JP3344203B2 - 疎水性金属酸化物粉体とその用途 - Google Patents

疎水性金属酸化物粉体とその用途

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JP3344203B2
JP3344203B2 JP9701096A JP9701096A JP3344203B2 JP 3344203 B2 JP3344203 B2 JP 3344203B2 JP 9701096 A JP9701096 A JP 9701096A JP 9701096 A JP9701096 A JP 9701096A JP 3344203 B2 JP3344203 B2 JP 3344203B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用現像剤
にトナーの流動性改善および帯電性制御等の目的で添加
するのに適した疎水性金属酸化物粉体と、これを含有す
る電子写真用現像剤とに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法における現像プロセスは、感
光体上の静電潜像にトナーを付着させることによって行
われる。通常の電子写真用現像剤は、トナーに加えて、
トナーに摩擦帯電によって電荷を付与しかつ感光体上の
現像領域にトナーを搬送するためのキャリアーを含有す
る。一般に、トナーは熱可塑性樹脂、着色剤および帯電
制御剤からなり、キャリアーとしては鉄またはフェライ
ト(酸化鉄)のような磁性粉末が使用される。トナーと
キャリアー以外に、トナーの帯電制御、トナーの流動性
およびクリーニング性の改善等の目的で、各種の添加剤
を現像剤に添加できることが知られている。
【0003】例えば、シリカ、アルミナ、チタニア等の
金属酸化物粉体の表面を有機物により疎水化した疎水性
金属酸化物粉体は、トナーの流動性やクリーニング性の
改善剤として電子写真用現像剤に添加されている。ま
た、このような疎水性金属酸化物粉体を電荷制御剤とし
て用いることも知られている。従って、この種の疎水性
金属酸化物粉体では疎水性と摩擦帯電性が重要な性質と
なり、これらの性質は金属酸化物粉体の表面処理に用い
る有機物の種類や被覆量によって制御される。
【0004】一般に金属酸化物の表面処理において、ア
ミン系有機化合物により粉体を表面処理すると、粉体の
負の帯電性が減少するか、または粉体に正の帯電性が付
与されることは公知であり、このようにアミン系有機化
合物で表面処理した金属酸化物粉体をトナーの電荷制御
剤に使用することも既に提案されている。
【0005】例えば、特公昭53−22447号公報には、ア
ミノシラン(アミノ基含有シランカップリング剤)で表
面処理した金属酸化物粉末をトナーの正帯電制御剤とし
て使用することが提案されている。また、特開昭62−52
561号公報には、気相法シリカをエポキシ基含有シラン
で、次いでアミン類で処理して得た粉末を正電荷制御剤
として含有する電子写真用トナーが開示されている。こ
のようなシラン類で表面処理した金属酸化物粉体は、一
般に疎水性を十分に高くすることができず、トナーの流
動性やクリーニング性の改善効果が不十分となる。
【0006】特開平6 −80405 号公報および同6 −8309
9 号公報には、エポキシ基を含有するオルガノポリシロ
キサンとポリアルキレンイミンで表面処理した金属酸化
物粉体を、流動性改善とトナーの帯電性制御の両方の目
的で電子写真用現像剤に添加することが記載されてい
る。しかし、アミンとして用いるポリアルキレンイミン
(例、ポリエチレンイミン)が、分子量当たり多数のア
ミノ基を含有する高分子量の重合体型アミンであり、こ
の親水性が比較的高いポリアルキレンイミン連鎖で粉体
の表面が覆われるようになるため、疎水性と流動性が不
十分となることが判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的少量の被覆で摩擦帯電性を広い範囲で制御することが
