JPH1010783A - トナー用バインダー樹脂の製造方法 - Google Patents

トナー用バインダー樹脂の製造方法

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JPH1010783A
JPH1010783A JP16608496A JP16608496A JPH1010783A JP H1010783 A JPH1010783 A JP H1010783A JP 16608496 A JP16608496 A JP 16608496A JP 16608496 A JP16608496 A JP 16608496A JP H1010783 A JPH1010783 A JP H1010783A
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temperature
weight
polymn
toner
polymerization initiator
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JP16608496A
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Inventor
Koji Shimizu
浩二 清水
Takayuki Tajiri
象運 田尻
Motoji Inagaki
元司 稲垣
Yoko Harada
陽子 原田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残存モノマーの含有量が少なく、臭気の少な
いトナー用バインダー樹脂として適した樹脂を短時間で
製造する。 【解決手段】 第1の重合開始剤により懸濁重合を行っ
た後に、10時間半減期温度が第1の重合開始剤の10
時間半減期温度よりも10〜50℃高い第2の重合開始
剤を用いて、その10時間半減期温度より20〜40℃
高い温度で熱処理を行うことによってトナー用バインダ
ー樹脂を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法等に用いられるトナー用バインダ−樹脂の製造方
法に関し、さらに詳しくは、短時間で、残存モノマーの
含有量が少ない低臭気のトナ−用バインダ−樹脂を製造
できるトナ−用バインダ−樹脂の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電記録法、静電印刷法等
に用いられるコピー機、プリンター、ファクシミリ等で
は、通常、100〜230℃程度の温度に加熱された加
熱ローラーを用いてトナーを紙等に定着している。この
ような定着工程では、連続して多数枚の紙等に定着され
ることが多く、加熱ローラー上に非オフセット性に影響
のない程度の微量のトナーが蓄積されていく。そして、
連続回転と紙等の連続供給のために加熱ローラーの温度
が高くなり、加熱ローラー上に蓄積されたトナーが加熱
されることによって、トナー中に残存している残存モノ
マーや残存溶剤が揮発し、臭気を発生する。このような
臭気の問題は、トナー用バインダーレジンに含まれる残
存モノマーや残存溶剤に起因し、バインダーレジンの残
存モノマーおよび残存溶剤の低減が要求されてきてい
る。このような要求に対して、例えば、特開平1−70
765号公報に記載されているように、重合後に得られ
る樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱して、所定量
の水を溜去することによって残存モノマーを低減させる
方法等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法で樹脂中の残存モノマーを減少させるために
は、非常に長時間の処理を行う必要があり、効率的な生
産を行うことはできなかったり、処理中に樹脂粒子同士
の凝集や固化を起こしたりする等の問題点を有してい
た。このような樹脂粒子の凝集、固化を防止するため
に、分散剤を追加して添加する方法等も提案されている
が、添加した分散剤が不純物として樹脂中に残り、トナ
ー用バインダー樹脂としての耐湿性、透明性等が低下す
るものであった。また、使用される原料モノマー、重合
開始剤、重合温度によっては、残存モノマーの含有量を
十分に低減することができなかった。本発明の目的は、
樹脂粒子同士の凝集や固化を引き起こすことなく、短時
間で樹脂中の残存モノマーを低減でき、低臭気のトナー
を得ることのできるトナー用バインダー樹脂の製造方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み、トナー用バインダー樹脂の製造方法につ
いて鋭意検討した結果、特定の重合開始剤を使用すると
ともに、特定の重合条件で重合を行うことによって、残
存モノマーの含有量の少ないトナ−用バインダ−樹脂を
短時間で製造できることを見い出し、本発明に到達した
ものである。すなわち、本発明のトナー用バインダー樹
脂の製造方法は、第1の重合開始剤と第2の重合開始剤
を併用した懸濁重合法によってトナー用バインダー樹脂
を製造するにあたり、第1の重合開始剤によりビニル系
モノマー混合物の懸濁重合を行った後に、10時間半減
期温度が第1の重合開始剤よりも10〜50℃高い第2
の重合開始剤により、第2の重合開始剤の10時間半減
期温度より20〜40℃高い温度で熱処理を行うことを
