JP2004038115A - 画像形成用トナー及び画像形成方法並びに画像形成装置 - Google Patents

画像形成用トナー及び画像形成方法並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電性、粋砕性、流動性に優れ、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させた、低温定着幅の広いトナー提供する。
【解決手段】少なくとも2種類以上のポリエステル樹脂とそれ以外の樹脂を含有するトナーであって、ポリエステル樹脂のうち少なくとも1種類が一般式(1)で表され結晶性を有し、かつ該結晶性を有するポリエステル樹脂(A)と、該ポリエステル樹脂(A)より高いF1/2温度を有するポリエステル樹脂(B)とが互いに非相溶の相分離構造をとり、かつ前記それ以外の樹脂(C)がビニルトルエン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合体、または、上記群から選ばれる少なくとも1種のモノマーと、スチレンとの共重合体であることを特徴とするトナー。
(1)[−O−CO−CR=CR−CO−O−(CH−]
(式中、R、Rは炭化水素基。)
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成用トナー及び該トナーを用いる画像形成方法、並びに該トナーを装填した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法による画像形成は、米国特許第2,297,691号明細書、特公昭49−23910号公報及び特公昭43−24748号公報などに各種の方法が記載されているように、一般には光導電性物質を用いて作成された感光体に種々の手段により電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤を用いて現像した後、該現像剤による像を必要に応じて紙などに転写し、さらに加熱、加圧あるいは溶剤蒸気などによって定着して、行われるものである。
【0003】
電気的潜像を現像する方式には、大別して、絶縁性有機液体中に各種の顔料や染料を微細に分散させた液体現像剤を用いる液体現像方式と、カスケード法、磁気ブラシ法、パウダークラウド法などのように天然又は合成樹脂にカーボンブラックなどの着色剤を分散して作成される乾式現像剤(以下、トナーと称する)を用いる乾式現像方式があり、近年では乾式現像方式が広く使用されている。
【0004】
乾式電子写真現像機では、そのエネルギー効率の良さから加熱ヒートローラー定着方式が一般に広く用いられている。しかし、近年の更なる省エネルギー化の要求から、トナーとして必要とされる粉砕性や帯電性、耐オフセット性などの特性を維持しつつ、トナー自体の定着温度を下げトナーの定着に使用される熱エネルギーを少なくさせる技術が、乾式電子写真現像機で消費されるエネルギーを減少させるために必要とされている。
【0005】
従来よりも低温でのトナー定着を達成させるため、従来から多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂にかえて、低温定着性にすぐれ耐熱保存性も比較的良いポリエステル樹脂のトナーへの適用が試みられている(特開昭60−90344号公報、特開昭64−15755号公報、特開平2−82267号公報、特開平3−229264号公報、特開平3−41470号公報、特開平11−305486号公報等)。また、低温定着性の改善を目的にバインダー中にガラス転移温度でシャープメルト性を有する特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加する試みがなされている(特開昭62−63940号公報)。しかし、これらは分子構造、分子量について最適化されているとはいえない。また、同じくシャープメルト性を有する結晶性ポリエステルを用いる試みもなされている(特許第2931899号公報、特開2001−222138号公報)が、結晶性ポリエステルのシャープメルト性を発揮させるためのトナー中のマイクロドメイン構造について開示されていないため、十分な低温定着性を得られない。
【0006】
また、結晶性ポリエステルを用いて粉砕法にて作成したトナーは、混練時に結晶性が崩れてTgが低い成分が発生することがある。トナー表面に低Tg成分が存在すると低Tg成分由来の粘着性が流動性を妨げるため、結果として結晶性ポリエステルを使用して粉砕法にて作成したトナーは流動性に課題が残る。結晶性ポリエステルを用いてトナー中をマイクロドメイン構造にすると、結晶性ポリエステルのシャープメルト性を発揮することができ、十分な低温定着性を得ることができるうえに十分な耐オフセット性を併せ持つことができる。しかし、結晶性ポリエステルを用いたトナーは、粉砕性が不十分であり、生産性に乏しい。
【0007】
トナーの粉砕性を向上させる方法として、粉砕を助長する樹脂の添加が知られている。例えば特開平4−257868号公報には、芳香族石油樹脂を使用して粉砕性と定着性能とを両立する技術が記載されている。しかし上記公報で使用されている芳香族石油樹脂は、石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンなどを製造するエチレンプラントから副生する分解油留分のうち、主にスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、ジイソブチレン、トルエン、n−オクタン、キシレン、p−エチルトルエン、ジシクロペンタジエン、β−メチルスチレン、およびナフタレンなどの混合物である留分を原料として用いており、これらのオリゴマーである芳香族石油樹脂は一般に着色しているため、このような芳香族石油樹脂をトナー成分の一部として使用する場合、色再現性、透明性などの点で充分に満足するものは得られない。
【0008】
また、特開平11−65161号公報(対応USP No.5972547)には、少なくとも、結着樹脂、着色剤、および少なくともスチレン系モノマーとインデン系モノマーとを含む共重合樹脂を含有する静電荷像現像用トナーが記載されている。しかし、インデン系モノマーは一般に着色しやすいので、上記共重合樹脂も着色しやすく、このため上記公報のトナーは色再現性、透明性などの点で充分に満足できるものではない。また、着色の無い共重合樹脂を製造しようとする場合にはインデン系モノマーを極めて高純度に精製する必要があり、このため製造には特別な設備が必要となるのでコスト的に問題がある。
【0009】
更に、特開平11−72956号公報(対応USP No.5958642)には、着色剤と結着樹脂と脂肪族炭化水素・炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂とを含有する静電荷像現像用トナーが記載されている。しかしながら、上記公報のトナーは、粉砕性、熱保存性および離型剤の分散性を改良することはできるが、トナーとしての帯電性能においてまだ充分に満足しうるものではない。
【0010】
このように、これら従来公知の何れの技術を適用しても、低温定着による省エネルギー化を達成させつつトナーとしての必要な特性をも十分満足させるには至っていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法など静電潜像を現像するときに用いられる画像形成用トナーを提供することを目的とし、さらに詳しくは充分な低温定着性の確立を目的とした画像形成用トナーを提供することを目的とする。また、低温定着による省エネルギー化の達成と良好な粉砕性、帯電性、耐オフセット性、流動性を兼ね揃えることを目的とした画像形成用トナーを提供することを目的とする。
さらに該トナーが充填されたトナー容器、該トナーを用いる画像形成方法及び該トナーを装填した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、優れた低温定着性と粉砕性、帯電性、耐オフセット性、流動性を併せ持つトナーを得ることを目的に鋭意検討した。本発明はこれに基づいてなされたものである。
【0013】
即ち、本発明によれば、下記(1)〜(16)の画像形成用トナー、下記(17)のトナー容器、下記(18)の画像形成方法、及び下記(19)の画像形成用装置が提供される。
(1)結着樹脂として少なくとも2種類以上のポリエステル樹脂とそれ以外の樹脂を含有する画像形成用トナーであって、ポリエステル樹脂のうち少なくとも1種類のポリエステル樹脂が下記一般式(1)で表され結晶性を有するものであり、かつ該結晶性を有するポリエステル樹脂(A)と、該ポリエステル樹脂(A)より高いF1/2温度を有するポリエステル樹脂(B)とが互いに非相溶の相分離構造をとり、しかも前記それ以外の樹脂(C)がビニルトルエン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合体、または、ビニルトルエン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーと、スチレンとの共重合体であることを特徴とする画像形成用トナー。