でき、同時に高い疎水性と流動性も付与された疎水性金
属酸化物粉体、ならびにこれを含有する電子写真用現像
剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
が、金属酸化物粉体をエポキシ基とアミノ基とを有する
シリコーンオイルとストレートシリコーンオイルとの複
合により表面処理することにより達成されることを見出
した。ここに、本発明は次の通りである。
【0009】(1)エポキシ基を有するシリコーンオイ
ルに、その全エポキシ基と反応するのに必要な量より少
量の、一級および/もしくは二級アミノ基を有する非重
合体型のアミン化合物を反応させることにより調製され
た、エポキシ基とアミノ基とを有するシリコーンオイル
と、ストレートシリコーンオイルとを必須成分とする混
合物を用いて表面処理することにより形成された表面被
覆を有する疎水性金属酸化物粉体。 (2)上記(1)に記載の混合物が、エポキシ基とアミ
ノ基とを有するシリコーンオイルと、ストレートシリコ
ーンオイルとを含み、さらにアルコール、ケトンまたは
炭化水素のいずれかである溶媒を含む上記(1)に記載
の疎水性金属酸化物粉体。 (3)エポキシ基を有するシリコーンオイルがエポキシ
当量100 〜3000g/mol のものであり、アミン化合物が一
般式 R1R2NXNHR3(式中、R1、R2およびR3は同一または
異なっていてよく、それぞれ水素または炭素数1 〜10の
アルキル基であり、このアルキル基中にエーテル結合が
あってもよく、X は炭素数2 〜4 のアルキレン基であ
る)で示される化合物であり、+10〜+500μC/
gの範囲内の摩擦帯電量を有する上記(1)又は(2)
に記載の疎水性金属酸化物粉体。 (4)エポキシ基とアミノ基とを有するシリコーンオイ
ルに対する、ストレートシリコーンオイルの重量比Aが
0<A≦4である上記(1)ないし(3)に記載の疎水
性金属酸化物粉体。 (5)上記(1)ないし(4)に記載の疎水性金属酸化
物粉体を含有することを特徴とする電子写真用現像剤。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で表面被覆を施される金属
酸化物粉体の種類は特に制限されず、用途に応じて選択
することができる。トナーの流動性改善用に好ましい金
属酸化物は、シリカ、アルミナまたはチタニア(酸化チ
タン)であるが、用途によっては、ジルコニア(酸化ジ
ルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫などの他の金属酸化物
の粉体も使用でき、2種以上の金属の複合酸化物または
2種以上の金属酸化物の混合物であってもよい。
【0011】金属酸化物粉体の粒径も用途に応じて選択
すればよい。トナーの流動性改善用には、比表面積が50
m2/g以上の粉体を使用することが好ましい。
【0012】本発明によれば、金属酸化物の表面に、エ
ポキシ基とアミノ基を有するシリコーンオイル(以下、
エポキシ/アミノ変性シリコーンオイルという)と、ス
トレートシリコーンオイルとを用いて表面処理により被
覆を形成する。変性シリコーンのエポキシ基は主に金属
酸化物との結合力を強化し、アミノ基は金属酸化物粉体
の帯電性を正方向に変化させ、シリコーンオイル(変性
シリコーンオイル及びストレートシリコーンオイル)は
金属酸化物粉体に疎水性を付与するという作用を果た
す。そして、アミノ基の種類によって、粉体に付与され
る帯電性が大きく変化する。
【0013】エポキシ/アミノ変性シリコーンオイル
は、エポキシ基を有するシリコーンオイル(以下、エポ
キシ変性シリコーンオイルという)に、その全エポキシ
基と反応するのに必要な化学量論量より少量の、一級お
よび/もしくは二級アミノ基を有するアミノ化合物を反
応させることにより調製することが好ましい。逆に、一
級および/もしくは二級アミノ基を有するシリコーンオ
イル(以下、アミノ変性シリコーンオイルという)に、
その全アミノ基と反応するのに必要な化学量論量より少
