JP3521505B2 - トナー用ポリエステル樹脂およびトナー - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂およびトナー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法などにおいて静電荷像の現像に用いる乾
式トナー用として有用なポリエステル樹脂およびそれを
用いたトナーに関する。さらに詳しくは、低温定着性、
耐ブロッキング性、耐オフセット性に優れたトナー用ポ
リエステル樹脂およびそれを用いたトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては、米国特許第
2297691号明細書、第2357809号明細書等
に記載されているように、光導電性絶縁層を一様に帯電
させた後、その層を露光し、その露光された部分の電荷
を消失させることによって電気的な潜像を形成し、更に
該潜像に着色され電荷をもつトナー(現像剤組成物)を
付着させることによって顕像させ(現像工程)、得られ
た顕像を転写紙等の転写材に転写した後(転写工程)、
加熱、圧力あるいはその他の適当な定着法によって定着
させる工程(定着工程)からなる。従って、トナーには
単に現像工程のみならず、転写工程、定着工程に於いて
も要求される性能を満たしている必要がある。
【0003】近年、オフィスオートメーションの発展に
伴い、電子写真法を応用した複写機やプリンターの需要
は増加しており、それに伴ってそれらの性能に対する要
求も高度化してきた。特に、高速化、省エネルギー化の
見地から、より低い温度での定着処理を可能にすること
が強く要求されており、トナーに関しても、低温定着性
の優れたものが求められている。
【0004】一般に、トナーの定着性を改善するために
は、溶融時に於けるトナーの粘度を低下させ、紙との接
触面積を大きくする必要がある。そのためにバインダー
樹脂のガラス転移温度を低下させたり、分子量を低くす
る方法が考えられている。しかし、この様な方法では、
保存中にトナーがブロッキングする現象がおこり、保存
性が低下する。
【0005】また、高速定着には、定着工程として熱効
率がよく、コンパクトな機構の熱ロール定着方式が採用
されているが、定着時に熱ロールと溶融状態のトナーが
直接接触するために、熱ロール上に移行したトナーが次
に送られてくる転写紙等を汚す、いわゆるオフセット現
象が生じやすい。このオフセット現象は、分子量の小さ
い場合ほど顕著に現れる。
【0006】従って、熱ローラー定着方式を有する高速
複写機等においては、耐オフセット性が優れており、し
かも低温定着性に優れているトナーの開発が強く望まれ
ている。ところが、従来、バインダー樹脂として汎用さ
れているスチレン−アクリル酸エステル系共重合体は、
概して低温定着性に劣るものが多い。これに対して、低
温定着性の優れたバインダー樹脂として、種々のポリエ
ステル樹脂が提案されている。これらのポリエステル樹
脂は、エーテル化ジフェノール類と芳香族ジカルボン酸
を主に単量体成分とする重縮合体であるが、いずれも、
低温定着性と耐オフセット性、あるいは耐ブロッキング
性とのバランスが悪いものであった。
【0007】ポリエステル樹脂をバインダー樹脂とする
トナーにおいて、架橋成分として3価以上の多価アルコ
ールや多価カルボン酸を用いて耐オフセット性を改良す
る方法が知られている。しかし、十分な耐オフセット性
をもたせるまでポリエステルを架橋すると軟化点が高く
なり、低温定着性を損なうという問題がある。また、ポ
リエステル樹脂の一部を架橋させることにより、ポリエ
ステル樹脂中へのトナー添加剤の分散性や転写紙への濡
れ性といった利点が失われてしまい、このような方法で
の耐オフセット性の改良は実際上困難である。
【0008】また、架橋したポリエステル樹脂の軟化点
を低下させるために、アルケニルコハク酸等の長鎖脂肪
族炭化水素を側鎖にもつジカルボン酸類を用いて、樹脂
中にソフトセグメントを導入する試みがなされている
(特開昭57−109825号公報)。しかし、ソフト
セグメントの長さが短いため、十分な軟化点の低下を図
るためには高価なソフトセグメントを多量に用いる必要
がありコストが高くなる。
【0009】また、ポリエステルを架橋した場合の一般
的な問題点として重合の操作性、均一性の問題がある。
