JP6739964B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
トナーの低温定着性を改善するための一般的な方法としては、使用する結着樹脂のガラス転移温度(Tg)を低くする方法が挙げられる。しかしながら、単に結着樹脂のTgを低下させるだけでは低温での離型性が不足するため、Tg低下による粘度低下の効果が発揮される前に定着部材へのコールドオフセット(低温オフセット)が発生してしまう。これを防ぐためには、定着時の離型剤の表面への染み出しを速くする必要がある。例えば、より融点の低い離型剤を用いてこれを達成しようとした場合、定着時の染み出しが速くなると同時に保存中にも離型剤のトナー表面への染み出しが起こりやすくなり、耐熱保存性との両立が困難になる。
そこで、離型剤の上記のような弊害を防ぐために、離型剤の融点を下げずにトナー中での分散状態を制御することによって、離型剤の染み出しを向上させる試みが行われている。
特許文献1では、ポリエステル結着樹脂中での炭化水素ワックスの分散性を向上させるためにワックス分散剤を用いる方法が提案されている。特許文献2では、水系媒体中でトナー製造を行う方法である乳化凝集法においてスチレン/アクリル系バインダーを用いたトナー中にワックスを分散させる方法が提案されている。特許文献3では、水系媒体中でトナー製造を行う方法である懸濁重合法においてトナー中にワックスを分散させる方法が提案されている。
特許文献2は、スチレン/アクリル系結着樹脂を用いて水系媒体中でトナー製造を行う乳化凝集法によるものである。水系媒体を用いる方法であっても、溶解懸濁法や懸濁重合法とはワックスを導入する方法が異なるため、これらの方法への適用は難しいものと考えられる。
特許文献3では、ワックスを予め液中で機械的に粉砕した後に、これを用いて懸濁重合法によるトナー製造を行うことによって、トナー中にワックスを微分散させることができる。しかしこの方法が適用できるワックスは高融点のものだけであるので、低温定着性の向上という目的に用いることは難しいと考えられる。
以上のように、水系媒体を用いるトナー製法のうち、懸濁重合法によるトナーの製造法において、ワックスが低温定着性を向上させるに十分な分散状態を有するトナーを得る方法は未だ提案されていなかった。
本発明は、上述した従来の問題点を解決したトナーを提供するものである。即ち、本発明は、懸濁重合法によるトナーの製造方法においても、トナー中でのワックス分散性がよく、低温定着時の離型性に優れ、コールドオフセットの発生が著しく抑制されたトナーの製造方法を提供することを目的とする。
該製造方法が、
該ワックスを有機溶媒に分散させて、分散された該ワックスの体積平均粒径が1.00μm以下であるワックス分散液を用意する第一の工程、及び
該結着樹脂を形成し得る重合性単量体、第1の重合開始剤、第2の重合開始剤及び該ワックス分散液を含む重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒し、該重合性単量体を重合することによってトナー粒子を得る第二の工程、
を有し、
該第二の工程が、
該重合性単量体の重合転化率が50%に到達するまでは、温度T1(℃)で、該重合性単量体を重合させる工程、及び
該重合性単量体の重合転化率が50%に到達した以降は、該温度T1 (℃)より温度を上げて、該重合性単量体を重合させ、温度T2(℃)まで到達させる工程、
を有し、
該温度T1 (℃)が、該ワックスの融点Tm(℃)未満であり、
該第1の重合開始剤の10時間半減期温度を温度T 10 (℃)としたときに、該温度T 1 (℃)及び該温度T 10 (℃)が、下記式(1)を満たし、
T 10 <T 1 ≦T 10 +20 (1)
該温度T2 (℃)が、該ワックスの融点Tm以上であり、
該温度T1 (℃)における、該重合性単量体に対する該ワックスの溶解度が、0.5%以下であり、
該第2の重合開始剤の10時間半減期温度を温度T’ 10 (℃)としたときに、該温度T 2 (℃)、該温度T 10 (℃)及び該温度T’ 10 (℃)が、下記式(3)の関係を満たす
T 10 <T’ 10 <T 2 (3)
ことを特徴とするトナーの製造方法に関する。
有機溶媒およびワックスを分散装置に投入し、ワックスが有機溶媒中に分散されたワックス分散液を調製する。有機溶媒としては重合性単量体を用いることもでき、また、他の有機溶媒と重合性単量体との混合物として用いることもできる。ワックスを重合性単量体中に分散させることが好ましい。分散装置としてはワックスを有機溶媒中で粉砕できるものなら、どのようなものでも用いることができる。例えば、フィルミックス(プライミクス社製)、マイルダー(マツボー社製)やキャビトロン(太平洋機工社製)などの粉砕媒体を用いない分散機を用いることができる。また、粉砕媒体を用いる分散機としては湿式アトライタ(日本コークス工業社製)、ハンディミル(日本コークス工業社製)、SCミル(日本コークス工業社製)、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)、スターミル(アシザワ・ファインテック社製)、OBミル(マツボー社製)などを用いることができる。
結着樹脂を形成し得る重合性単量体、ワックス分散液、着色剤などを混合し、重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体または有機溶媒中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。上記重合性単量体組成物中には必要に応じて極性樹脂、顔料分散剤、荷電制御剤等を適宜加えることが出来る。
分散安定剤を含む水系分散媒を調製し、高剪断力を有する撹拌機を設置した撹拌槽に投入し、ここに重合性単量体組成物を添加し、撹拌することにより分散させ重合性単量体組成物分散液とする。重合性単量体組成物の分散液滴径の分布は、得られるトナー粒子の粒径分布にそのまま反映されるので、重合性単量体組成物の分散液滴径を均一にすることが重要である。