量のエポキシ化合物を反応させることによっても、エポ
キシ基とアミノ基を有するシリコーンオイルを調製する
ことは可能である。しかし、容易に入手できるエポキシ
化合物の種類がアミン化合物に比べて圧倒的に少ないた
め、最初の反応に比べると調製可能なシリコーンオイル
の種類が限られ、本発明の目的の一つである摩擦帯電性
を広い範囲で制御する点では不利になる。
【0014】エポキシ変性シリコーンオイルとアミン化
合物は、シリコーンオイル中の総エポキシ基数に対する
アミン化合物中の一級および二級アミノ基の合計数のモ
ル比が0.1〜0.9、特に0.2〜0.8の範囲内となる割合で使
用することが好ましい。この反応により、シリコーンオ
イル中のエポキシ基の一部がアミン化合物の一級または
二級アミノ基と反応して開環し、エポキシ基に代わって
−OH基と−NR基(アミノ基)がシリコーンオイルに導入
される。その結果、未反応のエポキシ基と反応で導入さ
れたアミノ基とを有する、エポキシ/アミノ変性シリコ
ーンオイルが得られる。上記モル比が0.1未満では、導
入されるアミノ基の量が少なく、帯電性の制御が不十分
となる。一方、上記モル比が0.9 を越えると、未反応エ
ポキシ基の数が少なくなり、被覆の粉体への結合が不十
分となる。上記の反応は、室温で単に両成分を混合する
だけでも進行するが、所望により反応成分が揮発しない
程度の温度に加熱してもよい。
【0015】反応に用いるアミン化合物の量が、上記モ
ル比が1を超える量(即ち、化学量論量より多量)にな
ると、金属酸化物粉体との反応性に富んだエポキシ基が
完全にアミンと反応してシリコーンオイル中から消失す
るため、形成された被覆の粉体表面との結合力が低下す
る。
【0016】エポキシ変性シリコーンオイルは、エポキ
シ基を有するオルガノポリシロキサンのことである。好
ましいエポキシ変性シリコーンオイルは、グリシジル基
および/または脂環式エポキシ基をジメチルポリシロキ
サン骨格の末端および/または側鎖に有する構造を持
ち、エポキシ当量が100 〜3000g/mol 、25℃での粘度が
5 〜100cStのものである。
【0017】現在市販されているエポキシ変性シリコー
ンオイルとしては、信越シリコーン社製のKF-101、KF-1
02、KF-103、KF-105、X-22-163A 、X-22-169AS、X-22-1
63B、X-22-163C 、X-22-169B 等;ならびに東レ・ダウ
コーニング・シリコーン社製のBY16-855、BY16-855B 、
SF8411、SF8413、SF8421等;ならびに東芝シリコーン社
製のTSF4730 、TSF4731 、TSL9946 、TSL9986 、TSL990
6 、YF3965;ならびに日本ユニカー社製のFZ-3745 等が
例示される。
【0018】エポキシ変性シリコーンオイルに反応させ
るアミン化合物としては、エポキシ基と反応性のある一
級および/または二級アミノ基を有する非重合体型のア
ミン化合物を使用する。ポリアルキレンイミンのような
重合体型のアミン化合物を使用すると、前述したように
被覆表面が実質的に高分子量アミン(比較的親水性が高
い)で覆われることとなり、表面処理後の金属酸化物粉
体の流動性改善効果も不十分となる。
【0019】後で実施例でも例証するように、このアミ
ン化合物の種類によって、本発明の疎水性金属酸化物粉
体の帯電性が大きく変化する。即ち、金属酸化物粉体の
表面にアミン化合物が付着すると、アミン化合物は一般
に帯電性を正の方向に変化させるが、その変化させる程
度(正帯電性の付与効果)はアミン化合物の種類により
大きく異なる。そのため、アミン化合物の種類と量を変
化させることにより、疎水性金属酸化物粉体、例えばシ
リカ粉体の帯電性(後述する方法で測定した摩擦帯電
量)を、−500 μC/g 程度の負帯電性から、500 μC/g
を越えるような正帯電性までに及ぶ、広い範囲内で所望
の値に制御することが可能になる。従って、アミン化合
物の種類は、トナーに要求される所望の帯電性のレベル
