JP3367349B2 - 疎水性金属酸化物粉体とその用途 - Google Patents
疎水性金属酸化物粉体とその用途Info
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にトナーの流動性改善および帯電性制御等の目的で添加
するのに適した疎水性金属酸化物粉体と、これを含有す
る電子写真用現像剤とに関する。
光体上の静電潜像にトナーを付着させることにより行わ
れる。通常の電子写真用現像剤は、トナーに加えて、ト
ナーに摩擦帯電によって電荷を付与し、かつ感光体上の
現像領域にトナーを搬送するためのキャリアーを含有す
る。一般に、トナーは熱可塑性樹脂、着色剤および帯電
制御剤からなり、キャリアーとしては鉄またはフェライ
ト (酸化鉄) のような磁性粉末が使用される。トナーと
キャリアー以外に、トナーの帯電制御、トナーの流動性
およびクリーニング性の改善等の目的で、各種の添加剤
を現像剤に添加できることが知られている。
金属酸化物粉体の表面を有機物により疎水化した疎水性
金属酸化物粉体は、トナーの流動性やクリーニング性の
改善剤として電子写真用現像剤に添加されている。ま
た、このような疎水性金属酸化物粉体を電荷制御剤とし
て用いることも知られている。従って、この種の疎水性
金属酸化物粉体では疎水性と摩擦帯電性が重要な性質と
なり、これらの性質は金属酸化物粉体の表面処理に用い
る有機物の種類や被覆量によって制御される。
て、アミン系有機化合物により粉体を表面処理すると、
粉体の負の帯電性が減少するか、または粉体に正の帯電
性が付与されることは公知であり、このようにアミン系
有機化合物で表面処理した金属酸化物粉体をトナーの電
荷制御剤に使用することも既に提案されている。
ミノシラン (アミノ基含有シランカップリング剤) で表
面処理した金属酸化物粉末をトナーの正電荷制御剤とし
て使用することが提案されている。また、特開昭62−52
561 号公報には、気相法シリカをエポキシ基含有シラン
で、次いでアミン類で処理して得た粉末を正電荷制御剤
として含有する電子写真用トナーが開示されている。こ
のようなシラン類で表面処理した金属酸化物粉体は、一
般に疎水性を十分に高くすることができず、トナーの流
動性やクリーニング性の改善効果が不十分となる。
9 号公報には、エポキシ基を含有するオルガノポリシロ
キサンとポリアルキレンイミンで表面処理した金属酸化
物粉体を、流動性改善とトナーの帯電性制御の両方の目
的で電子写真用現像剤に添加することが記載されてい
る。しかし、アミンとして用いるポリアルキレンイミン
(例、ポリエチレンイミン) が、分子量当たり多数のア
ミノ基を含有する高分子量の重合体型アミンであり、こ
の親水性が比較的高いポリアルキレンイミン連鎖で粉体
の表面が覆われるようになるため、疎水性と流動性が不
十分となることが判明した。特開平6−80406 号公報の
実施例によれば、上記の表面処理によりシリカ粉体に80
%を超える高い疎水化率が付与されているが、これは上
記の2成分に加えてさらに疎水化剤としてジメチルポリ
シロキサン等を配合した組成物により表面処理したため
であり、この疎水化剤を配合しないと疎水化率は大きく
低下する。
シ基を有するシリコーンオイルで処理し、次いでアミノ
化合物で処理した無機微粒子を含有する静電像現像剤が
記載されている。しかし、このように2段処理した無機
微粒子は、帯電性の制御が不確実であるか、および/ま
たは疎水性が不十分である。
的少量の被覆で摩擦帯電性を広い範囲で制御することが
でき、同時に高い疎水性と流動性も付与された疎水性金
属酸化物粉体、ならびにこれを含有する電子写真用現像
剤を提供することである。
り、エポキシ基とアミノ基とを有するシリコーンオイル
から形成された表面被覆を有する疎水性金属酸化物粉体
によって達成することができる。
ンオイルは、エポキシ基を有するシリコーンオイルに、
その全エポキシ基と反応するのに必要な量より少量の、
一級および/もしくは二級アミノ基を有する非重合体型
のアミン化合物を反応させることにより調製することが
できる。
くは透過率法によって測定された疎水化率が60%以上の
値を示す。本発明によればまた、この疎水性金属酸化物