【化2】
[−O−CO−CR=CR−CO−O−(CH−]
(式中、R、Rは炭化水素基である。またn、mは繰り返し単位の数である。)
(2)前記トナーの誘電正接が2.5×10−3〜10.0×10−3であることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成用トナー。
(3)前記トナーがそのDSCによる吸熱ピーク測定において、少なくとも3つの吸熱ピーク(i)〜(iii)を有し、吸熱ピーク(i)が40〜70℃の範囲にピークトップを有するものであり、かつ吸熱ピーク(ii)が70〜90℃の範囲にピークトップを有するものであり、かつ吸熱ピーク(iii)が90〜130℃の範囲にピークトップを有するものであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成用トナー。
(4)前記トナーがその粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークを有するものであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(5)結着樹脂における前記ポリエステル樹脂(A)の含有率が1〜50重量%であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(6)前記ポリエステル樹脂(A)のアルコール成分が1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、およびこれらの誘導体の少なくとも一つからなり、酸成分がマレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれらの誘導体の少なくとも一つからなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(7)前記ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が90〜130℃であり、F1/2温度が80〜130℃であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(8)前記ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)が40〜70℃であり、F1/2温度120〜160℃であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(9)前記ポリエステル樹脂(A)の酸価が20〜45mgKOH/gであることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(10)前記ポリエステル樹脂(A)の水酸価が5〜50mgKOH/gであることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(11)前記ポリエステル樹脂(A)のo−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、重量平均分子量(Mw)が5500〜6500、数平均分子量(Mn)が1300〜1500、Mw/Mnが2〜5であることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(12)前記ポリエステル樹脂(A)がその粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に回折ピークを有するものであることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(13)前記ポリエステル樹脂(B)の酸成分が炭素間の不飽和二重結合を有さないことを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(14)前記ポリエステル樹脂(B)のアルコール成分がビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物の少なくとも一つであり、酸成分がテレフタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水トリメリット酸の少なくとも一つであることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(15)前記トナーがさらに離型剤を含有するものであり、該離型剤のガラス転移温度(Tg)が70〜90℃であることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(16)前記離型剤が脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする前記(15)に記載の記載の画像形成用トナー。
(17)前記(1)〜(16)のいずれかに記載の画像形成用トナーが充填されたトナー容器。
(18)像担持体上に形成した静電潜像を現像する画像形成方法において、トナーとして前記(1)〜(16)のいずれかに記載の画像形成用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
(19)像担持体上に形成した静電潜像を現像する画像形成装置において、トナーとして前記(1)〜(16)のいずれかに記載の画像形成用トナーを装填したことを特徴とする画像形成装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明者等は、本発明の課題を解決するために鋭意検討し、トナーを構成する樹脂に、結晶性を有し分子量分布がシャープでかつその低分子量分の絶対量を可能な限り多くした脂肪族系ポリエステル樹脂(A)を導入し、該ポリエステル樹脂(A)と他のポリエステル樹脂(B)とを併用することにより、トナー中をマイクロドメイン構造とすることでトナーの低温定着性を向上させ、なおかつ、ポリエステル樹脂以外の樹脂(C)を使用することでトナーの粉砕性、帯電性、耐オフセット性を改善させ、さらに樹脂(C)をポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)と組み合わせて使用することで、トナーの流動性を向上させることができるという、上記課題を解決するに当たって非常に有効な技術構想を新規に見い出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明において、トナーの結着樹脂が少なくとも2種類以上のポリエステル樹脂とそれ以外の樹脂を含有し、ポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種類のポリエステル樹脂(A)の分子構成を脂肪族系の低分子量の結晶性を有するポリエステル樹脂とすることにより、該ポリエステル樹脂(A)はガラス転移温度(Tg)において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙への定着機能を発現する。
したがって、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)およびF1/2温度を制御することで定着下限温度を制御することが可能となり、耐熱保存性が悪化しない範囲、すなわち80〜130℃の範囲でポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)およびF1/2温度を下げることによって、従来得ることの出来なかったレベルの低温定着性を得ることが出来る。
【0016】
さらに、ポリエステル樹脂(A)と、該ポリエステル樹脂(A)より高分子量でありかつ高いF1/2温度を有するポリエステル樹脂(B)とを互いに非相溶の相分離構造とすることにより、高いF1/2温度を有するポリエステル樹脂(B)の存在がトナーの弾性を高め、耐ホットオフセット性を向上させることを見出した。相分離構造の形成により、それぞれの相、すなわち樹脂の異なった特性が発揮され、低温定着性と定着温度範囲の確保が可能となる。相分離構造を形成しない場合は、このような効果は得られない。
【0017】
相分離構造の形成の有無は次の▲1▼〜▲3▼の方法のいずれかで確認できる。