に応じて選択すればよい。
【0020】アミン化合物が帯電性に及ぼす影響は、一
般には次の通りである。 (A)正帯電性の付与効果が比較的小さいアミン (1)脂肪族一級アミン(R1NH2 :R1は炭素数が4 〜20
のアルキル基で、アルキル基中にエーテル結合があって
も良い)、(2)芳香族アミン(1つ以上の一級または
二級アミノ基をもつ芳香族アミン、例えばアニリン、ト
ルイジン等)、(3)複素環アミン(1つ以上の一級ま
たは二級アミノ基をもつ複素環アミン、例えばピロー
ル、イミダゾール、インドール等)。 (B)正帯電性の付与効果が大きいアミン (1)脂肪族二級アミン(R1R2NH:R1とR2はいずれも炭
素数が2 〜10の同一または異なるアルキル基で、アルキ
ル基中にエーテル結合があっても良い)、(2)ジアミ
ン(R1R2NXNHR3:R1、R2、R3はいずれも水素原子または
炭素数が1 〜10のアルキル基で同一でも異なっていても
よく、アルキル基中にエーテル結合があっても良く、X
は炭素数が1 〜10のアルキレン基である)、(3)トリ
アミン(R1R2NXNR3YNHR4:R1、R2、R3、R4はいずれも水
素原子または炭素数が1 〜10のアルキル基(但し、全て
が水素原子ではない)で同一でも異なっていてもよく、
アルキル基中にエーテル結合があっても良く、X 、Y は
いずれも炭素数が1 〜10のアルキレン基である)、およ
び類似のテトラアミン等の高次アミン、(4)脂環式ア
ミン(1つ以上の一級または二級アミノ基をもつ脂環式
アミン、例えばピペラジン、ピペリジン等)、(5)一
級もしくは二級アミノアルキル基をもった複素環アミン
(例、トリアジン)または脂環式アミン(例、ピペラジ
ン)。この場合の複素環アミンまたは脂環式アミンは三
級アミノ基のみを有するものでもよい。
【0021】以上はあくまでも目安であり、実際に使用
するアミン化合物の選択は、実験によりその帯電付与効
果を調査してから決定すればよい。また、アミン化合物
は2種以上を使用することもできる。その場合には、混
合の結果として、アミン化合物の帯電性付与の挙動が上
記から変化することもある。
【0022】特にこの好ましいアミンは上記ジアミンで
あり、それにより摩擦帯電量が+10μC/g から+500 μ
C/g までの範囲内で調整された正帯電性を金属酸化物粉
末に付与することができる。
【0023】ストレートシリコーンオイルとは、ジメチ
ルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル
及びメチルハイドロジェンシリコーンオイルのことであ
り、置換基としてメチル基、ヒドロキシル基、フェニル
基、あるいはヒドロ基を有するものである。この中で
は、最も安価であり粘度のバリエーションも多いため、
ジメチルシリコーンオイルが好ましい。又、ストレート
シリコーンオイルの好ましい粘度は25℃での粘度が10〜
100cStのものである。
【0024】現在市販されているストレートシリコーン
オイルとしては、信越シリコーン社製のKF-96 、KF-99
、KF-50 、KF-54 、KF-56 等;ならびに東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製のSH200 、PRX413、SH510 、
SH702 、SH705 、SH550 、SH704 等;ならびに東芝シリ
コーン社製のTSF451、YF3800、TSF484、TSF483、TSF43
1、TSF437、TSF4300 、YF3804、TSL9546 、TSL9586 ;
ならびに日本ユニカー社製のL-45、L-31、FZ-3805 、FZ
-3702 、FZ-3122 等が例示される。
【0025】エポキシ/アミノ変性シリコーンオイルと
ストレートシリコーンオイルとによる金属酸化物粉体の
表面処理は、従来公知の方法で実施すればよい。例え
ば、金属酸化物粉体を十分に撹拌しながら、上記シリコ
ーンオイルを滴下あるいは噴霧して加える。必要であれ
