JP2006084953A - 静電荷現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温定着性、優れた剥離性、流動性、透明性を併せ持つ静電荷現像用トナーの提供。
【解決手段】2種類の結晶性ポリエステル樹脂A及びB、離型剤並びに着色剤を含むトナーであって、該離型剤粒子の表面が結晶性ポリエステル樹脂Bにて被覆されており、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの融点が50〜95℃であり、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mgKOH/g)とし、結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mgKOH/g)とし、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)であり、透過型顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在し、かつ該離型剤粒子の粒径が0.1〜0.5μmであることを特徴とする静電荷現像用トナー。
【選択図】なし
【解決手段】2種類の結晶性ポリエステル樹脂A及びB、離型剤並びに着色剤を含むトナーであって、該離型剤粒子の表面が結晶性ポリエステル樹脂Bにて被覆されており、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの融点が50〜95℃であり、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mgKOH/g)とし、結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mgKOH/g)とし、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)であり、透過型顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在し、かつ該離型剤粒子の粒径が0.1〜0.5μmであることを特徴とする静電荷現像用トナー。
【選択図】なし
Description
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した電子写真装置に利用し得る電子写真用トナーに関する。
電子写真用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)の定着方式としては、常温で圧力ロールのみを用いる圧力定着方式、加熱ロール等を用いる接触加熱型定着方式や、オーブン加熱によるオーブン定着方式、キセノンランプ等によるフラッシュ定着方式、マイクロ波等による電磁波定着方式、溶剤蒸気を用いる溶剤定着方式等の非接触定着方式が挙げられるが、従来、熱を用いたオーブン定着方式や接触加熱型定着方式が信頼性や安全性の面から主に使用されている。
特に加熱ロールやベルト等を用いる接触加熱型定着方式は、通常加熱源を設けた加熱ロールまたはベルトと、加圧ロールまたはベルトとから構成され、加熱ロールまたはベルト表面に被記録体のトナー画像面を圧接触させながら通過させることにより定着を行うものであり、加熱ロールまたはベルト表面と被記録体のトナー画像面とが直接接触するため、熱効率が有効で迅速に定着を行うことができるという特徴を有しており、広く採用されている。
特に加熱ロールやベルト等を用いる接触加熱型定着方式は、通常加熱源を設けた加熱ロールまたはベルトと、加圧ロールまたはベルトとから構成され、加熱ロールまたはベルト表面に被記録体のトナー画像面を圧接触させながら通過させることにより定着を行うものであり、加熱ロールまたはベルト表面と被記録体のトナー画像面とが直接接触するため、熱効率が有効で迅速に定着を行うことができるという特徴を有しており、広く採用されている。
これらの熱定着方式では、電源を入れてから定着機の温度が使用温度まで迅速に上昇し定着可能な状態となるまでの時間、いわゆるウォームアップタイムの短縮とともに、エネルギー使用量を低減するため、より低温で定着できることが望まれている。特に近年では、省エネルギーの徹底のため使用時以外は定着器への通電を停止することが望まれており、定着器温度は、通電とともに瞬時に定着可能温度に達する必要があるため、より一層低温での定着が必要となっている。また、定着温度を低減することにより、同じ消費電力であってもプリントスピードの高速化が可能であり、さらに接触加熱型定着方式では加熱ロールなどの定着部材の長寿命化が可能となるため、コストの面からも好ましい。
しかしながら、従来の方法においてトナーの定着温度を低温化させることは、同時に必然的にトナーのガラス転移点も低下させてしまうことになり、トナーの保存性との両立が困難となる。低温定着化とトナー保存性との両立のためには、トナーがガラス転移点をより高温に保ったまま、高温領域でトナーの粘度が急速に低下する、いわゆるシャープメルト性をもつことが必要である。
一方、トナーに使用される樹脂は、通常ある程度ガラス転移点、分子量等に幅を持つため、前記シャープメルト性を得るためには、極端に樹脂の組成、分子量をそろえる必要があるものの、前記樹脂を得るためには、特殊な製法を用いたり、樹脂をクロマトグラフィー等で処理をすることにより樹脂の分子量を整える必要が生じてしまい、この場合、樹脂作製のためのコストが高くならざるを得ず、またその際に不要な樹脂が生じ、近年の環境保護の観点からも好ましくない。
一方、トナーに使用される樹脂は、通常ある程度ガラス転移点、分子量等に幅を持つため、前記シャープメルト性を得るためには、極端に樹脂の組成、分子量をそろえる必要があるものの、前記樹脂を得るためには、特殊な製法を用いたり、樹脂をクロマトグラフィー等で処理をすることにより樹脂の分子量を整える必要が生じてしまい、この場合、樹脂作製のためのコストが高くならざるを得ず、またその際に不要な樹脂が生じ、近年の環境保護の観点からも好ましくない。
このような低温定着性を実現するために、結着樹脂として結晶性樹脂を使用する方法が検討されている(例えば、特許文献1〜3参照)。結晶性樹脂を使用することにより、結晶の融点以下ではトナーの硬さが保持され、融点を超えたところで結晶の融解とともに粘度が急激に低下することにより、低温定着が図られる。しかし上記開示技術では、結晶性樹脂の融点が低すぎるため、粉体や画像の信頼性に問題があったり、結晶性樹脂では紙への定着性能が十分ではないという問題点があった。
紙への定着性改善が期待される結晶性樹脂としては、ポリエステル樹脂が挙げられ、結晶性ポリエステル樹脂をトナーに用いることが提案されている(特許文献4参照)。これは、ガラス転移温度が40℃以上の非結晶性ポリエステル樹脂と、融点が130℃〜200℃の範囲の結晶性ポリエステル樹脂を混合して用いる方法である。しかしこの方法は、優れた粉砕性、耐ブロッキング性を有するが、結晶性ポリエステル樹脂の融点が高く、従来以上の低温定着性は達成できなかった。
また結晶性ポリエステル樹脂をできるだけ単独で熱ロール定着に用いる例がいくつか提案されている(例えば、特許文献5〜7参照)。しかしこれらは、テレフタル酸のカルボン酸成分に対して、炭素数の少ないアルキレングリコールや脂環族アルコールを用いている樹脂である。したがって、その中に、結晶性ポリエステル樹脂という記述はあるものの、結晶性がきわめて低いポリエステル樹脂であり、トナー(樹脂)の温度に対する粘度変化が急峻でなく、ブロッキング性・定着後の画像保存性に問題はないものの、熱ロール定着において従来以上の低温定着を実現することはできなかった。
一方、架橋構造を有する結晶性ポリエステル樹脂を主成分として含むトナーが、耐ブロッキング性・画像の保存性に優れ、かつ低温定着を実現し得ることが示されている(特許文献8参照)。しかしながら、かかるトナーでは、帯電性のより一層の向上が望まれる。 これに対し、樹脂組成を規定する方法が試みられているが(特許文献9参照)、この方法では帯電性の向上は示しているものの帯電性が未だ十分でない。またこのような樹脂組成は分子間での凝集力が小さいため定着時の剥離性が従来のトナーに比べ劣るという問題もある。特にフルカラートナーのように画像光沢性の高い定着画像を必要とした場合、トナーの溶融粘度を下げる必要があるため充分な温度領域での剥離性の確保が一層困難となる。さらに高画質化のためにコート紙を用いた場合は紙のこしが低下するため、より離型性の確保が困難となる。
そこで、前記不具合を改善する目的で、無定形高分子を形成するラジカル重合性単量体に結晶性樹脂を溶解させた溶液中で、これらの成分を含む乳化または懸濁樹脂微粒子を凝集、融着させてトナー粒子を得る処方が提案されている(特許文献10参照)。しかし、この方法では、トナー中に含まれる結晶性樹脂相の割合が多い場合、トナー表面へ結晶性樹脂が露出する割合が大きくなる。この場合、上述のように結晶性樹脂本来の低帯電性に起因してトナーの帯電性に悪影響を及ぼすという問題がある。また定着時の剥離性もより一層困難となる。
また、剥離性という観点では、一般に離型剤成分には、定着時の低温オフセットを防止する目的でポリオレフィン系ワックスが内添されている。またこれとあわせて定着ローラーに微量のシリコーンオイルを均一に塗布せしめ、高温オフセット性の向上を図っている。このため、出力された転写材にはシリコーンオイルが付着しており、これを取り扱う際にべたつきの不快感があり、好ましくない。
このため、オイルレス定着を行うためには、多量の離型剤を添加することが必要となる。離型剤の多量添加によって、ある程度は剥離性の改善を行うことが出来るが、離型剤含有量の増加により、トナー表面に露出する離型剤量も増加してしまう。結果として、トナーの粉体流動性が低下してしまうという問題が発生する。
特公昭56−13943号公報
特公昭62−39428号公報
特公昭63−25335号公報
特公昭62−39428号公報
特開平4−120554号公報
特開平4−239021号公報
特開平5−165252号公報
特開2001−117268号公報
特開2002−82845号公報、
特開2001−42564号公報
また、剥離性という観点では、一般に離型剤成分には、定着時の低温オフセットを防止する目的でポリオレフィン系ワックスが内添されている。またこれとあわせて定着ローラーに微量のシリコーンオイルを均一に塗布せしめ、高温オフセット性の向上を図っている。このため、出力された転写材にはシリコーンオイルが付着しており、これを取り扱う際にべたつきの不快感があり、好ましくない。
このため、オイルレス定着を行うためには、多量の離型剤を添加することが必要となる。離型剤の多量添加によって、ある程度は剥離性の改善を行うことが出来るが、離型剤含有量の増加により、トナー表面に露出する離型剤量も増加してしまう。結果として、トナーの粉体流動性が低下してしまうという問題が発生する。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、低温定着性、優れた剥離性、流動性、透明性を併せ持つ静電荷現像用トナーを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、低温定着性、優れた剥離性、流動性、透明性を併せ持つ静電荷現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記従来技術における問題点を克服するために鋭意検討した結果、結着樹脂の主成分として用いる結晶性ポリエステル樹脂よりも酸価の低い結晶性ポリエステル樹脂にて表面を被覆した離型剤を使用することにより、トナー粒子内部での離型剤の分散状況を制御し、低温定着性、優れた剥離性、流動性、透明性を併せ持つ静電荷現像用トナーが得られることを見出し本発明を完成した。
即ち本発明は、次のものを提供するものである。
即ち本発明は、次のものを提供するものである。
<1> 2種類の結晶性ポリエステル樹脂A及びB、離型剤並びに着色剤を含むトナーであって、該離型剤粒子の表面が結晶性ポリエステル樹脂Bにて被覆されており、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの融点が50〜95℃であり、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mgKOH/g)とし、結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mgKOH/g)とし、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)であり、透過型顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在し、かつ該離型剤粒子の粒径が0.1〜0.5μmであることを特徴とする静電荷現像用トナー。
<2> 透過型電子顕微鏡観察に於いて、該トナーがコア/シェル構造を示し、且つ最表面層から0.3μm以内には、結晶性ポリエステル樹脂Aのみからなる層が存在し、0.3〜1.0μmには離形剤と結晶性ポリエステルAからなる層が存在し、且つ該離形剤と結晶性ポリエステルAからなる層よりも内側に結晶性ポリエステル樹脂A及び顔料が存在する<1>記載の静電荷現像用トナー。
<3> 離形剤のコアがポリアルキレンであって、透過型電子顕微鏡から観察される離型剤の被覆層の厚さが0.015〜0.050μmである<1>又は<2>記載の静電荷現像用トナー。
<4> トナー粒子中に離型剤を2〜30重量部含む<1>、<2>又は<3>記載の静電荷現像用トナー。
<5> 離型剤の融点が60から100℃である<1>〜<4>の何れか1項記載の静電荷現像用トナー。
<3> 離形剤のコアがポリアルキレンであって、透過型電子顕微鏡から観察される離型剤の被覆層の厚さが0.015〜0.050μmである<1>又は<2>記載の静電荷現像用トナー。
<4> トナー粒子中に離型剤を2〜30重量部含む<1>、<2>又は<3>記載の静電荷現像用トナー。
<5> 離型剤の融点が60から100℃である<1>〜<4>の何れか1項記載の静電荷現像用トナー。
本発明のトナーは、低温定着性、優れた剥離性、流動性、透明性を併せ持つ静電荷現像用トナーである。
以下、本発明を詳細に説明する。
(静電荷現像用トナー)
本発明の静電荷現像用トナー(以下、トナーと略す場合がある)は、2種類の結晶性ポリエステル樹脂A及びB、離型剤並びに着色剤を含むトナーであって、該離型剤粒子の表面が結晶性ポリエステル樹脂Bにて被覆されており(以下、プリコート離型剤という場合がある)、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの融点が50〜95℃であり、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mgKOH/g)とし、結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mgKOH/g)とし、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)であり、透過型顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在し、かつ該離型剤粒子の粒径が0.1〜0.5μmであることを特徴とする。
トナー内部の離型剤添加量は多いほどオイルレス定着に優れており、またトナーとの相溶性が低いほど、定着時に画像表面へ大量に溶出させることができるため、離型効果は優れたものとなる。しかしながら離型剤の分散径が大きいトナーは、定着時に画像内部に離型剤が残留すると、画像の透明性が低下してしまう問題がある。特に結晶性ポリエステル樹脂のように酸価が大きく、離型剤と相溶せず、かつ融点を有する樹脂はこの傾向が大きい。そこで結晶性ポリエステル樹脂を2種用い、そのうち酸価の小さい結晶性ポリエステル樹脂により離型剤表面を被覆することで、離型剤のトナー内における分散径の成長を抑制し、かつトナーとしては定着性を維持することができる。
従って、本発明のトナーは、従来の低融点結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナーでは達成が困難であった優れた剥離性、流動性、透明性を併せ持つことが出来る。
(静電荷現像用トナー)
本発明の静電荷現像用トナー(以下、トナーと略す場合がある)は、2種類の結晶性ポリエステル樹脂A及びB、離型剤並びに着色剤を含むトナーであって、該離型剤粒子の表面が結晶性ポリエステル樹脂Bにて被覆されており(以下、プリコート離型剤という場合がある)、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの融点が50〜95℃であり、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mgKOH/g)とし、結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mgKOH/g)とし、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)であり、透過型顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在し、かつ該離型剤粒子の粒径が0.1〜0.5μmであることを特徴とする。
トナー内部の離型剤添加量は多いほどオイルレス定着に優れており、またトナーとの相溶性が低いほど、定着時に画像表面へ大量に溶出させることができるため、離型効果は優れたものとなる。しかしながら離型剤の分散径が大きいトナーは、定着時に画像内部に離型剤が残留すると、画像の透明性が低下してしまう問題がある。特に結晶性ポリエステル樹脂のように酸価が大きく、離型剤と相溶せず、かつ融点を有する樹脂はこの傾向が大きい。そこで結晶性ポリエステル樹脂を2種用い、そのうち酸価の小さい結晶性ポリエステル樹脂により離型剤表面を被覆することで、離型剤のトナー内における分散径の成長を抑制し、かつトナーとしては定着性を維持することができる。
従って、本発明のトナーは、従来の低融点結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナーでは達成が困難であった優れた剥離性、流動性、透明性を併せ持つことが出来る。
本発明のトナーの体積平均粒子径としては、2〜10μmが好ましく、3〜8μmがより好ましい。体積平均粒子径が2μm未満だと帯電性が不十分になり、現像性が低下する場合があり、10μmを超えると画像の解像性が低下する場合がある。
また、本発明のトナーに含まれる離型剤の含有量は、2〜30重量部の範囲であることが好ましく、4〜20重量部であることがより好ましい。離型剤の含有量が2重量部未満の場合は、剥離性が不十分となる場合があり、30重量部よりも多い場合には、画像上の離型剤量が多くなることから、定着画像排出の際に排出ロール等の当接痕が生じ、画像品質を損なう場合がある。
更に、本発明のトナーは、透過型顕微鏡観察においてトナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在し、且つ、該離型剤粒子の粒径が0.1〜0.5μmである必要があり、0.15〜0.4μmがより好ましい。0.1μm未満では、融解の際に均一なブリード性が得られにくく、0.5μmを超えると、OHPを出力した際の透明性を損なうこともあり、好ましくない。
また、本発明のトナーに含まれる離型剤の含有量は、2〜30重量部の範囲であることが好ましく、4〜20重量部であることがより好ましい。離型剤の含有量が2重量部未満の場合は、剥離性が不十分となる場合があり、30重量部よりも多い場合には、画像上の離型剤量が多くなることから、定着画像排出の際に排出ロール等の当接痕が生じ、画像品質を損なう場合がある。
更に、本発明のトナーは、透過型顕微鏡観察においてトナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在し、且つ、該離型剤粒子の粒径が0.1〜0.5μmである必要があり、0.15〜0.4μmがより好ましい。0.1μm未満では、融解の際に均一なブリード性が得られにくく、0.5μmを超えると、OHPを出力した際の透明性を損なうこともあり、好ましくない。
本発明の静電荷現像用トナーの好ましい形態としては、透過型電子顕微鏡観察に於いて、該トナーがコア/シェル構造を示し、且つ最表面層から0.3μm以内には、結晶性ポリエステル樹脂Aのみからなる層が存在し、0.3〜1.0μmには離形剤と結晶性ポリエステルAからなる層が存在し、且つ該離形剤と結晶性ポリエステルAからなる層よりも内側に結晶性ポリエステル樹脂A及び顔料が存在するものが挙げられる。
本発明のトナーを構成する成分としては、既述したように、少なくとも、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂Aを含み、また、離型剤としてプリコート離型剤を含み、これに加えて着色剤を含むものであれば特に限定されず、他の成分を含んでいても良い。
(結晶性ポリエステル樹脂)
本発明のトナーにおいては、結着樹脂の主成分であるポリエステル樹脂が結晶性ポリエステル樹脂である必要がある。特定のポリエステル樹脂が結晶性でない場合、即ち非晶性である場合には、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができない。
本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性ポリエステル樹脂主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50重量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
本発明のトナーにおいては、結着樹脂の主成分であるポリエステル樹脂が結晶性ポリエステル樹脂である必要がある。特定のポリエステル樹脂が結晶性でない場合、即ち非晶性である場合には、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができない。
本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性ポリエステル樹脂主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50重量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
本発明のトナー結着樹脂の主成分である結晶性ポリエステル樹脂Aの融点は、50〜95℃の範囲であることが必要であり、60〜90℃の範囲であることがより好ましい。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる。また、95℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着性が得られない。
