JP2002341591A - トナー用バインダー樹脂の製造方法 - Google Patents

トナー用バインダー樹脂の製造方法

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JP2002341591A
JP2002341591A JP2001145380A JP2001145380A JP2002341591A JP 2002341591 A JP2002341591 A JP 2002341591A JP 2001145380 A JP2001145380 A JP 2001145380A JP 2001145380 A JP2001145380 A JP 2001145380A JP 2002341591 A JP2002341591 A JP 2002341591A
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residual
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JP2001145380A
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English (en)
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Junya Nakamura
純也 中村
Motoji Inagaki
元司 稲垣
Yoko Harada
陽子 原田
Masaya Yamato
真哉 大和
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低臭気のトナーを得ることのできるトナー用
バインダー樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 懸濁重合法によって得られた樹脂を過硫
酸塩類の存在下に熱処理または蒸留処理する。あるい
は、10時間半減期温度の差が10〜50℃である低温
分解型の油溶性重合開始剤と高温分解型の油溶性重合開
始剤を併用した懸濁重合法によって得られる樹脂を、高
温分解型の油溶性開始剤の10時間半減期温度よりも2
0〜40℃高い温度で熱処理した後、過硫酸塩類の存在
下に熱処理または蒸留処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー用バインダ
ー樹脂、すなわち、電子写真法、静電記録法、静電印刷
法等において静電荷像または磁気潜像の現像に用いられ
るトナー用のバインダー樹脂の製造方法に関する。本発
明は、特に、残存モノマー量が少なく、低臭気のトナー
を与えることのできるバインダー樹脂の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電記録法、静電印刷法等
に用いられるコピー機、プリンター、ファクシミリ等で
は、通常、100〜230℃程度の温度に加熱された加
熱ローラを用いてトナーを紙等に定着している。このよ
うな定着工程では、連続した多枚数の定着時に臭気を発
生する。また、120〜200℃程度の温度での混練に
よるトナー製造時においても、臭気が発生する。このよ
うな臭気の問題は、トナー用バインダー樹脂に残存する
モノマーや溶剤に起因し、トナー用バインダー樹脂の残
存モノマーおよび残存溶剤量の低減が要求されている。
【0003】このような要求に対して、例えば、特開昭
57−154253号公報に記載されているように、樹
脂の重合時に油溶性開始剤と水溶性開始剤を併用する方
法、また特開平1−70765号公報に記載されている
ように、重合後に得られる樹脂のガラス転移温度以上の
温度に加熱して所定量の水を溜去する方法、さらには特
開平10−10783号公報に記載されているように、
10時間半減期の異なる2種類の開始剤を併用する方法
によって残存モノマー量を低減させることが提案されて
いる。
【0004】しかしながら、単に油溶性開始剤と水溶性
開始剤とを併用する方法では、十分に残存モノマーを低
減できないばかりか、懸濁重合時に水層部で重合が進行
するため、樹脂の収率の低下、水相部の乳化ロスによる
水質の低下、樹脂表面の汚染等の問題があった。また、
所定量の水を溜去する方法では、残存モノマーを十分に
低減するには長時間の処理が必要であるため、処理の間
に樹脂粒子同士の凝集や固化を起こすという問題があっ
た。特に、近年の低温定着性の要求を満たすためには樹
脂のTgを低下させなければならず、しかるに、このよ
うな低Tg樹脂を処理する場合には、樹脂粒子同士の凝
集や固化が促進される傾向にある。樹脂粒子が凝集する
と、トナー製造時のプレミキシング工程において、カー
ボンブラック等の色材、ワックス等との分散性が著しく
低下し、トナー性能が低下する欠点がある。さらに、1
0時間半減期の異なる2種類の開始剤を併用する方法で
は、十分に残存モノマーを低減させるためには、多量の
開始剤を用いて高温で長時間処理することが必要であ
り、たとえ残存モノマー量を低減することができても、
開始剤の分解物による臭気が発生し、結果的に臭気の低
減が行えないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の如き従来技術の問題点を解決し、低臭気のトナーを得
ることのできるトナー用バインダー樹脂の製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな従来技術の状況に鑑み、トナー用バインダー樹脂の
製造法について鋭意検討した結果、特定の開始剤を特定
の条件で使用することによって、残存モノマー量の含有
量が少なく、低臭気のトナーを与えることのできるバイ
ンダー樹脂を得ることができることを見出し、本発明に
到達したものである。
【0007】従って、本発明は、懸濁重合法によって得
られた樹脂を過硫酸塩類の存在下に熱処理または蒸留処
理することを含むトナー用バインダー樹脂の製造方法を
提供する。本発明は、また、10時間半減期温度の差が
10〜50℃である低温分解型の油溶性重合開始剤と高
温分解型の油溶性重合開始剤を併用した懸濁重合法によ
って得られる樹脂を、高温分解型の油溶性開始剤の10
時間半減期温度よりも20〜40℃高い温度で熱処理し
た後、過硫酸塩類の存在下に熱処理または蒸留処理する
ことを含むトナー用バインダー樹脂の製造方法を提供す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のトナー用バインダー樹脂
