JPH08179557A - トナー用バインダー樹脂の製造方法 - Google Patents

トナー用バインダー樹脂の製造方法

Info

Publication number
JPH08179557A
JPH08179557A JP6318560A JP31856094A JPH08179557A JP H08179557 A JPH08179557 A JP H08179557A JP 6318560 A JP6318560 A JP 6318560A JP 31856094 A JP31856094 A JP 31856094A JP H08179557 A JPH08179557 A JP H08179557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
molecular weight
parts
toner
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6318560A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoko Harada
陽子 原田
Takayuki Tajiri
象運 田尻
Motoji Inagaki
元司 稲垣
Koji Shimizu
浩二 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP6318560A priority Critical patent/JPH08179557A/ja
Publication of JPH08179557A publication Critical patent/JPH08179557A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子量重合体と低分子量重合体とが均一に
混合され、トナーとして定着性、非オフセット性のバラ
ンスに優れるとともに、画像濃度安定性に優れたトナー
用バインダー樹脂を生産性よく得る。 【構成】 中性あるいはアルカリ性を呈する緩衝溶液の
存在下で重合性ビニル基を有する単量体を含有する単量
体を重合して、トナーとしての定着性、非オフセット性
のバランスに優れるとともに、画像濃度安定性に優れた
トナー用バインダー樹脂を生産性よく製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法等に用いられるトナー用樹脂の製造方法に関し、さら
に詳しくは、トナ−としての非オフセット性、定着性お
よび画像濃度安定性に優れたトナー用バインダー樹脂の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電印刷法による代表的な
画像形成工程は、光電導性絶縁層を一様に帯電させ、そ
の絶縁層を露光させた後、露光された部分上の電荷を消
散させることによって電気的な潜像を形成し、該潜像に
電荷を持った微粉末のトナーを付着させることにより可
視化させる現像工程、得られた可視像を転写紙等の転写
材に転写させる転写工程、加熱あるいは加圧により永久
定着させる定着工程、感光体に残留するトナーを除去す
るクリーニング工程からなる。
【0003】このような電子写真法あるいは静電印刷法
に使用されるトナーおよびトナー用バインダー樹脂とし
ては、上記各工程において様々な性能が要求される。例
えば、現像工程においては、電気的な潜像にトナーを付
着させるために、トナーおよびトナー用バインダー樹脂
は温度、湿度等の周囲の環境に影響されることなくコピ
ー機に適した帯電量を保持しなくてはならない。ま
た、、熱ローラー定着方式による定着工程においては、
熱ローラーに付着しない非オフセット性、紙への定着性
が良好でなくてはならない。さらに、コピー機内での保
存中にトナーがブロッキングしない耐ブロッキング性も
要求される。
【0004】従来、トナー用バインダー樹脂としては、
スチレン−アクリル系樹脂が多用されており、線状タイ
プの樹脂と架橋タイプの樹脂が使用されている。線状タ
イプのトナー用バインダー樹脂では、高分子量重合体と
低分子量重合体とを混合し、定着性や非オフセット性等
を改良した樹脂等が知られている。また、架橋タイプの
トナー用バインダー樹脂では、架橋化により分子量分布
を広くし、定着性と非オフセット性の改良が行われてい
る。特に、線状タイプのトナー用バインダー樹脂の研究
が進んでおり、特公昭63−32182号公報や特開昭
62−9356号公報等に記載されているように、トナ
ー用バインダー樹脂の高分子量および低分子量の領域お
よび分子量をコントロールすることにより、定着性、非
オフセット性を改良する試みが行われているが、トナー
用バインダー樹脂の分子量のコントロールだけでは定着
性と非オフセット性のバランスが十分にとれたトナーを
得ることは困難であった。
【0005】そこで、トナー用バインダー樹脂の製造方
法に関する改良が種々試みられている。例えば、低分子
量重合体を溶液重合法で製造し、この低分子量重合体溶
液中に塊状重合法によって製造した高分子量重合体を溶
解した後、減圧あるいは噴霧乾燥等の方法により溶剤を
除去してトナー用バインダー樹脂を得る方法、高分子量
重合体のエマルジョンの存在下で、ノニオン系分散剤を
用いて低分子量重合体を懸濁重合する方法等が提案され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶液重合と塊
状重合とを組合せたものでは、溶剤の除去が困難で生産
性に劣るとともに、残存する溶剤によってトナーの臭気
や画像安定性等の問題を有している。また、高分子量重
合体エマルジョンの存在下で低分子量重合体を懸濁重合
する方法では、定着性と非オフセット性とのバランスは
改良されるものの、画像濃度に影響を及ぼす帯電特性の
環境依存性、特に湿度の変化による帯電量の変化(耐湿
性)に問題を有している。特に、コピー機やプリンター
等の大型化や高速化に伴い、印刷枚数はますます増加し