本発明において、前記結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性の樹脂においては、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピーク温度をもって融点とみなす。
本発明において、前記結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性の樹脂においては、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピーク温度をもって融点とみなす。
また前記結晶性ポリエステル樹脂は下記式(1)で示されるエステル濃度Mが、0.05以上0.11以下であることが好ましい。
M=K/A…式(1)
M=K/A…式(1)
上記「エステル濃度M」とは、結晶性ポリエステル樹脂のポリマーにおけるエステル基の含有割合を示す一つの指標である。前記式(1)中のKで表される「ポリマー中のエステル基数」は、言い換えればポリマー全体に含まれるエステル結合の数を指す。
前記式(1)中のAで表される「ポリマーの高分子鎖を構成する原子数」は、ポリマーの高分子鎖を構成する原子の合計であり、エステル結合に関与する原子数は全て含むが、その他の構成部位における枝分かれした部分の原子数は含まない。すなわち、エステル結合に関与するカルボキシル基やアルコール基に由来する炭素原子および酸素原子(1つのエステル結合中酸素原子は2個)や、高分子鎖を構成する、例えば芳香環における6つの炭素は、前記原子数の計算に含まれるが、高分子鎖を構成する、例えば芳香環やアルキル基における水素原子、その置換体の原子ないし原子群は、前記原子数の計算に含まれない。
具体例を挙げて説明すれば、高分子鎖を構成するアリーレン基における、炭素原子6つと水素原子4つとの計10個の原子のうち、上記「ポリマーの高分子鎖を構成する原子数A」に含まれるものは、炭素原子の6つのみであり、また、前記水素が如何なる置換基に置換されたとしても、当該置換基を構成する原子は、上記「ポリマーの高分子鎖を構成する原子数A」に含まれない。
前記式(1)中のAで表される「ポリマーの高分子鎖を構成する原子数」は、ポリマーの高分子鎖を構成する原子の合計であり、エステル結合に関与する原子数は全て含むが、その他の構成部位における枝分かれした部分の原子数は含まない。すなわち、エステル結合に関与するカルボキシル基やアルコール基に由来する炭素原子および酸素原子(1つのエステル結合中酸素原子は2個)や、高分子鎖を構成する、例えば芳香環における6つの炭素は、前記原子数の計算に含まれるが、高分子鎖を構成する、例えば芳香環やアルキル基における水素原子、その置換体の原子ないし原子群は、前記原子数の計算に含まれない。
具体例を挙げて説明すれば、高分子鎖を構成するアリーレン基における、炭素原子6つと水素原子4つとの計10個の原子のうち、上記「ポリマーの高分子鎖を構成する原子数A」に含まれるものは、炭素原子の6つのみであり、また、前記水素が如何なる置換基に置換されたとしても、当該置換基を構成する原子は、上記「ポリマーの高分子鎖を構成する原子数A」に含まれない。
結晶性ポリエステル樹脂が、1の繰り返し単位(例えば、高分子がH−[OCOR1COOR2O−]n−Hで表される場合、1の繰り返し単位は、[ ]内で表される。)のみからなる単重合体の場合には、1の繰り返し単位内には、エステル結合は2個存在する(すなわち、当該繰り返し単位内におけるエステル基数K’=2)ので、エステル濃度Mは、下記式(1−1)により、求めることができる。
M=2/A’ ・・・式(1−1)
M=2/A’ ・・・式(1−1)
(上記式中、Mはエステル濃度を、A’は1の繰り返し単位における高分子鎖を構成する原子数を、それぞれ表す。)
また、結晶性ポリエステル樹脂が、複数の共重合単位からなる共重合体の場合には、共重合単位ごとに、エステル基数KXおよび高分子鎖を構成する原子数AXを求め、これらに共重合割合を乗じた上で、それぞれ合計し、前記式(1)に代入することで、求めることができる。例えば、共重合単位がXa、XbおよびXcの3つであり、これらの共重合割合がa:b:c(ただし、a+b+c=1)である化合物[(Xa)a(Xb)b(Xc)c]についてのエステル濃度Mは、下記式(1−2)により、求めることができる。
M={KXa×a+KXb×b+KXc×c}/{AXa×a+AXb×b+AXc×c}・・・式(1−2)
(上記式中、Mはエステル濃度を表し、KXaは共重合単位Xa、KXbは共重合単位Xb、KXcは共重合単位Xcにおけるそれぞれのエステル基数を表し、AXaは共重合単位Xa、AXbは共重合単位Xb、AXcは共重合単位Xcにおけるそれぞれの高分子鎖を構成する原子数を表す。)
結晶性ポリエステル樹脂のエステル濃度Mは、これを用いて作製したトナーの帯電性に大きな影響を与える。これはエステル濃度Mにより樹脂抵抗が変化するのが主要因であり、エステル濃度Mが大きくなると樹脂抵抗が低下し、帯電性が低下してしまう。エステル濃度を0.05以上0.11以下にすることで、十分な帯電性や帯電安定性が得られるとともに、安定してトナーを作製することが可能となる。
前記エステル濃度Mが0.05未満では、樹脂の融点が高くなり、紙への接着性も低下する。またスルホン酸成分を含有しても、疎水性が強く、かつ溶剤への溶解性も低下することから安定してトナーを作製することが困難となる。さらに、モノマー自身も高価になるためコスト的にも好ましくない。エステル濃度の下限としては0.055が好ましく、0.06がより好ましい。
一方エステル濃度が0.11を超えると、樹脂抵抗が低下し、トナーの帯電性が低下してしまう。また融点も低くなりすぎるため、粉体や定着画像の安定性も低下してしまう。エステル濃度の上限としては0.105が好ましく、0.102がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂のエステル濃度Mは、これを用いて作製したトナーの帯電性に大きな影響を与える。これはエステル濃度Mにより樹脂抵抗が変化するのが主要因であり、エステル濃度Mが大きくなると樹脂抵抗が低下し、帯電性が低下してしまう。エステル濃度を0.05以上0.11以下にすることで、十分な帯電性や帯電安定性が得られるとともに、安定してトナーを作製することが可能となる。
前記エステル濃度Mが0.05未満では、樹脂の融点が高くなり、紙への接着性も低下する。またスルホン酸成分を含有しても、疎水性が強く、かつ溶剤への溶解性も低下することから安定してトナーを作製することが困難となる。さらに、モノマー自身も高価になるためコスト的にも好ましくない。エステル濃度の下限としては0.055が好ましく、0.06がより好ましい。
一方エステル濃度が0.11を超えると、樹脂抵抗が低下し、トナーの帯電性が低下してしまう。また融点も低くなりすぎるため、粉体や定着画像の安定性も低下してしまう。エステル濃度の上限としては0.105が好ましく、0.102がより好ましい。
既述の如く、本発明のトナーにおける結着樹脂は、前記式(1)で定義されるエステル濃度Mが0.05以上0.11以下である結晶性ポリエステル樹脂(以下、単に「特定のポリエステル樹脂」という場合がある。)を、主成分として含むものが好ましい。ここで「主成分」とは、前記結着樹脂を構成する成分のうち、主たる成分のことを指し、具体的には、前記結着樹脂の50%以上を構成する成分を指す。ただし、本発明において、前記結着樹脂のうち、特定のポリエステル樹脂が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、全てが特定のポリエステル樹脂であることが特に好ましい。
なお、本明細書において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における酸由来構成成分全体中の当該酸由来構成成分、または、アルコール由来構成成分全体中の当該アルコール構成成分を、各1単位(モル)としたときの百分率を指す。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂において、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂において、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
−酸由来構成成分−
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が挙げられるが、脂肪族ジカルボン酸が望ましく、特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。これらの中では、入手容易性を考慮すると、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が挙げられるが、脂肪族ジカルボン酸が望ましく、特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。これらの中では、入手容易性を考慮すると、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ、中でもテレフタル酸が、入手容易性、低融点のポリマーを形成しやすい等の点で好ましい。
本発明の結着樹脂には、前記酸由来構成成分としては前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分や芳香族ジカルボン酸由来成分のほかに、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来成分を含んでもよい。結晶性樹脂を結着樹脂の主成分にした場合、従来の粉砕法によるトナー作製は困難となる。その為スルホン酸基を持つジカルボン酸由来成分を含有することで、溶剤及び水への溶解性が向上し、湿式造粒性が格段に向上することができる。また使用する界面活性剤の量を低減または使用しないで造粒することが可能となるため、後の洗浄工程が簡易化できる。さらに分子間凝集力が向上するため、耐オフセット性に有効であり、また顔料等の色材の分散を良好にできる点でも有効である。このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
スルホン酸基を持つジカルボン酸由来成分の全酸由来構成成分における含有量としては、0.1〜6.0構成モル%が好ましく、0.5〜5.0構成モル%がより好ましい。
前記含有量が6.0構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、トナーの機械的強度が低下したりしてしまう。また樹脂抵抗が低下し水分が吸着しやすくなるため、帯電量、特に高湿下での帯電量が低下してしまう。0.1構成モル%より下回ると特にエステル濃度が低い場合に溶剤や水への溶解性が悪くなり、製造性が著しく悪くなってしまう。また顔料の分散性も悪化する。
また前記酸由来構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分を含んでもよい。尚、上記2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
前記含有量が6.0構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、トナーの機械的強度が低下したりしてしまう。また樹脂抵抗が低下し水分が吸着しやすくなるため、帯電量、特に高湿下での帯電量が低下してしまう。0.1構成モル%より下回ると特にエステル濃度が低い場合に溶剤や水への溶解性が悪くなり、製造性が著しく悪くなってしまう。また顔料の分散性も悪化する。
また前記酸由来構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分を含んでもよい。尚、上記2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
2重結合を持つジカルボン酸は、その2重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
これらの、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分を含有させる場合、全酸由来構成成分における含有量としては、20構成モル%以下が好ましく、10構成モル%以下がより好ましい。
この含有量が20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、トナーの機械的強度が低下してしまう。
なお、本明細書において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における酸由来構成成分全体中の当該酸由来構成成分、または、アルコール由来構成成分全体中の当該アルコール構成成分を、各1単位(モル)としたときの百分率を指す。
これらの、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分を含有させる場合、全酸由来構成成分における含有量としては、20構成モル%以下が好ましく、10構成モル%以下がより好ましい。
この含有量が20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、トナーの機械的強度が低下してしまう。
なお、本明細書において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における酸由来構成成分全体中の当該酸由来構成成分、または、アルコール由来構成成分全体中の当該アルコール構成成分を、各1単位(モル)としたときの百分率を指す。
−アルコール由来構成成分−
アルコール構成成分としては脂肪族ジオールを用いることが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、この限りではない。これらの中では、入手容易性やコストを考慮すると1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
アルコール構成成分としては脂肪族ジオールを用いることが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、この限りではない。これらの中では、入手容易性やコストを考慮すると1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
前記アルコール由来構成成分は、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が80構成モル%以上が好ましく、必要に応じてその他の成分を含む。前記アルコール由来構成成分としては、前記脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が90構成モル%以上であるのがより好ましい。
前記含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
前記含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
必要に応じて含まれるその他の成分としては、2重結合を持つジオール由来構成成分等の構成成分がある。
前記2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。
上記2重結合を持つジオール由来構成成分を含有させる場合、アルコール由来構成成分における含有量としては、20構成モル%以下が好ましく、10構成モル%以下がより好ましい。
上記含有量が20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、トナーの機械的強度が低下してしまう。
前記2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。
上記2重結合を持つジオール由来構成成分を含有させる場合、アルコール由来構成成分における含有量としては、20構成モル%以下が好ましく、10構成モル%以下がより好ましい。
上記含有量が20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、トナーの機械的強度が低下してしまう。
前記ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
前記ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
得られた結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、後述する乳化分散法によるトナー粒子の造粒性を確保しやすいことや、得られるトナーの帯電性や環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、5〜30mgKOH/gであることが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
(プリコート離型剤)
本発明では、説明の都合上、被覆樹脂によって表面の一部または全体が被覆された離型剤を「プリコート離型剤」と称し、このプリコート離型剤の被覆樹脂を除いた正味の離型剤部分(プリコート離型剤の製造においてコア離型剤と成り得る原料状態の離型剤も含む)を「コア離型剤」と称し、被覆樹脂により全く被覆されていない離型剤を「ノンコート離型剤」と称する。
また、「離型剤」と表記した場合には、特に限定した説明の無い限り、基本的にノンコート離型剤、プリコート離型剤、および/または、コア離型剤を含む広義の離型剤を意味するものとする。
本発明では、説明の都合上、被覆樹脂によって表面の一部または全体が被覆された離型剤を「プリコート離型剤」と称し、このプリコート離型剤の被覆樹脂を除いた正味の離型剤部分(プリコート離型剤の製造においてコア離型剤と成り得る原料状態の離型剤も含む)を「コア離型剤」と称し、被覆樹脂により全く被覆されていない離型剤を「ノンコート離型剤」と称する。
また、「離型剤」と表記した場合には、特に限定した説明の無い限り、基本的にノンコート離型剤、プリコート離型剤、および/または、コア離型剤を含む広義の離型剤を意味するものとする。
本発明のトナーに用いる離型剤は、コア離型剤と、該コア離型剤を被覆する被覆樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)とを含むプリコート離型剤の形態であり、該トナーに結着樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mg-KOH eq/g)、被覆樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mg-KOH eq/g)、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)であることを特徴とする。
本発明のプリコート離型剤の、透過型顕微鏡から観察される被覆樹脂層の厚さは、0.015〜0.050μmであることが好ましく、0.020〜0.040μmであることがより好ましい。0.015μmよりも薄いと、樹脂によるコア離型剤の被覆が不十分となり、コア離型剤がプリコート離型剤の表面に露出し、結果として、トナー粒子内でのワックスの分散状況制御が不完全となってしまうことがある。また、0.050μmよりも厚いと、コア離型剤の溶出量が減少し、オイルレス定着の際に、画像と定着ロールとを剥離するのに十分なコア離型剤が供給されず、剥離不良が発生する場合がある。
本発明のプリコート離型剤は、粒子を樹脂で被覆する方法であれば、公知の如何なる方法も利用できるが、たとえば液中乾燥法、コアセルベーション法、噴霧乾燥法、乾式混合法等を用いることが出来る。
本発明のプリコート離型剤は、粒子を樹脂で被覆する方法であれば、公知の如何なる方法も利用できるが、たとえば液中乾燥法、コアセルベーション法、噴霧乾燥法、乾式混合法等を用いることが出来る。
(被覆樹脂)
コア離型剤を被覆する被覆樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)は、上述したように、該トナーに結着樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mg-KOH eq/g)、被覆樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mg-KOH eq/g)、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)であることが必要であり、2.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦3.0(mgKOH/g)であることがより好ましい。
ΔAVPESを上記範囲とすることにより、トナー中の離型剤の分散状態を良好に保ちつつ、透過型電子顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に離型剤粒子を存在せしめることが出来る。
ΔAVPESが1.0(mgKOH/g)未満の場合には、トナー中の離型剤の内包性が低下し、透過型電子顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmの範囲に離型剤粒子が存在してしまい、結果として良好なトナーの流動性が得られない。また、ΔAVPESが4.0(mgKOH/g)を超える場合には、トナー中での離型剤の分散状態が悪化し、トナー粒子中心付近への離型剤の偏在が発生し、定着時の離型剤溶出量が減少、結果としてオイルレス定着の際に、画像と定着ロールを剥離するのに十分なコア離型剤が供給されず、剥離不良が発生する場合がある。
コア離型剤を被覆する被覆樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)は、上述したように、該トナーに結着樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mg-KOH eq/g)、被覆樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mg-KOH eq/g)、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)であることが必要であり、2.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦3.0(mgKOH/g)であることがより好ましい。
ΔAVPESを上記範囲とすることにより、トナー中の離型剤の分散状態を良好に保ちつつ、透過型電子顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に離型剤粒子を存在せしめることが出来る。
