JP3367350B2 - 疎水性金属酸化物粉体とその用途 - Google Patents

疎水性金属酸化物粉体とその用途

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JP3367350B2
JP3367350B2 JP26096396A JP26096396A JP3367350B2 JP 3367350 B2 JP3367350 B2 JP 3367350B2 JP 26096396 A JP26096396 A JP 26096396A JP 26096396 A JP26096396 A JP 26096396A JP 3367350 B2 JP3367350 B2 JP 3367350B2
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oxide powder
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silicone oil
epoxy
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用現像剤
にトナーの流動性改善および帯電性制御等の目的で添加
するのに適した疎水性金属酸化物粉体と、これを含有す
る電子写真用現像剤とに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法における現像プロセスは、感
光体上の静電潜像にトナーを付着させることにより行わ
れる。通常の電子写真用現像剤は、トナーに加えて、ト
ナーに摩擦帯電によって電荷を付与し、かつ感光体上の
現像領域にトナーを搬送するためのキャリアーを含有す
る。一般に、トナーは熱可塑性樹脂、着色剤および帯電
制御剤からなり、キャリアーとしては鉄またはフェライ
ト (酸化鉄) のような磁性粉末が使用される。トナーと
キャリアー以外に、トナーの帯電制御、トナーの流動性
およびクリーニング性の改善等の目的で、各種の添加剤
を現像剤に添加できることが知られている。
【0003】例えば、シリカ、アルミナ、チタニア等の
金属酸化物粉体の表面を有機物により疎水化した疎水性
金属酸化物粉体は、トナーの流動性やクリーニング性の
改善剤として電子写真用現像剤に添加されている。ま
た、このような疎水性金属酸化物粉体を電荷制御剤とし
て用いることも知られている。従って、この種の疎水性
金属酸化物粉体では疎水性と摩擦帯電性が重要な性質と
なり、これらの性質は金属酸化物粉体の表面処理に用い
る有機物の種類や被覆量によって制御される。
【0004】一般に金属酸化物粉体の表面処理におい
て、アミン系有機化合物により粉体を表面処理すると、
粉体の負の帯電性が減少するか、または粉体に正の帯電
性が付与されることは公知であり、このようにアミン系
有機化合物で表面処理した金属酸化物粉体をトナーの電
荷制御剤に使用することも既に提案されている。
【0005】例えば、特公昭53−22447 号公報には、ア
ミノシラン (アミノ基含有シランカップリング剤) で表
面処理した金属酸化物粉末をトナーの正電荷制御剤とし
て使用することが提案されている。また、特開昭62−52
561 号公報には、気相法シリカをエポキシ基含有シラン
で、次いでアミン類で処理して得た粉末を正電荷制御剤
として含有する電子写真用トナーが開示されている。こ
のようなシラン類で表面処理した金属酸化物粉体は、一
般に疎水性を十分に高くすることができず、トナーの流
動性やクリーニング性の改善効果が不十分となる。
【0006】特開平6−80406 号公報および同6−8309
9 号公報には、エポキシ基を含有するオルガノポリシロ
キサンとポリアルキレンイミンで表面処理した金属酸化
物粉体を、流動性改善とトナーの帯電性制御の両方の目
的で電子写真用現像剤に添加することが記載されてい
る。しかし、アミンとして用いるポリアルキレンイミン
(例、ポリエチレンイミン) が、分子量当たり多数のア
ミノ基を含有する高分子量の重合体型アミンであり、こ
の親水性が比較的高いポリアルキレンイミン連鎖で粉体
の表面が覆われるようになるため、疎水性と流動性が不
十分となることが判明した。特開平6−80406 号公報の
実施例によれば、上記の表面処理によりシリカ粉体に80
%を超える高い疎水化率が付与されているが、これは上
記の2成分に加えてさらに疎水化剤としてジメチルポリ
シロキサン等を配合した組成物により表面処理したため
であり、この疎水化剤を配合しないと疎水化率は大きく
低下する。
【0007】特開昭63−155155号公報には、先ずエポキ
