JPH10171156A - 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び画像形成方法

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JPH10171156A
JPH10171156A JP27716097A JP27716097A JPH10171156A JP H10171156 A JPH10171156 A JP H10171156A JP 27716097 A JP27716097 A JP 27716097A JP 27716097 A JP27716097 A JP 27716097A JP H10171156 A JPH10171156 A JP H10171156A
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聡 松永
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正 道上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写紙によらず低温定着性,耐オフセット
性,耐ブロッキング性ともに良好である静電荷像現像用
トナーを提供すること。 【解決手段】 結着樹脂,着色剤及びワックスを含有し
ている静電荷像現像用トナーは、(a)損失弾性率と貯
蔵弾性率の比(G′′/G′=tanδ)が1.0とな
る温度が55〜70℃の温度領域に存在し、そのときの
弾性率が1.5×108Pa以下であり、(b)貯蔵弾
性率(G′40)と貯蔵弾性率(G′50)の比(G′40
G′50)が1.5〜5.0であり、(c)貯蔵弾性率
(G′50)と貯蔵弾性率(G′60)との比(G′50
G′60)が3〜20であり、(d)貯蔵弾性率
(G′70)と貯蔵弾性率(G′100 )の比(G′70
G′100 )が50〜250であり、(e)貯蔵弾性率
(G′110 )と貯蔵弾性率(G′140 )の比(G′110
/G′140 )が2〜20である静電荷像現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法の如き画像形成方法に用いられる静
電荷像現像用トナー及び該トナーを用いた画像形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報に記載されている如く
多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利
用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、
次いで該静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に応じ
て紙の如き記録材にトナー画像を転写した後、加熱,圧
力,加熱加圧或いは溶剤蒸気によりトナー画像を記録材
に定着し、定着画像を得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー画像を紙の如
き記録材に定着する工程に関して種々の方法や装置が開
発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラー又
は耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着加熱
方式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と記録材であ
る被定着シートのトナー画像面を加圧下で接触しながら
記録材を通過せしめることによりトナー画像の定着を行
なうものである。この方法は熱ローラーの表面と記録材
上のトナー画像とが加圧下で接触するため、トナー画像
を記録材上に定着する際の熱効率が極めて良好であり、
迅速に定着を行うことができる。
【0005】加熱ローラー表面とトナー画像とが加圧下
で、かつ、トナー画像が溶融状態で接触する為に、トナ
ー画像の一部が定着ローラー表面に付着し転移し、次の
記録材にこれが再転移し、記録材を汚す「オフセット現
象」が定着速度及び定着温度の影響を大きく受ける。一
般に定着速度が遅い場合は、加熱ローラーの表面温度は
比較的低く設定され、定着速度が速い場合は、加圧ロー
ラーの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナ
ーを定着させる為に加熱ローラーからトナーに与える熱
量を、定着速度によらずほぼ一定にするためである。
【0006】記録材上のトナーは、何層かのトナー層を
形成している為、特に定着速度が速く、加熱ローラーの
表面温度が高い系においては、加熱ローラーに接触する
トナー層と、記録材に接触している最下層のトナー層と
の温度差が、大となる為に、加熱ローラーの表面温度が
高い場合には、最上層のトナーがオフセット現象を起こ
しやすく、加熱ローラーの表面温度が低い場合は、最下
層のトナーは十分に溶けない為に、記録材にトナーが定
着せず「低温オフセット」という現象が起きやすい。
【0007】この問題を解決する方法として、定着速度
が速い場合には、定着時の圧力を上げ、記録材へトナー
をアンカーリングさせる方法が、通常行われている。こ
の方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げることが
でき、最上トナー層の高温オフセット現象を防ぐことは
可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が非常に
大となる為に、記録材が定着ローラーに巻きつき、巻き
つきオフセットが発生したり、定着ローラーから記録材
を分離するための分離爪の分離あとが定着画像に出現し
やすい。さらには、圧力が高いがゆえに、定着時にライ
ン画像が押しつぶされたり、トナーが飛びちったりして
定着画像の画質劣化を生じ易い。
【0008】高速定着では、一般的には、低速定着の場
合より溶融粘度の低いトナーを用い、加熱ローラーの表
面温度を下げ定着圧力を下げることにより、高温オフセ
ットや巻きつきオフセットを防止しつつ、トナー画像を
定着している。しかし、この様な溶融粘度の低いトナー
を低速定着に用いると、高温でオフセット現象が発生し
やすい。
【0009】定着において、低速から高速まで適用でき
る定着温度領域の広い、耐オフセット性にすぐれ、か
つ、再生紙を含む多種多様な転写紙に対しても等しく良
好な定着性を示すトナーが待望されている。
【0010】トナーの小粒径化により、画像の解像力や
鮮映度が上がる一方で、小粒径のトナーで形成したハー
フトーン部の定着性が低下する。この現象は特に高速定
着において、顕著である。これは、ハーフトーン部分の
トナーの載り量が少なく、記録材の凹部に転写されたト
ナーは、加熱ローラーから与えられる熱量が少なく、さ
らに定着圧力も、記録材の凸部によって凹部への圧力が
抑制される為に悪くなるからである。ハーフトーン部分
で被定着シートの凸部に転写されたトナーは、トナー層
厚が薄い為に、トナー粒子1個当りにかかるせん断力は
トナー層厚の厚いベタ黒部分に比べ大きいものとなり、
オフセット現象が発生しやすく、低画質の定着画像とな
りやすい。
【0011】特開平1−128071号公報には、ポリ
エステル樹脂を結着樹脂とし、95℃で特定の貯蔵粘性
率を有する電子写真現像用トナーが開示されているが、
いまだ定着性及び耐オフセット性を改善する必要があ
る。
【0012】特開平4−353866号公報には、貯蔵
弾性率の降下開始温度が100〜110℃の範囲内にあ
り、150℃において特定の貯蔵弾性率を有し、損失弾
性率のピーク温度が125℃以上であるレオロジー特性
を有する電子写真用トナーが開示されている。しかしな
がら、貯蔵弾性率及び損失弾性率ともに小さすぎ、かつ
損失弾性率のピーク温度が高すぎるため、低温定着性は
改善されず、貯蔵弾性率及び損失弾性率ともに低すぎる
ために、耐熱性が低い。
【0013】特開平6−59504号公報には、特定の
構造を有するポリエステル樹脂をバインダー樹脂とし、
トナーが70〜120℃で特定の貯蔵弾性率を有し、1
30〜180℃で特定の損失弾性率を有する静電荷像現
像用トナーが開示されている。しかしながら、70〜1
20℃の貯蔵弾性率が大きく、130〜180℃の損失
