JPH07281481A - トナー用ポリエステル樹脂 - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂

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JPH07281481A
JPH07281481A JP6093882A JP9388294A JPH07281481A JP H07281481 A JPH07281481 A JP H07281481A JP 6093882 A JP6093882 A JP 6093882A JP 9388294 A JP9388294 A JP 9388294A JP H07281481 A JPH07281481 A JP H07281481A
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JP
Japan
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toner
component
polyester
acid
carboxylic acid
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JP6093882A
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English (en)
Inventor
Yoichi Nagai
陽一 永井
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
Shinji Kubo
伸司 久保
Takayuki Tajiri
象運 田尻
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温定着性が良好で、非オフセット性に優
れ、ブロッキングを生じにくく、かつ、電気的特性の環
境変動による影響が少ない優れた特性を備えたトナーを
作り得るポリエステル樹脂を得ること。 【構成】 ポリエステル中の全カルボン酸成分に対し芳
香族ジカルボン酸成分を60モル%以上、3価以上の多価
アルコール成分を 0.5〜50モル%、ビスフェノールAの
アルキレングリコール付加物20〜80モル%、1価のカル
ボン酸成分 0.5〜40モル%なる割合を有するポリエステ
ルであり、ガラス転移点Tgが50〜70℃、軟化温度を90〜
170 ℃、酸価 0.5〜3mgKOH/gなる特性をもたせたトナー
用ポリエステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電記録法
や静電印刷法などにおいて静電荷像または磁気潜像の現
像に用いる乾式トナー用バインダーとして有用なポリエ
ステル樹脂に関する。さらに詳しくは、低温定着性、非
オフセット性を有し、かつ、電気的特性に優れたトナー
を作るのに有用に用い得るポリエステル樹脂を与えるこ
とにある。
【0002】
【従来の技術】静電荷像より恒久的な顕像を得る方法
は、光導電性感光体または静電記録体上に形成した静電
荷像を、あらかじめ摩擦帯電させたトナーによって現像
した後、紙等の記録媒体上に定着させるものである。磁
気潜像を利用する方法は、磁気ドラム上に形成した潜像
を磁性体を含むトナーによって現像した後、記録媒体上
に定着させるものである。定着は光導電性感光体または
静電記録体上に現像によって得られたトナー像を記録媒
体上に直接融着させるか、紙やフィルム上にトナー像を
転写した後、これを転写シート上に融着させることによ
って行われる。トナー像の記録媒体上への融着は溶剤蒸
気との接触、加圧および加熱によって行われ、加熱方式
には電気オーブンによる無接触加熱方式と加圧ローラー
による圧着加熱方式があるが、定着工程の高速化が要請
される最近のトナーの定着方式は、主として後者が用い
られている。
【0003】乾式現像方式で使用されるトナーには、1
成分系トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナー
は、まずバインダー用樹脂、着色剤、静電制御剤および
その他必要な添加剤を溶融混練して、これらをバインダ
ー樹脂中に十分に分散させた後、粗粉砕、微粉砕し、所
定の粒度範囲に分級して製造される。また、1成分系ト
ナーは上記の2成分系トナーの各成分の他に、さらに、
磁性鉄粉を添加して同様に製造される。
【0004】バインダー樹脂はトナー配合中の主成分で
あるため、トナーに要求される性能の大部分を支配す
る。そのためトナー用のバインダー樹脂には、トナー製
造においては溶融混練工程での着色剤の分散性、粉砕工
