JP2023019768A - 沈降珪酸を用いた表面改質シリカ粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】沈降珪酸を用いることにより、沈降珪酸本来の特性を活かしつつ、特にトナー用等に適した粉体を提供する。【解決手段】a)体積基準による粒度分布において、d50:150~1000nm及びd90:500~7000nmであり、b)シラノール基密度が2.5~8 OH/nm2である沈降珪酸粒子の表面にアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む被覆層が形成された粒子からなる粉末であって、(1)嵩密度:40~150g/L、(2)水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量:3~6%(3)BET比表面積:50~200m2/g、(4)炭素含有量:1.0~8重量%、(5)乾燥減量:0.1~3.0%及び(6)摩擦帯電量:+10~+450μC/gであることを特徴とする表面改質沈降珪酸粉末に係る【選択図】なし

Description

本発明は、沈降珪酸を用いた新規な表面改質シリカ粉末及びその製造方法に関する。
微細なシリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粉末の表面を有機物によって処理することにより、当該粉末表面の帯電性、疎水性等を改質することができる。このようにして得られた表面改質無機酸化物粉末は、例えば複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ等を含む電子写真に用いられるトナーの流動性改善剤、帯電性調整剤等として広く用いられている。このようなトナー用途に用いられる表面改質無機酸化物粉末はいわゆる外添剤として知られている。
トナー用途に用いられる無機酸化物粉末の表面処理剤としては、例えばジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等の有機ケイ素化合物がある。これらの有機ケイ素化合物による表面処理により、例えばシリカ微粒子表面のシラノール基を有機基で置換して疎水化処理を施すことができる。これらの表面処理無機酸化物粉末として、フュームド酸化物がトナー材料に高い流動性を付与する材料として広く使用されている。
トナーは、複写機等の装置内において攪拌され、キャリア等との摩擦によって電荷を帯びる(すなわち、帯電する。)。そして、その高度に制御された帯電性によって現像機能を発現することができる。ところが、トナーが装置内で長時間攪拌され続けると、その強い摩擦力がストレスになり、トナーの劣化が進行する。例えば、外添剤がトナー表面に埋没してしまうと、トナー表面と外部環境との接点としての機能を失う。しかも、トナーへの機械的負担は近年増大し、かつ、トナーを構成する結着性樹脂(トナー母体樹脂)の軟質化設計により、トナー母体の硬度が低くなっている結果、外添剤がより埋没しやすくなる。このため、上記のような外添剤の埋没への対策の重要性は益々高まっている。
特に、近年では、電子写真の高画質化によりトナー粒子の小粒子径化が進み、それに加えて高速化・カラー化により、トナーへの機械的負荷はより大きくなっている。そのため、トナー性能の経時耐久性(劣化挙動の制御)が重要度を増しているが、その一方で印刷待機時間の短縮、省エネルギー化等を目的として、トナーに使用される結着性樹脂には低温定着性が求められている。このような事情から、トナー母体樹脂として軟質化・低融点化された成分を採用することが主流となりつつある。
このようなトナー樹脂の低融点化等に伴い、表面処理されたフュームド酸化物が長期運転中にトナー樹脂中に埋め込まれ、その流動性が低下するという現象が発生しているため、トナーの耐久性を高める目的としてサブミクロンサイズのシリカ粉末がフュームド酸化物とともにトナー表面に添加され、そのサブミクロンサイズのシリカ粉末がスペーサー効果を発現することによりフュームド酸化物のトナー内部への埋め込みを防ぐという対策がとられている。そして、このサブミクロンサイズのシリカとして、主にゾルゲル法で製造されたシリカ粉末が用いられている(特許文献1など参照)。
しかし、ゾルゲル法で製造されたシリカ粉末は、その帯電特性が弱いという問題がある。これは、ゾルゲル法で製造されたシリカ粉末を構成する粒子の吸着水分量が高いことが一つの原因として考えられている。
しかも、ゾルゲル法で製造されたシリカ粉末は、その粒子形状が球形に近いため、長期使用によりトナー表面から遊離しやすいという問題もある。
さらに、ゾルゲル法で製造されたシリカ粉末は、それ自体が多くの水分を保有又は吸着しやすいため、強い摩擦帯電特性を得ることができない。このため、トナーのように電荷を調整する材料には、その低い帯電性を改善しなければならない。
