JPH0819263B2 - 負帯電性樹脂粉末の流動性向上剤 - Google Patents

負帯電性樹脂粉末の流動性向上剤

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JPH0819263B2
JPH0819263B2 JP63027270A JP2727088A JPH0819263B2 JP H0819263 B2 JPH0819263 B2 JP H0819263B2 JP 63027270 A JP63027270 A JP 63027270A JP 2727088 A JP2727088 A JP 2727088A JP H0819263 B2 JPH0819263 B2 JP H0819263B2
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powder
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秀樹 小林
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東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、負帯電性樹脂粉末の流動性向上剤に関し、
詳しくは、鉄粉や酸化鉄粉のような磁性粉末との摩擦に
さらされるときに、マイナスに帯電する性質を付与され
た疎水性シリカ系微粉末である流動性向上剤に関する。
〔従来の技術〕
シリカ系微粉末は、多くの工業分野で粉体の固化を防
止し、流動性を増大させるために、使用されてきた。
これらの使用例の中には、電子写真複写機用乾式トナ
ーのように静電荷を与えて使用する樹脂粉末があり、こ
の場合、添加剤の帯電性も問題となる。
すなわち、SeやCdsを感光媒体に用いる電子写真複写
機には負帯電性のトナーが要求され、その流動性向上の
ための添加剤も負帯電性のものが好ましい。
負帯電性のトナーの流動性向上のための添加剤として
は、ジメチルジクロルシランで処理された疎水性シリカ
微粉末が使用されてきた(特公昭54−16219,特公昭54−
16220)。この流動性向上剤は、ジメチルジクロロシラ
ンで疎水化処理されているために、長期間の貯蔵後も、
吸湿による流動性向上効果の低下が少ないという利点を
有していた。また、鉄粉や酸化鉄粉のような磁性粉と摩
擦にさらされたときに、マイナスに帯電する性質を有し
ていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、その帯電量は−520μC/g程度と大きいため
トナーの流動性向上のために好適な添加量(約0.25〜約
1重量%)を用いても、トナーの帯電量を大きく変動さ
せるという欠点があった。従って、この疎水性シリカ微
粉末を流動性向上剤として添加できるトナーの範囲は限
られていた。
そこで本発明者は、負帯電性トナーのような負帯電性
樹脂粉末のためのこのような欠点のない流動性向上剤を
開発すべく鋭意研究した結果、本発明に到達した。
本発明の目的は、負帯電性樹脂粉末に添加した際に、
その負帯電量に与える影響が無視しうる程に小さく、か
つ、負帯電性樹脂粉末の流動性を大巾に向上させ、かつ
長期間にわたって向上した流動性を保つことのできる流
動性向上剤を提供することにある。
〔課題の解決手段およびその作用〕
前記した本発明の目的は、 シリカ系微粉末を(イ)1分子中にケイ素原子に直結
した加水分解性基もしくはシラノール基を少なくとも1
個と炭素−ケイ素結合によりケイ素原子に直結した非置
換もしくは置換一価炭化水素基(但しアミノ基置換一価
炭化水素基を除く)を少なくとも1個有する有機ケイ素
化合物および(ロ)1分子中にケイ素原子に直結した加
水分解性基もしくはシラノール基を少なくとも1個と炭
素−ケイ素結合によりケイ素原子に結合したアミノ基置
換一価炭化水素基を少なくとも1個有する有機ケイ素化
合物により表面処理してなる疎水性かつ負帯電性のシリ
カ系微粉末を、負帯電性樹脂粉末の流動性向上剤とする
ことにより達成される。
本発明の流動性向上剤を製造するのに使用されるシリ
カ系微粉末としては、フュームドシリカ、シリカアエロ
ゲル、沈殿シリカ、四塩化ケイ素と他の金属ハロゲン化
