JP3383071B2 - 新規ゼオライト触媒及びその製造方法 - Google Patents

新規ゼオライト触媒及びその製造方法

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JP3383071B2 JP10411794A JP10411794A JP3383071B2 JP 3383071 B2 JP3383071 B2 JP 3383071B2 JP 10411794 A JP10411794 A JP 10411794A JP 10411794 A JP10411794 A JP 10411794A JP 3383071 B2 JP3383071 B2 JP 3383071B2
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zeolite catalyst
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  • Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なゼオライト触媒
に関し、更に詳しく言うと、十分な酸性質(プロトン酸
等)を有する各種の結晶性アルミノシリケート系ゼオラ
イトに、水素化活性等を有する活性金属成分が担持され
ており、更に、適当な塩基性金属酸化物が、元のゼオラ
イトの過度の強酸点を効果的に抑制若しくは温和化しコ
ーキングや過度の分解反応等の副反応を十分に抑制する
ことができ、しかも、適度な酸強度の酸性質を十分な量
確保しゼオライト特有の酸機能等の優れた触媒機能が損
なわれないように高分散状態で担持されている高性能の
ゼオライト触媒に関する。
【0002】なお、これらの本発明のゼオライト触媒
は、酸触媒機能、酸−金属2元触媒機能、あるいは酸−
塩基−金属3元触媒機能等の優れた触媒機能及びゼオラ
イト特有の形状選択性等を発揮するし、しかもゼオライ
トのSiO2/Al23モル比等の組成の選定や脱アル
ミニウム等によってその耐水熱性等の安定性も十分に確
保することができるなど多くの利点を有していることか
ら、多種多様な触媒反応に好適に利用できる。特に、コ
ーキングや副反応を起こしやすい過度の強酸点が十分に
低減・温和化されているので、例えばパラフィンやオレ
フィンの骨格異性化、異性化、オリゴマー化、芳香族
化、不均化、選択的水素化分解(水添クラッキング)、
芳香族化合物のアルキル化、脱アルキル化、異性化、不
均化、選択的水素化分解等のコーキングや副生成物の生
成を抑制したい反応に特に有利に適用することができる
ゼオライト触媒である。
【0003】本発明は、また、上記の優れた触媒性能を
有する本発明のゼオライト触媒を簡単な操作で効率よく
製造するための方法に関する。
【0004】
【従来の技術】ゼオライトを含有した触媒は、石油精
製、石油化学分野等において重要な多種多様な炭化水素
類の転換反応[例えば、水素化分解(水添クラッキング
等)、接触分解(FCC等)、異性化(骨格異性化、芳
香族異性化、二重結合移動等)、アルキル化、脱アルキ
ル化、不均化、オリゴマー化、芳香族化、水素化、脱水
素、改質反応、水和反応等]をはじめ、メタノール等の
含酸素炭化水素類や合成ガスの有用オレフィンやガソリ
ン留分等への転化反応、排ガス中のNOXの炭化水素等
による選択的還元除去反応など、極めて広範囲の分野に
おける触媒反応に使用されている。
【0005】ゼオライト触媒が、このように種々の触媒
反応に利用されるのは、その優れた酸触媒機能と固有の
細孔構造に基づく高表面積及び形状選択性等によるとこ
ろが大きく、また、多くの触媒反応においては、ゼオラ
イトに適当な遷移金属成分を添加(担持)し、それぞれ
の反応に要求される特定の触媒機能を付与することもし
ばしば行われる。
【0006】しかしながら、ゼオライトには、耐水熱性
や耐酸性等の構造安定性が不十分であるため、反応時や
特に触媒再生時の高温水蒸気との接触や触媒調製時の強
酸性溶液との接触によってゼオライト特有の結晶構造が
破壊され、その活性や選択性等を大きく損なうものが多
い。それゆえ、こうした耐水熱性や耐酸性等を改善すべ
く、予めSiO2/Al23比の十分に大きいゼオライ
トを用いたり、あるいは脱アルミニウム処理などの改善
処理を施すことが一般に行われている。
【0007】また、ゼオライトに十分な酸触媒機能を期
待すべく、H型やNH4型として用いて、ゼオライトに
高い酸性質を与えると、一般に、コーキングや過度の分
解反応等の副反応を起こしやい過度の強酸点が多くな
り、選択性や触媒性能を大きく損なうことも重大な問題
点となっている。そこで、ゼオライトの酸性質を制御す
るために後述のような種々の修飾、改善処置が提案され
ており、脱アルミニウム処理もそのような目的で行われ
るが、いずれの場合にも多くの問題点を残している。す
なわち、過度の強酸点を温和化し、コーキングや副反応
を抑制しようとすると、従来技術では、ゼオライトに特
有の有効な酸点の量(特に、プロトン酸量)が大幅に低
減してしまい、従来な酸触媒機能を示さなくなるという
問題点がある。
【0008】そのようなゼオライトの改質法のひとつと
して、ゼオライトの耐水熱性の向上及びコーキングを起
こすような強酸点の低減等を目的として脱アルミニウム
による改質が広く行われてきている。この脱アルミニウ
ム法としては、スチーミング処理、HClやSiCl4
等のハロゲン含有ガス処理などの気相処理方式、鉱酸等
の酸水溶液や各種金属塩水溶液による処理、キレート化
剤や錯化剤を用いる方法などの湿式処理方式あるいはこ
れらを組み合わせた方法などさまざまな方法がある。具
体的には例えば、脱カチオンと焼成を組み合わせた方法
(米国特許第3,293,192号明細書)、スチーミ
ングとキレート化剤によるアルミニウム抽出を組み合わ
せた方法(米国特許第3,493,519号明細書)、
無機酸を用いるアルミニウム抽出法(米国特許第3,5
06,400号明細書)、アルミニウムを錯体化する試
薬を使用し、アルカリ金属塩の酸性スラリーにおける処
理を行う方法(米国特許第4,098,560号明細
書)などが提案されている。
【0009】こうした脱アルミニウム処理は、ゼオライ
トの耐水熱性等の安定性を改善する方法として、また、
その強酸点の温和化(低減)による過剰な分解反応等の
副反応の抑制及びコーキングの抑制とこれに伴う活性低
下の抑制を図る方法として有効である。しかしながら、
脱アルミニウムはゼオライトの酸点の源となる骨格Al
の除去であるので、脱アルミニウムによる酸性質の制御
では酸量の減少は免れない。しかも、酸性質全般を十分
に温和化するには、一般に、骨格Alの密度がかなり低
いレベルになるまで深度の脱アルミニウムを行うことが
要求されるので、実質的な酸量が大幅に低下してしま
い、その結果、ゼオライトの酸触媒機能の大幅な低下を
招くという重大な問題点を生じる。
【0010】また、Na型やK型等のアルカリ金属型ゼ
オライトにおけるアルカリ金属イオンのごく一部のみを
+やNH4 +に交換したり、あるいは逆に、H型やNH4
型ゼオライトに十分な量のアルカリ金属イオンをイオン
交換法等によって導入したり、あるいは、アルカリ金属
型ゼオライトやH型若しくはNH4型ゼオライト等にア
ルカリ土類金属等の適当な金属イオンでイオン交換する
など、ゼオライトのカチオン交換サイトにおけるイオン
種選定・調整により酸性質を制御し、酸強度を温和化す
ることもしばしば行われている。例えば、J.W.Wa
rd,J.Catal.,vol.17,355(19
70)には、Y型ゼオライトをCa2+やMg2+でイオン
交換することによってその酸性質を制御することができ
るということが記載されている。しかしながら、このよ
うにゼオライトのカチオン交換サイトにイオン交換等に
よってアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオン等
の加熱やH2等による前処理によって還元されないある
いはされにくい金属イオンを多く導入すると、たとえ酸
性質が温和になってもその分ゼオライトのプロトン酸が
少なくなるので、実質的な酸量の大幅な減少は免れな
い。その結果、酸触媒機能を要する多くの触媒反応に対
する活性は低下する。
【0011】その他の試みの例として、例えば、USY
ゼオライト(Ultrastable Y−zeoli
te)にリン化合物を担持し修飾する方法が提案されて
いる(欧州特許出願公開第252,761号明細書;特
開平3−30836号公報)。しかしながら、このリン
化合物の担持による修飾法では、ゼオライトのプロトン
酸の機能を損なうことは不可避であり、更に凝集したリ
ンの酸化物等がゼオライトのミクロ細孔を閉塞しやすい