シ基を有するシリコーンオイルで処理し、次いでアミノ
化合物で処理した無機微粒子を含有する静電像現像剤が
記載されている。しかし、このように2段処理した無機
微粒子は、帯電性の制御が不確実であるか、および/ま
たは疎水性が不十分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的少量の被覆で摩擦帯電性を広い範囲で制御することが
でき、同時に高い疎水性と流動性も付与された疎水性金
属酸化物粉体、ならびにこれを含有する電子写真用現像
剤を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
が、金属酸化物粉体を、エポキシ基を有するシリコーン
オイルと活性水素を有するアミン化合物との混合物で表
面処理することにより達成されることを見出した。
【0010】本発明は、エポキシ基を有するシリコーン
オイルと、その全エポキシ基数より少ない数の一級およ
び/または二級アミノ基を有する非重合体型のアミン化
合物、とで同時に表面処理することにより形成された表
面被覆を有する疎水性金属酸化物粉体である。
【0011】この疎水性金属酸化物粉体は、好ましくは
透過率法によって測定された疎水化率が60%以上の値を
示す。本発明によればまた、この疎水性金属酸化物粉体
を含有する電子写真用現像剤も提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で表面被覆が施される金属
酸化物粉体の種類は特に制限されず、用途に応じて選択
することができる。トナーの流動性改善用に好ましい金
属酸化物は、シリカ、アルミナまたはチタニア(酸化チ
タン)であるが、用途によっては、ジルコニア(酸化ジ
ルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫などの他の金属酸化物
の粉体も使用できる。
【0013】金属酸化物粉体の粒径も用途に応じて選択
すればよい。トナーの流動性改善用には、比表面積が50
m2/g 以上の粉体を使用することが好ましい。金属酸化
物は、2種以上の金属の複合酸化物または2種以上の金
属酸化物の混合物であってもよい。
【0014】金属酸化物粉体は、気相法により合成され
たものが好ましい。気相法で合成された金属酸化物粉体
は、粒子の凝集が少ないので、トナーの流動性改善用に
適している。気相法による金属酸化物粉体の合成は、例
えば、四塩化ケイ素等の金属塩化物の分解による方法が
知られており、工業的に合成された製品が市販されてい
る。
【0015】本発明によれば、金属酸化物粉体の表面
に、エポキシ基を有するシリコーンオイル (以下、エポ
キシ変性シリコーンオイルという) と、その全エポキシ
基数より少ない数の一級および/もしくは二級アミノ基
を有するアミン化合物 (=活性水素を持つアミン化合
物) とを用いた表面処理により被覆を形成する。シリコ
ーンオイル中の全エポキシ基数よりアミン化合物中の一
級および二級アミノ基の合計数の方が多くなると、表面
処理した金属酸化物粉体の疎水性と流動性が大きく低下
する。
【0016】金属酸化物粉体の表面に付着したエポキシ
変性シリコーンオイルは粉体に疎水性を付与する。一
方、アミン化合物は粉体の帯電性を正の方向に変化させ
るが、アミン化合物の種類によって正帯電性の付与の程
度が大きく異なり、アミン化合物の種類や量を選択する
ことによって、金属酸化物粉体に付与される帯電性を広
い範囲内で制御することが可能となる。
【0017】エポキシ変性シリコーンオイルとアミン化
合物は、シリコーンオイル中の全エポキシ基数に対する
アミン化合物中の一級および二級アミノ基の合計数のモ
ル比が 0.1〜0.9 、特に 0.2〜0.8 の範囲内となる割合
で使用することが好ましい。この比が 0.1未満ではアミ
ン化合物による帯電性の制御が不十分となり、0.9 を超
えると、処理により得られた金属酸化物粉末の経時安定
性が悪くなる。さらに、1.0 を超えると、疎水性や流動
性も悪くなる。
【0018】エポキシ変性シリコーンオイルは、エポキ
シ基を有するオルガノポリシロキサンのことである。例
えば、グリシジル基および/または脂環式エポキシ基を
ジメチルポリシロキサン骨格の末端および/または側鎖
に有する構造を持つエポキシ変性シリコーンオイルが市
販されている。
【0019】好ましいエポキシ変性シリコーンオイル
は、エポキシ基としてグリシジル基を有し、エポキシ当
量は好ましくは 200〜3000 g/molである。エポキシ当量
が3000g/molを超えると、原因は不明であるが、アミン
