JP2002099110A - 定着方法及びトナー - Google Patents

定着方法及びトナー

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JP2002099110A
JP2002099110A JP2000286960A JP2000286960A JP2002099110A JP 2002099110 A JP2002099110 A JP 2002099110A JP 2000286960 A JP2000286960 A JP 2000286960A JP 2000286960 A JP2000286960 A JP 2000286960A JP 2002099110 A JP2002099110 A JP 2002099110A
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JP2000286960A
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Hiroshi Yusa
寛 遊佐
Takashige Kasuya
貴重 粕谷
Yuki Karaki
由紀 唐木
Yoshihiro Ogawa
吉寛 小川
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クイックスタート性、省エネルギーを達成
し、かつ、フルカラー化、高速化に対応可能な定着方法
を提供することにある。 【解決手段】 (I)磁場発生手段17と、(II)電
磁誘導により発熱する発熱層、弾性層および離型層を有
する回転加熱部材10と、(III)該回転加熱部材と
ニップを形成している回転加圧部材30とを有する加熱
加圧手段100を使用し、該回転加熱部材を記録材Pを
介して該回転加圧部材を押圧しながら、該記録材上のト
ナー画像t1を加熱加圧定着して記録材に定着画像t2
を形成する定着方法において、該トナーは結着樹脂、着
色剤及びワックスを含有するトナーであり、該トナーの
DSC測定による最大吸熱ピークが60〜135℃にあ
り、該トナーの損失弾性率G”が3×104Paを示す
温度が90〜115℃、損失弾性率G”が2×104
aを示す温度が95〜120℃、損失弾性率G”が1×
104Paを示す温度が105〜135℃であることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導加熱方式
の加熱装置を用いた定着方法及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年パーソナル・ユーザーを対象とした
コンピューター機器の普及に伴い、映像による情報伝達
機構として、フルカラーによる映像コミュニケーション
が幅広く浸透しつつある。
【0003】この様な状況下で、出力機器の一つである
複写機、プリンター等のトナーを用いた画像形成装置に
おいてもフルカラー化が急速に進んでおり、一般ユーザ
ーにおいてもカラー画像が、より身近なものとなってき
ている。
【0004】そのためフルカラー画質として、より高精
細・高画質・高品質が求められ、複写機、プリンター等
のトナーを用いた画像形成装置やトナーに要求される性
能・機能も年々高度になってきている。
【0005】トナー画像の定着工程に関しては、種々の
方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法
は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
【0006】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する材料(シリコーンゴムやフッ素
樹脂)で表面を形成した熱ローラーの表面に、被定着シ
ートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめる
ことにより定着を行なうものである。この方法は、熱ロ
ーラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接
触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の
熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行なうことが
でき、高速機において非常に有効である。
【0007】しかしながら、熱ローラー方式の定着装置
は定着ローラーの熱容量が大きいため、ローラーが冷え
ている状態から所定の定着可能温度に立ち上がるまでに
はかなりのウエイトタイムを要し、クイックスタート性
に欠ける。そのため常に定着ローラーを所定の温調状態
に維持させておく必要があり、電力消費量が大きくなる
という問題がある。
【0008】一方、トナー対しては低温定着性や耐オフ
セット性が要求される。さらにフルカラーの場合では、
イエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー又はそれに
黒色トナーを加えた4色のトナーを重ねることで色再現
を行なうものであり、厚いトナー層を紙上に定着し、さ
らにオーバーヘッドプロジェクターシートでの色再現・
透過性を満足しなくてはならない。
【0009】このためトナー層を十分に溶融し、画像表
面を平滑にするために、定着装置の熱及び圧力で容易に
変形する、弾性が低く、オフセットしやすいトナーと、
オフセットを防止する目的で定着ロール表面にシリコー
ンオイル等の離型オイルを供給する定着方法とを組み合
わせて用いるのが、現在の主流となっている。
【0010】しかしながらこの方法では、特にプレゼン
テーション用として用いられるオーバーヘッドプロジェ
クターシートにおいては、紙と異なりオイル吸収能力が
低いため、定着後のシート表面のべたつきが問題となっ
ている。
【0011】このような背景からオイルレス(またはオ
イル塗布量の少ない)定着方式を実現する定着方法、及
びトナーが強く求められている。
【0012】クイックスタート性、省エネルギー、オイ
ルレス化の観点からは、例えば特開昭63−31318
2号公報、特開平2−157878号公報、特開平3−
25473号公報、特開平4−44075号公報及び特
開平4−204980号公報等に提案されているフィル
ム(またはベルト)加熱方式の定着装置が実用化されて
いる。
【0013】このフィルム(またはベルト)加熱方式の
定着装置は、セラミックヒータ及びフィルム(またはベ
ルト)として低熱容量の部材を用いて、プリント時のみ
熱源としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温
度に発熱させた状態にすればよく、オンデマンドタイプ
の装置を構成することができ、クイックスタート性、消
費電力低減の利点がある。さらにフィルム(またはベル
ト)を用いているため、定着画像の分離部の曲率を小さ
くできるため、離型オイルレス化が可能である。
【0014】しかし、大きな熱量が要求されるフルカラ
ー画像形成装置や高速機種用の定着装置としては熱量的
に難点があり、また定着ニップ部の加圧力をあまり大き
くすることが出来ないため、フルカラー画像を定着する
場合、加圧力による圧着での混色性やトナー表面の平滑
性が不足するため、オーバーヘッドプロジェクターシー
トでの色再現・透過性を満足するためには、定着速度を
大幅に遅くする必要があり、フルカラー化、高速化には
問題があった。
【0015】上記問題を解決するためには、例えば特開
平7−114276号公報に示すように、画像に直接接
触するフィルムに、電磁誘導により発熱する層を一体化
したベルトを用い、発熱体であるベルトに励磁コイルを
接近させたり、また、励磁コイルの交番磁束分布を定着
ニップ部近傍に集中させたりして、定着ニップ部を高速
で加熱することで発熱効率をアップし、フルカラー化、
高速化にも対応できる定着装置が提案されている。
【0016】しかし最近では、フルカラー画像のグロス
(光沢)に対する市場の要求が変化してきており、従来
は高グロスの画像が好まれていたのに対し、最近では自
然なしっとりとした質感の、中〜低グロスの画像も好ま
れるようになってきているため、ユーザーの要求に応じ
てグロスを自由にコントロール可能とすることも要望さ
れるようになってきた。
【0017】現状では、このような要望に応えられるト
ナー及び定着方法は無く、幅広いグロスのレンジをカバ
ーできるトナー及び定着方法が求められている。
【0018】上記問題に対し、トナーとしても様々な提
案がなされている。例えば、特開平6−59502号公
報には離型剤を含有し、150℃での貯蔵弾性率G’及
び損失弾性率G”がそれぞれ104dyn/cm2以上
で、かつ見掛け粘度が0.1〜5×103Pa・sec
であるトナーが開示されているが、トナーの粘弾性を1
50℃の1点でのみとらえているため、低温定着性、及
び、得られる画像のグロスの幅を議論するには不十分で
ある。実際に上記を満たしたトナーでテストしたとこ
ろ、低温定着性、得られる画像のグロス幅とも不十分な
ものであった。
【0019】特開平5−142963号公報には、18
0℃における貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”を規定
したトナーが開示されているが、これも同様にトナーの
粘弾性を180℃の1点でのみとらえているため、低温
定着性、及び、得られる画像のグロスの幅を議論するに
は不十分である。
【0020】特開平8−54750号公報には、トナー
の体積平均粒径と170℃における貯蔵弾性率G’の関
係を式で規定したトナーが開示されているが、これも同
様にトナーの粘弾性を170℃の1点でのみとらえてい
るため、低温定着性、及び、得られる画像のグロスの幅
を議論するには不十分である。
【0021】特開平8−334930号公報には、13
0℃において角周波数を振って測定した貯蔵弾性率G’
及びtanδを規定した特定のアルコール成分を含むポ
リエステル樹脂を含むトナーが開示されているが、樹脂
の粘弾性が規定されていても、トナーの粘弾性はトナー
化する際の処方や製法により大きく変化するため、トナ
ーの低温定着性、及び得られる画像のグロスの幅を議論
するには不十分であり、実際に上記樹脂を使用したトナ
ーでも低温定着性、得られる画像のグロス幅とも不十分
なものが存在する。
【0022】特開平10−133422号公報には、分
子量を規定したビニル系樹脂からなるトナーの160℃
及び180℃における貯蔵弾性率G’及び損失弾性率
G”を規定したトナーが開示されているが、低温定着
性、得られる画像のグロス幅ともいまだ十分なレベルで
はない。
【0023】特開平9−34163号公報では、結着樹
脂100質量部に対して低軟化点物質を5〜40質量部
含有するトナーの60℃及び80℃における貯蔵弾性率
G’の比(G’60/G’80)と、155℃及び190℃
における貯蔵弾性率G’の比(G’155/G’190)とを
規定したトナーが開示されている。しかしながら、トナ
ー中に含有される低軟化点物質はトナーの定着時に高温
オフセットに発生を抑制するように機能する成分であ
り、この様な成分としては、一般にワックスが用いられ
るが、ワックスは結晶性を有している物質であるため、
オーバーヘッドプロジェクターシートの投影画像での色
再現性及び透過性に対して影響を与える。したがって、
これらの低軟化点物質の含有量を少なくした上で同等の
耐オフセット性及び低温定着性を有し、かつ、トナーに
与えられる定着熱量の加減により自由に画像のグロスを
コントロール可能とすることが望まれる。
【0024】特開平6−175395号公報には、スチ
レン−アクリル系樹脂からなるトナーの90℃と150
℃における貯蔵弾性率G’を規定したカラートナーが開
示されているが、これは定着時のトナー画像の平滑性を
上げるものであり、画像のグロスは高く、さらに定着器
へのオイル塗布が必須となっている。
【0025】定着分離性やオフセット防止に対しては、
架橋した結着樹脂を用いて溶融時での流動化を抑える方
法が有効である。例えば特公昭57−493号公報、特
開昭50−44836号公報、特開昭57−37353
号公報に記載の如く、樹脂を非線状化又は架橋化するこ
とによってオフセット現象を抑制する方法;特開昭61
−213858号公報、特開平1−295269号公
報、特開平1−30061号公報、特開平1−3022
67号公報、特開平3−96964号公報の如く、ポリ
エステル樹脂を金属イオン架橋化してオフセット現象を
改善する方法が提案されている。しかし結着樹脂の架橋
度が増大するにつれ、画像のグロスは高くなりにくく、
さらにトナーの迅速な溶融性が低下し、高温でなければ
定着しにくくなる傾向がある。
【0026】また、特公昭55−6895号公報や特開
昭56−98202号公報に記載の如く、結着樹脂の分
子量分布の幅を広くすることによりオフセット現象を抑
制する方法もあるが、一般に樹脂の重合度が高くなり定
着温度も高く設定する必要がある。
【0027】更に、特開平3−188468号公報に、
トナー粒子中におけるバインダーとしてのポリエステル
樹脂が、以下の(A)〜(C)の条件; (A)ポリエステル樹脂の酸価をAv、水酸基価をOH
vとしたとき、Avが20〜35(mgKOH/g)、
Av/OHv=1.0〜1.5の範囲にあること、
(B)テトラヒドロフラン不溶分が10%以下であるこ
と、(C)テトラヒドロフラン可溶分のゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィー(GPC)による分子量
分布において、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
との比率がMw/Mn≧10であり、数平均分子量3,
000〜8,000の領域にピーク(低分子側ピーク)
を少なくとも1つ有し、数平均分子量100,000〜
600,000の領域にピークまたは肩(高分子側ピー
ク)を1つ有し、かつ、高分子側ピーク領域が5〜15
%存在すること、を満足しているトナーが提案されてい
る。
【0028】しかしながら、特開平3−188468号
公報のポリエステルは、酸価が20(mgKOH/g)
以上と高く、架橋成分の割合が高くなる(実施例におい
てもTHF不溶分が2%以上存在する)、またソフトセ
グメント成分を含有するものの多価カルボン酸量が多く
フルカラー定着性(グロスコントロールと耐オフセット
の両立)を満足しない。
【0029】別の方法として、特開昭52−3304号
公報、特開昭52−3305号公報、特開昭57−52
574号公報、特開昭61−138259号公報、特開
昭56−87051号公報、特開昭63−88158号
公報、特開昭63−113558号公報及び特開平8−
030036号公報等にトナー中にワックス類を含有さ
せる技術が開示されているが、ワックスのみですべてを
満足することは出来ず、バインダー樹脂の特性に依存す
るところが大きい。
【0030】以上説明した様に、クイックスタート性、
省エネルギー化、高速化、定着オイルレス化に対応でき
る低温定着性と耐オフセット性を満たし、フルカラー画
像の色再現性及びオーバーヘッドプロジェクターシート
上での色再現・透過性、さらに画像のグロスを自由にコ
ントロールすることが可能な定着方法及びトナーは、現
状十分なものが無く、未だ改良すべき課題を残してい
る。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解決した定着方法及びトナーを提供すること
を目的とする。
【0032】すなわち本発明は、クイックスタート性と
省エネルギーを達成し、かつ、フルカラー化、高速化に
対応可能な定着方法及びトナーを提供することを目的と
する。
【0033】さらに本発明は、低温定着性と耐オフセッ
ト性を十分に満足し、さらにオーバーヘッドプロジェク
ターシートでの色再現・透過性を満足し、シリコーンオ
イル等によるオーバーヘッドプロジェクターシート表面
のべたつきがない定着方法及びトナーを提供することを
目的とする。
【0034】さらには、本発明は、フルカラー画像のグ
ロス(光沢)を自由にコントロール可能とし、幅広いグ
ロスのレンジをカバーできる定着方法及びトナーを提供
することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、(I)磁場発
生手段と、(II)電磁誘導により発熱する発熱層、弾
性層および離型層を少なくとも有する回転加熱部材と、
(III)該回転加熱部材とニップを形成している回転
加圧部材とを少なくとも有する加熱加圧手段を使用し、
該回転加熱部材を記録材を介して該回転加圧部材を押圧
しながら、該記録材上のトナー画像を加熱加圧定着して
記録材に定着画像を形成する定着方法において、該トナ
ーは少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有す
るトナーであり、該トナーの示差走査熱量計(DSC)
測定による最大吸熱ピークが60〜135℃にあり、該
トナーの周波数6.28rad/secで測定される粘
弾性特性において、損失弾性率G”が3×104Paを
示す温度が90〜115℃、損失弾性率G”が2×10
4Paを示す温度が95〜120℃、損失弾性率G”が
1×104Paを示す温度が105〜135℃であるこ
とを特徴とする定着方法に関する。
【0036】また、本発明は、(I)磁場発生手段と、
(II)電磁誘導により発熱する発熱層、弾性層および
離型層を少なくとも有する回転加熱部材と、(III)
該回転加熱部材とニップを形成している回転加圧部材と
を少なくとも有する加熱加圧手段を使用し、該回転加熱
部材を、記録材を介して該回転加圧部材を押圧しなが
ら、該記録材上のトナー画像を加熱加圧定着して記録材
に定着画像を形成する定着方法に用いるトナーであっ
て、該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワッ
クスを含有し、示差走査熱量計(DSC)測定による最
大吸熱ピークが60〜135℃にあり、該トナーの周波
数6.28rad/secで測定される粘弾性特性にお
いて、損失弾性率G”が3×104Paを示す温度が9
0〜115℃、損失弾性率G”が2×104Paを示す
温度が95〜120℃、損失弾性率G”が1×104
aを示す温度が105〜135℃であることを特徴とす
るトナーに関する。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記の問題点を解
決するために鋭意検討した結果、特定のワックスを少量
含有し、粘弾性特性を特定の範囲にコントロールしたト
ナーを用い、電磁誘導により発熱する発熱層、弾性層お
よび離型層を有する回転加熱部材と、回転加圧部材とを
少なくとも有する加熱加圧手段を使用して定着させると
きに、上記目的を達成することを見出した。
【0038】特に、本発明で用いる(I)磁場発生手段
と、(II)電磁誘導により発熱する発熱層、弾性層お
よび離型層とを少なくとも有する回転加熱部材と、(I
II)該回転加熱部材とニップを形成している回転加圧
部材とを少なくとも有する加熱加圧手段を、回転加熱部
材と回転加圧部材とを記録材を介して押圧しながら記録
材上のトナー画像を加熱加圧定着させることで、3色以
上のトナーを用いるフルカラー画像においても高速に、
十分な定着性を得ることが可能なオンデマンドタイプの
装置を構成することができ、低熱容量の部材を用いたこ
とにより瞬時に所要定着温度まで昇温可能なためクイッ
クスタート性を達成でき、電磁誘導によりプリント時に
のみ加熱することで待機時の省エネルギーを達成でき
る。
【0039】さらに特定のワックスを少量含有し、粘弾
性特性を特定の範囲にコントロールしたトナーと組み合
わせることで、低温定着性、耐オフセット性を十分に満
足し、さらにオーバーヘッドプロジェクターシートでの
色再現・透過性を満足したうえで、定着時にトナーが溶
融した状態での粘着性を抑え、回転加熱部材が有する離
型層とトナーが有する低融点ワックスの効果により、通
常トナー定着画像の分離に必要である離型オイル使用量
を、オーバーヘッドプロジェクターシート表面のべたつ
きを感じない塗布量(単位面積当たり1×10-7g/c
2以下)、さらには全く使用せずに定着スピード30
0mm/秒以下の高速定着を、画像巻き付き等の問題な
く実現可能であり、また、フルカラー画像のグロス(光
沢)を自由にコントロール可能な定着システムを実現す
る。
【0040】以下、本発明の構成について詳しく説明す
る。
【0041】まず、本発明には定着装置として電磁誘導
加熱方式の装置を用いる。回転加熱部材は、電磁誘導に
より発熱する厚さ1〜200μmの発熱層、厚さ10〜
500μmの弾性層および厚さ1〜100μmの離型層
とを少なくとも有し、記録材を介して回転加圧部材と面
圧9×103〜5×105N/m2で押圧して幅5.0〜
15.0mmのニップを形成し、定着スピード300m
m/秒以下の条件で用いることが好ましい。
【0042】電磁誘導により発熱する発熱層は、磁場発
生手段より発する電磁エネルギーを効率良く吸収し、ト
ナー画像の定着に十分な熱量を供給するために、その厚
さは1〜200μmがよい。1μmよりも小さい場合、
ほとんどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が
悪くなり、200μmを超えると剛性が高くなり易く、
また屈曲性が悪くなり易いため回転体として使用し難く
なる。
【0043】弾性層は、カラー画像、特に写真画像など
で大面積のベタ画像が形成される場合、記録材の凹凸あ
るいはトナー層の凹凸に加熱面(離型層)が追従できな
いと加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分
で画像に光沢ムラが発生することを防止するために必要
である。弾性層の厚さは10〜500μmがよく、10
μm未満では記録材あるいはトナー層の凹凸に追従しき
れず画像光沢ムラが発生し易く、500μmを超える場
合には弾性層の熱抵抗が大きくなりクイックスタートを
実現するのが難しくなる。より好ましくは50〜500
μmがよい。
【0044】離型層は、トナー画像定着時に回転加熱部
材からトナー画像を分離しやすくし、また回転加熱部材
表面へのトナー付着を防止するために必要である。離型
層の厚さは1〜100μmが好ましく、1μmよりも小
さいと塗膜の塗ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐
久性が不足するといった問題が発生し易く、100μm
を超えると熱伝導が悪化し易く、また、弾性層の効果を
低下させてしまう。
【0045】回転加熱部材と回転加圧部材は、面圧9×
103〜5×105N/m2で押圧して幅5.0〜15.