という問題点もある。このような酸の被毒や細孔の閉塞
は、ゼオライト触媒においては致命的となる。
【0012】すなわち、これらの従来技術は、ゼオライ
トの酸性質等の触媒機能の改善、耐水熱性等の向上など
に有用な手段ではあるが、これらの技術のみでは、コー
キングや過度の分解反応等の副反応を起こすような過度
の強酸点を選択的に温和化し、適度の酸強度有し優れた
酸触媒機能を発揮する高性能ゼオライト触媒を得ること
は難しい。
【0013】多くの触媒反応、特に、プロトン酸等の比
較的強い酸強度の酸点を多く必要とする上記のような各
種の炭化水素の転換反応に十分な活性と選択性及びコー
キングの抑制効果を十分に発揮させるには、そのような
適度な酸強度の酸量、特に、プロトン酸量が十分に保持
されるように、過度の強酸点を選択的に温和化すること
が要求される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、各種の結晶性アルミノシリケート系ゼオライトの中
から選定若しくは誘導された十分な酸性質を有するゼオ
ライトに、水素化活性等の適当な触媒機能を有する活性
金属成分(周期表VIA族金属及び/又はVIII族金
属からなる活性成分)を有効に担持すると共に、コーキ
ングや過度の分解反応等の副反応を効果的に抑制すべく
該ゼオライトの過度の強酸点を選択的に抑制・温和化
し、しかも適度な酸強度の酸性質(プロトン酸等)を十
分に有しゼオライト特有の優れた酸触媒機能等が損なわ
れないように適当な塩基性の金属酸化物が高分散状態で
うまく担持する技術を開発し、前記した各種の炭化水素
の転換反応をはじめとする各種の触媒反応に高活性及び
高選択性等の優れた触媒性能を発揮するゼオライト触媒
を提供することにある。
【0015】本発明は、また、上記の優れた触媒機能及
び性能を有する各種のゼオライト触媒を簡単な操作で安
価に効率よく製造するための方法を提供することも目的
としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく、特に、ゼオライトの酸性質の改善・制御
方法に重点をおいて鋭意研究を重ねた。その結果、Si
2/Al23モル比が4〜200程度で、アルカリ金
属含有量が5重量%以下と十分に少なく、かつプロトン
酸あるいは調製時若しくは前処理時等に容易にプロトン
酸を与えるカチオン(アンモニウムイオンや還元されや
すい遷移金属イオン等)をカチオン交換サイトに十分な
割合で有する結晶性アルミノシリケート系ゼオライト
に、特定の塩基性の金属酸化物をこれらの金属イオンが
できるだけゼオライトのカチオン交換サイトにイオン交
換されないように、すなわち、前記原料ゼオライトのH
+やNH4 +等のプロトン酸となるカチオンが上記の金属
イオンによってできるだけ交換されない条件で、適当量
高分散状態で担持することによって、結果として、該ゼ
オライトの酸性質をうまく改質・最適化することができ
ることを見いだした。
【0017】なお、そのように、前記塩基性の金属酸化
物をうまく担持する方法として、上記のようなH+含有
ゼオライト若しくはその前駆体となるゼオライトを、酸
性(pH=1.0〜6.8)の水溶液に懸濁させ、その
スラリーに、前記所定の塩基性酸化物の原料となる金属
化合物を水溶液等として添加した後、塩基性窒素化合物
を適時添加し、その液のpHを上昇させながら水分等を
除去して担持するという方法が極めて有効であることを
確認した。
【0018】このように、本発明者らは、上記特定の方
法によってゼオライトの酸性質を改善・制御することに
よって、適度な酸強度のプロトン酸等の酸性質を十分な
量で有し、かつ、過度の強酸点が効果的に低減・温和化
されたゼオライトからなり、しかも前記担持活性金属成
分に基づく水素化活性等の金属触媒機能と前記担持塩基
性酸化物に基づく塩基触媒機能等を有し、各種の炭化水
素の転換反応に対して十分に高い活性を示し、しかもコ
ーキングや過度の分解反応等の副反応が十分に抑制され
た高選択性を示す高性能のゼオライト触媒を得ることに
成功した。
【0019】また、これらの、優れた酸触媒機能、金属
触媒機能、塩基触媒機能等を有する高活性・高選択性ゼ
オライト触媒の物性について更に詳細に検討したとこ
ろ、触媒の表面積や細孔容積がある程度以上大きいこと
も重要ではあるが、特に、NH 3吸着後あるいはCO2
着後のTPD(昇温脱離)によって評価される酸量
[A]及び塩基量[B]がある特定のレベル以上であ
り、しかもその比率がある特定の範囲にあることが重要
であるという新しい事実を見いだした。
【0020】本発明者らは、主として上記の知見及び考
察に基づいて本発明を完成するに至った。
【0021】すなわち、本発明は、(a)アルカリ金属
含有量が酸化物として5.0重量%以下であり、かつ、
プロトン酸性質を有する結晶性アルミノシリケート系ゼ
オライトからなり、(b)該ゼオライトには、Mg、C
a、Sr、Ba、B、Al及びGaからなる群から選定
された少なくとも1種の金属が塩基性を示す酸化物の形
態でゼオライト結晶格子外成分として0.05〜10.
0重量%担持されており、更に、(c)該ゼオライトに
は、周期表VIA族金属及びVIII族金属からなる群
から選定された少なくとも1種の遷移金属が担持されて
いるゼオライト触媒であって、かつ、(d)該触媒にお
ける前記ゼオライト成分のゼオライト骨格Al原子1モ
ルあたりのNa+に対するイオン交換容量Eが、モル比
(Na+/骨格Al)で表して、0.1以上であり、
(e)該ゼオライト触媒のBET比表面積が350m2
/g以上で、細孔容積が0.1cm3/g以上であり、
(f)該ゼオライト触媒のNH3−TPD酸性度[A]
が0.1mmol/g以上で、CO2−TPD塩基性度
[B]が0.1mmol/g以上で、かつ、塩基性度比
{[B]/([A]+[B])}が0.1〜0.6の範
囲にあることを特徴とする新規ゼオライト触媒に係る。
【0022】本発明は、また、上記本発明のゼオライト
触媒の製造方法に係り、その好適な製造方法の例とし
て、SiO2/Al23モル比が4〜200であり、ア
ルカリ金属含有量が酸化物として5.0重量%以下であ
る結晶性アルミノシリケート系ゼオライトに、周期表V
IA族金属及びVIII族金属からなる群から選定され
た少なくとも1種の遷移金属を化合物及び/又は高分散
金属の形態で担持した後に、該遷移金属含有ゼオライト
を、水若しくは酸性水溶液に懸濁してpHが1.0〜
6.8のスラリー状態とし、該スラリーに、Mg、C
a、Sr、Ba、B、Al及びGaからなる群から選定
された少なくとも1種の金属の化合物であって、少なく
とも焼成によって塩基性を有する酸化物を形成する化合
物を添加後、そのスラリー液のpHを上昇させ、その
後、攪拌若しくは混練しながら脱水し、乾燥後、焼成す
ることを特徴とする方法[以下、この方法を方法Iと呼
ぶことがある。]、と、更に別の好適な製造方法の例と
して、SiO2/Al23モル比が4〜200であり、
アルカリ金属含有量が酸化物として5.0重量%以下で
ある結晶性アルミノシリケート系ゼオライトを、水若し
くは酸性水溶液に懸濁してpHが1.0〜6.8のスラ
リー状態とした後、該スラリーに、周期表VIA族金属
及びVIII族金属からなる群から選定された1種又は
2種以上の遷移金属の化合物と、Mg、Ca、Sr、B
a、B、Al及びGaからなる群から選定された1種又
は2種以上の金属の化合物であって、少なくとも焼成後
に塩基性を有する酸化物を形成する化合物を添加後、そ
のスラリー液のpHを上昇させ、その後、攪拌若しくは
混練しながら脱水し、乾燥後、焼成することを特徴とす
る方法[以下、この方法を方法IIと呼ぶことがあ
る。]を併せて提供する。
【0023】本発明のゼオライト触媒は、その主成分と
なるゼオライト成分として、アルカリ金属含有量が酸化
物として5.0重量%以下であり、かつ、プロトン酸性
質を有する結晶性アルミノシリケート系ゼオライトを含
有している。
【0024】ここで、前記結晶性アルミノシリケート系
ゼオライトとしては、どのような構造及び種類のものを
用いてもよく、具体的には例えば、X型ゼオライト、Y
型ゼオライト、USYゼオライト、ZSM−5等のMF
Iゼオライト、モルデナイト、L型ゼオライト、ベータ
ゼオライト、オメガ型ゼオライト等の各種のゼオライト
を挙げることができる。なお、これらのゼオライトは、
ゼオライトの結晶格子を構成するT−原子がSiとAl
のみの狭義のアルミノシリケートに限定されるものでは
なく、SiとAlと共に、例えばGa、Zn、Zr、T
i、Fe等の他の金属原子をT−原子として含有するも
のを用いてもよい。つまり、本発明のゼオライト触媒
は、目的に応じて、上記のような各種の構造及び組成の