ΔAVPESが1.0(mgKOH/g)未満の場合には、トナー中の離型剤の内包性が低下し、透過型電子顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmの範囲に離型剤粒子が存在してしまい、結果として良好なトナーの流動性が得られない。また、ΔAVPESが4.0(mgKOH/g)を超える場合には、トナー中での離型剤の分散状態が悪化し、トナー粒子中心付近への離型剤の偏在が発生し、定着時の離型剤溶出量が減少、結果としてオイルレス定着の際に、画像と定着ロールを剥離するのに十分なコア離型剤が供給されず、剥離不良が発生する場合がある。
定着時のコア離型剤溶出量を十分確保する観点から、本発明の離型剤被覆樹脂である結晶性ポリエステル樹脂の融点は、50〜100℃の範囲であることが好ましく、55〜95℃の範囲であることが特に好ましく、60〜90℃の範囲であることが更に好ましい。融点が50℃より低いと、定着後のトナー画像の保存性が問題となる。また、100℃より高いと、定着時の離型剤溶出量が減少、結果としてオイルレス定着の際に、画像と定着ロールを剥離するのに十分なコア離型剤が供給されず、剥離不良が発生する場合がある。
本発明において、前記結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めた。なお、結晶性の樹脂においては、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピーク温度をもって融点とみなすこととした。
前記被覆樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂において、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
本発明において、前記結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めた。なお、結晶性の樹脂においては、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピーク温度をもって融点とみなすこととした。
前記被覆樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂において、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
前記ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
前記ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
得られた結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、後述する乳化分散法によるトナー粒子の造粒性を確保しやすいことや、得られるトナーの帯電性や環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、5〜30mgKOH/gであることが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
(コア離型剤)
本発明において、コア離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できるが、特に粘度とシャープな融解性の点でポリアルキレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等が特に好ましい。
コア離型剤のASTMd3418−8に準拠して測定された主体極大ピークは、60〜100℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、65〜90℃である。60℃未満であると定着時にオフセットを生じやすくなる場合がある。また、100℃を超えると定着温度が高くなり、定着された画像表面の平滑性が得られず光沢性を損なう場合がある。
また、本発明に用いられるコア離型剤の粘度測定には、温度140℃におけるパラレルプレートより求められる粘度ηが好ましく用いられる。
本発明における該粘度の測定には、例えばレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置が用いられる。
該粘度測定では、50mmφのカップ型治具と、パラレルプレートを測定装置にセットし、ゼロポイント調整の後、ノーマルフォースを0とする。次いでこれにコア離形材試料1gを入れる。温度を140℃まで上昇させ試料を融解させる。測定の際の歪速度は、62.8rad/sとする。
測定時間30秒、測定開始後の温度調整精度は±1.0℃以下とすることが測定精度の観点から好ましい。これを3回繰り返し、その算術平均値を粘度ηとする。
本発明において、コア離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できるが、特に粘度とシャープな融解性の点でポリアルキレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等が特に好ましい。
コア離型剤のASTMd3418−8に準拠して測定された主体極大ピークは、60〜100℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、65〜90℃である。60℃未満であると定着時にオフセットを生じやすくなる場合がある。また、100℃を超えると定着温度が高くなり、定着された画像表面の平滑性が得られず光沢性を損なう場合がある。
また、本発明に用いられるコア離型剤の粘度測定には、温度140℃におけるパラレルプレートより求められる粘度ηが好ましく用いられる。
本発明における該粘度の測定には、例えばレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置が用いられる。
該粘度測定では、50mmφのカップ型治具と、パラレルプレートを測定装置にセットし、ゼロポイント調整の後、ノーマルフォースを0とする。次いでこれにコア離形材試料1gを入れる。温度を140℃まで上昇させ試料を融解させる。測定の際の歪速度は、62.8rad/sとする。
測定時間30秒、測定開始後の温度調整精度は±1.0℃以下とすることが測定精度の観点から好ましい。これを3回繰り返し、その算術平均値を粘度ηとする。
本発明に用いられるコア離型剤の粘度ηは、1.5〜5.0mPa・sの範囲内であることが好ましく、2.0〜4.0mPa・sの範囲内であることがより好ましい。
粘度ηが、1.5mPa・sより低いと定着の際の溶出性は良好となるが、画像上に形成されるコア離型剤層が不均一となり、剥離ムラを生じ、可視的には画像光沢ムラを生じさせる場合がある。また、5.0mPa・sよりも高いと溶出性が低下することから、オイルレス定着の際に、画像と定着ロールとを剥離するのに充分なコア離型剤が供給されず、剥離不良が発生する場合がある。
粘度ηが、1.5mPa・sより低いと定着の際の溶出性は良好となるが、画像上に形成されるコア離型剤層が不均一となり、剥離ムラを生じ、可視的には画像光沢ムラを生じさせる場合がある。また、5.0mPa・sよりも高いと溶出性が低下することから、オイルレス定着の際に、画像と定着ロールとを剥離するのに充分なコア離型剤が供給されず、剥離不良が発生する場合がある。
(着色剤)
本発明のトナーに用いられる着色剤は、染料であっても顔料であってもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。
好ましい着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジシンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が挙げられる。
本発明のトナーに用いられる着色剤は、染料であっても顔料であってもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。
好ましい着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジシンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が挙げられる。
また、着色剤として磁性粉を使用することもできる。磁性粉としては、コバルト、鉄、ニッケルなどの強磁性金属、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、鉛、マグネシウム、亜鉛、マンガンなどの金属の合金、酸化物などの公知の磁性体が使用できる。
これらは単独で使用可能な他、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これら着色剤の含有量としては、前記結着樹脂に100重量部に対して0.1〜40重量部の範囲が好ましく、1〜30重量部の範囲がより好ましい。
なお、前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
これらは単独で使用可能な他、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これら着色剤の含有量としては、前記結着樹脂に100重量部に対して0.1〜40重量部の範囲が好ましく、1〜30重量部の範囲がより好ましい。
なお、前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
(その他の成分―各種添加剤)
本発明におけるトナーに用いられるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、このような成分としては、例えば、無機微粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等を挙げることができる。
本発明におけるトナーに用いられるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、このような成分としては、例えば、無機微粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等を挙げることができる。
上記無機微粒子は、種々の目的のために添加されるが、トナーにおける粘弾性調整のために添加されてもよい。この粘弾性調整により、画像光沢度や紙への染み込みを調整することができる。無機微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機微粒子を単独または2種以上を組み合わせて使用することができるが、発色性やOHP透過性等透明性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ微粒子が好ましく用いられる。また、シリカ微粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましく用いられる。
これらの無機微粒子の添加量は、トナー全重量の0.5〜20重量%の範囲とすることが好ましく、1〜15重量%の範囲とすることがより好ましい。
これらの無機微粒子の添加量は、トナー全重量の0.5〜20重量%の範囲とすることが好ましく、1〜15重量%の範囲とすることがより好ましい。
また、上記トナーには結晶核剤を添加してもよい。結晶核剤を添加することで結晶サイズを微細化するとともに結晶サイズが均質化されるため、樹脂の透明性を向上させることができる。さらに、結晶核剤は結晶性樹脂の結晶化度を向上させる効果もあり、これにより結晶性樹脂に含まれる非晶質部分の割合が減少するため、トナーの保存性や耐ブロッキング性、または流動性が向上し、感光体へのフィルミング、さらに二成分現像方法の場合にはキャリアへのフィルミングを低減することが出来る。
本発明に使用する結晶核剤としては公知の結晶核剤が使用できる。例えばシリカ、タルク、カオリン、アルミナ、ミョウバン、酸化チタン等の無機系結晶核剤;ジベンジリデンソルビトールやジメチルベンジリデンソルビトール等の低級アルキルジベンジリデンソルビトール、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム等の安息香酸金属塩、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム等のリン酸エステル金属塩、モンタン酸ナトリウム等の直鎖脂肪酸金属塩、ロジン酸部分金属塩等の有機系結晶核剤;が挙げられる。特にジベンジリデンソルビトール等の有機系核剤はゲル化剤としても作用し、核剤同士のパーコレーションネットワークによってさらに結晶を微細化/均質化することができる。
本発明に使用する結晶核剤としては公知の結晶核剤が使用できる。例えばシリカ、タルク、カオリン、アルミナ、ミョウバン、酸化チタン等の無機系結晶核剤;ジベンジリデンソルビトールやジメチルベンジリデンソルビトール等の低級アルキルジベンジリデンソルビトール、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム等の安息香酸金属塩、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム等のリン酸エステル金属塩、モンタン酸ナトリウム等の直鎖脂肪酸金属塩、ロジン酸部分金属塩等の有機系結晶核剤;が挙げられる。特にジベンジリデンソルビトール等の有機系核剤はゲル化剤としても作用し、核剤同士のパーコレーションネットワークによってさらに結晶を微細化/均質化することができる。
これら結晶核剤の含有量としては、無機系結晶核剤の場合は0.1〜20質量部の範囲が好ましく、0.3〜10質量部の範囲がより好ましい。有機系結晶核剤の場合は0.005〜10質量部の範囲が好ましく、0.01〜5質量部の範囲がより好ましい。
上記含有量が、無機系結晶核剤の場合は0.1質量部より、有機系結晶核剤の場合は0.005質量部より少ないと、核剤としての働きが十分発現されず、含有量が、無機系結晶核剤の場合は20質量部より、有機系結晶核剤の場合は10質量部より多いと核剤の凝集体による2次障害や核剤の種類によってはゲル化による弾性率の著しい向上から製造性や画像光沢性が懸念となってしまう。また、上記含有量の範囲で無機系、有機系を問わず、2種以上の結晶核剤を組み合わせて使用してもよい。
上記含有量が、無機系結晶核剤の場合は0.1質量部より、有機系結晶核剤の場合は0.005質量部より少ないと、核剤としての働きが十分発現されず、含有量が、無機系結晶核剤の場合は20質量部より、有機系結晶核剤の場合は10質量部より多いと核剤の凝集体による2次障害や核剤の種類によってはゲル化による弾性率の著しい向上から製造性や画像光沢性が懸念となってしまう。また、上記含有量の範囲で無機系、有機系を問わず、2種以上の結晶核剤を組み合わせて使用してもよい。
(静電荷現像用トナーの製造方法)
本発明の電子写真用トナーの製造方法は特に限定されるものではないが、湿式造粒法により作製されることが好ましく、中でも乳化凝集法が好適に用いられる。
乳化凝集法を用いる場合、本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂微粒子、着色剤微粒子、プリコート離型剤粒子とを少なくとも含む分散液中で、凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子を加熱することにより融合させる融合工程よりなる。あるいは、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と、着色剤微粒子とを少なくとも含む分散液中で凝集粒子を形成し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子、プリコート離型剤微粒子を含む分散液を添加後、更に凝集を進める凝集工程と、凝集粒子を加熱することにより融合させる融合工程よりなっても良い。
以下、各工程について詳細に説明する。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は特に限定されるものではないが、湿式造粒法により作製されることが好ましく、中でも乳化凝集法が好適に用いられる。
乳化凝集法を用いる場合、本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂微粒子、着色剤微粒子、プリコート離型剤粒子とを少なくとも含む分散液中で、凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子を加熱することにより融合させる融合工程よりなる。あるいは、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と、着色剤微粒子とを少なくとも含む分散液中で凝集粒子を形成し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子、プリコート離型剤微粒子を含む分散液を添加後、更に凝集を進める凝集工程と、凝集粒子を加熱することにより融合させる融合工程よりなっても良い。
以下、各工程について詳細に説明する。
−各種分散液の調整−
まず、凝集工程で利用する結晶性ポリエステル樹脂微粒子を含む分散液、プリコート離型剤微粒子を含む分散液、着色剤微粒子を含む分散液等の、各種分散液を予め作製する。
結晶性ポリエステル樹脂からなる結着樹脂微粒子の体積平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記体積平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い場合がある。
一方、前記体積平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記体積平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
結着樹脂や着色剤、プリコート離型剤を含む各種の分散液における分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
まず、凝集工程で利用する結晶性ポリエステル樹脂微粒子を含む分散液、プリコート離型剤微粒子を含む分散液、着色剤微粒子を含む分散液等の、各種分散液を予め作製する。
結晶性ポリエステル樹脂からなる結着樹脂微粒子の体積平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記体積平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い場合がある。
一方、前記体積平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記体積平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
結着樹脂や着色剤、プリコート離型剤を含む各種の分散液における分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。また、前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。
結着樹脂として用いる結晶性ポリエステル樹脂は、中和によりアニオン型となり得る官能基を含有した、自己水分散性をもっており、親水性となり得る官能基の一部又は全部が塩基で中和された、水性媒体の作用下で安定した水分散体を形成できる。結晶性ポリエステル樹脂及び無定形ポリエステル樹脂において中和により親水性基と成り得る官能基はカルボキシル基やスルホン酸基等の酸性基である為、中和剤としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンなどの有機塩基が挙げられる。
凝集工程で用いる原料分散液の調整に際し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を含む分散液と混合される着色剤としては、既述した着色剤を用いることができる。
着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製したりすることもできる。以下、かかる着色剤の分散液のことを、「着色粒子分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、前記結着樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いることができる。
凝集工程で用いる原料分散液の調整に際し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を含む分散液と混合される離型剤としては、既述したプリコート離型剤を用いることができる。
本発明における乳化分散装置としては、例えばホモミキサー(特殊機化工業株式会社)、あるいはスラッシャー(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホミジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社)、スタティックミキサー(ノリタケカンパニー)などの連続式乳化分散機等が挙げられる。
着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製したりすることもできる。以下、かかる着色剤の分散液のことを、「着色粒子分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、前記結着樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いることができる。
凝集工程で用いる原料分散液の調整に際し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を含む分散液と混合される離型剤としては、既述したプリコート離型剤を用いることができる。
本発明における乳化分散装置としては、例えばホモミキサー(特殊機化工業株式会社)、あるいはスラッシャー(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホミジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社)、スタティックミキサー(ノリタケカンパニー)などの連続式乳化分散機等が挙げられる。
原料分散液の作製に用いられる結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液に含まれる結晶性ポリエステル樹脂微粒子の含有量や、着色剤及び離型剤の分散液における、着色剤、プリコート離型剤それぞれの含有量は通常、5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。前記含有量が前記範囲外にあると、粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
なお、本発明において、目的に応じて、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液に、既述したような内添剤、帯電制御剤、無機粉体等のその他の成分が分散させておいても良い。