一方、乾式法又は気相法(以下、両者をまとめて「フュームド法」)ともいう。)で製造されたシリカ粉末は、ゾルゲル法で製造されたシリカよりも球形から外れた粒子形状であるため、上記ゾルゲルシリカの問題点であるトナー表面からの遊離の抑制効果が期待できる。ところが、一般的には、フュームド法によるシリカ粉末等は、一次粒子径が小さく、トナー表面上ではサブミクロンサイズ以下の粒子として分散してしまうため、スペーサー効果を十分に発揮できないうえ、一般に帯電特性が高すぎて適度な範囲でトナーの帯電性を制御するには精密にその添加量と分散性を制御しなければいけない。
上記のようなシリカに対し、湿式法で製造される沈降珪酸が知られている(例えば特許文献2)。沈降珪酸は、大量生産に適しているうえ、粒子構造中に多数の細孔を有するため、吸着材として多方面に利用されている。しかし、沈降珪酸は、粒子間の凝集が強く、トナー表面への均一な付与(外添)が難しいうえ、十分な電荷を発現できない等の問題がある。沈降珪酸をトナー用(特にトナー外添剤用)にも利用可能となれば、その細孔特性を利用することにより新たな機能を付与できる可能性もあるものの、沈降珪酸を用いたトナー用材料等は未だ開発されるに至っていない。
特開2013-249215号公報 特許第5295261号
従って、本発明の主な目的は、沈降珪酸を用いることにより、沈降珪酸本来の特性を活かしつつ、トナー用等に適した粉体を提供することにある。特に、本発明は、良好な分散性及び適度な帯電特性とともに、高いスペーサー効果を併せ有する表面改質沈降珪酸粉末を提供することにある。
本発明者は、上記のような従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、沈降珪酸粉末に特定の表面処理を施した場合に特異な物性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の表面改質沈降珪酸粉末及びその製造方法に係る。
1. a)体積基準による粒度分布において、d50:150~1000nm及びd90:500~7000nmであり、b)シラノール基密度が2.5~8 OH/nmである沈降珪酸粒子の表面にアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む被覆層が形成された粒子からなる粉末であって、
(1)嵩密度:40~150g/L、
(2)水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量:3~6%
(3)BET比表面積:50~200m/g、
(4)炭素含有量:1.0~8.0重量%、
(5)乾燥減量:0.1~3.0%及び
(6)摩擦帯電量:+10~+450μC/g
であることを特徴とする表面改質沈降珪酸粉末。
2. トナーに添加した時の乾式流動性評価法による流動性のエネルギー値と添加前のエネルギー値で除した値が0.35以下である、前記項1に記載の表面処理沈降珪酸粉末。
3. アミノ基を有する有機ケイ素化合物がアミノシラン及びアミノ基変性シリコーンオイルの少なくとも1種である、前記項1に記載の表面改質沈降珪酸粉末。
4. 前記項1~3のいずれかに記載の表面改質沈降珪酸粉末を含むトナー用又は粉体塗料用の外添剤。
5. 前記項4に記載の外添剤と結着性樹脂粒子とを含む電子写真用トナー組成物又は粉体塗料組成物。
6. 表面改質沈降珪酸粉末を製造する方法であって、
(a)沈降珪酸粉末、アミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む混合物を調製する工程、
(b)前記混合物を120~360℃の温度で熱処理する工程
を含むことを特徴とする、表面改質沈降珪酸粉末の製造方法。
7. 上記(a)及び(b)の工程を攪拌下にて実施する、前記項6に記載の製造方法。
本発明によれば、沈降珪酸を用いることにより、沈降珪酸本来の特性を活かしつつ、トナー用等に適した粉体を提供することができる。特に、本発明は、良好な分散性及び適度な帯電特性とともに、高いスペーサー効果を併せ有する表面改質沈降珪酸粉末を提供することができる。
本発明の表面改質沈降珪酸粉末は、メジアン径等が特定範囲内に制御された沈降珪酸粉末を有機ケイ素化合物により表面修飾することにより、嵩密度、水分吸着量等が特異的な性質となる結果、低嵩密度でありながら、良好な分散性とともに適度な帯電特性を有する流動性が良好なサブミクロンサイズの凝集粉末を提供することができる。