ゼオライトを原料として用いて得ることができる。これ
らの中でも、特に、Y型ゼオライトやUSYゼオライト
等のY型ゼオライトから誘導されたものなどが好適に使
用される。
【0025】また、前記結晶性アルミノシリケート系ゼ
オライトとしては、各種のSiO2/Al23モル比の
ものが使用可能であるが、通常は、そのSiO2/Al2
3モル比が4〜200程度のものが好適に使用され
る。SiO2/Al23モル比が4未満のものは、酸性
質は十分に確保できても耐水熱性が不十分であるし、ま
たA型ゼオライト[SiO2/Al23モル比が1若し
くは1付近]のように細孔径が小さ過ぎるため種々の制
約をうけるものも多い。一方、SiO2/Al2 3モル
比が200より大きいものでは、十分な酸強度の酸性質
(特にプロトン酸)の量が不十分となるので十分な酸触
媒機能を示さないなどの支障を生じやすい。
【0026】なお、ゼオライトの耐水熱性や耐酸性等の
構造安定性の改善を目的として、予め脱アルミニウム処
理を施したものを用いることもしばしば有効となる。そ
の脱アルミニウムは、公知の手法など任意の方法によっ
て行うことができ、例えば、スチーミング、酸処理、キ
レート抽出、SiCl4処理、フッ素化処理あるいはこ
れらの組み合わせなど、様々な方法によって行うことが
できる。中でも、通常は、スチーミング後に酸処理を行
う方法などが好適に利用される。なお、上記酸処理など
適当な手法を用いることによって脱アルミニウム処理と
脱アルカリを同時に行うこともできる。
【0027】いずれにしても、これら各種のゼオライト
の中から、対象とする触媒反応若しくはプロセス等に応
じて、適宜、適当な構造及び組成のゼオライトを選定し
て、これを調製原料として用いればよい。
【0028】なお、多くのゼオライトは、通常、Na
塩、あるいはK塩等のアルカリ金属塩型のものとして合
成あるいは市販されているので、そのようなアルカリ金
属含有量が多いものについては、前記したようにその含
有量が酸化物として5重量%以下になるように十分に脱
アルカリ処理して用いればよい。もちろん、H型ゼオラ
イトやNH4型ゼオライト等の焼成等によって十分なプ
ロトン酸を与えるようなゼオライトも調製原料として好
適に使用することができる。
【0029】なお、ここで、このアルカリ金属含有量と
は酸化物としての重量%値であり、蛍光X線分析によっ
て測定した値であり、調製の途中でアルカリ金属成分を
添加したり系から除去しない場合には、調製に用いる原
料ゼオライトについての分析値であり、調製の途中でア
ルカリ金属成分の増減がある場合には得られた触媒につ
いて蛍光X線分析を行い用いた原料ゼオライトあたりの
重量%値に換算したものとする。
【0030】ここで、もし、アルカリ金属含有量が5.
0重量%を超えるゼオライトでは、そのカチオン交換サ
イトにおけるアルカリ金属イオンの割合が多くなるの
で、プロトン酸量が不十分となったり、特にSiO2
Al23モル比が14若しくは15以上の高シリカゼオ
ライトにおいてはプロトン酸量のみならず酸性質がほと
んどなくなってしまう。また、SiO2/Al23モル
比が1〜5程度と比較的低い低シリカゼオライトの場合
にはプロトン酸量を比較的多くすることができるが、そ
の場合にもアルカリ金属成分の共存効果によって実質的
な酸性質が不十分となりやすく、十分な酸触媒機能が得
られない。
【0031】このように、SiO2/Al23モル比に
かかわらず、アルカリ金属含有量が酸化物として5.0
重量%以下であることが重要であるが、SiO2/Al2
3モル比が大きい場合には、アルカリ金属含有量が更
に低いことが望ましい。一般には、アルカリ金属含有量
が少ないほどプロトン酸量等の酸性質が多くすることが
できるので、この点から、アルカリ金属含有量が少ない
ものの方が好ましく、通常、ゼオライト骨格を構成する
Al原子1モルあたりのアルカリ金属イオンの割合がモ
ル比で、0.5以下であるものが好ましい。もちろん、
アルカリ金属成分をまったく含まないゼオライトも好適
となる。
【0032】なお、前記ゼオライトのうち、アルカリ金
属成分を含有するものついては、そのアルカリ金属の種
類としては、通常、NaやKが一般的ではあるが、これ
らに限定されるものではなく、このほかLiやRbやC
sでもよく、また、2種以上のアルカリ金属イオンを含
有しているものでもよい。
【0033】いずれにしても、本発明のゼオライト触媒
において、その主成分となる前記ゼオライトは少なくと
もプロトン酸を有していること、すなわち、該ゼオライ
トのカチオン交換サイトに少なくともH+が含有されて
いることも重要である。なお、このプロトン酸(ゼオラ
イトに特有の酸性OH)の存在は、例えば、IRやNM
Rによって確認することができる。このプロトン酸の好
適な量については、ゼオライトのSiO2/Al23
ル比やアルカリ金属含有量、前記塩基性を有する酸化物
の担持量など種々の条件によって異なるので一律に定め
ることができないが、通常、そのゼオライトの格子の構
成成分となっているAl原子1モルあたり0.2モル以
上のH+(酸性OH)を有していることが好ましい。な
お、これらゼオライト格子中のAl含量及び該酸性OH
(プロトン酸)の含量は、NMRによって測定すること
ができる。
【0034】前記ゼオライトにおける酸性質は、必ずし
も前記プロトン酸のみによるものでなくてもよく、した
がって、前記ゼオライトには、H+あるいはH+とアルカ
リ金属イオンのほかに例えばCa2+、La3+等の、アル
カリ金属イオン以外の任意の金属イオン等のカチオンが
イオン交換サイトに含有されていてもよい。これらの金
属イオン等のカチオンは、H+ほどではないが酸性質に
寄与するからである。しかしながら、これらのH+以外
のカチオンの割合が多くなるとそれだけプロトン酸量が
少なくなるのでこれらはアルカリ金属イオン同様にでき
るだけ低い割合にとどめることが望ましい。ただし、N
4 +や遷移金属イオン等の焼成や還元処理等によって容
易にプロトン酸を与えるものについては、実質的にプロ
トン酸として作用することになる点に留意すべきであ
る。
【0035】また、本発明のゼオライト触媒の酸性質
は、上記したようなゼオライトのカチオン種の割合や
量、あるいはSiO2/Al23モル比等の組成によっ
って異なるが、更には、そのゼオライトに担持された前
記塩基性金属酸化物の種類や担持量等の種々の条件によ
って大きく異なってくる。したがって、本発明の触媒に
おける酸性質の実質的な評価は、得られた触媒について
行うのが適切であるので、後述のように、TPD法によ
って行っている。
【0036】本発明のゼオライト触媒には、周期表VI
A族金属及び/又はVIII族金属(以下、これらのV
IA族金属及びVIII族金属を活性金属と呼ぶことが
ある。)が適当な活性成分(例えば、水素化活性、脱水
素活性等を有する成分)の形態で担持されていることも
重要である。このうち周期表VIA族金属としては、C
r、Mo及びWを挙げることができ、一方、VIII族
金属としては、Fe、Ni、Co、Ru、Rh、Pd、
Pt、Os、Ir及びPtを挙げることができる。これ
らの活性金属のうちどの金属種を担持するかは、場合に
応じて決定されるものであり、対象とする触媒反応若し
くはプロセス等に応じて適宜1種又は2種以上を選定す
ればよい。
【0037】また、どのような形態で担持するかについ
ても、同様に場合に応じて異なる。これらの活性金属種
は、焼成後や水素処理後においては、通常、高分散状態
の金属(単一又は複数の金属種からなる微粒子状金属、
クラスターなど)、高分散状態の酸化物若しくは複合酸
化物、あるいはこれらの中間状態若しくは混合状態とし
て担持されている場合が多い。多くの炭化水素の転換反
応の場合にも、こうした高分散の金属や酸化物の形態で
担持されているものが好適に使用される。しかし、必ず
しもこれらに限定させるものではなく、場合に応じて、
硫化物、ハロゲン化物、炭化物、カルボニル錯体等の錯
体、金属イオンなど様々な形態に担持された状態で使用
することができる。
【0038】なお、これらの活性金属成分は、通常、ゼ
オライトのミクロ細孔内に担持されていることが好まし
いが、必ずしもミクロ細孔内のみに担持しないでも十分
な活性を示す場合も多いし、ゼオライト結晶の外表面に
のみ担持した場合にも十分な効果が得られる場合もあ
る。また、ゼオライト触媒中に含まれるゼオライト成分
の一部のみに担持してもよい。更に、これらの活性金属
成分の一部は、前記塩基性金属酸化物に担持若しくは結
合していてもよい。
【0039】前記活性金属成分の好適な担持量も、担持
する金属若しくは金属化合物の種類やその組み合わせ、
ゼオライトの種類や物性、対象とする触媒反応若しくは