0mmのニップを形成していることが、良好な定着性、
混色性、トナー画像のグロスコントロール、オーバーヘ
ッドプロジェクターシートでの色再現・透過性のために
必要である。面圧が9×103N/m2未満あるいは定着
ニップ幅が5.0mm未満であると、良好な定着性、混
色性、トナー画像のグロスコントロール、オーバーヘッ
ドプロジェクターシートでの色再現・透過性が悪化しや
すい。面圧が5×105N/m2を超えると、定着装置の
耐久劣化が著しくなり、定着ニップ幅が15.0mmを
超えると、記録材のカール、なみうちが発生しやすくな
る。
【0046】ここで、「面圧」とは、記録材全体に加え
られる圧力を当接されているニップの面積で割ったもの
である。
【0047】一方、本発明に用いるトナーは、少なくと
も結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナーであ
り、該トナーの示差走査熱量計(DSC)測定による最
大吸熱ピークが60〜135℃にあり、トナーの周波数
6.28rad/secで測定される粘弾性特性におい
て、損失弾性率G”が3×104Paを示す温度が90
〜115℃、好ましくは95〜110℃、損失弾性率
G”が2×104Paを示す温度が95〜120℃、損
失弾性率G”が1×104Paを示す温度が105〜1
35℃、好ましくは110〜130℃である。損失弾性
率G”が1×10 4〜3×104Paを示すときの貯蔵弾
性率G’と損失弾性率G”との比(G”/G’=tan
δ)は0.6〜2.0の範囲であることが好ましく、さ
らに好ましくは0.7〜1.5の範囲である。170℃
における貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”は1×10
2〜1×104Paの範囲であることが好ましく、さらに
好ましくは2×102〜5×103Paの範囲である。1
70℃におけるtanδ170と150℃におけるtan
δ150の比(tanδ170/tanδ150)は1.05〜
1.6の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは
1.15〜1.4の範囲である。
【0048】本発明のトナーにおいては、損失弾性率
G”がそれぞれ3×104Pa,2×104Pa及び1×
104Paを示す温度を規定している。「損失弾性率
G”」は、高分子における粘性すなわち、応力に対する
不可逆な性質を表す指標であり、定着の場面においては
定着装置ニップ部通過時の圧力に対しての変形のしやす
さを表すものである。本発明で規定している損失弾性率
G”が3×104Paより高い領域は、圧力により若干
変形はするが、まだ記録材への接着を開始しない領域で
ある。一方の損失弾性率G”が1×104Paを下回る
領域は、定着装置ニップ部通過時の圧力に対してトナー
の変形が大きすぎて流動が起こるため、高温オフセット
を生じる領域になる。従って、本発明で規定した損失弾
性率G”の値は、定着装置ニップ部通過時の実際にトナ
ーが定着するときのトナーの粘弾性特性と同じ状態を規
定したものであり、それぞれの値における温度は、定着
開始温度、定着可能温度領域に深く関係する。
【0049】損失弾性率G”が3×104Paを示す温
度を90〜115℃、好ましくは95〜110℃とする
ことにより、保存安定性を損なうことなく、十分な低温
定着性を発揮できる。損失弾性率G”が3×104Pa
を示す温度が90℃未満の場合には、トナーの保存安定
性が損なわれることがあり、115℃を超える場合に
は、低温での定着性が不十分となる。
【0050】損失弾性率G”が2×104Paを示す温
度を95〜120℃とすることにより、トナーの軟化速
度を適度に保ち、画像のグロスのコントロール、定着領
域の拡大の基本となる。この損失弾性率G”が2×10
4Paを示す温度が95℃未満の場合には、高温オフセ
ットや定着装置の回転加熱部材と記録材の分離がされに
くく、120℃を超える場合には、低温での定着性が不
十分となる。
【0051】損失弾性率G”が1×104Paを示す温
度を105〜135℃、好ましくは110〜130℃と
することにより、トナーの急激な軟化を抑えることが可
能なため急激に画像のグロスを上昇させることなく、画
像のグロスを定着熱量に応じて自由にコントロール可能
となる。損失弾性率G”が1×104Paを示す温度が
105℃未満である場合には、トナーの急激な軟化が起
こるため定着温度領域が狭く、急激に画像のグロスが高
くなるために低グロスにコントロールすることが難し
く、135℃を超える場合には、トナーが軟化しにくく
なるため低温定着性が不十分となる。
【0052】一方の「貯蔵弾性率G’」は、高分子にお
ける弾性すなわち、応力に対する可逆な性質を表す指標
であり、定着の場面においては定着装置ニップ部通過時
の圧力によるトナーの変形後の復元力を表すものであ
る。これは、定着画像表面の平滑性に大きく影響し、画
像のグロスに深く関係する。
【0053】また、「復元力が高い」ということは、分
子内部の分子自体ののび縮みによる影響が強いことを示
し、軟化したトナーの流動を抑えるため、高温オフセッ
トにも深く関係する。
【0054】本発明で規定した損失弾性率と貯蔵弾性率
の比(G”/G’=tanδ)は、その両者のバランス
を表す指標であり、トナーの定着領域である損失弾性率
G”が1×104〜3×104Paを示す温度領域の損失
弾性率と貯蔵弾性率の比(G”/G’=tanδ)を規
定した意味は、上記のような関係に基づくものである。
【0055】損失弾性率G”が1×104〜3×104
aを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比
(G”/G’=tanδ)が0.6〜2.0の範囲、好
ましくは0.7〜1.5の範囲にあると、損失弾性率と
貯蔵弾性率のバランスが、本発明の目的の一つであるグ
ロスのコントロールに対して非常に優れており、トナー
画像に与える熱量に応じて画像のグロスをコントロール
することが出来る。また、グロス10程度であれば、ト
ナー画像表面は十分に平滑であるため、良好なオーバー
ヘッドプロジェクターシート透過性が得られ、これによ
り、通常オーバーヘッドプロジェクターシートモードで
は定着速度を遅くするか、定着温度を上げるかして対応
するが、定着速度や定着温度を大きく変えることなく十
分なオーバーヘッドプロジェクターシート透過性を得る
ことが可能である。
【0056】トナーの損失弾性率G”が1×104〜3
×104Paを示す温度領域におけるtanδが0.6
未満の場合には、トナーの定着時の粘弾性特性において
粘性に対して弾性が強くなるため、定着装置ニップ部通
過時の圧で一度平滑にされた画像表面が、圧力から開放
された時にトナーの応力に対する復元力により荒れやす
く、グロスの低下、オーバーヘッドプロジェクターシー
ト透過性の悪化が生じやすい。反対に2.0を超える場
合には、トナーの定着時の粘弾性特性において粘性に対
して弾性が弱くなるため、定着時にトナーが溶融した状
態での粘着性が高く、分離性が悪くなる傾向がある。ま
た、定着装置ニップ部通過時の圧力から開放された時に
復元力が現れ難いため、画像表面は平滑なままでグロス
は高くなり易く、低いグロスを得難くなる。
【0057】さらに本発明においては、170℃におけ
る貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”が1×102〜1
×104Paの範囲、好ましくは2×102〜5×103
Paの範囲にあり、170℃におけるtanδ170と1
50℃におけるtanδ150の比(tanδ170/t
anδ150)が1.05〜1.6の範囲にあり、好まし
くは1.15〜1.4の範囲であることが良い。
【0058】この領域の貯蔵弾性率G’及び損失弾性率
G”の値、及び、温度によるtanδの変化のしかたを
制御することで、軟化したトナーの流動性を制御して、
高温オフセットの発生を抑えることが可能となり、画像
のグロスは与える定着熱量に応じて自由にコントロール
可能となる。
【0059】170℃における貯蔵弾性率G’及び損失
弾性率G”のいずれかが、1×10 2Pa未満の場合に
は、高温オフセットが発生しやすくなり、1×104
aを超える場合には、低温での定着性が不十分となり易
い。
【0060】170℃におけるtanδ170と150℃
におけるtanδ150の比(tanδ 170/tan
δ150)が1.05未満の場合には、定着熱量を上げて
もグロスが上昇し難く、1.6を超える場合には、定着
熱量を下げてもグロスが急激に高くなり易いため、低い
グロスの画像を得ることが難しくなる。
【0061】本発明においては、損失弾性率G”が3×
104Paを示すときのtanδの値と、G”が1×1
4Paを示すときのtanδの値との差の絶対値が
0.4未満であることが、定着領域の拡大に対して効果
があり好ましい。
【0062】この値が0.4以上の場合には、非オフセ
ット領域が狭くなる傾向がある。例えば低温で軟化する
樹脂成分の中に低温では軟化しないゲル領域の高分子量
のものがドメインとして少量混在するときなどでは、ト
ナーの損失弾性率G”が3×104Paのときの値と、
G”が1×104Paのときの値との差の絶対値は0.