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程において重合性単量体を重合することにより、トナー粒子分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。重合工程には重合開始剤を用いるが、重合工程のいずれかの時期に投入することもできれば、前述の造粒工程の途中で投入してもよい。
T10<T1≦T10+20 (1)
T10<T’10<T2 (3)
を満たすことが好ましい。この関係を満たすことで、トナー粒子中に残留する未反応の重合性単量体をより低減できる。
重合工程が終了したトナー粒子分散液中から未反応の重合性単量体などを除去するために、揮発成分除去工程を行ってもよい。揮発成分除去工程は樹脂粒子分散液を撹拌手段が設置された撹拌槽で加熱、撹拌することによって行う。揮発成分除去工程時の加熱条件は重合性単量体など除去したい成分の蒸気圧を考慮し適宜調節される。揮発成分除去工程は常圧または減圧下で行うことができる。
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子分散液を酸又はアルカリで処理をする。トナー粒子から分散安定剤を除去した後、一般的な固液分離法によりトナー粒子を水系媒体と分離するが、酸又はアルカリ、及びそれらに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加してトナー粒子を洗浄することが好ましい。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥してもよい。
こうして得られたトナー粒子に、さらにシャープな粒度分布を要求される場合には風力分級機などで分級工程を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート、及び、アクリル酸の如きアクリル系重合性単量体類(アクリル系単量体);
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート、及び、メタクリル酸の如きメタクリル系重合性単量体類(メタクリル系単量体);
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、及び、ジビニルエーテルが挙げられる。
1.5≦As≦18.0 (4)
を満たすことが好ましい。Asをこの範囲とすることで、コールドオフセットの抑制と耐熱保存性をより良好に両立することができる。
35≦Tg≦75 (2)
を満たすことが好ましい。この関係を満たすことで、ワックスの良好な分散と定着時のトナーの十分な粘度低下を両立することができ、コールドオフセットをより抑制することができる。
トナー中の重合性単量体の重合転化率の測定は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、以下のようにして測定する。
GC:島津製作所社 GC−14A
カラム:J&W Scientific社 DB−WAX(249μm×0.25μm×30m)
キャリアーガス:N2
オーブン:(1)70℃で2分ホールド、(2)5℃/分で220℃まで昇温
注入口:200℃
スプリット比:1:20
検出器:200℃(FID)
トナー中の残留モノマーの定量は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、以下のようにして測定する。
GC:HP社 6890GC
カラム:HP社 INNOWax(200μm×0.40μm×25m)
キャリアーガス:He(コンスタントプレッシャーモード:20psi)
オーブン:(1)50℃で10分ホールド、(2)10℃/分で200℃まで昇温、(3)200℃で5分ホールド
注入口:200℃、パルスドスプリットレスモード(20→40psi、until0.5分)
スプリット比:5.0:1.0
検出器:250℃(FID)
ワックスの融点Tmは、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
トナーのガラス転移温度Tgは、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、トナー5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲20℃から140℃の間で、下記の設定でモジュレーション測定を行う。
昇温速度1℃/min
振幅温度幅±0.318℃/min
トナー中のワックス粒径およびAsは、トナー断面の透過型電子顕微鏡観察から求めた。ワックスによって形成されたドメインの断面積からワックス粒径およびAsを算出し、任意に選択したトナー10個の平均値をもって評価した。詳細には、トナーを可視光硬化性包埋樹脂(D−800、日新EM社製)で包埋し、超音波ウルトラミクロトーム(EM5、ライカ社製)により60nm厚に切削し、真空染色装置(フィルジェン社製)によりRu染色を行った。その後、透過型電子顕微鏡(H7500、日立社製)により加速電圧120kVで観察を行った。観察するトナーは、重量平均粒径から±2.0μm以内のものを10個選んで撮影を行った。得られた画像に画像処理ソフトを用い、ワックスのドメインとバインダーの領域の区別を明確化した。ワックスのドメインから任意に10個を選び、最も短い径を計測し、その平均値をもってワックスの分散粒径とした。また、表層からの深さ1.0μmの表層近傍領域を残しマスキングを行い、残った表層近傍領域の面積におけるワックスのドメインの占有面積百分率を算出しこれをAsとした。
ワックスの重合性単量体に対する溶解度とは、ある温度において、ワックスが重合性単量体100gに溶解する最大の質量(g)をいう。具体的には、以下に示す方法で溶解度を求める。
溶解度(%)=W(g)÷1(g)×100
ワックスの微粒子等の粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用い、0.001μm〜10μmのレンジ設定で測定を行い、体積平均粒子径(μm)として測定する。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