▲1▼ 透過型電子顕微鏡(TEM)によるトナー断面の観察により相分離構造の形成の有無を確認できる。着色剤として加えたカーボンブラックがポリエステル樹脂(A)に分散せずポリエステル樹脂(B)中に選択的に分散するため、TEMによりカーボンブラックの存在しない個所が島状に存在することを観察することによって相分離構造を確認できる
【0018】
▲2▼ DSCによるトナーの吸熱ピーク測定により相分離構造の形成の有無を確認できる。DSC吸熱ピーク測定において、少なくともポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)、離型剤に帰属される3つの吸熱ピーク(i)〜(iii)が存在し、40〜70℃の範囲にピークトップを有する吸熱ピーク(i)がポリエステル樹脂(B)に帰属するものであり、70〜90℃の範囲にピークトップを有する吸熱ピーク(ii)が離型剤に帰属するものであり、90〜130℃の範囲にピークトップを有する吸熱ピーク(iii)がポリエステル樹脂(A)に帰属するものである。相分離構造を有するトナーのDSC吸熱曲線を図1に、相分離構造が形成されていないトナーのDSC吸熱曲線を図2に示す。このように相分離構造を有する場合には3成分はそれぞれ別個の吸熱ピークを有し、相分離構造が形成されていない場合は3成分の吸熱ピークが重なり合う。
【0019】
▲3▼ トナーの粉末X線回折装置によるX線回折パターン測定により、相分離構造の形成の有無を確認できる。これは、ポリエステル樹脂(A)が結晶性を保持した状態で非晶質のポリエステル樹脂(B)と相分離した状態で存在するためであり、ポリエステル樹脂(A)に帰属される回折ピークが少なくとも2θ=20〜25°の位置に存在する。相分離構造が形成されていない場合は、ポリエステル樹脂(A)の結晶構造が維持されずに非晶質のポリエステル樹脂(B)と相溶するため、ポリエステル樹脂(A)に帰属される回折ピークが現れない。
【0020】
また、本発明のトナーにおいては、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の相分離構造の形成が達成された上で、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との均一な分散、すなわち微小なマイクロドメインを形成して均一に存在することが望ましく、その均一性の指標としてはTEMでの撮影によるトナー断面のポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)のマイクロドメイン径の測定と、着色剤として用いるカーボンブラックの分散性の指標であるトナーの誘電正接の測定との二手法がある。このうち、トナーの誘電正接の測定については、カーボンブラックがポリエステル樹脂(B)中にのみ存在することから、誘電正接の測定値がポリエステル樹脂(B)のマイクロドメインの分散度合いの指標に相当し、かつ定量性のある評価法である。そこで本発明ではポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の分散性をトナーの誘電正接測定により行うこととした。
【0021】
本発明のトナーは、誘電正接が2.5×10−3〜10.0×10−3であることが好ましく、特に2.5×10−3〜7.5×10−3であることが好ましい。トナーの誘電正接を2.5×10−3〜7.5×10−3の範囲にすることにより、トナー中での着色剤等の分散状態が均一で、しかも微分散された状態になり、これにより、トナーの帯電量分布が一定の狭い範囲内に制御され、優れた電荷保持性及び安定性が得られる。
トナーの誘電正接が10.0×10−3を超える場合は、導電性が高くなり、これにより帯電不良が生じ、地汚れやトナー飛散等が増加する傾向が見られる。また、トナー中の着色剤等の分散性も悪化するため、トナーの帯電量分布が不均一になり、高品位の画像が安定して得られない。トナーの誘電正接が2.5×10−3未満の場合は、抵抗が高くなるため帯電量が上昇し、画像濃度が低下する傾向が見られる。
【0022】
トナーの誘電正接は、まず、約2mm厚のペレット状に成型したトナーを、固体用電極(安藤電気(株)製SE−70形)にセットし、そして上記電極間に1kHzの交流を印加したときの位相のずれを誘電体損測定器(安藤電気(株)製TR−10C型)によって測定し、これにより計算した。
【0023】
ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の相分離構造の形成が達成された上で、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との分散の均一性は混練条件により調整できる。混錬は、混練物により大きな混錬シェアがかかるように低温(混練物が溶融状態になる範囲での最低温度)で行うことが望ましい。混錬温度が高温すぎる場合、均一な分散状態が得られないだけでなく、溶融混錬時にポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とが化学反応し、相分離構造が得られない。そのため混錬は、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)のF1/2温度、化学的反応性(溶解性パラメータ)を考慮し、溶融混錬が可能な範囲内での最低温度で行うことが望ましい。
【0024】
本発明では、トナー製造の際の混練操作において、溶融した溶融粘度の低いポリエステル樹脂(A)が混練時のせん弾力を吸収するため、巨大コンフォメーションであるため切断され易いポリエステル樹脂(B)を切断することなく、高F1/2温度、高分子量のポリエステル樹脂(B)の成分量を保持できるので、耐ホットオフセット性が改善される。
【0025】
ポリエステル樹脂(A)の分子構造、分子量、ガラス転移温度(Tg)、F1/2温度について鋭意検討した結果、分子構造については、限定的でないが、ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点の観点から、炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、およびこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成される下記一般式(1)
【化3】
[−O−CO−CR=CR−CO−O−(CH−]
(式中、R、Rは炭化水素基である。またn、mは繰り返し単位の数である。)
で表される脂肪族系ポリエステル樹脂(A)を含有することが好ましいことを見出した。また、ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点の観点から、非線状のポリエステルを合成するためにアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールを追加し、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行っても良いことを見出した。
【0026】
分子構造は固体C13−NMRにより確認することが出来る。分子量については、上記の分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れるという観点から鋭意検討した結果、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、横軸をlog(M)、縦軸を重量%で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であり、重量平均分子量(Mw)が5500〜6500、数平均分子量(Mn)が1300〜1500、Mw/Mnが2〜5であることが好ましいことを見出した。ガラス転移温度(Tg)およびF1/2温度は耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましく、それぞれ90〜130℃の範囲、80〜130℃の範囲に有ることが好ましいことを見出した。
【0027】
ここで、結晶性ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)とは、DSC測定での2回目の昇温時における吸熱ピーク温度を指す。またF1/2温度とは、フローテスターによる熱特性測定において1/2法における溶融温度のことを指す。F1/2温度(1/2法における溶融温度)を算出するためのフローテスターによる測定結果図を図3に示す。一般に、ガラス転移温度(Tg)およびF1/2温度が低いとホットオフセット性、耐熱保存性が悪化し、ガラス転移温度(Tg)およびF1/2温度が高いと定着下限温度が高くなる。ガラス転移温度(Tg)およびF1/2温度が上記範囲より低い場合は、上記要件を満たす結晶性ポリエステル樹脂は合成が困難であり、またこれら温度が130℃より高い場合には定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。