4以上となり、非オフセット領域が著しく狭くなる。
【0063】さらに、本発明においては、トナーの示差
走査熱量計(DSC)測定による最大吸熱ピークが60
〜135℃にあり、好ましくは60〜125℃、より好
ましくは60〜120℃にあることが良く、同領域に最
大吸熱ピークを有する低融点のワックスを、トナー中に
0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜4.5質量%
含有することで、このトナー中に含有されている特定の
ワックスが、耐高温オフセット性を改良すると共に、定
着装置の回転加熱部材からの定着画像の分離性に対して
顕著に機能して、定着画像の分離性の温度ラチチュード
拡大に対して大きく寄与する。
【0064】トナーの最大吸熱ピークが60℃未満の場
合には、トナーの保存安定性に問題が生じ、135℃を
超える場合には、低温領域で定着装置の回転加熱部材か
らの記録材の分離性が低下して、定着可能温度領域が狭
くなる。
【0065】本発明に使用されるワックスは、トナーの
周波数6.28rad/secで測定される損失弾性率
G”が1×104Paを示す温度において、粘度が5〜
200mPa・sを示すワックスであると、定着時の記
録材の分離性に対してさらに効果が高く、より好ましく
は5〜100mPa・s、さらには5〜50mPa・s
であるとさらにその効果が高い。
【0066】トナーの周波数6.28rad/secで
測定される損失弾性率G”が1×104Paを示す温度
において、ワックスの粘度が5mPa・s未満の場合に
は、トナーが接触する部材の汚染を生じることがあり、
ワックスの粘度が200mPa・sを超える場合には、
特に低温定着時の記録材の分離性に問題が生じ易い。
【0067】トナーにおけるワックスの含有量がトナー
中に0.2質量%未満の場合には、定着時の記録材の分
離性が不十分になり易く、10質量%を超える場合に
は、オーバーヘッドプロジェクターシートの投影画像の
色再現性及び光透過性が低下し易く、さらに、トナー粒
子中でワックスが均一分散している状態で存在している
形態のトナーの場合には、トナー粒子表面に多量のワッ
クスが存在するため、トナーの流動性及び耐ブロッキン
グ性の低下が生じ易くなる。
【0068】さらに、本発明のトナーは、THF可溶分
のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
による分子量分布において、特定の分子量領域にメイン
ピークが存在する分子量分布の幅を大きく広げることに
より、さらに好ましくはトナー中のテトラヒドロフラン
(THF)不溶分の含有量を少量含むことで、定着画像
の自在なグロスコントロールが可能となり、与える定着
熱量に応じて好みの光沢の画像を得ることができる。
【0069】本発明においては、トナーのテトラヒドロ
フラン(THF)不溶分の含有量が、トナーの全樹脂成
分の質量を基準として0乃至25質量%、好ましくは
1.0乃至10.0質量%、さらには2.0乃至7.0
質量%であることが良い。THF不溶分の含有量が25
質量%より多い場合には、定着温度を上げてもグロスは
上昇せず、高グロスの画像が得られなくなる。
【0070】さらに本発明においては、トナーのTHF
可溶分のGPCによる分子量分布において、メインピー
クが分子量2,000乃至30,000の領域、好まし
くは分子量5,000乃至20,000の領域にあり、
重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が
100より大きい、好ましくは105乃至2,000、
さらには110乃至1,500であることが良い。
【0071】メインピークが上記範囲の上限又は下限の
いずれを外れる場合にも、定着画像の自在なグロスコン
トロールが困難となる。
【0072】Mw/Mnが100以下の場合には、定着
画像の自在なグロスコントロールが困難となると共に、
耐高温オフセット性が低下してしまう。
【0073】さらに本発明においては、トナーのTHF
可溶分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)による分子量分布において、分子量1万以下
の成分の含有量(M1)が35乃至55%(好ましくは
35乃至50%)であり、分子量1万超5万以下の成分
の含有量(M2)が30乃至45%(好ましくは30乃
至40%)であり、分子量5万超50万以下の成分の含
有量(M3)が8乃至20%(好ましくは8乃至15
%)であり、分子量50万超の成分の含有量(M4)が
2乃至12%(好ましくは2乃至10%)であり、各含
有量M1、M2、M3及びM4が、下記関係 75%≦M1+M2≦90%(好ましくは75%≦M1
+M2≦85%) M1>M2>M3>M4 を満足するとグロスのコントロールの点でさらに好まし
い。
【0074】分子量1万以下の成分の含有量(M1)が
35%未満の場合には、グロスが高くなり難く、低温定
着性が悪化し、55%を超える場合には、オフセットが
生じ易い。分子量1万超5万以下の成分の含有量(M
2)が30%未満の場合には、低温定着性が悪化し、4
5%を超える場合には、オフセットが生じ易い。分子量
5万超50万以下の成分の含有量(M3)が8%未満の
場合には、温度に対してトナーが急激に軟化するため低
いグロスの画像が得られにくく、また高温での定着分離
性が悪くなり、20%を超える場合には高グロスの画像
が得られにくい。分子量50万超の成分の含有量(M
4)が2%未満の場合には、温度に対してトナーが急激
に軟化するため低いグロスの画像が得られにくく、また
高温で定着分離性が悪くなり、12%を超える場合に
は、オーバーヘッドプロジェクターシート投影画像の色
再現性及び光透過性が低下しやすくなる。
【0075】M1+M2が75%未満の場合には、低温
定着性、グロスコントロール及びオーバーヘッドプロジ
ェクターシート光透過性を十分に向上させることが難し
く、90%を超える場合には、トナーの軟化速度が速す
ぎるため非オフセット領域が狭くなる。
【0076】上述したトナーの特性値に係る測定方法を
以下に示す。
【0077】(トナーの粘弾性測定)本発明において、
トナーの貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”及びtanδ
は、以下に示す方法及び条件により測定した。 ・使用装置:レオメトリックス社製レオメーターRDA
−II型 ・測定治具:直径25mmのパラレルプレート ・測定試料:トナーを直径約25mm,高さ約3mmの
円盤状試料に成型して使用 ・測定温度条件:80〜190℃まで毎分2℃で昇温 ・測定周波数:6.28rad/sec ・測定歪の設定:自動測定モード(初期値を0.1%に
設定) ・試料伸長補正:自動測定モード
【0078】(トナーのTHF不溶分の測定)トナーサ
ンプル0.5〜1.0gを秤量し(W1g)、円筒濾紙
(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレ
ー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mlを用いて
12時間抽出し、THF溶媒によって抽出された可溶分
をエバポレートした後、100℃で一昼夜真空乾燥し、
THF可溶な樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー
中の顔料及びワックスの如き樹脂成分以外の成分の質量
を(W3g)とし、THF不溶分は、下記式から求めら
れる。
【0079】THF不溶分(質量%)=[(W1−W3
−W2)/(W1−W3)]×100
【0080】(トナーのTHF可溶分の分子量分布測
定)上記THF不溶分の測定でソックスレー抽出を行な
ったトナーサンプルのTHF可溶分とTHFとを約5〜
25mg/5mlの濃度比で混合し室温にて数時間放置
のあと十分に振り混ぜ、更に一昼夜静置する。その後、
サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.4〜0.5μ
m、例えば、マイショリディスクH−25−5東ソー社
製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス
ジャパン社製等)を透過させたものを測定サンブルとし
て用いる。
【0081】GPC測定装置においては、40℃のヒー
トチャンバー中でカラムを安定させ、この温度における
カラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、
THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料
の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布
を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成され
た検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例え
ば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が10
2〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標
準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器に
はRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムとして
は、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わ
せるのが良く、例えば、昭和電工社製のshodex
GPC KF−801、802、803、804、80
5、806、807及び800Pの組み合わせや、東ソ
ー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G20
00H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H
(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H
(HXL)、G7000H(HXL)、及びTSK gua
rd columnの組み合わせを挙げることができ
る。
【0082】GPCの測定において、高分子量側はべー
スラインからクロマトグラムが立ち上がり開始点から測
定を始め低分子量側・分子量約400までを分子量の算
出範囲とした。測定装置は、GPC−150C(ウォー
ターズ社)を用いた。
【0083】本発明トナーに使用される結着樹脂として
は、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。
【0084】本発明においては、この中でもポリエステ
ル樹脂及びスチレン系共重合体が好ましく用いられる。
【0085】本発明において、結着樹脂としてポリエス
テル樹脂を用いる場合には、定着性に優れ、カラートナ
ーに適している。特に、ポリオール成分としての下記一
般式(A)
【0086】
【化1】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,
yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均
値は0〜10である。)に示されるビスフェノール誘導
体と、2価以上のカルボン酸、その酸無水物、又は、そ
の低級アルキルエステルから選択されるポリカルボン酸
成分(例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸など)とを共縮重合したポリエステル樹脂が、カラ
ートナーとして、良好な帯電特性を有するので好まし
い。
【0087】さらに、このポリエステル樹脂は、ポリオ
ール成分とポリカルボン酸成分との共縮合時に、3価以
上のポリカルボン酸及び/又は3価以上のポリアルコー
ルを有する組成物を合成した非線状ポリエステル樹脂で
あることが好ましい。
【0088】さらに本発明においては、上記の非線状ポ
リエステル樹脂と組み合せて有機金属化合物を含有して
いることが、上述した特定の粘弾性特性、特定のTHF
不溶分量及び特定のGPCによる分子量分布を有する本
発明のトナーを製造できる点で好ましい。
【0089】一般に有機金属化合物は、ポリエステルの
末端極性基と結合し、金属架橋することが知られてい
る。ポリマー中でこの架橋度合いをコントロールする手
段として本発明者らは、立体障害性のあるソフトセグメ
ントとしての炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を有するポリカルボン酸成分及び/又は
ポリアルコール成分と、金属架橋の反応確率の高い成分
である3価以上のポリカルボン酸との組成物中での含有
量を規定することが、特にフルカラー画像の定着時に要
求される定着画像のグロスコントロール及び耐オフセッ
ト性との高度な両立に重要であることを見出した。
【0090】本発明において、非線状ポリエステル樹脂
を合成するためのポリカルボン酸成分とポリアルコール
成分とを有する組成物は、少なくとも(a)3価以上の
ポリカルボン酸成分、及び(b)炭素数5〜30の飽和
もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリカルボ
ン酸成分及び/又は炭素数5〜30の飽和もしくは不飽
和の脂肪族炭化水素基を有するポリアルコール成分を有
しており、この組成物中の3価以上の多価カルボン酸成
分の含有量Amol%と、炭素数5〜30の飽和もしく
は不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリカルボン酸成
分及び炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭
化水素基を有するポリアルコール成分の総含有量Bmo
l%とが、下記関係 0.5≦A≦10 5≦B≦30 2≦B/A≦10 を満足していることが好ましく、より好ましくは下記関
係 1.5≦A≦6.5 10≦B≦25 2≦B/A≦10 を満足していることが良い。
【0091】組成物中の3価以上のポリカルボン酸成分
の含有量が0.5mol%未満の場合には、樹脂重合時
の架橋反応、あるいはトナー化時の有機金属化合物との
架橋反応が良好に進行せず、損失弾性率G”が1×10
4〜3×104Paを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾
性率G”との比(G”/G’=tanδ)が2.0以上
となりやすいため、非オフセット領域を広げることが難
しくなる。また、それを抑えるために高分子量の樹脂を
使用すると、低温での定着特性が低下しやすくなる。
【0092】さらに、10mol%を超える場合には、
樹脂重合時の架橋反応、あるいはトナー化時の有機金属
化合物との架橋反応が促進し非オフセット領域は広がる
が、損失弾性率G”が1×104〜3×104Paを示す
ときの貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(G”/
G’=tanδ)が0.6以上となりやすいため、カラ
ー画像に求められるグロスが低下し、定着温度を上げて
も高いグロスは得られにくくなる。また、オーバーヘッ
ドプロジェクターシート光透過性も低下し、低温定着性
も低下する。
【0093】組成物中の3価以上のポリカルボン酸成分
の含有量(Amol%)と、炭素数5〜30の飽和もし
くは不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリカルボン酸
成分及び炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族
炭化水素基を有するポリアルコール成分の総含有量(B
mol%)との比(B/A)が2未満の場合には、樹脂
重合時の架橋反応、あるいはトナー化時の有機金属化合
物との架橋反応により非オフセット領域は広がるが、損
失弾性率G”が1×104〜3×104Paを示すときの
貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(G”/G’=
tanδ)が0.6以上となりやすいため、カラー画像
に求められるグロスが低下し、定着温度を上げても高い
グロスは得られにくくなる。また、オーバーヘッドプロ
ジェクターシート光透過性も低下し、低温定着性も低下
する。
【0094】反対に10を超える場合には、ソフトセグ
メントとしての炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の
脂肪族炭化水素基を有する成分の立体障害により、架橋
性が低下し、損失弾性率G”が1×104〜3×104
aを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比
(G”/G’=tanδ)が2.0以上となりやすく、
非オフセット領域を広げることが難しい。
【0095】組成物中の炭素数5〜30の飽和もしくは
不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリカルボン酸成分
及び炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化
水素基を有するポリアルコール成分の総含有量(Bmo
l%)が、5mol%未満である場合、樹脂重合時の架
橋反応、あるいはトナー化時の有機金属化合物との架橋
反応により非オフセット領域は広がるが、損失弾性率
G”が1×104〜3×104Paを示すときの貯蔵弾性
率G’と損失弾性率G”との比(G”/G’=tan
δ)が0.6以上となりやすいため、カラー画像に求め
られるグロスが低下し、定着温度を上げても高いグロス
は得られにくくなる。また、オーバーヘッドプロジェク
ターシート光透過性も低下し、低温定着性も低下する。
【0096】反対に30を超える場合には、ソフトセグ
メントとしての炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の
脂肪族炭化水素基を有する成分の立体障害により、架橋
性が低下し、損失弾性率G”が1×104〜3×104
aを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比
(G”/G’=tanδ)が2.0以上となりやすく、
非オフセット領域を広げることが難しい。
【0097】さらに、本発明においては、組成物中の3
価以上の多価カルボン酸成分含有量Amol%と、トナ
ー中の有機金属化合物の含有量C質量%とが下記関係 0.2≦C≦10 2≦A×C≦50 を満足していることが好ましく、より好ましくは下記関
係 0.5≦C≦7 3≦A×C≦25 を満足していることが、中グロス領域での温度安定性を
発揮することから良い。
【0098】トナー中の有機金属化合物の含有量が0.