化合物と混合した場合に十分な効果が得られにくくな
る。シリコーンオイルの粘度は、25℃で5〜100 cSt の
範囲が好ましい。粘度が100 cSt を超えると流動性が低
下し、粘度が5 cSt未満では金属酸化物粉体の表面処理
中に揮発し易い。
【0020】特に好ましいエポキシ変性シリコーンオイ
ルは、分子の両末端にグリシジル基を有する、エポキシ
当量が 300〜1000 g/mol、25℃での粘度が10〜50 cStの
ものである。さらに好ましくは、このエポキシ変性シリ
コーンオイルは、分子の両末端だけにグリシジル基を有
しているものである。両末端に加えて側鎖にもグリシジ
ル基が存在すると、疎水性が低下することがある。
【0021】エポキシ変性シリコーンオイルの市販品の
例としては、信越シリコーン社製のKF-101, KF-102, KF
-103, KF-105, X-22-163A, X-22-169AS, X-22-163B, X-
22-163C, X-22-169B等;東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン社製のSF8411, SF8413,SF8421等;ならびに東芝シ
リコーン社製のTSF4730, TSF4731, TSL9946, TSL9986,
TSL9906 等が例示される。
【0022】エポキシ変性シリコーンオイルと一緒に表
面処理に用いるアミン化合物としては、一級および/ま
たは二級アミノ基を有する非重合体型のアミン化合物を
使用する。ポリアルキレンイミンのような重合体型のア
ミン化合物を使用すると、前述したように被覆表面が実
質的に高分子量アミン (比較的親水性が高い) で覆われ
ることとなり、表面処理後の金属酸化物粉体の疎水性が
低く、従って流動性改善効果も不十分となる。
【0023】後で実施例でも例証するように、このアミ
ン化合物の種類によって、本発明の疎水性金属酸化物粉
体の帯電性が大きく変化する。即ち、金属酸化物粉体の
表面にアミン化合物が付着すると、アミン化合物は一般
に帯電性を正の方向に変化させるが、その変化させる程
度 (正帯電性の付与効果) はアミン化合物の種類により
大きく異なる。そのため、アミン化合物の種類と量を変
化させることにより、疎水性金属酸化物粉体、例えばシ
リカ粉体の帯電性 (後述する方法で測定した摩擦帯電
量) を、−500 μC/g 程度の負帯電性から、300 μC/g
を超えるような正帯電性までに及ぶ、広い範囲内で所望
の値に制御することが可能になる。従って、アミン化合
物の種類は、トナーに要求される所望の帯電性のレベル
に応じて選択すればよい。
【0024】アミン化合物が帯電性に及ぼす影響は、一
般には次の通りである。 (A) 正帯電性の付与効果が比較的小さいアミン (1) 脂肪族一級アミン (R1NH2: R1は炭素数4〜20のア
ルキル基で、アルキル基中にエーテル結合があってもよ
い) 、(2) 芳香族アミン (1つ以上の一級または二級ア
ミノ基を持つ芳香族アミン、例えばアニリン、トルイジ
ン等) 、(3) 複素環アミン (1つ以上の一級または二級
アミノ基を持つ複素環アミン、例えばピロール、イミダ
ゾール、インドール等) 。
【0025】(B) 正帯電性の付与効果が大きいアミン (1) 脂肪族二級アミン (R1R2NH: R1とR2はいずれも炭素
数1〜10のアルキル基で、アルキル基中にエーテル結合
があってもよい) 、(2) ジアミン (R1R2NXNHR3: R1
R2、R3はいずれも水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基で、アルキル基中にエーテル結合があってもよく、
X は炭素数1〜10のアルキレン基である) 、(3) トリア
ミン (R1R2NXNR3YNHR4: R1、R2、R3、R4はいずれも水素
原子または炭素数1〜10のアルキル基 (但し、全てが水
素原子ではない) で、アルキル基中にエーテル結合があ
ってもよく、X 、Y はいずれも炭素数1〜10のアルキレ
ン基である) 、および類似のテトラアミン等の高次アミ
ン、(4) 脂環式アミン (1つ以上の一級または二級アミ
ノ基を持つ脂環式アミン、例えばピペラジン、ピペリジ
ン等) 、(5) 一級または二級アミノアルキル基を持った
複素環アミン (例、トリアジン) または脂環式アミン
(例、ピペラジン) 。この場合の複素環アミンまたは脂
環式アミンは三級アミノ基のみを有するものでもよい。
【0026】以上はあくまで目安であり、実際に使用す
るアミン化合物の選択は、実験によりその帯電付与効果