特徴とするものである。本発明においては、高温分解型
の第2の重合開始剤を使用して、重合が実質的に終了し
た後に、この第2の重合開始剤が効率よく作用する温度
領域まで温度を上昇させて熱処理を行うことによって、
短時間で効率よく残存モノマーの処理を行うことができ
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のトナー用バインダー樹脂
の製造においては、10時間半減期温度の異なる第1の
重合開始剤と第2の重合開始剤を併用するものであり、
第1の重合開始剤で原料となるビニル系モノマー混合物
の懸濁重合を行い、10時間半減期温度の高い高温分解
型の第2の重合開始剤で重合された樹脂中に含まれる残
存モノマーの処理を行うものでり、両者の10時間半減
期温度の差が10〜50℃であるような重合開始剤を用
いることが重要である。これは、両者の10時間半減期
温度差が10℃未満であると、樹脂の懸濁重合時に第2
の重合開始剤も消費され、後の残存モノマーを低減する
熱処理工程において十分な残存モノマーの低減が図れな
いためであり、逆に両者の10時間半減期温度差が50
℃を超えると残存モノマーを低減する熱処理温度を高く
する必要があり、昇温に時間を要するとともに、樹脂等
の分解による副生物が生じるためである。好ましくは、
両者の10時間半減期温度差が15〜40℃の範囲であ
る。
【0006】使用される重合開始剤としては、特に限定
されるものではなく、通常使用されるラジカル重合性を
有する過酸化物系重合開始剤を組み合わせて使用するこ
とができる。過酸化物系重合開始剤としては、例えば、
ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオ
キシド、ジクミルパーオキシド、アセチルパーオキシ
ド、イソブチリルパーオキシド、オクタノニルパーオキ
シド、デカノニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、m−トルオイルパーオキ
シド、t−ブチルパーオキシピパレート、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピパレ
ート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブ
チルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキシキシライレート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチ
ルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられ
る。中でも、原料モノマーに対する重合活性の持続性や
重合の短時間化の点から、オクタノニルパーオキシド、
デカノニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベ
ンゾイルパーオキシド、m−トリオイルパーオキシド、
t−ブチルパーオキシベンゾエートが好ましい。
【0007】これら重合開始剤から、10時間半減期温
度の比較的低い重合開始剤を第1の重合開始剤として選
択し、この第1の重合開始剤より10時間半減期温度が
10〜50℃高い重合開始剤を第2の重合開始剤として
選択することができる。また、第1の重合開始剤の使用
量は、原料モノマー100重量部に対して0.1〜10
重量部の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは
0.5〜10重量部の範囲である。さらに、第2の重合
開始剤は、原料モノマー100重量部に対して0.01
〜5重量部の範囲であることが好ましく、さらに好まし
くは0.05〜3重量部の範囲である。
【0008】本発明において、第1の重合開始剤を用い
た懸濁重合は、原料モノマーに対して好ましくは1〜1
0倍、さらに好ましくは2〜4倍程度の水とともに、分
散剤、第1の重合開始剤、第2の重合開始剤、必要に応
じて分散助剤あるいは連鎖移動剤等を添加して、所定の
重合温度まで昇温して、所定の重合率となるまで加温を
続けることによって行われる。懸濁重合における重合温
度は、第1の重合開始剤の10時間半減期温度より5〜
20℃高い温度で行うことが好ましい。これは、第1の
重合開始剤の10時間半減期温度と比較して重合温度が
低かったり、高くても温度差が5℃未満であると、懸濁
重合が十分に進行せず短時間で所望の重合率に達するこ
とができない傾向にあるとともに、残存するモノマー量
が多くなり残存モノマー低減のための熱処理に長時間を
必要とする傾向にあるためである。逆に、第1の重合開
始剤の10時間半減期温度より20℃以上高い温度で重
合を行う場合には、樹脂の懸濁重合時に第2の重合開始
剤も消費され、後の残存モノマーを低減する熱処理工程
において十分な残存モノマーの低減が図れなかったり、
熱処理に長時間を要したりする傾向にあるためである。
このため、第2の重合開始剤の10時間半減期温度より
低い温度で懸濁重合を行うことがより好ましい。
【0009】懸濁重合で使用される分散安定剤として
は、ポリビニルアルコール、(メタ)アクリル酸の単独
重合体あるいは共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシ
チルセルロース、ゼラチン、デンプン、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
リン酸カルシウム等のが挙げられ、中でも、ポリビニル
アルコールが好ましく、特に好ましくは、酢酸基と水酸
基がブロック的に存在する部分鹸化ポリビニルアルコー
ルである。これら分散剤は、水100重量部に対して、
0.01〜5重量部の範囲で使用することが好ましい。
これは、分散剤の使用量が0.01重量部未満である
と、懸濁重合の安定性が低下して生成粒子の凝集によっ
て重合体が固化する傾向にあり、逆に5重量部を超える
とトナーの環境依存性、特に耐湿性が低下する傾向にあ
るためであり、さらに好ましくは0.05〜2重量部の
範囲である。また、必要に応じて、これら分散剤ととも
に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、
硫酸カリウム等の分散助剤を併用することもできる。さ
らに、分子量を調整するために、必要に応じて、n−オ
クチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘ
クシル、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を
使用してもよい。
【0010】本発明においては、懸濁重合が完了した後
に、第2の重合開始剤の10時間半減期温度より20〜
40℃高い温度で熱処理を行い残存するモノマーの低減
を行う。第2の重合開始剤の10時間半減期温度と熱処
理温度との温度差が20℃未満であるような温度で熱処
理を行う場合には、残存モノマーを十分に低減すること
ができず、トナーとしての臭気を抑止することができな
いとともに、残存モノマー処理に長時間を必要とするた
めである。また、第2の重合開始剤の10時間半減期温
度より40℃以上高い温度で熱処理を行う場合には、昇
温に長時間を要するとともに、樹脂等の分解による副生
物が生じるためである。
【0011】さらに、本発明においては、残存モノマー
処理を施した後で、得られた樹脂のガラス転移温度以下
の温度で乾燥を行うことが好ましい。このような乾燥に
よって、残存モノマー以外の樹脂に含まれている溶剤等
の揮発成分の除去を行い、トナーの臭気をより低減させ
ることができる。この乾燥は、揮発成分の十分な除去を
行うためには、10時間以上行うことが好ましい。この
ようにして得られた本発明のトナー用バインダー樹脂
は、残存モノマーの含有量が1000ppm以下、好ま
しくは500ppm以下、さらに好ましくは300pp
m以下の範囲である。また、揮発性成分の含有量が0.
5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下の範囲であ
る。このように、残存モノマーおよび揮発性成分の含有
量を低減させることによって、トナー製造時における臭
気や、トナー使用時における臭気を抑止することができ
る。
【0012】本発明によって得られるトナー用バインダ
ー樹脂は、スチレン系単量体、他の共重合可能なビニル
系単量体等からなる重合体あるいは共重合体からなるも
のであり、特にスチレン−アクリル系共重合体からなる
ものが好ましい。本発明において、スチレン系単量体と
しては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p
−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n
−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デンシルスチレン、
p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン、
3,4−ジクロシルスチレン等が挙げられ、中でも、ス
チレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、単独
でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0013】また、他の共重合可能なビニル系単量体と
しては、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ス
テアリル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エチル、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタ
アクリル酸イソブチル、メタアクリル酸プロピル、メタ
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ステア
リル等の不飽和モノカルボン酸エステル、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチル、フマ
ル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等
の不飽和ジカルボン酸ジエステル等が挙げられる。
【0014】さらに、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ
ヒ酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル
酸モノブチル等の不飽和モノカルボン酸モノエステル等
のカルボン酸含基ビニル単量体を併用することもでき
る。これらの単量体の共重合比率は特に限定されるもの
ではないが、得られるトナー用バインダー樹脂のガラス
転移温度が50℃以上となる範囲とすることが好まし
い。これは、トナー用バインダー樹脂のガラス転移温度
が50℃未満であると、トナー化した際に保存安定性が
極端に低下する場合があるためであり、さらに好ましく
は55〜70℃の範囲である。
【0015】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。実施例において、ガラス転移温度は、サンプルを
100℃まで昇温しメルトクエンチした後、DSC法
(昇温速度10℃/min)により求めた。
【0016】実施例1 スチレン80重量部、アクリル酸n−ブチル20重量お
よびジビニルベンゼン0.3重量部からなる単量体混合
物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド(10
時間半減期温度74℃)3重量部とt−ブチルパ−オキ
シベンゾエート(10時間半減期温度94℃、日本油脂
社製パーブチルZ)0.5重量部を溶解し、脱イオン水
200重量部と部分鹸化ポリビニルアルコ−ル(日本合
成化学工業社製「ゴ−セノ−ルGH−23」)0.2重
量部との混合物中に添加して撹拌する。次いで、90℃
まで昇温して1.5時間の懸濁重合を行った後、130
℃まで昇温して1時間の熱処理を行った。その後、室温
まで冷却して十分に水洗浄、脱水を行った。全工程使用
時間は5時間であった。さらに、50℃で10時間乾燥
を行いスチレン−アクリル系樹脂を得た。得られた樹脂
は、ガラス転移温度が61℃、残存モノマーの含有量が
250ppm、揮発性成分の含有量が0.3重量%であ
り、臭気の非常に少ないものであった。
【0017】実施例2 スチレン80重量部、アクリル酸n−ブチル20重量お
よびジビニルベンゼン0.3重量部からなる単量体混合
物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド(10
時間半減期温度74℃)3重量部とt−ブチルパ−オキ
シベンゾエート(10時間半減期温度94℃、日本油脂
社製パーブチルZ)0.1重量部を溶解し、脱イオン水
200重量部と部分鹸化ポリビニルアルコ−ル(日本合
成化学工業社製「ゴ−セノ−ルGH−23」)0.2重
量部との混合物中に添加して撹拌する。次いで、90℃
まで昇温して1.5時間の懸濁重合を行った後、130
℃まで昇温して2時間の熱処理を行った。全工程使用時
間は6時間であった。その後、室温まで冷却して十分に
水洗浄、脱水を行った。さらに、50℃で10時間乾燥
を行いスチレン−アクリル系樹脂を得た。得られた樹脂
は、ガラス転移温度が61℃、残存モノマーの含有量が
750ppm、揮発性成分の含有量が0.3重量%であ
り、臭気の比較的少ないものであった。
【0018】実施例3 スチレン80重量部、アクリル酸n−ブチル20重量お
よびジビニルベンゼン0.3重量部からなる単量体混合
物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド(10
時間半減期温度74℃)3重量部とt−ブチルパ−オキ
シベンゾエート(10時間半減期温度94℃、日本油脂
社製パーブチルZ)1重量部を溶解し、脱イオン水20
0重量部と部分鹸化ポリビニルアルコ−ル(日本合成化
学工業社製「ゴ−セノ−ルGH−23」)0.2重量部
との混合物中に添加して撹拌する。次いで、90℃まで
昇温して1.5時間の懸濁重合を行った後、130℃ま
で昇温して2時間の熱処理を行った。全工程使用時間は
6時間であった。その後、室温まで冷却して十分に水洗
浄、脱水を行った。さらに、50℃で10時間乾燥を行
いスチレン−アクリル系樹脂を得た。得られた樹脂は、
ガラス転移温度が61℃、残存モノマーの含有量が50
ppm、揮発性成分の含有量が0.2重量%であり、極
めて臭気の少ないものであった。
【0019】比較例1 スチレン80重量部、アクリル酸n−ブチル20重量お
よびジビニルベンゼン0.3重量部からなる単量体混合
物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド(10
時間半減期温度74℃)3重量部を溶解し、脱イオン水
200重量部と部分鹸化ポリビニルアルコ−ル(日本合
成化学工業社製「ゴ−セノ−ルGH−23」)0.2重
量部との混合物中に添加して撹拌する。次いで、90℃
まで昇温して1.5時間の懸濁重合を行った後、130
℃まで昇温して3時間の熱処理を行った。全工程使用時
間は5時間であった。その後、室温まで冷却して十分に
水洗浄、脱水を行った。さらに、50℃で10時間乾燥
を行いスチレン−アクリル系樹脂を得た。得られた樹脂
は、ガラス転移温度が60℃、残存モノマーの含有量が
1200ppm、揮発性成分の含有量が0.5重量%で
あり、臭気の強いものであった。
【0020】比較例2 スチレン80重量部、アクリル酸n−ブチル20重量お
よびジビニルベンゼン0.3重量部からなる単量体混合
物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド(10
時間半減期温度74℃)3重量部を溶解し、脱イオン水