スチレン単量体 39.0部
フィッシャートロプシュワックス(融点:77℃) 9.0部
上記の成分を温度調節可能な撹拌タンクに投入し、粉砕媒体を用いる湿式粉砕装置であるSCミル(日本コークス工業社製)を途中に組み込んだ循環ラインにポンプで移送し、120分間循環させることによってワックス分散工程を行った。SCミルには直径0.8mmのジルコニアビーズを用い、ローター周速を18.0m/s、液の循環流量を4.5kg/minとし、ワックス分散工程時の液温が40℃以下となるよう温度調節した。このとき、ワックスの溶解度は0.3%であった。また、分散されたワックスの体積平均粒径は0.30μmであった。
表1に示す条件とした他はワックス分散液1の調製と同様にしてワックス分散液2〜7および9〜17を調製した。分散工程中のワックスの溶解度および分散されたワックスの体積平均粒径を各々表1に示す。
スチレン単量体 39.0部
フィッシャートロプシュワックス(融点:77℃) 9.0部
上記の成分を温度調節可能な撹拌タンクに投入し、粉砕媒体を用いない湿式粉砕装置であるキャビトロン(太平洋機工社製)を途中に組み込んだ循環ラインにポンプで移送し、120分間循環させることによってワックス分散工程を行った。キャビトロンのローター周速を40.0m/s、液の循環流量を4.5kg/minとし、工程の間中液温が40℃以下となるよう温度調節した。このとき、ワックスの溶解度は0.3%であった。また、分散されたワックスの体積平均粒径は0.85μmであった。
<トナー粒子1の製造>
・スチレン 39.0部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5部
・サリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE−88:オリエント化学社製)0.5部
上記の組成物を15mmのセラミックビーズを入れた湿式アトライタ(日本コークス工業製)に投入し120分間分散した。得られたものと下記を混合し、重合性単量体組成物を調製した。
・ワックス分散液1 48.0部
・n−ブチルアクリレート 22.0部
・極性樹脂 4.0部
(スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(質量比95:2:2:3)、酸価10mgKOH/g、ガラス転移点(Tg):80℃、重量平均分子量(Mw):15000)
<トナー粒子2の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液2を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子2の製造を行った。得られたトナー粒子2の物性を表2に示す。
<トナー粒子3の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液3を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子3の製造を行った。得られたトナー粒子3の物性を表2に示す。
<トナー粒子4の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液4を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子4の製造を行った。得られたトナー粒子4の物性を表2に示す。
<トナー粒子5の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液5を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子5の製造を行った。得られたトナー粒子5の物性を表2に示す。
<トナー粒子6の製造>
トナー粒子1の製造において添加する重合開始剤をt−アミルパーオキシネオデカノエート(10時間半減期温度T10:46℃)7.4部およびt−ブチルパーオキシピバレート(10時間半減期温度T’10:58℃)5.0部に変更した。それ以外は、トナー粒子1の製造と全く同様の方法によってトナー粒子6の製造を行った。得られたトナー粒子6の物性を表2に示す。
<トナー粒子7の製造>
トナー粒子1の製造において添加する重合開始剤を2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(10時間半減期温度T10:51℃)7.1部およびt−ブチルパーオキシピバレート(10時間半減期温度T’10:58℃)5.0部に変更した。それ以外は、トナー粒子1の製造と全く同様の方法によってトナー粒子7の製造を行った。得られたトナー粒子7の物性を表2に示す。
<トナー粒子8の製造>
トナー粒子1の製造において添加する重合開始剤を3−ヒドロキシ−1,1ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート(10時間半減期温度T10:37℃)16.6部のみとした。それ以外は、トナー粒子1の製造と全く同様の方法によってトナー粒子8の製造を行った。得られたトナー粒子8の物性を表2に示す。
<トナー粒子9の製造>
トナー粒子1の製造において添加する重合開始剤を3−ヒドロキシ−1,1ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート(10時間半減期温度T10:37℃)8.3部およびt−アミルパーオキシアセテート(10時間半減期温度T’10:100℃)4.2部に変更した。それ以外は、トナー粒子1の製造と全く同様の方法によってトナー粒子9の製造を行った。得られたトナー粒子9の物性を表2に示す。
<トナー粒子10の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液6を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子10の製造を行った。得られたトナー粒子10の物性を表2に示す。