の製造方法においては、懸濁重合法によって得られた樹
脂を過硫酸塩類の存在下に熱処理するか、または蒸留処
理するものである。すなわち、懸濁重合により合成した
樹脂を、引き続き過硫酸塩類の存在下に熱処理して樹脂
中に残存する少量のモノマーを水相部でポリマーに転化
するか、または引き続き過硫酸塩類の存在下に蒸留処理
して樹脂中に残存する少量のモノマーを水相部でポリマ
ーに転化するとともに反応系外へ溜去することにより、
樹脂中の残存モノマーを低減するのである。
【0009】あるいは、本発明のトナー用バインダー樹
脂の製造方法においては、低温分解型の油溶性重合開始
剤と高温分解型の油溶性重合開始剤と過硫酸塩類を併用
し、低温分解型の油溶性開始剤により原料となるビニル
系モノマー混合物の懸濁重合を行い、高温分解型の油溶
性開始剤で残存モノマーの低減処理を行った後、さらに
過硫酸塩類の存在下に残存モノマーの低減処理を行うも
のである。ここで、低温分解型の油溶性重合開始剤と高
温分解型の油溶性重合開始剤との10時間半減期温度の
差が10〜50℃であることが重要である。すなわち、
10時間半減期温度の差が10〜50℃である低温分解
型の油溶性重合開始剤と高温分解型の油溶性重合開始剤
を併用した懸濁重合法によって得られる樹脂を、高温分
解型の油溶性開始剤の10時間半減期温度よりも20〜
40℃高い温度で熱処理することにより高温分解型の油
溶性開始剤で残存モノマーの低減処理した後、引き続き
水溶性アゾ重合開始剤の存在下で熱処理または蒸留処理
して樹脂中に残存する少量のモノマーを、水相部でポリ
マーに転化するかまたはそれと同時に反応系外へ溜去す
ることにより、樹脂中の残存モノマーを低減するのであ
る。
【0010】本発明に有用な過硫酸塩類としては、例え
ば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナト
リウムス等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上
の組み合わせで使用することができる。特に、水溶性の
高い過硫酸ナトリウムを使用するのが好ましく、過硫酸
ナトリウムの単独または過硫酸ナトリウムと他の過硫酸
塩との組み合わせでの使用が好ましい。
【0011】熱処理は、70℃以上の温度で行われるの
が好ましい。70℃未満の温度域で熱処理が行われる場
合には、過硫酸塩の分解速度が低下するとともに、樹脂
中に残存するモノマーの水層部への移行速度が低下し、
残存モノマー低減の効果が不十分となることがある。ま
た、蒸留処理時の溜去水量は、仕込み水量の3〜20%
の範囲であるのが好ましく、さらに好ましくは5〜15
%の範囲である。この量が3%未満では十分に残存モノ
マーが減量できないことがあり、20%を超える場合は
蒸留時に樹脂粒子の凝集が起こることがある。
【0012】本発明において使用される単量体として
は、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デンシルスチ
レン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、3,4−ジシクロスチレン等のスチレン系単量体、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタ
クリル酸ステアリル等の不飽和モノカルボン酸エステル
系単量体、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、
マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエ
チル、フマル酸ジブチル等の不飽和ジカルボン酸ジエス
テル等やアクリル酸、メタクリル酸、ケイヒ酸等の不飽
和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
等の不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モノメチル、マレ
イン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モ
ノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル等
の不飽和ジカルボン酸モノエステル等のカルボン酸含有
ビニル系単量体が挙げられる。特に、スチレンを単独で
用いるか、またはスチレンを必須成分とし、1種以上の
その他の単量体を用いることができる。
【0013】これらの単量体の共重合比率は、特に限定
されるものではないが、得られる全バインダー樹脂のT
g(ガラス転移温度)が好ましくは45〜70℃、さら
に好ましくは50〜65℃の範囲となるように選定され
るのがよい。これは、トナー用バインダー樹脂のTgが
45℃未満であると、トナーのブロッキング発生温度が
低下し、保存安定性が極端に低下する場合があるためで
あり、逆に70℃を超えるとトナー用バインダー樹脂の
軟化温度が高くなり、トナーの定着性が低下することが
あるためである。
【0014】本発明に有用な油溶性重合開始剤として
は、特に限定されるものでなく、通常使用されるラジカ
ル重合性を有する有機過酸化物系重合開始剤を組み合わ
せて使用することができる。有機過酸化物系重合開始剤
としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t
−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイ
ド、オクタノニルパーオキサイド、デカノニルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド、m−トルオイルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−
ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ
2−エチルヘキシルカーボネート、2,2−ビス(4,
4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパ
ン、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
なかでも、原料モノマーに対する重合活性の持続性や重
合の短時間化の点から、オクタノニルパーオキサイド、
デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブ
チルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチ
ルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネートが好ましい。
【0015】これらの油溶性重合開始剤から、10時間
半減期温度の比較的低い重合開始剤を低温分解型開始剤
として選択し、この低温分解型開始剤より10時間半減
期温度が10〜50℃高い開始剤を高温分解型開始剤と
して選択することができる。また、低温分解型開始剤
は、トナー用樹脂として所望の熱特性を得るために、原
料モノマー100質量部に対して1〜5質量部の範囲で
使用するのがよい。また、高温分解型開始剤は、原料モ
ノマー100質量部に対して0.1〜1.0質量部の範
囲で使用するのがよい。これは、0.1質量部未満で
は、残存モノマーを効果的に低減することができず、
1.0質量部を超えると残存モノマー量を低減すること
はできるが、開始剤の分解生成物由来の臭気が発生する
ことがあるからである。
【0016】かかる油溶性重合開始剤の存在下に懸濁重
合を行って得られた樹脂を、高温分解型油溶性重合開始
剤の10時間半減期温度よりも20〜40℃高い温度で
熱処理して、残存するモノマーの低減を行う。これは、
この熱処理温度が高温分解型重合開始剤の10時間半減
期温度よりも20℃以上高くない場合には、残存モノマ
ーを十分に低減することができず、トナーとしての臭気
を抑制することができないとともに、残存モノマーの処
理に長時間を必要とすることとなるためである。また、
この熱処理温度が高温分解型重合開始剤の10時間半減
期温度よりも40℃を超えて高い場合には、開始剤の分
解が促進され、副生成物が多量に発生し、これに由来す
る臭気が強くなるためである。
【0017】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例において、Tg(ガラス転移温度)
として、100℃で試料を融解させ、次いで急冷した後
のDSC測定におけるショルダ−値を採用した。また、
残存モノマー量は、ガスクロマトグラフィーを用い、以
下の条件で測定を行って評価した。
【0018】 装置: 島津製作所製 GC−8A型 検出器: FID カラム: ステンレスカラム 3mmφ×3m 充填剤: 5% PEG20M on Diasolid L(メッシュ6 0〜80) キャリアガス: N2 1.0kg/cm2 注入量: 1μl 温度: カラム温度 80℃ 注入口温度 150℃ 検出器温度 150℃ 内部標準: セロソルブアセテート 樹脂の臭気は、樹脂をガラス瓶に入れ、180℃の温度
下に10分間放置した後、実際に臭いを嗅いで評価し
た。
【0019】廃液の水質は、その濁度を目視により観察
して評価した。 実施例1 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
する。60℃まで昇温して1時間熱処理を行い、室温ま
で冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。
得られた樹脂は、残存スチレン350ppmおよび残存
アクリル酸n−ブチル100ppmであり、ガラス転移
温度は53℃であった。樹脂は、臭気があるものの、使
用可能レベルにあった。
【0020】実施例2 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
する。70℃まで昇温して1時間熱処理を行い、室温ま
で冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。
得られた樹脂は、残存スチレン300ppmおよび残存
アクリル酸n−ブチル90ppmであり、ガラス転移温
度は53℃であった。樹脂は、臭気があるものの、使用
可能レベルにあった。
【0021】実施例3 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
する。90℃まで昇温して1時間熱処理を行い、室温ま
で冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。
得られた樹脂は、残存スチレン200ppmおよび残存
アクリル酸n−ブチル70ppmであり、ガラス転移温
度は53℃であった。樹脂の臭気は良好なレベルにあっ
た。
【0022】実施例4 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸カリウム1質量部を添加す
る。90℃まで昇温して1時間熱処理を行い、室温まで
冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。得
られた樹脂は、残存スチレン250ppmおよび残存ア
クリル酸n−ブチル90ppmであり、ガラス転移温度
は53℃であった。樹脂は、臭気があるものの、使用可
能レベルにあった。
【0023】実施例5 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
する。昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の3%の水
を溜去した。その後、室温まで冷却し、洗浄、脱水、乾
燥を行い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン
240ppmおよび残存アクリル酸n−ブチル80pp
mであり、凝集物はなく非常に良好で、ガラス転移温度
は53℃であった。樹脂は、臭気がややあるものの、使
用可能レベルにあった。
【0024】実施例6 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
する。昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の5%の水
を溜去した。その後、室温まで冷却し、洗浄、脱水、乾
燥を行い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン
140ppmおよび残存アクリル酸n−ブチル50pp
mであり、凝集物はなく非常に良好で、ガラス転移温度
は53℃であった。樹脂は、臭気がややあるものの、使
用可能なレベルにあった。
【0025】実施例7 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