より具体的には、本発明の表面改質沈降珪酸粉末は、沈降珪酸粉末を所定の有機ケイ素化合物で表面改質することにより、嵩密度、疎水率、水分吸着量、表面積、炭素含有量等の各特性を一定の範囲内に制御される結果、ゾルゲル法による粒子に比して高い帯電特性を示すとともに、トナー(結着性樹脂粒子)表面への均一な付与が可能となるほか、従来のフュームド法で製造された酸化ケイ素粉末では得られないスペーサー効果を発現するのに十分な粒子サイズを確保することが可能となる。
以上のように、本発明は、沈降珪酸に着目し、その新たな用途開発の一環として、特定の沈降珪酸粉末を選択的に用い、その表面を改質することによって、沈降珪酸本来の特性(大量生産性、細孔特性等)を活かしつつ、良好な分散性に加え、ゾルゲルシリカでは困難とされていた高い帯電特性と低い嵩密度、かつ、フュームドシリカで困難とされていた高いスペーサー効果を得ることに成功したものである。
このような特徴をもつ本発明粉末は、特にトナー用又は粉体塗料用の外添剤として好適に用いることができる。従って、本発明の電子写真用トナー組成物又は粉体塗料組成物は、このような高固定率、高疎水性等を備えた表面改質沈降珪酸粉末を含むので、分散性、流動性、帯電防止性等にも優れ、かぶり又はクリーニング不良が抑制され、さらには感光体へのトナー等の付着が発生しにくく、画像欠陥を生じにくいという効果を得ることもできる。また、これらの本発明組成物によれば、長期保存安定性、現像剤劣化挙動の制御等の効果も得ることができる。
試験例2において、SEMにてトナー粒子を観察する方法の概略図である。
1.表面改質沈降珪酸粉末
本発明の表面改質沈降珪酸粉末(本発明粉末)は、a)体積基準による粒度分布において、d50:150~1000nm及びd90:500~7000nmであり、b)シラノール基密度が2.5~8 OH/nmである沈降珪酸粒子の表面にアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む被覆層が形成された粒子からなる粉末であって、
(1)嵩密度:40~150g/L、
(2)水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量:3~6%
(3)BET比表面積:50~200m/g、
(4)炭素含有量:1.0~8重量%、
(5)乾燥減量:0.1~3.0%及び
(6)摩擦帯電量:+10~+450μC/g
であることを特徴とする。
<本発明粉末の構成(組成)>
本発明粉末を構成する粒子は、沈降珪酸粒子と、その粒子表面に形成された被覆層とを含む。すなわち、沈降珪酸粒子をコア粒子(原体)とし、その表面にアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む被覆層が形成された構造を基本構成とするものである。
コア粒子となる沈降珪酸粒子は、特定の粒径(粒度分布)及びシラノール基密度を有するものを用いる。
粒度分布に関しては、体積基準による粒度分布において、d50(メジアン径):150~1000nm及びd90:500~7000nmであることを特徴とする。
上記d50が150nm未満の場合は、有機ケイ素化合物で表面処理後の粉末の凝集粒子径が細か過ぎてそれをトナーに分散した際に十分なスペーサー効果を発現することができない。一方、上記d50が1000nmを超える場合には、凝集粒子径が大きすぎてトナー表面への均一な分散が難しくなる。
また、上記d90が500nm未満の場合には、その帯電性及びスペーサー効果の発現が不十分となる。一方、上記d90が7000nmを超える場合には、粗大粒子が多くなり、トナー表面への均一な分散が難しくなる。
なお、本発明におけるd50及びd90は、粒度分布測定装置(レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製))において算出された値(体積基準)をいう。
シラノール基密度に関しては、通常は2.5~8 OH/nmであり、特に3.1~5.0 OH/nmであることが好ましい。シラノール基密度が小さすぎると、有機ケイ素化合物で表面処理後の粉末の帯電量が高すぎて一定範囲内にコントロールことが難しい。一方、シラノール基密度が大きすぎると、水分吸着量が増加し、帯電量が低くなりすぎる問題がある。
また、沈降珪酸粒子のBET比表面積は、特に限定されないが、100~350m/gの範囲を用いることが好ましい。これにより、表面細孔の分布が適正な範囲となることにより水分吸着量を適正な範囲にコントロールすることが可能となる。その結果として、アミノ基を有する有機ケイ素化合物を修飾した後に適正な帯電性を発現できる。
沈降珪酸粒子自体は、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、、特許文献2に記載された沈降珪酸の粉末を好適に用いることができる。従って、本発明では、特許文献2に記載の製造方法に従って得られる沈降珪酸も使用することもできる。
