JPS61176603A - トナー用樹脂の製造法 - Google Patents

トナー用樹脂の製造法

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JPS61176603A
JPS61176603A JP60017529A JP1752985A JPS61176603A JP S61176603 A JPS61176603 A JP S61176603A JP 60017529 A JP60017529 A JP 60017529A JP 1752985 A JP1752985 A JP 1752985A JP S61176603 A JPS61176603 A JP S61176603A
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toner
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peroxide
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Sadao Kimura
貞夫 木村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野] 本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静
電荷像を現像する乾式現像方式、すなわちカスケード法
、毛ブラシ法、磁気プツシ法、インプレッション法、パ
ウダークラウド法などで使用されるトナーの結着剤とし
て溶融時の刺激性臭気が少なく、かつ電気的性質がすぐ
れたトナー用樹脂の製造法に関する。
〔従来の技術〕
乾式現像方式では光導電性感光体または静電記録体上に
形成された静電荷像をトナーを用いて現像した後定着さ
れる。定着は光導電性感光体または静電記録体上に現像
によって得られたトナー像を直接融着させるか、紙やフ
ィルム上にトナー像を転写した後、これを転写シート上
に融着させることによって行われる。トナー像の融着は
溶剤蒸気との接触、加圧および加熱によって行なわれ、
加熱方式には電気オーブンによる無接触加熱方式と加熱
ローラーによる圧着加熱方式が用いられる。
乾式現像方式で使用されるトナーには1成分系トナーと
2成分系トナーがある。2成分系トナーは、先ず樹脂、
着色剤、荷電制御剤およびその他必要な添加剤を溶融混
練して十分に分散した後、次いで粗粉砕、微粉砕し、所
定の粒度範囲に分級して製造される。1成分系トナーは
上記の2成分系トナーの各成分のほかに磁性鉄粉を添加
して同様にして製造される。
樹脂はトナー配合中の主成分であるため、トナーに要求
される性能の大部分を支配する。このためトナー用樹脂
には、トナーの製造においては溶融混練工程での着色剤
の分散性、粉砕工程での粉砕性の良いことなどが要求さ
れ、またトナーの使用においては定着性、オフセット性
、ブロッキング性および電気的性質が良いことなど多様
な性能が要求される。トナーの製造に用いられる樹脂と
してはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン
系樹脂、メタクリル系樹脂などが公知である。しかし、
年々高まる定着工程の低温化と高速化の要求に適合する
樹脂として、現在では重合性ビニル基を有する単量体(
以下単量体と記す)の単独重合体または共重合体樹脂、
特にスチレンまたはその誘導体の共重合体樹脂が主とし
て使用されている。
単量体を単独重合または共重合させる方法としては溶液
重合法、乳化重合法、塊状重合法および懸濁重合法がい
ずれも使用できるが、上記のような多様な性質を具備し
たトナー用樹脂を低コストで製造する方法として懸濁重
合法が最も適している。従来の懸濁重合法によるトナー
用樹脂は懸濁分散安定剤を含む水中に重合開始剤を溶解
した単量体を投入し、攪拌しながら加熱し、重合を完結
させた後、洗浄、脱水、乾燥して製造されている。この
際使用される重合開始剤にはアゾ化合物と過酸化物が一
般に使用されるが、トナー用樹脂の製造には比較的多量
に重合開始剤を使用することが多く、特に単量体として
スチレンまたはその誘導体を多く含有するときは重合速
度が小さいので、重合を完結させるため重合開始剤を多
用することが避られない。重合開始剤としてアゾ化合物
を多く使用すると、分解するとき発生する窒素ガスによ
り懸濁粒子の一部または全部が浮きポリマーとなり収率
よく樹脂を製造することができない。過酸化物はこのよ
うな問題がない好ましい重合開始剤としてよく使用され