ば、シリコーンオイルを溶媒(例、アルコール、ケト
ン、炭化水素等)で希釈して用いことも可能である。ま
た、上記シリコーンオイルと、例えば、エポキシ基のみ
を有するエポキシ変性シリコーンオイル、アミノ基のみ
を有するアミノ変性シリコーンオイルも併用することが
できる。但し、その場合には、これらの他の変性シリコ
ーンオイルが金属酸化物粉体の帯電性に及ぼす影響を考
慮して、その量や種類を選択する必要がある。
【0026】エポキシ/アミノ変性シリコーンオイルと
ストレートシリコーンオイルとを加えた後、金属酸化物
粉体を窒素気流下で80〜250 ℃の範囲の温度、好ましく
は100 〜170 ℃の範囲の温度で加熱して、シリコーンオ
イルを金属酸化物粉体の表面に強固に結合させ、必要で
あれば同時に溶媒を除去する。
【0027】なお、金属酸化物粉体の種類により、上記
のような乾式の処理が困難な場合には、シリコーンオイ
ルを適当な有機溶媒に溶解させた溶液に金属酸化物粉体
を浸漬し、溶液から回収した後、上記のように加熱する
といった湿式法で表面処理を行うことも可能である。但
し湿式法は付着量の制御がより困難で、シリコーンオイ
ルが多量に必要であり、表面処理の操作も煩雑であるの
で乾式法の方が好ましい。
【0028】この表面処理により、上記変性シリコーン
オイルは、そのエポキシ基が金属酸化物粉体の表面に存
在するOH基と反応することにより粉体表面に結合する。
その結果、シリコーンオイルに存在するアミノ基は粉体
の表面に強固に結合され、粉体の帯電性が変化すると同
時に、シリコーンオイルにより粉体表面が疎水性とな
る。また、シリコーンオイルが粉体表面に強固に結合さ
れているため、湿気等の環境の影響を受けにくく、疎水
性や帯電性などの特性の経時変化が少なく、安定性に優
れている。
【0029】金属酸化物粉体の表面に付着されるエポキ
シ/アミノ変性シリコーンオイルとストレートシリコー
ンオイルの合計量は、前述したように所望の帯電性が得
られ、同時に十分な疎水性(流動性)も付与されるよう
に選択する。従って、この変性シリコーンオイルの調製
に用いたアミン化合物の種類やその使用量によっても異
なるが、通常は十分な疎水性を確保するために、金属酸
化物粉体100 重量部当たり1 〜40重量部、特に2 〜25重
量部の範囲の量で上記シリコーンオイルを使用すること
が好ましい。また、金属酸化物粉体100 g当たりのシリ
コーンオイル中のアミノ基の合計数(一級、二級、三級
アミノ基の合計数)が5 〜200mmol 、特に10〜100mmol
となる範囲内で上記変性シリコーンオイルを使用するこ
とが帯電性付与効果の面から好ましい。また、疎水性を
損なうことなく帯電性を制御するためには、エポキシ/
アミノ変性シリコーンオイルに対するストレートシリコ
ーンオイルの重量比Aは0<A≦4、特に0.01≦A≦1
の範囲にあることが好ましい。
【0030】表面処理により得られた疎水性金属酸化物
粉体は、その疎水性の程度が高いほど、金属酸化物粉体
の吸湿性が減少して湿度に対するトナーの帯電量の変化
を小さくし、かつ凝集を防ぐ効果(流動性改善効果)が
高まり、利用価値が高い。実用上は、透過率法によって
測定される疎水化率の値が60%以上、好ましくは70%以
上、さらに好ましくは80%以上の値を持てばよい。
【0031】透過率法は、粉体の疎水化率を実験的に求
める方法である。この方法によれば、粉体1.0 gと蒸留
水100ml を抽出用分液漏斗に入れ、10分間激しく振とう
撹拌する。その後10分間静置し、分液漏斗の底から少量
の懸濁液を抜き出す。この液の550nmの光に対する透過
率を、純水の透過率を100 %として表した値を、その粉
体の疎水化率とする。
【0032】また、得られた疎水性金属酸化物の帯電性
は、ブローオフ法により摩擦帯電量を測定することによ
り評価できる。ブローオフ法により鉄に対する摩擦帯電
量の測定方法は、例えば「色材」55[9] 630-636 (1982)
等の文献によって規定されている。本発明では、この