なお、本発明に用いられる帯電制御剤としては、凝集工程や融合工程の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点で、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
前記その他の成分の体積平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであることが好ましい。前記平均径が1μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招きやすい。一方、前記体積平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり性能や信頼性のばらつきが小さくなる点で有利である。
なお、本発明において、目的に応じて、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液に、既述したような内添剤、帯電制御剤、無機粉体等のその他の成分が分散させておいても良い。
なお、本発明に用いられる帯電制御剤としては、凝集工程や融合工程の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点で、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
前記その他の成分の体積平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであることが好ましい。前記平均径が1μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招きやすい。一方、前記体積平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり性能や信頼性のばらつきが小さくなる点で有利である。
−凝集工程−
凝集工程においては、予め作製しておいた結晶性ポリエステル樹脂粒子、プリコート離型剤型剤、着色剤分散液、また必要に応じてその他の成分を含む各種分散液を混合し(以下この混合液を「原料分散液」という)、結晶性ポリエステル樹脂の融点付近の温度で、かつ融点以下の温度にて加熱してそれぞれの分散粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
凝集粒子の形成は、回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温で凝集剤を添加し、原料分散液のpHを酸性にすることによってなされる。原料分散液を調整する前のポリエステル樹脂の乳化分散液のpHが7〜10である為、pH3〜5である着色剤やプリコート離型剤分散液を混合すると、極性のバランスが崩れて、緩凝集が生じてしまう。そこで、原料分散液を混合した時点で、pHを2〜6に調整して加熱し、凝集粒子を形成させる。
凝集工程においては、予め作製しておいた結晶性ポリエステル樹脂粒子、プリコート離型剤型剤、着色剤分散液、また必要に応じてその他の成分を含む各種分散液を混合し(以下この混合液を「原料分散液」という)、結晶性ポリエステル樹脂の融点付近の温度で、かつ融点以下の温度にて加熱してそれぞれの分散粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
凝集粒子の形成は、回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温で凝集剤を添加し、原料分散液のpHを酸性にすることによってなされる。原料分散液を調整する前のポリエステル樹脂の乳化分散液のpHが7〜10である為、pH3〜5である着色剤やプリコート離型剤分散液を混合すると、極性のバランスが崩れて、緩凝集が生じてしまう。そこで、原料分散液を混合した時点で、pHを2〜6に調整して加熱し、凝集粒子を形成させる。
また、前記原料分散液調整の際に、プリコート離型剤分散液を用いず、プリコート離型剤を含まない凝集粒子を形成させ、その後、プリコート離型剤、結晶性ポリエステル樹脂を含有した離型剤を添加し、さらに凝集を進め、それ以外は同様に操作しても良い。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価は、被覆樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価よりも高い。さらに一般的には離型剤の酸価はポリエステル樹脂よりも低い。また、酸価の低い樹脂の方が静電反発力が小さくなり、より凝集力は強くなる傾向にある。
よって、本発明において、相対的に酸価の低い結晶性ポリエステルBにて被覆されたプリコート離型剤は、それ自体が有する凝集性により、結着樹脂として用いられる結晶性ポリエステルAよりも凝集力が強く、さらに各材料間の酸価による勾配により凝集粒子形成時により内側へ入り込むこととなり、また酸価により粒子内の移動が制御されるため、離型剤粒径の成長を抑制することができる。
本発明において、結着樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mg-KOH/g)、被覆樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mg-KOH/g)、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)である。
結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBの酸価の関係を上記範囲とすることにより、離型剤粒子を、トナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に存在せしめることが出来る。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価は、被覆樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価よりも高い。さらに一般的には離型剤の酸価はポリエステル樹脂よりも低い。また、酸価の低い樹脂の方が静電反発力が小さくなり、より凝集力は強くなる傾向にある。
よって、本発明において、相対的に酸価の低い結晶性ポリエステルBにて被覆されたプリコート離型剤は、それ自体が有する凝集性により、結着樹脂として用いられる結晶性ポリエステルAよりも凝集力が強く、さらに各材料間の酸価による勾配により凝集粒子形成時により内側へ入り込むこととなり、また酸価により粒子内の移動が制御されるため、離型剤粒径の成長を抑制することができる。
本発明において、結着樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mg-KOH/g)、被覆樹脂として用いられる結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mg-KOH/g)、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)である。
結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBの酸価の関係を上記範囲とすることにより、離型剤粒子を、トナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に存在せしめることが出来る。
前記凝集工程に用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に好ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
また、凝集工程においては、加熱による急凝集を抑える為に、室温で攪拌混合している段階でpH調整を行ない、必要に応じて分散安定剤を添加することが好ましい(以下、この段階を「プレ凝集工程」という)。このプレ凝集工程に用いる分散安定剤としては、極性を変えないようにする為、公知の非イオン性界面活性剤を1〜3%添加することが好ましい。分散安定剤を添加しない場合、加熱凝集工程において、原料粒子の微粉の取り込みが悪くなり、結果として粒度分布がブロードになってしまうという不具合が発生する可能性がある。また、分散安定剤はプレ凝集工程と凝集工程において実施される加熱処理との両方に分けて添加しても効果的である。
−融合工程−
融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集粒子の懸濁液のpHを6.5〜10.0の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、結着樹脂の融点、プリコート離型剤の被覆樹脂の融点、コア離型剤結着樹脂の融点のうち、最も高いもの以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。ここで、コア離型剤の融点よりも低い温度で融合させると、コア離型剤ドメインが成長し、プリコート離型剤の被覆層が破壊される場合がある。なお、凝集粒子を含む分散液の液性にもよるが、凝集を停止するpHが適性なpHでないと、融合させる為の昇温過程で、凝集粒子が分解してしまい収率が悪くなる。
融合時の加熱の温度としては、凝集粒子中に含まれる結着樹脂の融点以上であれば問題無い。前記加熱の時間としては、融合が十分に為される程度行えばよく、0.5〜4.0時間程度行えばよい。
融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集粒子の懸濁液のpHを6.5〜10.0の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、結着樹脂の融点、プリコート離型剤の被覆樹脂の融点、コア離型剤結着樹脂の融点のうち、最も高いもの以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。ここで、コア離型剤の融点よりも低い温度で融合させると、コア離型剤ドメインが成長し、プリコート離型剤の被覆層が破壊される場合がある。なお、凝集粒子を含む分散液の液性にもよるが、凝集を停止するpHが適性なpHでないと、融合させる為の昇温過程で、凝集粒子が分解してしまい収率が悪くなる。
融合時の加熱の温度としては、凝集粒子中に含まれる結着樹脂の融点以上であれば問題無い。前記加熱の時間としては、融合が十分に為される程度行えばよく、0.5〜4.0時間程度行えばよい。
前記融合工程においては、前記結着樹脂が融点以上に加熱されている時に、あるいは融合が終了した後に、架橋反応を行わせてもよい。また、融合と同時に架橋反応を行うこともできる。架橋反応を行わせる場合には、例えば、結着樹脂として2重結合成分を共重合させた、不飽和スルホン化結晶性ポリエステル樹脂を用い、この樹脂にラジカル反応を起こさせ、架橋構造を導入する。この際、以下に示す重合開始剤を用いる。
重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル‐2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t―ブチルパーオキシ)シラン、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジンジハイドロクロライド)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、4,4’−アゾビス(4−シアノワレリックアシド)等が挙げられる。
これら重合開始剤は、単独で使用することも、または2種以上を併用することもできる。重合開始剤の量や種類は、ポリマー中の不飽和部位量、共存する着色剤の種類や量によって選択される。
重合開始剤は、凝集工程で利用する結晶性樹脂微粒子に混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集塊に取り込ませてもよい。凝集工程、融合工程、あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、または乳化した液を、粒子分散液(樹脂粒子分散液等)に加える。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナーの粒子とすることができる。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、洗浄工程において、十分に洗浄することが好ましい。
乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナーの粒子は、乾燥後の含水分率を1.0%以下、好ましくは0.5%以下に調整することが望ましい。
上述のように乾燥工程を経て造粒されたトナー粒子は、その他の成分として、目的に応じて既述したような無機微粒子、有機微粒子等の公知の各種外添剤を添加することができる。
重合開始剤は、凝集工程で利用する結晶性樹脂微粒子に混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集塊に取り込ませてもよい。凝集工程、融合工程、あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、または乳化した液を、粒子分散液(樹脂粒子分散液等)に加える。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナーの粒子とすることができる。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、洗浄工程において、十分に洗浄することが好ましい。
乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナーの粒子は、乾燥後の含水分率を1.0%以下、好ましくは0.5%以下に調整することが望ましい。
上述のように乾燥工程を経て造粒されたトナー粒子は、その他の成分として、目的に応じて既述したような無機微粒子、有機微粒子等の公知の各種外添剤を添加することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、以下に示す実施例のみに本発明は限定されるものではない。各測定法を次に示す。
(トナーの粒径、粒度分布測定方法)
トナーの粒径、及び粒径分布指標は、コールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON‐II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定した。測定法としては分散剤として界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTAII型により、アパーチャー径として30μmアパーチャーを用いて0.6〜18μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、D16v及びD16pと定義し、累積50%となる粒径をD50v及びD50pと定義した。更に、同様にD84v及びD84pと定義した。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、D84v/D16vより求め、数平均粒度指標(GSDp)はD84p/D16pより算出した。
トナーの粒径、及び粒径分布指標は、コールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON‐II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定した。測定法としては分散剤として界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTAII型により、アパーチャー径として30μmアパーチャーを用いて0.6〜18μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、D16v及びD16pと定義し、累積50%となる粒径をD50v及びD50pと定義した。更に、同様にD84v及びD84pと定義した。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、D84v/D16vより求め、数平均粒度指標(GSDp)はD84p/D16pより算出した。
(結着樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
本発明におけるトナーにおいて、結着樹脂の分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
本発明におけるトナーにおいて、結着樹脂の分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸92.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3mol%、5−t−ブチルイソフタル酸5.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量12000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂1を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂1の酸価は20mgKOH/gであった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸92.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3mol%、5−t−ブチルイソフタル酸5.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量12000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂1を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂1の酸価は20mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂1の融点を示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)(以下、「DSC」と略記する。)の熱分析装置を用いて測定した。測定は、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で行い、融点をJIS規格(JIS K−7121参照)により解析して得た。この方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は75℃であった。
ついで、この結晶性ポリエステル樹脂1 180重量部及び脱イオン水585重量部をステンレスビーカーに入れ、温浴につけ、95℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂1が溶融した時点で、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて8000rpmで攪拌し、同時に希アンモニア水を添加しPHを7.0に調整した。ついでアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)0.8重量部を希釈した水溶液20重量部を滴下しながら、乳化分散を行ない、体積平均粒径が0.25μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液1〔樹脂粒子濃度:12.3重量%〕を調製した。
ついで、この結晶性ポリエステル樹脂1 180重量部及び脱イオン水585重量部をステンレスビーカーに入れ、温浴につけ、95℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂1が溶融した時点で、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて8000rpmで攪拌し、同時に希アンモニア水を添加しPHを7.0に調整した。ついでアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)0.8重量部を希釈した水溶液20重量部を滴下しながら、乳化分散を行ない、体積平均粒径が0.25μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液1〔樹脂粒子濃度:12.3重量%〕を調製した。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液2の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(ヘキサデカンジオイック酸93.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.5mol%、5−t−ブチルイソフタル酸3.5mol%)、および、ジオール成分(1,12−ドデカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量15000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂2を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂2の酸価は8mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂2の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は94℃であった。
ついで、結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調整と同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.32μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液2〔樹脂粒子濃度:11.8重量%〕を調製した。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(ヘキサデカンジオイック酸93.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.5mol%、5−t−ブチルイソフタル酸3.5mol%)、および、ジオール成分(1,12−ドデカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量15000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂2を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂2の酸価は8mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂2の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は94℃であった。