すなわち、ある程度の架橋体を得ようとすると急激な架
橋反応に伴う粘度上昇の為に工業的な製造が困難であ
り、製造できたとしても一定の物性を安定に得るのは困
難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
定着性を損なうことなく、耐オフセット性を向上したト
ナー用ポリエステル樹脂およびそれを用いたトナーを提
供することにある。また、本発明の目的は、耐ブロッキ
ング性に優れ、保存性が良好なトナー用のポリエステル
樹脂およびトナーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
従来技術の有する問題点を克服するために鋭意検討した
結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、
2価以上の酸成分(2価以上の酸より導かれる構造単
位)、2価以上のアルコール成分、および一般式(I)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R1 は炭素数15乃至70の炭化
水素基を表し、R2 は水素原子または炭化水素基を表
す。)で表されるカルボン酸成分を有し、かつ全アルコ
ール成分に対する3価以上の多価アルコール成分の割合
と全酸成分に対する3価以上の多価酸成分の割合との合
計が9mol%以下であることを特徴とするポリエステ
ル樹脂並びに該ポリエステル樹脂および着色剤を含有す
ることを特徴とするトナーに存する。
【0014】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、前記R1 はソフトセグメントとして樹脂の軟化
点を下げ、定着温度を低くする作用がある。また、炭化
水素基同士の絡み合いにより溶融時に弾性を付与するこ
とができることを見出だした。従来、オフセットを防止
するために溶融時における弾性を得るためには架橋体を
必要としている。この架橋体を得るには架橋反応に伴う
急激な粘度上昇があり、工業的な生産が難しく、一定の
物性を安定的に得るのは困難であった。しかし、本発明
においては長鎖の炭化水素基の絡み合いにより溶融時の
弾性を付与することができるため、架橋体が少なくても
良く、簡単にポリエステル樹脂を得ることができる。そ
のため、R1 の炭素数は大きい方が好ましく、炭素数1
5〜70であり、より好ましくは30〜70である。R
1 は飽和でも不飽和でもよいが、実用上二重結合が1個
含まれた炭化水素基が好ましい。また、炭素数が15〜
70と長いため、少量用いるだけでガラス転移温度、軟
化点が低下するため、本発明の樹脂を構成する全酸成分
に対して好ましくは1〜30モル%、特に好ましくは1
〜20モル%使用する。炭素数が15より小さい場合に
は軟化点を低下させるためには大量が必要となり、コス
トもかなり高くなる。また、溶融時における弾性も十分
に付与できない。炭素数が70以上になると急激にガラ
ス転移温度が低くなり、耐ブロッキング性が悪くなる。
2 は水素原子または炭化水素基(飽和、不飽和を含
む)であるが、水素原子であることが好ましい。
【0015】前記の3価以上の多価アルコールとして
は、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、およびトリメチロールプロパン等の
脂肪族多価アルコール類、1,3,5−トリヒドロキシ
メチルベンゼン等の芳香族多価アルコール類等が使用で
きる。また、3価以上の多価酸としては多価カルボン酸
類が挙げられ、多価カルボン酸類としては、トリメリッ
ト酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸、およびピロメリッ
ト酸等の芳香族多価カルボン酸類、1,2,4−ブタン
トリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン
酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレ
ンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ
ル)メタン、および1,2,7,8−オクタンテトラカ
ルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸類、1,2,4−シ