程での粉砕性のよいことなどが要求され、また、トナー
としての使用においては定着性、オフセット性、耐ブロ
ッキング性および電気的性質がよいことなど多様な性能
が要求される。トナーの製造に用いられるバインダー樹
脂としては、従来よりエポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル系樹脂などが使用さ
れてきた。圧着加熱定着方式用トナーのバインダー樹脂
としては主にスチレンと(メタ)アクリル酸エステルの
共重合体が用いられてきたが、近年開発される複写機で
用いるトナーとしては、より低温で定着が可能であり、
定着されたトナー像の耐塩ビ可塑剤性が優れていること
が要求されており、これらの特性に優れたポリエステル
樹脂が注目されている。
【0005】ポリエステル樹脂は、2価のカルボン酸と
ジオールを直接エステル化するか、2価のカルボン酸の
低級アルキルエステルとジオールとをエステル交換した
後に縮合反応を行って製造されるが、ポリエステル樹脂
をバインダー樹脂として用いて作ったトナーにおいて
は、その定着工程における耐オフセット性を付与し、良
好な電気的特性を付与するため、ポリオール成分として
3価以上のアルコールを共縮合して架橋構造をもたせた
ポリエステルをバインダー樹脂として用いることが有効
であることが特開平1−30776号公報に示されてい
る。しかし3価以上のアルコールを共縮合して得られる
従来型のポリエステルをバインダー樹脂として用いて得
たトナーは、耐湿性が十分でないという難点と、得られ
る画質が湿度に依存して変化するという難点があり、そ
の改善が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、定着性、非オフセット性、耐ブロッキング性が
良好で、かつ、優れた電気的特性、すなわち画質の湿度
依存性が小さいトナー用バインダー樹脂を得ることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、前
記目的を達成すべく鋭意検討を進めた結果、耐オフセッ
ト性と良好な電気的特性を両立したトナー用ポリエステ
ル樹脂を得ることに成功し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明の要旨とするところは、(a) 芳香族ジカルボ
ン酸成分の少なくとも1種と、(b) 3価以上の多価アル
コール成分の少なくとも1種と、(c) 式2で表される芳
香族ジオール成分の少なくとも1種および(d) 1価のカ
ルボン酸成分の少なくとも1種とを、(a) 成分をポリエ
ステル中の全カルボン酸成分に対して60モル%以上、
(b) 成分を全カルボン酸成分に対して 0.5〜50モル%、
(c) 成分を全カルボン酸成分に対して20〜80モル%、
(d) 成分を全カルボン酸成分に対して 0.5〜40モル%と
したポリエステルであって、ポリエステルの軟化温度が
90℃〜170 ℃以下であり、ガラス転移点Tgが50℃〜70℃
以下、酸価が 0.5〜3mgKOH/gであることを特徴とするト
ナー用ポリエステル樹脂にある。
【化2】
【0008】本発明のポリエステル樹脂を構成する芳香
族ジカルボン酸成分(a) 構成用モノマーの例としては、
芳香族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸の無水物、芳
香族ジカルボン酸の酸ハライドまたは芳香族ジカルボン
酸の低級アルキルエステル等によってポリエステル構造
中に導入される成分のことである。芳香族ジカルボン酸
の例としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレ
ンジカルボン酸等である。また、芳香族ジカルボン酸の
低級アルキルエステルの例としては、例えば、テレフタ
ル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、1,4-ナフタレン
ジカルボン酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジ
メチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチ
ル、テレフタル酸ジプロピル、イソフタル酸ジプロピ
ル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等が
挙げられるが、コストおよびハンドリングの点でジメチ
ルエステルが好ましい。
【0009】上記の芳香族ジカルボン酸成分は1種また
は2種以上を併用して使用される。芳香族ジカルボン酸
成分は、ポリエステル樹脂のTgを上げ、該ポリエステル
