JP3471118B2 - フルカラートナー用ポリエステル樹脂 - Google Patents

フルカラートナー用ポリエステル樹脂

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JP3471118B2
JP3471118B2 JP10121295A JP10121295A JP3471118B2 JP 3471118 B2 JP3471118 B2 JP 3471118B2 JP 10121295 A JP10121295 A JP 10121295A JP 10121295 A JP10121295 A JP 10121295A JP 3471118 B2 JP3471118 B2 JP 3471118B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法や静電印刷法などにおいて静電荷像または磁気潜像の
現像に用いる乾式フルカラートナーのバインダー樹脂と
して有用なポリエステル樹脂に関する。さらに詳しく
は、定着性、画像安定性および耐ブロッキング性に優
れ、長期のランニング使用中においても画像ゆがみの発
生しないフルカラートナー用ポリエステル樹脂に関す
る。 【0002】 【従来の技術】静電荷像より恒久的な顕像を得る方法に
おいては、光導電性感光体または静電記録体上に形成さ
れた静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナー
によって現像した後、定着される。磁気潜像の場合は、
磁気ドラム上の潜像を磁性体を含むトナーによって現像
した後、定着される。定着は、光導電性感光体または静
電記録体上に現像によって得られたトナー像を直接融着
させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写した後、こ
れを転写シート上に融着させることによって行われる。
トナー像の融着は、溶剤蒸気との接触、加圧及び加熱に
よって行われ、加熱方式には、電気オーブンによる無接
触加熱方式と加圧ローラーによる圧着加熱方式がある。
一方、カラー画像を得るためには、上述の現像工程にお
いて、3〜4色のトナーを転写紙に付着させ、次いで定
着工程において、各色のトナーを溶融混合しながら発色
させ、定着させなければならない。 【0003】このため、フルカラートナー用のバインダ
ー樹脂には、定着工程での混合性、発色性の良いシャー
プメルト性に優れた樹脂が要求され、通常はポリエステ
ル樹脂が使用されている。しかし、シャープメルト性の
良好なバインダー樹脂を用いた場合、定着工程でのオフ
セット現象が生じるという問題がある。このオフセット
現象を防止するため、バインダー樹脂を架橋化させるこ
とが考えられるが、一般に架橋樹脂はシャープメルト性
が低下するため、フルカラートナー用のバインダー用樹
脂としては適さない。従って、通常、定着ローラー表面
にシリコーンオイル等を塗布することによって、オフセ
ット現象を防止している。しかしながら、定着ローラー
表面にシリコンオイル等を塗布すると、複写物にもオイ
ルが付着して取扱いに支障をきたす場合があり、特にO
HPシート等のフィルムに複写した場合には、その現象
が顕著である。また、近年、コピー機やプリンター等の
高速化、長期のランニング使用などに伴い、低温での定
着性の問題や、長期のランニング使用中におけるヒート
ローラーの温度上昇等による画像ゆがみの発生の問題が
浮上している。特に、画像ゆがみの発生においては、多
数枚の紙への印刷を行った直後にOHPシート等のフィ
ルムへの印刷を行った場合に、その発生が顕著になるこ
とが指摘されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】バインダー樹脂にシャ
ープメルト性を付与するためには、樹脂の分子量および
軟化温度を低下させる方法がとられているが、このよう
なバインダー樹脂は樹脂強度が損なわれるために、トナ
ーのフィルミング性が低下し、トナーの帯電が安定せず
に画像濃度安定性に劣るという問題点を有していた。こ
のようなトナーの画像濃度安定性を向上させるために
は、バインダー樹脂の組成を変更したり、微量の架橋剤