クロヘキサントリカルボン酸等の脂環式多価カルボン酸
類並びにこれらの酸無水物およびモノメチル、モノエチ
ル、ジメチル、ジエチルエステル等の低級アルキルエス
テル等が使用できる。特に好ましい3価以上の多価カル
ボン酸としては無水トリメリット酸が挙げられる。
【0016】3価以上の多価アルコール及び3価以上の
多価酸(以下、あわせて「多官能化合物」と総称す
る。)は、3価以上の多価アルコール成分の全アルコー
ル成分に対する割合と、3価以上の多価酸成分の全酸成
分に対する割合の合計を9モル%以下、好ましくは2〜
9モル%、特に好ましくは5〜9モル%使用することが
できる。このような多官能化合物は樹脂の分子量分布を
広げガラス転移温度を高める効果があると共に、樹脂の
溶融時に弾性を付与することもできる。従って定着時に
耐オフセット性を高めることができる。しかし、多官能
化合物を大量に用いると重合の後半に急激な架橋反応に
伴う粘度上昇がおこり、攪拌が不良になり均一な重合が
できない。また、粘度の高い樹脂は、抜き出しが非常に
困難であり、生産性が悪い。
【0017】本発明のポリエステル樹脂を製造するに際
し、上記以外のモノマーとしては、一般に、ポリエステ
ルの原料として常用されるモノマーを使用すればよい。
例えば、2価アルコール成分としては、脂肪族、芳香
族、脂環式ジオールがある。例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、および2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール等の脂肪族ジオール類、水素化ビスフェノ
ールA、一般式(II)
【0018】
【化3】
【0019】(式中、R3 およびR4 はそれぞれエチレ
ン基またはプロピレン基を表し、XおよびYはそれぞれ
0以上の整数を表す。X+Yの平均値は0〜10が好ま
しい。)で表されるビスフェノールおよびその誘導体等
の芳香族ジオール類、一般式(III)
【0020】
【化4】
【0021】(式中、R5 およびR6 はそれぞれ−CH
2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )−、または−CH
2 C(CH3 2 −を表し、X′およびY′はそれぞれ
0以上の整数を表す。X′+Y′の平均値は0〜10が
好ましい。)で表されるジオール等の脂環式ジオール類
等が挙げられる。芳香族ジオール、脂環式ジオールはガ
ラス転移温度を上げる効果があるため、耐ブロッキング
性が良好となり、耐摩耗性が向上することも知られてい
る。併用される2価酸成分としてはジカルボン酸成分が
挙げられ、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、およびフタル酸等の芳香族ジカルボン酸
類、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フ
マル酸、およびアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、
並びにこれらの酸無水物およびモノメチル、モノエチ
ル、ジメチル、ジエチルエステル等の低級アルキルエス
テル等が挙げられ、特にテレフタル酸およびそのジメチ
ルエステルが耐ブロッキング性およびコストの点で好ま
しい。これらの2価酸成分はトナーの定着性、および耐
ブロッキング性に影響を与える。芳香族ジカルボン酸類
を用いるとガラス転移温度が上がり、耐ブロッキング性
は向上するが、定着性は低下する。一方、脂肪族ジカル
ボン酸類を用いるとガラス転移温度の低下をもたらすた
め、耐ブロッキング性は悪くなるが、定着性は向上す
る。目標とするガラス転移温度の値は50〜70℃であ
る。50℃より低い値ではブロッキングが悪くなり、ま
た70℃以上になると定着性が悪くなる。本発明のポリ
エステル樹脂の軟化点(Ts)は100〜160℃が好
ましい。更に架橋度の目安となるTHF不溶分は50%
以下が好ましい。
【0022】本発明のポリエステル樹脂の製造方法は特
に限定されず、従来公知の種々の方法が採用し得る。好
ましくは次のような製造方法が挙げられる。重合管に多
官能化合物以外のモノマーを仕込み、不活性雰囲気下、
150〜220℃において、エステル化反応、あるいは