をバインダー成分としたトナーの耐ブロッキング性向上
に寄与し、また、該成分(a)自体がもつ疎水性のため、
トナーの耐湿性向上にも効果がある。したがって、芳香
族ジカルボン酸成分はポリエステル中の全カルボン酸成
分に対して60モル%以上、好ましくは70モル%以上使用
する必要がある。その中でもナフタレン系はジカルボン
酸をポリエステル構造中に導入すると、この樹脂のTgを
アップさせるのに効果があり、また、イソフタル酸成分
はエステル化反応の反応性を高める効果があるが、どち
らも値段が高いので、目的によってその使用量のバラン
スを変えて用いる必要がある。
【0010】また、本発明において用いられる3価以上
の多価アルコール成分(b) を構成するモノマーの例とし
ては、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサテトラロール、1,
4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、トリペンタエリスリトール、庶糖、1,2,4-ブ
タントリオール、1,2,5-ペンタトリオール、グリセロー
ル、2-メチルプロパントリオール、2-メチル−1,2,4-ブ
タントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンなど
が挙げられる。上記の(b) 成分は単独または混合して用
いられ、本発明のポリエステル樹脂に凝集性を付与し、
このポリエステルをバインダーとするトナーの耐オフセ
ット性を高める効果がある。
【0011】したがって、3価以上の多価アルコール成
分(b) は、ポリエステル中の全カルボン酸成分に対し
て、 0.5〜50モル%、好ましくは1〜35モル%なる割合
で含有される必要がある。3価以上の多価アルコール成
分(b) が 0.5モル%未満なるポリエステルをバインダー
とするトナーは、耐オフセット性が低下し、逆に該成分
(b) の含量が50モル%を越えたポリエステルをバインダ
ーとするトナーは、耐ブロッキング性が低下するので好
ましくない。
【0012】本発明のポリエステルを構成する芳香族ジ
オール成分(c) は、式3で表されるものである。
【化3】 その芳香族ジオールの例としては、ポリオキシエチレン
-(2,0)−2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシプロピレン-(2,0)−2,2-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン-(2,2)−ポ
リオキシエチレン-(2,0)−2,2-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ポリオキシプロピレン-(6)−2,2-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピ
レン-(2,2)−2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン-(2,4)−2,2-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン-(3,3)
−2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙
げられ、これらは1種または2種以上を混合して使用さ
れる。
【0013】芳香族ジオール成分(c) は、ポリエステル
樹脂のTgを上げる効果があるため、このポリエステルを
バインダーとしたトナーの耐ブロックキング性が良好と
なり、その構造自体がもつ疎水性のため、このトナーの
耐湿性の向上にも効果がある。したがって、芳香族ジオ
ール成分(c) のポリエステル中への導入量は、全カルボ
ン酸成分に対して20モル%以上であることが好ましく、
当該成分(c) の導入量が20モル%未満のポリエステルを
バインダーとするトナーは、上記の効果が得られない。
また、80モル%を越えて当該成分(c) を用いると、エス
テル化反応の反応性が極めて低下し、ポリエステルの生
産性が悪くなる。
【0014】本発明において使用される1価のカルボン
酸成分(d) の例としては、安息香酸、クロロ安息香酸、
ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、ナフタレン
カルボン酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢
酸、3-メチル安息香酸、4-メチル安息香酸、4-t-ブチル
安息香酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オク