より具体的には「次の特性:10~30ml/(5g)のシェアーズ-数、100~350m/gのBET-表面積、2~8質量%の乾燥減量、2~9質量%の強熱減量、4~9のpH-値及び230~400g/100gのDBP-値を有している沈降珪酸を粉砕し、同時に分級し、この際に粉砕された珪酸を得る方法によって沈降珪酸を製造する方法であって、粉砕及び同時の分級を1粉砕装置の使用下に実施する沈降珪酸の製造方法において、粉砕装置のミルを、1粉砕相で、ガス、蒸気、水蒸気、水蒸気を含有するガス及びこれらの混合物からなる群からの作動媒体を用いて作動させ;かつ粉砕室を、加熱段階で、即ち作動媒体を用いる特有の作動の前に、この粉砕室中の及び/又はミル出口の温度がこの作動媒体の露点よりも高い温度になるように加熱し; かつこの粉砕された珪酸を、150~2000nmのd50-値及び500~7000nmのd90-値まで分級することを特徴とする、沈降珪酸を製造する方法。」によって好適に沈降珪酸を調製することができる。
被覆層は、本発明粉末を構成する粒子の表面をコートするものであるが、これにより本発明粉末を構成する粒子に所定の疎水性、帯電性等が付与される。そして、被覆層には、アミノ基を有する有機ケイ素化合物が含まれる。被覆層中において、アミノ基を有する有機ケイ素化合物の含有量は、特に限定されないが、通常は5~100重量%程度で適宜設定することができる。従って、例えば20~60重量%とすることもできる。
アミノ基を有する有機ケイ素化合物は、沈降珪酸粒子を正帯電性に改質できるものであれば特に限定されず、正帯電性付与剤として知られているものも使用できる。本発明では、特に、アミノシラン及びアミノ基変性シリコーンオイルの少なくとも1種を好適に用いることができる。これらの化合物におけるアミノ基は、1級~3級のいずれであっても良い。
アミノシランとしては、例えば3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシランを好適に用いることができる。これらは、公知又は市販のものを用いることもできる。
アミノ基変性シリコーンオイルとしては、例えばシリコーン鎖の側鎖及び/又は末端にアミノ基又はそれを含む有機基(アミノアルキル基等)が導入されたシリコーンオイルを好適に用いることができる。これらは、公知又は市販のものを用いることもできる。
また、アミノ基変性シリコーンオイルの粘度範囲(測定温度25℃)は、特に限定されないが、通常は20~300csであることが好ましい。粘度が20cs未満の場合は、表面処理時に低分子量ポリシロキサン等の揮発が発生し、エネルギー効率及び環境面等の観点から好ましくない。一方、粘度が300csを超える場合、より高い凝集が発生し、得られた粉末の分散性が損なわれるおそれがある。
アミノ基を有する有機ケイ素化合物の本発明粉末における含有量は、上記炭素含有量の範囲内となる限りは特に限定されないが、通常は沈降珪酸粉末100重量部に対して0.5~30重量部程度とし、特に1~20重量部とすることが望ましい。
被覆層中に、本発明の効果を妨げない範囲内において、アミノ基を有する有機ケイ素化合物のほかの成分が含まれていても良い。例えば、アミノ基を有しない有機ケイ素化合物が挙げられる。アミノ基を有しない有機ケイ素化合物としては、特に限定されず、例えば疎水化処理剤として知られている公知又は市販のものも用いることができる。
より具体的には、ヘキサメチルジシラザン等のアルキルシラザン系化合物、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン系化合物、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等のクロロシラン系化合物のほか、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコーンオイル、シリコーンワニス等を用いることができる。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
これらの中でも、本発明の効果をより確実に得られるという点で、アルキルシラザン系化合物、アルコキシシラン系化合物及びシリコーンオイルの少なくとも1種を用いることが好ましい。
特に、アルコキシシランは、アルキル基置換されたアルコキシシランであれば、特に限定されないが、一般的にはトリメトキシアルコキシシラン、トリエトキシアルコキシシラン等が用いられる。アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくはC2~C18とする。C2未満では、表面処理中にアルコキシシランの揮発が発生するおそれがある。また、C16を超える場合は、その高い粘度の影響により強い凝集が発生し、得られた粉末の分散性が損なわれるおそれがある。