エステル交換反応を行う。その後0.1〜100mmH
gまで減圧し、プレポリマーを得る。このプレポリマー
を、多官能化合物と共に常法に従って180〜280℃
において、0.01〜100mmHgまで減圧して重縮
合を行い所定の粘度になった時点で抜き出す。なお、全
酸成分と全アルコール成分の反応全体を合計した仕込み
のモル比は全酸成分:全アルコール成分が1:1.1〜
1:1.8が好ましい。反応を促進するための触媒とし
ては、ジブチル錫オキシド、酸化亜鉛、ジブチル錫ジウ
ラレート、チタンブトキシサイド、酢酸マグネシウム、
酢酸マンガン等を用いることができる。
【0023】本発明のポリエステル樹脂は、重量平均分
子量Mwが、5,000〜300,000、数平均分子
量Mnが、2,000〜20,000の範囲にあること
が好ましい。重量平均分子量Mwが5,000未満であ
るとガラス転移温度が著しく低下し、耐ブロッキング性
が悪くなる。重量平均分子量Mwが300,000を超
えると溶融時における粘度が高くなり、低温定着性が低
下し、高速複写機には適さない傾向となる。数平均分子
量Mnについても同様のことがいえる。
【0024】得られたポリエステル樹脂は、例えば、次
のような一般的製造法に従ってトナーとすることができ
る。まず、バインダー樹脂、着色剤、必要に応じて使用
される帯電制御剤等の内添剤を均一に分散混合し、上記
混合物を二軸押出機、加圧ニーダー等で溶融混練した後
冷却し、粉砕機で粉砕する。得られた粉体を風力分級機
等で分級処理してトナーとする。
【0025】本発明の樹脂を用いたトナーは1成分現像
剤または2成分現像剤のいずれにも使用できる。2成分
現像剤として使用する場合のキャリアとしては、鉄粉系
キャリア、フェライト系キャリア、磁性体コア粒子の表
面を樹脂被覆したコートキャリア等の公知の各種キャリ
アを使用することができる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すがこれに限定さ
れるものではない。なお、分子量、軟化点(Ts)、架
橋度の目安としてのTHF不溶分の測定は次の測定方法
により行った。
【0027】(1)分子量 分子量の測定は東ソー社製HLC−8020のゲルパー
ミュエーションクロマトグラフィーを用いた。試料はテ
トラヒドロフラン(THF)に0.1wt%の濃度で溶
解し、ポリスチレン標準試料により作成された検量線よ
り分子量を決定した。
【0028】(2)軟化点(Ts) 軟化点の測定は島津製作所製フローテスターCFT−5
00を用いた。1mmφ×10mmのノズル、荷重30
kg、昇温速度3℃/minの等速昇温下で測定した
時、サンプル1g中の1/2が流出した温度を言う。
【0029】(3)THF不溶分 試験管に試料100mgをとり、テトラヒドロフラン
(THF)10mlに溶解させ30分静置させた。上澄
み液を抽出し、再びTHFを加え30分静置し、上澄み
液を抽出した。この操作を5回繰り返し、窒素にてTH
Fを風乾した後、真空乾燥機にて50℃で5時間乾燥さ
せた。乾燥後の重量減少によりTHF不溶分を算出し
た。THF不溶分をもって架橋度の目安とすることがで
きる。
【0030】実施例1 表−1の組成において多官能化合物である無水トリメリ
ット酸以外のモノマーを重合管に仕込み、さらに、重合
触媒であるテトラブチルチタネートを仕込みの酸成分に
対して40ppm投入した。窒素ガスを導入して重合管
内を不活性雰囲気に保ち昇温した。内温を160℃、攪
拌回転数を250rpmに保ち、1.5時間で200℃
まで昇温した後、常圧下で3時間エステル交換反応を行
った。その後、真空度が20mmHgになるまで1時間
かけて徐々に減圧し、プレポリマーを得た。このプレポ
リマーに、無水トリメリット酸、およびテトラブチルチ
タネート(上記と同量)を加え、常圧下で200℃にて
2時間反応させ、その後、真空度が4mmHgになるま
で1時間30分かけて徐々に減圧し、所定の粘度になっ
たところで抜き出しを行い、ポリエステル樹脂を得た。
【0031】得られた樹脂100重量部、カーボンブラ
ック(三菱化成社製 MA−100)5重量部、ニグロ
シン染料(オリエント化学社製 N−04)2重量部、
ポリプロピレンワックス(三洋化成社製 550P)2
重量部、およびポリエチレンワックス(ヘキストジャパ
ン社製 PE130)1重量部を分散混合した後、二軸