粉体を含有する電子写真用現像剤も提供される。
酸化物粉体の種類は特に制限されず、用途に応じて選択
することができる。トナーの流動性改善用に好ましい金
属酸化物は、シリカ、アルミナまたはチタニア(酸化チ
タン)であるが、用途によっては、ジルコニア(酸化ジ
ルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫などの他の金属酸化物
の粉体も使用できる。
すればよい。トナーの流動性改善用には、比表面積が50
m2/g 以上の粉体を使用することが好ましい。金属酸化
物は、2種以上の金属の複合酸化物または2種以上の金
属酸化物の混合物であってもよい。
たものが好ましい。気相法で合成された金属酸化物粉体
は、粒子の凝集が少ないので、トナーの流動性改善用に
適している。気相法による金属酸化物粉体の合成は、例
えば、四塩化ケイ素等の金属塩化物の分解による方法が
知られており、工業的に合成された製品が市販されてい
る。
に、エポキシ基とアミノ基とを有するシリコーンオイル
(以下、エポキシ/アミノ変性シリコーンオイルとい
う) を用いた表面処理により被覆を形成する。この変性
シリコーンオイルのエポキシ基は主に金属酸化物粉体と
の結合力を強化し、アミノ基は金属酸化物粉体の帯電性
を正方向に変化させ、シリコーンオイルそれ自体は金属
酸化物粉体に疎水性を付与するという作用を果たす。そ
して、アミノ基の種類によって、粉体に付与される帯電
性が大きく変化する。
は、エポキシ基を有するシリコーンオイル(以下、エポ
キシ変性シリコーンオイルという)に、その全エポキシ
基と反応するのに必要な化学量論量より少量の、一級お
よび/もしくは二級アミノ基を有するアミン化合物を反
応させることにより調製することが好ましい。逆に、一
級および/もしくは二級アミノ基を有するシリコーンオ
イル(以下、アミノ変性シリコーンオイルという)に、
その一級および二級アミノ基の全部と反応するのに必要
な量より多量の、2官能性以上のエポキシ化合物を反応
させることによっても、エポキシ基とアミノ基とを有す
るシリコーンオイルを調製することは可能である。しか
し、容易に入手できる2官能性以上のエポキシ化合物の
種類が極めて限られているので、最初の反応に比べると
調製可能なシリコーンオイルの種類が著しく少なくなる
ので、本発明の目的の一つである摩擦帯電性を広い範囲
で制御する点では不利になる。
合物は、シリコーンオイル中の総エポキシ基数に対する
アミン化合物中の一級および二級アミノ基の合計数のモ
ル比が 0.1〜0.9 、特に 0.2〜0.8 の範囲内となる割合
で使用することが好ましい。この反応により、シリコー
ンオイル中のエポキシ基の一部がアミン化合物の一級ま
たは二級アミノ基と反応して開環し、エポキシ基に代わ
って−OH基と−NR基 (アミノ基) がシリコーンオイルに
導入される。その結果、未反応のエポキシ基と反応で導
入されたアミノ基とを有する、エポキシ/アミノ変性シ
リコーンオイルが得られる。
していると、上記反応で−NH基が生成し、この基がさら
にエポキシ基と反応する可能性もあるが、その可能性は
低いと考えられるので、上記のように反応性アミノ基と
エポキシ基の比率で化学量論量を推定することができ
る。
ミノ基の数が少なく、帯電性の制御が不十分となる。一
方、上記モル比が0.9 を超えると、未反応エポキシ基の
数が少なくなり、被覆の粉体への結合が不十分となる
上、未反応のアミン化合物が残留する傾向があり、これ
は帯電の安定性或いは疎水性の向上の悪影響を与えるの
で好ましくない。上記の反応は、室温で単に両成分を混
合するか、アルコール等の極性溶媒中で攪拌するだけで
進行するが、所望により反応成分が揮発しない程度の温
度に加熱してもよい。
論量より多量になると、金属酸化物粉体との反応性に富
んだエポキシ基が完全にアミンと反応してシリコーンオ
イル中から消失するため、表面処理をより高温で行う必
要が生じ、また形成された被覆の粉体表面との結合力が
低下する。
シ基を有する油状のオルガノポリシロキサンのことであ
る。例えば、グリシジル基および/または脂環式エポキ
シ基をジメチルポリシロキサン骨格の末端および/また
は側鎖に有する構造を持つエポキシ変性シリコーンオイ
ルが市販されている。