【0028】
ポリエステル樹脂(A)、(B)の酸価は、紙と樹脂との親和性の観点から、目的とする低温定着性を達成するためにはその酸価が8mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。一方、耐ホットオフセット性を向上させるには45mgKOH/g以下のものであることが好ましい。更に、ポリエステル樹脂(A)、(B)の水酸基価は、所定の低温定着性を達成し、かつ、良好な帯電特性を達成するためには0〜50mgKOH/gが好ましく、5〜50mgKOH/gのものがより好ましい。
【0029】
本発明のポリエステル樹脂(A)の結晶性の存在は、粉末X線回折装置による回折パターンの2θ=19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に回折ピークが現れることで確認することが出来る。
【0030】
本発明のトナーにおいては、低温定着性を発現させるため結着樹脂中にポリエステル樹脂(A)を1〜50重量%含有させることが好ましい。ポリエステル樹脂(A)の含有量が1重量%未満場合は低温定着性が悪化し、50重量%より多い場合はホットオフセット性が悪化するほか、着色剤が、ポリエステル樹脂(A)中に分散しないために着色剤の分散性が悪化し、着色剤としてカーボンブラックを使用した場合にはトナーの体積固有抵抗が著しく低下する不具合を生じる。
【0031】
ポリエステル樹脂(B)のF1/2温度およびガラス転移温度(Tg)については、F1/2温度が120〜160℃、ガラス転移温度(Tg)が40〜70℃であることが好ましい。F1/2温度が120℃より低い場合は耐ホットオフセット性が悪化し、160℃より高い場合は、トナー製造時の溶融混練工程において、ポリエステル樹脂(B)を溶融させるために高温を要するため製造コストが高くなること、およびトナーが高弾性のため混連シェアがかかり高い混練動力を要すること、および粉砕工程における粉砕効率が悪く製造コストが高くなる等の不具合が生じる。またガラス転移温度(Tg)が40℃より低い場合はトナーの耐熱保存性が著しく悪化し、ブロッキングを生じる。ガラス転移温度(Tg)が70℃より高い場合はトナーの低温定着性が悪化する。
【0032】
ここで、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)とは、DSC測定での2回目の昇温時における接線法より求めたガラス転移温度(Tg)を指す。またF1/2温度とは、フローテスターによる熱特性測定において1/2法における溶融温度のことを指す。F1/2温度(1/2法における溶融温度)を算出するためのフローテスターによる測定結果図を図3に示す。
【0033】
ポリエステル樹脂(B)の分子構造については、限定的でないが、特にアルコール成分がビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物の少なくとも一つであり、酸成分がテレフタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水トリメリット酸の少なくとも一つであることが望ましく、酸成分が炭素間の不飽和二重結合を有さないことが好ましい。酸成分が炭素間の不飽和二重結合を有する場合、トナー製造における溶融混練工程においてポリエステル樹脂(A)の炭素間の不飽和二重結合とポリエステル樹脂(B)の炭素間の不飽和二重結合とが相互作用を生じ、可塑化を生じてポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)の利点を失う場合がある。更に、十分な耐ホットオフセット性を達成するために、ポリエステル樹脂(B)はクロロホルムに不溶なゲルを有するものであることが好ましい。
【0034】
本発明において上記課題を解決すべく使用する樹脂(C)は、ビニルトルエン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合体を含むトナー用樹脂である。上記トナー用樹脂を添加して得られるトナーは帯電特性に優れている。該重合体はビニルトルエン、α−メチルスチレンまたはイソプロペニルトルエンの単独重合体であってもよいし、これらのモノマー同志の共重合体であってもよい。これらの重合体にはスチレン以外の他のモノマーが共重合されていないのが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲でスチレン以外の他のモノマーが共重合されていてもよい。
また、本発明のトナー用樹脂(C)として用いられる上記重合体にはスチレンが共重合されていてもよい。スチレンの含有量は共重合体を構成する全モノマーに占めるスチレンの割合として50モル%以下、好ましくは40〜20モル%であることが望ましい。
【0035】
該樹脂(C)をポリエステル樹脂(A)と組み合わせて使用すると、ポリエステル樹脂(A)の結晶性に起因する不十分な粉砕性と該樹脂(C)の脆さとの関係から、粉砕時に特に樹脂(C)が粉砕界面に存在しやすくなる。樹脂(C)はその分子構造から帯電性、流動性に優れており、樹脂(C)がトナー表面に存在することによって得られるトナーの帯電性、流動性が向上する。よって、樹脂(C)とポリエステル樹脂(A)とを組み合わせて使用すると、最終的に得られるトナーの帯電性、流動性向上への効果は特に大きい。
【0036】
本発明においてトナーに使用される離型剤としては公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。
カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナー結着樹脂中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましいがこの限りではない。
モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましいがこの限りではない。
酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましいがこの限りではない。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
【0037】
離型剤のガラス転移温度(Tg)は70〜90℃のものが好ましく、70℃より低い場合ではトナーの耐熱保存性が悪化し、90℃より高い場合では低温での離型性が発揮されず耐ホットオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付き等が発生する。
ここで、離型剤のガラス転移温度(Tg)とは、DSC測定での2回目の昇温時における吸熱ピーク温度を指す。
これらの離型剤の使用量は、トナー樹脂成分100重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部である。
【0038】
本発明のトナーの粒径については特に限定的でないが、細線再現性等に優れた高画質を得るためには、体積平均粒径が5〜10μmであることが好ましい。
ここで、トナー体積平均粒径の測定は、種々の方法によって測定可能であるが、本発明では米国コールター・エレクトロニクス社製のコールターカウンターTAIIが用いられる。
【0039】
以下に、その他の各物性等の測定方法について説明する。
固体C13−NMRは日本電子製のFT−NMR SYSTEM JNM−α400を用い、観測核C13、基準物質アダマンタン、積算回数8192回、パルス系列CPMAS。IRMOD:IRLEV、観測周波数100.4MHz、OBSET:134500Hz、POINT:4096、PD:7.0sec、SPIN6088Hzの条件で行い、分子構造推定はソフトウエアとしてChem Draw Pro Ver.4.5を用いた。
【0040】
トナー断面の観察は日立透過型電子顕微鏡H−9000を用い、加速電圧300kVの条件でトナー粒子を約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により約10000倍で観察を行い、写真撮影をした。
【0041】
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)は次のようにして測定される。
145℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶離液として0.3%BHT入りのo−ジクロロベンゼンを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.3重量%に調製した樹脂の140℃o−ジクロロベンゼン溶解液を50〜200μl注入して測定する。測定機としてWaters製150CV型、カラムとしてShodex AT−G+AT−806MS(2本)を用いることが出来る。試料(トナー)の分子量測定は、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。スライス幅は0.05秒である。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure ChemicalCo.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0042】
結着樹脂のF1/2温度は、高架式フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用い、ダイス径1mm、加圧10kg/cm、昇温速度3℃/minの条件下で1cmの試料を溶融流出させた時の流出開始点から流出終了点までの1/2に相当する温度により測定される。
【0043】
樹脂のTgは、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定される。
【0044】
樹脂の酸価及び水酸基価は、JIS K0070に規定の方法により測定される。但しサンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサンまたはTHF、o−ジクロロベンゼン等の溶媒を用いる。
【0045】
粉末X線回折測定は理学電機RINT1100を用い、管球をCu、管電圧−電流を50kV−30mAの条件で広角ゴニオメーターを用いて測定する。
【0046】
本発明においてトナーの製造法は限定的でなく、通常の粉砕法でも、例えば重合法のような粉砕法以外の製造法、あるいはそれらの併用であっても良い。
【0047】
次に本発明のトナーに用いられる材料について詳細に説明する。
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合によって通常得られるものである。
該アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピオンオキサイド付加物等のエーテル化ビスフェノール類、その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体を挙げることができる。
【0048】
また、カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸、ドデセニル無水コハク酸等の二価の有機酸単量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
【0049】
本発明で用いられる樹脂(C)であるビニルトルエン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合体による樹脂、あるいは更にスチレンが共重合された共重合体による樹脂は、触媒の存在下にモノマーを重合反応させることにより得ることができる。重合に用いられる触媒としては、一般にフリーデルクラフツ触媒として知られているものなどがあげられ、例えば塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ジクロルモノエチルアルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、三フッ化ホウ素などの各種錯体等をあげることができる。触媒の使用量はモノマーの合計に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%であるのが望ましい。
【0050】
また重合反応の際に、反応熱の除去や反応混合物の高粘度化の抑制等のために、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素および脂環族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素溶媒中で重合反応を行うのが好ましい。好ましい炭化水素溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素またはこれらの混合物;またはこれらとペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素および/またはシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素との混合物などをあげることができる。これらの反応溶媒の使用量は、反応混合物中のモノマーの初期濃度が10〜80重量%となる量が好ましい。
【0051】
重合温度は使用するモノマーや触媒の種類および量などにより適宜選択できるが、通常−30〜+50℃であるのが好ましい。重合時間は一般には0.5〜5時間程度であり、通常1〜2時間で重合はほとんど完結する。重合様式としては、回分式または連続式のいずれの方式を採用することもできる。また多段重合を行うこともできる。
【0052】
重合終了後は洗浄して触媒を除去するのが好ましい。洗浄液としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を溶解したアルカリ水溶液;メタノール等のアルコールなどを用いるのが好ましく、特にメタノールによる洗浄脱灰が好ましい。洗浄終了後は未反応モノマー、重合溶媒などを減圧留去して、本発明で用いる重合体または共重合体を得ることができる。
【0053】
本発明で使用する樹脂(C)は静電荷像現像用トナー用樹脂である。このトナー用樹脂の使用量は、結着樹脂100重量部中に1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部である。使用量が1〜20重量部の割合にあるので、粉砕性に優れたトナーが得られ、かつ過粉砕されることもない。従って、現像機の中でトナーの粒子径が大きく変化することはない。
【0054】
本発明において、トナー中の樹脂成分として、前述のように、ポリエステル樹脂(A)、(B)及び樹脂(C)を用いることが最も適しているが、これらの樹脂以外の樹脂も、上記トナー分子量分布を満足すれば、トナーの性能を損なわない範囲で、他の樹脂を併用して低温定着化を達成できる。
【0055】
併用可能な樹脂を例示すると、次のようなものを挙げることができる。なお、これらの樹脂は単独使用に限らず、二種以上併用することも可能である。
ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン/クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体(スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/メタクリル酸エステル共重合体(スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン/酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン/エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂。
【0056】
これらの樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のいずれも利用できる。
また、上記樹脂のガラス転移温度Tgは、熱保存性の関係から55℃以上がよく、より好ましくは60℃以上が良い。
【0057】
本発明のトナーに用いる着色剤としては、例えばカーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用し得、ブラックトナーとしてもフルカラートナーとしても使用できる。これらの着色剤の使用量はトナー樹脂成分に対して、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。
【0058】
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤、流動性改良剤などを配合することも可能である。
帯電制御剤としては、ニグロシン染料、金属錯塩型染料、第四級アンモニウム塩等の従来公知のいかなる帯電制御剤も、単独あるいは混合して使用できる。
特に、サリチル酸金属錯体、好ましくは6配位の構成を取りうる3価以上の金属を有する錯体が前記理由により良い。ここで、3価以上の金属の例としては、Al、Fe、Cr、Zr等が挙げられる。これらの帯電制御剤の使用量は、トナー樹脂成分100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0059】