押出機を用いて溶融混練した。冷却後、ハンマーミルに
て粗粉砕し、ついで、ジェットミル粉砕機にて微粉砕し
た。得られた粉体を風力分級機で分級し、平均粒径12
μmのトナーを得た。
【0032】上記トナー100重量部と流動化剤として
シリカ粉末(日本アエロジル社製R972)0.15重
量部を混合し、その後トナー濃度が4%となるようにフ
ェライトキャリア(パウダーテック社製 FL96−1
00)と混合し、現像剤を得た。
【0033】<定着試験>定着機にはシャープ社製複写
機(SF−9700)より取り出した定着機を改造し
て、400mm/sの定着スピードで定着試験を行う。
定着ローラー部の温度を変え、未定着像が完全に定着す
る温度を定着温度とした。その他、高温側でのオフセッ
トについても測定した。
【0034】<保存性(耐ブロッキング性)>トナーを
50℃で5時間放置し、凝集物の有無を調べた。凝集物
の生成が認められない場合を良好、認められる場合を不
可とした。
【0035】実施例2〜4、比較例1〜2 表−1に示す組成において、実施例1と同様に重合を行
い、ポリエステル樹脂を得た。樹脂の物性の評価結果を
表−1にまとめて示した。また、定着試験、保存性の結
果を表−2にまとめて示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表−2から明らかなように、本発明に関わ
る樹脂は最低定着温度が低く、定着温度幅も広範囲であ
った。しかし、比較例1のように無水トリメリット酸が
多い場合には、分子量分布が広くなり、またTHF不溶
分も高いので定着温度は高くなった。更に、重合の後半
に急激に粘度が上昇し、抜き出しが困難であった。比較
例2は炭化水素基の炭素数が12と小さい場合だが、軟
化点の十分な低下は見られず、定着温度も高いものとな
った。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、高速の条件下において
も低温定着性に優れ、かつ耐ブロッキング性、耐オフセ
ット性に優れたトナー用ポリエステル樹脂が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−94039(JP,A) 特開 平2−190866(JP,A) 特開 平4−81772(JP,A) 特開 平5−341577(JP,A) 特開 平6−95429(JP,A) 特開 平6−214423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/087

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価以上の酸成分、2価以上のアルコー
    ル成分、および一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数15乃至70の炭化水素基を表
    し、R2 は水素原子または炭化水素基を表す。)で表さ
    れるカルボン酸成分から成り、全酸成分に対する一般式
    (I)で表されるカルボン酸成分の割合が1乃至30m
    ol%、かつ全アルコール成分に対する3価以上の多価
    アルコール成分の割合〔mol%〕と全酸成分に対する
    3価以上の多価酸成分の割合〔mol%〕との合計が
    乃至9であることを特徴とするトナー用ポリエステル樹
    脂。
  2. 【請求項2】 R2 が水素原子であることを特徴とする
    請求項1に記載のトナー用ポリエステル樹脂。
  3. 【請求項3】 重量平均分子量が5,000乃至30
    0,000であることを特徴とする請求項1または2
    記載のトナー用ポリエステル樹脂。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が2,000乃至20,0
    00であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載のトナー用ポリエステル樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のトナ
    ー用ポリエステル樹脂および着色剤を含有することを特
    徴とするトナー。
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