物、例えば三塩化アルミニウム、四塩化チタン等とを併
用して製造した、シリカと他の金属酸化物との複合微粉
末が例示されるが、フュームドシリカがもっとも好まし
い。
シリカ系微粉末は、負帯電性樹脂粉末の流動性向上剤
としての性能上、40〜400m2/gのBET法比表面積を有する
ものが好ましい。
シリカ系微粉末は、完全に無水状態であるよりも、若
干の水分を含有している方が、処理効果を向上させるう
えから好ましく、そのためのシリカ系微粉末の好ましい
含水量は、0.3〜5重量%である。この水分により、後
述する有機ケイ素化合物の加水分解性基とシリカ表面の
シラノール基との間の縮合反応が促進されるためと考え
られる。
このようなシリカ系微粉末のうちフュームドシリカと
しては、例えば以下の商品名で市販されているものがあ
る。
日本アエロジル株式会社製のAerosil90、Aerosil13
0、Aerosil200、Aerosil300、Aerosil380、Aerosil OX5
0、Aerosil MOX80、Aerosil MOX170、米国のキャボット
社製のCab・O・Sil M−5、Cab・O・Sil MS−7、Cab
・O・Sil MS−75、Cab・O・Sil HS−5、Cab・O・Si
l EH−5、西独のワッカーケミー社製のHDK N20、HDK V
15、HDK T30、HDK T40などである。
シリカ系微粉末を処理するのに用いる2種の有機ケイ
素化合物のうち上述の有機ケイ素化合物(イ)の代表例
は、 一般式 (R)mSi(X)4-m (I) 〔式中、Rは非置換もしくは置換一価炭化水素基、(但
しアミノ基置換一価炭化水素基を除く)であり、Xは加
水分解性基もしくは水酸基であり、mは1,2または3で
ある〕で示されるオルガノシランである。
ここで非置換一価炭化水素基としては、メチル基、エ
チル基、ブチル基、デシル基などのアルキル基やフェニ
ル基、ベンジル基、ビニル基が例示され、置換一価炭化
水素基として、1−クロルメチル基、3−クロルプロピ
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−メタクリ
ロキシプロピル基が例示される。1分子中にRが2個ま
たは3個存在するときは、Rは同一の基であっても異種
の基であってもよい。Xのうち加水分解性基としては水
素原子;塩素原子や臭素原子のようなハロゲン原子;メ
トキシ基やエトキシ基のようなアルコキシ基;アセトキ
シ基、プロピオノキシ基のようなアシロキシ基;メチル
エチルケトキシム基のようなオキシモ基が例示される。
一般式(I)で示されるオルガノシランの具体例とし
てトリメチルクロルシラン、トリエチルクロルシラン、
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラ
ン、ジメチルフェニルクロルシラン、メチルビニルフェ
ニルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、
メチルビニルジメトキシシラン、メチル・ヘキシルジア
セトキシシラン、ジメチルヒドロジェンクロルシラン、
メチルトリクロルシラン、エチルトリクロルシラン、メ
チルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラ
ン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メチ
ルエチルケトキシム)シラン、トリメチルシラノール、
ジフェニルシランジオールがある。
有機ケイ素化合物(イ)の他の具体例としてヘキサメ
チルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、オ
クタメチルシクロテトラシラザンがある。
シリカ系微粉末を処理するのに用いる2種の有機ケイ
素化合物のうち上述の有機ケイ素化合物(ロ)の代表例
は、 (式中、Aはアミノ非置換一価炭化水素基であり、R1
炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基であ
り、Xは加水分解性でもしくは水酸基あり、nは0,1ま
たは2である)で示されるオルガノシランである。
ここで、アミノ基置換一価炭化水素基として1−アミ
ノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル
基、4−アミノブチル基のようなアミノ基置換アルキル
基;1−(N−メチルアミノ)メチル基、2−(N−プロ
ピルアミノ)エチル基、3−(N−エチルアミノ)プロ
ピル基、3−(N−ブチルアミノ)プロピル基のような
N−アルキルアミノ基置換アルキル基;1−(N,N−ジメ
チルアミノ)メチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)
エチル基、3−(N−メチル,N−エチルアミノ)プロピ
ル基、3−(N,N−ジブチルアミノ)プロピル基のよう
なN,N−ジアルキルアミノ基置換アルキル基;p−アミノ
フェニル基、p−アミノベンジル基が例示され、R1のア
ルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキ
シル基が例示され、Xのうち加水分解性基としては一般
式(I)中のXとして例示されたものと同様のものが例
示される。
一般式(II)で示されるオルガノシラン(ロ)の具体
例として H2NCH2Si(OCH3 H2NCH2CH2Si(OC2H5 H2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH3 およびこれらオルガノシランのアルコキシ基を他の加水
分解性基や水酸基に置換したものがある。
これらの中では、1級アミノ基または2級アミノ基よ
りも3級アミノ基結合一価炭化水素基を有する有機ケイ
素化合物の方が、シリカ系微粉末をより疎水性とするの
で好ましい。
かかる有機ケイ素化合物(イ)及び有機ケイ素化合物
(ロ)は、ケイ素原子結合加水分解性またはシラノール
基がシリカ系微粉末の表面シラノール基と縮合反応し
て、ケイ素−酸素−ケイ素結合により、シリカ系微粉末
表面のケイ素原子と化学的に結合する。
シリカ系微粉末の十分な疎水化に必要な有機ケイ素化
合物(イ)の量は、シリカ系微粉末の比表面積、シリカ
系微粉末表面のシラノール基密度、有機ケイ素化合物
(イ)中の加水分解性またはシラノール基の含有量など
によって適宜変るため特に限定されないが、通常、シリ
カ系微粉末100重量部に対し、1〜50重量部、好ましく
は、5〜30重量部の範囲である。
有機ケイ素化合物(イ)単独で処理した疎水性シリカ
系微粉末は、鉄粉や酸化鉄粉のような磁性粉末との摩擦
にさらされるときに、マイナス数百μC/gという大きな
負帯電量を示す。
この負帯電量は、有機ケイ素化合物(ロ)による併用
処理によって大幅に減少する。
この負帯電量を減少させるのに必要な有機ケイ素化合
物(ロ)の量も、シリカ系微粉末の比表面積やシラノー
ル基密度、有機ケイ素化合物(イ)の種類などによって
適宜変るため、特に限定されないが、通常、シリカ系微
粉末100重量部に対し、0.1〜4.5重量部の範囲である。
シリカ系微粉末を処理するときの有機ケイ素化合物
(イ)と有機ケイ素化合物(ロ)の比率は(4〜100):
1が好ましい。この範囲をずれると正帯電性になった
り、負帯電性が大きすぎる傾向がでてくることがあるか
らである。
かかる有機ケイ素化合物(イ)と有機ケイ素化合物
(ロ)によりシリカ系微粉末を処理するには、例えばシ
リカ系微粉末に有機ケイ素化合物(イ)と有機ケイ素化
合物(ロ)を加え、均一になるまで混合してから加熱す
る。あるいは、シリカ系微粉末を加熱下で混合しながら
有機ケイ素化合物(イ)と有機ケイ素化合物(ロ)を加
えてもよい。また、有機ケイ素化合物(イ)と有機ケイ
素化合物(ロ)、どちらか一方を前もってシリカ系微粉
末に添加し、混合しながら加熱し、ついで他方を添加
し、混合しながら加熱してもよい。
特に有機ケイ素化合物(イ)の加水分解性基がハロゲ
ン原子やアシロキシ基のような酸性基である場合は、シ
リカ系微粉末表面のシラノール基との縮合反応により副
生する酸を十分に除去しておいてから有機ケイ素化合物
(ロ)により処理することが望ましい。一方、有機ケイ
素化合物(イ)と有機ケイ素化合物(ロ)の加水分解性
基が、共にアルコキシ基のように同一の基である場合に
は、あらかじめ両有機ケイ素化合物を混合してからシリ
カ系微粉末に添加して熱処理してもよい。