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
単量体単独または混合物、特に単量体としてスチレンま
たはその誘導体を多く含む単量体を過酸化物を用いて懸
濁重合で製造された従来のトナー用樹脂はトナーの製造
の際の溶融混線工程、およびトナーの使用の際の定着工
程で溶融状態となったとき刺激性臭気が発生するため作
業環境上好ましくなく、また不快感を与えるとして問題
とされ、また電気的性質の湿度依存性が大きく良好なト
ナーを得られず、その改善が望まれていた。
〔問題点を解決するための手段、 その作用および発明の効果〕
本発明者らは溶融時の刺激性臭気とトナーの電気的性質
を低下させる原因について検討したところ、使用する樹
脂を溶剤に溶解または膨潤させ、貧溶剤で再沈澱させる
ことを繰返し精製したところ、刺激性臭気が無くなり、
またトナーの電気的性質も大幅に改善され、樹脂中に含
まれる不純物が原因であることが分った。単量体を重合
して得られる樹脂には一般に未反応の単量体が残存して
いるので、この単量体が原因ではないかと考え、乾燥の
強化やベント押出機で脱気して残存する単量体を減少さ
せる試みを行ったが、これらの問題を改善できなかった
そこで、本発明者らは溶融時に刺激臭気を発生する不純
物を減少させる工業的な方法を検討したところ、単量体
を重合開始剤として過酸化物を用いて懸濁重合させてト
ナー用樹脂を製造する方法において、重合が実質的に終
了した後、アルカリ金属の水酸化物を添加し、得られる
樹脂のガラス転移温度(以下TP と記す)以上の温度
で、樹脂が加水分解しない範囲の熱処理することにより
溶融時の刺激性臭気とトナーの電気的性質を大幅に改良
し得ることを見い出し、本発明を完成した。このことか
らこれらの原因は原料中より持ち込まれたか、または重
合中に生成、特に重合開始剤の分解により生成した酸性
の不純物に起因すると考えられる。
本発明は、重合性ビニル基を有する単量体を重合開始剤
として過酸化物を用いて懸濁重合させてTPが50ない
し100℃のトナー用樹脂を製造する方法において、重
合が実質的に終了したのち、重合系にアルカリ金属の水
酸化物を添加し、得られる樹脂のTJI以上の温度で樹
脂が加水分解しない範囲の熱処理する工程を含むことを
特徴とするトナー用樹脂の製造法にある。
本発明における懸濁重合は実質的に重合が終了するまで
は公知の方法で行われる。まず温度計を備えた反応器に
単量体に対して工ないし10倍、好ましくは2ないし4
倍の水、懸濁分散安定剤および必要ならば分散助剤を入
れ攪拌を行い、次いで常温または加温しながら単量体、
重合開始剤および必要ならば連鎖移動剤を添加し、所定
の重合温度にまで加温し、実質的に重合が完了する、す
なわち重合率が少なくとも95%になる、まで加温を続
ける。
本発明で使用される単量体は従来からトナー用樹脂に使
用されているものすべてに適用される。その具体例とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、置換基としてp
−メチル基、m −メチル基、p−メチル基、p−エチ
ル基、2,4−ジメチル基、p−ブチル基、p−ヘキシ
ル基、p−オクチル基、p−ノニル基、p−デシル基、
p−メトキシ基、p−フェニル基などを有するスチレン
誘導体類、一般式: CH,= CR−COOR’(但
し、Rは水素またはメチル基を表わす)において、Ro
がメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソノニル基
、n−ブチル基、イソブチル基、S−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基%  n−ヘキシル基、n−オ
クチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソ
ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ステ
アリル基、トコシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基
、フェニル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、
ブトキシエチル基、フェノキシエチル基などであるアク
リル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリル
酸またはメタクリル酸誘導体類などの単量体を挙げるこ
とができる。本発明における単量体は、得られる樹脂の
TIが50ないし100℃、好ましくは55ないし80