また特に、シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサンのほか、例えばアルキル基、-OH基等を導入した変性シリコーンオイルを用いることもできる。
これら有機ケイ素化合物の粘度範囲(測定温度25℃)は、特に限定されないが、通常は20~300csであることが好ましい。粘度が20cs未満の場合は、表面処理時に低分子量ポリシロキサン等の揮発が発生し、エネルギー効率及び環境面等の観点から好ましくない。一方、粘度が300csを超える場合、より高い凝集が発生し、得られた粉末の分散性が損なわれるおそれがある。
本発明粉末におけるアミノ基を有しない有機ケイ素化合物の含有量は、特に上記炭素含有量の範囲内となる限りは特に限定されないが、一般的には無機酸化物粉末100重量部に対して5~20重量部程度とし、特に10~15重量部とすることが望ましい。
なお、以下において、特にことわりがない限り、単に「有機ケイ素化合物」というときは、(a)「アミノ基を有する有機ケイ素化合物単独」の意味、ならびに(b)「アミノ基を有する有機ケイ素化合物とアミノ基を有しない有機ケイ素化合物の両者」の意味の2つの意味を指すものとする。
<本発明粉末の特性>
本発明の粉末は、下記の特性:
(1)嵩密度:40~150g/L、
(2)水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量:3~6%
(3)BET比表面積:50~200m/g、
(4)炭素含有量:1.0~8.0重量%、
(5)乾燥減量:0.1~3.0%及び
(6)摩擦帯電量:+10~+450μC/g
をすべて満たす。
嵩密度
有機ケイ素化合物で表面修飾された沈降珪酸の嵩密度は、40~150g/Lである。嵩密度が40g/L未満の場合は、その粉末をトナー表面に分散した時、適正な凝集粒子径で分散することができず、十分なスペーサー効果を発現することができない。また、嵩密度が150g/Lを超えると、トナーとの混合時の際に大量の装置体積を必要とし、工業的利用に問題がある。
水分吸着量
水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量は、通常は3~6重量%である。水分吸着量は、帯電特性に大きく影響するところ、上記範囲内に設定することにより適度な帯電性を付与することができる。水分吸着量が3重量%未満では、正帯電性が強くなりすぎてしまう。また、水分吸着量が6重量%を超えると、十分な帯電特性を発現することができなくなる。
BET比表面積
有機ケイ素化合物で表面修飾された沈降珪酸のBET比表面積は、通常は50~200m/gである。BET比表面積が50m/g未満の場合は、凝集粒子径が大きすぎるためにトナーに分散した時の分散性が不十分となる。BET比表面積が200m/gを上回る場合は、トナーに分散した時に、適正な凝集径が維持されず、十分なスペーサー効果が発現できない。
炭素含有量
有機ケイ素化合物で表面修飾された沈降珪酸の炭素含有量は、通常は1.0~8.0重量%である。特に、表面処理剤(疎水化処理剤)がHMDSの場合は1.0~3.0重量%程度、PDMS又はOH-PDMSの場合は1.0~8.0重量%程度、アルキルアルコキシシランの場合は1.0~8.0重量%程度とすることが好ましい。炭素含有量は、表面処理剤である有機ケイ素化合物で沈降珪酸粉末への固定化の度合い(固定量)を示す指標となるものである。炭素含有量が低すぎると、十分な表面改質が行われず、帯電特性、分散性等が不十分となる。一方、炭素含有量が多すぎると、有機物の含有量が多すぎて粒子の凝集が生じ、十分な流動性、分散性が得られず、この粉末をトナーに応用しても十分なスペーサー効果を発現することができない。
乾燥減量
乾燥減量は、通常は0.1~3.0%である。乾燥減量は、帯電特性に大きく影響するところ、上記範囲内に設定することにより適度な帯電性を付与することができる。乾燥減量が3重量%を超えると、ゾルゲル法によるシリカに近い保有・吸着水分量となるため、十分な帯電特性を発現することができなくなる。
帯電性
有機ケイ素化合物で表面修飾された沈降珪酸の摩擦帯電量は、通常は+10~+450μC/gである。摩擦帯電量が+10μC/gより帯電量がゼロ側に近づくと、負帯電と同様にその粉末をトナーに添加した際、トナーに強い帯電特性を発現することが困難となり、トナーを所定の帯電量範囲に制御することが困難となる。一方、摩擦帯電量が+450μC/gよりさらに正帯電側になると、その強い摩擦帯電量によりそれを添加したトナーの帯電特性を制御することが困難となる。
粒径
本発明粉末の平均粒径は、特に限定されないが、スペーサーとしての機能を効果的に発揮させるという点では、粒度分布測定装置で測定された粒度分布が0.1~1μm程度であり、好ましくは0.2~0.8μmであることが望ましい。なお、本発明における平均粒径は、粒度分布測定装置(レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製))において算出された値(算術平均径(体積標準))をいう。