を調査してから決定すればよい。また、アミン化合物は
2種以上を使用することもできる。その場合には、混合
の結果として、アミン化合物の帯電性付与の挙動が上記
から変化することもある。
【0027】正帯電性を付与したい場合に特に好ましい
アミン化合物は、上記ジアミン、即ち、一般式:R1R2
XNHR3で示される化合物である。この化合物は、他の
アミン化合物に比べて、比較的少量の添加量で高い正帯
電性を付与することができるので、正帯電性トナーの流
動性改善剤として有用な+10〜+250 μC/g の範囲内の
摩擦帯電量を持つ金属酸化物粉体に効率よく安定して得
ることができる。中でも、R1およびR2が炭素数1〜6の
アルキル基であり、R3が水素原子または炭素数1〜6の
アルキル基であり、Xが -(CH)n- (nは2〜4の整数)
であるジアミンが、正帯電性の付与に好ましい。窒素原
子に結合しているアルキルの炭素数が大きいほど、金属
酸化物粉体の疎水性が高くなり、安定した帯電性が得ら
れる傾向がある。
【0028】一方、安定した負帯電性 (例えば、−100
〜−200 μC/g)を持つ金属酸化物粉体もまた、負帯電性
のトナー用に有用である。この場合、上記のような正帯
電性の付与効果が大きいアミン化合物の添加量を制御し
て目的とする負帯電性を有する金属酸化物を得る方法
と、上記の正帯電性の付与効果が比較的小さいアミン化
合物を使用する方法とがある。正帯電性の付与効果が大
きいアミン化合物を用いると、少ない添加量で目的とす
る負帯電性を得ることができ、正帯電性の付与効果が比
較的小さいアミン化合物では、帯電性がその添加量で変
化しにくいため、安定した負帯電性を得やすい。
【0029】エポキシ変性シリコーンオイルとアミン化
合物とによる金属酸化物粉体の表面処理は、従来公知の
方法で実施すればよく、湿式法と乾式法のいずれでもよ
い。ただし、金属酸化物粉体が気相法で合成されたもの
である場合には、乾式法の方が凝集を生じにくいので好
ましい。乾式法はまた、処理液の使用量が少なく、粉体
への被覆量の制御が容易で、操作も簡便である点でも有
利である。
【0030】乾式法による表面処理は、例えば、金属酸
化物粉体を適当な閉鎖型容器内で十分攪拌しながら、エ
ポキシ変性シリコーンオイルとアミン化合物とを滴下あ
るいは噴霧して加えることにより実施できる。エポキシ
変性シリコーンオイルとアミン化合物は、予め混合して
おいても、或いは同時または前後して添加することで処
理容器内で混合するのでもよい。必要であれば、変性シ
リコーンオイルとアミン化合物の一方または両方を溶媒
(例、アルコール、ケトン、炭化水素等) で希釈または
溶解して用いることもできる。
【0031】エポキシ変性シリコーンオイルとアミン化
合物とを加えた後、金属酸化物粉体を窒素気流下で80〜
250 ℃の範囲の温度、好ましくは 100〜170 ℃の範囲の
温度で加熱して、シリコーンオイルとアミン化合物とを
金属酸化物粉体の表面に強固に結合させ、必要であれば
同時に溶媒を除去する。シリコーンオイルが、金属酸化
物粉体の表面との反応性が高いエポキシ基を有している
ため、このような比較的低温での加熱処理により表面被
覆を達成することができる。
【0032】金属酸化物粉体の種類により、上記のよう
な乾式の処理が困難な場合には、シリコーンオイルとア
ミン化合物とを適当な有機溶媒に溶解させた溶液に金属
酸化物粉体を浸漬し、溶液から回収した後、上記のよう
に加熱するといった湿式法で表面処理を行うことも可能
である。
【0033】この表面処理により、粉体表面はアミン化
合物によって帯電性が変化し、またシリコーンオイルに
よって疎水性になる。そして、アミン化合物とシリコー
ンオイルがいずれも粉体表面に強固に結合されているた
め、この金属酸化物粉体は湿気等の環境の影響を受けに
くく、疎水性や帯電性などの特性の経時変化が少なく、
安定性に優れている。
【0034】金属酸化物粉体の表面に付着させるエポキ
シ変性シリコーンオイルとアミン化合物の量は、所望の
帯電性が得られ、同時に十分な疎水性 (流動性) も付与
されるように選択する。一般に、エポキシ変性シリコー
ンオイルは、十分な疎水性を確保するために、金属酸化
物粉体100 重量部当たり5〜40重量部、特に10〜30重量
部の範囲の量で使用することが好ましい。一方、アミン
化合物の使用量は、前述したように、これに含まれる一
級および二級アミノ基の合計数がシリコーンオイル中の
総エポキシ基数より少なくなるような量とする。
【0035】表面処理により得られた疎水性金属酸化物
粉体は、その疎水性の程度が高いほど、金属酸化物粉体