ており、多数枚の印刷においても帯電特性の経時変化が
少なく、画像濃度の変化の少ない環境依存性に優れたト
ナーが要求されるようになってきている。
【0007】トナーの画像濃度を安定させる目的で、例
えば特公平4−73442号公報に記載されているよう
に、トナー用バインダー樹脂の製造にあたって、樹脂の
重合後にアルカリ金属の水酸化物を重合系に添加して熱
処理するアルカリ処理を施すことにより、トナー用バイ
ンダー樹脂の酸価を低下させる方法が提案されている。
しかし、アルカリ金属の水酸化物を用いたアルカリ処理
は、樹脂が微粉化し、樹脂の収率が低下するとともに、
洗浄工程や脱水工程等の工程通過性が低下し生産性に劣
るという問題点を有していた。また、このようなアルカ
リ処理を施す場合には、重合終了後にアルカリ処理工程
を行うこととなり、トナー用バインダー樹脂の製造が長
時間化するとともに、樹脂の酸価を十分に低下させるた
めにはアルカリを多量に添加しなければならないという
問題点を有していた。そこで、本発明の目的は、多数枚
の印刷においても画像濃度の変化の少ない、環境依存性
に優れたトナ−を提供できるトナー用バインダー樹脂を
生産性よく得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み、トナー用バインダー樹脂の製造方法につ
いて鋭意検討した結果、中性からアルカリ性を呈する緩
衝溶液の存在下で重合させることによって、トナ−の定
着性、非オフセット性および画像濃度安定性に優れたト
ナー用バインダ−樹脂が生産性よく得られることを見い
出し、本発明に到達したものである。
【0009】すなわち、本発明のトナー用バインダー樹
脂の製造方法は、中性あるいはアルカリ性を呈する緩衝
溶液の存在下で、重合性ビニル基を有する単量体を含有
する単量体混合物を重合することを特徴とするものであ
る。本発明によって得られるトナー用バインダー樹脂
は、重合性ビニル基含有単量体を含む単量体混合物を重
合して得られる重合体からなり、特にスチレン−アクリ
ル系共重合体からなるものが好ましい。
【0010】本発明において、重合性ビニル基含有単量
体としては、スチレン系単量体、他の共重合可能なビニ
ル系単量体等が挙げられる。スチレン系単量体として
は、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デンシルスチ
レン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、3,4−ジクロシルスチレン等が挙げられ、中で
も、スチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体
は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することが
できる。
【0011】また、他の共重合可能なビニル系単量体と
しては、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ス
テアリル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エチル、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタ
アクリル酸イソブチル、メタアクリル酸プロピル、メタ
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ステア
リル等の不飽和モノカルボン酸エステル、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチル、フマ
ル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等
の不飽和ジカルボン酸ジエステル等が挙げられる。
【0012】さらに、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ
ヒ酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル
酸モノブチル等の不飽和モノカルボン酸モノエステル等
のカルボン酸含基ビニル単量体を併用することもでき
る。
【0013】また、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ビスフェノールA誘導体系ジ(メタ)アクリ
レート等の2個の重合性ビニル基を有する単量体を併用
することができる。これら単量体は、単独または2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0014】これらの単量体の共重合比率は特に限定さ
れるものではないが、得られるトナー用バインダー樹脂
のガラス転移温度が50℃以上となる範囲とし、好まし
くは50〜100℃の範囲であり、さらに好ましくは5
5〜80℃の範囲である。これは、トナー用バインダー
樹脂のガラス転移温度が50℃未満であると、トナー化
した際に保存安定性が極端に低下する場合があるためで
あり、100℃を超えるとトナーとしての定着性が低下
する傾向にあるためである。
【0015】本発明においては、得られたトナー用バイ
ンダー樹脂が、均一に混合された高分子量重合体成分と
低分子量重合体成分とから構成されていることが好まし
い。高分子量重合体成分と低分子量重合体成分との割合
は、特に限定されるものではないが、高分子量重合体成
分が10〜50重量%の範囲で含有されることが好まし
い。これは、高分子量重合体成分が10重量%未満であ
ると、トナーとしての非オフセット性が劣る傾向にあ
り、逆に50重量%を超えるとトナーとしての定着性が
劣る傾向にあるためである。
【0016】高分子量重合体成分としては、重量平均分
子量(Mw)が1×105 〜1.5×106 の範囲であ
ることが好ましい。これは、重量平均分子量(Mw)が