する。昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の10%の
水を溜去した。その後、室温まで冷却し、洗浄、脱水、
乾燥を行い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレ
ン55ppmおよび残存アクリル酸n−ブチル25pp
mであり、凝集物はなく非常に良好で、ガラス転移温度
は53℃であった。樹脂の臭気は良好なレベルにあっ
た。
【0026】実施例8 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
する。昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の15%の
水を溜去した。その後、室温まで冷却し、洗浄、脱水、
乾燥を行い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレ
ン50ppmおよび残存アクリル酸n−ブチル20pp
mであり、凝集物は少なく良好で、ガラス転移温度は5
3℃であった。樹脂の臭気は非常に良好なレベルにあっ
た。
【0027】実施例9 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
する。昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の20%の
水を溜去した。その後、室温まで冷却し、洗浄、脱水、
乾燥を行い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレ
ン35ppmおよび残存アクリル酸n−ブチル10pp
mであり、凝集物は少なく良好で、ガラス転移温度は5
3℃であった。樹脂の臭気は非常に良好なレベルにあっ
た。
【0028】実施例10 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、過硫酸カリウム1質量部を添加す
る。昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の10%の水
を溜去した。その後、室温まで冷却し、洗浄、脱水、乾
燥を行い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン
80ppmおよび残存アクリル酸n−ブチル30ppm
であり、凝集物はあるが使用可能なレベルで、ガラス転
移温度は53℃であった。樹脂の臭気は良好なレベルに
あった。
【0029】実施例11 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温
度:73.6℃)3.0質量部、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート(10時間半減期温度:104.3℃)
0.1質量部を溶解し、脱イオン水200質量部と部分
鹸化ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製「ゴ
ーセノールGH−23」)0.2質量部との混合物中に
添加して撹拌する。次いで、85℃まで昇温して2時間
懸濁重合を行った後、130℃まで昇温して1時間熱処
理を行った。その後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウ
ム1質量部を添加し、70℃まで昇温して1時間熱処理
を行い、室温まで冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行
い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン290
ppmおよび残存アクリル酸n−ブチル90ppmであ
り、ガラス転移温度は53℃であった。樹脂は、臭気が
あるものの、使用可能レベルにあった。
【0030】実施例12 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.3質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
し、70℃まで昇温して1時間熱処理を行い、室温まで
冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。得
られた樹脂は、残存スチレン180ppmおよび残存ア
クリル酸n−ブチル80ppmであり、ガラス転移温度
は53℃であった。樹脂は、臭気があるが、使用可能な
レベルにあった。
【0031】実施例13 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.5質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
し、70℃まで昇温して1時間熱処理を行い、室温まで
冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。得
られた樹脂は、残存スチレン150ppmおよび残存ア
クリル酸n−ブチル60ppmであり、ガラス転移温度
は53℃であった。樹脂の臭気は良好なレベルにあっ
た。
【0032】実施例14 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート1.0質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
し、70℃まで昇温して1時間熱処理を行い、室温まで
冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。得
られた樹脂は、残存スチレン25ppmおよび残存アク
リル酸n−ブチル15ppmであり、ガラス転移温度は
53℃であった。樹脂の臭気は良好なレベルであった
が、残存モノマー臭とは異なる臭気があった。
【0033】実施例15 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート(1
0時間半減期温度:99.0℃)0.5質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
し、70℃まで昇温して1時間熱処理を行い、室温まで
冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。得
られた樹脂は、残存スチレン150ppmおよび残存ア
クリル酸n−ブチル70ppmであり、ガラス転移温度
は53℃であった。樹脂の臭気は良好なレベルであっ