は、エポキシ基としてグリシジル基を有し、エポキシ当
量は好ましくは 200〜3000 g/molである。エポキシ当量
が3000g/molを超えると、原因は不明であるが、アミン
化合物と反応させた場合に十分な効果が得られにくくな
る。シリコーンオイルの粘度は、25℃で5〜100 cSt の
範囲が好ましい。粘度が100 cSt を超えると流動性が低
下し、粘度が5 cSt未満では金属酸化物粉体の表面処理
中に揮発し易い。
ルは、分子の両末端にグリシジル基を有する、エポキシ
当量が 300〜1000 g/mol、25℃での粘度が10〜50 cStの
ものである。さらに好ましくは、このエポキシ変性シリ
コーンオイルは、分子の両末端だけにグリシジル基を有
しているものである。両末端に加えて側鎖にもグリシジ
ル基が存在すると、疎水性が低下することがある。
例としては、信越シリコーン社製のKF-101, KF-102, KF
-103, KF-105, X-22-163A, X-22-169AS, X-22-163B, X-
22-163C, X-22-169B等;東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン社製のSF8411, SF8413,SF8421等;ならびに東芝シ
リコーン社製のTSF4730, TSF4731, TSL9946, TSL9986,
TSL9906 等が例示される。
るアミン化合物としては、エポキシ基と反応性である一
級および/または二級アミノ基を有する非重合体型のア
ミン化合物を使用する。ポリアルキレンイミンのような
重合体型のアミン化合物を使用すると、前述したように
被覆表面が実質的に高分子量アミン (比較的親水性が高
い) で覆われることとなり、表面処理後の金属酸化物粉
体の疎水性が低く、従って流動性改善効果も不十分とな
る。
ン化合物の種類によって、本発明の疎水性金属酸化物粉
体の帯電性が大きく変化する。即ち、金属酸化物粉体の
表面にアミン化合物が付着すると、アミン化合物は一般
に帯電性を正の方向に変化させるが、その変化させる程
度 (正帯電性の付与効果) はアミン化合物の種類により
大きく異なる。そのため、アミン化合物の種類と量を変
化させることにより、疎水性金属酸化物粉体、例えばシ
リカ粉体の帯電性 (後述する方法で測定した摩擦帯電
量) を、−500 μC/g 程度の負帯電性から、300 μC/g
を超えるような正帯電性までに及ぶ、広い範囲内で所望
の値に制御することが可能になる。従って、アミン化合
物の種類は、トナーに要求される所望の帯電性のレベル
に応じて選択すればよい。
般には次の通りである。 (A) 正帯電性の付与効果が比較的小さいアミン (1) 脂肪族一級アミン (R1NH2: R1は炭素数4〜20のア
ルキル基で、アルキル基中にエーテル結合があってもよ
い) 、(2) 芳香族アミン (1つ以上の一級または二級ア
ミノ基を持つ芳香族アミン、例えばアニリン、トルイジ
ン等) 、(3) 複素環アミン (1つ以上の一級または二級
アミノ基を持つ複素環アミン、例えばピロール、イミダ
ゾール、インドール等) 。
数1〜10の同一または異なるアルキル基で、アルキル基
中にエーテル結合があってもよい) 、(2) ジアミン (R1
R2NXNHR3: R1、R2、R3はいずれも水素原子または炭素数
1〜10のアルキル基で同一でも異なっていてもよく、ア
ルキル基中にエーテル結合があってもよく、X は炭素数
1〜10のアルキレン基である) 、(3) トリアミン (R1R2
NXNR3YNHR4: R1、R2、R3、R4はいずれも水素原子または
炭素数1〜10のアルキル基 (但し、全てが水素原子では
ない) で同一でも異なっていてもよく、アルキル基中に
エーテル結合があってもよく、X 、Y はいずれも炭素数
1〜10のアルキレン基である) 、および類似のテトラア
ミン等の高次アミン、(4) 脂環式アミン (1つ以上の一
級または二級アミノ基を持つ脂環式アミン、例えばピペ
ラジン、ピペリジン等) 、(5) 一級もしくは二級アミノ
アルキル基を持った複素環アミン (例、トリアジン) ま
たは脂環式アミン (例、ピペラジン) 。この場合の複素
環アミンまたは脂環式アミンは三級アミノ基のみを有す