ついで、結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調整と同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.32μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液2〔樹脂粒子濃度:11.8重量%〕を調製した。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液3の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(セバシン酸92.5mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸4.3mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量10000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂3を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂3の酸価は28mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂3の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は58℃であった。
ついで、結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調整と同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.45μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液3〔樹脂粒子濃度:12.4重量%〕を調製した。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(セバシン酸92.5mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸4.3mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量10000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂3を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂3の酸価は28mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂3の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は58℃であった。
ついで、結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調整と同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.45μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液3〔樹脂粒子濃度:12.4重量%〕を調製した。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液4の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,16−ヘキサデカンジカルボン酸90.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸2.0mol%、トリメリット酸5.0mol%)、および、ジオール成分(1,14−テトラデカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量20000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂4を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂4の酸価は21.8mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂4の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は97℃であった。
ついで、結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調整と同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.50μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液4〔樹脂粒子濃度:12.0重量%〕を調製した。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,16−ヘキサデカンジカルボン酸90.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸2.0mol%、トリメリット酸5.0mol%)、および、ジオール成分(1,14−テトラデカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量20000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂4を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂4の酸価は21.8mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂4の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は97℃であった。
ついで、結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調整と同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.50μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液4〔樹脂粒子濃度:12.0重量%〕を調製した。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液5の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(アジピン酸95.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸3.0mol%)、および、ジオール成分(エチレングリコール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量8000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂5を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂5の酸価は32mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂5の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は46℃であった。
ついで、結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調整と同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.38μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液5〔樹脂粒子濃度:11.9重量%〕を調製した。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(アジピン酸95.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸3.0mol%)、および、ジオール成分(エチレングリコール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量8000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂5を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂5の酸価は32mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂5の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は46℃であった。
ついで、結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調整と同様にして乳化分散を行い、体積平均粒径が0.38μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液5〔樹脂粒子濃度:11.9重量%〕を調製した。
(結晶性ポリエステル樹脂6の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸92.3mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.7mol%、5−t−ブチルイソフタル酸4.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量13000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂6を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂6の酸価は17.4mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂6の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は73℃であった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸92.3mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.7mol%、5−t−ブチルイソフタル酸4.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量13000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂6を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂6の酸価は17.4mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂6の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は73℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂7の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸96.3mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.7mol%、5−t−ブチルイソフタル酸1.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量11000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂7を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂7の酸価は16.2mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂7の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は58℃であった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸96.3mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.7mol%、5−t−ブチルイソフタル酸1.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量11000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂7を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂7の酸価は16.2mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂7の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は58℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂8の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸94.3mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.7mol%、5−t−ブチルイソフタル酸2.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量12500になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂8を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂8の酸価は18.5mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂8の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は62℃であった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸94.3mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.7mol%、5−t−ブチルイソフタル酸2.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量12500になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂8を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂8の酸価は18.5mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂8の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は62℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂9の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(ヘキサデカンジジオイック酸93.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.5mol%、5−t−ブチルイソフタル酸3.5mol%)、および、ジオール成分(1,12−ドデカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量14000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂9を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂9の酸価は6.8mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂9の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は92℃であった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(ヘキサデカンジジオイック酸93.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.5mol%、5−t−ブチルイソフタル酸3.5mol%)、および、ジオール成分(1,12−ドデカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量14000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂9を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂9の酸価は6.8mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂9の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は92℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂10の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(セバシン酸92.5mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸4.3mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量9500になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂10を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂10の酸価は24.5mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂10の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は60℃であった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(セバシン酸92.5mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸4.3mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量9500になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂10を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂10の酸価は24.5mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂10の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は60℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂11の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(ヘキサデカンジオイック酸90.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸2.0mol%、トリメリット酸5.0mol%)、および、ジオール成分(1,12−ドデカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量13000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂2を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂11の酸価は21.1mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂11の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は91℃であった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(ヘキサデカンジオイック酸90.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸2.0mol%、トリメリット酸5.0mol%)、および、ジオール成分(1,12−ドデカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量13000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂2を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂11の酸価は21.1mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂11の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は91℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂12の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸92.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸5.