBM403)を3重量部、ジエチルアミノプロピルアミンを1.6重量部、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(40cs)を20重量部混合してノルマルヘキサン50重量部で希釈したものを滴下し、200℃で1時間加熱撹拌し、更に溶剤を除去して冷却し、表面改質シリカ粉末を得た。
このシリカ粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は+300μC/g、透過率法による疎水率は95%、BET比表面積は100m2/g、カーボン量は7.0重量%であった。
このシリカ粉末を7μmの正帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は90%であった。また、この現像剤を10℃、20%の低温低湿下(LL)に48時間放置した後の摩擦帯電量は+25μC/gであり、40℃、85%の高温高湿下(HH)に48時間放置した後の摩擦帯電量は+20μC/gを示し、環境による帯電比(HH/LL)は0.8であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により20,000枚以上刷ったが、画像特性はかぶりもなく良好であった。これらの評価結果は比較例1に比べていずれも大幅な改善を示した。
【0027】
比較例1
実施例1において、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサン)を使用しない以外は実施例1と同様な処理を行って表面改質シリカ粉末を得た。このシリカ粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は+50μC/g、透過率法による疎水率は10%、BET比表面積は170m2/g、カーボン量は1.8重量%であった。
このシリカ粉末を7μmの正帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は60%であった。また、この現像剤をLL条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+10μC/gであり、HH条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+20μC/gを示し、帯電比(HH/LL)は0.5であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により1000枚刷ったところで画像特性のかぶりを生じた。
【0028】
実施例2
フュームドシリカ(比表面積50m2/g、日本アエロジル社製:アエロジル50)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、エポキシ基含有シラン(信越化学社製:KBM403)を0.7重量部、ジブチルアミノプロピルアミンを0.5重量部、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(40cs)を10重量部混合してノルマルヘキサン20重量部で希釈したものを滴下し、200℃で1時間加熱撹拌し、更に溶剤を除去して冷却し、表面改質シリカ粉末を得た。
このシリカ粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は−200μC/g、透過率法による疎水率は97%、BET比表面積は30m2/g、カーボン量は3.3重量%であった。
このシリカ粉末を7μmの負帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は80%であった。また、この現像剤をLL条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は−27μC/gであり、HH条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は−25μC/gを示し、帯電比(HH/LL)は0.8であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により20,000枚以上刷ったが、画像特性はかぶりもなく良好であった。これらの評価結果は比較例2に比べていずれも大幅な改善を示した。
【0029】
比較例2
実施例2において、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサン)を使用しない以外は実施例2と同様な処理を行って表面改質シリカ粉末を得た。このシリカ粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は−100μC/g、透過率法による疎水率は10%、BET比表面積は42m2/g、カーボン量は0.4重量%であった。
このシリカ粉末を7μmの負帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は60%であった。また、この現像剤をLL条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は−40μC/gであり、HH条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は−25μC/gを示し、帯電比(HH/LL)は0.63であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により700枚刷ったところで画像特性のかぶりを生じた。
【0030】
実施例3
フュームドシリカ(比表面積110m2/g、日本アエロジル社製:アエロジルR972)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、エポキシ基含有シラン(信越化学社製:KBM403)を5重量部、ジブチルアミノプロピルアミンを3.9重量部、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(40cs)を10重量部混合してノルマルヘキサン30重量部で希釈したものを滴下し、200℃で1時間加熱撹拌し、更に溶剤を除去して冷却し、表面改質シリカ粉末を得た。
このシリカ粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は+430μC/g、透過率法による疎水率は95%、BET比表面積は80m2/g、カーボン量は6.0重量%であった。
このシリカ粉末を7μmの正帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は85%であった。また、この現像剤をLL条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+25μC/gであり、HH条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+20μC/gを示し、帯電比(HH/LL)は0.8であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により20,000枚以上刷ったが、画像特性はかぶりもなく良好であった。これらの評価結果は比較例3に比べていずれも大幅な改善を示した。
【0031】
比較例3
実施例3において、エポキシ基含有シランおよびα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサン)の代わりに、エポキシ変性アルガノポリシロキサン(日本ユニカ社製:FZ3745)を用いた以外は実施例3と同様な処理を行って表面改質シリカ粉末を得た。このシリカ粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は+400μC/g、透過率法による疎水率は65%、BET比表面積は85m2/g、カーボン量は5.0重量%であった。