弾性率は小さいために小粒径磁性トナーの場合には低温
で定着されにくく、耐オフセット性も改善が望まれる。
【0014】特開平7−224103号公報には、分子
内に過酸化物基を2個有する重合開始剤を用いたトナー
用樹脂に用いられる高分子量樹脂の製造方法が開示され
ている。しかしながら、高分子量樹脂の製造しかできな
いためにトナーの低温定着性は改善されない。
【0015】高分子論文集46巻(2) 81〜87ペ
ースには、ポリメリックペルオキシドを用いた含フッ素
ブロック共重合体の合成に関する報告があり、Poly
mer Journal.24,971(1992)に
は分子内に2個の過酸化物基を有するラジカル重合開始
剤の反応機構に関する報告がされている。
【0016】小粒径の磁性トナーの磁性体の含有量が多
い場合に定着性の問題が顕著である。レオロジーの観点
からすれば、トナーに含有される着色剤の増加は貯蔵弾
性率及び損失弾性率を増大する傾向にあり、使用する転
写紙によっては顕著に定着性が悪化する場合があり、改
善を求められている。
【0017】特開平8−234480号公報(対応欧州
特許出願公開EP−A0718703)は、温度100
℃における貯蔵弾性率(G′100 )及び温度60℃にお
ける貯蔵弾性率(G′60)と温度70℃における貯蔵弾
性率(G′70)との比(G′60/G′70)を規定したト
ナーを提案している。
【0018】このトナーは、その粘弾性的な特性から、
定着時に定着器より一定量以上の熱量が供給される場合
には迅速に溶融し、強固に転写材上に固定、定着される
ものである。また、耐ブロッキング性に関しても、示差
走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移温度
(Tg)近傍での温度においても充分に高い貯蔵弾性率
を有するために、高温の環境に長時間放置されても凝
集、変形することが少ないものであるから定着性と耐ブ
ロッキング性に優れ、かつ寒冷時において電源投入直後
の下部ローラーが充分に加熱されていない状態でも優れ
た定着性が得られるものの、記録材が厚みのある80g
/m2 の転写紙や120g/m2 の転写紙に定着する場
合には、定着時に下部ローラー(加圧ローラー)側から
の熱が記録材に奪われてしまうことから特に定着スピー
ドが速い定着条件で定着した場合に、トナーに対して充
分に熱が付与されなくなり、また、熱の付与も均一でな
くなるため、定着性が低下し、定着画像の画像濃度が低
下する傾向にあり、さらに改良すべき点を有している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した静電荷像現像用トナー及び画像
形成方法を提供することである。
【0020】本発明の目的は、トナーの小粒径化及びこ
れに伴う着色剤(特に磁性体)の含有量が増大しても良
好な定着性を示す静電荷像現像用トナー及び画像形成方
法を提供することである。
【0021】本発明の目的は、再生紙を含めた多種多様
な転写紙に対しても良好に定着し得る静電荷像現像用ト
ナー及び画像形成方法を提供することである。
【0022】本発明の目的は、低速から高速複写機に至
るまで、良好に対応し得、定着性が良好であり、かつ耐
オフセット性,耐ブロッキング性,流動性にすぐれた静
電荷像現像用トナー及び画像形成方法を提供することで
ある。
【0023】本発明の目的は、ハーフトーン部分におい
てもすぐれた定着性を示し、かつ、良画質の定着画像を
得ることのできる静電荷像現像用トナー及び画像形成方
法を提供することである。
【0024】本発明の目的は、低速から高速複写機に至
るまで、カブリがなく、高濃度のコピー画像が得られる
静電荷像現像用トナー及び画像形成方法を提供すること
である。
【0025】本発明の目的は、80g/m2 以上の厚み
の厚い転写紙に対しても良好な定着性を有し、かつ、定
着スピードがより高速となり、かつ更に厚みの厚い12
0g/m2 以上の転写紙に対しても良好な定着性を有す
る静電荷像現像用トナー及び画像形成方法を提供するも
のである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明の構成により達成される。
【0027】本発明は、結着樹脂,着色剤及びワックス
を含有している静電荷像現像用トナーにおいて、該トナ
ーは、(a)損失弾性率と貯蔵弾性率の比(G″/G′
=tanδ)が1.0となる温度が55〜70℃の温度
領域に存在し、かつ、そのときの弾性率が1.5×10
8 Pa以下であり、(b)温度40℃における貯蔵弾性
率(G′40)と温度50℃における貯蔵弾性率
(G′50)の比(G′40/G′50)が1.5〜5.0で
あり、(c)貯蔵弾性率(G′50)と温度60℃におけ
る貯蔵弾性率(G′60)との比(G′50/G′60)が3
〜20であり、(d)温度70℃における貯蔵弾性率
(G′70)と温度100℃における貯蔵弾性率(G′
100 )の比(G′70/G′100 )が50〜250であ
り、(e)温度110℃における貯蔵弾性率(G′
110 )と温度140℃における貯蔵弾性率(G′140
の比(G′110 /G′140 )が2〜20であることを特
徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
【0028】さらに本発明は、静電潜像保持体に保持さ
れている静電潜像をトナーにより現像し、トナー画像を
形成する現像工程、該トナー画像を記録材に転写する転
写工程及び該記録材に転写されたトナー画像を加熱定着
手段により該記録材に加熱定着する定着工程、を有する
画像形成方法において、該トナーは、結着樹脂、着色剤
及びワックスを含有しており、該トナーは、(a)損失
弾性率と貯蔵弾性率の比(G″/G′=tanδ)が
1.0となる温度が55〜70℃の温度領域に存在し、
かつ、そのときの弾性率が1.5×108 Pa以下であ
り、(b)温度40℃における貯蔵弾性率(G′40)と
温度50℃における貯蔵弾性率(G′50)の比(G′40
/G′50)が1.5〜5.0であり、(c)貯蔵弾性率
(G′50)と温度60℃における貯蔵弾性率(G′60
との比(G′50/G′60)が3〜20であり、(d)温
度70℃における貯蔵弾性率(G′70)と温度100℃
における貯蔵弾性率(G′100 )の比(G′70/G′
100 )が50〜250であり、(e)温度110℃にお
ける貯蔵弾性率(G′110 )と温度140℃における貯
蔵弾性率(G′140 )の比(G′110 /G′140 )が2
〜20であることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0029】上記トナーは、比(G″/G′)が1.0
となる温度が58〜68℃の温度領域に存在し、そのと
きの弾性率が1×107 Pa〜1.3×108 Paであ
ることが好ましい。
【0030】上記トナーは、比(G″/G′)が1.0
となる温度が59〜65℃の温度領域に存在し、そのと
きの弾性率が3×107 Pa〜1.0×108 Paであ
ることが好ましい。
【0031】上記トナーは、該貯蔵弾性率(G′40)と
該貯蔵弾性率(G′50)との比(G′40/G′50)が
1.8〜4.0であることが好ましい。
【0032】上記トナーは、該貯蔵弾性率(G′40)と
該貯蔵弾性率(G′50)との比(G′40/G′50)が
2.0〜3.5であることが好ましい。
【0033】上記トナーは、該貯蔵弾性率(G′50)と
該貯蔵弾性率(G′60)との比(G′50/G′60)が4
〜15であることが好ましい。
【0034】上記トナーは、該貯蔵弾性率(G′50)と
該貯蔵弾性率(G′60)との比(G′50/G′60)が5
〜10であることが好ましい。
【0035】上記トナーは、該貯蔵弾性率(G′70)と
該貯蔵弾性率(G′100 )との比(G′70/G′100
が60〜240であることが好ましい。
【0036】上記トナーは、該貯蔵弾性率(G′70)と
該貯蔵弾性率(G′100 )との比(G′70/G′100
が70〜220であることが好ましい。
【0037】上記トナーは、該貯蔵弾性率(G′110
と該貯蔵弾性率(G′140 )との比(G′110 /G′
140 )が2.5〜18であることが好ましい。
【0038】上記トナーは、該貯蔵弾性率(G′110
と該貯蔵弾性率(G′140 )との比(G′110 /G′
140 )が3〜15であることが好ましい。
