JP3871297B2 - 静電荷像現像用トナー外添剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等における静電荷像を現像するために使用する静電荷像現像用トナー外添剤に関し、特に高画質化のために用いる小粒径トナー用の外添剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法等で使用する乾式現像剤は、結着樹脂中に着色剤を分散したトナーそのものを用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別でき、そしてこれらの現像剤を用いてコピー操作を行う場合、プロセス適合性を有するためには、現像剤が流動性、耐ケーキング性、定着性、帯電性、クリーニング性等に優れていることが必要である。そして特に、流動性、耐ケーキング性、定着性、クリーニング性を高めるために、無機微粉末をトナーに添加することがしばしば行われている。
【0003】
しかしながら、無機微粉末は、トナーの帯電に大きな影響を与えてしまう。例えば一般に使用されているシリカ系微粉末の場合、負極性が強く、特に、低温低湿下において負帯電性トナーの帯電性を過度に増大させ、一方、高温高湿下においては水分を取り込んでトナーの帯電性を減少させるため、両環境下でのトナーの帯電性に大きな差を生ぜしめてしまうという問題があった。その結果、濃度再現不良、背景カブリの原因となることがあった。また、無機微粉末の分散性もトナー特性に大きな影響を与える。通常使用されているシリカ微粒子は、一次粒子径が10〜20nmと小さいため粒子同士の凝集性が強いため、シリカ微粒子の分散性が低下し、所望の流動性、耐ケーキング性を有するトナーが得られなかったり、クリーニングを施しても十分に除去できず感光体上にトナー固着などが発生し、黒点状の画像欠陥の生じる原因となることがあった。
【0004】
これらの点を改善する目的で、無機微粉末を表面処理したものを用いることが種々提案されている。例えば、特開昭46-5782号公報、特開昭48-47345号公報、特開昭48-47346号公報には、シリカ微粉末の表面を疎水化処理することが記載されている。しかしながら、これらの無機微粉末を用いるだけでは必ずしも十分な効果が得られない。
【0005】
また、特開昭49-42354号公報、特開昭55-26518号公報において、シリカ等の粉体にシリコーンオイルを処理することが記載されている。しかしながら、このような表面処理シリカを添加したトナーは、耐オフセット性が低下しトナーが加熱ロールに付着して次の複写物を汚すという問題が発生する。これは、トナーへ離型性を付与するために添加されたワックスとシリコーンオイル処理シリカ微粉末が混合したときワックスが増粘し離型効果を阻害するために生じる。
【0006】
シリカ微粉末の強い負帯電性を緩和する方法としては、シリカ微粉末をアミノ変性シリコーンオイルで表面処理する方法(特開昭64-73354号公報)、シリカ微粉末をアミノシランおよび/またはアミノ変性シリコーンオイルで表面処理する方法(特開平−237561号公報)、シリカ微粉末を4級アンモニウム塩で表面処理する方法(特開平5-100471号公報)、シリカ微粉末を両性界面活性剤で表面処理する方法(特開平6-95426号公報)が知られている。しかし、これらの化合物による処理では、負帯電性トナーの過剰な帯電上昇は抑制できるものの、シリカ微粉末自身の持つ環境依存性を充分に改善することはできない。すなわち、低温低湿下で長時間使用後のシリカ微粉末の過剰な負帯電性は若干抑制することができるが、高温高湿下での長時間使用においてはやはり電荷の中和が起こるため、相変わらず環境依存性は改善されない。また、処理剤にシリコーンオイルを用いた場合、その粘度が高いために処理時にシリカの凝集がおこり、粉体流動性が悪化するという欠点がある。
【0007】
さらに、より高画質化を図るために、有機感光体を使用したり、より小粒径のトナーを使用する場合があるが、上記の無機微粉末では十分な性能が得られなくなっている。有機感光体は無機感光体に比べその表面が柔らかくかつ反応性が高いので寿命が短くなりやすい。したがって、このような有機感光体を用いた場合には、トナーに添加された無機微粉末によって感光体の変質や削れが生じ易い。また、トナーを小粒径にした場合には、通常用いられている粒子径のトナーと比較して粉体流動性が悪いので無機微粉来を多量に添加使用しなければならなくなるが、その結果無機微粉末が感光体へのトナー付着の原因となることがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、有機感光体との反応や相互作用がないため該感光体の変質や削れの原因とならず、また、流動性が良好であるため感光体や加熱ロールヘのトナー付着が生じない、環境に依存しない帯電性をトナーに与えるシリカ微粒子からなるトナー用外添剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するため種々のシリカ材料を検討した結果、比表面積が5〜50m2/gで粒径分布が0.005〜1μmである火炎中燃焼法により製造された非結晶球状シリカ微粒子を、シリコーンオイルで表面処理してなるシリカ微粒子が上記の課題を解決するトナー用外添剤として有用であることを見いだした。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる非結晶球状シリカ微粒子としては、特開平2-188421号公報に提案されている、火炎中燃焼法により製造されたシリカ球状微粒子が好適に用いられる。これはアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物を火炎中で燃焼分解してなるものである。すなわち、アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物を加熱蒸発させて窒素ガスなどの不活性ガスに伴流させるか、または噴霧させて酸水素火炎などの火炎中に導入し、この火炎中で燃焼分解させる。この際、全発熱量から計算されるシリカの単位粒子あたりの受容熱量を4.6〜7.1kJ/gの範囲内となるようにすれば、比表面積が5〜50m2/gで粒径分布が0.005〜1μmである球状シリカ微粒子を製造することができる。