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量14000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂12を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂12の酸価は15.0mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂12の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は80℃であった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(1,12−ドデカンジカルボン酸92.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸5.0mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量14000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂12を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂12の酸価は15.0mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂12の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は80℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂13の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(セバシン酸92.5mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸4.3mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量12000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂13を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂13の酸価は16.0mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂13の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は65℃であった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(セバシン酸92.5mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム3.2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸4.3mol%)、および、ジオール成分(1,10−デカンジオール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量12000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂13を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂13の酸価は16.0mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂13の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は65℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂14の調整)
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(アジピン酸94.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸2.0mol%、トリメリット酸2.0mol%)、および、ジオール成分(エチレングリコール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量10500になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂14を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂14の酸価は31.5mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂14の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は55℃であった。
加熱乾燥した三口フラスコに、酸成分(アジピン酸94.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.0mol%、5−t−ブチルイソフタル酸2.0mol%、トリメリット酸2.0mol%)、および、ジオール成分(エチレングリコール100mol%)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量10500になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂14を得た。尚、得られた結晶性ポリエステル樹脂14の酸価は31.5mgKOH/gであった。
得られた結晶性ポリエステル樹脂14の融点を、前述の方法で測定したところ、明確なピークを有し、融点は55℃であった。
(着色剤分散液の調整)
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1重量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK):15重量部
・イオン交換水:3重量部
以上の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒径は、0.16μm、固形分比率は25重量%であった。
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1重量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK):15重量部
・イオン交換水:3重量部
以上の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒径は、0.16μm、固形分比率は25重量%であった。
(プリコート離型剤分散液1の調整)
・ポリアルキレンワックスFNP92(融点91.6℃ 日本精鑞社製):180重量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7重量部
・イオン交換水:800重量部
以上の成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、エマルジョンを得た。
尚、コア離型剤の140℃での粘度ηは3.4mPa・sであった。
得られたエマルジョンを固液分離し、コア離型剤ケーキ1(含水率20重量%)を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂6を126重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ1を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水724重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.37μm、固形分比率30.2%のプリコート離型剤分散液1を得た。
得られたプリコート離型剤分散液1を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.03μmであった。
・ポリアルキレンワックスFNP92(融点91.6℃ 日本精鑞社製):180重量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7重量部
・イオン交換水:800重量部
以上の成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、エマルジョンを得た。
尚、コア離型剤の140℃での粘度ηは3.4mPa・sであった。
得られたエマルジョンを固液分離し、コア離型剤ケーキ1(含水率20重量%)を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂6を126重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ1を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水724重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.37μm、固形分比率30.2%のプリコート離型剤分散液1を得た。
得られたプリコート離型剤分散液1を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.03μmであった。
(プリコート離型剤分散液2の調整)
・パラフィンワックスHNP−9(融点75℃ 日本精鑞社製):180重量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7重量部
・イオン交換水:800重量部
以上の成分を90℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、エマルジョンを得た。
尚、コア離型剤の140℃での粘度ηは2.3mPa・sであった。
得られたエマルジョンを固液分離し、コア離型剤ケーキ2(含水率20重量%)を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂7を47重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ2を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水525重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.50μm、固形分比率30.8%のプリコート離型剤分散液2を得た。
得られたプリコート離型剤分散液2を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.018μmであった。
・パラフィンワックスHNP−9(融点75℃ 日本精鑞社製):180重量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7重量部
・イオン交換水:800重量部
以上の成分を90℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、エマルジョンを得た。
尚、コア離型剤の140℃での粘度ηは2.3mPa・sであった。
得られたエマルジョンを固液分離し、コア離型剤ケーキ2(含水率20重量%)を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂7を47重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ2を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水525重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.50μm、固形分比率30.8%のプリコート離型剤分散液2を得た。
得られたプリコート離型剤分散液2を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.018μmであった。
(プリコート離型剤分散液3の調整)
・パラフィンワックスHNP−3(融点64℃ 日本精鑞社製):180重量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7重量部
・イオン交換水:800重量部
以上の成分を80℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、エマルジョンを得た。
尚、コア離型剤の140℃での粘度ηは1.8mPa・sであった。
得られたエマルジョンを固液分離し、コア離型剤ケーキ3(含水率20重量%)を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂8を181重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ3を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水812重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.17μm、固形分比率31.2%のプリコート離型剤分散液3を得た。
得られたプリコート離型剤分散液3を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.017μmであった。
・パラフィンワックスHNP−3(融点64℃ 日本精鑞社製):180重量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7重量部
・イオン交換水:800重量部
以上の成分を80℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、エマルジョンを得た。
尚、コア離型剤の140℃での粘度ηは1.8mPa・sであった。
得られたエマルジョンを固液分離し、コア離型剤ケーキ3(含水率20重量%)を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂8を181重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ3を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水812重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.17μm、固形分比率31.2%のプリコート離型剤分散液3を得た。
得られたプリコート離型剤分散液3を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.017μmであった。
(プリコート離型剤分散液4の調整)
プリコート離型剤分散液1の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ1を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂9を131重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ1を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水749重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.50μm、固形分比率29.8%のプリコート離型剤分散液4を得た。
得られたプリコート離型剤分散液4を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.042μmであった。
プリコート離型剤分散液1の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ1を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂9を131重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ1を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水749重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.50μm、固形分比率29.8%のプリコート離型剤分散液4を得た。
得られたプリコート離型剤分散液4を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.042μmであった。
(プリコート離型剤分散液5の調整)
プリコート離型剤分散液3の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ3を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂10を190重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ3を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水859重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.18μm、固形分比率30.5%のプリコート離型剤分散液5を得た。
得られたプリコート離型剤分散液5を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.019μmであった。
プリコート離型剤分散液3の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ3を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂10を190重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ3を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水859重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.18μm、固形分比率30.5%のプリコート離型剤分散液5を得た。
得られたプリコート離型剤分散液5を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.019μmであった。
(プリコート離型剤分散液6の調整)
プリコート離型剤分散液1の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ1を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂11を33重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ1を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水526重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.59μm、固形分比率29.5%のプリコート離型剤分散液6を得た。
得られたプリコート離型剤分散液6を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.016μmであった。
プリコート離型剤分散液1の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ1を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂11を33重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ1を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水526重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.59μm、固形分比率29.5%のプリコート離型剤分散液6を得た。
得られたプリコート離型剤分散液6を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.016μmであった。
(プリコート離型剤分散液7の調整)
プリコート離型剤分散液2の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ2を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂12を314重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ2を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水1099重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.12μm、固形分比率31.3%のプリコート離型剤分散液7を得た。
得られたプリコート離型剤分散液7を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.016μmであった。
プリコート離型剤分散液2の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ2を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂12を314重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ2を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水1099重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.12μm、固形分比率31.3%のプリコート離型剤分散液7を得た。
得られたプリコート離型剤分散液7を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.016μmであった。
(プリコート離型剤分散液8の調整)
プリコート離型剤分散液2の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ2を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂13を105重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ2を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水669重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.68μm、固形分比率30.4%のプリコート離型剤分散液8を得た。