た。
【0034】実施例16 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.5質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
し、昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の5%の水を
溜去し、室温まで冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行
い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン60p
pmおよび残存アクリル酸n−ブチル30ppmであ
り、凝集物はなく非常に良好で、ガラス転移温度は53
℃であった。樹脂の臭気は良好なレベルにあった。ま
た、廃液はやや白濁するものの、使用可能レベルにあっ
た。
【0035】実施例17 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.5質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1重量%を添加
し、昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の10%の水
を溜去し、室温まで冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行
い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン30p
pmおよび残存アクリル酸n−ブチル20ppmであ
り、凝集物はなく非常に良好で、ガラス転移温度は53
℃であった。樹脂の臭気は非常に良好なレベルにあっ
た。
【0036】実施例18 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.5質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
し、昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の15%の水
を溜去し、室温まで冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行
い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン20p
pmおよび残存アクリル酸n−ブチル15ppmであ
り、凝集物は少なく良好で、ガラス転移温度は53℃で
あった。樹脂の臭気は非常に良好なレベルにあった。
【0037】実施例19 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.5質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、過硫酸ナトリウム1質量部を添加
し、昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の20%の水
を溜去し、室温まで冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行
い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン5pp
mおよび残存アクリル酸n−ブチル5ppmであり、凝
集物があるものの、使用可能なレベルで、ガラス転移温
度は53℃であった。樹脂の臭気は非常に良好なレベル
にあった。
【0038】比較例1 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、室温まで冷却し、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を
得た。得られた樹脂は、残存スチレン2050ppmお
よび残存アクリル酸n−ブチル570ppmであり、ガ
ラス転移温度は52℃であった。樹脂は、臭気が強く、
使用可能レベルになかった。
【0039】比較例2 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、90℃まで昇温して1時間熱処理を行い、室温まで
冷却し、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。得られ
た樹脂は、残存スチレン1650ppmおよび残存アク
リル酸n−ブチル430ppmであり、ガラス転移温度
は52℃であった。樹脂は、臭気が強く、使用可能レベ
ルになかった。
【0040】比較例3 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部、部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部、過硫酸ナトリウム1質量部との混
合物中に添加して撹拌する。次いで、85℃まで昇温し
て2時間懸濁重合を行った後、室温まで冷却し、洗浄、
脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存
スチレン1920ppmおよび残存アクリル酸n−ブチ
ル480ppmであり、ガラス転移温度は52℃であっ
た。樹脂は、臭気が強く、使用可能レベルになかった。
【0041】比較例4 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部、部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の10%の水
を溜去した。その後、室温まで冷却し、洗浄、脱水、乾
燥を行い、樹脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン
570ppmおよび残存アクリル酸n−ブチル240p
pmであり、凝集物はあるが使用可能なレベルで、ガラ
ス転移温度は53℃であった。樹脂は、臭気が強く、使
用可能レベルになかった。
【0042】比較例5 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部を溶解
し、脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の30%の水
の溜去を試みた。仕込み水量の28%の水の溜去時点か
ら、樹脂の激しい凝集が認められ、使用可能なレベルに