【0011】
原料として用いられるアルコキシシランは一般式(I):
R2 aSi(OR3)4-a (I)
(但し、R2、R3は同一または異種の炭素原子数1〜4の1価炭化水素基、aは0〜3の整数)で示される。
【0012】
一般式(I)で示されるアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリエチルブトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリブチルメトキシシラン、トリブチルエトキシシラン、等のアルコキシシランが挙げられ、中でもテトラアルコキシシラン、トリアルコキシシランが好ましく、特にテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシランが好ましい。
【0013】
本発明に用いる非結晶球状シリカ微粒子は、上記の火炎中燃焼法により製造されたシリカ微粒子の表面にあらかじめR1 3SiO1/2単位を導入した疎水性球状シリカ微粒子であってもよい。
【0014】
ここで、Rlは同一または異種の置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基などが挙げられ、特にメチル基が好ましい。
【0015】
このR1 3SiO1/2単位の導入は、公知のシリカ微粉末の表面改質方法に従って行えばよい。即ち、火炎中燃焼法で得られた非結晶球状シリカ微粒子を、例えば、一般式(II):
R1 3SiNHSiR1 3 (II)
(但し、R1は同一または異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基)
で示されるシラザン化合物に、水の存在下において、気相、液相あるいは固相で0〜400℃で接触させた後、50〜400℃で加熱し過剰のシラザン化合物を除去することにより行うことができる。
【0016】
一般式(II)で示されるシラザン化合物の具体例としては、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ジヘキシルテトラメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザンなどが挙げられ、特に改質後の疎水性とその除去の容易さからヘキサメチルジシラザンが好ましい。
【0017】
本発明に用いられる非結晶球状シリカ微粒子の比表面積はBET法により測定される比表面積を意味し、5〜50m2/gであり、好ましくは10〜30m2/gである。この比表面積が5m2/g未満では、感光体の変性、削れ、トナーへの付着性の低下等の問題が生じ、、50m2/gを超えると凝集が生じやすく、現像剤の流動性、耐ケーキング性、定着性が不十分となる。
【0018】
本発明に用いられる非結晶球状シリカ微粒子の粒子径は、現像剤の流動性、耐ケーキング性および定着性を良好にし、感光体への悪影響を低減する観点から、0.005〜1μmであり、好ましくは、0.05〜0.5μmである。粒径が0.005μmより小さいと凝集により現像剤の流動性、耐ケーキング性、定着性が得難く、1μmを越えると感光体の変性、削れ、トナーへの付着性の低下といった不利を生じ易い。即ち、本発明に用いられる表面処理シリカ微粒子は通常のシリカ微粒子に比較して大きいため粒子同士の凝集性が弱く、分散性、流動性がよい。
【0019】
上記の非結晶球状シリカ微粒子は、シリコーンオイルで表面処理される。ここで用いられるシリコーンオイルとしては、例えば、下記の一般式(III)で表される通常のシリコーンオイルおよび一般式(IV)で表されるアミノシリコーンをあげることができる。一般式(III)のシリコーンオイルはシリカ微粒子の負帯電性を強める作用を有し、一般式(IV)のアミノシリコーンオイルはシリカの負帯電性を弱める作用を有する。これらを用いることにより表面処理シリカ微粒子の帯電量を調節することができる。
一般式(III):
【0020】
【化1】
(但し、Rは炭素原子数1〜3のアルキル基、R'はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル基または置換フェニル基、R"は炭素原子数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基をそれぞれ示し、nおよびmは独立に0〜10000の整数を示すが、但し同時に0ではない。)
【0021】
一般式(III)において、Rで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、ハロゲン化アルキル基としては例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基が挙げられ、置換フェニル基としては例えばクロロフェニル基等が挙げられる。R"で表されるアルキル基としてはRについて例示したものが挙げられ、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙げられる。
【0022】
一般式(III)で示されるシリコーンオイルの具体的例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、エチル基、プロピル基等で置換されたアルキル変性シリコーンオイル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(IV):