得られたプリコート離型剤分散液8を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.048μmであった。
プリコート離型剤分散液2の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ2を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂13を105重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ2を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水669重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.68μm、固形分比率30.4%のプリコート離型剤分散液8を得た。
得られたプリコート離型剤分散液8を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.048μmであった。
(プリコート離型剤分散液9の調整)
プリコート離型剤分散液3の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ3を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂14を89重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ3を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水649重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.32μm、固形分比率29.8%のプリコート離型剤分散液9を得た。
得られたプリコート離型剤分散液9を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.02μmであった。
プリコート離型剤分散液3の調整と同様に操作し、コア離型剤ケーキ3を得た。
酢酸エチル200重量部に、結晶性ポリエステル樹脂14を89重量部投入し、攪拌溶解させた。得られた溶液にコア離型剤ケーキ3を投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散し、コア離型剤分散樹脂溶液を調整した。
別途、イオン交換水649重量部に対してアニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):7.0重量部を溶解させた水溶液を調整し、攪拌しながら、前述のコア離型剤分散樹脂溶液を滴下し、分散液を得た。
得られた分散液から、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを留去し、体積平均粒径0.32μm、固形分比率29.8%のプリコート離型剤分散液9を得た。
得られたプリコート離型剤分散液9を固液分離後、透過型電子顕微鏡にて粒子断面を観察したところ、コア離型剤が被覆樹脂にて被覆されているのが確認され、被覆層の厚みは0.02μmであった。
<トナーの製造>
(トナー1の製造)
・結晶性ポリエステル樹脂分散液1 : 847重量部
・着色剤分散液 : 32.7重量部
・プリコート離型剤分散液1 : 130重量部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、攪拌混合した。ついで、混合分散液のpHを3.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.13重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で分散作業を継続した。
フラスコを攪拌しながら、加熱用オイルバスにて50℃まで加熱した。50℃で2時間保持した後、0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液でフラスコのpHを8.5とした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、2.0時間保持した。
反応終了後、冷却・ろ過し、イオン交換水にて十分洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過にて固液分離を実施した。これをさらに40℃のイオン交換水1.5Lに再分散し、20分間280rpmで攪拌・洗浄した。
この作業を更に5回繰り返した後、ヌッチェ式吸引ろ過にて固液分離を行い、得られたケーキの真空乾燥を12時間行い、トナー1を得た。
得られたトナー1の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は6.2μmであった。
また、トナー1の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、15重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー1の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.31μmであった。
(トナー1の製造)
・結晶性ポリエステル樹脂分散液1 : 847重量部
・着色剤分散液 : 32.7重量部
・プリコート離型剤分散液1 : 130重量部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、攪拌混合した。ついで、混合分散液のpHを3.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.13重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で分散作業を継続した。
フラスコを攪拌しながら、加熱用オイルバスにて50℃まで加熱した。50℃で2時間保持した後、0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液でフラスコのpHを8.5とした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、2.0時間保持した。
反応終了後、冷却・ろ過し、イオン交換水にて十分洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過にて固液分離を実施した。これをさらに40℃のイオン交換水1.5Lに再分散し、20分間280rpmで攪拌・洗浄した。
この作業を更に5回繰り返した後、ヌッチェ式吸引ろ過にて固液分離を行い、得られたケーキの真空乾燥を12時間行い、トナー1を得た。
得られたトナー1の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は6.2μmであった。
また、トナー1の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、15重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー1の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.31μmであった。
(トナー2の製造)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1の量を805重量部、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液2を146重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を80℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー2を得た。
得られたトナー2の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は3.8μmであった。
また、トナー2の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、23重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー2の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.45μmであった。
結晶性ポリエステル樹脂分散液1の量を805重量部、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液2を146重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を80℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー2を得た。
得られたトナー2の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は3.8μmであった。
また、トナー2の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、23重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー2の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.45μmであった。
(トナー3の製造)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1の量を1028重量部、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液3を52重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を80℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー3を得た。
得られたトナー3の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は7.5μmであった。
また、トナー3の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、5.3重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー3の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.13μmであった。
結晶性ポリエステル樹脂分散液1の量を1028重量部、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液3を52重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を80℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー3を得た。
得られたトナー3の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は7.5μmであった。
また、トナー3の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、5.3重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー3の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.13μmであった。
(トナー4の製造)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1のかわりに結晶性ポリエステル樹脂分散液2を1071重量部用い、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液4を55重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を97℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー4を得た。
得られたトナー4の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は6.4μmであった。
また、トナー4の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、6.2重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー4の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.42μmであった。
結晶性ポリエステル樹脂分散液1のかわりに結晶性ポリエステル樹脂分散液2を1071重量部用い、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液4を55重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を97℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー4を得た。
得られたトナー4の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は6.4μmであった。
また、トナー4の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、6.2重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー4の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.42μmであった。
(トナー5の製造)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1のかわりに結晶性ポリエステル樹脂分散液3を627重量部用い、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液5を216重量部用いた以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー5を得た。
得られたトナー5の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は5.7μmであった。
また、トナー5の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、21重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー5の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.14μmであった。
結晶性ポリエステル樹脂分散液1のかわりに結晶性ポリエステル樹脂分散液3を627重量部用い、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液5を216重量部用いた以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー5を得た。
得られたトナー5の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は5.7μmであった。
また、トナー5の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、21重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー5の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.14μmであった。
(トナー6の製造)
・結晶性ポリエステル樹脂分散液1 : 244重量部
・着色剤分散液 : 33重量部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、攪拌混合した。ついで、混合分散液のpHを3.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.13重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で分散作業を継続した。
フラスコを攪拌しながら、加熱用オイルバスにて50℃まで加熱した。50℃で1.5時間保持した後、「結晶性ポリエステル樹脂分散液1 : 625重量部、プリコート離型剤分散液1 118重量部を混合し、pHを3.0に調整した混合分散液」を、容器内温が48℃を下回らない速度で添加し、さらに50℃で1.5時間保持した。
その後、0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液でフラスコのpHを8.5とした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、2.0時間保持した。
以降、トナー1の製造と同様に操作し、トナー6を得た。
得られたトナー6の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は5.8μmであった。
また、トナー6の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、14重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー6の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3〜1.0μmの範囲に離型剤粒子が存在しており、最表面層から1.0μmより内側には着色剤粒子が存在していた。離型剤粒子の粒径は0.31μmであった。
・結晶性ポリエステル樹脂分散液1 : 244重量部
・着色剤分散液 : 33重量部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、攪拌混合した。ついで、混合分散液のpHを3.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.13重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で分散作業を継続した。
フラスコを攪拌しながら、加熱用オイルバスにて50℃まで加熱した。50℃で1.5時間保持した後、「結晶性ポリエステル樹脂分散液1 : 625重量部、プリコート離型剤分散液1 118重量部を混合し、pHを3.0に調整した混合分散液」を、容器内温が48℃を下回らない速度で添加し、さらに50℃で1.5時間保持した。
その後、0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液でフラスコのpHを8.5とした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、2.0時間保持した。
以降、トナー1の製造と同様に操作し、トナー6を得た。
得られたトナー6の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は5.8μmであった。
また、トナー6の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、14重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー6の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3〜1.0μmの範囲に離型剤粒子が存在しており、最表面層から1.0μmより内側には着色剤粒子が存在していた。離型剤粒子の粒径は0.31μmであった。
(トナー7の製造)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1の量を927重量部、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液6を99重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を97℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー7を得た。
得られたトナー7の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は5.1μmであった。
また、トナー7の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、16重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー7の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.55μmであった。
結晶性ポリエステル樹脂分散液1の量を927重量部、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液6を99重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を97℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー7を得た。
得られたトナー7の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は5.1μmであった。
また、トナー7の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、16重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー7の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.55μmであった。
(トナー8の製造)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1の量を958重量部、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液7を80重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を85℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー8を得た。