「色材」に規定されている方法で摩擦帯電量を求めた。
【0033】本発明の疎水性酸化物粉体は複写機やプリ
ンターに用いられる電子写真用現像剤に、トナーの流動
性やクリーニング性を改善するための添加剤として、或
いは電荷制御剤として含有させることができる。それに
より、安定した帯電性と優れた流動性を持つ電子写真用
現像剤が得られる。また、複写機等に用いられるシリコ
ーンゴムロールに含有させて帯電性を制御するためにも
使用できる。
【0034】電子写真用現像剤に含有させる場合、疎水
性金属酸化物粉体の添加量は、トナーの総重量に基づい
て0.1 〜20重量%の範囲が実用上は望ましい。電荷制御
剤として使用する場合は、流動性改善剤として使用する
場合より添加量が一般に多くなる。流動性改善剤の場合
は通常は0.1 〜3 重量%の範囲で十分である。
【0035】トナーのその他の成分、およびトナーに配
合するキャリアーについては、従来より公知の電子写真
用現像剤と同様でよい。
【0036】疎水性金属酸化物粉体を含むトナーの流動
性は、本発明では次に述べる篩い振盪法により評価す
る。この方法では、カーボン18重量%を分散させたスチ
レン−アクリル共重合樹脂を粉砕し、平均粒径7 ±3 μ
m に分級して得た樹脂粉10gに対し、表面処理した金属
酸化物粉体0.05gを加え、機械的に30秒間混合してトナ
ーを調製する。得られたトナー5 gを100 メッシュ(目
の開き150 μm )の篩いに入れ、電磁式篩い振盪器によ
り1分間振盪した後、この篩いを通過したトナー重量の
割合(%)を求め、この値をトナーの流動性とする。こ
のトナーの流動性が高いほど、これを用いて電子写真の
現像を行った際に、カブリの発生や画像濃度の低下が起
こりにくい。
【0037】
【実施例】表3に記載の金属酸化物粉体20gを加熱乾燥
してから、撹拌機を備えたステンレス鋼製の容器に仕込
み、窒素雰囲気中室温で撹拌しながら浮遊状態にし、表
1に記載のエポキシ変性シリコーンオイルとアミン化合
物とを予め反応させて得たエポキシ/アミノ変性シリコ
ーンオイルと表2に記載のストレートシリコーンオイル
との混合物を、アルコールで希釈し、上記粉体に噴霧し
た。なお、反応に用いたエポキシ変性シリコーンオイル
の量は総エポキシ基数で、アミン化合物の量は一級アミ
ノ基と二級アミノ基の合計数(=反応性N数)とアミノ
基(一級、二級、三級)の合計数(=総N数)(いずれ
も単位はmmol)で表3に示した。エポキシ変性シリコー
ンオイルとアミン化合物の反応は、両者を50℃で一昼
夜混合することにより行った。
【0038】なお、表3に示したエポキシ変性シリコー
ンオイルとアミン化合物ならびにストレートシリコーン
オイルの記号の意味は以下の通りである。
【0039】
【表1】
【0040】
【化1】
【0041】
【表2】
【0042】上記アミン化合物のうち、iのポリエチレ
ンイミンは重合体型の化合物であり、本発明に使用する
には不適切なものである。
【0043】噴霧終了後、金属酸化物粉体をさらに室温
で30分間撹拌した後、窒素気流下で外部加熱を行い、
30分かけて150℃まで昇温させ、この温度で1時間
加熱した後、撹拌を続けながら室温まで放冷した。
【0044】得られた疎水性金属酸化物粉体の疎水化率
と鉄粉に対する摩擦帯電量ならびにこれを含むトナーの
流動性を上記のように測定した結果を表3に示す。
【0045】また、流動性試験に用いた金属酸化物を含
有するトナー30gを酸化鉄粉1000gと混合して電
子写真用現像剤を作製し、この現像剤を市販の電子写真
複写機に入れて寿命テストを行った結果も表3に併せて
示す。なお、実施例の金属酸化物粉末を用いた現像剤で
は、高温多湿(28℃、85%RT)の環境下において
も良好な画像を示した。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】表3から判るように、本発明によれば、
エポキシ/アミノ変性シリコーンオイルの調製に用いた
アミン化合物の種類や量によって、摩擦帯電量が−50