このシリカ粉末を7μmの正帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は65%であった。また、この現像剤をLL条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+20μC/gであり、HH条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+10μC/gを示し、帯電比(HH/LL)は0.50であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により1000枚刷ったところで画像特性のかぶりを生じた。
【0032】
実施例4
超微粒子酸化チタン(比表面積50m2/g、日本アエロジル社製:酸化チタンP25)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、エポキシ基含有シラン(信越化学社製:KBM403)を2重量部、ジブチルアミノプロピルアミンを1.5重量部、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(40cs)を10重量部混合してノルマルヘキサン30重量部で希釈したものを滴下し、200℃で1時間加熱撹拌し、更に溶剤を除去して冷却し、表面改質チタン粉末を得た。
このチタン粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は+150μC/g、透過率法による疎水率は80%、BET比表面積は30m2/g、カーボン量は4.3重量%であった。
このチタン粉末を7μmの正帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は80%であった。また、この現像剤をLL条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+13μC/gであり、HH条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+10μC/gを示し、帯電比(HH/LL)は0.77であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により20,000枚以上刷ったが、画像特性はかぶりもなく良好であった。これらの評価結果は比較例4に比べていずれも大幅な改善を示した。
【0033】
比較例4
実施例4において、エポキシ基含有シランおよびα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサン)の代わりに、エポキシ変性オルガノポリシロキサン(日本ユニカ社製:FZ3745)を用いた以外は実施例4と同様な処理を行って表面改質チタン粉末を得た。このチタン粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は+100μC/g、透過率法による疎水率は65%、BET比表面積は30m2/g、カーボン量は3.5重量%であった。
このチタン粉末を7μmの正帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は40%であった。また、この現像剤をLL条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+25μC/gであり、HH条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は+15μC/gを示し、帯電比(HH/LL)は0.60であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により1000枚刷ったところで画像特性のかぶりを生じた。
【0034】
実施例5
超微粒子酸化アルミニウム(比表面積100m2/g、デグサ社製:アルミニウムオキサイドC)100重量部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、エポキシ基含有シラン(信越化学社製:KBM403)を1重量部、ジブチルアミノプロピルアミンを0.7重量部、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(40cs)を15重量部混合してノルマルヘキサン40重量部で希釈したものを滴下し、200℃で1時間加熱撹拌し、更に溶剤を除去して冷却し、表面改質アルミナ粉末を得た。
このアルミナ粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は−100μC/g、透過率法による疎水率は85%、BET比表面積は60m2/g、カーボン量は6.0重量%であった。
このアルミナ粉末を7μmの負帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は85%であった。また、この現像剤をLL条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は−25μC/gであり、HH条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は−20μC/gを示し、帯電比(HH/LL)は0.8であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により20,000枚以上刷ったが、画像特性はかぶりもなく良好であった。これらの評価結果は比較例5に比べていずれも大幅な改善を示した。
【0035】
比較例5
実施例5において、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサン)の代わりに、両末端トリメチルシリル封鎖型メチルフェニルポリシロキサン(信越化学社製:KF50-100)を用いた以外は実施例5と同様な処理を行って表面改質アルミナ粉末を得た。このアルミナ粉末は、鉄粉キャリアとの摩擦帯電量は−80μC/g、透過率法による疎水率20%、BET比表面積は70m2/g、カーボン量は6.5重量%であった。
このアルミナ粉末を7μmの負帯電性トナーに0.5重量%添加した電子写真現像剤の流動性は50%であった。また、この現像剤をLL条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は−30μC/gであり、HH条件下に48時間放置した後の摩擦帯電量は−20μC/gを示し、帯電比(HH/LL)は0.67であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により5000枚刷ったところで画像特性のかぶりを生じた。
Claims (4)
- 比表面積10〜400m2/gの金属酸化物微粉末を、エポキシ基含有シラン、アミノ基含有有機化合物、および両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンによって処理した透過率法による疎水率70%以上の疎水性金属酸化物微粉末を含有することを特徴とする電子写真現像剤。
- 金属酸化物微粉末がシリカ、チタニアまたはアルミナである請求項1に記載する電子写真現像剤。
- 両末端反応基封鎖型オルガノポリシロキサンを、金属酸化物微粉末に対して1〜50重量%用いて処理した請求項1〜3のいずれかに記載する電子写真現像剤。
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