タン酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、ステアリ
ン酸およびこれらの低級アルキルエステルが挙げられ
る。これらは1種もしくは2種以上の混合系で使用され
る。これらの中でも、得られるポリエステルをバインダ
ーとしたトナーの耐湿性の向上、帯電特性の向上、耐熱
性向上の面およびポリエステルを得る際の反応性の向上
の面から安息香酸の使用が好ましい。
【0015】1価のカルボン酸成分(d) は、親水性であ
るポリエステルの水酸基を封止する効果があり、当該末
端封止型ポリエステルをバインダーとするトナーの耐湿
性の向上に効果がある。1価のカルボン酸成分(d) の使
用量は、全カルボン酸成分に対して 0.5モル%以上であ
ることが好ましく、当該カルボン酸の使用量が 0.5モル
%未満では、十分な末端封止効果が得られない。また、
当該カルボン酸の使用量が40モル%を越えるとエステル
化反応を阻害するため、ポリエステルの生産性が悪くな
る。
【0016】また、本発明においては、上記以外の重合
成分も、その必要性能に応じて本発明の目的を阻害しな
い範囲で併用して使用することができる。一般に、ポリ
エステルの原料として公知のモノマーは、本発明の効果
を保つ範囲で使用して差し支えない。例えば、ジカルボ
ン酸成分として、セバシン酸、イソデシルコハク酸、フ
マル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸およびこれ
らのモノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエス
テル等が使用できる。
【0017】これらの2価カルボン酸およびその低級エ
ステルは、得たポリエステルをバインダーとしたトナー
において、その定着性および耐ブロッキング性に影響を
与える成分である。すなわち、芳香族系のジカルボン酸
であるテレフタル酸、イソフタル酸等は、トナーの耐ブ
ロッキング性は向上するが、定着性は低下する傾向を有
する。逆に脂肪族系のジカルボン酸であるセバシン酸や
アジピン酸は、トナーの定着性は向上するが、ポリエス
テルのTgの低下をもたらすため、得られるトナーの耐ブ
ロッキング性が低下するようになる。この傾向は、脂肪
族ジカルボン酸の場合、長鎖のジカルボン酸であるほど
強い。したがって、これらの特性を考慮して使用する必
要がある。
【0018】さらに使用できるジオール成分としては、
脂肪族ジオールおよび前記式1で示される以外の芳香族
ジオールである。これら脂肪族ジオールの例として、エ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジ
オール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、水添ビスフェノールA等が挙げられ、これら
ジオールを用いて得たポリエステルをバインダーとする
トナーの定着性の点からエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ブタンジオールの使用が好ましい。
【0019】以上の構成からなる本発明のトナー用ポリ
エステルは、軟化温度が90℃以上で170℃以下であり、
ガラス転移点Tgが50℃以上で70℃以下であり、酸価が
0.5〜3mgKOH/gであることが必要である。
【0020】軟化温度が90℃未満なるポリエステルをバ
インダーとするトナーは、その定着性は向上するが、樹
脂の凝集力が極端に低下し、十分な非オフセット性が得
られない。また、軟化温度が 170℃以上のポリエステル
をバインダーとするトナーは、非オフセット性は向上す
るが、その定着性が極端に低下する。したがって、本発
明のポリエステルの軟化温度は90℃以上で 170℃以下の
必要があり、好ましくは95〜170 ℃である。また、ポリ
エステル樹脂にシリカ等の無機粉末を加えたものをバイ
ンダーとしたトナーは、その耐ブロッキング性が良好と
なり、その効果はTgが低いものほど顕著である。しかし
ながら、Tgが50℃以上のポリエステル樹脂に関しては、
無機粉末を加えなくとも耐ブロッキング性は良好であ
る。したがって、Tgは50〜70℃であることが好ましい。
【0021】酸価が0.5mgKOH/g未満であるポリエステル
は、着色剤の分散性が低下し、一方、3mgKOH/gを越えた
ポリエステルはトナーとした場合のマイナス帯電性が大
きくなり、また帯電の湿度依存性が大きくなり、画質が
環境により変化する。したがって、酸価は 0.5〜3mgKOH
/gである必要がある。
【0022】本発明のトナー用ポリエステル樹脂の製造