2質量%未満の場合には、有機金属化合物による架橋反
応が良好に進行せず、損失弾性率G”が1×104〜3
×104Paを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾性率
G”との比(G”/G’=tanδ)が2.0以上とな
りやすいため、非オフセット領域を広げることが難しく
なる。また、それを抑えるために高分子量の樹脂を使用
すると、低温での定着特性が低下しやすくなる。
【0099】さらに、10質量%を超える場合には、有
機金属化合物との架橋反応が促進し非オフセット領域は
広がるが、損失弾性率G”が1×104〜3×104Pa
を示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比
(G”/G’=tanδ)が0.6以上となりやすいた
め、カラー画像に求められるグロスが低下し、定着温度
を上げても高いグロスは得られにくくなる。また、オー
バーヘッドプロジェクターシート光透過性も低下し、低
温定着性も低下する。
【0100】組成物中の3価以上のポリカルボン酸成分
の含有量(Amol%)と、トナー中の有機金属化合物
の含有量(C質量%)との積(A×C)が2未満の場合
には、架橋性が低下し、損失弾性率G”が1×104
3×104Paを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾性
率G”との比(G”/G’=tanδ)が2.0以上と
なりやすいため、非オフセット領域を広げることが難し
くなる。また、それを抑えるために高分子量の樹脂を使
用すると、低温での定着特性が低下しやすくなる。
【0101】さらに、50を超える場合には、有機金属
化合物との架橋反応が促進し非オフセット領域は広がる
が、損失弾性率G”が1×104〜3×104Paを示す
ときの貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(G”/
G’=tanδ)が0.6以上となりやすいため、カラ
ー画像に求められるグロスが低下し、定着温度を上げて
も高いグロスは得られにくくなる。また、オーバーヘッ
ドプロジェクターシート光透過性も低下し、低温定着性
も低下する。
【0102】本発明に用いられる有機金属化合物として
は、有機金属錯体、金属塩、金属錯塩及びキレート化合
物が挙げられ、例えばモノアゾ金属錯体、アセチルアセ
トン金属錯体、サルチル酸金属錯体、アルキルサルチル
酸金属錯体、ジアルキルサルチル酸金属錯体、オキシナ
フトエ酸金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポ
リカルボン酸金属錯体及びカルボン酸の金属塩などが挙
げられる。有機金属錯体、金属塩、金属錯塩及びキレー
ト化合物を構成する金属イオンとしては、クロム、鉄、
亜鉛、アルミニウム及びジルコニウム等が挙げられ、特
に、鉄、アルミニウム又はジルコニウムが、上述したト
ナーの粘弾性コントロールが容易に行なえるという点で
好ましい。
【0103】さらに有機金属化合物としては、黒トナー
に用いる場合には、無色・有色を問わず使用可能である
が、カラートナーに用いる場合には、トナーの色調に影
響を与えない無色または淡色のものが好ましい。従って
カラートナーにおいては、有機金属錯体、金属塩、金属
錯塩及びキレート化合物を構成する金属イオンとして
は、アルミニウム又はジルコニウムが好ましく用いら
れ、特にトナーの摩擦帯電性を考慮した場合には、アル
ミニウムが好ましい。
【0104】特に好ましい有機金属化合物の例として
は、アルミニウム又はジルコニウムからなるグループか
ら選択される金属と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキ
シカルボン酸、芳香族モノカルボン酸又は芳香族ポリカ
ルボン酸からなるグループから選択される芳香族化合物
とが配位又は/及び結合している有機金属化合物であ
り、この有機金属化合物は、上述したトナーの粘弾性コ
ントロール及びカラートナー画像の色調の目的をより高
度に達成可能であることから好ましく、特に、有機アル
ミニウム化合物が、さらにカラートナーの摩擦帯電性を
より安定にできることから最も好ましい。
【0105】この特に好ましい有機金属化合物として具
体的には、 (i)金属元素としてアルミニウム及びジルコニウムか
らなるグループから選択される金属を有し、配位子とし
て芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳
香族ポリカルボン酸を配位している金属錯体; (ii)金属元素としてアルミニウム及びジルコニウム
からなるグループから選択される金属を有し、配位子と
して芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は
芳香族ポリカルボン酸を配位している金属錯塩; (iii)金属イオンとしてアルミニウム及びジルコニ
ウムからなるグループから選択される金属の金属イオン
を有し、酸イオンとして芳香族カルボン酸イオン、芳香
族ヒドロキシカルボン酸イオン又は芳香族ポリカルボン
酸イオンを有しているカルボン酸金属塩;が挙げられ
る。
【0106】金属錯体及び金属錯塩の如き金属錯化合物
においては、配位子として芳香族ジオール、芳香族ヒド
ロキシカルボン酸又は芳香族ポリカルボン酸を2〜4個
キレート形成しているものが好ましく、金属錯塩におい
ては、芳香族カルボン酸イオン、芳香族ヒドロキシカル
ボン酸イオン又は芳香族ポリカルボン酸イオンを1〜4
個有しているものが好ましく、更には2〜3個有してい
るものが好ましい。また、キレート形成数の異なる錯
体,錯塩あるいは配位子の異なる錯体,錯塩であっても
良い。また、酸イオンの数の異なる塩の混合物であって
も良い。
【0107】具体的には、下記式(II)で表される化
合物が挙げられる。
【0108】
【化2】
【0109】本発明においては、アルミ及びジルコニウ
ムからなるグループから選択される金属と、芳香族ジオ
ール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボ
ン酸又は芳香族ポリカルボン酸を香族化合物とが配位又
は/及び結合している有機金属化合物と、(a)3価以
上のポリカルボン酸成分、及び(b)炭素数5〜30の
飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリカ
ルボン酸成分及び/又はポリアルコール成分を有する組
成物を共縮合して得られる非線状ポリエステル樹脂を金
属架橋させて用いることが、定着領域の拡大、さらには
グロスコントロールの点で好ましい。
【0110】この溶融混練時の架橋反応は、分子鎖の端
末の多い非線状ポリエステル樹脂の末端のカルボキシル
基や水酸基の如き官能基が金属化合物における金属を介
した配位結合やイオン結合により施される。これにより
樹脂成分は3次元の網目構造となるが、配位結合やイオ
ン結合であるためその結合はそれほど強固ではなく、オ
フセット防止に有効でありながら低温定着性にすぐれ、
さらにはグロスをある程度高い領域でコントロール可能
とするために有効に働いている。
【0111】また、配位結合やイオン結合によるそれほ
ど強固でない3次元の網目構造はワックスの分散と、定
着時の染み出し速度のコントロールに関しても、有効に
作用している。
【0112】本発明においては、これら有機金属化合物
と従来の技術で述べたような公知の電荷制御剤とを組み
合わせて使用することもできる。
【0113】本発明において、トナーの結着樹脂として
用いるポリエステル樹脂は、酸価が1乃至40mgKO
H/gであることが好ましく、より好ましくは2乃至3
0mgKOH/gであることが良い。
【0114】ポリエステル樹脂の酸価が1mgKOH/
g未満の場合には、有機金属化合物との相互作用による
現像安定性及び耐久安定効果を十分に発揮しきれなかっ
たり、有機金属化合物の分散不良に伴うワックスの分散
性の低下により、低温定着性が十分にならず、40mg
KOH/gを超える場合には、吸湿性が強くなり、画像
濃度が低下し、カブリが生じ易くなる。
【0115】本発明において、樹脂の酸価は、以下の方
法により求める。
【0116】(酸価の測定)基本操作はJIS K−0
070に準ずる。 1)試料は予め重合体成分以外の添加物を除去して使用
するか、重合体以外の成分の酸価、含有量を予め求めて
おく。試料の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、重
合体成分の重さW(g)とする。 2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン
/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え
溶解する。 3)0.1規定のKOHのメタノール溶液を用いて、電
位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式
会社製の電位差滴定装置AT−400(win−wor
kstation)とABP−410電動ビュレットを
用いての自動滴定が利用できる。) 4)この時のKOH溶液の使用量S(ml)とし、同時
にブランクを測定しこの時のKOH溶液の使用量をB
(ml)とする。 5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクタ
ーである。
【0117】酸価(mgKOH/g)=((S−B)×
f×5.61)/W
【0118】本発明に用いられる3価以上のポリカルボ
ン酸単量体としては、1,2,4−ベンゼントリカルボ
ン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,
4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフ
タレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカ
ルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,
2,5−ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカ
ルボキシ)メタン、1,3−ジカルボキシル−2−メチ
ル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8
−オクタンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸、これ
らの酸無水物または低級アルキルエステル等が挙げられ
る。
【0119】また、本発明に好ましく用いられるポリエ
ステル樹脂の構成成分としての炭素数5〜30の飽和も
しくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する単量体として
は、ポリエステル樹脂の骨格にブランチ化されて導入さ
れる飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する単
量体であることが必要であり、炭素数5〜30の飽和も
しくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する単量体である
ことが好ましい。
【0120】炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を有する成分は、ポリエステル樹脂を構
成する2価及び3価以上のモノマーのいずれかに炭素数
5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有
するものであればよいが、炭素数5〜30の飽和もしく
は不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分で置換された
脂肪族ジカルボン酸類及び/又は炭素数5〜30の飽和
もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分で置換
された脂肪族ジオール類の単量体であることがより好ま
しい。
【0121】炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を有する成分で置換された脂肪族ジカル
ボン酸類単量体としては、炭素数5〜30のアルキル基
又はアルケニル基で置換されたこはく酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸
類又はその無水物が好ましく、特に、ドデセニルこはく
酸、オクチルこはく酸及びその無水物が好ましい。
【0122】炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を有する成分で置換された脂肪族ジオー
ル類単量体としては、n−ドデセニルエチレングリコー
ル、n−ドデセニルトリエチレングリコール等が挙げら
れる。
【0123】また、本発明に好ましく用いられるポリエ
ステル樹脂の他の構成成分としては、炭素数5〜30の
飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分を
有さない2価の酸成分、2価及び/又は3価以上のアル
コール成分が用いられる。
【0124】2価の酸成分としては、フタル酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジ
カルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエス
テル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物又はそ
の低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シト
ラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又は
その無水物又はその低級アルキルエステル等が挙げられ
る。
【0125】また、2価のアルコール成分としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また
式(イ)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0126】
【化3】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及び
yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均
値は0〜10である。)
【0127】また式(ロ)で示されるジオール類;
【0128】
【化4】 (式中、R’はエチレン又はプロピレン基であり、x’
及びy’はそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x’+
y’の平均値は0〜10である。)等のジオール類が挙
げられる。
【0129】これらのうち少なくともプロポキシ化及び
/又はエトキシ化したエーテル化ビスフェノールを用い
ることが好ましい。
【0130】脂肪族ジオールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレン
グリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ
る。
【0131】更に、本発明に用い得る3価以上のアルコ
ール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,
6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタ
エリスリトール、ショ糖、1,2,4−メンタトリオー
ル、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−
メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリ
ヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0132】本発明のトナーに好ましく用いられるポリ
エステル樹脂は、他の樹脂と本発明に悪影響の無い程度
での併用が可能である。
【0133】ポリエステル樹脂と併用できる他の樹脂と
しては、例えば、ポリスチレン,ポリ−p−クロルスチ
レン,ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置
換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合
体,スチレン−ビニルトルエン共重合体,スチレン−ビ
ニルナフタリン共重合体,スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体,スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体,スチレン−アクリロニトリル共重合体,スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体,スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−イ
ソプレン共重合体,スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル,フェノール樹脂,天然変性フェノール樹脂,天然樹
脂変性マレイン酸樹脂,アクリル樹脂,メタクリル樹
脂,ポリ酢酸ビニル,シリコーン樹脂,ポリエステル樹
脂,ポリウレタン,ポリアミド樹脂,フラン樹脂,エポ
キシ樹脂,キシレン樹脂,ポリビニルブチラール,テル
ペン樹脂,クマロンインデン樹脂,石油系樹脂などが使
用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共重
合体がある。
【0134】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸,アク
リル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,
アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸
−2−エチルヘキシル,アクリル酸フェニル,メタクリ
ル酸,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタ
クリル酸ブチル,メタクリル酸オクチル,アクリロニト
リル,メタクリニトリル,アクリルアミドなどのような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸,マレイン酸ブチル,マレイン酸メ
チル,マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有す
るジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル,
酢酸ビニル,安息香酸ビニルなどのようなビニルエステ
ル類;例えばエチレン,プロピレン,ブチレンなどのよ
うなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケト
ン,ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン
類;例えばビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテ
ル,ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエー
テル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用い
られる。
【0135】本発明のトナーは、保存性の観点から、ガ
ラス転移温度(Tg)が45〜75℃、好ましくは50
〜70℃であることが好ましい。トナーのTgが45℃
未満の場合には、高温雰囲気下でトナーが劣化し易く、
また、定着時にオフセットが発生し易くなり、75℃を
超える場合には、定着性が低下する傾向にある。
【0136】本発明において、上述した通り、定着時に
おける転写材の巻付きを防止し、さらにはオフセット現
象を防止するためにトナーに含有させる示差走査熱量計
(DSC)測定による最大吸熱ピークが60〜135℃
にあるワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレン、酸化処理されたポリエチ
レン及びポリプロピレン、酸変成処理されたポリエチレ
ン及びポリプロピレンの如きポリオレフィンワックス及
びその誘導体;パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及
びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水
素ワックス及びその誘導体;キャンデリラワックス、カ
ルナウバワックスの如き天然ワックス及びその誘導体;
ライスワックス、木ろう、ホホバ油の如き植物系ワック
ス類及びその誘導体;みつろう、ラノリン、鯨ロウなど
の動物系ワックス類及びその誘導体;モンタンワック
ス、オゾケライトの如き鉱物系ワックス類及びその誘導
体;硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸ア
ミド、フェノール脂肪酸エステルの如き油脂系ワックス
類及びその誘導体が挙げられる。誘導体には、酸化物、
ビニル系モノマーとのブロック共重合物及びグラフト変
性物が含まれる。
【0137】さらに、ステアリン酸、パルミチン酸など
の高級脂肪酸及びその金属塩、その他のような公知の離
型剤化合物を用いることができる。これらの化合物は、
単独で用いてもよく、あるいは2種類もしくはそれ以上
の化合物を混合して用いてもよい。
【0138】それらの中でも、特に定着時における転写
材の巻付きを防止する効果に対しては、トナーの周波数
6.28rad/secで測定される損失弾性率G”が
1×104Paを示す温度において、粘度が5〜200
mPa・sであるワックスが好ましく、さらには5〜1
00mPa・sであると、より好ましい。
【0139】定着時における転写材の巻付きを防止する
ためには、定着ニップ部を通過する際、トナーが軟化・
変形するとき、すなわちトナーのG”が1×104Pa
のときにワックスが溶融してトナー表面から定着加熱部
材表面に供給されることが重要である。このときの粘度
を上記範囲に規定することで、定着加熱部材表面とトナ
ー画像との離型性がより発揮される。粘度が5mPa・
s未満ではトナーの保存性に問題が生じ、一方の200
mPa・s超では定着分離性が著しく低下するため、定
着分離が可能な温度範囲が狭くなる。ここでの粘度測定
条件は次の通りである。
【0140】(粘度測定条件)ハーケ社製 VT500
を使用し、センサーとしてPK10.5°を用い、測定
温度を融点〜160℃の間で、10℃間隔の各温度にて
シェアレートを6000(1/sec)に設定して測定
した。
【0141】トナーの周波数6.28rad/secで
測定される損失弾性率G”=1×104Paを示す温度
においての粘度は、このデータを片対数グラフ上にプロ
ットし、トナーの周波数6.28rad/secで測定
される損失弾性率G”=1×104Paを示す温度での
値を読み取ったものである。
【0142】また、本発明で用いるワックスは、示差走
査熱量計(DSC)測定による最大吸熱ピークを60℃
乃至125℃に有するワックスを用いることが、低温定
着特性において好ましく、さらには60℃乃至120℃
に有するワックスがより好ましい。
【0143】このようなワックスとしては、例えば、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペ
トロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;モ
ンタンワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシ
ュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチ
レンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導
体;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天
然ワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール;ス
テアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸、あるいはその
化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及
びその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックス;が挙
げられる。誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとの
ブロック共重合物、グラフト変性物が含まれる。
【0144】これらの中でも、ポリオレフィンもしくは
フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスもし
くは石油系ワックスで示差走査熱量計(DSC)測定に
よる最大吸熱ピークを60℃乃至120℃に有する化合
物が、低温定着性及び離型性に優れているため本発明に
おいては好ましく用いられ、特に好ましくはポリエチレ
ンワックスが用いられる。
【0145】さらに本発明で用いるワックスはDSC曲
線における昇温時のオンセット温度が55〜105℃に
あることが好ましい。このようなワックスを用いること
により、低温定着性に優れ、かつ保存性に優れたトナー
を得ることができる。
【0146】オンセット温度が55℃未満のものは、比
較的低温からトナー粒子表面にワックス成分がしみ出し
やすいため保存性が劣り、昇温に対して現像性の劣化を
生じやすく、105℃を超える場合には、トナーが軟化
・変形を開始する状態でトナーから定着加熱部材表面に
ワックスが供給されず、耐巻付き性や定着性が劣るよう
になる。ここでの最大吸熱ピーク及びオンセット温度
は、以下の方法に従ったものである。
【0147】(トナー、ワックスのDSC最大吸熱ピー
ク及びオンセット温度の測定)トナー及びワックスのD
SC曲線における最大吸熱ピーク温度及びオンセット温
度は、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線から
得ることができる。例えば、測定装置としては、パーキ
ンエルマー社製のDSC−7が使用できる。本発明で
は、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC−
7(パーキンエルマー社製)を用いて、ASTM D3
418−82に準じて測定した。測定試料は、2〜10
mgの範囲内で正確に秤量し、これをアルミパン中に入
れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温
度範囲20〜200℃の間で、昇温速度10℃/min
で、常温常湿下で測定を行ったときの値を用いた。 ・最大吸熱ピーク:昇温時の吸熱曲線における最大ピー
クトップ ・オンセット温度:昇温時の吸熱曲線の微分値が最大と
なる点における曲線の接線とベースラインの交点の温度
【0148】本発明で用いられるワックスは、GPC測
定による分子量分布において、数平均分子量(Mn)が
好ましくは200〜2000、より好ましくはMn30
0〜1000であり、重量平均分子量(Mw)が好まし
くは200〜2500、より好ましくは300〜120
0であり、Mw/Mnが好ましくは2以下、より好まし
くは1.5以下であることが良い。
【0149】ワックスが上記範囲の分子量分布を持つこ
とにより、トナーに好ましい熱特性をもたせることがで
きる。すなわち、上記範囲よりMn又はMwが小さくな
ると、熱的影響を過度に受けやすく、耐ブロッキング性
と現像性に劣るようになり、上記範囲よりMn又はMw
が大きくなると、外部からの熱を効果的に利用できず、
優れた定着性と耐オフセット性を得ることができにく
い。また、Mw/Mnが2より大きくなると、分子量分
布が広いために溶融挙動が熱に対してシャープでなくな
り、良好な定着性と耐オフセット性を共に満足する領域
が得られ難くなる。
【0150】本発明に使用されるワックスの分子量分布
は以下の方法により測定することができる。
【0151】(GPC測定条件) 装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1,0ml/min 試料:0,15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリエステル標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0152】本発明に用いられる有彩色の着色剤として
は、従来公知の着色剤が適用できるが、シアントナーは
銅フタロシアニン系の有機顔料を含有しており、マゼン
タトナーはキナクリドン系の有機顔料を含有しており、
イエロートナーはジアラリード系の有機顔料を含有して
いる場合、良好な帯電性、良好なトナーの流動性、及び
良好な分光反射特性が得られるので好ましい。
【0153】銅フタロシアニン系の有機顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15;15:1;15:2;
15:3;15:4が挙げられる。さらに式(ハ)で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換したフタロシアニン顔料が挙げ
られる。他の置換基のついた銅フタロシアニン系の顔料
であっても良い。
【0154】
【化5】
【0155】その含有量としては、結着樹脂100質量
部に対して0.1〜12質量部であり、好ましくは0.