プロセス等の様々に条件によって異なるので一律に定め
ることができないが、一般的には、その担持量を金属に
換算して、ゼオライトに対して、0.01〜20重量
%、好ましくは、0.5〜12程度の範囲に選定するの
が適当である。ただし、前記活性金属成分の一部は、必
ずしもゼオライト上に直接担持されていなくても十分な
効果が得られることがある。
【0040】本発明のゼオライト触媒においては、その
主成分となる前記所定の各種のゼオライトには、前記活
性金属成分のほかに更に、Mg、Ca、Sr、Ba、
B、Al及びGaからなる群から選定された少なくとも
1種の金属の酸化物がゼオライト結晶格子外成分とし
て、ゼオライト触媒の重量に対し、0.05〜10.0
重量%担持されていることも必要である。これらの担持
金属酸化物は、少なくとも、塩基性を有する酸化物(M
gO、CaO、SrO、BaO、B23、Al23又は
Ga23 、あるいはこれらの水和物、更にはこれらの
混合物若しくは複合物)として、すなわちゼオライトの
格子外成分として担持されていることが重要である。こ
れら塩基性金属酸化物の重量%値は、該塩基性酸化物の
ゼオライトに対する担持量(割合)である。すなわち、
ゼオライト自体には予めAlがT−原子として酸化物の
形態で含有されているし、また、T−原子としてGaや
B等が含有されていてもよいが、これらのT−原子につ
いては、上記担持量(重量%値)には含めないものとす
る。一方、これらの金属種は、前記したようにMg2+
Ca2+、Sr2+、Ba2+等としてゼオライトのカチオン
交換サイトにある程度置換されていてもよいが、酸性質
の確保と塩基触媒機能の付与の点から、本発明の触媒に
おいては、できるだけカチオン交換サイトからはずれた
酸化物として担持されるように調製することが重要であ
る。具体的な担持方法の例については、後述する。
【0041】なお、これらの塩基性酸化物は、必ずしも
ゼオライトのミクロ細孔内のみに担持されていないでも
よく、十分に高分散状態で担持されていればゼオライト
の外表面に担持されていてもよいし、あるいは、その一
部あるいは大部分がゼオライトとは別の微粒子として該
ゼオライトと均一に混合している状態で担持されていて
もよい。
【0042】本発明の触媒における前記ゼオライトはプ
ロトン酸を有しているのでNa+に対するイオン交換能
を有しているが、該ゼオライトのゼオライト骨格Al原
子1モルあたりのNa+に対するイオン交換容量Eが、
モル比(Na+/骨格Al)で表して、0.1以上であ
ることも重要である。
【0043】該イオン交換容量Eは、該ゼオライト1g
を100ccの1M硝酸ナトリウム水溶液に導入し、か
つ水溶液のpHが7になるように適時、濃度0.01M
程度の水酸化ナトリウムの水溶液を添加しながら、30
℃で12時間イオン交換を行い、該イオン交換後、濾
過、水洗してから120℃で4時間乾燥して得たゼオラ
イトにおけるナトリウム含量を蛍光X線分析で求め、こ
のイオン交換によるナトリウム含量の増加分とゼオライ
ト骨格を形成するアルミナ成分の含量との比をモル比
(Na2O/Al23)で表したものである。したがっ
て、このイオン交換容量Eは、該触媒若しくはゼオライ
トにおけるプロトン酸や容易にプロトン酸を与えるNH
+等の交換率(残留率)のよい尺度となる。すなわち、
このイオン交換容量Eが、0.1未満であると十分なプ
ロトン酸性質が確保できなくなり、十分な酸触媒機能が
得られず、特に炭化水素の転換反応等の十分な酸触媒機
能を必須とする多くの触媒反応に十分な活性が得られな
くなる。
【0044】本発明のゼオライト触媒は、ゼオライト成
分の触媒機能を十分に確保するために、そのBET比表
面積が350m2/g以上で、かつ、細孔容積が0.1
cm3/g以上であることも重要である。なお、このB
ET比表面積は、窒素ガスによるBET1点法により常
法に従って測定されたものであり、該細孔容積は、細孔
分布をベルソーブ28を用いて窒素ガス吸着法(BJH
法)で測定し、これをもとに計算して求めたものであ
る。
【0045】ここで、BET比表面積が350m2/g
未満であったり、あるいは細孔容積が0.1cm3/g
未満であるものは、ゼオライトの細孔が閉塞していたり
あるいは構造が破壊されている可能性があり、十分な触
媒活性あるいは性能が得られない。
【0046】本発明のゼオライト触媒は、上記の他に更
に、NH3−TPD酸性度[A]が0.1mmol/g
以上であり、かつ、CO2−TPD塩基性度[B]が
0.1mmol/g以上であり、しかも、塩基性度比
{[B]/([A]+[B])}が0.1〜0.6の範
囲にあることが必要である。
【0047】なお、これらの本発明のゼオライト触媒に
おけるNH3−TPD酸性度[A]及びCO2−TPD塩
基性度[B]は、それぞれ、下記の(1)及び(2)の
TPD法(Temperature−programm
ed desorption:昇温脱離法)によって測
定・評価されたものとする。
【0048】(1)NH3−TPD酸性度[A]の測定
・評価法:ゼオライト触媒200mgを反応管に充填
し、供給流速10cc/minの窒素気流中で500
℃、1時間加熱した後、同気流中で室温まで冷却する。
次いで、窒素ガスをNH3ガス気流(10cc/mi
n)に切り替え、室温でNH3を30分間吸着させた
後、供給ガスを気流をHe気流(50cc/min)に
切り替え、100℃で1時間処理し、ゼオライトの酸点
に吸着していない余剰のNH3を除去する。その後、同
He気流中で、100℃から600℃まで20℃/mi
nの昇温速度で昇温し、この間に脱離するNH3の量を
ガスクロ用のTCDセルによって測定する。用いたゼオ
ライト触媒1g当たりの該脱離NH3量をmmol単位
で表した値をNH3 −TPD酸性度[A]とした。
【0049】(2)CO2−TPD塩基性度[B]の測
定・評価法:ゼオライト触媒200mgを反応管に充填
し、供給流速10cc/minの窒素気流中で500
℃、1時間加熱した後、同気流中で室温まで冷却する。
次いで、窒素ガスをCO2ガス気流(10cc/mi
n)に切り替え、室温でCO2を30分間吸着させた
後、供給ガスを気流をHe気流(50cc/min)に
切り替え、室温で1時間処理し、ゼオライト触媒の塩基
点に吸着していない余剰のCO 2を除去する。その後、
同He気流中で、室温から600℃まで20℃/min
の昇温速度で昇温し、この間に脱離するCO2の量をガ
スクロ用のTCDセルによって測定する。用いたゼオラ
イト触媒1g当たりの該脱離CO2量をmmol単位で
表した値をCO2−TPD塩基性度[B]とした。
【0050】なお、前記塩基性度比{[B]/([A]
+[B])}は、こうして求めたCO2−TPD塩基性
度[B]とNH3−TPD酸性度[A]をもとに計算さ
れたものである。
【0051】ところで、もし、上記のようにして測定し
たNH3−TPD酸性度[A]が0.1mmol/g未
満であると、そのような触媒は有効な酸性度が不十分で
あるので、酸触媒機能を要する多くの触媒反応、特に、
例えばパラフィンの骨格異性化等の十分な酸性質を要す
る前記各種の炭化水素の転換反応に対する活性が不十分
となる。なお、こうした炭化水素の転換反応等に対する
活性の点から、NH3−TPD酸性度[A]が、0.2
mmol/g以上であるものが好ましい。
【0052】また、上記のようにして測定したCO2
TPD塩基性度[B]が0.1mmol/g未満である
と、そのような触媒は塩基性度が不足するので、ゼオラ
イトの酸性質の制御、特に、過度の強酸点の温和化が不
完全になり、コーキングの抑制効果、過度の分解反応や
好ましくない重合反応等の副反応の抑制効果(選択性の
向上効果)が不十分となったり、あるいは、塩基触媒機
能(例えば、パラフィン等の選択的脱水素能等)が不十
分となるなどして本発明の目的を十分に達成できなくな
る。また、該CO2−TPD塩基性度[B]が0.1m
mol/g未満と著しく低いということは、場合によっ
ては、前記塩基性酸化物を形成すべきMg2+、Ca2+
Sr2+、Ba2+等がゼオライトのカチオン交換サイトに
多くイオン交換されてゼオライトに特有の優れた酸性質
(特にプロトン酸)を著しく阻害している可能性もあ
る。このような場合には、たとえ酸性質は温和になって
も十分な酸触媒機能を示さないことがあり、特に、例え
ばパラフィンの骨格異性化、芳香族化など十分な酸強度
の酸量を多く要する各種の炭化水素の転化反応に対する
十分な活性が得られなくなる。なお、好ましいCO2
TPD塩基性度[B]の範囲は、0.2〜2.0mmo
l/gである。
【0053】また、本発明の触媒においては、前記塩基
性度比{[B]/([A]+[B])}が0.1〜0.