℃になる単独系または混合系として使用される。得られ
る樹脂のTPが50℃未満ではプロツ゛キ゛ング性のよ
いトナーが得られず、100℃以上では定着性のよいト
ナーが得られないからである。本発明においては、単量
体として、スチレン、その誘導体、アクリル酸エステル
およびメタクリル層エステルか1−* ?r渣隊成分と
1、で含有す乙樹脂を製造する場合に特に有効である。
一般にTIは測定法および測定条件により若干異なるが
、本発明でのTIは示差走査熱量計(以下DSCと記す
)で昇温速度を10℃/分として測定したチャートのベ
ースラインとTf近傍での吸熱カーブの交点として定義
される。
本発明において、重合性ビニル基を有する単量体の一部
に少なくとも2個の重合性ビニル基を有する単量体(以
下架橋性単量体と記す)を使用すると、トナーの加熱ロ
ーラ一定着方式におけるオフセット性を著しく改良させ
ることができる。2個の重合性ビニル基を有する架橋性
単量体の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニル
ナフタレン、およびその誘導体などの芳香族ジビニル化
合物、エチレングリコール、1.3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、ジエチレンクリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリ
エチレングリコールなどの2価アルコールのジアクリレ
ート類またはジメタクリレート類などを挙げることがで
きる。また3個以上の重合性ビニル基を有する架橋性単
量体の具体例としては、グリセリン、トリメチロールプ
ロパンなどの多価アルコールのトリアクリレートまたは
トリメタクリレートなどを挙げることができる。架橋性
単量体は単量体の0.05ないし10重量%、好ましく
はO,lないし5重量%使用される。架橋性単量体が0
.05重量%以下では得られるトナーの加熱ローラ一定
着方式におけるオフセット性を十分高めることができず
、また10重量%以上は得られる樹脂が溶融混線が困難
または不能となったり、得られるトナーの定着性が不良
となる。
本発明においては、単量体を懸濁重合する場合のほかに
、予め一部重合された単量体と樹脂の混合物または予め
重合された樹脂を溶解した単量体を重合する場合にも適
用される。この際共存させる樹脂と後重合で生成させる
樹脂の分子量を異ならせて分子量分布を広くすることに
よりトナーの加熱ローラ一定着方式におけるオフセット
性を向上させることができる。
本発明における重合開始剤としては、公知のラジカル重
合活性のある過酸化物が使用される。
その具体例としては、ジ−t−ブチルパーオキシド、t
−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、
アセチルパーオキシド、インブチリルパーオキシド、オ
クタノニルパーオキシド、デカノニルパーオキシド、ラ
ウロイルパーオキシド、 3,5.5− トリメチルヘ
キサノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、−
m −トルオイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−プチルバーオキシインブチレ−)、t
−ブチルパーオキシピバレート、を−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート
、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシ3,5.5− トリメチルヘキサノ
エート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネートなどを挙げることができるが、中で
も単量体に対する重合活性の持続性と比較的短時間で重
合を完了させる点からオクタノニルパーオキシド、デカ
ノニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾ
イルパーオキシド、m−トルオイルパーオキシドなどが
本発明において特に有効である。これらの重合開始剤は
比較的短時間で重合を完結させるのに必要な量が使用さ
れるが、一般には単量体100重量部に対して0.1な
いし10重量部、好ましくは0.5ないし5重量部が用
いられる。
本発明は重合開始剤の少なくとも一部として過酸化物を
用いる場合に適用され、アゾ化合物、たとえばアゾビス
イソブチルニトリルや2.2’−アソヒス−(2,4−
ジメチルバレロニトリル′)などを一部併用する場合も
包含される。