上記加熱時の好ましい温度範囲は、100℃以上であ
る。100℃未満では、シリカ系微粉末と有機ケイ素化合
物との縮合反応が完結しにくくなるからである。
有機ケイ素化合物(イ)および有機ケイ素化合物
(ロ)により表面処理されてなるシリカ系微粉末は、そ
の表面ケイ素原子に酸素原子−ケイ素原子を介して非置
換もしくは置換一価炭化水素基(但しアミノ基置換一価
炭化水素基を除く)およびアミノ基置換一価炭化水素基
が結合している。有機ケイ素化合物(イ)または有機ケ
イ素化合物(ロ)が分子中に2個または3個のケイ素原
子結合加水分解性基もしくは水酸基を有するときは、そ
れぞれのケイ素原子同士が酸素原子を介して結合してい
ることや有機ケイ素化合物(イ)同士,有機ケイ素化合
物(ロ)同士あるいは有機ケイ素化合物(イ)と有機ケ
イ素化合物(ロ)とが縮合してオルガノポリシロキサン
を形成してシリカ系微粉末表面を被覆していることがあ
りうる。
有機ケイ素化合物(イ)に由来する非置換一価炭化水
素基や前述したような置換一価炭化水素基は負帯電性の
付与および疎水性の付与に寄与する。
有機ケイ素化合物(ロ)に由来するアミノ基置換一価
炭化水素基は正帯電性の付与に寄与するが、有機ケイ素
化合物(イ)に由来する一価炭化水素基のために、負帯
電性の緩和に寄与するにとどまる。該アミノ基置換一価
炭化水素中のアミノ基が1級アミノ基であり、かつ、ア
ミノ基含有量が多いときは親水性の付与に寄与するが、
有機ケイ素化合物(イ)に由来する一価炭化水素基の疎
水性付与効果のために全体として疎水性となる。
該アミノ基置換一価炭化水素基中のアミノ基が2級ア
ミノ基や3級アミノ基であるとき、および1級アミノ基
であってもアミノ基含有量が小さいときは疎水性の付与
に著しく寄与する。
したがって、有機ケイ素化合物(イ)および有機ケイ
素化合物(ロ)により表面処理されてなるシリカ系微粉
末は、全体として負帯電性であり、0より小さく、−10
0μC/g以上というようにその程度が緩和されており、か
つ、全体として疎水性が大きい。そのため、鉄粉や酸化
鉄粉のような磁性粉末と摩擦されるときに負に帯電する
が、その帯電量は小さく保たれるので、流動性向上剤と
して負帯電性樹脂粉末に添加した場合に該樹脂粉末の負
帯電性に与える影響が小さい。
有機ケイ素化合物(イ)および有機ケイ素化合物
(ロ)により表面処理されてなるシリカ系微粉末は、疎
水性であるので負帯電性樹脂粉末に添加すると、該樹脂
粉末の流動性を著しく向上させ、向上した流動性は長期
間経過後も維持される。なお、負帯電性樹脂粉末とし
て、負帯電性トナー、アニオン交換樹脂粉末が例示され
る。
負帯電性トナーとして、ポリスチレンやスチレン−n
−ブチルメタクリレート共重合体のような熱可塑性樹脂
にカーボンブラックのような顔料や染料や電荷調節剤を
分散させたものを粒径1〜40μm程度に微粉砕したトナ
ー、およびさらにマグネタイトのような磁性体粒子を含
有せしめた一成分系トナーが例示される。負帯電性トナ
ーは、通常、0より小さく−40μC/gより大きい負帯電
量を有する。本発明の流動性向上剤の負帯電性樹脂粉末
への適切な添加量は0.1〜5重量%である。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例および比較例を示す。実施例
および比較例中、部とあるのは重量部を意味する。
(1)粉体および粉体に流動性向上剤を添加混合したも
のの流動性は、安息角の測定によって求めた。
(2)疎水化度は、次のようにして求めた。
処理したシリカ系微粉末0.2gを100mlビーカーに採取
し、純水50mlを加えた(該シリカ系微粉末が十分に疎水
性であれば液面上に浮いている。)ビーカー内をマグネ
ティックスターラーで攪拌しながら、液面下へメタノー
ルを加え、液面上に該シリカ系微粉末が認められなくな
った点を終点とし、それまでに要したメタノール量から
疎水化度を次式により算出した。
(3)帯電量は、酸化鉄粉との接触帯電量であり、東芝
ケミカル(株)製ブローオフ粉体帯電量測定装置を用い
て測定した。
(4)炭素含有量と窒素含有量は微料有機分析法により
求めた。
実施例1 ジメチルジクロロシランで疎水化処理した市販の疎水
性フュームドシリカ100gを5セパラブルフラスコにと