6の範囲にあることも重要である。この塩基性度比が該
範囲を逸脱するものは酸性質と塩基性質のバランスが悪
く、場合によっては、例えば酸触媒機能と塩基触媒機能
の双方を要求する反応、例えばパラフィンの芳香族化な
どに対する活性が不十分となったり、多くの炭化水素の
転換反応における活性と選択性を共に十分に確保するこ
とができなくなる。特に、塩基性度比が0.1未満のも
のは、強酸点の温和化が不十分で副反応やコーキングの
抑制効果が不十分となるし、0.6を超えるものは、酸
性質の温和化が極端になり酸強度が全般に弱くなるの
で、多くの炭化水素の転換反応に対する活性が不十分と
なる。
【0054】なお、一般に触媒の場合と同様に本発明の
ゼオライト触媒の場合にも、触媒物性特に酸性質や塩基
性質等の触媒の化学的物性は、反応に供する前と反応中
あるいは反応後などによって変化する。これは、反応物
や生成物が酸点や塩基点に吸着・反応したことによる必
然的な結果である。したがって、上記のNH3−TPD
酸性度[A]、CO2−TPD塩基性度[B]及び塩基
性度比の条件は、反応前のフレッシュな触媒及び/又は
反応後に適当な条件で再生した触媒について満足してい
ればよいことになる。このことは、触媒中のゼオライト
がプロトン酸を有しているかどうかについても同様であ
る。例えば、NH4型のゼオライトや前記VIII族金
属イオン交換型ゼオライトを含有する触媒では、そのゼ
オライトにプロトン酸が生じていないものあるが、これ
らは適当な条件で前処理(焼成や還元等)を行ったり、
反応雰囲気にさらすことによって容易にプロトン酸とな
ったり、あるいはプロトン酸として機能する。つまり、
このように明らかに本発明の触媒の前駆体とみなされる
ものは、本発明の触媒とみなされることに留意すべきで
ある。
【0055】なお、本発明のゼオライト触媒は、例え
ば、流動床、移動床、固定床、懸濁床、沸騰床等の各種
の反応方式のプロセスに適用するように、適宜適当な形
状あるいはサイズに成形して用いることができる。その
際、必要に応じて、アルミナ、シリカ、シリカアルミ
ナ、粘土鉱物等のバインダーを添加して成形してもよい
し、更には本発明の目的を阻害しない範囲で、他の添加
物、例えば、ジルコニア、チタニア、マグネシア等の各
種の添加成分を添加して用いてもよい。こうした添加物
の添加や成形は焼成前に行ってもよい。更に、本発明の
触媒は、必要に応じて、2種以上を混合若しくは複合化
して用いてもよいし、また、他の触媒や担体あるいは不
活性な物質と混合したり複合化して用いる場合もある。
【0056】本発明のゼオライト触媒は、その製造方法
としては特に制限はないが、特に好適に製造方法とし
て、例えば、前記方法I及び方法II等を挙げることが
できる。
【0057】以下に、この方法I及び方法IIについて
詳細に説明する。
【0058】本発明の方法(方法I及びII)において
は、前記各種のゼオライトのうち、アルカリ金属含有量
が酸化物として5.0重量%以下であり、SiO2/A
2 3モル比が4〜200のものを原料ゼオライトとし
て使用する。
【0059】ここで、アルカリ金属含有量が酸化物とし
て5.0重量%を超えるゼオライトを原料ゼオライトと
して使用すると、酸点の発現量が不十分となることがあ
る。なお、前記した理由で、プロトン酸等の酸点の量を
多くするには、アルカリ金属含有量が少ないH型やNH
4型のゼオライトを用いることが好ましく、もちろん、
アルカリ金属を含有しないH型やNH4型のゼオライト
も好ましい。
【0060】したがって、Na型やK型等のアルカリ金
属型ゼオライトがある場合には、予め、アルカリ金属含
有量が酸化物として5.0重量%以下のH型やNH4
のゼオライトとなるように脱アルカリして用いればよ
い。
【0061】また、前記したように、ゼオライトの耐水
熱性、耐酸性等の構造安定性の向上を目的として、予め
脱アルミニウム処理を施したゼオライトを原料ゼオライ
トとして用いることもしばしば有効である。
【0062】本発明の方法I及び方法IIのうち、方法
Iの場合には、前記所定の原料ゼオライトに、まず、周
期表VIA族金属及びVIII族金属からなる群から選
定された少なくとも1種の遷移金属を化合物及び/又は
高分散金属の形態で担持する。ここで、該VIA族金属
とVIII族金属の種類及びそれらの担持率等について
は前記した通りである。
【0063】この活性金属成分の担持は、常法に従って
行うことができ、通常は、それぞれの金属の硝酸塩、硫
酸塩、塩化物等のハロゲン化物、酸化物、水酸化物、炭
酸塩、塩基性炭酸塩、アンミン錯塩等の錯体、あるい
は、塩化白金酸等のハロゲン酸やハロゲン酸塩、モリブ
デン酸やパラモリブデン酸アンモニウム等の酸素酸や酸
素酸塩などの適当な化合物の水溶液を含浸法やイオン交
換法あるいは混練法など適当な担持法を適用して担持す
る方式が好適に利用される。しかし、必ずしも水溶液か
らの担持法に限定されるものではなく、例えば、カルボ
ニル錯体やクラスター化合物等の有機溶媒溶液からの担
持方式、CVD法なども適宜的有する可能である。な
お、担持後、担持物(固体)を溶液とともに次の工程に
用いてもよいが、通常は、担持物、すなわち遷移金属担
持ゼオライトを濾過等によって液から分離し、場合に応
じて、適宜、水洗、乾燥、あるいは、焼成、更には還元
処理等の後処理を施してから、次の工程に用いる。多く
の場合には、単に濾過後、乾燥したものを用いる方式
が、操作も簡単であるし、好適となる。
【0064】前記方法Iでは、こうして得た遷移金属含
有ゼオライトを、水若しくは酸性水溶液に懸濁してpH
が1.0〜6.8(好ましくは、3.0〜6.0)のス
ラリー状態とし、該スラリーに、Mg、Ca、Sr、B
a、B、Al及びGaからなる群から選定された少なく
とも1種の金属の化合物であって、焼成によって塩基性
を有する酸化物を形成する化合物を添加する。その際、
該遷移金属含有ゼオライトを、直接、酸性水溶液に添
加、分散してもよいが、例えば、まず水によく分散させ
た後、そこに前記所定のpHになるように酸若しくは適
当な濃度の酸水溶液を添加する方式も好適に使用され
る。
【0065】ここで、スラリー濃度は、通常、該遷移金
属含有ゼオライトの割合が10〜50重量%の範囲にな
るように選定するのが好ましい。このスラリー濃度が1
0重量%未満であると、後の担持脱水工程での手間やコ
ストが増加し不利になるばかりでなく、場合によって
は、前記所定の金属種(金属イオン)がゼオライトのカ
チオン交換サイトにイオン交換しやすくなり所望の酸性
度が十分に確保できなくなるなどの支障を生じやすい。
一方、該スラリー濃度が50重量%を超えると、調製操
作が困難となったり、高分散状態で均一に担持できなく
なるなどの問題が生じる。
【0066】前記スラリー液のpHの調整に使用する酸
としては、種々のものが適用可能であり、例えば、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸、ペルオキソ二硫酸、二チオン
酸、スルファミン酸、ニトロスルホン酸、ギ酸、酢酸、
トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、スルホン酸等の各
種の無機酸や有機酸が使用可能である。これらは、場合
に応じて、2種以上を用いてもよい。
【0067】こうして調製した該スラリーに、前記した
ように、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Al及びGaか
らなる群から選定された少なくとも1種の金属の化合物
(以下、これらの金属化合物を、説明の都合上、塩基性
金属化合物と呼ぶことがある。)を添加するが、これら
の化合物としては、少なくとも担持後の焼成によって塩
基性酸化物、具体的には、それぞれ、MgO、CaO、
SrO、BaO、B23、Al23、Ga23となるも
のを用いる。そのような化合物としては、例えば、水酸