を添加する等の方法が行われている。しかしながら、こ
のようなバインダー樹脂においても、低温での定着性と
画像ゆがみを同時に解決することはできなかった。本発
明は、上記のような欠点を解決するためになされたもの
であり、その目的とするところは、定着性、画像安定性
および耐ブロッキング性に優れ、長期のランニング使用
中においても画像ゆがみの発生しないフルカラートナー
用ポリエステル樹脂を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな従来のバインダー樹脂の問題点に鑑みて、鋭意検討
を進めた結果、特定のポリエステル樹脂がその目的を達
成できることを見い出し本発明に至ったものである。す
なわち、本発明のフルカラートナー用ポリエステル樹脂
は、全酸成分に対して50モル%以上の芳香族ジカルボ
ン酸(a)を含むジカルボン酸成分と、全酸成分に対し
て40〜120モル%の芳香族ジオール(b)、全酸成
分に対して10〜105モル%の脂肪族ジオール成分
(c)を含むジオール成分と、全酸成分に対して1〜3
0モル%の3価以上の多価カルボン酸および/または3
価以上の多価アルコール(e)とからなるポリエステル
樹脂であって、ゲルパーミェーションクロマトグラフィ
ーにおける分子量分布において重量平均分子量(Mw)
/数平均分子量(Mn)が3〜20で、分子量1500
0以下の領域にメインピークを有し、130℃での溶融
粘度が1000〜3000ポイズであることを特徴とす
るものである。 【0006】本発明のポリエステル樹脂を構成する芳香
族ジカルボン酸(a)は、テレフタル酸、イソフタル酸
等の芳香族ジカルボン酸及びそれらの低級アルキルエス
テルから選ばれるものである。テレフタル酸及びイソフ
タル酸の低級アルキルエステルとしては、例えば、ジメ
チルテレフタル酸、ジメチルイソフタル酸、ジエチルテ
レフタル酸、ジエチルイソフタル酸、ジブチルテレフタ
ル酸、ジブチルイソフタル酸等が挙げられるが、コスト
及びハンドリングの点でテレフタル酸やイソフタル酸あ
るいはこれらの低級アルキルエステルが好ましい。上記
の芳香族ジカルボン酸またはその低級アルキルエステル
は、単独または2種以上を組合せて使用することができ
る。これら芳香族ジカルボン酸は、ポリエステル樹脂の
ガラス転移温度を上げ、トナーの耐ブロッキング性の向
上に寄与し、それの持つ疎水性のためトナーの耐湿性向
上にも効果がある。従って、芳香族ジカルボン酸は、全
酸成分に対して50モル%以上であることが必要であ
り、好ましくは60モル%以上の範囲である。中でも、
テレフタル酸系のものはバインダー樹脂のガラス転移温
度をアップさせるのに効果があり、またイソフタル酸系
のものは反応性を高める効果があるので目的によってそ
の使用バランスを変えて用いることが好ましい。 【0007】本発明において、必要に応じて、上記の芳
香族ジカルボン酸と併用して、例えば、フタル酸、セバ
シン酸、イソデシル琥珀酸、フマル酸、アジピン酸及び
これらのモノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチル
エステル等、並びにこれらの酸無水物等の他のジカルボ
ン酸を使用することもできる。これらのジカルボン酸は
トナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく影響を与え
るので、これらの特性を考慮して使用する必要があり、
全酸成分に対して30モル%以下の範囲で使用すること
が好ましい。 【0008】また、本発明のポリエステル樹脂を構成す
る芳香族ジオール(b)は、ポリエステル樹脂のガラス
転移温度を挙げ、トナーの耐ブロッキング性を良好とす
るとともに、樹脂の反応性を制御するための成分であ
る。芳香族ジオール(b)としては、例えば、ポリオキ
シプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.8)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン−(3.0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.