った。該フュームドシリカは、約1重量%の炭素含有量
を有しており、比表面積は約130m2/gであり、従って、
シリカ表面上のケイ素原子と結合したジメチルシロキシ
基数はシリカ表面100Å当たり1.9個である。該疎水性
フュームドシリカは、未処理時には表面100Å当たり
約3個のシラノール基を持っていた。従って、該疎水性
フュームドシリカはシラノール基の約64モル%の水素原
子がジメチルシリル基と置換しており、残り約36モル%
がシラノール基として残存していた。ジメチルシリル基
はその一つの手でシリカ表面のケイ素原子と酸素を介し
て結合し、他の一つの手で他のジメチルシリル基と酸素
を介して結合していると考えられる。
この疎水性フュームドシリカ100gを混合しながら、下
記シラン2.0g を滴下して1時間混合した。ついで、攪拌しながら150
℃に昇温し、反応副生物であるメタノールか発生しなく
なるまで窒素ガスを流した。得られた疎水性フュームド
シリカの窒素含有量は、0.1重量%であった。したがっ
て該アミノプロピル基結合ケイ素原子はシリカ微粉末表
面100Å当り、約0.3ケが酸素原子を介してシリカ微粉
末表面のケイ素原子に結合していることになる。
得られた処理済疎水性フュームドシリカの特性は、疎
水化度40%、帯電量−20μC/gであった。
スチレン−ブチルメタクリレート−ジビニルベンゼン
共重合体97重量%、カーボンブラック3.0重量%から成
る平均粒径20μmの負帯電性トナー100部に、上記処理
済疎水性フュームドシリカ1.0部を添加し、タービュラ
ーミキサーを用いて混合したところ、該トナーの帯電量
は、−20μC/gのまま変化せず、安息角は50゜から39゜
に低下して流動性の向上がみられた。このトナーの混合
粉末を、温度25℃、湿度70%RHの雰囲気で1ケ月放置後
も、帯電量、安息角ともに変化がなかった。
比較例1 実施例1における市販の疎水性フュームドシリカ自体
の特性は、疎水化度40%、帯電量−530μC/gであった。
この疎水性フュームドシリカ1.0部を実施例1で使用
したトナー100部に添加し、タービュラーミキサーを用
いて混合したところ、安息角は50゜から40゜に低下して
流動性の向上がみられたが、帯電量が−20μC/gから−2
5μC/gに変化した。したがってこのものをそのままでト
ナーとして用いることは困難となった。
実施例2 比表面積が200m2/gであり、3重量%の水含有率を有
するフュームドシリカ100gを5セパラブルフラスコに
とり、ジメチルジメトキシシラン23gと下記シラン 2.0gとの混合物を滴下して、1時間混合した。ついでこ
れを攪拌しながら150℃に昇温して反応副生物であるメ
タノールとエタノールが発生しなくなるまで窒素ガスを
流して、疎水性フュームドシリカを得た。
得られた疎水性フュームドシリカの特性は、疎水化度
50%、帯電量−30μC/gであり、炭素含有量は2.1重量%
であり、窒素含有量は0.1重量%であった。
実施例1で使用したトナー100部にこの疎水性フュー
ムドシリカ0.7部を添加し、タービュラーミキサーを用
いて混合したところ、同様に流動性の向上がみられ、安
息角は50゜から38゜に低下した。また、トナーの帯電量
は−20μC/gのまま変化しなかった。
トナーの安息角と帯電量は、温度25℃、湿度70%RHの
雰囲気で1ケ月放置後も変化しなかった。
比較例2 実施例2で使用した式(III)で示されるシランの替
りに、ジメチルジメトキシシラン2.0gを添加した以外は
実施例2と同様の条件によりフュームドシリカのシラン
処理を実施したところ、得られた疎水性フュームドシリ
カの特性は、炭素含有量2.1重量%、窒素含有量0重量
%、疎水化度50%、帯電量−400μC/gであった。
この疎水性フュームドシリカ0.7部を実施例2と同様
にしてトナー100部に混合したところ、同様に流動性の
向上がみられ、安息角は50゜から38゜に低下したが、ト
ナーの帯電量は−20μC/gから−23μC/gへと変化した。
したがって、このものをそのままでトナーとして用いる
ことは困難となった。
実施例3 比表面積130m2/gであり、2重量%の水含有率を有す
るフュームドシリカ100gを5セバラブルフラスコにと