化物、酸化物あるいはゲルやゾル、塩化物、硫酸塩、硝
酸塩、炭酸塩等の無機酸塩、酢酸塩等の有機酸塩を挙げ
ることができる。これらは、通常、水溶液やゾル若しく
はゲル状の懸濁液等として添加される。
【0068】前記スラリーへの前記塩基性金属化合物の
添加量は、用いるゼオライト当たり前記した酸化物(2
種以上の場合はその合計)として、通常、0.05〜1
0.0重量%の範囲に選定すれば十分であるが、そのス
ラリーに添加する該塩基性金属化合物水溶液の濃度が、
通常、0.1〜3.0mol/l、好ましくは、0.5
〜1.5mol/lの範囲になるように液量や添加量を
調整するのが適当である。この際の塩基性金属化合物の
濃度が、0.1mol/l未満では、乾燥までの時間が
必要以上に長くなったり、あるいはスラリー濃度が低く
なり過ぎて、所望の酸性質の改善効果が不十分となりや
すく、一方、3.0mol/lを超えると、塩基性金属
化合物の溶解が困難となるなどの支障を生じやすい。
【0069】前記方法Iでは、前記遷移金属含有ゼオラ
イトスラリーに、上記のようにして所定の塩基性金属化
合物を添加後、該スラリー液のpHを上昇させる。な
お、このpHの上昇操作は、該塩基性金属化合物を添
加、攪拌後、できるだけ速やかに実施することが望まし
い。これを怠ると、場合によっては塩基性金属化合物の
金属イオンがゼオライトのカチオン交換サイトにイオン
交換されてしまい、所望の十分な酸性質が得られなくな
る。
【0070】一方、前記方法IIでは、前記所定の原料
ゼオライトを、水若しくは酸性水溶液に懸濁してpHが
1.0〜6.8のスラリー状態とした後、該スラリー
に、周期表VIA族金属及びVIII族金属からなる群
から選定された少なくとも1種の遷移金属の化合物と、
Mg、Ca、Sr、Ba、B、Al及びGaからなる群
から選定された1種又は2種以上の金属の化合物であっ
て、焼成後に塩基性を有する酸化物を形成する化合物を
添加し、その後、そのスラリー液のpHを上昇させる。
すなわち、この方法IIの場合には、該遷移金属化合物
と前記塩基性金属化合物を同時に担持することになる
が、他の点では、方法Iと同様にして行ってよい。ただ
し、この方法IIの場合、前記遷移金属化合物と塩基性
金属化合物の添加の順序は、任意でよく、どちらを先に
添加してもよく、同時に添加してもよいが、いずれにし
ても、上記同様の理由によって該塩基性金属化合物を添
加した後に、できるだけ速やかにスラリー液のpHを上
昇させることが望ましい。
【0071】方法I及び方法IIのいずれの場合にも、
前記pHの上昇は、通常、アンモニア(通常は、アンモ
ニア水を使用するのが好適である)や水溶性アミン、炭
酸アンモニウム等の塩基性窒素化合物の添加によること
が好ましく、特にアンモニア水が好ましいが、必ずし
も、これに限定されるものではなく、場合に応じて、例
えば、NaOH水溶液等の他の塩基性化合物を使用して
もよいし、あるいは、これらと上記の塩基性窒素化合物
と併用してもよい。
【0072】こうしたアンモニア水等の塩基性化合物の
添加によって、上記塩基性金属化合物を添加したスラリ
ー液のpHを上昇させるが、そのスラリー液のpHの上
昇をどの程度行えばよいかは、用いる塩基性金属化合物
の種類及び濃度、スラリー濃度、pH上昇前のスラリー
液のpH値等の様々な条件に依存するので、一律に定め
ることができない。通常は、該スラリーのpHの上昇操
作は、その上昇前のpH値と上昇後のpH値(pHを段
階的若しくは逐次的に上昇させる場合には最終のpH
値:以下、同様)の差が、2.0〜7.0程度となるよ
うに実施するのが好適あり、しかも、そのpH上昇後の
スラリー液のpH値が、4.0〜12.0、好ましく
は、6.0〜10.0の範囲になるように行うのが望ま
しい。
【0073】このpH上昇後のスラリー液のpH値が
4.0未満では、添加した塩基性金属化合物の金属イオ
ンがゼオライトのカチオン交換サイトにイオン交換され
やすくなり、所望の酸量(特に、プロトン酸量)の確保
が困難になるし、一方、そのpH値が12.0を超える
とゼオライトの結晶構造が破壊される恐れがある。
【0074】方法I及びIIのいずれの場合にも、上記
のようにスラリー液のpHを上昇させた後、該スラリー
を攪拌若しくは混練しながら脱水し、乾燥することによ
って所定の成分をゼオライトに担持する。
【0075】この脱水及び乾燥は、常法によって行って
よく、通常の加熱方式、温風や熱風による加熱、減圧に
よる方法等、あるいはこれらの組み合わせ方式など様々
な手段によって行うことができる。乾燥温度は、通常、
40〜200℃、好ましくは、70〜120℃の範囲に
選定する好適である。この乾燥温度は、あまり低過ぎて
も、高すぎても操作上不利となるし、担持状態が悪化す
る恐れがある。
【0076】その後、適当な条件で焼成することによっ
て本発明のゼオライト触媒を得る。
【0077】この焼成は、通常は空気中若しくは空気気
流中で行うが、場合によっては、酸素若しくは酸素含有
ガスなで行ってもよい。いずれにしても、少なくとも前
記塩基性金属化合物が酸化物になる条件で行う。
【0078】焼成温度は、通常、300〜900℃、好
ましくは、450〜650℃の範囲に、焼成時間は0.
5〜時間、好ましくは1.5〜3時間20選定するのが
適当である。焼成温度があまり高すぎたり、焼成時間が
あまり長過ぎたりすると、ゼオライトの構造が破壊され
たり、担持成分の分散性が低下するなどの支障を生じや
すい。該焼成温度があまり低過ぎたり、焼成時間があま
り短か過ぎたりすると、場合によっては、塩基性金属化
合物が十分に酸化物化しないことがあるし、また、遷移
金属化合物の活性成分あるいはその前駆体への変換が不
十分となったり、あるいは、ゼオライトのNH4 +成分の
+への分解が不十分となったり、更には、用いた有機
成分の燃焼が不十分のため炭素質の残留が無視できなく
なるなどの問題を生じやすい。
【0079】ただし、こうした問題が生じない原料及び
条件を選定するならば、低温の焼成でも十分となる場合
があるし、特に、焼成を行うことなく乾燥後の段階で、
所望の物性を有するゼオライト触媒を得ることもでき
る。
【0080】なお、前記したように、この焼成若しくは
乾燥を完了させる前に、担持物を適宜所望のプロセスの
適合した形状及びサイズに成形してもよい。その際、必
要に応じて、前記したように、適当なバインダーを用い
て成形してもよい。更に、必要に応じて、本発明のゼオ
ライト触媒あるいはその前駆体に、本発明の目的を阻害
しない範囲で、上記以外の他の成分を含有させてもよ
い。
【0081】こうして得たゼオライト触媒は、そのまま
各種の触媒反応に使用する場合もあるし、例えば、水素
還元処理等の常用される前処理(活性化処理等)を行っ
てから使用される場合も多い。
【0082】ところで、本発明のゼオライト触媒を製造
するための方法は、必ずしも、上記方法Iと方法IIに
限定されるものではない。例えば、前記遷移金属の担持
は、原料ゼオライトに上記方法Iと同様にして塩基性金
属化合物を担持した後、乾燥若しくは焼成後に、行って
もよいし、あるいは、予め所定の遷移金属含有ゼオライ
トがある場合には、これに所定の塩基性金属化合物を方
法Iと同様にして担持してもよいし、様々な変形が可能
である。
【0083】
【実施例】以下、本発明の実施例とその比較例を示し、
これらによって本発明を更に具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0084】実施例1 Na2O含量1.2重量%、SiO2/Al23=5.0
(モル比)のNH4−Y型ゼオライト80g及び濃度
1.0mol/lの硝酸第二鉄水溶液800mlを75
℃で2時間攪拌して接触処理を行った。次いで濾過し、
20倍量の温水にて洗浄したスラリー(pH4.1、ス
ラリー濃度36%)に、所定量の硝酸マグネシウム水溶
液を添加した後(添加した硝酸マグネシウム水溶液の濃
度:1.0mol/l)、直ちにスラリーのpHが6.