の吸湿性が減少して湿度に対するトナーの帯電量の変化
を小さくし、かつ凝集を防ぐ効果 (流動性改善効果) が
高まり、利用価値が高い。実用上は、透過率法によって
測定される疎水化率の値が60%以上、好ましくは70%以
上、さらに好ましくは80%以上の値を持てばよい。
【0036】透過率法は、粉体の疎水化率を実験的に求
める方法である。この方法によれば、粉体1.0 gと水10
0 mlを抽出用分別漏斗に入れ、10分間激しく振盪攪拌す
る。その後10分間静置し、分別漏斗の底から少量の懸濁
液を抜き出す。この抜き出した懸濁液の550 nmの光に対
する透過率を、純水の透過率を100 %として表した値
を、その粉体の疎水化率とする。
【0037】また、得られた疎水性金属酸化物粉体の帯
電性は、ブローオフ法により摩擦帯電量を測定すること
により評価できる。ブローオフ法による鉄に対する摩擦
帯電量の測定方法は、例えば「色材」55[9] 630-636 (1
982)等の文献に規定されている。本発明では、この「色
材」に規定されている方法で摩擦帯電量を求めた。
【0038】本発明の疎水性金属酸化物粉体は、複写機
やプリンターに用いられる電子写真用現像剤に、トナー
の流動性やクリーニング性を改善するための添加剤とし
て、或いは電荷制御剤として含有させることができる。
それにより、安定した帯電性と優れた流動性を持つ電子
写真用現像剤が得られる。また、複写機等に用いられる
シリコーンゴムロールに含有させて帯電性を制御するた
めにも使用できる。
【0039】電子写真用現像剤に含有させる場合、疎水
性金属酸化物粉体の添加量は、トナーの総重量に基づい
て 0.1〜20重量%の範囲が実用上は望ましい。電荷制御
剤として使用する場合は、流動性改善剤として使用する
場合より添加量が一般に多くなる。流動性改善剤の場合
は通常は 0.1〜3重量%の範囲で十分である。トナーの
その他の成分、およびトナーに配合するキャリアーにつ
いては、従来より公知の電子写真用現像剤と同様でよ
い。
【0040】疎水性金属酸化物粉体を含むトナーの流動
性は、本発明では次に述べる篩い振盪法により評価す
る。この方法では、カーボン18重量%を分散させたスチ
レン−アクリル共重合樹脂を粉砕し、平均粒径7±3μ
mに分級して得た樹脂粉10gに表面処理した金属酸化物
粉体0.05gを加え、機械的に30秒間混合してトナーを調
製する。得られたトナー5gを100 メッシュ (目の開き
150μm) の篩いに入れ、電磁式篩い振盪器により1分
間振盪した後、この篩いを通過したトナー重量の割合
(%) を求め、この値をトナーの流動性とする。このト
ナーの流動性が高いほど、これを用いて電子写真の現像
を行った際に、カブリの発生や画像濃度の低下が起こり
にくい。
【0041】なお、本発明の疎水性金属酸化物粉体は、
トナーの他に、樹脂粉末の流動性を改善することもで
き、粉末状プラスチックの流動化剤、粉体塗料の添加剤
などとしても利用することができる。
【0042】
【実施例】表2に記載の金属酸化物粉体20gを加熱乾燥
してから、攪拌機を備えたステンレス鋼製の容器に仕込
み、室温で窒素雰囲気下に攪拌しながら浮遊状態にし、
表2に記載のエポキシ変性シリコーンオイルとアミン化
合物とを同時に上記粉体に噴霧した。シリコーンオイル
とアミン化合物は、メタノールまたはヘキサンに溶解さ
せて使用した。エポキシ変性シリコーンオイルの使用量
は総エポキシ基数で、アミン化合物の使用量はアミノ基
(一級、二級、三級) の合計数 (=総N数)と一級+二
級アミノ基の合計数 (1, 2級N数)(いずれも単位はmmo
l) で表2に示した。
【0043】なお、表2に示したエポキシ変性シリコー
ンオイルとアミン化合物の記号の意味は次の通りであ
る。
【0044】
【表1】
【0045】上記アミン化合物のうち、iのポリエチレ
ンイミンは重合体型の化合物であり、本発明で使用する
には不適切なものである。噴霧終了後、金属酸化物粉体
をさらに室温で30分間攪拌した後、窒素気流下で外部加
熱を行い、30分かけて150 ℃まで昇温させ、この温度に
1時間加熱した後、攪拌を続けながら室温まで放冷し
た。得られた疎水性金属酸化物粉体の疎水化率と鉄粉に
対する摩擦帯電量ならびにこれを含むトナーの流動性を
上記のようにして測定した結果を表2に示す。また、流
動性試験に用いた金属酸化物を含有するトナー30gを酸
化鉄粉1000gと混合して電子写真用現像剤を作製し、こ
の現像剤を市販の電子写真複写機に入れて寿命テストを
行った結果も表2に併せて示す。なお、実施例の金属酸
化物粉末を用いた現像剤では、高温多湿 (28℃、85%R