【0039】上記結着樹脂は、芳香族ビニルモノマーユ
ニット及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーユニッ
トを有するブロック共重合体を含有していることが好ま
しい。
【0040】上記ブロック共重合体は、全結着樹脂に対
して10重量%以上、該結着樹脂に含有されていること
が好ましい。
【0041】上記ブロック共重合体は、芳香族ビニルモ
ノマー及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーをパー
オキサイド基を分子内に2個以上有し、各々のパーオキ
サイド基の開裂反応が起る10時間半減温度の差が5℃
以上であるラジカル重合開始剤を用いて、重合反応温度
を5℃以上変えてラジカル重合に合成されたものである
ことが好ましい。
【0042】上記結着樹脂は、芳香族ビニルモノマー及
び(メタ)アクリル酸エステルモノマーを下記化学式
(1),(2),(3)又は(4)
【0043】
【外7】 〔式中、R1,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
8 ,R9 ,R10,R11及びR12は、炭素数2〜30の
直鎖、分岐または環状のアルキル基または炭素数6〜2
0のアリール基を示し、これらは同じであっても相互に
異なっていてもよい。k,nは2〜50の整数を表わ
し、mは1〜20の整数を表わす。〕で示されるラジカ
ル重合開始剤を用いて、重合反応温度を5℃以上変えて
ラジカル重合して合成された共重合体を含有しているこ
とが好ましい。
【0044】上記結着樹脂は、(i)芳香族ビニルモノ
マー単独または芳香族ビニルモノマーと(メタ)アクリ
ル酸エステルモノマーを重量比で20:1〜1:1で混
合したモノマー混合物と、下記化学式(1),(2),
(3),又は(4)
【0045】
【外8】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
8 ,R9 ,R10,R11及びR12は、炭素数2〜30の
直鎖、分岐または環状のアルキル基または炭素数6〜2
0のアリール基を示し、これらは同じであっても相互に
異なっていてもよい。k,nは2〜50の整数を表わ
し、mは1〜20の整数を表わす。〕で表わされるラジ
カル重合開始剤を含むモノマー組成物を50〜120℃
で重合反応を行なう第1の重合反応工程;(ii)(メ
タ)アクリル酸エステルモノマー単独または芳香族ビニ
ルモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重
量比で1:20〜1:1で混合したモノマー混合物を再
度添加して第1の重合反応よりも5℃以上高い温度で重
合反応を行なう第2の重合反応工程;を有する少なくと
も2段階の異なる温度で重合反応する工程を経て合成さ
れた共重合体を含有していることが好ましい。
【0046】上記結着樹脂は、(i)(メタ)アクリル
酸エステルモノマー単独または芳香族ビニルモノマーと
(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重量比で1:2
0〜1:1で混合したモノマー混合物と、下記化学式
(1),(2),(3),又は(4)
【0047】
【外9】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
8 ,R9 ,R10,R11及びR12は、炭素数2〜30の
直鎖、分岐または環状のアルキル基または炭素数6〜2
0のアリール基を示し、これらは同じであっても相互に
異なっていてもよい。k,nは2〜50の整数を表わ
し、mは1〜20の整数を表わす。〕で表わされるラジ
カル重合開始剤を含むモノマー組成物を50〜120℃
で重合反応を行なう第1の重合反応工程;(ii)芳香
族ビニルモノマー単独または芳香族ビニルモノマーと
(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重量比で20:
1〜1:1で混合したモノマー混合物を再度添加して温
度55℃以上で重合反応する工程;からなる少なくとも
2段階の異なる温度で重合反応する工程を経て合成され
た共重合体を含有していることが好ましい。
【0048】上記結着樹脂は、2,500〜50,00
0の数平均分子量(Mn)及び10,000〜1,50
0,000の重量平均粒子量(Mw)を有していること
が好ましい。
【0049】上記トナーは、該トナーのTHF可溶分の
GPCによる分子量分布において、分子量12,000
〜40,000の領域及び分子量50,000〜1,2
00,000の領域にそれぞれピークを有していること
が好ましい。
【0050】上記トナーは、該トナーのTHF可溶分の
GPCによる分子量分布において、分子量45,000
以下の低分子量領域の面積(L)と分子量45,000
を超える高分子量領域の面積(H)との比が下記関係 (L):(H)=1:9〜9.5〜0.5 を満足することが好ましい。
【0051】上記静電潜像保持体は、電子写真用感光体
であることが好ましい。
【0052】上記加熱定着手段は、加熱ローラー及び加
圧ローラーを有する加熱加圧ローラー定着装置であるこ
とが好ましい。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明者の検討によれば、着色剤
(特に磁性体)の含有量が増加し、小粒径化したトナー
で熱ロール定着器を用いて良好な定着性と耐ブロッキン
グ性を両立させ、かつ寒冷時においても複写機の電源投
入直後から良好な定着性を示し、さらに、厚さの厚い記
録材に対して速い定着スピードであっても良好な定着性
を示すトナーを得るためには、特定なレオロジー特性を
有する結着樹脂あるいはトナーを用いることが重要であ
る。
【0054】従来から知られているレオロジー特性で
は、厚みが比較的薄い転写紙を用いて定着器を通過した
際に転写紙全体が等しく加熱される様な状態での定着性
に関するものであり、厚みが厚い転写紙を用いた場合の
様に、転写紙が定着器を通過しても転写紙全体が等しく
加熱されにくい状態での定着性の向上も要望されてい
る。
【0055】本発明のトナーは、損失弾性率と貯蔵弾性
率の比(G″/G′)が1.0となる温度が温度55〜
70℃の領域に存在し、かつそのときの弾性率が1.5
×108 Pa以下となる。
【0056】本発明者の検討によれば、比G′/G″が
1.0となる温度はG′及びG″の物理的な意味を考え
れば当然のことではあるが、トナーに含有される結着樹
脂が実質的に熱変形を開始する温度であり、この温度で
の弾性率は熱変形の大小を示すものである。比G′/
G″が1.0となる温度は55〜70℃、好ましくは5
8〜68℃、さらに好ましくは59〜65℃の領域にあ
ることがよく、そのときの弾性率は1.5×108 Pa
以下、好ましくは3×107 Pa〜1.3×108
a、更に好ましくは3×107 Pa〜1.0×108
aであることが良い。
【0057】G′/G″が1.0となる温度が55℃未
満となる場合にはトナーの保存性が損われ、70℃を超
える場合にはトナーの定着性が損われる。G′/G″が
1.0となる温度での弾性率が1.5Paを超える場合
にはその温度によらず定着性が損われることがあり好ま
しくない。
【0058】G′40/G′50、G′50/G′60、G′70
/G′100 及びG′110 /G′140 は、各々、トナ
ーに含有される結着樹脂が実質的にガラス状態、ガラス
転移状態及び溶融状態の貯蔵弾性率の温度依存性を示
し、本発明者の検討によれば、これとトナーの定着性と
は密接な関係がある。すなわち、転写紙上のトナーが定
着器を通過して加熱定着される際に、トナーの熱変形を
容易にし、定着を確実に行うにはトナーに含有される結
着樹脂がガラス状態からガラス転移状態、さらに溶融に
至る一連の相変化を滑らかに行う必要がある。この結着
樹脂の状態の変化は貯蔵弾性率の温度依存性を測定する
ことで知ることができる。ガラス状態にある結着樹脂の
貯蔵弾性率の温度依存性がないか、小さい場合にはガラ
ス状態からガラス転移状態、さらに溶融への移行が貯蔵
弾性率の急激な変化としてあらわれ、トナーの定着とい
う観点からは定着器の微妙な温度のふれ、異なる種類の
転写紙を用いた場合には、転写紙の差異による熱の伝達
速度差による影響を大きく受け、極端な場合には転写紙