1×105 未満であると、トナーとしての耐オフセット
性が低下する傾向にあり、逆に1.5×106 を超える
とトナーとしての定着性が低下する傾向にあるためであ
る。また、低分子量重合体成分は、重量平均分子量が3
×103 〜8×104の範囲であることが好ましい。こ
れは、重量平均分子量が3×103 未満であると、樹脂
の機械的強度が低下して帯電発生時にトナーが過粉砕状
態となり画像にカブリが発生しやすくなる傾向にあり、
逆に8×104 を超えるとトナーとしての定着性が低下
する傾向にあるためである。
【0017】本発明のトナー用バインダー樹脂の重合
は、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法
等の公知の重合方法によって、前記スチレン系単量体、
他の共重合可能なビニル系単量体等の重合性ビニル基を
有する単量体を含有する単量体混合物を重合することに
よって製造できる。中でも、溶剤を使用しないため残存
溶剤による臭気の問題がないとともに、発熱の制御が容
易であり、重合分散剤の使用量が少なく耐湿性を損なわ
ない等の点から懸濁重合法が特に好ましい。
【0018】本発明においては、重合性ビニル基を有す
る単量体を含有する単量体混合物を重合するにあたっ
て、中性からアルカリ性を呈するような緩衝溶液を反応
系に添加して、緩衝溶液の存在下で重合を行うことが重
要である。このような緩衝溶液の存在下で重合を行うこ
とによって、重合と同時にアルカリ処理を行うことがで
き、少量のアルカリ金属化合物の添加でトナー用バイン
ダー樹脂の酸価を十分に低下させることができると共
に、従来のように重合終了後にアルカリ処理工程を行う
必要もなくなり、アルカリ処理に伴う樹脂の微粉化、樹
脂の収率低下、洗浄工程や脱水工程等の工程通過性低下
を招くことなく、画像濃度安定性に優れたトナー用バイ
ンダー樹脂を生産性よく製造することができるものであ
る。
【0019】本発明で使用される緩衝溶液としては、一
般的に使用されている緩衝作用をもつ溶液で、中性から
アルカリ性を呈するものあり、例えば、Clark−L
ubsの緩衝液、Sфrensenの緩衝液、Kolt
hoffの緩衝液、Michaelisの緩衝液、Mc
Ilvaineの緩衝液、Britton−Robin
sonの緩衝液、Carmodyの緩衝液、Gomor
iの緩衝液、Bates−BowerのTris緩衝
液、HEPES緩衝液、Goodの緩衝液、Menze
lの緩衝液、Waipoleの緩衝液等が挙げられる。
中でも、Clark−Lubsの緩衝液の燐酸二水素カ
リウム/水酸化ナトリウム緩衝液が特に好ましい。
【0020】これら緩衝溶液は、緩衝溶液中に含まれる
アルカリ金属化合物が、低分子量重合体用単量体に対し
て0.1〜3重量部となる範囲で使用することが好まし
い。これは、緩衝溶液中のアルカリ金属化合物が0.1
重量部未満であると、アルカリ処理による十分な効果が
得られないためであり、3重量部を超えるとアルカリ金
属化合物が過剰となり、廃水処理に多量の中和剤を必要
とするとともに、開始剤の効率が低下して所望の分子量
を有するトナー用バインダー樹脂が得られなくなる傾向
にあるためである。特に、燐酸二水素カリウム/水酸化
ナトリウム緩衝液を使用する場合には、低分子量重合体
用単量体に対して燐酸二水素カリウムが0.1〜10重
量部で水酸化ナトリウムが0.1〜3重量部であり、燐
酸二水素カリウムと水酸化ナトリウムとの重量比(燐酸
二水素カリウム/水酸化ナトリウム)が1〜5であるこ
とが好ましい。
【0021】また、緩衝溶液としては、pHが7〜10
程度の中性からアルカリ性を呈するものが好ましく、さ
らに好ましくはpHが7.5〜8の範囲のものである。
これは、緩衝溶液のpHが低くなると、緩衝溶液による
アルカリ処理の効果が小さくなりトナー用バインダー樹
脂の酸価を十分に低下させることができずトナーとして
の画像濃度安定性に劣る傾向にあるとともに、廃液中に
含まれる固形分が多くなり廃液処理の問題が起こってく
る傾向にあるためである。逆に、pHが高くなりすぎる
と廃水処理に多量の中和剤を必要としたり、開始剤の効
率が低下して所望の分子量を有するトナー用バインダー
樹脂が得られなくなる傾向にあるとともに、重合の安定
性が損なわれ樹脂の凝集等が発生しやすくなる傾向にあ
るためである。
【0022】本発明においては、中性からアルカリ性を
呈する緩衝溶液の反応系への添加時期は、特に限定され
るものではなく、重合の最初に添加してもよいし、重合
の途中で添加してもよいが、少なくとも低分子量重合体
成分の重合時に緩衝溶液が重合系に存在していることが
好ましい。すなわち、高分子量重合体成分の重合を行っ
た後に、中性からアルカリ性を呈する緩衝溶液を重合系
に添加して、低分子量重合体成分の重合を緩衝溶液の存
在下で行うことが好ましい。これは、このように緩衝溶
液の存在下で、過酸化物系の重合開始剤を使用する低分
子量重合体成分の重合を行うことにより、緩衝溶液によ
るアルカリ処理が効率よく行われるためである。
【0023】本発明においては、得られたトナー用バイ
ンダー樹脂が、均一に混合された高分子量重合体成分と
低分子量重合体成分とから構成されていることが好まし
く、例えば、高分子量重合体成分を乳化重合よって重合
し、次いで低分子量重合体成分を高分子量重合体成分の
エマルジョンの存在下で懸濁重合によって重合する乳化
懸濁重合法、高分子量重合体成分の懸濁重合を行い、次
いで高分子重合体成分の懸濁粒子の存在下で低分子量重
合体成分の懸濁重合する2段懸濁重合法等の重合方法に
よって重合を行うことが好ましい。
【0024】以下、乳化懸濁重合法および2段懸濁重合
法について、具体的に説明する。乳化懸濁重合法におい
て、高分子量重合体成分の乳化重合は、特に限定される
ものではなく、一般的な乳化重合法に従って行うことが
でき、上記のような単量体とともに、乳化重合において
一般的に使用される乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤
等を使用することができる。
【0025】使用される重合開始剤としては、特に限定
されるものではなく、通常使用されるラジカル重合性を
有する過酸化物やアゾ系化合物等が使用でき、例えば、
硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、ジ−t−ブチルパーオ
キシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオ
キシド、オクタノニルパーオキシド、デカノニルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド、3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド、m−トルオイルパーオキシド、t−ブチルパーオキ
シアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、
t−ブチルパーオキシピパレート、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキ3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート、t−ブチルパオキシライレート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカオーボネート、アゾビスイソブチルニトリル、2,
2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等
が挙げられるが、中でも、単量体に対する重合活性の持
続性や比較的短時間で重合が完了する点から、オクタノ
ニルパーオキシド、デカノニルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、m−トリオ
イルパーオキシドが好ましい。これら重合開始剤は、単
独または2種以上を組み合わせて使用することができ、
単量体100重量部に対して0.1〜10重量部も範囲
で使用することが好ましく、さらに好ましくは0.5〜
10重量部の範囲である。
【0026】また、乳化剤としては、例えば、脂肪酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフ
ォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキ
ルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジス
ルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル
アリル硫酸エステル塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマ
リン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキ
シエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレン
ブロック重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミ
ド、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキ
ルベタイン、アミンオキサイド等が挙げられるが、高分
子量重合体成分と低分子量重合体成分との均一混合性の
観点から陰イオン性界面活性剤が好ましい。
【0027】これら乳化剤は、実質的に高分子量重合体
用単量体が水中に乳化分散するように添加すればよく、
高分子量重合体用単量体100重量部に対して0.1〜
2.5重量部の範囲で使用することが好ましく、さらに
好ましくは0.2〜1.5重量部の範囲である。これ
は、乳化剤の使用量が0.1重量部未満であると、重合
の安定性に劣り凝集物が発生しやすくなる傾向にあるた
めであり、逆に2.5重量部を超えるとトナ−の環境依
存性、特に耐湿性が劣る傾向にあるためである。高分子
重合体成分の乳化重合に際しては、高分子量重合体用単
量体の量(M)と水の量(W)との比(M/W)が1/
2〜1/10程度の範囲で実施され、窒素等の不活性ガ
スで反応系内を置換して行うことが好ましい。
【0028】次いで、乳化重合した高分子量重合体成分
のエマルジョンの存在下で、懸濁重合によって低分子量
重合体成分の重合を行う。懸濁重合は、特に限定される
ものではなく、一般的な懸濁重合法に従って行うことが
でき、高分子量重合体成分、低分子量重合体用単量体お
よび分散剤とを十分に撹拌混合した後に、重合開始剤を
添加して昇温し重合を行うことができる。
【0029】使用される分散剤としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ゼラチン、ポリアクリル
酸塩、アルギン酸塩等の水溶性高分子化合物、硫酸バリ
ウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、粘土、タル
ク、ベントナイト、ケイソウ土等の難水溶性無機化合物
等が挙げられる。中でも、トナ−としての環境依存性、
特に耐湿性の観点から、0.2%水溶液の20℃での表
面張力が55dyne/cm以下である非イオン性分散
剤を使用することが好ましい。このような非イオン性分
散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオ
キサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラ
チン等が挙げられ、中でも、ポリビニルアルコールが特
に好ましい。特に、酢酸基と水酸基がブロック的に存在
する部分鹸化ポリビニルアルコールが好ましい。
【0030】これら分散剤は、高分子量重合体成分と低
分子量重合体成分の合計量100重量部に対して、0.