本発明において必要に応じて使用される連鎖移動剤とし
ては公知のもの、たとえばn−オクチルメルカプタン、
n−ドデシルメルカプタン、蟲−【0シ=ゴー+7II
−J*−一暴!イJツリシーLJ−ノリ’111−1n
−自)2−エチルヘキシルなどを挙げることができる。
これらの連鎖移動剤は樹脂中に残存すると溶融時の悪臭
の原因となるので使用する場合には必要最小限とすべき
である。
本発明における懸濁分散安定剤としては公知のものが使
用される。その具体例としては、ポリビニルアルコール
、部分鹸化ポリビニルアルコール、アクリル酸またはメ
タクリル酸の単独重合体または共重合体のす) IJウ
ム塩またはカリウム塩、カルボキシメチルセルロース、
ゼラチン、デンプンなどの水溶性樹脂類、硫酸バリウム
、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、リン酸カルシウムなどの水難溶性また
は不溶性の無機粉末類などを挙げることができる。これ
らの懸濁分散安定剤は生成する樹脂粒子が重合およびア
ルカリ処理中に凝固することなく操作を完了させ得るに
必要な量が使用されるが、一般罠は水100重量部に対
して0.01ないし5重量部、好ましくはO−05tf
い12重畳部使用される、また本発明で必要ならば使用
される分散助剤としては塩化ナトリウム、塩化カリウム
、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなどの電解質類などを
挙げることができる。
本発明における懸濁重合の条件は重合される単量体の種
類や重合開始剤の種類および量によって異なるが、一般
に温度は50ないし130℃、好ましくは70ないし1
00℃で、時間は工ないし10時間程度が適当である。
本発明で最も重要なことは、重合が実質的に終了した後
、アルカリ金属の水酸化物を重合系に添加し、得られる
樹脂のT/以上の温度で、樹脂が加水分解しない範囲の
アルカリ処理することにより溶融時の刺激性臭気となり
、またトナーの電気的性質に悪影響を及ぼす酸性不純物
を除去することにある。重合が完了した懸濁液では酸性
不純物は樹脂粒子相と水相にある比率(分配係数)で分
配されているが、一般に酸性不純物の大部分は粒子相に
分配され、かつ粒子内から水相への拡散速度が遅いため
水洗のみで除去することは不可能である。粒子内の酸性
不純物を除去するためには水相への分配を増大させるこ
とと分配平衡への速度を増大させることが重要である。
本発明の方法によれば、重合後にアルカリを添加するこ
とにより酸性不純物が水溶性塩となり水相への溶解度が
著しく太き(なり、また得られる樹脂のT/以上の温度
でアルカリ処理することにより酸性不純物の粒子内から
水相への拡散速度が著しく大きくなり、短時間のアルカ
リ処理で除去可能となる。この効果は酸性不純物が水不
溶性または難溶性である場合にも同様に顕著である。ア
ルカリ処理は重合が実質的に終了した後、すなわち重合
率が少なくとも95%以上になった時点で行われる。
これより早い時点では樹脂に単量体が多く残存すること
になるので好ましくない。
アルカリ処理では樹脂の加水分解に注意する必要がある
。単量体がスチレンまたはその誘導体のみよりなる樹脂
の場合には問題がないが、上記のアクリル酸アルキルエ
ステル、メタクリル酸アルキルエステル、ビニルエステ
ルナトラ用いる重合はアルカリ処理におけるアルカリの
添加量が多すぎたり、処理時間が長すぎたりすると、加
水分解する恐れがある。加水分解すると、トナーとして
の電気的性質および加熱ローラ一定着方式におけるオフ
セット性が低下するので、加水分解しない範囲でのアル
カリ処理とすることが重要である。この意味から効率よ
く短時間で酸性不純物を除去可能となる樹脂のT/以上
の温度でのアルカリ処理は必要条件となる。
また重合により樹脂を製造するのに使用する単量体とし
て、特にスチレンまたはその誘導体が単量体の少なくと
も50重量%であると、トナーとしての一般性能上から
も好ましいばかりでな(、アルカリによる加水分解性が
低下するため酸性不純物のより十分な除去が可能となる
酸性不純物を除去する目的のアルカリ処理にはすべての
アルカリが使用できる。しかし、悪臭があるものは取扱
い上問題であり、また粒子内に溶解し易いもの、酸性不
純物と不溶性塩をつくるものなどは逆にアルカリまたは
塩の除去が困難になり、トナーの電気的性質を低下する
ので好ましくないので、本発明のアルカリ処理にはアル
カリ金属の水酸化物が使用され、その具体例としては、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどのア
ルカリ金属の水酸化物が挙げられるが、水酸化ナトリウ
ムと水酸化カリウムが安価で最も好ましい。アルカリ金
属の水酸化物は酸性不純物の除去に必要な最少量が用い
られ、一般に水100重量部に対して0.01ないし1
重量部、好ましくは0.05ないし0.5重量部が使用
される。0.01重量部未満では十分に酸性不純物を除
去できず、1重量部以上では酸性不純物の除去には過剰
であり、廃水処理に多量の中和剤を必要としコスト高の
原因となり、また樹脂を加水分解させることになるから
である。
アルカリ処理後、十分な水洗と脱水を行いアルカリを除
去し、最後に乾燥されるが、これらは公知の方法が用い
られる。洗浄と脱水には遠心脱水機、スーパーデカンタ
−などが用いられ乾燥には箱屋乾燥機、真空乾燥機など
が用いられる。水洗に際してアルカリを完全に除去する
ため酸処理を行うこともできる。
〔実施例〕
次に実施例によって本発明を例証するが、本発明の実施
の態様がこれによって限定されるものではない。なお、
実施例における部数は特に明記しない限り重量によって
表わす。
比較例1 攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた加圧可能な反応
器に水300部、部分鹸化ポリビニルアルコール(日本
合成化学工業製ゴーセノールGH−20)0.5部を入
れ、回転速度350rpmで攪拌しながら、スチレン7
5.7部、n−ジプチルアクリレート18部n−ブチル
メタクリレート6部、ジビニルベンゼン0.3 部にベ
ンゾイルパーオキシド3部を溶解した溶液を投入し、温
度85℃に加温して6時間保持して重合を完結させた。
生成物を冷却し十分に水洗し、遠心脱水機で脱水した後
、熱風循環乾燥機を用い50℃で24時間乾燥したとこ
ろ、微粒状樹脂(R−1)98.5部を得た。樹脂(R
−1)はDSCで測定したTfが64℃、酸価が1.8
1n9KOH//、残存単量体が合計680 ppmで
あった。次いで、樹脂(R−1)45部、カーボンブラ
ック(三菱化成工業製#30)3.5部、ニグロシン1
.5部を■型ブレンダーに仕込み、約1時間予備混合し
た後、卓上型ニーダ−を用いて180℃で30分混練し
た。混線物を冷却し、予備粉砕した後ジェットミルで粉
砕し、分級して平均粒径15μのトナーを調製した。得
られたトナー3部とフルイ200メツシュは通過するが
300メツシユは通過しない磁性鉄粉のキャリヤ97s
−を混合して現像剤を調製し、酸化亜鉛を用いた感光体
と、一方がフッ素樹脂、他方がシリコン樹脂でライニン
グされた定着ローラーを有する普通紙複写機で相対湿度
60%の雰囲気で定着ローラ一温度190℃で画像形成
を行った。その結果、トナーの定着性は良好で、得られ
た画像はカプリ、濃度ムラの発生がなく、画像濃度は高
く鮮明であった。さらにこの現像剤を用いて繰り返し画
像形成を行なったところ、キャリヤへのトナーの汚染は
ほとんどなく、トナーの定着ローラーへのフィルミング
や画像へのオフセットは見られなかった。またトナーは
55℃の雰囲気に1週間放置した後もブロッキングせず
良好であった。しかし、この樹脂とトナーは室温ではほ
とんど臭気が無いにもかかわらず、溶融混線のニーダ−
と画像形成を繰り返したときの定着ローラーより刺激性
臭気が強く発、生し、また相対湿度85%の雰囲気で画
像形成したところ画像濃度が著しく低下し、トナーとし
て不十分なものであった。これらの結果を表−1に示す
実施例1 比較例1と同様の条件で懸濁重合を終了させた後、攪拌
を続けながら温度85℃で反応系に水酸化ナトリウム0
.5部を投入し、30分間アルカリ処理する以外は比較
例1と同様にして微粒状樹脂(R−2)を得た。樹脂(
R−2)はTfが64℃で、酸価が0.61n9KOH
/P、残存単量体が合計660 ppmであった。そし
て比較例1と同様にしてトナーを調製し、画像形成を行
った。その結果を表−1に示すが、トナーの一般性能は
比較例1と同様に良好であった。しかるに、溶融混線の
ニーダ−と画像形成を繰り返したとき定着ローラーより
の刺激性臭気はほとんどせず、また湿度85%の雰囲気
で画像形成したときの画像濃度の低下も少なく、比較例
1の欠点がアルカリ処理により大幅に改善された。
樹脂(R−2)の酸価は比較例1の樹脂(R−1〉の約
1/3と減少しており、アルカリ処理により酸性不純物
が除去され、上記の改良がなされたと考えられる。
表−1 (良好) ◎〉○>0>Δ>x  <不良)(以下同様
)実施例2 アルカリ処理温度を20.40,60,70゜100℃
とする以外は実施例1と同様にして樹脂(R−3)ない
しくR−7)を得た。100℃以上のアルカリ処理は沸