5〜10質量部、より好ましくは1〜8質量部が良い。
12質量部を上回るとシアントナーの彩度、明度が低下
し、色再現能力が低下する。
【0156】キナクリドン系の有機顔料としては、C.
I.ピグメントレッド122が好ましく、C.I.ピグ
メントレッド192,202,206,207,209
も好ましい。さらにC.I.ピグメントバイオレット1
9も好ましい。C.I.ピグメントレッド122をベー
ス顔料として、他の着色剤と併用しても良い。その際用
いられる顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,
2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,
13,14,15,16,17,18,19,21,2
2,23,30,31,32,37,38,39,4
0,41,48,49,50,51,52,53,5
4,55,57,58,60,63,64,68,8
1,83,87,88,89,90,112,114,
123,146,150,163,184,185,2
38;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.
バットレッド1,2,10,13,15,23,29,
35等が挙げられる。キサンテン系染料に代表される様
な染料を一部併用しても良い。
【0157】その含有量は結着樹脂100質量部に対し
て、0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜12質
量部、より好ましくは1〜10質量部である。他の染顔
料と併用する場合であっても、他の染顔料は、キナクリ
ドン系顔料100質量部に対して50質量部以下、好ま
しくは25質量部以下が良い。
【0158】ジアラリード系の有機顔料としては、C.
I.ピグメントイエロー12,13,14,17,8
1,106,113が好ましく、さらに、C.I.ピグ
メントイエロー55,63,83,87,90,11
4,121,124,126,127,136,15
2,170,171,172,174,176,188
であっても良い。
【0159】さらに、C.I.ピグメントイエロー1
2,13,14,17,81をベース顔料として、他の
イエロー着色剤と併用しても良く、イエロー系の染料と
一部併用しても特に何ら構ない。
【0160】その含有量は、結着樹脂100質量部に対
して0.1〜12質量部であり、好ましくは0.5〜1
0質量部、より好ましくは1〜8質量部が良い。
【0161】本発明に用いられる黒色着色剤としては、
カーボンブラック、または上記のイエロー着色剤/マゼ
ンタ着色剤/シアン着色剤を混合して黒色に調色された
ものが利用される。
【0162】本発明においては、黒トナーとして磁性体
を着色剤として含有する磁性トナーを用いることもでき
る。
【0163】磁性体としては、マグネタイト,マグヘマ
タイト,フェライト等の酸化鉄;鉄,コバルト,ニッケ
ルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム,
コバルト,銅,鉛,マグネシウム,マンガン,セレン,
チタン,タングステン,バナジウムのような金属の合金
及びその混合物が用いられ、その磁性体表面あるいは内
部に非鉄元素を含有するものが好ましい。
【0164】本発明に用いられる磁性体は、異種元素を
含有するマグネタイト,マグヘマイト,フェライト等の
磁性酸化鉄及びその混合物が好ましく用いられる。
【0165】中でもリチウム,ベリリウム,ボロン,マ
グネシウム,アルミニウム,シリコン,リン,ゲルマニ
ウム,チタン,ジルコニウム,錫,鉛,亜鉛,カルシウ
ム,バリウム,スカンジウム,バナジウム,クロム,マ
ンガン,コバルト,銅,ニッケル,ガリウム,カドミウ
ム,インジウム,銀,パラジウム,金,水銀,白金,タ
ングステン,モリブデン,ニオブ,オスミウム,ストロ
ンチウム,イットリウム,テクネチウム,ルテニウム,
ロジウム,ビスマスから選ばれる少なくとも一つ以上の
元素を含有する磁性酸化鉄であることが好ましい。特に
リチウム,ベリリウム,ボロン,マグネシウム,アルミ
ニウム,シリコン,リン,ゲルマニウム,ジルコニウ
ム,錫,第4周期の遷移金属元素が好ましい元素であ
る。これらの元素は酸化鉄結晶格子の中に取り込まれて
も良いし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれても良い
し、表面に酸化物あるいは水酸化物として存在しても良
い。また、酸化物として含有されているのが好ましい形
態である。
【0166】また、これらの磁性体は粒度分布が揃い、
その結着樹脂への分散性とあいまって、トナーの帯電性
を安定化することができる。また近年はトナー粒径の小
径化が進んでおり、重量平均粒径10μm以下のような
場合でも、帯電均一性が促進され、トナーの凝集性も軽
減され、画像濃度の向上,カブリの改善等現像性が向上
する。特に重量平均粒径6.0μm以下のトナーにおい
てはその効果は顕著であり、きわめて高精細な画像が得
られる。重量平均粒径は2.5μm以上である方が十分
な画像濃度が得られて好ましい。
【0167】これらの異種元素の含有率は磁性酸化鉄の
鉄元素を基準として0.05〜10質量%であることが
好ましい。更に好ましくは0.1〜7質量%であり、特
に好ましくは0.2〜5質量%、更には0.3〜4質量
%である。0.05質量%より少ないと、これら元素の
含有効果が得られなく、良好な分散性,帯電均一性が得
られなくなる。また、10質量%より多くなると、電荷
の放出が多くなり帯電不足を生じ、画像濃度の低下や、
カブリの増加を生じることがある。
【0168】また、これら異種元素の含有分布におい
て、磁性体の表面に近い方に多く存在しているものが好
ましい。例えば、酸化鉄の鉄元素溶解率が20質量%ま
でに存在する異種元素の含有量Bと該磁性酸化鉄の異種
元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が40%以
上であることが好ましい。さらには40〜80%が好ま
しく60〜80%が特に好ましい。表面存在量を多くす
ることにより分散効果や電気的拡散効果をより向上させ
ることができる。また、トナー中に含有される量として
は樹脂成分100質量部に対して、20〜200質量
部、特に好ましくは樹脂成分100質量部に対して40
〜150質量部がさらに良い。
【0169】さらに、本発明で使用される磁性酸化鉄の
球形度(Ψ)が0.8以上であることが好ましい。球形
度(Ψ)が0.8より小さい場合には磁性酸化鉄の個々
の粒子が、面と面で接触する形となり、粒径0.1〜
1.0μm付近の小さな磁性酸化鉄粒子では機械的せん
断力をもってしても容易に磁性酸化鉄同士を引き離すこ
とができず、そのためトナー中への磁性酸化鉄の分散が
十分に行えない場合がある。
【0170】また、場合により、本発明の磁性トナーに
用いる磁性酸化鉄は、シランカップリング剤、チタンカ
ップリング剤、チタネート、アミノシラン等で処理して
も良い。
【0171】本発明の磁性酸化鉄中の元素量は、蛍光X
線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業(株)
社製)を使用し、JIS K0119蛍光X線分析通則
に従って、蛍光X線分析を行うことにより測定した。元
素分布については、塩酸溶解しながらの元素量をプラズ
マ発光分光(ICP)により測定定量し、各元素の全溶
時の濃度に対する各溶解時の各元素濃度からその溶解率
を求めた。
【0172】磁性酸化鉄の球形度(Ψ)は、電子顕微鏡
(日立製作所H−700H)でコロジオン膜銅メッシュ
に処理した磁性酸化鉄の試料を用いて、加電圧100K
Vにて、10,000倍で撮影し、焼きつけ倍率3倍と
して、最終倍率30,000倍とする。これによって、
形状の観察を行い、各粒子の最大長(μm)及び最小長
(μm)を計測しランダムに100個を選び出し次式に
従って計算し次いで計算値を平均したものである。
【0173】本発明のトナーには、必要に応じて、滑剤
としての脂肪族金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸アルミ)、フッ素系重合体微粉末(例えばポリ
テトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド
及びテトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド
共重合体の微粉末)、あるいは、酸化スズ及び酸化亜鉛
の如き導電性付与剤を添加してもよい。
【0174】また、本発明のトナーには、無機微粉体ま
たは疎水性無機微粉体が混合されることが好ましい。例
えば、シリカ微粉末、アルミナ微粉末、酸化チタン微粉
末を添加して用いることが好ましい。
【0175】本発明に用いられるシリカ微粉体は、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆ
る乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ
及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両
方が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノール
基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好まし
い。
【0176】さらに本発明に用いるシリカ微粉体等は疎
水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するに
は、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ
素化合物などで化学的に処理することによって付与され
る。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸
気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカ
ップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリン
グ剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケ
イ素化合物で処理する方法が挙げられる。
【0177】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロ
ルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブ
ロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルト
リクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、
クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシラ
ンメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリ
オルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキ
シシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが
挙げられる。
【0178】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ30〜1,000mP
a・sのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルス
チレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコー
ンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ましい。
【0179】シリコーンオイル処理の方法は、例えばシ
ランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコ
ーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて
直接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコー
ンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当
な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた
後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して
作成しても良い。
【0180】本発明中のトナーには、必要に応じてシリ
カ微粉体以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0181】例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性
付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、
滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子で
ある。
【0182】例えばテフロン(登録商標),ステアリン
酸亜鉛,ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗
化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム,炭化ケ
イ素,チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタ
ン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタ
ン,酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎
水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例え
ばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化
スズ等の導電性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒
色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもでき
る。
【0183】トナーと混合される無機微粉体または疎水
性無機微粉体は、トナー100質量部に対して0.1〜
5質量部(好ましくは、0.1〜3質量部)使用するの
が良い。
【0184】本発明に係る現像用トナーを作製するに
は、上述したようなトナー構成材料をボールミル、ヘン
シェルミキサー等の混合機により十分混合した後、熱ロ
ールニーダー,エクストルーダーの熱混練機を用いてよ
く混練し、冷却固化後、機械的な粉砕、分級によってト
ナーを得る方法が好ましく、本発明に係るトナーを製造
することができる。
【0185】例えば混合機としては、ヘンシェルミキサ
ー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社
製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキ
サー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワ
ミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工
社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げら
れ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社
製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型
押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本
製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本
ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製
作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加
圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バン
バリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機
としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェッ
ト、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミ
ル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社
製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマ
ックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・
オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎
重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)が挙げら
れ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッ
シファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシ
ン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エンジ
ニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレッ
クス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン
社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパ
ージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);
YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒
などをふるい分けるために用いられる篩い装置として
は、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシー
ブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニ
ックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工
業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミ
クロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げ
られる。
【0186】本発明トナーを二成分系現像剤として使用
される場合、キャリアとしては、例えば表面酸化または
未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガ
ン、クロム及び希土類の如き磁性金属、それらの磁性合
金、それらの磁性酸化物及びそれらの磁性フェライトか
らなるグループから選択される磁性粒子が挙げられる。
さらには、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型の
キャリアも用いることができる。
【0187】キャリアは、上記の磁性粒子のキャリアコ
アの表面を被覆材で被覆した被覆キャリアを用いること
が好ましい。この被覆キャリアにおいて、キャリアコア
の表面を被覆材で被覆する方法としては、被覆材を溶剤
中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアコアに付
着せしめる方法、あるいは単に粉体状態で混合する方法