0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシエチレン−(2.3)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチ
レン−(2.8)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(3.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が
あげられ、これらは単独または2種以上を組合せて使用
することができる。中でも、ポリオキシプロピレン
(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(2.1≦n≦2.5)、ポリオキシエチレン−
(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(2.0≦n≦3.0)が好ましい。 【0009】これら芳香族ジオール(b)は、高温で熱
分解を起こしやすいため、高い反応性を必要とするジカ
ルボン酸と併用する場合には、全酸成分に対して40〜
120モル%の範囲で使用することが必要であり、好ま
しくは45〜100モル%の範囲である。これは、芳香
族ジオール(b)が40モル%未満では、ポリエステル
樹脂のガラス転移温度の低下をもたらし、トナーの耐ブ
ロッキング性が低下するようになるためである。また、
芳香族ジオール(b)が120モル%を超えると、反応
性が著しく低下し目的の重合度まで反応が進行しなくな
るためである。 【0010】本発明のポリエステル樹脂を構成する脂肪
族ジオール(c)は、樹脂の縮重合反応速度を向上させ
るものであり、例えば、エチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ポリエチレングリコール等が挙げられ、これらは単
独または2種以上を組合せて使用することができる。中
でも、トナーとしての定着性の点から、エチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオールが好ま
しい。脂肪族ジオール(c)は、全酸成分に対して10
〜105モル%の範囲で使用され、好ましくは15〜1
00モル%の範囲である。これらは、脂肪族ジオール
(c)が10モル%未満では、反応性が著しく低下し目
的の重合度まで反応が進行しなくなり、105モル%を
超えるとポリエステル樹脂のガラス転移温度や樹脂強度
の低下を招くため、トナーの耐ブロッキング性が低下す
るようになるためである。 【0011】本発明のポリエステル樹脂を構成する3価
以上の多価カルボン酸あるいは3価以上の多価アルコー
ル(e)は、ポリエステル樹脂の分子量、分子量分布お
よび溶融粘度のバランス性を良好とし、トナーの画像ゆ
がみの発生を抑止するとともに、ポリエステル樹脂の樹
脂強度を高くしトナーの画像安定性を向上させるもので
ある。3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサント
リカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,
5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタ
ンテトラカルボン酸およびこれらの酸無水物等が挙げら
れる。また、3価以上の多価アルコールとしては、ソル
ビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラロール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオー
ル、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2
−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ト
リヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。中でも、
トリメリット酸およびその酸無水物、ペンタエリスリト
ール、トリメチロールプロパンが好ましい。これら3価
以上の多価カルボン酸あるいは3価以上の多価アルコー
ル(e)は、単独または2種以上を組合せて使用するこ
とができる。 【0012】本発明においては、3価以上の多価カルボ
ン酸および/または3価以上の多価アルコール(e)
は、全酸成分に対して1〜30モル%の範囲で使用さ
れ、好ましくは2〜28モル%の範囲である。これは、
3価以上の多価カルボン酸および/または3価以上の多
価アルコール(e)が1モル%未満では、ポリエステル
樹脂の樹脂強度が低下しトナーの画像安定性が損なわれ
るためであり、30モル%を超えるとポリエステル樹脂
の溶融粘度が高くなり、トナーの定着性や発色性が低下
するためである。 【0013】なお、本発明のポリエステル樹脂において
は、このような架橋単位を構成単位として含有するもの
の、ポリエステル樹脂をゲル化させることなくゲル分率
を含まないようなバインダー樹脂とすることが、シャー
プメルト性を低下させることなく樹脂強度を付与させる
ことができ、トナーの定着性、発色性と画像安定性のバ
ランスを良好とできる点から好ましい。 【0014】さらに、本発明のポリエステル樹脂におい