騰による発泡を防ぐため加圧下で行った(以下同様)。
樹脂の特性値および比較例1と同様にして得たトナーの
性能を表−2に示す。表−2と表−1よりトナーの高湿
時の画像濃度および溶融時と定着時の刺激性臭気はアル
カリ処理温度を得られる樹脂のTf以上とするとき顕著
に改良された。なお、アルカリ処理の有無で残存単量体
量は表−1、表−2よりほとんど変化していないので、
これらの改良は残存単量体量と無関係であること力;分
る。
表−2 画像濃度(湿度60%)、定着性、ブロッキング性:い
ずれも◎実施例3 アルカリ処理時間を15.60,120゜180.24
0分とする以外は実施例1と同様にして樹脂(R−8)
ないしくR−12)を得た。樹脂の特性値および比較例
1と同様にして得たトナーの性能を表−3に示す。表−
3と表−1の結果よりトナーの高湿時の画像濃度および
溶融時と定着時の刺激性臭気はいずれもアルカリ処理に
より改良されるが、アルカリ処理時間が長すぎると樹脂
が加水分解してオフセット性が低下するので、この場合
120分までのアルカリ処理が好ましい。
表−3 画像濃度(湿度60%)、定着性、ブロッキング性:い
ずれも◎実施例4 アルカリ処理において、水酸化ナトリウム0.2,1,
2,3.5部を用いて、温度85℃、時間60分とする
以外は実施例1と同様にして樹脂(R−13)ないしく
R−17)を得た。
樹脂の特性値および比較例1と同様にして得たトナーの
性能を表−4に示す。表−4、表−1、表−3の結果よ
りトナーの高湿時の画像濃度および溶融時と定着時の刺
激性臭気はいずれもアルカリ処理により改良されるが、
アルカリ処理の水酸化ナトリウム添加量が多すぎると樹
脂が加水分解してオフセット性が低下するので、この場
合2部以下のアルカリ処理が好ましい。
表−4 画像濃度(湿度60%)、定着性、ブロッキング性:い
ずれも◎実施例5 表−5に明記する以外は比較例1、実施例1と同様にし
て樹脂(R−18)ないしくR−29〉を得た。樹脂の
特性値および比較例1と同様にして得たトナーの性能を
表−5に示す。
表−5と表−1の結果よりトナーの高湿時の画像濃度お
よび溶融時と定着時の刺激性臭気はいずれもアルカリ処
理により改良されるが、得られる樹脂のTIが50℃以
下であると得られるトナーのブロッキング性が不良とな
る。
実施例6 表−6に明記する以外は実施例1と同様にして樹脂(R
−30)ないしくR−37)を得た。
また樹脂(R−30)ないしくR−37)に対応するア
ルカリ処理を省略した樹脂(R−38>ないしくR−4
5)を得た。これらの樹脂特性値および比較例1と同様
にして得たトナーの性能を表−6に示す。表−6と表−
1の結果より樹脂(R−37>と(R−45)を除いて
アルカリ処理したものは高湿時の画像濃度および溶融時
と定着時の刺激性臭気は対応するものに比較して良好で
あった。また架橋性単量体量が増すにつれてオフセット
性が良好となるが、架橋性単量体量が10%以上である
樹脂(R−38)と(R−45)は樹脂が溶融混線不能
でトナーが得られず不適当であった。
実施例7 表−7に明記する以外は比較例1、実施例1と同様にし
て樹脂(R−46)ないしくR−53〉を得た。樹脂の
特性値および比較例1と同様にして得たトナーの性能を
表−7に示す。
表−7の結果よりトナーの高湿時の画像濃度および溶融
時と定着時の刺激性臭気はいずれもアルカリ処理により
改良されるが、スチレン含量が50%以下になるとトナ
ーの一般性能、特に高湿時の画像濃度とオフセット性が
低下する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重合性ビニル基を有する単量体を重合開始剤とし
    て過酸化物を用いて懸濁重合させてガラス転移温度が5
    0ないし100℃のトナー用樹脂を製造する方法におい
    て、重合が実質的に終了した後、重合系にアルカリ金属
    の水酸化物を添加し、得られる樹脂のガラス転移温度以
    上の温度で樹脂が加水分解しない範囲の熱処理する工程
    を含むことを特徴とするトナー用樹脂の製造法。
  2. (2)重合性ビニル基を有する単量体の0.05ないし
    10重量%が少なくとも2個の重合性ビニル基を有する
    単量体である特許請求の範囲(1)項記載のトナー用樹
    脂の製造法。
  3. (3)重合性ビニル基を有する単量体の少なくとも50
    重量%がスチレンまたはその誘導体である特許請求の範
    囲(1)項または(2)項記載のトナー用樹脂の製造法
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