るものでもよい。
るアミン化合物の選択は、実験によりその帯電付与効果
を調査してから決定すればよい。また、アミン化合物は
2種以上を使用することもできる。その場合には、混合
の結果として、アミン化合物の帯電性付与の挙動が上記
から変化することもある。
アミン化合物は、上記ジアミン、即ち、一般式:R1R2N
XNHR3で示される化合物である。この化合物は、他の
アミン化合物に比べて、比較的少量の添加量で高い正帯
電性を付与することができるので、正帯電性トナーの流
動性改善剤として有用な+10〜+250 μC/g の範囲内の
摩擦帯電量を持つ金属酸化物粉体に効率よく安定して得
ることができる。中でも、R1およびR2が炭素数1〜6の
アルキル基であり、R3が水素原子または炭素数1〜6の
アルキル基であり、Xが -(CH)n- (nは2〜4の整数)
であるジアミンが、正帯電性の付与に好ましい。窒素原
子に結合しているアルキルの炭素数が大きいほど、金属
酸化物粉体の疎水性が高くなり、安定した帯電性が得ら
れる傾向がある。
〜−200 μC/g)を持つ金属酸化物粉体もまた、負帯電性
のトナー用に有用である。この場合、上記のような正帯
電性の付与効果が大きいアミン化合物の添加量を制御し
て目的とする負帯電性を有する金属酸化物を得る方法
と、上記の正帯電性の付与効果が比較的小さいアミン化
合物を使用する方法とがある。正帯電性の付与効果が大
きいアミン化合物を用いると、少ない添加量で目的とす
る負帯電性を得ることができ、正帯電性の付与効果が比
較的小さいアミン化合物では、帯電性がその添加量で変
化しにくいため、安定した負帯電性を得やすい。
よる金属酸化物粉体の表面処理は、従来公知の方法で実
施すればよく、湿式法と乾式法のいずれでもよい。ただ
し、金属酸化物粉体が気相法で合成されたものである場
合には、乾式法の方が凝集を生じにくいので好ましい。
乾式法はまた、処理液の使用量が少なく、粉体への被覆
量の制御が容易で、操作も簡便である点でも有利であ
る。
化物粉体を適当な閉鎖型容器内で十分攪拌しながら、上
記変性シリコーンオイルを滴下あるいは噴霧して加え
る。必要であれば、変性シリコーンオイルを溶媒 (例、
アルコール、ケトン、炭化水素等) で希釈して用いるこ
ともできる。
加えた後、金属酸化物粉体を窒素気流下で80〜250 ℃の
範囲の温度、好ましくは 100〜170 ℃の範囲の温度で加
熱して、シリコーンオイルを金属酸化物粉体の表面に強
固に結合させ、必要であれば同時に溶媒を除去する。シ
リコーンオイルが、金属酸化物粉体の表面との反応性が
高いエポキシ基を有しているため、このような比較的低
温での加熱処理により表面被覆を達成することができ
る。
のような乾式の処理が困難な場合には、シリコーンオイ
ルを適当な有機溶媒に溶解させた溶液に金属酸化物粉体
を浸漬し、溶液から回収した後、上記のように加熱する
といった湿式法で表面処理を行うことも可能である。
オイルは、そのエポキシ基が金属酸化物粉体の表面に存
在するOH基と反応することにより粉体表面に結合する。
その結果、シリコーンオイルに存在するアミノ基は粉体
の表面に強固に結合され、粉体の帯電性が変化すると同
時に、シリコーンオイルにより粉体表面が疎水性とな
る。また、シリコーンオイルが粉体表面に強固に結合さ
れているため、湿気等の環境の影響を受けにくく、疎水
性や帯電性などの特性の経時変化が少なく、安定性に優
れている。
シ/アミノ変性シリコーンオイルの量は、前述したよう
に所望の帯電性が得られ、同時に十分な疎水性 (流動
性) も付与されるように選択する。従って、この変性シ
リコーンオイルの調製に用いたアミン化合物の種類やそ
の使用量によっても異なるが、通常は十分な疎水性を確
保するために、金属酸化物粉体100 重量部当たり5〜40
重量部、特に10〜30重量部の範囲の量で上記変性シリコ
ーンオイルを使用することが好ましい。また、金属酸化
物粉体の表面に存在するOH基とシリコーンオイル中の一
級、二級および三級アミノ基の合計数とのモル比が、
0.1〜1.0 、特に 0.2〜0.6 となる範囲内で上記変性シ
リコーンオイルを使用することが、帯電性付与効果の面
からは好ましい。
粉体は、その疎水性の程度が高いほど、金属酸化物粉体