が適用できる。
【0188】キャリアコアの被覆材としては、ポリテト
ラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン
重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリ
エステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
アミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹
脂が挙げられる。これらは、単独或は複数で用いるのが
適当である。
【0189】上記材料の処理量は、適宜決定すれば良い
が、一般には総量でキャリアに対し0.1〜30質量%
(好ましくは0.5〜20質量%)が好ましい。
【0190】本発明に用いられるキャリアは、平均粒径
が好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜
70μmであることが良い。
【0191】キャリアの平均粒径が10μm未満の場合
には、二成分系現像剤のパッキングが強まり、トナーと
キャリアとの混合性が低下し、トナーの帯電性が安定し
にくくなり、さらにキャリアの感光体ドラム表面への付
着が生じやすくなる。
【0192】キャリアの平均粒径が100μmを超える
場合には、トナーとの接触機会が減ることから、低帯電
量のトナーが混在し、カブリが発生しやすくなる。さら
にトナー飛散が生じやすい傾向にあるため二成分系現像
剤中のトナー濃度の設定を低めにする必要があり、高画
像濃度の画像形成ができなくなることがある。
【0193】特に好ましいキャリアとしては、磁性フェ
ライトコア粒子の如き磁性コア粒子の表面をシリコーン
樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂
及びメタクリレート系樹脂の如き樹脂を、好ましくは
0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%
をコーティングし、250メッシュパス・400メッシ
ュオンのキャリア粒子を70質量%以上含有し、かつ上
記平均粒径を有するように粒度分布を調整した磁性キャ
リアであるものが挙げられる。
【0194】上記磁性コートキャリアは粒径分布がシャ
ープな場合、本発明のカラートナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0195】カラートナーとキャリアとを混合して二成
分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中の
トナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは3〜1
3質量%、より好ましくは4〜10質量%にすると通常
良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では
画像濃度が低くなりやすく、15質量%を超える場合で
はカブリや機内飛散が生じやすく、現像剤の耐用寿命が
短くなる傾向がある。
【0196】次に、本発明で用いる電磁誘導加熱方式の
定着装置の一例を、図を用いて説明する。
【0197】図3は本例定着装置100の要部の横断側
面模式図、図4は要部の正面模式図、図5は要部の縦断
正面模式図である。
【0198】本例装置100は円筒状の電磁誘導発熱性
ベルトを用いた、加圧ローラ駆動方式、電磁誘導加熱方
式の装置である。
【0199】磁場発生手段は磁性コア17a・17b・
17c及び励磁コイル18からなる。
【0200】磁性コア17a・17b・17cは高透磁
率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったト
ランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましくは
100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いる
のがよい。
【0201】励磁コイル18には給電部18a・18b
に励磁回路27(図6)を接続してある。この励磁回路
27は20kHzから500kHzの高周波をスイッチ
ング電源で発生できるようになっている。
【0202】励磁コイル18は励磁回路27から供給さ
れる交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生す
る。
【0203】16a,16bは横断面略半円弧状樋型の
ベルトガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わせ
て略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱ベ
ルトである定着ベルト10をルーズに外嵌させてある。
【0204】前記ベルトガイド部材16aは、磁場発生
手段としての磁性コア17a・17b・17cと励磁コ
イル18を内側に保持している。
【0205】また、ベルトガイド部材16aには、図5
に示すように紙面垂直方向長手の良熱伝導部材40がニ
ップ部Nの加圧ローラ30との対向西側で、定着ベルト
10の内側に配設してある。
【0206】本例においては、良熱伝導性部材40にア
ルミニウムを用いている。前記良熱伝導部材40は熱伝
導率kがk=240[W・m-1・K-1]であり、厚さ1
[mm]である。
【0207】また、良熱伝導部材40は、磁場発生手段
である励磁コイル18と磁性コア17a・17b・17
cから発生する磁場の影響を受けないように、この磁場
の外に配設してある。
【0208】具体的には、良熱伝導部材40を励磁コイ
ル18に対して磁性コア17cを隔てた位置に配設し、
励磁コイル18による磁路の外側に位置させて良熱伝導
体40に影響を与えないようにしている。
【0209】22はベルトガイド部材16bの内面平面
部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイであ
る。
【0210】19は磁性コア17a・17b・17c及
び励磁コイル18と加圧用剛性ステイ22の間を絶縁す
るための絶縁部材である。
【0211】フランジ部材23a・23bは、ベルトガ
イド部材16a,16bのアセンブリの左右両端部に外
嵌し、前記左右位置を固定しつつ回転自在に取り付け、
定着ベルト10の回転時に前記定着ベルト10の端部を
受けて定着ベルトのベルトガイド部材長手に沿う寄り移
動を規制する役目をする。
【0212】加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金
30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被
覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂な
どの耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、芯金
30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回
転自由に軸受け保持させて配設してある。
【0213】加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャ
ーシ側のバネ受け部材29a・29bとの間に、それぞ
れ加圧バネ25a・25bを縮設することで加圧用構成
ステイ22に押し下げ力を作用させている。これにより
ベルトガイド部材16aの下面と加圧ローラ30の上面
とが定着ベルト10を挟んで圧接して所定幅の定着ニッ
プ部Nが形成される。
【0214】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回
転駆動による前記加圧ローラ30と定着ベルト10の外
面との摩擦力で定着ベルト10に回転力が作用し、前記
定着ベルト10が、その内面が定着ニップNにおいて良
熱伝導部材40の下面に密着して摺動しながら矢示の時
計方向に加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周
速度をもって、ベルトガイド部材16a,16bの外回
りを回転状態になる。
【0215】この場合、定着ニップ部Nにおける良熱伝
導部材40の下面と定着ベルト10の内面との相互摺動
摩擦力を低減化させるために、定着ニップ部Nの良熱伝
導部材40の下面と定着ベルト10の内面との間に耐熱
性グリスなどの潤滑剤を介在させる、あるいは良熱伝導
性部材40の下面を潤滑部材で被覆することもできる。
これは、良熱伝導部材40としてアルミニウムを用いた
場合のように表面滑り性が材質的によくない或いは仕上
げ加工を簡素化した場合に、摺動する定着ベルト10に
傷をつけて定着ベルト10の耐久性が悪化してしまうこ
とを防ぐものである。
【0216】良熱伝導部材40は長手方向の温度分布を
均一にする効果があり、例えば、小サイズ紙を通紙した
場合、定着ベルト10での非通紙部の熱量が、良熱伝導
部材40へ伝熱し、良熱伝導部材40における長手方向
の熱伝導により、非通紙部の熱量が小サイズ紙通紙部へ
伝熱される。これにより、小サイズ紙通紙時の消費電力
を低減させる効果も得られる。
【0217】磁性コア17a・17b・17cに導かれ
た交番磁束は、磁性コア17aと磁性コア17bとの
間、そして磁性コア17aと磁性コア17cとの間にお
いて定着ベルト10の電磁誘導発熱層1に渦電流を発生
させる。この渦電流は、電磁誘導発熱層1の固有抵抗に
よって電磁誘導発熱層1にジュール熱(渦電流損)を発
生させる。
【0218】この定着ニップ部Nの温度は、不図示の温
度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する
電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるよ
うに温調される。26は定着ベルト10の温度を検知す
るサーミスタなどの温度センサであり、本例においては
温度センサ26で測定した定着ベルト10の温度情報を
もとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしてい
る。
【0219】定着ベルト10が回転し、励磁回路27か
ら励磁コイル18への給電により上記のように定着ベル
ト10の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定
の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形
成手段部から搬送された未定着トナー画像t1が形成さ
れた記録材Pが定着ニップ部Nの定着ベルト10と加圧
ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定着ベルト面
に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が
定着ベルト10の外面に密着して定着ベルト10と一緒
に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニッ
プ部Nを定着ベルト10と一緒に記録材Pが挟持搬送さ
れていく過程において定着ベルト10の電磁誘導発熱で
加熱されて記録材P上の未定着トナー画像t1が加熱定
着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると回転
定着ベルト10の外面から分離して排出搬送されてい
く。記録材上の加熱定着トナー画像t2は定着ニップ部
通過後、冷却して永久固着像となる。
【0220】本例では定着装置にオフセット防止のため
のオイル塗布機構を設けていないが、必要に応じてオイ
ル塗布機構を設けてもよい。
【0221】A)励磁コイル18 励磁コイル18は、コイル(線輪)を構成させる導線
(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅
製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複
数回巻いて励磁コイルを形成している。本例では10タ
ーン巻いて励磁コイル18を形成している。
【0222】絶縁被覆は、定着ベルト10の発熱による
熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよ
い。たとえば、アミドイミドやポリイミドなどの被覆を
用いるとよい。
【0223】励磁コイル18は外部から圧力を加えて密
集度を向上させてもよい。
【0224】励磁コイル18の形状は、図3のように発
熱層の曲面に沿うようにしている。本例では定着ベルト
の発熱層と励磁コイル18との間の距離は略2mmにな
るように設定した。
【0225】励磁コイル保持部材19の材質としては絶
縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェノ
ール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹
脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹
脂、LCP樹脂などを選択するとよい。
【0226】磁性コア17a,17b,17c及び励磁
コイル18と、定着ベルトの発熱層の間の距離はできる
限り近づけた方が磁束の吸収効率が高いのであるが、こ
の距離が5mmを超えるとこの効率が著しく低下するた
め5mm以内にするのがよい。また、5mm以内であれ
ば定着ベルト10の発熱層と励磁コイル18の距離が一
定である必要はない。
【0227】励磁コイル18の励磁コイル保持部材19
からの引出線、すなわち18a・18b(図5)につい
ては、励磁コイル保持部材19から外の部分について束
線の外側に絶縁被覆を施している。
【0228】B)定着ベルト10 図7は本例における定着ベルト10の層構成模式図であ
る。本例の定着ベルト10は、電磁誘導発熱性の定着ベ
ルト10の基層となる金属ベルト等でできた発熱層1
と、その外面に積層した弾性層2と、その外面に積層し
た離型層3の複合構造のものである。発熱層1と弾性層
2との間の接着、弾性層2と離型層3との間の接着のた
め、各層間にプライマー層(不図示)を設けてもよい。
略円筒形状である定着ベルト10において発熱層1が内
面側であり、離型層3が外面側である。前述したよう
に、発熱層1に交番磁束が作用することで前記発熱層1
に渦電流が発生して前記発熱層1が発熱する。その熱が
弾性層2・離型層3を介して定着ベルト10を加熱し、
前記定着ニップNに通紙される被加熱材としての記録材
Pを加熱してトナー画像の加熱定着がなされる。
【0229】a.発熱層1 発熱層1はニッケル、鉄、強磁性SUS、ニッケル−コ
バルト合金といった強磁性体の金属を用いるとよい。
【0230】非磁性の金属でも良いが、より好ましくは
磁束の吸収の良いニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバ
ルト−ニッケル合金等の金属が良い。
【0231】b.弾性層2 弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシ
リコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質で
ある。
【0232】弾性層2の硬度は、硬度が高すぎると記録
材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラ
が発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度としては6
0°(JIS−A)以下、より好ましくは45°(JI
S−A)以下がよい。
【0233】弾性層2の熱伝導率λに関しては、 2.5×10-3〜8.2×10-3[J/cm・sec・
deg.] がよい。
【0234】熱伝導率λが2.5×10-3[J/cm・
sec・deg.]よりも小さい場合には、熱抵抗が大
きく、定着ベルトの表層(離型層3)における温度上昇
が遅くなる。
【0235】熱伝導率λが8.2×10-3[J/cm・
sec・deg.]よりも大きい場合には、硬度が高く
なりすぎたり、圧縮永久歪みが悪化する。
【0236】よって熱伝導率λは2.5×10-3〜8.
2×10-3[J/cm・sec・deg.]がよい。よ
り好ましくは3.3×10-3〜6.3×10-3[J/c
m・sec・deg.]がよい。
【0237】c.離型層3 離型層3はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリ
コーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、P
TFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択
することができる。
【0238】d、断熱層4 また、定着ベルト10構成において、図8に示すように
発熱層1のベルトガイド面側(発熱層1の弾性層2とは
反対面側)に断熱層4を設けてもよい。
【0239】断熱層4としては、フッ素樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PE
EK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PT
FE樹脂、FEP樹脂などの耐熱樹脂がよい。
【0240】また、断熱層4の厚さとしては10〜10
00μmが好ましい。断熱層4の厚さが10μmよりも
小さい場合には断熱効果が得られず、また、耐久性も不
足する。一方、1000μmを超えると磁性コア17a
・17b・17c及び励磁コイル18から発熱層1の距
離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収されなく
なる。
【0241】断熱層4は、発熱層1に発生した熱が定着
ベルトの内側に向かわないように断熱できるので、断熱
層4がない場合と比較して記録材P側への熱供給効率が
良くなる。よって、消費電力を抑えることができる。
【0242】
【実施例】以上本発明の基本的な構成と特色について述
べたが、以下実施例により具体的に説明する。しかしな
がら、これによって本発明の実施の態様が何ら限定され
るものではない。尚、以下の配合における部数は、全て
質量部である。
【0243】(樹脂製造例I)実施例に用いられるポリ
エステル樹脂を、表1に記載のモノマー組成で脱水縮合
法により合成した。得られたポリエステル樹脂の物性を
表2に示す。
【0244】
【表1】
【0245】
【表2】
【0246】 <実施例1> ・ポリエステル樹脂a 90部 ・銅フタロシアニン顔料 4部 (C.I.Pigment Blue15:3) ・ポリエチレンワックス 2部 (最大吸熱ピーク102℃、Mn;670、Mw/Mn;1.35) ・ジルコニウム化合物(A) 4部 上記材料のうち顔料は樹脂中にプレ分散させた。これら
をヘンシェルミキサーで混合した後、120℃に設定し
た二軸混練押出機にて溶融混練した。
【0247】得られた混練物を冷却後、カッターミルで
粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉
砕し、さらに得られた微粉砕品をコアンダ効果を利用し
た多分割分級装置で分級して、重量平均粒径6.5μm
のトナー粒子Aを得た。
【0248】得られたトナー粒子A100部に対し、ヘ
キサメチルジシラザン10部とジメチルシリコーンオイ
ル10部で疎水化処理したメタノールウエッタビリティ
80%,BET比表面積120m2/gの疎水性シリカ
微粉体1.0部と、イソブチルトリメトキシシラン20
部で処理を行なったメタノールウエッタビリティ70
%,BET比表面積200m2/gの疎水性γアルミナ
微粉体0.6部とを添加してヘンシェルミキサーで外添
混合してシアントナーAを調製した。表3にそのトナー
の処方を示し、表4にトナー物性を示す。また、このト
ナーのG’曲線、G”曲線及びtanδの曲線を図1
に、分子量分布を図2に示した。
【0249】このシアントナーAを、スチレン−メタク
リル酸メチル(共重合体質量比65:35)を約0.3
5%コーティングした平均粒径45μmのCu−Zn−
Fe系フェライトキャリアと、トナー濃度6.0%にな
るように混合し二成分現像剤Aとした。
【0250】この二成分現像剤Aを、市販のフルカラー
複写機(カラーレーザーコピア800:キヤノン社製)