05〜1重量部の範囲で使用することが好ましい。これ
は、分散剤の使用量が0.05重量部未満であると、懸
濁重合の安定性が低下して生成粒子の凝集によって重合
体が固化する傾向にあり、逆に1重量部を超えるとトナ
ーの環境依存性、特に耐湿性が低下する傾向にあるため
であり、さらに好ましくは0.2〜0.8重量部の範囲
である。
【0031】低分子量重合体成分の懸濁重合は、低分子
量重合体用単量体に対して1〜10倍、好ましくは2〜
4倍程度の水、分散剤、重合開始剤、必要に応じて公知
の分散助剤あるいは連鎖移動剤等を添加して、所定の重
合温度まで昇温して、重合率が95%以上となり実質的
に重合が完了するまで加温を続けることによって行われ
る。分子量を調整するために使用される連鎖移動剤とし
ては、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシ
ルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリ
コール酸2−エチルヘクシル、α−メチルスチレンダイ
マー等が挙げられる。
【0032】2段懸濁重合法による高分子量重合体成分
の懸濁重合は、特に限定されるものではなく、一般的な
懸濁重合法に従って行うことができ、上記のような単量
体とともに、懸濁重合において一般的に使用される分散
剤、重合開始剤、分子量調整剤等を使用することがで
き、温度95〜150℃、圧力0.5〜7kg/cm2
の条件下で行うことが好ましい。
【0033】高分子量重合体成分の懸濁重合に使用され
る重合開始剤としては、1分子内に3個以上のt−ブチ
ルパ−オキサイド基を有する化合物あるいは10時間半
減期温度が90〜140℃の1分子中の官能基が1個で
あるラジカル重合開始剤等を使用することができる。例
えば、1分子内に3個以上のt−ブチルパ−オキサイド
基を有する化合物としては、2,2−ビス(4,4−ジ
−t−ブチルパ−オキシシクロヘキシル)プロパン等が
挙げられる。また、10時間半減期温度が90〜140
℃の1分子中の官能基が1個であるラジカル重合開始剤
としては、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
シクロヘキサノンパーオキシド、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミル
パーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチ
ルパーオキシド、p−メタンハイドロパーオキシド、2
−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2−
アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フ
ェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニ
トリル等の有機過酸化物あるいはアゾ化合物等が挙げら
れる。これら重合開始剤は、単独あるいは2種以上を組
み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量
としては、従来の懸濁重合での重合開始剤の使用量と比
較して非常に少量でよく、全単量体100重量部に対し
て0.001〜0.5重量部の範囲で使用することが好
ましく、さらに好ましくは0.002〜0.05重量部
の範囲である。
【0034】次いで、懸濁重合した高分子量重合体懸濁
粒子の存在下で、懸濁重合によって低分子量重合体成分
の重合を行う。懸濁重合は、特に限定されるものではな
く、一般的な懸濁重合法に従って行うことができ、例え
ば、高分子量重合体の重合反応率が10〜90%程度に
なった時点で、低分子量重合体用の重合開始剤を水また
は低分子量重合体用単量体に溶解して添加することによ
って重合を開始することが好ましい。
【0035】低分子量重合体成分を懸濁重合に使用され
る重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、
通常使用されるラジカル重合性を有する過酸化物やアゾ
系化合物等が使用でき、例えば、ジ−t−ブチルパーオ
キシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオ
キシド、オクタノニルパーオキシド、デカノニルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド、3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド、m−トルオイルパーオキシド、t−ブチルパーオキ
シアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、
t−ブチルパーオキシピパレート、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキ3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート、t−ブチルパオキシライレート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカオーボネート、アゾビスイソブチルニトリル、2,
2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等
が挙げられるが、中でも、単量体に対する重合活性の持
続性や比較的短時間で重合が完了する点から、オクタノ
ニルパーオキシド、デカノニルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、m−トリオ
イルパーオキシドが好ましい。これら重合開始剤は、単
独または2種以上を組み合わせて使用することができ、
単量体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
で使用することが好ましく、さらに好ましくは0.5〜
10重量部の範囲である。
【0036】懸濁重合は、単量体に対して好ましくは1
〜10倍、さらに好ましくは2〜4倍程度の水ととも
に、分散剤、重合開始剤、必要に応じて分散助剤あるい
は連鎖移動剤等を添加して、所定の重合温度まで昇温し
て、所定の重合率となるまで加温を続けることによって
行われる。
【0037】懸濁重合で使用される分散剤としては、ポ
リビニルアルコール、(メタ)アクリル酸の単独重合体
あるいは共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシチルセ
ルロース、ゼラチン、デンプン、硫酸バリウム、硫酸カ
ルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸
カルシウム等のが挙げられ、中でも、ポリビニルアルコ
ールが好ましく、特に好ましくは、酢酸基と水酸基がブ
ロック的に存在する部分鹸化ポリビニルアルコールであ
る。これら分散剤は、水100重量部に対して、0.0
1〜5重量部の範囲で使用することが好ましい。これ
は、分散剤の使用量が0.01重量部未満であると、懸
濁重合の安定性が低下して生成粒子の凝集によって重合
体が固化する傾向にあり、逆に5重量部を超えるとトナ
ーの環境依存性、特に耐湿性が低下する傾向にあるため
であり、さらに好ましくは0.05〜2重量部の範囲で
ある。また、必要に応じて、これら分散剤とともに、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム等の分散助剤を併用することもできる。さらに、
分子量を調整するために、必要に応じて、n−オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘクシ
ル、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用
してもよい。
【0038】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。実施例において、重量平均分子量(Mw)は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値で
あり、テトラヒドロフランを溶剤とし、東ソー社製HC
L−8020を用いて測定し、ポリスチレン換算により
求めた。定着性は、市販の複写機(パナソニック社製F
P−1570)を用いて得た未定着画像を、プロセスス
ピード100mm/secおよび400mm/sec、
温度140〜230℃に調節した定着試験機を用いて定
着させた定着画像を、砂消しゴム(JIS512)で9
回擦り、その前後の画像濃度をマクベス濃度計を用いて
測定し、画像濃度の低下が20%以下であったものを良
好とした。
【0039】非オフセット性は、市販の複写機(パナソ
ニック社製FP−1570)を用いて得た未定着画像
を、プロセススピード100mm/secおよび400
mm/sec、温度190〜230℃に調節した定着試
験機を用いて定着させた後の定着ローラーを目視にて評
価した。画像濃度安定性は、市販の複写機(パナソニッ
ク社製FP−1570)を用いて、3万枚のランニング
テストを行い、1枚目の画像濃度(D1 )と3万枚目の
画像濃度(D2 )をマクベス濃度計を用いて測定し、そ
の画像濃度変化率((D1 −D2 )/D1 ×100)を
求め、その変化率が5%以下であるものを良好とした。
【0040】実施例1 硫酸ナトリウム0.5重量部を溶解された脱イオン水1
80重量部、0.2%水溶液の20℃での表面張力が5
3dyne/cmのポリビニルアルコール(クラレ社製
PVA−224E)0.1重量部を反応容器に投入し、
完全に溶解させる。その後、スチレン42.5重量部、
アクリル酸n−ブチル7.5重量部、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部からなる単量体混合物を反応容器に投入し、1
30℃で2時間の懸濁重合を行い、重量平均分子量(M
w)3.5×105 の高分子量重合体成分を得た。高分
子量重合体成分の重合反応率は70%であった。
【0041】次いで、反応系の温度を40℃にまで冷却
し、硫酸ナトリウム0.5重量部を溶解させた脱イオン
水10重量部、0.2%水溶液の20℃での表面張力が
53dyne/cmのポリビニルアルコール(クラレ社
製PVA−224E)0.1重量部を反応容器に投入し
た。その後、スチレン45重量部、アクリル酸n−ブチ
ル5重量部、ベンゾイルパーオキサイド5重量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂社製パーブチ
ル−Z)0.5重量部、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート(日本油脂社製パーブチル−I)0.
5重量部からなる単量体混合物を反応容器に投入し、さ
らに水酸化ナトリウム0.5重量部と燐酸二水素カリウ
ム1.84重量部を脱イオン水10重量部に溶解させた
pH8の緩衝溶液を添加して、均一に分散させた後、1
30℃で1.5時間の懸濁重合を行い重量平均分子量
(Mw)1.2×104 の低分子量重合体成分を得た。
その後、十分に水で洗浄し乾燥させ、高分子量重合体成
分と低分子量重合体成分とが均一に混合したスチレン−
アクリル系トナー用バインダー樹脂を得た。重合の安定
性は良好であり、得られた樹脂は酸価0.3mgKOH
/gの均一な粒子で、高分子量重合体成分の含有量は3
5重量%であった。
【0042】得られた樹脂93重量部、カーボンブラッ
ク5重量部、負帯電用苛電制御剤1重量%およびポリオ
レフィン系ワックス1重量部とを混合し、110℃で3
0分間、次いで105℃で30分間の溶融混練を行っ
た。その後、ジェットミル微粉砕機を用いて粉砕し、分
級して平均粒子径が13μmのトナーを得た。得られた
トナーは、定着性、非オフセット性および画像濃度依存
性のいずれも良好であり、広い定着温度幅を有してい
た。
【0043】実施例2 硫酸ナトリウム0.5重量部を溶解された脱イオン水1
80重量部、0.2%水溶液の20℃での表面張力が5
3dyne/cmのポリビニルアルコール(クラレ社製
PVA−224E)0.1重量部を反応容器に投入し、
完全に溶解させる。その後、スチレン42.5重量部、
アクリル酸n−ブチル7.5重量部、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部からなる単量体混合物を反応容器に投入し、1
30℃で2時間の懸濁重合を行い、重量平均分子量(M
w)3.5×105 の高分子量重合体成分を得た。高分
子量重合体成分の重合反応率は70%であった。
【0044】次いで、反応系の温度を40℃にまで冷却
し、硫酸ナトリウム0.5重量部を溶解させた脱イオン
水10重量部、0.2%水溶液の20℃での表面張力が
53dyne/cmのポリビニルアルコール(クラレ社
製PVA−224E)0.1重量部を反応容器に投入し
た。その後、スチレン45重量部、アクリル酸n−ブチ
ル5重量部、ベンゾイルパーオキサイド5重量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂社製パーブチ
ル−Z)0.5重量部、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート(日本油脂社製パーブチル−I)0.