流動性改良剤としては、疎水性シリカ、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等、従来公知のいかなる流動性改良剤をも単独あるいは混合して使用できるが、特に疎水性シリカ又は酸化チタンが流動性向上、帯電安定化及び画質安定化の点で優れている。より好ましくは疎水性シリカと酸化チタンを組み合わせて用いると流動性と帯電性の安定した良好なトナーを得ることができる。
これらの流動性改良剤の使用量は、トナー100重量部に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
【0060】
更に本発明のトナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
【0061】
本発明のトナーは、一成分現像剤としても、キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。
【0062】
本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合のキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等、及びこれらの表面を樹脂などで処理した物などが挙げられる。
本発明におけるキャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン/アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂エポキシ樹脂等がある。スチレン/アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。
また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
【0063】
本発明のトナーを、一成分現像剤あるいは二成分現像剤いずれで用いる場合においても、トナーは容器に充填され、トナーが充填された容器は、画像形成装置とは別途に流通され、ユーザーが画像形成装置に装着して画像形成するのが、一般的である。
前記容器として用いられるものは限定的でなく、従来のボトル型あるいはカートリッジ型に限らず用いられる。
【0064】
本発明の画像形成装置とは電子写真法によって画像を形成するための装置であれば限定されず、例えば複写機やプリンターが包含される。
以下、本発明における画像形成方法及び装置の実施の形態を説明する。
図4は、本発明に係る画像形成方法及び装置の一例を示す概略構成図である。
図4において、像担持体である感光体1は図中の矢印方向(反時計回り)に回転され、帯電ローラ2により一様に帯電される。その後、図示しない露光部からの原稿像の露光あるいは図示しない光書き込み装置からのレーザ光による光書き込み等により像露光され、感光体1上には静電潜像が形成される。現像装置3内には、現像剤4が入っている。この現像剤4には、キャリアとトナーの混合体である二成分現像剤が用いられる。現像剤4を撹拌すると、摩擦帯電によりトナーが帯電する。現像装置3の感光体1との対向位置には、内部に複数の磁石あるいは複数の磁極を有するマグネットローラが配設された現像スリーブ5が配置されており、現像剤4は磁力により現像スリーブ5上に担持されて感光体1との対向位置に搬送され、感光体1上の静電潜像をトナーで現像する。
【0065】
感光体1の回転方向で現像装置3の下流側には転写ベルト6が配設されており、この転写ベルト6は駆動ローラと従動ローラに張架されて図中の矢印方向に回動される。また、転写ベルト6は図示しない接離機構により感光体1に対して接離可能に設けられており、転写時には感光体1に接触してニップ部を形成し転写紙Sを搬送する。また、転写ベルト6の裏面側にはバイアスローラ6aを介して図示しない電源によりトナーと逆極性の電圧(転写出力)が印加されている。
【0066】
図示しない給紙部から搬送された転写紙Sは、感光体1への作像タイミングに合わせてレジストローラ18により感光体1と転写ベルト6のニップ部に給紙され、感光体1上に現像されたトナー像は、上記転写ベルト6と感光体1間の電界により、感光体1と転写ベルト6の間に挾まれた転写紙S上に転写される。トナー像が転写された転写紙Sは、その後、転写ベルト6により搬送され、図示しない定着装置を通り抜け、この際、トナー像は転写紙上に熱溶着される。そして定着後の転写紙Sは図示しない排紙部に排紙される。一方、転写しきれずに感光体上に残ったトナーは、クリーニングブレード7により堰き止められ、回収ばね8により回収コイル9の上に入れられる。そして回収コイル9によりトナーはリサイクルトナーとして、現像装置3に戻される。またクリーニング後の感光体1は除電ランプ20で除電される。
【0067】
【実施例】
以下、本発明を下記の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、部数はすべて重量部である。
【0068】
<トナーの製造例1>
ポリエステル樹脂A1                    27部
ポリエステル樹脂B1                    63部
樹脂C1                          10部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃)       5部
カーボンブラック(三菱化学 #44)            10部
【0069】
上記のトナー構成材料をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、2軸押出し機にて混練を行い、冷却後粉砕、分級を施し体積平均径6.8μmの母体トナーを得た。混錬条件については、混練物を低温(混練物が溶融状態になる範囲での最低温度)の状態で混錬を行うべく、混錬機の温度設定を行った結果、混練機出口での混錬品の温度が120℃となるよう混錬機の温度設定を行った。流動性改良剤として得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5重量%と酸化チタン0.3重量%を添加混合し、最終的なトナーとした。
【0070】
<トナーの製造例2>
トナーの製造例1でポリエステル樹脂A1をポリエステル樹脂A2に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0071】
<トナーの製造例3>
トナーの製造例1でポリエステル樹脂A1をポリエステル樹脂A3に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0072】
<トナーの製造例4>
トナーの製造例1でポリエステル樹脂A1をポリエステル樹脂A4に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0073】
<トナーの製造例5>
トナーの製造例1でポリエステル樹脂A1をポリエステル樹脂A5に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0074】
<トナーの製造例6>
トナーの製造例1でポリエステル樹脂A1をポリエステル樹脂A6に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0075】
<トナーの製造例7>
トナーの製造例1でポリエステル樹脂A1をポリエステル樹脂A7に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0076】
<トナーの製造例8>
トナーの製造例1でポリエステル樹脂B1をポリエステル樹脂B2に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0077】
<トナーの製造例9>
トナーの製造例1でポリエステル樹脂B1をポリエステル樹脂B3に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0078】
<トナーの製造例10>
トナーの製造例1でポリエステル樹脂B1をポリエステル樹脂B4に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0079】
<トナーの製造例11>
トナーの製造例1で樹脂C1を樹脂C2に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0080】
<トナーの製造例12>
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