【0023】
【化2】
(但し、Rは炭素原子数1〜3のアルキル基、R4はアルキレン基、フェニレン基、R5およびR6は水素原子、アルキル基、アリール基、アミノアルキル基を、R"は炭素原子数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基を、lは0〜10000の整数を、そしてpは1〜10000の整数を示す。)
【0024】
一般式(IV)において、Rは一般式(III)におけるRと同様のものが例示され、R4で示されるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基等が挙げられる。R5およびR6で示されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル等が挙げられ、アリール基としては例えばフェニル基等が挙げられ、アミノアルキル基としてはアミノエチル基、アミノプロピル基等が挙げられる。R"で示される炭素原子数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基としては、一般式(III)中のR"について例示したものを同様に挙げられる。
一般式(IV)のアミノシリコーンの代表的な具体例としては、KF-393、KF-859、KF860、KF861、KF864及びKF865の商品名(信越化学工業(株)製)で市販の製品などがあげられる。
【0025】
シリカ微粒子のこれらシリコーンオイルによる表面処理の方法は公知の技術が用いられ、例えばシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、べースのシリカヘシリコーンオイルを噴霧する方法によってもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、べースのシリカ微粒子とを混合した後、溶剤を除去して作製してもよい。
【0026】
これらシリコーンオイルの処理量は、べースのシリカ微粒子100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。処理量が少なすぎると所望の効果が得られず、処理量が多すぎると微粒子が凝集し流動性を損なう。
【0027】
この表面処理シリカ微粒子のトナーへの配合量は、通常、トナー100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。配合量が少なすぎると、トナーへの付着量が少なく十分なトナー流動性が得られず、多すぎるとトナーの帯電性に悪影響を及ぼすばかりでなく経済的にも不利である。
【0028】
表面処理シリカ微粒子のトナー粒子表面への付着状態は、単に機械的な付着であってもよいし、表面にゆるく固着されていてもよい。また、トナー粒子の全表面を被覆していても、一部を被覆していてもよい。また、表面処理シリカ微粒子は、一部凝集した状態でトナー粒子を被覆していてもよいが、単層粒子状態で被覆しているのが好ましい。
上記のトナー外添剤が添加されるトナー粒子としては、結着樹脂と着色剤を主成分として構成される公知のものが使用できる。また、必要に応じて帯電制御剤が添加されていてもよい。
【0029】
本発明のトナー外添剤が添加された静電荷像現像用トナーは、一成分現像剤として使用できるが、また、それをキャリアと混合して二成分現像剤として使用することもできる。二成分現像剤として使用する場合においては、上記トナー外添剤は予めトナー粒子に添加せず、トナーとキャリアの混合時に添加してトナーの表面被覆を行ってもよい。
キャリアとしては、鉄粉等、あるいはそれらの表面に樹脂コーティングされた公知のものが使用される。
【0030】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1
[非結晶球状シリカ微粒子の製造]
蒸留精製したテトラメトキシシランを加熱し、ここに窒素ガスをバブリングし、テトラメトキシシランを窒素ガスで気流伴流して酸水素火炎バーナーに導入し、この酸水素火炎中で燃焼分解させた。このときのテトラメトキシシランの添加量は1268g/hr、酸素ガス添加量は2.8Nm3/hr、水素ガス添加量は2.0Nm3/hr、窒素ガス添加量は0.59Nm3/hrであり、球状シリカ微粒子の粒子受容熱量は5.36kJ/gであった。生成した球状シリカ微粒子はバグフィルターで捕集した。この球状シリカ微粒子は、BET比表面積25.3m2/g、粒径分布0.05〜0.3μmであった。
【0031】
[疎水性シリカ微粒子の調製]
この球状シリカ微粒子1kgを5リットルのプラネタリーミキサーに仕込み、純水10gを攪拌下添加し、密閉後さらに60℃で10時間攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、ヘキサメチルジシラザン20gを攪拌下添加し、密閉後さらに24時間攪拌した。120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら残存原料および生成したアンモニアを除去し、疎水性球状シリカ微粒子を得た。
【0032】
[表面処理シリカ微粒子の調製]
疎水性球状シリカ微粒子100gをトルエン400gに分散させた後、ジメチルシリコーンオイル(式(III)における、R、R''がメチルで、mが80〜100の範囲にある整数であり、nが0である構造を有するジメチルシリコーンオイル)5gを添加し、混合した。トルエンを加熱留去し表面処理シリカ微粒子を105g得た。
【0033】
[外添剤混合トナーの作製]
Tg60℃、軟化点110℃のポリエステル樹脂96重量部と色剤としてカーミン6BC(住友カラー(株)製)4重量部を溶融混練、粉砕、分級後、平均粒径7μmのトナーを得た。このトナー40gに上記表面処理シリカ微粒子1gをサンプルミルにて混合し外添剤混合トナーとした。これを用いて以下の方法で凝集度を評価した。