5重量部からなる単量体混合物を反応容器に投入し、さ
らに水酸化ナトリウム0.3重量部と燐酸二水素カリウ
ム1.10重量部を脱イオン水10重量部に溶解させた
pH8の緩衝溶液を添加して、均一に分散させた後、1
30℃で1.5時間の懸濁重合を行い重量平均分子量
(Mw)1.2×104 の低分子量重合体成分を得た。
その後、十分に水で洗浄し乾燥させ、高分子量重合体成
分と低分子量重合体成分とが均一に混合したスチレン−
アクリル系トナー用バインダー樹脂を得た。重合の安定
性は良好であり、得られた樹脂は酸価0.7mgKOH
/gの均一な粒子で、高分子量重合体成分の含有量は3
5重量%であった。
【0045】得られた樹脂93重量部、カーボンブラッ
ク5重量部、負帯電用苛電制御剤1重量%およびポリオ
レフィン系ワックス1重量部とを混合し、110℃で3
0分間、次いで105℃で30分間の溶融混練を行っ
た。その後、ジェットミル微粉砕機を用いて粉砕し、分
級して平均粒子径が13μmのトナーを得た。得られた
トナーは、定着性、非オフセット性および画像濃度依存
性のいずれも良好であり、広い定着温度幅を有してい
た。
【0046】比較例1 硫酸ナトリウム0.5重量部を溶解された脱イオン水1
90重量部、0.2%水溶液の20℃での表面張力が5
3dyne/cmのポリビニルアルコール(クラレ社製
PVA−224E)0.1重量部を反応容器に投入し、
完全に溶解させる。その後、スチレン42.5重量部、
アクリル酸n−ブチル7.5重量部、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部からなる単量体混合物を反応容器に投入し、1
30℃で2時間の懸濁重合を行い、重量平均分子量(M
w)3.5×105 の高分子量重合体成分を得た。高分
子量重合体成分の重合反応率は70%であった。
【0047】次いで、反応系の温度を40℃にまで冷却
し、硫酸ナトリウム0.5重量部を溶解させた脱イオン
水10重量部、0.2%水溶液の20℃での表面張力が
53dyne/cmのポリビニルアルコール(クラレ社
製PVA−224E)0.1重量部を反応容器に投入し
た。その後、スチレン45重量部、アクリル酸n−ブチ
ル5重量部、ベンゾイルパーオキサイド5重量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂社製パーブチ
ル−Z)0.5重量部、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート(日本油脂社製パーブチル−I)0.
5重量部からなる単量体混合物を反応容器に投入し均一
に分散させた後、130℃で1.5時間の懸濁重合を行
い重量平均分子量(Mw)1.2×104 の低分子量重
合体成分を得た。その後、十分に水で洗浄し乾燥させ、
高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とが均一に混
合したスチレン−アクリル系トナー用バインダー樹脂を
得た。重合の安定性は良好であり、得られた樹脂は酸価
1.7mgKOH/gの均一な粒子で、高分子量重合体
成分の含有量は35重量%であった。
【0048】得られた樹脂93重量部、カーボンブラッ
ク5重量部、負帯電用苛電制御剤1重量%およびポリオ
レフィン系ワックス1重量部とを混合し、110℃で3
0分間、次いで105℃で30分間の溶融混練を行っ
た。その後、ジェットミル微粉砕機を用いて粉砕し、分
級して平均粒子径が13μmのトナーを得た。得られた
トナーは、定着性および非オフセット性については良好
であったものの、画像濃度安定性に劣るものであった。
【0049】比較例2 硫酸ナトリウム0.5重量部を溶解された脱イオン水1
90重量部、0.2%水溶液の20℃での表面張力が5
3dyne/cmのポリビニルアルコール(クラレ社製
PVA−224E)0.1重量部を反応容器に投入し、
完全に溶解させる。その後、スチレン42.5重量部、
アクリル酸n−ブチル7.5重量部、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部からなる単量体混合物を反応容器に投入し、1
30℃で2時間の懸濁重合を行い、重量平均分子量(M
w)3.5×105 の高分子量重合体成分を得た。高分
子量重合体成分の重合反応率は70%であった。
【0050】次いで、反応系の温度を40℃にまで冷却
し、硫酸ナトリウム0.5重量部を溶解させた脱イオン
水10重量部、0.2%水溶液の20℃での表面張力が
53dyne/cmのポリビニルアルコール(クラレ社
製PVA−224E)0.1重量部を反応容器に投入し
た。その後、スチレン45重量部、アクリル酸n−ブチ
ル5重量部、ベンゾイルパーオキサイド5重量部、t−
ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂社製パーブチ
ル−Z)0.5重量部、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート(日本油脂社製パーブチル−I)0.