上の最上層の定着ローラーと接触するトナーのみが溶融
するだけで、下層のトナーは全く溶融せず実質的に未定
着状態となる。
【0059】本発明において、G′40/G′50は1.5
〜5.0であることが良く、好ましくは1.8〜4.
0、更に好ましくは2.0〜3.5であることが良い。
G′40/G′50が1.5未満となる場合には安定した定
着性を示すトナーが得られず、G′40/G′50が5.0
を超える場合にはトナーの保存性が損われる場合があり
好ましくない。
【0060】本発明において、G′50/G′60は3〜2
0であることが良く、好ましくは4〜15、更に好まし
くは5〜10であることが良い。G′50/G′60が3未
満となる場合には100g/m2 以上の厚手の転写紙
を用いた場合に定着不良となる場合があり、G′50
G′60が20を超える場合にはトナーの保存性が損われ
る場合があり好ましくない。
【0061】本発明において、G′70/G′100 は5
0〜250であることが良く、好ましくは60〜24
0、更に好ましくは70〜220であることが良い。
G′70/G′100 が50未満となる場合には100g
/m2 以上の厚みの厚い転写紙を用いた場合に定着不
良となる場合があり、G′70/G′100 が250を超
える場合には45g/m2 以下の厚みの薄い転写紙を
用いた場合にホットオフセットを生じる場合があり好ま
しくない。
【0062】本発明において、G′110 /G′140
2〜20であることが良く、好ましくは2.5〜18、
更に好ましくは3〜15であることが良い。G′110
/G′140 が2未満となる場合には100g/m2
上の厚みの厚い転写紙を用いた場合に充分な定着性が得
られない場合があり、G′110 /G′140 が20を超
える場合には100g/m2 以上の厚みの厚い転写紙
を用いてもホットオフセットを生じる場合があり好まし
くない。
【0063】本発明において、上記の特定のレオロジー
特性を有するトナーの結着樹脂としては、芳香族ビニル
モノマーユニットと(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーユニットを有するブロック共重合体を含有することが
好ましい。
【0064】このブロック共重合体は、全結着樹脂に対
して10重量%以上、好ましくは、25重量%以上、よ
り好ましくは、45重量%以上トナーに含有されている
ことが良い。
【0065】このブロック共重合体としては、下記の4
つの形態がある。
【0066】(i)芳香族ビニルモノマーユニットのみ
によって構成されるブロックと(メタ)アクリル酸エス
テルモノマーユニットのみによって構成されるブロック
とを有するブロック共重合体。
【0067】(ii)芳香族ビニルモノマーユニット及
び(メタ)アクリル酸エステルモノマーユニットによっ
て構成されるブロックと(メタ)アクリル酸エステルモ
ノマーユニットのみによって構成されるブロックとを有
するブロック共重合体。
【0068】(iii)芳香族ビニルモノマーユニット
及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーユニットによ
って構成されるブロックと芳香族ビニルモノマーユニッ
トのみによって構成されるブロックとを有するブロック
共重合体。
【0069】(iv)芳香族ビニルモノマーユニット及
び(メタ)アクリル酸エステルモノマーユニットによっ
て構成されるブロックと芳香族ビニルモノマーユニット
及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーユニットによ
って構成されるブロックとを有するブロック共重合体。
【0070】上記のような芳香族ビニル(メタ)アクリ
ル酸エステルブロック共重合体、芳香族ビニルモノマー
と(メタ)アクリル酸エステルモノマーをパーオキサイ
ド基を分子内に2個以上有し、各々のパーオキサイド基
の開裂反応が起る10時間半減期温度の差が5℃以上、
好ましくは7℃以上、さらに好ましくは10℃以上であ
るラジカル重合開始剤を用いて重合温度差5℃以上、好
ましくは7℃以上、さらに好ましくは10℃以上変えて
ラジカル重合して合成することが可能である。
【0071】このようなパーオキサイド基を2個以上有
するラジカル重合開始剤としては、下記化合式(1)〜
(4)で表わされるものが挙げられる。
【0072】
【外10】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6
7 ,R8 ,R9,R10,R11及びR12は、炭素数2
〜30の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、また
は炭素数6〜20のアリール基を示し、これらは同じで
あっても相互に異なっていてもよく、k及びnは2〜5
0の整数を表わし、mは1〜20の整数を表わす。〕
【0073】化学式(1)で表わされるラジカル重合開
始剤としては、例えば以下の例示化合物(1−1)〜
(1−4)を挙げることができる。
【0074】
【外11】
【0075】化学式(2)で表わされるラジカル重合開
始剤としては、例えば以下の例示化合物(2−1)〜
(2−7)を挙げることができる。
【0076】
【外12】
【0077】化学式(3)で表わされるラジカル重合開
始剤としては、例えば以下の例示化合物(3−1)〜
(3−5)を挙げることができる。
【0078】
【外13】
【0079】化学式(4)で表わされるラジカル重合開
始剤としては、例えば以下の例示化合物(4−1)〜
(4−3)を挙げることができる。
【0080】
【外14】
【0081】化学式(1)〜(4)で表わされるラジカ
ル重合開始剤(以下、本発明に係る重合開始剤とする)
を用いて重合体を製造するにあたっては、全モノマー1
00重量部に対して0.01〜10重量部使用すること
ができる。
【0082】化学式(1)〜(4)で表わされる重合開
始剤は、2種以上併用することができるし、或いは、以
下に挙げるラジカル重合開始剤と併用することもでき
る。
【0083】化学式(1)〜(4)で表わされる重合開
始剤と併用することができるラジカル重合開始剤として
は、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メ
チルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス
イソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキ
サンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イ
ソブチロニトリル、2−2’−アゾビス(2,4,4−
トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジ
メチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾ
ビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シク
ロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイ
ド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハ
イドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパー
オキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オ
クタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシ
カーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)
パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスル
ホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチル
パーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2
−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレ
ート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチル
パーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアル
カーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサ
ノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテ
レフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが
あげられる。
【0084】これらの重合開始剤で好ましく用いられる
ものとしては、具体的には、ベンゾイルパーオキシド、
n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレ
レート、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−
ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチ
ルパーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキシドの如
き有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾ
アミノアゾベンゼンの如きアゾおよびジアゾ化合物が利
用出来る。
【0085】本発明に係る重合開始剤はパーオキサイド
基を分子内に2個以上有するものであり、各々のパーオ
キサイド基の開裂反応が起る温度を10時間半減期温度
(以下、反応温度とする)で表わした場合に、第1のパ
ーオキサイド基の反応温度(以下、反応温度1とする)
と第2のパーオキサイド基の反応温度(以下、反応温度
2とする)が5℃以上の温度差となるものであり、好ま
しくは7℃以上、更に好ましくは10℃以上となる場合
である。温度差が5℃未満となる場合には生成する重合
体が実質的にランダム共重合体となり、本発明のトナー
の有する特定な粘弾性挙動を示すことが困難となる。
【0086】本発明に係る重合開始剤を用いて重合体を
製造するにあたっては大別すると次の2方法により行う
ことができる。
【0087】1)芳香族ビニルモノマー単独または芳香
族ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーを重量比で20:1〜1:1で混合したモノマー組成
物と、本発明に係る重合開始剤を混合し、反応温度1を
基準にして±20℃の任意の反応温度で重合し、次に
(メタ)アクリル酸エステルモノマー単独または(メ
タ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマ
ーを重量比で20:1〜1:1で混合したモノマー組成
物を添加し、第1段階の反応温度より5℃以上高い温度
で重合する。
【0088】2)(メタ)アクリル酸エステルモノマー
単独または(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香
族ビニルモノマーを重量比で20:1〜1:1で混合し
たモノマー組成物と、本発明に係る重合開始剤を混合
し、反応温度1を基準にして±20℃の任意の反応温度
で重合し、次に芳香族ビニルモノマー単独または芳香族
ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマー
を重量比で20:1〜1:1で混合したモノマー組成物
を添加し、第1段階の反応温度より5℃以上高い温度で
重合する。
【0089】化学式(1)〜(4)で表わされる重合開
始剤を2個以上併用する場合は、各々の重合開始剤の反
応温度1及び反応温度2をもとにして2点以上の反応温
度で重合体を製造することができる。
【0090】本発明のトナーの結着樹脂のガラス転移温
度は40〜80℃、好ましくは、45〜80℃、さらに
好ましくは55〜70℃であることが良い。トナーの結
着樹脂の数平均分子量(Mn)は2,500〜50,0
00であることが好ましく、より好ましくは3,000
〜20,000であることが良い。トナーの結着樹脂の
重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,500,
000であることが好ましく、より好ましくは25,0
00〜1,250,000である。
【0091】トナーの結着樹脂のガラス転移温度が40
℃未満の場合には、トナーの低温定着性は若干改良され
るもの、耐ブロッキング性が悪化し好ましくなく、80
℃を超える場合には、トナーの低温定着性が著しく悪化
する場合があり好ましくない。
【0092】トナーの結着樹脂の数平均分子量(Mn)
が2500未満の場合、又は重量平均分子量(Mw)が
10000未満の場合には、いずれも耐オフセット性及
び/又は耐ブロッキング性が悪化する場合があり好まし
くなく、数平均分子量(Mn)が50000を超える場
合、又は重量平均分子量(Mw)が1500000を超
える場合には、いずれも低温定着性が損なわれる場合が
あり好ましくない。
【0093】トナーをテトラヒドロフランに溶解し、そ
の濾液(THF可溶分)のゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ(GPC)による分子量分布測定において、
分子量12,000〜40,000、好ましくは13,
000〜38,000、より好ましくは15,000〜
35,000の低分子量領域、及び分子量50,000
〜1,200,000、好ましくは80,000〜1,
100,000、より好ましくは100,000〜1,
000,000の高分子量領域にそれぞれピークを有し
ていることが好ましい。特に分子量12,000〜4
0,000の領域に存在するピークがメインピークであ
ることが好ましい。
【0094】トナーのTHF可溶分のGPCによる分子
量分布において、分子量12,000〜40,000の
低分子量領域にピークが存在するものの、分子量50,
000〜1,200,000の高分子量領域にピークが
存在せず、分子量40,000より大きく50,000
未満の領域にピークが存在する場合には、低温定着性は
若干改良される可能性があるものの、耐オフセット性が
悪化する場合があり好ましくなく、分子量12,000
〜40,000の低分子量領域にピークが存在するもの
の、分子量50,000〜1,200,000の高分子
量領域にピークが存在せず、分子量1,200,000
を超える領域に存在する場合には、耐オフセット性は改
良される可能性があるものの、低温定着性が悪化する場
合があり好ましくない。
【0095】トナーのTHF可溶分のGPCによる分子
量分布において、分子量50,000〜1,200,0
00の高分子量領域にピークが存在するものの、分子量
12,000〜40,000の低分子量領域にピークが
存在せず、分子量12,000未満の領域にピークが存
在する場合には、低温定着性は若干改良される可能性が
あるものの、耐ブロッキング性、耐オフセット性ともに
悪化する場合があり好ましくなく、分子量50,000
〜1,200,000の高分子量領域にピークが存在す
るものの、分子量12,000〜40,000の領域に
ピークが存在せず、分子量40,000より大きく5
0,000未満の領域にピークが存在する場合には、耐
オフセット性は改良される可能性があるものの、低温定
着性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0096】トナーのTHF可溶分のGPCによる分子
量分布において、分子量12,000〜40,000の
低分子量領域のみにピークが存在する場合には、耐オフ
セット性が著しく損なわれる場合があり好ましくなく、
分子量50,000〜1,200,000の高分子量領
域のみにピークが存在する場合には、定着性が損なわれ
る場合があり好ましくない。
【0097】本発明において、トナーのTHF可溶分の
GPCによる分子量分布測定において、分子量45,0
00以下の低分子量領域の面積(L)と、分子量45,
000より大きい高分子量領域の面積(H)との比が
(L):(H)=1:9〜9.5:0.5、好ましくは
2:8〜9:1、より好ましくは3:7〜8.5:1.