においては、前記モノマーを所定量反応釜に仕込み、加
熱昇温することにより、エステル化反応またはエステル
交換反応を行う。この時必要に応じて硫酸、チタンブト
キサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マグネシウ
ム、酢酸マンガン等の通常のエステル化反応またはエス
テル交換反応で使用されるエステル化触媒を使用するこ
とができる。次いで、反応生成物を常法にしたがって該
反応で生じた水またはアルコールを除去する。その後引
き続き、重合反応を実施するが、このとき150mmHg 以下
の真空下でジオール成分を留出除去させながら重合を行
うことにより、目的とするポリエステルが得られる。ま
た、重合に際しては、通常公知の重合触媒、例えば、チ
タンブトキシド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、
酢酸亜鉛、2硫化スズ、3酸化アンチモン、2酸化ゲル
マニウム等を用いることができる。また、重合温度、触
媒量については、とくに限定されるものではなく、必要
に応じて任意に設定すればよい。
【0023】本発明のポリエステルの軟化温度は島津製
作所株式会社製フローテスターCFT-500 を用いて1mmφ
×10mmのノズル、荷重30Kgf 、昇温速度3℃/min等速昇
温下で測定した時、サンプル 1.0g中の 1/2が流出した
温度である。
【0024】ポリエステルのガラス転移点Tgは示差走査
熱量計を用いて、昇温速度5℃/minで測定した時のチャ
ートのベースラインとTg近傍の吸熱カーブの接線の交点
の温度とした。
【0025】また、本発明中の実施例における組成分析
は樹脂をヒドラジンで加水分解し、液体クロマトグラフ
ィーで定量した。
【0026】トナーの非オフセット定着温度幅は紙の上
にトナーを均一にふりかけ、温度可変式の定着ローラー
に通す。次に、定着部分の粘着テープ剥離をし、濃度減
衰率を求める。ローラーの温度を上げていったとき、定
着率が90%を越えた温度を最低定着温度とした。また、
さらに温度を上げていったとき、トナーが熱ローラーに
付着しはじめた温度を高温オフセット開始温度とした。
最低定着温度と高温オフセット開始温度の間を定着可能
領域(非オフセット定着温度幅)とした。定着ローラー
のスピードは 100mm/分に設定し、ニップ幅は 8.0mmに
設定して評価した。
【0027】トナーの耐ブロッキング性は50mlのガラス
製サンプル瓶中にトナー5gを入れ、50℃の恒温層中に50
時間放置した後、室温まで冷却し、その凝集度を観察し
た。その凝集度は次のような方法によって評価した。な
お、本発明においては、トナーの凝集度がA,B,Cの
ものは使用可能と判断した。 A:サンプル瓶を逆さにしただけでトナーが落ちる。 B:サンプル瓶を逆さにし、軽く振っただけでトナーが
落ちる。 C:サンプル瓶を逆さにし、軽くたたくとトナーが落ち
る。 D:サンプル瓶を逆さにし、強い振動を与えてやるとト
ナーが落ちる。 E:サンプル瓶を逆さにし、強い振動を与えてもトナー
は落ちない。
【0028】画質はテスト画面の複写画質を目視判定で
5段階評価した。 A:非常に優れている。 B:優れている。 C:少しカブリが見られるが、実用上差し支えない。 D:カブリが見られ、実用上問題となる。 E:カブリがひどく、非常に劣る。
【0029】また、実施例および比較例で用いた略記号
は、次のものを表す。 ジオールA:ポリオキシプロピレン(2,3)-2,2-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)プロパン ジオールB:ポリオキシエチレン(2,3)-2,2-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)プロパン
【0030】
【実施例】次に実施例により、本発明を説明するが、本
発明の実施態様はこれによって限定されるものではな
い。
【0031】
【実施例1】テレフタル酸60モル部、イソフタル酸25モ
ル部、安息香酸15モル部、トリメチロールプロパン14モ
ル部、ジオールA50モル部、エチレングリコール56モル
部を蒸留塔を有する反応容器に投入した。触媒であるジ
ブチルスズオキサイドを全酸成分に対して0.08重量部添
加し、内温を 260℃、攪拌回転数200rpmに保ち、常圧下
で5時間エステル化反応させた後、反応系内を30分かけ
て 1.0mmHgまで減圧し、内温 240℃に保ち、エチレング
リコールを留出せしめながら縮合反応を2時間行い、淡
黄色の透明樹脂 R-1を得た。得られた樹脂 R-1の組成分
析の結果および物性を測定した結果を表1に示した。
【表1】