ては、安息香酸、ナフタレンカルボン酸、クロロ安息香
酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、メチル
安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸等のモノ
カルボン酸を使用することもできる。これらモノカルボ
ン酸の使用により、架橋成分を比較的多量に含むポリエ
ステル樹脂でのゲル化点近傍での反応を抑制し、ポリエ
ステル樹脂の溶融粘度、軟化温度、分子量等の物性を所
望の範囲に容易にコントールすることができる。モノカ
ルボン酸は、全酸成分に対して20モル%以下の範囲で
使用することが好ましく、さらに好ましくは18モル%
以下の範囲である。これは、モノカルボン酸が20モル
%を超えると、樹脂の反応性が低下し目的の重合度まで
反応が進行しなくなる傾向にあるためである。 【0015】以上の構成からなる本発明のトナー用ポリ
エステル樹脂は、ゲルパーミェーションクロマトグラフ
ィーによる分子量分布において、重量平均分子量(M
w)/数平均分子量(Mn)が3〜20、分子量150
00以下の領域にメインピークを有し、130℃での溶
融粘度が1000〜3000ポイズであることが必要で
ある。これは、ポリエステル樹脂の重量平均分子量(M
w)/数平均分子量(Mn)が3未満であると画像ゆが
みが発生し、20を超えるとトナーの定着性が低下する
ためであり、好ましくは4〜18の範囲である。また、
ポリエステル樹脂の分子量分布におけるメインピークが
分子量15000を超える領域にあるるとトナーの定着
性に劣るためであり、好ましくは14000以下の領域
である。さらに、ポリエステル樹脂の130℃での溶融
粘度が1000ポイズ未満であると画像ゆがみが発生
し、3000ポイズを超えるとトナーの定着性に劣るた
めであり、好ましくは1100〜2900ポイズの範囲
である。 【0016】また、本発明のポリエステル樹脂において
は、軟化温度が100〜120℃、酸価が3〜20mg
KOH/g、ガラス転移転移温度が50〜70℃の範囲
にあることが好ましい。これは、ポリエステル樹脂の軟
化温度が100℃未満であるとトナーの耐ブロッキング
性が低下する傾向にあり、120℃を超えるとトナーの
定着性が劣る傾向にあるためであり、好ましくは102
〜118℃の範囲である。また、ポリエステル樹脂の酸
価が3mgKOH/g未満であるとトナーの帯電の立上
がりが低下する傾向にあり、20mgKOH/gを超え
るとトナーの耐湿性が低下する傾向にあるためであり、
好ましくは4〜18mgKOH/gの範囲である。さら
に、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が50℃未満で
あるとトナーの耐ブロッキング性が低下する傾向にあ
り、70℃を超えるとトナーのとなーの定着性が低下す
る傾向にあるためであり、好ましくは52〜68℃の範
囲である。 【0017】本発明のフルカラートナー用ポリエステル
樹脂の製造は、特に限定されるものではなく、通常使用
されている方法によって製造することができる。例え
ば、上記の重合成分(a)〜(e)を反応釜に仕込み、
加熱昇温してエステル化反応またはエステル交換反応を
行う。この時、必要に応じて硫酸、チタンブトキサイ
ド、ジブチルスズオキシド、酢酸マグネシウム、酢酸マ
ンガン等の通常のエステル化反応またはエステル交換反
応で使用されるエステル化触媒またはエステル交換触媒
を使用することができる。次いで、常法に従って該反応
で生じた水またはアルコールを除去する。その後引き続
き重合反応を実施するが、このとき150mmHg以下
の真空下でジオール成分を留出除去させながら重合を行
う。また、重合に際しては通常公知の重合触媒、例えば
チタンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、酢酸ス
ズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化
ゲルマンニウム等を用いることができる。なお、重合温
度、触媒量については特に限定されるものではなく、必
要に応じて任意に設定すれば良い。 【0018】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例及び比較例におけるポリエステル樹脂
の物性は、以下の測定方法で行った。重量平均分子量/
数平均分子量(Mw/Mn)およびメインピークの分子
量は、テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミェ
ーションクロマトグラフィー(東ソー社製HCL−82
00)を用いて測定した。溶融粘度は、フローテスター
(島津製作所社製CFT−500)を用いて、130℃
の温度下において0.5mmφ×15mmのノズルを用
い、荷重10kgfの条件で測定した。軟化温度(℃)
は、フローテスター(島津製作所社製CFT−500)
において、1.0mmφ×10mmのノズルを用い、荷
重30kgf、昇温速度3℃/分の等速昇温下で測定
し、1.0gのサンプル中の半分の量が流出した時の温
度を軟化温度とした。ガラス転移温度(℃)は、示差走
査熱量計(島津製作所社製)を用い、昇温速度5℃/分
で測定した時のガラス転移温度近傍の吸熱曲線の接線
と、ベースラインとの接点をガラス転移温度とした。酸
価は、KOH溶液による滴定法により測定した。組成分