流動性
本発明粉末において、トナー等に対して流動性を付与できる性能の指標として、パウダーレオメータによるエネルギー値に基づく比率がある。すなわち、本発明粉末をトナーに添加した時の乾式流動性評価法による流動性のエネルギー値を添加前のエネルギー値で除した値であり、その値が本発明では0.35以下であることが望ましい。前記値を0.35以下とすることによって、本発明粉末が外添されたトナー製品によりいっそう高い流動性を与えることができる。
2.本発明粉末の製造方法
本発明粉末の製造方法は、上記のような構成・特性を有する粉末が得られる限り、特に制約されないが、例えば(a)沈降珪酸粉末及びアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む混合物を調製する工程(混合物調製工程)、(b)前記混合物を120~360℃の温度で熱処理する工程(熱処理工程)を含む方法によって好適に製造することができる。
混合物調製工程
混合物調製工程では、沈降珪酸粉末を構成する各粒子の表面を有機ケイ素化合物を含む被覆層でコートできる方法であれば限定されず、例えば攪拌下で沈降珪酸粉末と気化した有機ケイ素化合物とを混合する方法、攪拌下で沈降珪酸粉末に有機ケイ素化合物を噴霧する方法等を好適に採用することができる。
この場合、有機ケイ素化合物は、必要に応じて溶媒(例えばヘキサン、トルエン等の有機溶剤)に溶解又は分散させた状態で用いることもできる。その場合の有機ケイ素化合物濃度は、用いる有機ケイ素化合物の種類等に応じて適宜設定することができる。
また、本発明では、必要に応じて、混合物中に水、触媒(アミン等)を適宜配合することもできる。
混合物調製工程における温度条件は、特に限定されず、例えば10~40℃の範囲内であれば良いが、これに限定されない。また、雰囲気は、通常は不活性ガス雰囲気で実施することが好ましい。例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等を好適に用いることができる。
有機ケイ素化合物等の種類、使用量等については、前記「1.表面改質沈降珪酸粉末」で説明したものと同様のものを採用することができる。
熱処理工程
熱処理工程における熱処理温度は、限定的ではないが、通常は120~360℃(特に150~300℃)とすることが好ましい。熱処理温度が360℃を超える場合は、有機ケイ素化合物の一部分解が生じる場合がある。また、120℃未満の場合は、有機ケイ素化合物の十分な表面改質が行われず、所望の帯電性が得られない。
熱処理雰囲気は、前記工程と同様、通常は不活性ガス雰囲気で実施することが好ましい。例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等を好適に用いることができる。特に、密閉された反応器中で前記工程を実施し、そのまま継続として当該雰囲気を維持した状態で熱処理工程を好適に実施することができる。
熱処理時間は、有機ケイ素化合物が沈降珪酸粉末を構成する各粒子の表面に固定化(固着)するのに十分な時間とすれば良く、例えば10~200分程度とすることができるが、これに限定されない。
3.本発明粉末の使用
本発明粉末は、前記「1.表面改質沈降珪酸粉末」で示した特性(1)~(6)を全て備えているので、沈降珪酸粉末の優れた特性に加え、良好なスペーサー効果と適度な帯電特性とをともに発揮することができる。それゆえに、本発明粉末は、例えばトナー、粉末塗料等の添加剤(特にトナー用外添剤)として好適に用いることができる。従って、本発明は、本発明粉末と結着性樹脂粒子とを含む電子写真用トナー組成物又は粉体塗料組成物(以下、両者をまとめて「本発明組成物」ともいう。)も包含する。
本発明組成物は、上述の本発明の表面改質沈降珪酸粉末を含むものであり、その組成、その製造方法等には特に制限はなく、公知の組成及び方法を採用することもできる。
本発明組成物中における本発明粉末の含有量は、所望の特性向上効果が得られる限り、特に制限されないが、通常は0.1~5.0重量%程度含有されていることが好ましい。本発明組成物中の本発明の表面改質沈降珪酸粉末の含有量が0.1重量%未満では、表面改質沈降珪酸粉末を添加したことによる流動性の改善効果あるいは帯電性の安定効果が十分に得られないことがある。また、表面改質沈降珪酸粉末の含有量が5.0重量%を超えると、表面改質沈降珪酸粉末単独で行動するものが増え、例えば画像、クリーニング性等に問題が生じるおそれがある。