5重量部からなる単量体混合物を反応容器に投入し均一
に分散させた後、130℃で1.5時間の懸濁重合を行
い重量平均分子量(Mw)1.2×104 の低分子量重
合体成分を得た。その後、十分に水で洗浄し乾燥させ、
高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とが均一に混
合したスチレン−アクリル系トナー用バインダー樹脂を
得た。重合の安定性は良好で、高分子量重合体成分の含
有量は35重量%であった。あった。
【0051】その後、得られたスチレン−アクリル系ト
ナー用バインダー樹脂100重量部、脱イオン水200
重量部および水酸化ナトリウム0.5重量部を5リッタ
ーのフラスコに投入し、90℃で30分間のアルカリ処
理を施した。次いで、十分に水で洗浄し乾燥させ、酸価
1.4mgKOH/gの樹脂を得た。得られた樹脂93
重量部、カーボンブラック5重量部、負帯電用苛電制御
剤1重量%およびポリオレフィン系ワックス1重量部と
を混合し、110℃で30分間、次いで105℃で30
分間の溶融混練を行った。その後、ジェットミル微粉砕
機を用いて粉砕し、分級して平均粒子径が13μmのト
ナーを得た。得られたトナーは、定着性および非オフセ
ット性については良好であったものの、画像濃度安定性
にやや劣るものであった。
【0052】
【発明の効果】本発明のトナー用バインダー樹脂の製造
方法は、中性からアルカリ性を呈する緩衝溶液の存在下
で重合を行うことによって、トナーとしての定着性、非
オフセット性および画像濃度安定性に優れたトナー用バ
インダー樹脂を生産性よく提供できるものである。
フロントページの続き (72)発明者 清水 浩二 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性あるいはアルカリ性を呈する緩衝溶
    液の存在下で、重合性ビニル基を有する単量体を含有す
    る単量体混合物を重合することを特徴とするトナー用バ
    インダー樹脂の製造方法。
JP6318560A 1994-12-21 1994-12-21 トナー用バインダー樹脂の製造方法 Pending JPH08179557A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6318560A JPH08179557A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 トナー用バインダー樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6318560A JPH08179557A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 トナー用バインダー樹脂の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08179557A true JPH08179557A (ja) 1996-07-12

Family

ID=18100501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6318560A Pending JPH08179557A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 トナー用バインダー樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08179557A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100867145B1 (ko) 고대전성 및 우수한 대전안정성을 갖는 중합토너 및 이의 제조방법
JPH0915904A (ja) トナー用バインダー樹脂の製造方法
JP2000172010A (ja) トナー用バインダー樹脂およびその製造方法
JPH09258481A (ja) トナー用樹脂およびトナー
JPH08179557A (ja) トナー用バインダー樹脂の製造方法
JPH0473444B2 (ja)
JPH0850371A (ja) トナー用バインダー樹脂の製造方法
US6136492A (en) Toner resin for liquid toner compositions
JP2558109B2 (ja) トナ−用樹脂の製造方法
JPH07191496A (ja) トナー用バインダー樹脂
JPH07333893A (ja) トナー用バインダー樹脂の製造方法
JP3645297B2 (ja) トナー用バインダー樹脂の製造方法
EP0883033B1 (en) Toner resin with improved adhesion properties
JPH07179505A (ja) トナー用バインダー樹脂の製造方法
JPH09179338A (ja) トナー用バインダー樹脂およびその製造方法
JP3670712B2 (ja) トナー用樹脂の製造方法
JPH1010782A (ja) トナー用バインダー樹脂およびトナー
JP3745809B2 (ja) トナー用バインダー樹脂
JPH1010783A (ja) トナー用バインダー樹脂の製造方法
JPH09166887A (ja) トナー用バインダー樹脂およびトナー
JP2000231220A (ja) トナー用バインダー樹脂およびそれを用いたトナー
JP3372063B2 (ja) トナー用バインダー樹脂
JPS61176603A (ja) トナー用樹脂の製造法
JPH07191497A (ja) トナー用バインダー樹脂の製造方法
JPH096046A (ja) トナー用バインダー樹脂

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040210