の吸湿性が減少して湿度に対するトナーの帯電量の変化
を小さくし、かつ凝集を防ぐ効果 (流動性改善効果) が
高まり、利用価値が高い。実用上は、透過率法によって
測定される疎水化率の値が60%以上、好ましくは70%以
上、さらに好ましくは80%以上の値を持てばよい。
める方法である。この方法によれば、粉体1.0 gと水10
0 mlを抽出用分別漏斗に入れ、10分間激しく振盪攪拌す
る。その後10分間静置し、分別漏斗の底から少量の懸濁
液を抜き出す。この抜き出した懸濁液の550 nmの光に対
する透過率を、純水の透過率を100 %として表した値
を、その粉体の疎水化率とする。
電性は、ブローオフ法により摩擦帯電量を測定すること
により評価できる。ブローオフ法による鉄に対する摩擦
帯電量の測定方法は、例えば「色材」55[9] 630-636 (1
982)等の文献に規定されている。本発明では、この「色
材」に規定されている方法で摩擦帯電量を求めた。
やプリンターに用いられる電子写真用現像剤に、トナー
の流動性やクリーニング性を改善するための添加剤とし
て、或いは電荷制御剤として含有させることができる。
それにより、安定した帯電性と優れた流動性を持つ電子
写真用現像剤が得られる。また、複写機等に用いられる
シリコーンゴムロールに含有させて帯電性を制御するた
めにも使用できる。
性金属酸化物粉体の添加量は、トナーの総重量に基づい
て 0.1〜20重量%の範囲が実用上は望ましい。電荷制御
剤として使用する場合は、流動性改善剤として使用する
場合より添加量が一般に多くなる。流動性改善剤の場合
は通常は 0.1〜3重量%の範囲で十分である。トナーの
その他の成分、およびトナーに配合するキャリアーにつ
いては、従来より公知の電子写真用現像剤と同様でよ
い。
性は、本発明では次に述べる篩い振盪法により評価す
る。この方法では、カーボン18重量%を分散させたスチ
レン−アクリル共重合樹脂を粉砕し、平均粒径7±3μ
mに分級して得た樹脂粉10gに対し、表面処理した金属
酸化物粉体0.05gを加え、機械的に30秒間混合してトナ
ーを調製する。得られたトナー5gを100 メッシュ (目
の開き 150μm) の篩いに入れ、電磁式篩い振盪器によ
り1分間振盪した後、この篩いを通過したトナー重量の
割合 (%) を求め、この値をトナーの流動性とする。こ
のトナーの流動性が高いほど、これを用いて電子写真の
現像を行った際に、カブリの発生や画像濃度の低下が起
こりにくい。
トナーの他に、樹脂粉末の流動性を改善することもで
き、粉末状プラスチックの流動化剤、粉体塗料の添加剤
などとしても利用することができる。
してから、攪拌機を備えたステンレス鋼製の容器に仕込
み、窒素雰囲気中室温で攪拌しながら浮遊状態にし、表
2に記載のエポキシ変性シリコーンオイルとアミン化合
物とを50℃で一昼夜混合することにより予め反応させて
得たエポキシ/アミン変性シリコーンオイルを、アルコ
ールで希釈し、上記粉体に噴霧した。
ンオイルの量は総エポキシ基数で、アミン化合物の量は
アミノ基 (一級、二級、三級) の合計数 (=総N数) と
一級+二級アミノ基の合計数 (反応性N数)(いずれも単
位はmmol) で表2に示した。表2に示したエポキシ変性
シリコーンオイルとアミン化合物の記号の意味は次の通
りである。
ンイミンは重合体型の化合物であり、本発明で使用する
には不適切なものである。噴霧終了後、金属酸化物粉体
をさらに室温で30分間攪拌した後、窒素気流下で外部加
熱を行い、30分かけて150 ℃まで昇温させ、この温度に
1時間加熱した後、攪拌を続けながら室温まで放冷し
た。
と鉄粉に対する摩擦帯電量ならびにこれを含むトナーの
流動性を上記のようにして測定した結果を表2に示す。
また、流動性試験に用いた金属酸化物を含有するトナー
30gを酸化鉄粉1000gと混合して電子写真用現像剤を作
製し、この現像剤を市販の電子写真複写機に入れて寿命
テストを行った結果も表2に併せて示す。なお、実施例
の金属酸化物粉末を用いた現像剤では、高温多湿 (28
℃、85%RT) の環境下においても良好な画像を示した。
ば、エポキシ/アミノ変性シリコーンオイルの調製に用
いたアミン化合物の種類やその量によって、摩擦帯電量