5の範囲にあることが好ましい。
【0098】この面積化において、低温分子量領域
(L)が1に対して、高分子量領域(H)が9を超える
場合には、耐オフセット性が向上するものの、低温定着
性が低下する場合があり好ましくない。低分子量領域
(L)が9.5に対して、高分子量領域(H)が0.5
未満の場合には、低温定着性は若干改良される可能性が
あるものの、耐オフセット性、耐ブロッキング性ともに
損なわれ好ましくない。
【0099】本発明に係る重合開始剤を用いて製造され
る芳香族ビニル−(メタ)アクリル酸エステルブロック
重合体の分子量は、重量平均分子量(Mw)が5000
〜200万であり、数平均分子量(Mn)が2000〜
100万であり、Mw/Mnが100以下であることが
良く、好ましくはMwが1万〜120万であり、Mnが
5000〜70万であり、Mw/Mnが70以下であ
り、更に好ましくはMwが1万5000〜70万であ
り、Mnが7000〜50万であり、Mw/Mnが1.
5〜40であることが良い。
【0100】Mwが5000未満の場合又は、Mnが2
000未満の場合には、本発明のトナーのレオロジー特
性を達成することが難しく、Mwが200万を超える場
合又はMnが100万を超える場合には、本発明の目的
である多種多様な紙種に対する良好な定着性を満足する
ことが難しく、Mw/Mnが100を超える場合にはト
ナーの耐ブロッキング性が悪くなる場合がある。
【0101】本発明に係る重合開始剤で製造される重合
体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法及び乳化重
合法いずれの製造法によっても製造することができる
が、好ましくは溶液重合法及び懸濁重合法により製造す
ることである。
【0102】本発明に係るブロック共重合体に用いられ
る芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p
−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n
−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−
n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n
−ドデシルスチレンが挙げられるが、好ましくはスチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレンである。
【0103】(メタ)アクリル酸エステルモノマーとし
てはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノ
エチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステ
ル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチルが挙げられるが、好ましくはアクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルである。
【0104】本発明において、芳香族ビニル−(メタ)
アクリル酸エステルブロック共重合体は、他のモノマー
ユニットを上記(i)〜(iv)の4つの形態で説明し
た各ブロックに含有することも可能である。
【0105】この他のモノマーとしては、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン及びイソブチレンの如きエチレン不
飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエ
ン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル及び沸
化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル及びベンゾエ酸ビニルの如きビニルエス
テル酸;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル
及びビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル
類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及びメ
チルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−
ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニル
インドール及びN−ビニルピロリドンの如きN−ビニル
化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル及びアクリルアミドの如きアクリル酸誘
導体もしくはメタクリル酸誘導体;後述のα,β−不飽
和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類が挙げられ
る。
【0106】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸及びメサコン酸
の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン
酸無水物、イタコン酸無水物及びアルケニルコハク酸無
水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハ
ーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレ
イン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハー
フエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シト
ラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハー
フエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステ
ル、フマル酸メチルハーフエステル及びメサコン酸メチ
ルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステ
ル;ジメチルマレイン酸及びジメチルフマル酸の如き不
飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸及びケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロト
ン酸無水物及びケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸
無水物;該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;
アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニ
ルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエス
テルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられ
る。
【0107】これらの他のモノマーは、ブロック共重合
体の全モノマーユニット基準で、好ましくは、25%以
下、より好ましくは、18%以下、さらに好ましくは、
12%以下で含有されていることが低温定着性と耐オフ
セット性あるいは低温定着性と耐ブロッキング性を両立
し、かつ、トナーの現像性を損なう可能性が低く好まし
い。
【0108】トナーに含有されるワックスは、低分子量
ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリ
スタリンワックス及びパラフィンワックスの如き脂肪族
炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き
脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系
ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾ
ールワックス及びモンタン酸エステルワックスの如き脂
肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カル
ナバワクスの如き脂肪酸エステル類の一部または全部を
脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチン酸、
ステアリン酸、モンタン酸及び長鎖のアルキル基を有す
る長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸類;
ブランシン酸、エレオステアリン酸及びバリナリン酸の
如き不飽和脂肪酸類;ステアリンアルコール、アラルキ
ルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアル
コール、セリルアルコール、メリシルアルコール及び長
鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類の如