に用い、転写紙(キヤノンPPC用紙オフィスリーダー
A4;64g/m2)及びオーバーヘッドプロジェクタ
ーシート上に、トナー載量0.7〜0.8mg/cm2
で、先端余白5mm,幅200×長さ150mmの均一
なベタの未定着トナー画像を形成した。
【0251】定着試験は、オイル塗布手段を有していな
い、回転加熱部材としてベルトを用いた図3に示すよう
な定着装置を、紙送り速度、定着温度が調整できるよう
にし、スイッチを入れてからベルト表面が設定温度に達
すると同時に給紙を開始し、通紙が終わると加熱を停止
させる装置を備えた外部定着装置を作製して用いた。
【0252】定着装置構成は以下に示す。
【0253】 定着ベルト;図8に示す4層構造 発熱層;ニッケル(厚さ10μm) 弾性層;シリコーンゴム(厚さ200μm) 離型層;PFA樹脂(厚さ20μm) 断熱層;ポリイミド樹脂(厚さ300μm) 加圧ローラー;φ40mm,表層PFA(パーフロロアルコキシエチレン) ニップ幅;9mm 面圧;3×105N/m2
【0254】この定着装置を180℃,紙送り速度を2
80mm/secに設定し、室温から立ちあげたとこ
ろ、約3秒で設定温度に達した。
【0255】先に作成した未定着画像を上記の条件で通
過させたところ、全く問題無く通過してグロス14の良
好な定着画像が得られた。次に紙送り速度を140mm
/secに変更して同様に行なったところ、全く問題無
くグロス27の良好な定着画像が得られた。さらに紙送
り速度を100mm/secに変更し、オーバーヘッド
プロジェクターシート上に作成した未定着画像で同様に
行なったところ、全く問題無くグロス51のオーバーヘ
ッドプロジェクターシート画像が得られ、この画像は離
型オイルに起因するべたつき感は全く感じられなかっ
た。得られたオーバーヘッドプロジェクターシートは色
再現性、透過性とも優れていた。
【0256】トナーAの高温保存性は全く問題なかっ
た。
【0257】<実施例2〜7>表3に記載の処方で実施
例1と同様にして、表4に示すトナーB〜Gを作製し、
同様の試験をした結果を表5に示す(但し、混練温度、
軸回転数、パトル構成等の混練条件はトナー処方によっ
て変更した)。
【0258】<比較例1〜6>表3に記載の処方で実施
例1と同様にして、表4に示すトナーH〜Mを作製し、
同様の試験をした結果を表5に示す。但し、トナーI
は、実施例1のシアン顔料をカーボンブラックに変更し
て、ブラックトナーとした。
【0259】
【表3】
【0260】
【化6】
【0261】
【化7】
【0262】
【表4】
【0263】
【表5】
【0264】以下、本発明のトナー評価方法・評価基準
に関して記載する。
【0265】(1)トナー高温保存性 トナーを100ccポリカップに約5グラム入れ、50
℃環境に2週間放置して評価した。 A:全く変化しない B:粉体流動性がやや劣る C:粉体流動性が著しく劣る D:固まりが発生する
【0266】(2)分離性 A:すべての条件で全く問題無く分離できる。 B:すべての条件で分離できるが、やや巻付きそうな気
配がある。 C:ある条件では巻付きが発生する。 D:すべての条件で巻付きが発生する。
【0267】(3)定着性 温度180℃,紙送り速度280mm/secで定着し
た画像に対し4.9kPa(50g/cm2)の荷重を
かけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後で
の画像濃度の平均低下率(%)で以下の基準により評価
した。 A:平均濃度低下率1%未満 B:平均濃度低下率5%未満 C:平均濃度低下率10%未満 D:平均濃度低下率10%以上
【0268】(4)グロス ハンディ光沢度計グロスメーターPG−3D(東京電色
工業社製)を用いて、光の入射角75°の条件で測定し
た。
【0269】(5)耐オフセット性 A:全くオフセットが発生しない。 B:ごく軽微に発生するが実用上問題無いレベル。 C:目立って発生し、実用として最低レベル。 D:著しく発生し、実用不可なレベル。
【0270】(6)オーバーヘッドプロジェクターシー
ト画像透明性 温度180℃,紙送り速度100mm/secで定着し
たオーバーヘッドプロジェクターシート画像をオーバー
ヘッドプロジェクター(OHP)に投影し評価した。 A:透明性、色再現性に優れ、明暗ムラ、オフセットが
全くない。 B:明暗ムラが若干あるが、実用上問題無いレベル。 C:明暗ムラがあり、色再現性に乏しく実用として最低
レベル。 D:ほとんど透過せず色の判別が不可能で、実用不可な
レベル。
【0271】<実施例8>実施例1で用いた定着装置
を、加熱部材の定着面にシリコーンオイルを含浸させた
パッドを当接させて、加熱部材の定着面から記録材のト
ナー画像定着面に供給されるシリコーンオイルの塗布量
が、記録材の単位面積当たり3×10-8g/cm2以下
になるように改造した定着装置を用いて、実施例1と同
様に定着試験を行なったところ、実施例1とほぼ同等の
良好な結果が得られた。
【0272】実施例1と同様にオーバーヘッドプロジェ
クターシート評価も行なったが、結果は実施例1とほぼ
同等の良好な結果が得られ、得られたオーバーヘッドプ
ロジェクターシート画像は離型オイルに起因するべたつ
き感はほとんど感じられず、全く問題無いレベルであっ
た。
【0273】<比較例7>実施例8で用いた定着装置
を、加熱部材の定着面から記録材のトナー画像定着面に
供給されるシリコーンオイルの塗布量が、記録材の単位
面積当たり5×10 -6〜5×10-7g/cm2の範囲に
なるように改造した定着装置を用いて、比較例1で用い
たトナーHを用いて同様の定着試験を行なったところ、
すべての条件で巻き付きとオフセットの発生はなかった
が、得られたオーバーヘッドプロジェクターシート画像
は離型オイルに起因するべたつき感が不快に感じられ
た。
【0274】さらに、オーバーヘッドプロジェクター
(OHP)に投影してみたところ、色再現性、透過性と
も優れていた。
【0275】(樹脂製造例II)実施例に用いられるポ
リエステル樹脂を、表6に記載のモノマー組成で脱水縮
合法により合成した。得られたポリエステル樹脂の物性
を表7に示す。
【0276】
【表6】
【0277】
【表7】
【0278】 <実施例9> ・ポリエステル樹脂i 45部 ・ポリエステル樹脂j 45部 ・銅フタロシアニン顔料 4部 (C.I.Pigment Blue 15:3) ・ポリエチレンワックス 2部 (最大吸熱ピーク102℃、Mn;670、Mw/Mn;1.35) ・ジルコニウム化合物(A) 4部 上記材料を用い、実施例1と同様の方法により重量平均
粒径6.7μmのトナー粒子Qを得た。得られたトナー
粒子Q100部に対し、ヘキサメチルジシラザン10部
とジメチルシリコーンオイル10部で疎水化処理したメ
タノールウエッタビリティ80%,BET比表面積12
0m2/gの疎水性シリカ微粉体0.4部と、イソブチ
ルトリメトキシシラン20部で処理を行なったメタノー
ルウエッタビリティ70%,BET比表面積200m2
/gの疎水性γアルミナ微粉体0.8部とを添加してヘ
ンシェルミキサーで外添混合してシアントナーQを調製
した。表8にそのトナーの処方を示し、表9にトナー物
性を示す。
【0279】このシアントナーQを用い、実施例1と同
様の定着試験を行った結果、実施例1と同様に良好な結
果が得られた。
【0280】<実施例10〜14>表8に記載の処方で
実施例1と同様にして、表9に示すトナーR〜Vを作製
し、実施例1と同様の試験をした結果を表10に示す
(但し、混練温度、軸回転数、パドル構成等の混練条件
はトナー処方によって変更した)。
【0281】<比較例8>表8に記載の処方で実施例1
と同様にして、表9に示すトナーWを作製し、実施例1
と同様の試験をした結果を表10に示す(但し、混練温
度、軸回転数、パトル構成等の混練条件はトナー処方に
よって変更した)。
【0282】
【表8】
【0283】
【表9】
【0284】
【表10】
【0285】
【発明の効果】本発明によれば、クイックスタート性、
省エネルギーを達成し、かつ、フルカラー化、高速化に
対応可能な定着方法を実現できる。
【0286】さらに低温定着性、耐オフセット性を十分
に満足し、さらにオーバーヘッドプロジェクターシート
での色再現・透過性を満足し、シリコーンオイル等によ
るオーバーヘッドプロジェクターシート表面のべたつき
がない定着画像を得ることができる定着方法を実現でき
る。
【0287】さらには、フルカラー画像のグロスを自由
にコントロール可能とし、幅広いグロスのレンジをカバ
ーできる定着方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のトナーの貯蔵弾性率(G’)曲線、
損失弾性率(G”)曲線、及びtanδの曲線を示す図
である。
【図2】実施例1のトナーの分子量分布を示す図であ
る。
【図3】本発明の定着方法を実施し得る電磁誘導定着装
置の例を示す主要部の断面概略図である。
【図4】図3の正面図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】磁場発生手段と励磁回路の関係を示した図であ
る。
【図7】本発明の定着方法を実施し得る電磁誘導発熱性
の定着ベルトの層構成模型図である。
【図8】本発明の定着方法を実施し得る他の電磁誘導発
熱性の定着ベルトの層構成模型図である。
【符号の説明】
1 発熱層 2 弾性層 3 離型層 4 断熱層 10 定着ベルト 16a,b ベルトガイド 17a,17b,17c 磁性コア 18 励磁コイル 19 励磁コイル保持部材 22 加圧用ステイ 23a・23b 定着ベルト端部の規制・保持用フラン
ジ部材 25a,25b 加圧バネ部材 26 温度検知素子(サーミスタ) 27 励磁回路 30 回転加熱部材(加圧ローラ) 30a 芯金 30b 耐熱性弾性層 40 良熱伝導性部材 M 駆動手段 N ニップ P 記録材 t1 未定着画像 t2 定着画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 104 G03G 9/08 344 107 361 (72)発明者 唐木 由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小川 吉寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 CA08 CA14 CA22 CA25 DA01 EA03 EA06 EA07 EA10 2H033 AA09 AA10 AA11 AA20 AA30 AA32 AA47 BA42 BA43 BA46 BA58 BB04 BB15 BB33 BB37 BE06

Claims (77)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)磁場発生手段と、(II)電磁誘
    導により発熱する発熱層、弾性層および離型層を少なく
    とも有する回転加熱部材と、(III)該回転加熱部材
    とニップを形成している回転加圧部材とを少なくとも有
    する加熱加圧手段を使用し、該回転加熱部材を、記録材
    を介して該回転加圧部材を押圧しながら、該記録材上の
    トナー画像を加熱加圧定着して記録材に定着画像を形成
    する定着方法において、 該トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを
    含有するトナーであり、 該トナーの示差走査熱量計(DSC)測定による最大吸
    熱ピークが60〜135℃にあり、 該トナーの周波数6.28rad/secで測定される
    粘弾性特性において、損失弾性率G”が3×104Pa
    を示す温度が90〜115℃、損失弾性率G”が2×1
    4Paを示す温度が95〜120℃、損失弾性率G”
    が1×104Paを示す温度が105〜135℃である
    ことを特徴とする定着方法。
  2. 【請求項2】 該トナーの周波数6.28rad/se
    cで測定される粘弾性特性において、損失弾性率G”が
    1×104〜3×104Paを示すときの貯蔵弾性率G’
    と損失弾性率G”との比(G”/G’=tanδ)が
    0.6〜2.0の範囲であることを特徴とする請求項1
    に記載の定着方法。
  3. 【請求項3】 該トナーの周波数6.28rad/se
    cで測定される粘弾性特性において、170℃における
    貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”が1×102〜1×
    104Paの範囲にあることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の定着方法。
  4. 【請求項4】 該トナーの周波数6.28rad/se
    cで測定される粘弾性特性において、170℃における
    tanδ170と150℃におけるtanδ150の比(ta
    nδ170/tanδ150)が1.05〜1.6の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    定着方法。
  5. 【請求項5】 該トナーのTHF可溶分は、ゲルパーミ
    エーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量
    分布において、メインピークが分子量2,000〜3
    0,000の領域にあり、重量平均分子量と数平均分子
    量との比(Mw/Mn)が100より大きいことを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着方法。
  6. 【請求項6】 該回転加熱部材の発熱層の厚さが1〜2
    00μm、弾性層の厚さが10〜500μm、離型層の
    厚さが1〜100μmであり、該回転加熱部材と回転加
    圧部材により形成されるニップ幅が5〜15mmであ
    り、且つ、該回転加熱部材を、記録材を介して面圧9×
    103〜5×105N/m2で該回転加圧部材を押圧しな
    がら定着スピード300mm/秒以下の条件でトナー画
    像を加熱加圧定着することを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載の定着方法。
  7. 【請求項7】 該記録材への該トナー画像の定着時に、
    該定着部材から該記録材のトナー画像の定着面に供給さ
    れるシリコーンオイルの記録材単位面積当たりの塗布量
    が0〜1×10-7g/cm2であることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかに記載の定着方法。
  8. 【請求項8】 該記録材への該トナー画像の定着時に、
    該定着部材から該記録材にシリコーンオイルを供給せず
    に定着を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の定着方法。
  9. 【請求項9】 該トナーのTHF不溶分の含有量が、ト
    ナーの全樹脂成分の質量を基準として0〜25質量%で
    あることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載
    の定着方法。
  10. 【請求項10】 該トナーのTHF不溶分の含有量が、
    トナーの全樹脂成分の質量を基準として1〜10.0質
    量%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    に記載の定着方法。
  11. 【請求項11】 該トナーのTHF可溶分は、GPCに
    よる分子量分布において、重量平均分子量と数平均分子
    量との比(Mw/Mn)が105〜2,000であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の定
    着方法。
  12. 【請求項12】 該トナーのTHF可溶分は、GPCに
    よる分子量分布において、分子量1万以下の成分の含有
    量(M1)が35〜55%であり、分子量1万超5万以
    下の成分の含有量(M2)が30〜45%であり、分子
    量5万超50万以下の成分の含有量(M3)が8〜20
    %であり、分子量50万超の成分の含有量(M4)が2
    〜12%であることを特徴とする請求項1乃至11のい
    ずれかに記載の定着方法。
  13. 【請求項13】 該トナーのTHF可溶分の、GPCに
    よる分子量分布において、分子量1万以下の成分の含有
    量(M1)、分子量1万超5万以下の成分の含有量(M
    2)、分子量5万超50万以下の成分の含有量(M
    3)、及び分子量50万超の成分の含有量(M4)が下
    記関係 75%≦M1+M2≦90% M1>M2>M3>M4 を満足することを特徴とする請求項1乃至12のいずれ
    かに記載の定着方法。
  14. 【請求項14】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、170℃におけ
    るtanδ170と150℃におけるtanδ1 50の比(t
    anδ170/tanδ150)が1.15〜1.4の範囲で
    あることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記
    載の定着方法。
  15. 【請求項15】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、損失弾性率G”
    が1×104Paを示す温度が110〜130℃である
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の
    定着方法。
  16. 【請求項16】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、損失弾性率G”
    が3×104Paを示す温度が95〜110℃であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の定
    着方法。
  17. 【請求項17】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、損失弾性率G”
    が1×104〜3×104Paを示すときの貯蔵弾性率
    G’と損失弾性率G”との比(G”/G’=tanδ)
    が0.7〜1.5の範囲であることを特徴とする請求項
    1乃至16のいずれかに記載の定着方法。
  18. 【請求項18】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、損失弾性率G”
    が3×104Paを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾
    性率G”との比(G”/G’=tanδ)の値と、G”
    が1×104Paを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾
    性率G”との比(G”/G’=tanδ)の値との差の
    絶対値が0.4未満であることを特徴とする請求項1乃
    至17のいずれかに記載の定着方法。
  19. 【請求項19】 該トナーは、DSC測定による最大吸
    熱ピークが60〜125℃にあることを特徴とする請求
    項1乃至18のいずれかに記載の定着方法。
  20. 【請求項20】 該トナーは、DSC測定による最大吸
    熱ピークが60〜120℃にあることを特徴とする請求
    項1乃至19のいずれかに記載の定着方法。
  21. 【請求項21】 該ワックスの粘度が、該トナーの周波
    数6.28rad/secで測定される損失弾性率G”
    が1×104Paを示す温度において、5乃至200m
    Pa・sであることを特徴とする請求項1乃至20のい
    ずれかに記載の定着方法。
  22. 【請求項22】 該ワックスは、GPCによる分子量分
    布において、重量平均分子量と数平均分子量との比(M
    w/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とする請
    求項1乃至21のいずれかに記載の定着方法。
  23. 【請求項23】 該ワックスは、GPCによる分子量分
    布において、数平均分子量(Mn)が200〜2000
    であり、重量平均分子量(Mw)が200〜2500で