1になるようにアンモニア水を添加した。攪拌、乾燥
後、550℃で3時間焼成してゼオライト触媒Aを得
た。
【0085】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。なお、
以下の実施例も同様に、これらの物性は、前記したそれ
ぞれの方法によって求めたものである。
【0086】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、以下の方法及び条件で、n−オクタンの異
性化反応を行った。その結果は、表2に示す。
【0087】なお、n−オクタン等のパラフィンの異性
化反応は、弱い酸点では起こらず適度に強い酸点(特に
プロトン酸)が十分量あることを要求する反応である
が、極端に強い酸点があると非選択的な分解反応を起こ
すので異性化選択性は低下する。したがって、この反応
におけるn−オクタンの転化率とイソオクタン類等の分
岐パラフィンの収率(異性化選択率)を見ることによっ
て、ゼオライト触媒の酸性質の制御の良否を的確に判断
・評価することができる。なお、その際、遷移金属や塩
基点がこの反応段階における脱水素及び水素化を助長す
ることがあることも知られている。したがって、この場
合の異性化反応は、水素化異性化反応とも呼ばれる。
【0088】n−オクタンの異性化反応:方法及び条件 ・触媒量:60mg; ・反応装置:パルス式反応装置 ・触媒の前処理:H2気流中で400℃,1時間 ・反応温度:350℃ ・反応方法:パルス法,H2気流(80cc/min)
中にn−オクタン1μlをパルス状に注入 ・生成物分析:ガスクロマトグラフを用いて行った。 その結果を表2に示す。
【0089】実施例2 Na2O含量1.2重量%、SiO2/Al23=5.0
(モル比)のNH4−Y型ゼオライト2kgをロータリ
ーキルン内に投入し、700℃、3時間セルフスチーミ
ング処理を行った。次にスチーミング処理したゼオライ
ト400gに濃度1.0mol/lの硝酸第二鉄水溶液
4kg及び硝酸をゼオライト1kgあたり10mol量
導入し、75℃、2時間攪拌処理した。次いで、濾過
し、20倍量の温水にて洗浄したスラリー(pH3、ス
ラリー濃度38%)に、所定量の硝酸カルシウム水溶液
を添加した後(添加した硝酸カルシウム水溶液の濃度:
1.0mol/l)、直ちにスラリーのpHが6.9に
なるようにアンモニア水を添加した。次いで、150℃
で攪拌、乾燥した後、550℃で3時間焼成してゼオラ
イト触媒Bを得た。
【0090】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0091】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0092】実施例3 Na2O含量1.2重量%、SiO2/Al23=5.0
(モル比)のNH4−Y型ゼオライト2kgをロータリ
ーキルン内に投入し、水蒸気分圧0.5kg/cm2
温度650℃で3時間スチーミング処理を行った。次に
スチーミング処理したゼオライト400gを、純水5k
gに懸濁させ、攪拌下で75℃にし、硝酸をゼオライト
1kgあたり12mol量導入した。導入終了後、30
分間、75℃に保持した後、濾過して脱アルミニウムゼ
オライトスラリーを得た(pH2.2、スラリー濃度3
2%)。次にこの脱アルミニウムゼオライトスラリーに
所定量の硝酸ストロンチウム水溶液及び硝酸ニッケル水
溶液を添加した後(添加した硝酸ストロンチウム水溶液
の濃度:1.0mol/l)、スラリーのpHが5.4
になるようにアンモニア水を添加した。次いで130℃
で混練、攪拌した後、550℃で3時間焼成してゼオラ
イト触媒Cを得た。
【0093】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0094】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0095】実施例4 実施例3で得た脱アルミニウムゼオライトスラリーに、
所定量の硝酸バリウム水溶液及び硝酸コバルト水溶液を
添加した後(添加した硝酸バリウム水溶液の濃度:1.
0mol/l)、スラリーのpHが6.1になるように
アンモニア水を添加した。次いで130℃で混練、攪拌
した後、550℃で3時間焼成してゼオライト触媒Dを
得た。
【0096】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0097】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0098】実施例5 実施例3で得た脱アルミニウムゼオライトスラリーに、
所定量のホウ酸水溶液及び硝酸コバルト水溶液を添加し
た後(添加したホウ酸水溶液の濃度:1.2mol/
l)、スラリーのpHが7.8になるようにアンモニア
水を添加した。次いで130℃で混練、乾燥した後、5
50℃で3時間焼成してゼオライト触媒Eを得た。
【0099】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0100】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0101】実施例6 Na2O含量1.2重量%、SiO2/Al23=5.0
(モル比)のNH4−Y型ゼオライト80g及び濃度
1.0mol/lの硝酸第二鉄水溶液800mlを75
℃で2時間攪拌して接触処理を行った。次いで濾過し、
20倍量の温水にて洗浄したスラリー(pH4.1、ス
ラリー濃度36%)に、所定量の非晶質アルミナゲルを
添加した後(添加したアルミナの濃度:1.5mol/
l)、直ちにスラリーのpHが6.4になるようにアン
モニア水を添加した。攪拌、乾燥後、550℃で3時間
焼成してゼオライト触媒Fを得た。
【0102】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0103】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0104】実施例7 Na2O含量1.2重量%、SiO2/Al23=5.0
(モル比)のNH4−Y型ゼオライト2kgをロータリ
ーキルン内に投入し、水蒸気分圧0.5kg/cm2
温度650℃で3時間スチーミング処理を行った。次に
スチーミング処理したゼオライト400gを、純水5k
gに懸濁させ、攪拌下で75℃にし、硝酸をゼオライト
1kgあたり12mol量を導入した。導入終了後、3
0分間75℃に保持した後、濾過して脱アルミニウムゼ
オライトを得た。この脱アルミニウムゼオライトを濃度
1.0mol/lの硝酸ニッケル水溶液500ccに懸
濁させ、攪拌下で75℃にした後、水溶液のpHが5.