<トナー粒子11の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液7を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子11の製造を行った。得られたトナー粒子11の物性を表2に示す。
<トナー粒子12の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液8を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子12の製造を行った。得られたトナー粒子12の物性を表2に示す。
<トナー粒子13の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液9を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子13の製造を行った。得られたトナー粒子13の物性を表2に示す。
<トナー粒子14の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液10を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子14の製造を行った。得られたトナー粒子14の物性を表2に示す。
<トナー粒子15の製造>
トナー粒子1の製造においてスチレンの添加量を32.0部、n−ブチルアクリレートの添加量を29.0部に換えた他は、全く同様の方法によってトナー粒子15の製造を行った。得られたトナー粒子15の物性を表2に示す。
<トナー粒子16の製造>
トナー粒子1の製造においてスチレンの添加量を50.0部、n−ブチルアクリレートの添加量を11.0部に換えた他は、全く同様の方法によってトナー粒子16の製造を行った。得られたトナー粒子16の物性を表2に示す。
<トナー粒子17の製造>
トナー粒子1の製造においてスチレンの添加量を31.0部、n−ブチルアクリレートの添加量を30.0部に換えた他は、全く同様の方法によってトナー粒子17の製造を行った。得られたトナー粒子17の物性を表2に示す。
<トナー粒子18の製造>
トナー粒子1の製造においてスチレンの添加量を51.0部、n−ブチルアクリレートの添加量を10.0部に換えた他は、全く同様の方法によってトナー粒子18の製造を行った。得られたトナー粒子18の物性を表2に示す。
<トナー粒子19の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液11を用い、T1を45℃とした他は、全く同様の方法によってトナー粒子19の製造を行った。得られたトナー粒子19の物性を表2に示す。
<トナー粒子20の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液12を用い、T1を45℃とした他は、全く同様の方法によってトナー粒子20の製造を行った。得られたトナー粒子20の物性を表2に示す。
<トナー粒子21の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液13を用い、T2を100℃とした他は、全く同様の方法によってトナー粒子21の製造を行った。得られたトナー粒子21の物性を表2に示す。
<トナー粒子22の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液14を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子22の製造を行った。得られたトナー粒子22の物性を表2に示す。
<トナー粒子23の製造>
トナー粒子1の製造においてT2を80℃とした他は、全く同様の方法によってトナー粒子23の製造を行った。得られたトナー粒子23の物性を表2に示す。
<トナー粒子24の製造>
トナー粒子1の製造においてT1を40℃とした他は、全く同様の方法によってトナー粒子24の製造を行った。得られたトナー粒子24の物性を表2に示す。
<トナー粒子25の製造>
トナー粒子1の製造においてT1を55℃とした他は、全く同様の方法によってトナー粒子25の製造を行った。得られたトナー粒子25の物性を表2に示す。
<トナー粒子26の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液15を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子26の製造を行った。得られたトナー粒子26の物性を表2に示す。
<トナー粒子27の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液16を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子27の製造を行った。得られたトナー粒子27の物性を表2に示す。
<トナー粒子28の製造>
トナー粒子1の製造においてT2を75℃とした他は、全く同様の方法によってトナー粒子28の製造を行った。得られたトナー粒子28の物性を表2に示す。
<トナー粒子29の製造>
トナー粒子1の製造においてT1を35℃とした他は、全く同様の方法によってトナー粒子29の製造を行った。得られたトナー粒子29の物性を表2に示す。
<トナー粒子30の製造>
トナー粒子1の製造においてT1を60℃とした他は、全く同様の方法によってトナー粒子30の製造を行った。得られたトナー粒子30の物性を表2に示す。
<トナー粒子31の製造>
トナー粒子1の製造においてT1の保持を120分間とし、重合性単量体の重合転化率が40%に到達したところで昇温を開始した他は、全く同様の方法によってトナー粒子31の製造を行った。得られたトナー粒子31の物性を表2に示す。
<トナー粒子32の製造>