本発明組成物では、結着性樹脂粒子のほか、必要に応じて、例えば顔料、電荷制御剤(帯電制御剤)、ワックス等が含まれていても良い。これらの成分は、公知又は市販のトナー組成物と同様とすることもできる。また、トナーのタイプは、正帯電性のトナーが好ましいが、それ以外の点については特に限定されない。従って、例えば、磁性又は非磁性の1成分系トナー又は2成分系トナーのいずれでも良い。さらには、モノクロ又はカラーのどちらでも良い。
本発明粉末は、特に、スペーサー効果に優れているので、軟化しやすい樹脂成分(例えばスチレン-アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の少なくとも1種)を含む結着性樹脂粒子の外添剤としてより好適に用いることができる。
なお、本発明の電子写真用トナー組成物では、外添剤としての本発明粉末は、単独で使用される場合に限られず、目的に応じて他の金属酸化物微粉末と併用しても良い。例えば、本発明の表面改質沈降珪酸粉末と、他の表面改質された乾式シリカ微粉末、表面改質された乾式酸化チタン微粉末、表面改質された湿式酸化チタン微粉末等を必要に応じて併用することができる。
さらに、本発明で有機ケイ素化合物で表面修飾された沈降珪酸粉末はサブミクロンサイズの凝集体としてトナー表面に存在し、その表面に多数の凹凸があることで、ゾルゲルシリカに比較して、トナー表面から離脱しにくいという有効性を持つ。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
なお、各実施例及び比較例で用いた成分は、次のとおりである。
(A)シリカ原料
(A1)沈降珪酸
サンプルA~サンプルE:特許文献2に記載の製法に従って調製された沈降珪酸
(A2)ゾルゲルシリカ
公知のゾルゲル法で製造された試料
(A3)フュームドシリカ
市販品a: 製品名「AEROSIL OX50」(登録商標)日本アエロジル株式会社製)
市販品b: 製品名「AEROSIL 200」(登録商標)日本アエロジル株式会社製)
(B)表面処理剤
(B1)HMDS:ヘキサメチルジシラザン(製品名「Dynasilane HMDS」(登録商標)Evonik社製)
(B2)PDMS:ポリジメチルシロキサン(製品名「KF96-100cs」信越化学工業社製)
(B3)OH-PDMS:ポリジメチルシロキサンの両末端に水酸基を有するシリコーンオイル(製品名「PMX-0930」東レ・ダウ・コーニング社製)
(B4)アミノシラン(製品名「KBE-903」(登録商標)信越化学工業社製)(表1中「正帯電性付与剤」として表記されている成分)
(B5)アミノ変性シリコーンオイル(製品名「X22-161A」(登録商標)信越化学工業社製)(表1中「正帯電性付与剤」として表記されている成分)
[実施例1]
沈降珪酸粉末としてサンプルA(メジアン径d50=155nm,d90=540nm、シラノール基密度:3.5 OH/nm)(100重量部)を反応器に入れ、窒素雰囲気下の攪拌下において、表面処理剤としてOH-PDMS(10重量部)及びKBE903(3重量部)の混合液を添加し、攪拌を継続した状態で300℃にて20分間熱処理した。このようにして、表面改質シリカ粉末を得た。
[実施例2~6]
表1に示す条件に代えたほかは、実施例1と同様にして表面改質シリカ粉末を得た。
[比較例1~6]
表1に示す条件に代えたほかは、実施例1と同様にして表面改質シリカ粉末を得た。
[試験例1]
各実施例及び比較例で得られた表面改質シリカ粉末について、下記の各物性について測定した。その結果を表1に併せて示す。
(1)嵩密度
メスシリンダーを上皿天秤に載せ、風袋を消去し、メスシリンダーに試料を入れて質量を量り(質量A)、2分間静置後の容積(容積B)を読み取る。次式を用いて嵩密度を計算する。
嵩密度(g/L)=(質量A/容積B)×1000
(2)水分吸着量測定
表面改質シリカ粉末を真空下150℃で2時間以上加熱し、十分に乾燥した後、高精度ガス吸着量測定装置(製品名「BELSORP-max」マイクロトラック・ベル株式会社製)にて排気時間15分、圧力上昇許容量5.000E-1 Pa/分の条件にて測定する。吸着等温線を解析し、水蒸気相対圧が0.8~0.95の範囲内での値を水分吸着量とした。
(3)BET比表面積
BET{表面積(m/g)}は、全自動比表面積測定装置(製品名「Macsorb」マウンテック製)を用い、試料を100℃で10分間の前処理後、BET1点法により吸脱着した窒素量から試料の表面積を求め、その重量で除して比表面積を求めた。
(4)炭素含有量
炭素含有量は、炭素分析装置(製品名「SUMIGRAPH NC-22」住化分析センター製)を用いて測定した。
(5)乾燥減量
表面改質シリカ粉末を約1g秤量瓶にサンプリングした後に、105℃で2時間乾燥して重量を測定し、乾燥前後の重量減少量の割合(%)を算出して吸着水分量とした。
(6)摩擦帯電量