なかった。
【0043】比較例6 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.5質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却した後、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹
脂を得た。得られた樹脂は、残存スチレン530ppm
および残存アクリル酸n−ブチル190ppmであり、
ガラス転移温度は53℃であった。樹脂は、臭気が強
く、使用可能レベルになかった。
【0044】比較例7 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート1.0質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を
得た。得られた樹脂は、残存スチレン300ppmおよ
び残存アクリル酸n−ブチル100ppmであり、ガラ
ス転移温度は53℃であった。樹脂は、臭気が強く、使
用可能レベルになかった。この臭気は、残存モノマー臭
とそれとは異なる臭気との混合であった。
【0045】比較例8 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.5質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、室温まで冷却し、昇温して蒸留処理を行い、仕込み
水量の10%の水を溜去した。その後、室温まで冷却
し、洗浄、脱水、乾燥を行い、樹脂を得た。得られた樹
脂は、残存スチレン400ppmおよび残存アクリル酸
n−ブチル160ppmであり、ガラス転移温度は53
℃であった。樹脂は、臭気が強く、使用可能レベルにな
かった。
【0046】比較例9 スチレン76質量部およびアクリル酸n−ブチル24質
量部からなる単量体混合物に、ジビニルベンゼン0.3
質量部、ベンゾイルパーオキサイド3.0質量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.5質量部を溶解し、
脱イオン水200質量部と部分鹸化ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGH−2
3」)0.2質量部との混合物中に添加して撹拌する。
次いで、85℃まで昇温して2時間懸濁重合を行った
後、130℃まで昇温して1時間熱処理を行った。その
後、昇温して蒸留処理を行い、仕込み水量の30%の水
の溜去を試みた。仕込み水量の28%の水の溜去時点か
ら、樹脂の激しい凝集が認められ、使用可能なレベルに
なかった。
【0047】
【発明の効果】本発明のトナ−用バインダ−樹脂の製造
方法によれば、臭気の少ないトナー用バインダー樹脂と
して適した樹脂を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 陽子 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 大和 真哉 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 2H005 AB02 CB20 EA03 EA07 4J011 AA05 JA03 JA10 JB02 JB16 JB17 JB22

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸濁重合法によって得られた樹脂を過硫
    酸塩類の存在下に熱処理または蒸留処理することを含む
    トナー用バインダー樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 過硫酸塩類として過硫酸ナトリウムまた
    は過硫酸ナトリウムと他の過硫酸塩との混合物が用いら
    れる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 熱処理が70℃以上の温度で行われる、
    請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 蒸留処理において、仕込み水量の3〜2
    0%の水が溜去される、請求項1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 10時間半減期温度の差が10〜50℃
    である低温分解型の油溶性重合開始剤と高温分解型の油
    溶性重合開始剤を併用した懸濁重合法によって得られる
    樹脂を、高温分解型の油溶性開始剤の10時間半減期温
    度よりも20〜40℃高い温度で熱処理した後、過硫酸
    塩類の存在下に熱処理または蒸留処理することを含むト
    ナー用バインダー樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 過硫酸塩類として過硫酸ナトリウムまた
    は過硫酸ナトリウムと他の過硫酸塩との混合物が用いら
    れる、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 水溶性アゾ重合開の存在下における熱処
    理が70℃以上の温度で行われる、請求項5または6記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 蒸留処理において、仕込み水量の3〜2
    0%の水が溜去される、請求項5または6記載の方法。
  9. 【請求項9】 高温分解型の油溶性重合開始剤の使用量
    が、原料モノマー100質量部に対して、0.1〜1.
    0質量部である、請求項5〜8のいずれかに記載の方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101296575B1 (ko) 2008-04-16 2013-08-14 주식회사 엘지화학 중합 토너 제조방법
CN114989342A (zh) * 2022-05-30 2022-09-02 张家港威迪森化学有限公司 一种正电荷墨粉用共聚树脂及其制备方法

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KR101296575B1 (ko) 2008-04-16 2013-08-14 주식회사 엘지화학 중합 토너 제조방법
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