200重量部と部分鹸化ポリビニルアルコ−ル(日本合
成化学工業社製「ゴ−セノ−ルGH−23」)0.2重
量部との混合物中に添加して撹拌する。次いで、90℃
まで昇温して12時間の懸濁重合を行った。全工程使用
時間は14時間であった。その後、室温まで冷却して十
分に水洗浄、脱水を行った。さらに、50℃で10時間
乾燥を行いスチレン−アクリル系樹脂を得た。得られた
樹脂は、ガラス転移温度が61℃、残存モノマーの含有
量が300ppm、揮発性成分の含有量が0.3重量%
であり、臭気の非常に少ないものであった。
【0021】比較例3 スチレン80重量部、アクリル酸n−ブチル20重量お
よびジビニルベンゼン0.3重量部からなる単量体混合
物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド(10
時間半減期温度74℃)3重量部を溶解し、脱イオン水
200重量部と部分鹸化ポリビニルアルコ−ル(日本合
成化学工業社製「ゴ−セノ−ルGH−23」)0.2重
量部との混合物中に添加して撹拌する。次いで、90℃
まで昇温して2時間の懸濁重合を行った。その後、分散
安定剤を添加して100℃まで昇温し、水との共沸によ
る残存モノマーの処理を3時間行ったが、反応容器内で
の発泡が激しく、水との共沸が起きる温度までの昇温に
1時間以上を要した。全工程使用時間は10時間であっ
た。その後、室温まで冷却して十分に水洗浄、脱水を行
った。さらに、50℃で10時間乾燥を行いスチレン−
アクリル系樹脂を得た。得られた樹脂は、ガラス転移温
度が61℃、残存モノマーの含有量が500ppm、揮
発性成分の含有量が0.3重量%であり、臭気の比較的
少ないものであった。
【0022】比較例4 スチレン80重量部、アクリル酸n−ブチル20重量お
よびジビニルベンゼン0.3重量部からなる単量体混合
物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド(10
時間半減期温度74℃)3重量部とジイソプロピルベン
ゼンヒドロパーオキシド(10時間半減期温度145
℃、日本油脂社製パークミルP)0.5重量部を溶解
し、脱イオン水200重量部と部分鹸化ポリビニルアル
コ−ル(日本合成化学工業社製「ゴ−セノ−ルGH−2
3」)0.2重量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、90℃まで昇温して1.5時間の懸濁重合を行
った後、130℃まで昇温して3時間の熱処理を行っ
た。全工程使用時間は6時間であった。その後、室温ま
で冷却して十分に水洗浄、脱水を行った。さらに、50
℃で10時間乾燥を行いスチレン−アクリル系樹脂を得
た。得られた樹脂は、ガラス転移温度が61℃、残存モ
ノマーの含有量が1000ppm、揮発性成分の含有量
が0.3重量%であり、臭気の強いものであった。
【0023】上記の実施例および比較例から明らかなよ
うに、本発明に基づいて製造された実施例1〜3のスチ
レン−アクリル系樹脂は、いずれも全行程時間が5〜6
時間と短く、残存モノマーおよび揮発性成分の含有量が
少なく、臭気の少ないトナー用バインダー樹脂として適
した樹脂を提供できるものである。これに対して、比較
例1および4で得られたスチレン−アクリル系樹脂で
は、いずれも残存モノマーの含有量が多く、臭気の強い
ものであった。また、比較例2および3で得られたスチ
レン−アクリル系樹脂では、いずれも残存モノマーおよ
び揮発性成分の含有量が少なく、臭気の少ないものでは
あったが、全行程時間が10時間を超えるものであり、
生産性に劣るものであった。
【0024】
【発明の効果】本発明のトナー用バインダー樹脂の製造
方法は、高温分解型の第2の重合開始剤を用いて、重合
後に熱処理を行うことによって残存モノマーの低減を図
ることができ、短時間で、残存モノマーの含有量が少な
く、臭気の少ないトナー用バインダー樹脂として適した
樹脂を提供できるものである。
フロントページの続き (72)発明者 原田 陽子 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の重合開始剤と第2の重合開始剤を
    併用して懸濁重合法によってトナー用バインダー樹脂を
    製造するにあたり、第1の重合開始剤によりビニル系モ
    ノマー混合物の懸濁重合を行った後に、10時間半減期
    温度が第1の重合開始剤よりも10〜50℃高い第2の
    重合開始剤により、第2の重合開始剤の10時間半減期
    温度より20〜40℃高い温度で熱処理を行うことを特
    徴とするトナー用バインダー樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱処理を行った後に、得られる樹脂のガ
    ラス転移温度以下の温度で乾燥を行うことを特徴とする
    請求項1記載のトナー用バインダー樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1の重合開始剤による懸濁重合を、第
    1の重合開始剤の10時間半減期温度より5〜20℃高
    い重合温度で行うことを特徴とする請求項1記載のトナ
    ー用バインダー樹脂の製造方法。
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