き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコー
ル類;リモール酸アミド、オレイン酸アミド及びラウリ
ン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステア
リン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレ
ンビスラウリン酸アミド及びヘキサメチレンビスステア
リン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレン
ビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸
アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド及び
N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂
肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド及
びN,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳
香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マ
グネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんとい
われているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレ
ンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフ
ト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如
き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化合物;植物
性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有
するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0109】本発明においてトナーは、示差走査熱量計
で測定されるDSC曲線において、好ましくは、温度6
5乃至160℃の領域、より好ましくは、70〜160
℃の領域、さらに好ましくは72〜155℃の領域に吸
熱メインピークを有することがトナーの低温定着性及び
耐オフセット性の点で好ましい。
【0110】さらに好ましくは、トナーは、示差走査熱
量計で測定されるDSC曲線において、温度72〜15
5℃の領域に吸熱メインピークと吸熱サブピーク又は吸
熱ショルダーとを有していることが低温定着,耐オフセ
ット性及び耐ブロッキング性の点で好ましい。
【0111】このトナーのDSC曲線における吸熱メイ
ンピークが65℃未満の場合には、トナーのガラス転移
温度付近での貯蔵弾性率が低くなりすぎる場合があり、
トナーの耐ブロッキング性が低下し、160℃を超える
場合には、トナーに含有される結着樹脂のガラス状態か
ら溶融に至る相変化を滑らかに行うことが阻害される場
合があり、トナーの低温定着性が低下する。
【0112】トナーのDSC曲線において、温度65乃
至160℃の領域に明瞭な吸熱ピークを形成するために
は、使用するワックスが限定される。後述の示差走査熱
量計による温度30〜200℃の範囲におけるワックス
のDSC曲線において、最大吸熱ピークに対応する温度
をワックスの融点と定義すると、ワックスとしては、融
点が65〜160℃であるものが好ましく使用される。
ワックスにおいても、トナーの低温定着性及び耐高温オ
フセット性を向上させるために、機能分離していること
が好ましいことから、ワックスは、相対的に融点の低い
低融点ワックス成分及び相対的に融点の高い高融点ワッ
クス成分の少なくとも2種類で形成されていることが好
ましい。より具体的には、低融点ワックス成分は融点が
65〜190℃であることが好ましく、より好ましくは
融点が70〜115℃であるものが良い。高融点ワック
ス成分は、融点が120〜160℃であることが好まし
く、より好ましくは融点が125〜155℃であり、さ
らに好ましくは融点が130〜150℃のものが良い。
【0113】低融点ワックス成分の融点が65℃未満と
なる場合には、トナーのガラス転移温度付近での貯蔵弾
性率が低くなりすぎる場合があり、トナーの耐ブロッキ
ング性が低下する。高融点ワックス成分の融点が160
℃を超える場合には、トナーに含有される結着樹脂のガ
ラス状態から溶融に至る相変化を滑らかに行うことが阻
害される場合があり、トナーの低温定着性が低下する。
【0114】低融点ワックス成分と高融点ワックス成分
とを組み合わせて使用することにより、トナーのDSC
曲線に所定の吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は
ショルダーを好適に形成することができる。
【0115】更に好ましくはワックスは、低融点ワック
ス成分と高融点ワックス成分とからなり、低融点ワック
ス成分及び高融点ワックス成分は下記条件
【0116】
【外15】 〔式中、TMLは低融点ワックス成分の融点を示し、TMH
は高融点ワックス成分の融点を示す。〕を満足している
のが良い。
【0117】さらに、低融点ワックス成分の融点
(TML)と高融点ワックス成分の融点(TMH)との差が
30乃至90℃であることが好ましい。
【0118】本発明のトナーに用いられるワックスにお
いて、低融点ワックス成分と高融点ワックス成分の使用
比率は重量比で1/19〜9/1であることが好まし
く、より好ましくは1/14〜4/1であり、更に好ま
しくは1/9〜2/1である。上記配合割合を満足する
ことにより、低融点ワックス成分と高融点ワックス成分
の寄与によってトナーの低温定着性、耐ブロッキング
性、耐オフセット性を、より向上させることが可能であ
る。
【0119】低融点ワックス成分及び高融点ワックス成
分以外に本発明の効果を阻害しない範囲で他の第3ワッ
クス成分を、低温定着性、耐ブロッキング性又は耐オフ
セット性の微妙な調整のために1種以上含有させること
ができる。他のワックス成分の含有量は全ワックス量に
対して20重量%以下であり、融点は60〜150℃で
あることが好ましい。
【0120】本発明のトナーにおいて、ワックスは結着
樹脂100重量部に対して1〜20重量部含有させるこ
とが好ましく、より好ましくは2〜17重量部であり、
更に好ましくは3〜15重量部である。上記含有量でワ
ックスをトナーが含有することにより、トナーの低温定
着性、耐ブロッキング性及び耐オフセット性を向上さ
せ、さらに、トナー粒子からの遊離ワックス粒子の量を
低下させることが可能である。
【0121】本発明において、好ましく用いられる低融
点ワックス成分としては、分岐の少ない長鎖アルキル基
を有する炭化水素ワックスが挙げられる。具体的にはア
ルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチー
グラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマーワ
ックス;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得
られるアルキレンポリマーワックス;一酸化炭素及び水
素からなる合成ガスからアーゲ法により得られるポリメ
チレンの炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水
素添加して得られる合成炭化水素のワックスがよい。更
に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶
方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものがより
好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸
化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した、一
酸化炭素と水素の反応によって合成されるポリメチレン
ワックスが挙げられる。さらに、例えばジントール法、
ヒドロコール法(流動触媒床を使用)、あるいはワック
ス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒床を使
用)により得られるワックスが挙げられる。
【0122】上記長鎖アルキル基は末端の一部が水酸基
及び酸基から誘導される官能基(例えばカルボキシル
基、エステル基、エトキシ基、スルホニル基等)で置換
されていてもよい。長鎖アルキルアルコールは例えば、
次の製法により得られる。エチレンをチーグラー触媒を
用いて重合し重合終了後、酸化して、触媒金属とポリエ
チレンとのアルコキシドを生成する。この後、加水分解
することにより、長鎖アルキルアルコールを得る。この
様にして得られた長鎖アルキルアルコールは、分岐が少
なくて小さく、さらに分子量分布がシャープであり、本
発明の目的にそったものである。