キャリア(還元鉄粉)100重量部に対して表面改質シリカ粉末0.2重量部を含む試料をターブラーミキサーにて一定時間混合して摩擦帯電させた後、温度20℃及び湿度45%RHの条件下でブローオフ粉体帯電量測定装置にて帯電量を測定した。
(7)流動性
ヘンシェルミキサーを用いてトナー(ポリエステルトナー母体(結着性樹脂),平均粒径6μm)99gに対して各実施例及び比較例で得られた表面改質シリカ粉末1gを外添した後、得られた混合粉末についてパウダーレオメータでトナーサンプルの通気試験を行った。1サンプルにつき全13回のトータルエネルギー値の測定を行い、1回目は通気せずに、2回目以降は線速度0.04mm/sで通気しながら測定した。そして、13回目のトータルエネルギー値E1(mJ)を計測した。
表面改質シリカ粉末を外添しないほかは、上記と同様にしてトナー単体のトータルエネルギー値E0を計測した。
次いで、上記で得られた値E1及びE0に基づいて、[E1/E0]を求めた。[E1/E0]の値が小さいほど、高い流動性を付与できる性能があることを示す。
[試験例2]
各実施例及び比較例で得られた表面改質シリカ粉末と、重合法により製造されたポリエステルトナー母体(結着性樹脂)粉末とを重量比で[結着性樹脂粉末:表面改質シリカ粉末=99:1]で混合し、ヘンシェル型ミキサーで600rpm×1分間予備混合を行った後、3000rpm×30分間混合させることによって、分散性評価用のトナーサンプルを調製した。
次いで、得られたトナーサンプルを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察を行い、トナーサンプル粒子表面1μm当たりに付着している粒径0.1μm以上の表面改質シリカ粒子の数を計測した。その結果も表1に示す。
測定は、SEMの視野内で任意に1つのトナー母体(トナー粒子)を選定し、図1のように、視野S内がトナー粒子10表面で満たされるように、かつ、なるべく多くの表面改質シリカ粒子11が含まれるように設定した後、その視野S内にある表面改質シリカ粒子11の全て個数を計測した後、その個数を前記視野面積で割ることにより単位面積当たり(1μm当たり)の表面改質シリカ粒子の個数を算出した。この場合、視野Sから少しでもはみ出ている表面改質シリカ粒子はカウントしないものとする。単位面積当たりの表面改質シリカ粒子の個数が多いほど、表面改質シリカ粉末がより均一に分散していることを示す。
Figure 2023019768000001
表1の結果からも明らかなように、実施例の表面改質シリカ粉末は、本発明で規定する特性を全て満たしていることがわかる。

Claims (7)

  1. a)体積基準による粒度分布において、d50:150~1000nm及びd90:500~7000nmであり、b)シラノール基密度が2.5~8 OH/nmである沈降珪酸粒子の表面にアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む被覆層が形成された粒子からなる粉末であって、
    (1)嵩密度:40~150g/L、
    (2)水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量:3~6%
    (3)BET比表面積:50~200m/g、
    (4)炭素含有量:1.0~8.0重量%、
    (5)乾燥減量:0.1~3.0%及び
    (6)摩擦帯電量:+10~+450μC/g
    であることを特徴とする表面改質沈降珪酸粉末。
  2. トナーに添加した時の乾式流動性評価法による流動性のエネルギー値と添加前のエネルギー値で除した値が0.35以下である、請求項1に記載の表面処理沈降珪酸粉末。
  3. アミノ基を有する有機ケイ素化合物がアミノシラン及びアミノ基変性シリコーンオイルの少なくとも1種である、請求項1に記載の表面改質沈降珪酸粉末。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の表面改質沈降珪酸粉末を含むトナー用又は粉体塗料用の外添剤。
  5. 請求項4に記載の外添剤と結着性樹脂粒子とを含む電子写真用トナー組成物又は粉体塗料組成物。
  6. 表面改質沈降珪酸粉末を製造する方法であって、
    (a)沈降珪酸粉末、アミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む混合物を調製する工程、
    (b)前記混合物を120~360℃の温度で熱処理する工程
    を含むことを特徴とする、表面改質沈降珪酸粉末の製造方法。
  7. 上記(a)及び(b)の工程を攪拌下にて実施する、請求項6に記載の製造方法。
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