8になるようにアンモニア水溶液を添加した。添加終了
後、75℃で30分間保持した後、濾過することにより
Ni含有ゼオライトスラリーを得た(pH2.2、スラ
リー濃度32%)。次にこのNi含有ゼオライトスラリ
ーに、所定量の硝酸ガリウム水溶液を添加した後(添加
した硝酸ガリウム水溶液の濃度:1.0mol/l)、
スラリーのpHが8.3になるようにアンモニア水を添
加した。次いで130℃で混練、乾燥した後、550℃
で3時間焼成してゼオライト触媒Gを得た。
【0105】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0106】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0107】比較例1 Na2O含量1.2重量%、SiO2/Al23=5.0
(モル比)のNH4−Y型ゼオライト80gを1Mの酢
酸マグネシウム水溶液に導入し、室温で24時間イオン
交換することを3回繰り返した。イオン交換後、濾過、
乾燥したMg担持ゼオライトに所定量の硝酸ニッケルを
含浸担持した。その後、550℃で3時間焼成してゼオ
ライト触媒Hを得た。
【0108】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0109】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0110】比較例2 Na2O含量1.2重量%、SiO2/Al23=5.0
(モル比)のNH4−Y型ゼオライト2kgをロータリ
ーキルン内に投入し、700℃、3時間セルフスチーミ
ング処理を行った。次にスチーミング処理したゼオライ
ト400gに硝酸をゼオライト1kgあたり10mol
量導入し、75℃で2時間攪拌処理した。次いで、濾過
し、20倍量の温水にて洗浄して、脱アルミニウムゼオ
ライトを得た。この脱アルミニウムゼオライト80gを
800ccの1M硝酸マグネシウム水溶液に導入し、室
温で24時間イオン交換を行い、得られたMg担持ゼオ
ライトに所定量の硝酸ニッケルを含浸担持した。その
後、550℃で3時間焼成してゼオライト触媒Iを得
た。
【0111】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0112】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0113】比較例3 比較例2で得た脱アルミニウムゼオライトに所定量の硝
酸マグネシウム水溶液及び硝酸ニッケル水溶液を用いて
含浸担持を行った。次にこのMg/Ni担持ゼオライト
を550℃で3時間焼成してゼオライト触媒Jを得た。
【0114】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0115】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0116】比較例4 比較例2で得た脱アルミニウムゼオライト80gを80
0ccの0.1M酢酸ナトリウム水溶液に導入し、室温
で24時間イオン交換を行った。得られたNa担持ゼオ
ライトに所定量の硝酸ニッケル水溶液を含浸担持した。
次にこのNa/Ni担持ゼオライトを550℃で3時間
焼成してゼオライト触媒Kを得た。
【0117】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0118】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0119】比較例5 比較例2で得た脱アルミニウムゼオライト80gを80
0ccの0.1M酢酸カルシウム水溶液に導入し、室温
で24時間イオン交換を行った。得られたCa担持ゼオ
ライトに所定量の硝酸ニッケル水溶液を含浸担持した。
次にこのCa/Ni担持ゼオライトを550℃で3時間
焼成してゼオライト触媒Lを得た。
【0120】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0121】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0122】比較例6 比較例2で得た脱アルミニウムゼオライト80gを80
0ccの0.1M酢酸バリウム水溶液に導入し、室温で
24時間イオン交換を行った。得られたBa担持ゼオラ
イトに所定量の硝酸バリウム水溶液及び硝酸ニッケル水
溶液を含浸担持した。次にこのBa/Ni担持ゼオライ
トを550℃で3時間焼成してゼオライト触媒Mを得
た。
【0123】こうして得たゼオライト触媒における塩基
性金属酸化物と遷移金属の担持量を表1に示す。また、
該ゼオライト触媒の主要な物性も表1に示した。
【0124】次に、上記のゼオライト触媒の触媒性能を
評価すべく、実施例1に示す方法及び条件で同様にし
て、n−オクタンの異性化反応を行った。その結果は、
表2に示す。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】
【発明の効果】本発明のゼオライト触媒は、各種の結晶
性アルミノシリケート系ゼオライト、特に、予め脱アル
カリされたものや脱アルミニウムにより耐水熱性を向上
させたものに、水素化活性等を有する周期表VIA族金
属及び/又はVIII族金属からなる活性成分が有効に
担持されていると共に、ゼオライトに特有の優れた酸触
媒機能や形状選択性等の優れた触媒機能を実質的に損な
うことなしに過度の強酸点が効果的に温和化されるよう
に適当な塩基性金属酸化物がうまく担持されている新規
な高機能・高性能ゼオライト触媒である。したがって、
これら本発明のゼオライト触媒は、ゼオライトに特有の
優れた酸触媒機能及び形状選択性機能、遷移金属特有の
優れた金属触媒機能、塩基触媒機能を発揮する上に、強
酸点の温和化効果によってコーキングや副反応が効果的
に抑制できるなど優れた利点を有しているので、極めて
広範囲の多種多様な触媒反応に有利に適用できる。特
に、例えばパラフィンやオレフィンの骨格異性化、芳香
族化、不均化、選択的水素化分解(水添クラッキン
グ)、芳香族化合物のアルキル化、脱アルキル化、異性
化、不均化、選択的水素化分解等のコーキングや副生成
物の生成を抑制したい反応に有利に適用することができ
る。
【0128】また、本発明によると、上記の優れた触媒
機能及び性能を発揮する本発明の各種のゼオライト触媒
を、簡単な操作で効率よく製造する方法を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−212494(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 C01B 39/00 - 39/54

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アルカリ金属含有量が酸化物として
    5.0重量%以下であり、かつ、プロトン酸性質を有す
    る結晶性アルミノシリケート系ゼオライトからなり、
    (b)該ゼオライトには、Mg、Ca、Sr、Ba、
    B、Al及びGaからなる群から選定された少なくとも
    1種の金属が塩基性を示す酸化物の形態でゼオライト結
    晶格子外成分として0.05〜10.0重量%担持され
    ており、更に、(c)該ゼオライトには、周期表VIA
    族金属及びVIII族金属からなる群から選定された少
    なくとも1種の遷移金属が担持されているゼオライト触
    媒であって、かつ、(d)該触媒における前記ゼオライ
    ト成分のゼオライト骨格Al原子1モルあたりのNa+
    に対するイオン交換容量Eが、モル比(Na+/骨格A
    l)で表して、0.1以上であり、(e)該ゼオライト
    触媒のBET比表面積が350m2/g以上で、細孔容
    積が0.1cm3/g以上であり、(f)該ゼオライト
    触媒のNH3−TPD酸性度[A]が0.1mmol/
    g以上で、CO2−TPD塩基性度[B]が0.1mm
    ol/g以上で、かつ、塩基性度比{[B]/([A]
    +[B])}が0.1〜0.6の範囲にあることを特徴
    とする新規ゼオライト触媒。
  2. 【請求項2】 前記結晶性アルミノシリケート系ゼオラ
    イトが、SiO2/Al23比(モル比)が4〜200
    の範囲にあるゼオライトである請求項1に記載のゼオラ
    イト触媒。
  3. 【請求項3】 前記結晶性アルミノシリケート系ゼオラ
    イトが、Y型ゼオライト若しくはY型ゼオライトから誘
    導されたものである請求項1又は2に記載のゼオライト
    触媒。
  4. 【請求項4】 脱アルカリ及び/又は脱アルミニウム処
    理されたゼオライトを原料として用いて調製した請求項
    1〜3いずれかに記載のゼオライト触媒。
  5. 【請求項5】 SiO2/Al23モル比が4〜200
    であり、アルカリ金属含有量が酸化物として5.0重量
    %以下である結晶性アルミノシリケート系ゼオライト
    に、周期表VIA族金属及びVIII族金属からなる群
    から選定された少なくとも1種の遷移金属を化合物及び
    /又は高分散金属の形態で担持した後に、該遷移金属含
    有ゼオライトを、水若しくは酸性水溶液に懸濁してpH
    が1.0〜6.8のスラリー状態とし、該スラリーに、
    Mg、Ca、Sr、Ba、B、Al及びGaからなる群
    から選定された少なくとも1種の金属の化合物であっ
    て、焼成によって塩基性を有する酸化物を形成する化合
    物を添加後、そのスラリー液のpHを上昇させ、その
    後、攪拌若しくは混練しながら脱水し、乾燥後、焼成す
    ることを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載のゼ
    オライト触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 SiO2/Al23モル比が4〜200
    であり、アルカリ金属含有量が酸化物として5.0重量
    %以下である結晶性アルミノシリケート系ゼオライト
    を、水若しくは酸性水溶液に懸濁してpHが1.0〜
    6.8のスラリー状態とした後、該スラリーに、周期表
    VIA族金属及びVIII族金属からなる群から選定さ
    れた少なくとも1種の遷移金属の化合物と、Mg、C
    a、Sr、Ba、B、Al及びGaからなる群から選定
    された少なくとも1種の金属の化合物であって、少なく
    とも焼成後に塩基性を有する酸化物を形成する化合物を
    添加後、そのスラリー液のpHを上昇させ、その後、攪
    拌若しくは混練しながら脱水し、乾燥後、焼成すること
    を特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載のゼオライ
    ト触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記スラリー液のpHの上昇を、塩基性
    窒素化合物を添加することによって行う請求項5又は6
    に記載の、ゼオライト触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記原料として用いる結晶性アルミノシ
    リケート系ゼオライトが、NH4型若しくはH型のY型
    ゼオライトである請求項5〜7いずれかに記載の、ゼオ
    ライト触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記原料として用いる結晶性アルミノシ
    リケート系ゼオライトが、脱アルカリ及び/又は脱アル
    ミニウム処理したゼオライトである請求項5〜8いずれ
    かに記載の、ゼオライト触媒の製造方法。
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