0μC/g 程度の負帯電性から、400μC/g を越えるよ
うな正帯電性までに及ぶ広い範囲で自由に制御すること
ができ、トナーに要求される帯電性が正負のいずれのレ
ベルであっても、本発明の疎水性金属酸化物粉体で対応
することができる。
【0048】さらにこの表面処理により、金属酸化物粉
体にシリコーンオイルの被覆が強固に結合した疎水性金
属酸化物粉体が得られ、この金属酸化物粉体は疎水性や
帯電性の経時安定性に優れ、使用中または保存中の特性
劣化が少ない。そのため、この疎水性金属酸化物粉体を
含有する電子写真用現像剤は、高温多湿の条件下でも流
動性が良好に保持され、カブリのない良好な画像が得ら
れる複写枚数が増大する。
【0049】これに対し表3に示した比較例では、アミ
ンの反応性N数が総エポキシ基数より大きく、そのため
エポキシ基が完全にアミンと反応し、表面処理に用いた
シリコーンオイルがエポキシ基を持っていないため、シ
リコーンオイルの金属酸化物粉体への結合が不十分とな
る。その結果、疎水化率、流動性、寿命テストのいずれ
の結果も著しく低下した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 9/08 374 G03G 9/08 374 9/097 351 (56)参考文献 特開 昭63−155155(JP,A) 特開 平6−80405(JP,A) 特開 平6−80406(JP,A) 特開 平9−156906(JP,A) 特開 平9−156907(JP,A) 特開 平9−278413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 13/14 C01B 33/18 C01F 7/02 C01G 23/04 G03G 9/08 C09C 3/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基を有するシリコーンオイル
    に、その全エポキシ基と反応するのに必要な量より少量
    の、一級および/もしくは二級アミノ基を有する非重合
    体型のアミン化合物を反応させることにより調製され
    た、エポキシ基とアミノ基とを有するシリコーンオイル
    と、ストレートシリコーンオイルとを必須成分とする混
    合物を用いて表面処理することにより形成された表面被
    覆を有する疎水性金属酸化物粉体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の混合物が、エポキシ
    基とアミノ基とを有するシリコーンオイルと、ストレー
    トシリコーンオイルとを含み、さらにアルコール、ケト
    ンまたは炭化水素のいずれかである溶媒を含む請求項1
    に記載の疎水性金属酸化物粉体。
  3. 【請求項3】 エポキシ基を有するシリコーンオイル
    がエポキシ当量100〜3000g/mol のものであり、 アミン化合物が一般式 R1R2NXNHR3(式中、R1、R2およ
    びR3は同一または異なっていてよく、それぞれ水素また
    は炭素数1 〜10のアルキル基であり、このアルキル基中
    にエーテル結合があってもよく、X は炭素数2 〜4 のア
    ルキレン基である)で示される化合物であり、 +10〜+500μC/gの範囲内の摩擦帯電量を有す
    る請求項1または2に記載の疎水性金属酸化物粉体。
  4. 【請求項4】 エポキシ基とアミノ基とを有するシリ
    コーンオイルに対する、ストレートシリコーンオイルの
    重量比Aが0<A≦4である請求項1ないし3に記載の
    疎水性金属酸化物粉体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4に記載の疎水性金属
    酸化物粉体を含有することを特徴とする電子写真用現像
    剤。
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