T) の環境下においても良好な画像を示した。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】表2からわかるように、本発明によれ
ば、表面処理に用いたアミン化合物の種類やその量によ
って、摩擦帯電量が−500 μC/g 程度の負帯電性から30
0 μC/gを超えるような正帯電性までに及ぶ広い範囲で
自由に制御することができ、トナーに要求される帯電性
が正負のいずれのレベルのものであっても、本発明の疎
水性金属酸化物粉体で対応することができる。また、帯
電性制御の精度も高い。
【0048】さらに、表面処理の加熱温度が低温でよ
く、それにより金属酸化物粉体にシリコーンオイルの被
覆が強固に結合した疎水性金属酸化物粉体が得られる。
この金属酸化物粉体は、疎水性や帯電性の経時安定性に
優れ、使用中または保存中の特性劣化が少ない。そのた
め、この疎水性金属酸化物粉体を含有する電子写真用現
像剤は、高温多湿の条件下でも流動性が良好に保持さ
れ、カブリのない良好な画像が得られる複写枚数が増大
する。
【0049】これに対し、表2に示した比較例のよう
に、アミンの1, 2級N数が総エポキシ基数より大きい場
合、金属酸化物粉末の疎水化率、流動性、寿命テストの
いずれの結果も著しく低下した。一方、エポキシ変性シ
リコーンオイルだけで表面処理した対照試験では、摩擦
帯電性を正にすることができず、寿命テストの結果もや
や不十分であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 9/08 371 G03G 9/08 371 374 374 9/097 351 (56)参考文献 特開 昭63−155155(JP,A) 特開 平6−80406(JP,A) 特開 平6−80405(JP,A) 特開 平9−156906(JP,A) 特開 平9−278412(JP,A) 特開 平9−278413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 13/14 C01B 33/18 C01F 7/02 C01G 23/04 C09C 3/10 G03G 9/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子の両末端にグリシジル基を有する、
    エポキシ当量 300〜1000 g/molのエポキシ基含有シリコ
    ーンオイルと、その全エポキシ基数より少ない数の一級
    および/または二級アミノ基を有する非重合体型のアミ
    ン化合物とで同時に表面処理することにより形成された
    表面被覆を有する疎水性金属酸化物粉体。
  2. 【請求項2】 ミン化合物が一般式 R1R2NXNHR3
    (式中、R1、R2およびR3は同一または異なっていてよ
    く、それぞれ水素または炭素数1〜10のアルキル基であ
    り、このアルキル基中にエーテル結合があってもよく、
    Xは炭素数1〜10のアルキレン基である) で示される化
    合物であり、+10〜+250 μC/g の範囲内の摩擦帯電量
    を有する、請求項1記載の疎水性金属酸化物粉体。
  3. 【請求項3】 アミン化合物の一般式において、R1およ
    びR2が炭素数1〜6のアルキル基、R3が水素または炭素
    数1〜6のアルキル基、Xが -(CH)n- (nは2〜4の整
    数) である、請求項2記載の疎水性金属酸化物粉体。
  4. 【請求項4】 シリコーンオイルが、25℃での粘度が10
    〜50 cStのシリコーンオイルである、請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載の疎水性金属酸化物粉体。
  5. 【請求項5】 金属酸化物がシリカ、アルミナまたはチ
    タニアである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    疎水性金属酸化物粉体。
  6. 【請求項6】 透過率法によって測定された疎水化率が
    60%以上の値を示す請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載の疎水性金属酸化物粉体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の疎水性金属酸化物粉体を含有することを特徴とする、
    電子写真用現像剤。
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