ポリエステル樹脂A1                    30部
ポリエステル樹脂B1                    70部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃)       5部
カーボンブラック(三菱化学 #44)            10部
【0081】
<トナーの製造例13>
トナーの製造例1の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスをポリエチレンワックス(Tg58℃)に変更した以外は、トナーの製造例1と同様な方法によってトナーを得た。
【0082】
<トナーの製造例14>
トナーの製造例1の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスをポリエチレンワックス(Tg110℃)に変更した以外は、トナーの製造例1と同様な方法によってトナーを得た。
【0083】
<トナーの製造例15>
トナーの製造例1で混練機出口での混錬品の温度が200℃となるよう混錬機の温度設定を行った以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0084】
<トナーの製造例16>
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
ポリエステル樹脂A1                    54部
ポリエステル樹脂B1                    36部
樹脂C1                          10部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスス(Tg:83℃)      5部
カーボンブラック(三菱化学 #44)            10部
【0085】
<トナーの製造例17>
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
ポリエステル樹脂A1                   0.5部
ポリエステル樹脂B1                  89.5部
樹脂C1                          10部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg83℃)        5部
カーボンブラック(三菱化学 #44)            10部
【0086】
表1、表2、表3にトナー製造例で用いたポリエステル樹脂(A)、(B)及び樹脂(C)の物性を示す。
【表1】
Figure 2004038115
【0087】
なお、結晶性の有りのものとは粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に回折ピークが現れたものであり、推定分子式有りのものとはは固体C13NMRにより前記一般式(1)の分子構造の存在が確認されたものである。
【0088】
【表2】
Figure 2004038115
【0089】
【表3】
Figure 2004038115
【0090】
Figure 2004038115
【0091】
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調整し、流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた、旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置にこのコート液と芯材を投入して、該コート液を芯材上に塗布した。
さらに、得られたキャリアを電気炉で250℃で2時間焼成を行い、キャリア粒子(3kOe印加時の飽和磁化65emu/g、3kOe印加時の残留磁化0emu/g、比抵抗3.2×10Ω・cm、体積平均径45μm)を得た。
【0092】
<現像剤の製造例>
上記製造例1〜11のトナー各2.5部と、上記製造例のキャリア97.5部をターブラーミキサーで混合し、実施例及び比較例の現像剤を得た。
【0093】
[実施例及び比較例]
各実施例及び比較例で作成したトナーの特性評価方法について、説明する。
1)定着性評価
(株)リコー製複写機 MF2200定着部(定着ローラーとしてテフロンローラーを使用)を改造した装置を用い、これに(株)リコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行った。
定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)とホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。尚低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧1.2Kgf/cm、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0Kgf/cm、ニップ幅4.5mmと設定した。
各特性評価の基準は以下の通りである。
▲1▼ 低温定着性(5段階評価)
◎:130℃未満、○:130℃〜140℃未満、□:140〜150℃未満、△:150〜160℃未満、×:160℃以上
▲2▼ ホットオフセット性(5段階評価)
◎:200℃より高い、○:200〜191℃より高い、□:190〜180℃より高い、△:180〜170℃より高い、×:170℃以下
【0094】
2)地汚れ評価
(株)リコー製MF−2200に現像剤をセットし、常温/常湿の環境下において100,000枚の連続複写を行い、非画像部における地汚れの発生の程度を目視にて評価した。
◎:非常に良好なレベル、○:良好なレベル、□:一般的なレベル、△:実用上は問題のないレベル、×:実用上問題があるレベル
【0095】
3)熱保存性の評価
ガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽にて24時間放置する。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)にて針入度を測定する。この値が大きいトナー程、熱に対する保存性が優れている。この値が5mm以下の場合は、使用上問題が発生する可能性が高い。
針入度に基づく熱保存性の判定基準は次の通りである。
貫通、○:25mm以上、□:20mm〜25mm未満、△:15mm〜20mm未満、×:15mm未満
【0096】
4)トナーの分散状態の評価
トナー粒子を約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により約10000倍で観察を行い、写真撮影をした。この写真を画像評価することによりトナー中のポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との不連続相の有無を確認した。
【0097】
5)粉砕性の評価
平均粒径1mm以下に破砕されている混練物を、日本ニューマティック社製のIDS型粉砕機で粉砕したときの単位時間あたりの処理量から粉砕容易性を求めた。単位時間あたりの処理量が大きいほど粉砕が容易であり、トナーの生産性に優れる。
単位時間あたりの処理量に基づく粉砕容易性の判定基準は次の通りである。
◎:2.0kg/h以上、○:1.5kg/h〜2.0kg/h未満、□:1.0kg/h〜1.5kg/h未満、△:0.5kg/h〜1.0kg/h未満、×:0.5kg/h未満
【0098】
6)誘電正接
約2mm厚のペレット状に成型したトナーを安藤電気(株)社製SE−70型固体用電極にセットし、電極間に1kHzの交流電圧を印加したときの位相のずれを安藤電気(株)社製TR−10C型誘電体損測定器にて測定し、誘電正接を得た。
【0099】
7)帯電性の評価
現像剤6gをマグローラーにて250rpmの回転速度で10分間攪拌し、トナーとキャリアを摩擦帯電させた後に、トナーの帯電量をファラデーケージにて測定した。帯電性の評価基準は次の通りである。
◎:−10.0μC/g以下、○:−7.5μC/g〜−10.0μC/gより少ない、□:−5.0μC/g〜−7.5μC/gより少ない、△:−2.5μC/g〜−5.0μC/gより少ない、×:−2.5μC/gより少ない
【0100】
8)流動性の評価
流動性を評価する指標として凝集度の低さを用いた。凝集度の測定にはパウダーテスター(ホソカワミクロン社製PT−N型)を用い、目開き149μm、74μm、44μmの篩を使用した。篩の目の粗い方を上にして篩を3つ重ね、トナーを篩にかけて篩上に残ったトナーの全体に対する割合を凝集度とし、凝集度が低いほど流動性に優れていると評価した。凝集度の測定に使用したトナーの量は2.0g、篩の振動時間は30秒、振幅は1mmとした。流動性の評価基準は次の通りである。