【0034】
[凝集度]
凝集度は粉体の流動性を表す値で、ホソカワミクロン株式会社製のパウダーテスタと200、100、60メッシュのふるいを順次重ねた三段のふるいとを用いて測定した。測定手段としては、5gのトナーからなる粉体を三段ふるいの上段の60メッシュのふるいの上にのせ、パウダーテスタに2.5Vの電圧を印加して15秒間三段ふるいを振動させ、60メッシュのふるいに残留した粉体重量a(g)と、100メッシュのふるいに残留した粉体重量b(g)と、200メッシュのふるいに残留した粉体重量c(g)とから下式によって凝集度を算出する。
凝集度(%)=(a+b×0.6+c×0.2)×100/5
凝集度が小さいほど流動性が良好で、凝集度が大きいほど流動性が不良となる。結果を表1に示した。
【0035】
[現像剤の調製]
外添剤混合トナー5部と平均粒子径85μmのフェライトコアにパーフロロアルキルアクリレート樹脂とアクリル樹脂をポリブレンドしたポリマーでコートしたキャリア95部とを混合して現像剤を調製した。これを用いて以下の方法でトナー帯電量および感光体へのトナー付着を評価した。
[感光体へのトナー付着評価]
上記現像剤を有機感光体が備えられた二成分改造現像機に入れ、30000枚のプリントテストを実施した。このとき、感光体へのトナーの付着は、全ベタ画像での白抜けとして感知できる。白抜けの程度は、0個/cm2「なし」と、1〜9個/cm2を「少ない」と、10個以上/cm2を「多い」と評価した。結果を表1に示した。
【0036】
実施例2
実施例1におけるジメチルシリコーンをアミノシリコーンオイル(式(IV)における、Rがメチル基で、R"がメトキシ基で、R4がプロピル基で、R5が水素原子で、R6がアミノエチル基であり、lが2の整数で、pが38の整数である構造を有するアミノシリコーンオイル)に変えた以外は実施例1と同様にして表面処理シリカ微粒子を得た。これを用いて実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例3
実施例1におけるヘキサメチルジシラザンによる疎水化処理を省略した以外は実施例1と同様にして表面処理シリカ微粒子を得た。これを用いて実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
実施例4
実施例1におけるジメチルシリコーンオイルを実施例2で用いたものと同じアミノシリコーンオイルに変え、ヘキサメチルジシラザンによる疎水化処理を省略した以外は実施例1と同様にして表面処理シリカ微粒子を得た。これを用いて実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0037】
比較例1
実施例1におけるテトラメトキシシランの添加量を1210g/hrに、酸素ガス添加量を2.3Nm3/hrに、水素ガス添加量を2.0Nm3/hrに、窒素ガス添加量を4.8Nm3/hrに、球状シリカ微粒子の粒子受容熱量を0.34kJ/gに変えた以外は実施例1と同様にして球状シリカ微粒子を得た。この球状シリカ微粒子は、BET比表面積60.6m2/g、粒径分布0.001〜0.1μmであった。実施例1と同様にヘキサメチルジシラザン処理、次いでジメチルシリコーン処理を行い表面処理シリカ微粒子を得た。これを用いて実施例1と同様に評価した。結果を表2に示した。
比較例2
実施例1の表面処理シリカ微粒子の代わりに沈降法シリカ表面を有機ケイ素化合物で処理したニプシルSS50F(日本シリカ(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にし評価した。結果を表2に示した。
比較例3
実施例1の表面処理シリカ微粒子の代わりにフュームドシリカを疎水化処理したアエロジルR972(日本アエロジル(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にし評価した。結果を表2に示した。
比較例4
実施例1の表面処理シリカ微粒子を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。これを実施例1と同様にし評価した。結果を表2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像用トナー外添剤により、現像剤の流動性、耐ケーキング性、定着性、クリーニング性を高めるばかりでなく、感光体の変質や削れおよび感光体や加熱ロールヘのトナー付着が生じず、また、環境に影響されない帯電性を付与するといった効果が得られる。
Claims (4)
- アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解物を火炎中で燃焼分解してなり、比表面積が5〜50m2/gで粒径分布が0.005〜1μmである非結晶球状シリカ微粒子を、ジメチルシリコーンオイルまたはアミノシリコーンオイルで表面処理してなるシリカ微粒子からなることを特徴とする静電荷像現像用トナー外添剤。
- 前記のジメチルシリコーンオイルまたはアミノシリコーンオイルによる表面処理に付される非結晶球状シリカ微粒子が、予めその表面にR1 3SiO1/2単位(但し、R1は同一または異種の置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基)を導入した疎水性球状シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1記載のトナー外添剤。
- 請求項1または2に記載のトナー外添剤と、トナー粒子とを含む現像剤。
- さらに、キャリアを含む請求項3に記載の現像剤。
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