得られたトナー8の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は2.9μmであった。
また、トナー8の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、6重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー8の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.08μmであった。
結晶性ポリエステル樹脂分散液1の量を958重量部、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液7を80重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を85℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー8を得た。
得られたトナー8の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は2.9μmであった。
また、トナー8の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、6重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー8の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.08μmであった。
(トナー9の製造)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1のかわりに結晶性ポリエステル樹脂分散液4を669重量部用い、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液8を210重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を99℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー9を得た。
得られたトナー9の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は5.9μmであった。
また、トナー9の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、26.2重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー9の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.58μmであった。
結晶性ポリエステル樹脂分散液1のかわりに結晶性ポリエステル樹脂分散液4を669重量部用い、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液8を210重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を99℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー9を得た。
得られたトナー9の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は5.9μmであった。
また、トナー9の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、26.2重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー9の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.58μmであった。
(トナー10の製造)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1のかわりに結晶性ポリエステル樹脂分散液5を797重量部用い、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液9を164重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を70℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー10を得た。
得られたトナー10の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は4.8μmであった。
また、トナー10の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、21.3重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー1の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.28μmであった。
結晶性ポリエステル樹脂分散液1のかわりに結晶性ポリエステル樹脂分散液5を797重量部用い、プリコート離型剤分散液1のかわりにプリコート離型剤分散液9を164重量部用い、pHを8.5に調整した後の加熱温度を70℃とした以外は、トナー1の製造と同様に操作しトナー10を得た。
得られたトナー10の粒径をコールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)にて測定したところ、体積平均径は4.8μmであった。
また、トナー10の示差熱分析における吸熱ピークの面積から求めた離型剤含有量は、21.3重量%であった。
また、透過型電子顕微鏡にて、トナー1の粒子断面を観察したところ、トナー粒子の最表面層から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在しており、離型剤粒子の粒径は0.28μmであった。
(外添トナーの作成・現像剤の調整)
作成したトナー50重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)を0.22重量部添加してサンプルミルにてブレンドし、外添トナーを作成した。
次に、ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製:Mw66000)を1重量%コートした体積平均粒径50μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5重量%となるよう上記外添トナーを秤量し、ボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤を調整した。
作成したトナー50重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)を0.22重量部添加してサンプルミルにてブレンドし、外添トナーを作成した。
次に、ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製:Mw66000)を1重量%コートした体積平均粒径50μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5重量%となるよう上記外添トナーを秤量し、ボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤を調整した。
(低温定着性・ドキュメント保存性の評価)
得られた現像剤を定着装置を取り外した富士ゼロックス社製DocuPrint C2220(以下、「DPC2220」と略す場合がある)の現像器に充填して、未定着画像を採取した。画像条件は40mm×50mmのソリッド像で、トナー量は4.5g/m2、記録紙はミラーコートプラチナ紙(坪量:127gsm)を使用した。ついで、DPC2220の定着機を定着温度が可変となるように改造して、定着温度を70℃から200℃の間で段階的に上昇させながら画像の低温定着性を評価した。
なお、低温定着性は、定着画像を一定荷重の重り(1kg)を用いて1秒間折り曲げ、折り曲げを伸ばした後、その部分の画像欠損度合いグレード付けし、ある一定のグレード以上になる定着温度を最低定着温度として、低温定着性の指標とした。
得られた現像剤を定着装置を取り外した富士ゼロックス社製DocuPrint C2220(以下、「DPC2220」と略す場合がある)の現像器に充填して、未定着画像を採取した。画像条件は40mm×50mmのソリッド像で、トナー量は4.5g/m2、記録紙はミラーコートプラチナ紙(坪量:127gsm)を使用した。ついで、DPC2220の定着機を定着温度が可変となるように改造して、定着温度を70℃から200℃の間で段階的に上昇させながら画像の低温定着性を評価した。
なお、低温定着性は、定着画像を一定荷重の重り(1kg)を用いて1秒間折り曲げ、折り曲げを伸ばした後、その部分の画像欠損度合いグレード付けし、ある一定のグレード以上になる定着温度を最低定着温度として、低温定着性の指標とした。
一方、ドキュメント保存性の評価については、上記定着評価の際に作製した未定着像2枚を、前記最低定着温度より20℃高い温度で定着した後、画像部と、非画像部及び画像部とが重なるように向かい合わせて重ね、重ねた部分に対して80g/cm2相当になるように重りを載せ、60℃湿度50%の恒温恒湿槽で3日間放置した。放置後、重ねた2枚の定着像の画像欠損度合いを以下に示す「G1」〜「G5」の5段階でグレード付けした。G4までを許容範囲とする。
G1:互いの画像部が接着した為、画像が定着されている紙ごと剥がれて、画像欠損が激しく、また非画像部へ明らかな画像の移行が見られる。
G2:画像同士が接着していた為、画像部のところどころに画像欠損の白抜けが発生している。
G3:重ねた2枚の画像を離す際、互いの定着表面に画像のあれやグロス低下は発生するが、画像としては画像欠損は殆どなく許容できるレベル。非画像部に若干の移行が見られる。
G4:重ねた2枚の画像を離す時に、パリッと音がし、非画像部にもわずかに画像移行が見られるが、画像欠損はなく、全く問題無いレベル
G5:画像部、非画像ともに全く画像欠損や画像移行が見られない。
G2:画像同士が接着していた為、画像部のところどころに画像欠損の白抜けが発生している。
G3:重ねた2枚の画像を離す際、互いの定着表面に画像のあれやグロス低下は発生するが、画像としては画像欠損は殆どなく許容できるレベル。非画像部に若干の移行が見られる。
G4:重ねた2枚の画像を離す時に、パリッと音がし、非画像部にもわずかに画像移行が見られるが、画像欠損はなく、全く問題無いレベル
G5:画像部、非画像ともに全く画像欠損や画像移行が見られない。
(トナー流動性評価)
DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定した。15g以上を許容範囲とした。
DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定した。15g以上を許容範囲とした。
(実施例1)
トナー1を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、20gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は106℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4.5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
トナー1を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、20gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は106℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4.5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
(実施例2)
トナー2を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、17gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は105℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4.5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
トナー2を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、17gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は105℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4.5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
(実施例3)
トナー3を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、16gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は106℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4.5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
トナー3を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、16gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は106℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4.5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
(実施例4)
トナー4を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、16.5gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は123℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
トナー4を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、16.5gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は123℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
(実施例5)
トナー5を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、16.8gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は90℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
トナー5を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、16.8gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は90℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
(実施例6)
トナー6を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、21gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は105℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4.5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
トナー6を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、21gであり許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は105℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4.5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
(比較例1)
トナー7を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、10gと許容範囲外であり、流動性は不十分であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は106℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は低かった。
トナー7を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、10gと許容範囲外であり、流動性は不十分であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は106℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は低かった。
(比較例2)
トナー8を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、17.1gであり、許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は106℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性に乏しく、ロールへの巻きつきが生じた。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
トナー8を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、17.1gであり、許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は106℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG4であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性に乏しく、ロールへの巻きつきが生じた。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
(比較例3)
トナー9を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、16.9gであり、許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は130℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は低かった。
トナー9を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、16.9gであり、許容範囲内であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は130℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG5であり許容範囲内であった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は低かった。
(比較例4)
トナー10を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、8.0gと許容範囲外であり、流動性は不十分であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は75℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG1であり、保存性は悪かった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
トナー10を用いて調整した現像剤を用いて、流動性評価のため、DPC2220改造機によって連続駆動で1分間にトナーカートリッジから滴下するトナー量を測定したところ、8.0gと許容範囲外であり、流動性は不十分であった。
さらに、前述の方法にて測定した最低定着温度は75℃であった。前述の方法におけるドキュメント保存性の評価結果はG1であり、保存性は悪かった。
DPC2220改造器を用いて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、ニップ幅6.5mm下、定着温度200mm/secにて定着した。その結果、定着時の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認された。
また、DPC2220改造機を用いてトナー載り量3.5g/m2に調整して画出しした後、最低定着温度より20℃高い温度、定着速度50mm/secにて定着したOHPシートの透明性は良好であった。
本発明によれば、低温定着性、優れた剥離性、流動性、透明性を併せ持つ静電荷現像用トナーを提供することができる。
Claims (1)
- 2種類の結晶性ポリエステル樹脂A及びB、離型剤並びに着色剤を含むトナーであって、該離型剤粒子の表面が結晶性ポリエステル樹脂Bにて被覆されており、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの融点が50〜95℃であり、前記結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価をAVPES-A(mgKOH/g)とし、結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価をAVPES-B(mgKOH/g)とし、ΔAVPES = AVPES-A − AVPES-Bとした場合、1.0(mgKOH/g)≦ΔAVPES≦4.0(mgKOH/g)であり、透過型顕微鏡観察におけるトナー粒子の最表面から0.3μmよりも内側に離型剤粒子が存在し、かつ該離型剤粒子の粒径が0.1〜0.5μmであることを特徴とする静電荷現像用トナー。
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