◎:35%未満、○:35%〜50%未満、□:50%〜65%未満、△:65%〜80%未満、×:80%以上
【0101】
表4に実施例及び比較例におけるトナーおよび現像剤の評価結果を示す。
【表4】
Figure 2004038115
【0102】
なお、表4中、トナー相分離構造有りのものとはTEMによるトナー断面観察において、相分離構造が確認されたものである。トナー吸熱ピーク有りのものとはDSC測定において少なくとも3つの吸熱ピーク(i)〜(iii)が存在し、吸熱ピーク(i)が40〜70℃の範囲にピークトップを有するものであり、かつ吸熱ピーク(ii)が70〜90℃の範囲にピークトップを有するものであり、かつ吸熱ピーク(iii)が90〜130℃の範囲にピークトップを有するものであることが確認されたものである。結晶性有りのものとは粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークの存在が確認されたものである。
【0103】
【発明の効果】
本発明により、帯電性、生産性(粋砕性)、流動性を損なうことなく、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させた、定着温度幅の広い画像形成用トナー、該トナーが充填されたトナー容器、該トナーを用いる画像形成方法及び該トナーを装填した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】相分離構造を形成するトナーのDSC曲線である。
【図2】相分離構造を形成しないトナーのDSC曲線である。
【図3】F1/2温度を算出するためのフローテスターによる測定結果図である。
【図4】本発明に係る画像形成方法及び装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 帯電ローラ
3 現像装置
4 現像剤
5 現像スリーブ(現像剤担持体)
6 転写ベルト(転写手段)
6a バイアスローラ
7 クリーニングブレード
8 回収ばね
9 回収コイル
10 感光体及びクリーニングユニット(PCU)
13 搬送スクリュー
14 パドル(撹拌機構)
16 反射濃度検知センサー(Pセンサー)
17 トナー濃度センサー
18 レジストローラ
20 除電ランプ
S 転写紙

Claims (19)

  1. 結着樹脂として少なくとも2種類以上のポリエステル樹脂とそれ以外の樹脂を含有する画像形成用トナーであって、ポリエステル樹脂のうち少なくとも1種類のポリエステル樹脂が下記一般式(1)で表され結晶性を有するものであり、かつ該結晶性を有するポリエステル樹脂(A)と、該ポリエステル樹脂(A)より高いF1/2温度を有するポリエステル樹脂(B)とが互いに非相溶の相分離構造をとり、しかも前記それ以外の樹脂(C)がビニルトルエン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合体、または、ビニルトルエン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーと、スチレンとの共重合体であることを特徴とする画像形成用トナー。
    Figure 2004038115
    (式中、R、Rは炭化水素基である。またn、mは繰り返し単位の数である。)
  2. 前記トナーの誘電正接が2.5×10−3〜10.0×10−3であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成用トナー。
  3. 前記トナーがそのDSCによる吸熱ピーク測定において、少なくとも3つの吸熱ピーク(i)〜(iii)を有し、吸熱ピーク(i)が40〜70℃の範囲にピークトップを有するものであり、かつ吸熱ピーク(ii)が70〜90℃の範囲にピークトップを有するものであり、かつ吸熱ピーク(iii)が90〜130℃の範囲にピークトップを有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成用トナー。
  4. 前記トナーがその粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークを有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  5. 結着樹脂における前記ポリエステル樹脂(A)の含有率が1〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  6. 前記ポリエステル樹脂(A)のアルコール成分が1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、およびこれらの誘導体の少なくとも一つからなり、酸成分がマレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれらの誘導体の少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  7. 前記ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が90〜130℃であり、F1/2温度が80〜130℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  8. 前記ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)が40〜70℃であり、F1/2温度120〜160℃であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  9. 前記ポリエステル樹脂(A)の酸価が20〜45mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  10. 前記ポリエステル樹脂(A)の水酸基価が5〜50mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  11. 前記ポリエステル樹脂(A)のo−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、重量平均分子量(Mw)が5500〜6500、数平均分子量(Mn)が1300〜1500、Mw/Mnが2〜5であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  12. 前記ポリエステル樹脂(A)がその粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に回折ピークを有するものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  13. 前記ポリエステル樹脂(B)の酸成分が炭素間の不飽和二重結合を有さないことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  14. 前記ポリエステル樹脂(B)のアルコール成分がビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物の少なくとも一つであり、酸成分がテレフタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水トリメリット酸の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  15. 前記トナーがさらに離型剤を含有するものであり、該離型剤のガラス転移温度(Tg)が70〜90℃であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  16. 前記離型剤が脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項15に記載の記載の画像形成用トナー。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成用トナーが充填されたトナー容器。
  18. 像担持体上に形成した静電潜像を現像する画像形成方法において、トナーとして請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  19. 像担持体上に形成した静電潜像を現像する画像形成装置において、トナーとして請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成用トナーを装填したことを特徴とする画像形成装置。
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