析は、樹脂をヒドラジンで加水分解し、液体クロマトグ
ラフィーで定量した。 【0019】また、実施例及び比較例におけるトナーの
性能評価は、以下の方法に従って行った。 定着性 シリコーンオイルを塗布したヒートローラーを有し、温
度可変のフルカラー複写機を用いて、印刷速度7枚/分
で印刷した時の紙への最低定着温度を測定し、以下の基
準で評価した。 ○:130℃で定着が可能。 △:140℃で定着が可能。 ×:140℃で定着が不可。 【0020】耐ブロッキング性 トナー5gをガラス製のサンプル瓶に入れ、温度50℃
の乾燥機に24時間放置した。その後、サンプルを室温
まで冷却し、その凝集状態を目視で観察し、以下の基準
に従って評価した。 ○:サンプル瓶を逆さにした時にトナーが分散する。 △:サンプル瓶を逆さにして2〜3回叩くと分散する。 ×:サンプル瓶を逆さにして2〜3回叩いても分散しな
い。 【0021】画像安定性 シリコーンオイルを塗布したヒートローラーを有し、温
度可変のフルカラー複写機を用いて、印刷速度7枚/分
で1万枚の印刷テストを行い、得られた印刷画像の濃度
変化を以下の基準で評価した。 ○:画像濃度の変化が殆どない。 ×:画像濃度の低下が見られる。 【0022】画像ゆがみ シリコーンオイルを塗布したヒートローラーを有し、温
度可変のフルカラー複写機を用いて、印刷速度7枚/分
で紙へ1万枚の印刷テストを行った後、OHPシートへ
の印刷を行い、得られた印刷画像のゆがみの発生状態を
以下の基準で評価した。 ○:画像ゆがみの発生が殆どない。 ×:画像ゆがみの発生が見られる。 【0023】実施例1〜20 表1および2に示す仕込み組成に従ってモノマー混合物
を蒸留塔を備えた反応容器に投入した。さらに、三酸化
アンチモンを全酸成分に対して500ppm添加し、反
応系内の温度を260℃、攪拌回転数を120rpmに
保ち、反応系から水が留出しエステル化反応が開始して
から約8時間後に、水の留出がなくなった時点で反応を
終了した。次いで、反応系内の温度を220℃に保持し
て、反応容器内の真空度が1.0mmHgとなるまで約
40分間かけて減圧し、反応系からジオール成分を留出
させ縮合反応を行い、所望の軟化温度となった時点で反
応容器内を常圧にもどし、ポリエステル樹脂を反応容器
から取出した。 【0024】 【表1】 【0025】 【表2】【0026】得られたポリエステル樹脂の組成分析及び
物性の測定結果を表3および4に示した。 【0027】 【表3】 【0028】 【表4】【0029】また、得られたポリエステル樹脂をバイン
ダー樹脂とするトナーを用いて、定着性、耐ブロッキン
グ性、画像安定性、画像ゆがみの評価を行い、その結果
を表5および6に示した。 【0030】 【表5】 【0031】 【表6】 【0032】比較例1〜5 重合仕込み組成を表7のようにする以外は、実施例と同
様の操作を行い、ポリエステル樹脂を得た。得られたポ
リエステル樹脂の組成分析及び物性の測定結果を表8に
示した。また、得られたポリエステル樹脂をバインダー
樹脂とするトナーを用いて、定着性、耐ブロッキング
性、画像安定性、画像ゆがみの評価を行い、その結果を
表9に示した。 【0033】 【表7】【0034】 【表8】 【0035】 【表9】 【0036】表中の略記号は、それぞれ次の化合物を表
わす。 ジオールA:ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン ジオールB:ポリオキシエチレン−(2)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 【0037】 【発明の効果】本発明のフルカラートナー用ポリエステ
ル樹脂は、トナーとしての定着性、画像安定性および耐
ブロッキング性に優れ、長期のランニング使用中におい
ても画像ゆがみの発生しないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−214423(JP,A) 特開 平5−165252(JP,A) 特開 平5−9278(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/087 G03G 9/09

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 全酸成分に対して50モル%以上の芳香
    族ジカルボン酸(a)を含むジカルボン酸成分と、全酸
    成分に対して40〜120モル%の芳香族ジオール
    (b)、全酸成分に対して10〜105モル%の脂肪族
    ジオール(c)を含むジオール成分と、全酸成分に対し
    て1〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸および/
    または3価以上の多価アルコール(e)とからなるポリ
    エステル樹脂であって、ゲルパーミェーションクロマト
    グラフィーにおける分子量分布において重量平均分子量
    (Mw)/数平均分子量(Mn)が3〜20で、分子量
    15000以下の領域にメインピークを有し、130℃
    での溶融粘度が1000〜3000ポイズであることを
    特徴とするフルカラートナー用ポリエステル樹脂。
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