トナー粒子1の製造においてT1保持後の昇温を行わなかった他は、全く同様の方法によってトナー粒子32の製造を行った。得られたトナー粒子32の物性を表2に示す。
<トナー粒子33の製造>
トナー粒子1の製造においてワックス分散液1のかわりにワックス分散液17を用いた他は、全く同様の方法によってトナー粒子33の製造を行った。得られたトナー粒子33の物性を表2に示す。
実施例1〜26および比較例1〜7で得られた各トナー粒子について、トナー粒子100.0部に対して一次粒子の個数平均粒径が40nmのシリカ微粒子1.0部を加え、FMミキサ(日本コークス工業製)を用いて混合しトナーを得た。
定着ユニットを外したカラーレーザープリンタ(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、シアンカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、受像紙(HP Laser Jet90、HP社製、90g/m2)上に、充填したトナーを用いて、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(トナーの載り量:0.9mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
A:低温側定着開始点が130℃以下(低温定着性が特に優れている)
B:低温側定着開始点が135℃以上145℃以下(低温定着性に優れている)
C:低温側定着開始点が150℃以上160℃以下(低温定着性が良い)
D:低温側定着開始点が165℃以上175℃以下(低温定着性にやや劣る)
E:低温側定着開始点が180℃以上(低温定着性に劣る)
各トナー5gを50cc樹脂製カップに取り、温度55℃/湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べ、下記の基準で評価した。
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、軽い振とうでほぐれる
C:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
D:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない
E:完全に凝集
Claims (8)
- 結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
該製造方法が、
該ワックスを有機溶媒に分散させて、分散された該ワックスの体積平均粒径が1.00μm以下であるワックス分散液を用意する第一の工程、及び
該結着樹脂を形成し得る重合性単量体、第1の重合開始剤、第2の重合開始剤及び該ワックス分散液を含む重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒し、該重合性単量体を重合することによってトナー粒子を得る第二の工程、
を有し、
該第二の工程が、
該重合性単量体の重合転化率が50%に到達するまでは、温度T1(℃)で、該重合性単量体を重合させる工程、及び
該重合性単量体の重合転化率が50%に到達した以降は、該温度T1 (℃)より温度を上げて、該重合性単量体を重合させ、温度T2(℃)まで到達させる工程、
を有し、
該温度T1 (℃)が、該ワックスの融点Tm(℃)未満であり、
該第1の重合開始剤の10時間半減期温度を温度T 10 (℃)としたときに、該温度T 1 (℃)及び該温度T 10 (℃)が、下記式(1)を満たし、
T 10 <T 1 ≦T 10 +20 (1)
該温度T2 (℃)が、該ワックスの融点Tm以上であり、
該温度T1 (℃)における、該重合性単量体に対する該ワックスの溶解度が、0.5%以下であり、
該第2の重合開始剤の10時間半減期温度を温度T’ 10 (℃)としたときに、該温度T 2 (℃)、該温度T 10 (℃)及び該温度T’ 10 (℃)が、下記式(3)の関係を満たす
T 10 <T’ 10 <T 2 (3)
ことを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記ワックスの融点Tm(℃)が、40℃以上100℃以下である請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記トナー粒子のガラス転移温度Tg(℃)が、35℃以上75℃以下である請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- 前記重合性単量体が、スチレン系単量体、アクリル系単量体及びメタクリル系単量体からなる群より選択される1種又は複数種の組み合わせである請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記トナー粒子中に分散している前記ワックスの粒径が1.00μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記第一の工程が、粉砕媒体を用いる湿式粉砕装置を用いて、前記重合性単量体を含む前記有機溶媒に前記ワックスを分散させることにより、前記ワックス分散液を用意する工程であり、
前記第一の工程の間、前記重合性単量体を含む前記有機溶媒の温度が、常に、前記ワックスの前記重合性単量体に対する溶解度が4.0%以下となるように保たれている請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。 - 前記温度T10(℃)が、50℃以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 透過型電子顕微鏡で観察される該トナーの断面において、前記トナーの表面から1.0μmまでの表面領域における前記ワックスの占める面積の割合As(%)が、1.5%以上18.0%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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