    あることを特徴とする請求項22に記載の定着方法。
  24. 【請求項24】 該ワックスは、炭化水素系ワックスを
    有することを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに
    記載の定着方法。
  25. 【請求項25】 該ワックスは、ポリエチレンワックス
    を有することを特徴とする請求項1乃至23のいずれか
    に記載の定着方法。
  26. 【請求項26】 該ワックスは、トナー中に0.2〜1
    0質量%含有されていることを特徴とする請求項1乃至
    25のいずれかに記載の定着方法。
  27. 【請求項27】 該ワックスは、トナー中に0.5〜
    4.5質量%含有されていることを特徴とする請求項1
    乃至25のいずれかに記載の定着方法。
  28. 【請求項28】 該トナーは、有機金属化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載
    の定着方法。
  29. 【請求項29】 該結着樹脂は、非線状ポリエステル樹
    脂を有しており、 該非線状ポリエステル樹脂を合成するためのポリカルボ
    ン酸成分とポリアルコール成分とを有する組成物は、少
    なくとも(a)3価以上のポリカルボン酸成分、及び
    (b)炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭
    化水素基を有するポリカルボン酸成分及び/又は炭素数
    5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有
    するポリアルコール成分を有しており、該組成物中の該
    3価以上の多価カルボン酸成分の含有量Amol%と、
    炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素
    基を有するポリカルボン酸成分及び炭素数5〜30の飽
    和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリアル
    コール成分の総含有量Bmol%とが、下記関係 0.5≦A≦10 5≦B≦30 2≦B/A≦10 を満足していることを特徴とする請求項1乃至28のい
    ずれかに記載の定着方法。
  30. 【請求項30】 該トナーは、有機金属化合物を含有し
    ており、 該樹脂組成物中の3価以上の多価カルボン酸成分の含有
    量Amol%と、該トナー中の有機金属化合物の含有量
    C質量%とが下記関係 0.2≦C≦10 2≦A×C≦50 を満足していることを特徴とする請求項1乃至29のい
    ずれかに記載の定着方法。
  31. 【請求項31】 該炭素数5〜30の飽和もしくは不飽
    和の脂肪族炭化水素基は、ポリエステル樹脂の骨格にブ
    ランチ化されて導入されていることを特徴とする請求項
    29又は30に記載の定着方法。
  32. 【請求項32】 該有機金属化合物は、モノアゾ金属錯
    体、アセチルアセトン金属錯体、サルチル酸金属錯体、
    アルキルサルチル酸金属錯体、ジアルキルサルチル酸金
    属錯体、オキシナフトエ酸金属錯体、ヒドロキシカルボ
    ン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体及びカルボン酸
    の金属塩からなるグループから選択される金属化合物で
    あることを特徴とする請求項28乃至31のいずれかに
    記載の定着方法。
  33. 【請求項33】 該有機金属化合物は、アルミニウム及
    びジルコニウムからなるグループから選択される金属
    と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳
    香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなる
    グループから選択される芳香族化合物とが、配位又は/
    及び結合している有機金属化合物であることを特徴とす
    る請求項28乃至31のいずれかに記載の定着方法。
  34. 【請求項34】 該結着樹脂は、酸価が1〜40mgK
    OH/gであることを特徴とする請求項1乃至33のい
    ずれかに記載の定着方法。
  35. 【請求項35】 該トナーは、着色剤として染料又は顔
    料を含有するカラートナーであることを特徴とする請求
    項1乃至34のいずれかに記載の定着方法。
  36. 【請求項36】 該トナー画像は、シアントナー、マゼ
    ンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーを組み
    合せて形成されている多色カラートナー画像であり、該
    多色カラートナー画像を該記録材に定着してフルカラー
    画像を形成する定着方法であり、 該シアントナー、該マゼンタトナー、該イエロートナー
    及び該ブラックトナーからなるグループから選択される
    少なくとも1種のカラートナーは、該カラートナーであ
    ることを特徴とする請求項35に記載の定着方法。
  37. 【請求項37】 該カラートナーは、シアン着色剤を含
    有するシアントナーであることを特徴とする請求項36
    に記載の定着方法。
  38. 【請求項38】 該カラートナーは、マゼンタ着色剤を
    含有するマゼンタトナーであることを特徴とする請求項
    36に記載の定着方法。
  39. 【請求項39】 該カラートナーは、イエロー着色剤を
    含有するイエロートナーであることを特徴とする請求項
    36に記載の定着方法。
  40. 【請求項40】 該カラートナーは、ブラック着色剤を
    含有するブラックトナーであることを特徴とする請求項
    36に記載の定着方法。
  41. 【請求項41】 (I)磁場発生手段と、(II)電磁
    誘導により発熱する発熱層、弾性層および離型層を少な
    くとも有する回転加熱部材と、(III)該回転加熱部
    材とニップを形成している回転加圧部材とを少なくとも
    有する加熱加圧手段を使用し、該回転加熱部材を記録材
    を介して該回転加圧部材を押圧しながら、該記録材上の
    トナー画像を加熱加圧定着して記録材に定着画像を形成
    する定着方法に用いるトナーであって、 該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックス
    を含有し、 示差走査熱量計(DSC)測定による最大吸熱ピークが
    60〜135℃にあり、かつ、 周波数6.28rad/secで測定される粘弾性特性
    において、損失弾性率G”が3×104Paを示す温度
    が90〜115℃、損失弾性率G”が2×104Paを
    示す温度が95〜120℃、損失弾性率G”が1×10
    4Paを示す温度が105〜135℃であることを特徴
    とするトナー。
  42. 【請求項42】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、損失弾性率G”
    が1×104〜3×104Paを示すときの貯蔵弾性率
    G’と損失弾性率G”との比(G”/G’=tanδ)
    が0.6〜2.0の範囲であることを特徴とする請求項
    41に記載のトナー。
  43. 【請求項43】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、170℃におけ
    る貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”が1×102〜1
    ×104Paの範囲にあることを特徴とする請求項41
    又は42に記載のトナー。
  44. 【請求項44】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、170℃におけ
    るtanδ170と150℃におけるtanδ1 50の比(t
    anδ170/tanδ150)が1.05〜1.6の範囲で
    あることを特徴とする請求項41乃至43のいずれかに
    記載のトナー。
  45. 【請求項45】 該トナーのTHF可溶分は、ゲルパー
    ミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子
    量分布において、メインピークが分子量2,000〜3
    0,000の領域にあり、重量平均分子量と数平均分子
    量との比(Mw/Mn)が100より大きいことを特徴
    とする請求項41乃至44のいずれかに記載のトナー。
  46. 【請求項46】 該回転加熱部材の発熱層の厚さが1〜
    200μm、弾性層の厚さが10〜500μm、離型層
    の厚さが1〜100μmであり、該回転加熱部材と回転
    加圧部材により形成されるニップ幅が5〜15mmであ
    り、且つ、該回転加熱部材を、記録材を介して面圧9×
    103〜5×105N/m2で該回転加圧部材を押圧しな
    がら定着スピード300mm/秒以下の条件でトナー画
    像を加熱加圧定着する定着方法に用いられることを特徴
    とする請求項41乃至45のいずれかに記載のトナー。
  47. 【請求項47】 該トナーのTHF不溶分の含有量が、
    トナーの全樹脂成分の質量を基準として0〜25質量%
    であることを特徴とする請求項41乃至46のいずれか
    に記載のトナー。
  48. 【請求項48】 該トナーのTHF不溶分の含有量が、
    トナーの全樹脂成分の質量を基準として0〜10.0質
    量%であることを特徴とする請求項41乃至46のいず
    れかに記載のトナー。
  49. 【請求項49】 該トナーのTHF可溶分は、GPCに
    よる分子量分布において、重量平均分子量と数平均分子
    量との比(Mw/Mn)が105〜2,000であるこ
    とを特徴とする請求項41乃至48のいずれかに記載の
    トナー。
  50. 【請求項50】 該トナーのTHF可溶分は、GPCに
    よる分子量分布において、分子量1万以下の成分の含有
    量(M1)が35〜55%であり、分子量1万超5万以
    下の成分の含有量(M2)が30〜45%であり、分子
    量5万超50万以下の成分の含有量(M3)が8〜20
    %であり、分子量50万超の成分の含有量(M4)が2
    〜12%であることを特徴とする請求項41乃至49の
    いずれかに記載のトナー。
  51. 【請求項51】 該トナーのTHF可溶分の、GPCに
    よる分子量分布において、分子量1万以下の成分の含有
    量(M1)、分子量1万超5万以下の成分の含有量(M
    2)、分子量5万超50万以下の成分の含有量(M
    3)、及び分子量50万超の成分の含有量(M4)が下
    記関係 75%≦M1+M2≦90% M1>M2>M3>M4 を満足することを特徴とする請求項41乃至50のいず
    れかに記載のトナー。
  52. 【請求項52】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、170℃におけ
    るtanδ170と150℃におけるtanδ1 50の比(t
    anδ170/tanδ150)が1.15〜1.4の範囲で
    あることを特徴とする請求項41乃至51のいずれかに
    記載のトナー。
  53. 【請求項53】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、損失弾性率G”
    が1×104Paを示す温度が110〜130℃である
    ことを特徴とする請求項41乃至52のいずれかに記載
    のトナー。
  54. 【請求項54】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、損失弾性率G”
    が3×104Paを示す温度が95〜110℃であるこ
    とを特徴とする請求項41乃至53のいずれかに記載の
    トナー。
  55. 【請求項55】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘離特性において、損失弾性率G”が
    1×104〜3×104Paを示すときの貯蔵弾性率G’
    と損失弾性率G”との比(G”/G’=tanδ)が
    0.7〜1.5の範囲であることを特徴とする請求項4
    1乃至54のいずれかに記載のトナー。
  56. 【請求項56】 該トナーの周波数6.28rad/s
    ecで測定される粘弾性特性において、損失弾性率G”
    が3×104Paを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾
    性率G”との比(G”/G’=tanδ)の値と、G”
    が1×104Paを示すときの貯蔵弾性率G’と損失弾
    性率G”との比(G”/G’=tanδ)の値との差の
    絶対値が0.4未満であることを特徴とする請求項41
    乃至55のいずれかに記載のトナー。
  57. 【請求項57】 該トナーは、示差走査熱量計(DS
    C)測定による最大吸熱ピークが60〜125℃にある
    ことを特徴とする請求項41乃至56のいずれかに記載
    のトナー。
  58. 【請求項58】 該トナーは、DSC測定による最大吸
    熱ピークが60〜120℃にあることを特徴とする請求
    項41乃至56のいずれかに記載のトナー。
  59. 【請求項59】 該ワックスの粘度が、該トナーの周波
    数6.28rad/secで測定される損失弾性率G”
    が1×104Paを示す温度において、5乃至200m
    Pa・sであることを特徴とする請求項41乃至58の
    いずれかに記載のトナー。
  60. 【請求項60】 該ワックスは、GPCによる分子量分
    布において、重量平均分子量と数平均分子量との比(M
    w/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とする請
    求項41乃至59のいずれかに記載のトナー。
  61. 【請求項61】 該ワックスは、GPCによる分子量分
    布において、数平均分子量(Mn)が200〜2000
    であり、重量平均分子量(Mw)が200〜2500で
    あることを特徴とする請求項60に記載のトナー。
  62. 【請求項62】 該ワックスは、炭化水素系ワックスを
    有することを特徴とする請求項41乃至61のいずれか
    に記載のトナー。
  63. 【請求項63】 該ワックスは、ポリエチレンワックス
    を有することを特徴とする請求項41乃至61のいずれ
    かに記載のトナー。
  64. 【請求項64】 該ワックスは、トナー中に0.2〜1
    0質量%含有されていることを特徴とする請求項41乃
    至63のいずれかに記載のトナー。
  65. 【請求項65】 該ワックスは、トナー中に0.5〜
    4.5質量%含有されていることを特徴とする請求項4
    1乃至63のいずれかに記載のトナー。
  66. 【請求項66】 該トナーは、有機金属化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項41乃至65のいずれかに記
    載のトナー。
  67. 【請求項67】 該結着樹脂は、非線状ポリエステル樹
    脂を有しており、 該非線状ポリエステル樹脂を合成するためのポリカルボ
    ン酸成分とポリアルコール成分とを有する組成物は、少
    なくとも(a)3価以上のポリカルボン酸成分、及び
    (b)炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭
    化水素基を有するポリカルボン酸成分及び/又は炭素数
    5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有
    するポリアルコール成分を有しており、該組成物中の該
    3価以上の多価カルボン酸成分の含有量Amol%と、
    炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素
    基を有するポリカルボン酸成分及び炭素数5〜30の飽
    和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリアル
    コール成分の総含有量Bmol%とが、下記関係 0.5≦A≦10 5≦B≦30 2≦B/A≦10 を満足していることを特徴とする請求項41乃至66の
    いずれかに記載のトナー。
  68. 【請求項68】 該トナーは、有機金属化合物を含有し
    ており、 該樹脂組成物中の3価以上の多価カルボン酸成分の含有
    量Amol%と、該トナー中の有機金属化合物の含有量
    C質量%とが下記関係 0.2≦C≦10 2≦A×C≦50 を満足していることを特徴とする請求項41乃至67の
    いずれかに記載のトナー。
  69. 【請求項69】 該炭素数5〜30の飽和もしくは不飽
    和の脂肪族炭化水素基は、ポリエステル樹脂の骨格にブ
    ランチ化されて導入されていることを特徴とする請求項
    67又は68に記載のトナー。
  70. 【請求項70】 該有機金属化合物は、モノアゾ金属錯
    体、アセチルアセトン金属錯体、サルチル酸金属錯体、
    アルキルサルチル酸金属錯体、ジアルキルサルチル酸金
    属錯体、オキシナフトエ酸金属錯体、ヒドロキシカルボ
    ン酸、ポリカルボン酸金属錯体及びカルボン酸の金属塩
    からなるグループから選択される金属化合物であること
    を特徴とする請求項66乃至69のいずれかに記載のト
    ナー。
  71. 【請求項71】 該有機金属化合物は、アルミ及びジル
    コニウムからなるグループから選択される金属と、芳香
    族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノ
    カルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループ
    から選択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合し
    ている有機金属化合物であることを特徴とする請求項6
    6乃至69のいずれかに記載のトナー。
  72. 【請求項72】 該結着樹脂は、酸価が1〜40mgK
    OH/gであることを特徴とする請求項41乃至71の
    いずれかに記載のトナー。
  73. 【請求項73】 該トナーは、着色剤として染料又は顔
    料を含有するカラートナーであることを特徴とする請求
    項41乃至72のいずれかに記載のトナー。
  74. 【請求項74】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナ
    ーを組み合せてフルカラー画像を形成するためのシアン
    着色剤を含有するシアントナーであることを特徴とする
    請求項73に記載のトナー。
  75. 【請求項75】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー及びイエロートナーを組み合せてフ
    ルカラー画像を形成するためのマゼンタ着色剤を含有す
    るマゼンタトナーであることを特徴とする請求項73に
    記載のトナー。
  76. 【請求項76】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー及びイエロートナーを組み合せてフ
    ルカラー画像を形成するためのイエロー着色剤を含有す
    るイエロートナーであることを特徴とする請求項73に
    記載のトナー。
  77. 【請求項77】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナ
    ーを組み合せてフルカラー画像を形成するためのブラッ
    ク着色剤を含有するブラックトナーであることを特徴と
    する請求項73に記載のトナー。
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