【0032】得られたポリエステル樹脂R-1 を94重量
%、カーボンブラック(三菱化成#44)5重量%、ボン
トロンS-34(オリエント化学工業)1重量%なる割合で
ヘンシェルミキサーでプレミキシングし、次いで、栗本
鉄工製インターナルミキサーを用いて 170℃、65rpm の
条件で溶融混練を行った。溶融混練物を室温まで冷却
後、ハンマーミルで粗粉砕した後、ジェットミルを用い
て粒子径22μm以下まで粉砕した。その後、日本ニュー
マチック社の風力分級機を用いて、粒径5〜22μmのも
のを分級捕集し、トナーT-1 を得た。トナーT-1 の定着
試験結果および耐ブロッキング性の試験結果を表2に示
す。
【表2】 表1と表2に示した結果より、ポリエステル樹脂R-1 を
バインダーとしたトナーは、定着挙動が良好であり、種
々の条件下における画質が良好であり、優れた樹脂であ
ることがわかる。
【0033】
【実施例2〜3】モノマー仕込み組成を表3のようにす
る以外は、実施例1と同様の操作を行い、ポリエステル
樹脂 R-2〜R-3 を得た。ポリエステル樹脂 R-2〜R-3 の
組成分析結果および樹脂物性値を表3に示した。
【表3】 さらに、実施例1と同様の操作によりポリエステル樹脂
R-2〜R-3 を用いてトナー T-2〜T-3 を得た。トナー T
-2〜T-3 の定着試験および画質評価の結果を表4に示
す。
【表4】 これらの結果より、 R-2〜R-3 をトナーとして用いた場
合、定着性と種々の条件下における画質も良好であっ
た。
【0034】
【実施例4〜5】モノマー仕込み組成を表5のようにす
る以外は、実施例1と同様の操作を行い、ポリエステル
樹脂 R-4〜R-5 を得た。ポリエステル樹脂 R-4〜R-5 の
組成分析結果および樹脂物性値および実施例1に準じて
トナーにした場合のトナー特性を表5に示す。
【表5】 表5よりポリエステル樹脂 R-4〜R-5 をバインダーとし
て作成したトナーは、定着特性と種々の条件下における
画質に優れることがわかる。
【0035】
【比較例1〜5】モノマー仕込み組成を表6のようにす
る以外は、実施例1と同様の操作を行い、ポリエステル
樹脂 R-6〜R-10を得たが、表7に示すごとく、ポリエス
テル樹脂R-6 は所望の軟化温度に達するまで重合度が上
がっていなかった。また、ポリエステル樹脂R-10はエス
テル化の途中でゲル化が起こり、反応の制御ができずポ
リエステル樹脂が取り出せなかった。ポリエステル樹脂
R-6〜R-9 の分析結果および樹脂物性値および評価結果
を表7に示した。
【表6】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田尻 象運 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2三菱 レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 芳香族ジカルボン酸成分の少なくと
    も1種と、(b) 3価以上の多価アルコール成分の少なく
    とも1種と、(c) 式1で表される芳香族ジオール成分の
    少なくとも1種および(d) 1価のカルボン酸成分の少な
    くとも1種とからなり、上記(a) 成分をポリエステル中
    の全カルボン酸成分に対して60モル%以上、上記(b) 成
    分を全カルボン酸成分に対して 0.5〜50モル%、(c) 成
    分を全カルボン酸成分に対して20〜80モル%、(d) 成分
    を全カルボン酸成分に対して 0.5〜40モル%からなる重
    合体であって、当該ポリエステルの軟化温度が90℃以上
    で 170℃以下であり、ガラス転移点Tgが50℃以上で70℃
    以下であり、酸価が 0.5〜3mgKOH/gであることを特徴と
    するトナー用ポリエステル樹脂。 【化1】
JP6093882A 1994-04-08 1994-04-08 トナー用ポリエステル樹脂 Pending JPH07281481A (ja)

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JP6093882A JPH07281481A (ja) 1994-04-08 1994-04-08 トナー用ポリエステル樹脂

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JP6093882A JPH07281481A (ja) 1994-04-08 1994-04-08 トナー用ポリエステル樹脂

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