り、ブチルトリメトキシシラン10g、3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン1.0gを加えて、1時間混合し、つ
いでこのものを150℃に昇温して反応副生物が発生しな
くなるまで攪拌しながら窒素ガスを流すことにより、疎
水性フュームドシリカを得た。
得られた疎水性フュームドシリカの特性は、炭素含有
量2.0重量%、窒素含有量0.08重量%であり、疎水化度5
0%、帯電量は−35μC/gであった。
窒素含有量から、3−アミノプロピルシリル基は、シ
リカ微粉末表面100Å当り約0.2個の密度で、酸素原子
を介してシリカ微粉末上のケイ素原子と化学的に結合し
ており、炭素含有量から、ブチルシリル基は、100Å
当り、約1.7個の密度で同様に化学結合して存在してい
ることになる。
実施例1で使用したトナー100部にこの疎水性フュー
ムドシリカ0.6部を添加し、タービュラーミキサーを用
いて混合したところ、同様に流動性の向上がみられ、安
息角は50゜から39゜に低下し、一方、トナーの帯電量は
−20μC/gのまま変化しなかった。
〔発明の効果〕
この発明の流動性向上剤は、シリカ系微粉末を有機ケ
イ素化合物(イ)と有機ケイ素化合物(ロ)により表面
処理してなる、疎水性かつ負帯電性のシリカ系微粉末で
あるので、負帯電性樹脂粉末に添加した際に、その負帯
電性に与える影響が無視し得るほど小さく、かつ、負帯
電性樹脂粉末の流動性を大巾に向上させ、かつ、長期間
にわたって向上した流動性を保持することができるとい
う顕著な作用効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/03 PNB G03G 9/08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカ系微粉末を(イ)1分子中にケイ素
    原子に直結した加水分解性基もしくはシラノール基を少
    なくとも1個と炭素−ケイ素結合によりケイ素原子に直
    結した非置換もしくは置換一価炭化水素基(但しアミ基
    置換一価炭化水素基を除く)を少なくとも1個有する有
    機ケイ素化合物および(ロ)1分子中にケイ素原子に直
    結した加水分解性基もしくはシラノール基を少なくとも
    1個と炭素−ケイ素結合によりケイ素原子に結合したア
    ミノ基置換一価炭化水素基を少なくとも1個有する有機
    ケイ素化合物により表面処理してなる疎水性かつ負帯電
    性のシリカ系微粉末であることを特徴とする、負帯電性
    樹脂粉末の流動性向上剤。
  2. 【請求項2】シリカ系微粉末がフュームドシリカである
    特許請求の範囲第1項記載の流動性向上剤。
  3. 【請求項3】有機ケイ素化合物(イ)が一般式 (R)mSi(X)4-m (I) 〔式中、Rは非置換もしくは置換一価炭化水素基(但し
    アミノ基置換一価炭化水素基を除く)であり、Xは加水
    分解性基もしくは水酸基であり、mは1,2または3であ
    る〕で示されるオルガノシランであり、有機ケイ素化合
    物(ロ)が一般式 (式中、R1は一価炭化水素基であり、R2はアミノ基置換
    一価炭化水素基であり、Yは加水分解性基もしくは水酸
    基であり、nは0,1または2である)で示されるオルガ
    ノシランである、特許請求の範囲第1項記載の流動性向
    上剤。
  4. 【請求項4】一般式(I)中のRがアルキル基であり、
    Xが塩素原子またはアルコキシ基であり、一般式(II)
    中のR1がアルキル基であり、R2がアミノ基置換アルキル
    基であり、Yがアルコキシ基である、特許請求の範囲第
    3項記載の流動性向上剤。
  5. 【請求項5】アミノ基置換アルキル基がN,N−ジアルキ
    ルアミノアルキル基である特許請求の範囲第4項記載の
    流動性向上剤。
  6. 【請求項6】酸化鉄粉との接触帯電量が−100〜0(0
    を含まない)μC/gであり、負帯電性樹脂粉末が負帯電
    性トナーである、特許請求の範囲第1項記載の流動性向
    上剤。
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