が−500μC/g 程度の負帯電性から、300 μC/g を超え
るような正帯電性までに及ぶ広い範囲で自由に制御する
ことができ、トナーに要求される帯電性が正負のいずれ
のレベルのものであっても、本発明の疎水性金属酸化物
粉体で対応することができる。また、帯電性制御の精度
も高い。
く、それにより金属酸化物粉体にシリコーンオイルの被
覆が強固に結合した疎水性金属酸化物粉体が得られる。
この金属酸化物粉体は、疎水性や帯電性の経時安定性に
優れ、使用中または保存中の特性劣化が少ない。そのた
め、この疎水性金属酸化物粉体を含有する電子写真用現
像剤は、高温多湿の条件下でも流動性が良好に保持さ
れ、カブリのない良好な画像が得られる複写枚数が増大
する。
ミンの反応性N数が総エポキシ基数より大きく、そのた
めエポキシ基がほぼ完全にアミンと反応し、表面処理に
用いたシリコーンオイル中にエポキシ基がほとんど残っ
ていないため、シリコーンオイルの金属酸化物粉体への
結合が不十分となる。また、疎水性に悪影響を及ぼす未
反応の反応性アミノ基がかなり残る。その結果、疎水化
率、流動性、寿命テストのいずれの結果も著しく低下し
た。一方、エポキシ変性シリコーンオイルで表面処理し
た対照試験では、摩擦帯電性を正にすることができず、
寿命テストの結果もやや不十分であった。
Claims (7)
- 【請求項1】 分子の両末端にグリシジル基を有する、
エポキシ当量 300〜1000 g/molのエポキシ基含有シリコ
ーンオイルに、その全エポキシ基と反応するのに必要な
量より少量の、一級および/もしくは二級アミノ基を有
する非重合体型のアミン化合物を反応させることにより
調製された、エポキシ基とアミノ基とを有するシリコー
ンオイルから形成された表面被覆を有する疎水性金属酸
化物粉体。 - 【請求項2】 アミン化合物が一般式: R1R2NXNH
R3 (式中、R1、R2およびR3は同一または異なっていてよ
く、それぞれ水素または炭素数1〜10のアルキル基であ
り、このアルキル基中にエーテル結合があってもよく、
Xは炭素数1〜10のアルキレン基である) で示される化
合物であり、+10〜+250 μC/g の範囲内の摩擦帯電量
を有する、請求項1記載の疎水性金属酸化物粉体。 - 【請求項3】 アミン化合物の一般式において、R1およ
びR2が炭素数1〜6のアルキル基、R3が水素または炭素
数1〜6のアルキル基、Xが -(CH)n- (nは2〜4の整
数) である、請求項2記載の疎水性金属酸化物粉体。 - 【請求項4】 エポキシ基含有シリコーンオイルが、25
℃での粘度が10〜50cStのシリコーンオイルである、請
求項1ないし3のいずれか1項に記載の疎水性金属酸化
物粉体。 - 【請求項5】 金属酸化物がシリカ、アルミナまたはチ
タニアである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
疎水性金属酸化物粉体。 - 【請求項6】 透過率法によって測定された疎水化率が
60%以上の値を示す請求項1ないし5のいずれか1項に
記載の疎水性金属酸化物粉体。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
の疎水性金属酸化物粉体を含有することを特徴とする、
電子写真用現像剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26096296A JP3367349B2 (ja) | 1995-10-02 | 1996-10-01 | 疎水性金属酸化物粉体とその用途 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-255145 | 1995-10-02 | ||
JP25514595 | 1995-10-02 | ||
JP26096296A JP3367349B2 (ja) | 1995-10-02 | 1996-10-01 | 疎水性金属酸化物粉体とその用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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