【0123】本発明において好ましく用いられる高融点
ワックス成分としては、分岐の少ないより長鎖のアルキ
ル基を有する炭化水素ワックス及びエチレン・プロピレ
ン共重合体が挙げられる。具体的には、例えばアルキレ
ンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー
触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマーワック
ス;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られ
るアルキレンポリマーワックス;一酸化炭素及び水素か
らなる合成ガスからアーゲ法により得られるポリメチレ
ンの炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添
加して得られる合成炭化水素のワックスがよい。
【0124】上記長鎖アルキル基は末端の一部が水酸基
及び水酸基から誘導される官能基(例えばカルボキシル
基、エステル基、エトキシ基、スルホニル基等)で置換
されていてもよく、スチレン(メタ)アクリル酸(エス
テル)、無水マレイン酸等と共重合体を形成していても
良い。
【0125】本発明において好ましく用いられる低融点
ワックス成分は300〜2,000の重量平均分子量を
有することが好ましく、より好ましくは350〜1,8
00である。低融点ワックス成分のMw/Mnは2.8
以下、好ましくは2.3以下であるのが良い。高融点ワ
ックス成分は1,000〜25,000の重量平均分子
量を有し、好ましくは1,500〜20,000、さら
に好ましくは2,000〜180,000であるのが良
い。高融点ワックス成分のMw/Mnは20以下、好ま
しくは15以下であるのが良い。これら条件を満足して
いるワックスは、本発明の重合体を結着樹脂として含有
するトナーの低温定着性、耐ブロッキング性及び耐オフ
セット性、をより向上させることができる。
【0126】本発明において好ましく用いられる低融点
ワックス成分と高融点ワックス成分の組合せとしては、
例えば以下に挙げる組合せがある。
【0127】(1)低融点炭化水素ワックス成分と高融
点ワックス成分の組合せ:低融点炭化水素ワックス成分
は分岐の少ない長鎖アルキル基を有し、融点が70〜9
0℃であり、重量平均分子量が400〜1,500であ
り、Mw/Mnが1.5〜2であるものが良い。
【0128】高融点ワックス成分は分岐の少ない長鎖ア
ルキル基を有する炭化水素ワックスまたはポリエチレン
・プロピレン共重合体であり、融点が120〜160℃
であり、重量平均分子量が1,500〜20,000で
あり、Mw/Mnが2〜15であるものが良い。
【0129】(2)低融点炭化水素ワックス成分と高融
点置換アルキルワックス成分の組合せ:低融点ワックス
成分は、上記(1)で示した低融点炭化水素系ワックス
成分と同様のものを使用する。
【0130】高融点置換アルキルワックス成分は分岐の
少ない長鎖アルキル基を有し、末端もしくは分子内の一
部に水素原子以外の置換基を有し、置換基としては水酸
基及び/またはカルボキシル基であり、置換基を有する
アルキル成分が全ワックス中の50重量%以上含有され
るものが好ましい。さらに高融点置換アルキルワックス
成分は、融点が120〜150℃であり、重量平均分子
量が1,000〜10,000であり、Mw/Mnが
1.5〜2.5であるものが好ましい。
【0131】(3)低融点置換アルキルワックス成分と
高融点ワックス成分の組合せ:低融点置換アルキル系ワ
ックスは分岐の少ない長鎖アルキル基を有し、末端もし
くは分子内の一部に水素原子以外の置換基を有し、置換
基は水酸基及び/またはカルボキシル基であり、置換基
を有するアルキル成分が全ワックス中の40重量%以上
含有されているものが好ましい。低融点置換アルキルワ
ックスは融点が80〜115℃であり、重量平均分子量
が400〜1,500であり、Mw/Mnが1.5〜
2.5であるものが良い。
【0132】高融点ワックス成分は、前記(1)で示し
た高融点ワックスと同様のものを使用できる。
【0133】(4)低融点置換アルキル系ワックスと高
融点置換アルキルワックスの組合せ:低融点置換アルキ
ル系ワックスは、上記(3)で示した低融点アルキル系
ワックスと同様のものを使用できる。
【0134】高融点置換アルキル系ワックスは、前記
(2)で示した高融点置換アルキル系ワックスと同様の
ものを使用できる。
【0135】本発明のトナーにおいて、所定のレオロジ
ー的特性を効率良く発現させるためには、結着樹脂及び
ワックスの選択と組合せが重要であり、更に結着樹脂と
ワックスとの適切な混合が重要である。すなわち、結着
樹脂及びワックスが適切に選択されたとしても、これら
の混合が不適切な方法でなされた場合には、本来の良好
なレオロジー的な特性を発揮することができないからで
ある。
【0136】本発明のトナーにおいて好ましく用いられ
る結着樹脂とワックスの混合方法を以下に説明する。
【0137】本発明のトナーにおいて、その粘弾性的な
特徴を発現させるためには、低弾性率結着樹脂成分と高
弾性率結着樹脂成分と高融点ワックス成分と低融点ワッ
クス成分とを併せて用いることであり、種々の方法によ
り混合される。
【0138】一般的には粉砕した個々のワックスを結着
樹脂及び着色剤(磁性体)とヘンシェルミキサーの如き
混合機で攪拌混合したのちに溶融混練することにより混
合する。ワックスの低融点成分、高融点成分及び必要に
応じて第3のワックス成分をあらかじめ溶融混合しても
良い。他のワックスの添加方法としては結着樹脂を有機
溶剤に加熱溶解し、その後ワックスを添加し、溶剤を蒸
発乾固する方法が挙げられる。さらに、有機溶剤を用い
ずに結着樹脂を加熱溶融しワックスを添加する方法があ
る。これらの方法によりワックスを結着樹脂中に添加す
る場合には、ワックスはあらかじめ低融点ワックス成
分,高融点ワックス成分及び必要に応じて第3のワック
ス成分を溶融混合したものを使用することができる。他
のワックスの添加方法は結着樹脂の合成工程でワックス
を添加する方法である。この場合でもワックスはあらか
じめ溶融混合し成分を調整したものを用いることができ
る。他のワックスの添加方法としては、低融点ワックス
成分のみを結着樹脂にあらかじめ添加する方法である。
具体的には結着樹脂のみを加熱溶融し低融点ワックス成
分を添加する方法、結着樹脂を有機溶剤に加熱溶解し低
融点ワックス成分を添加後、有機溶剤を蒸発乾固する方
法及び結着樹脂の合成工程で低融点ワックス成分を添加
する方法である。この場合には、高融点ワックス成分は
低融点ワックス成分を含有する結着樹脂,着色剤(磁性
体)とヘンシェルミキサーの如き混合機で攪拌混合した
のちに溶融混練することによりトナーに添加される。
【0139】本発明の静電荷像現像用トナーは、その帯
電性をさらに安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤
を用いても良い。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部
当り0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部
使用するのが好ましい。
【0140】荷電制御剤としては、以下のものが挙げら
れる。
【0141】例えば有機金属錯体、キレート化合物、有
機金属塩が挙げられる。具体的には、モノアゾ金属錯
体;芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸
化合物の金属錯体又は金属塩が挙げられる。他には、芳
香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカル
ボン酸及びその無水物、そのエステル類;ビスフェノー
ルのフェノール誘導体類が挙げられる。
【0142】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び
他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのよう
な金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,
Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0143】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34 )、三二酸化鉄(γ−Fe23 )、酸
化鉄亜鉛(ZnFe24 )、酸化鉄イットリウム(Y
3 Fe512)、酸化鉄カドミウム(CdFe2
4 )、酸化鉄ガドリニウム(Gd3 Fe5 −O12)、酸
化鉄銅(CuFe24 )、酸化鉄鉛(PbFe12−O
19)、酸化鉄ニッケル(NiFe24 )、酸化鉄ネオ
ジム(NdFe23 )、酸化鉄バリウム(BaFe12
19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24 )、酸化
鉄マンガン(MnFe24 )、酸化鉄ランタン(La
FeO3 )、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッ
ケル粉(Ni)が挙げられる。上述した磁性材料を単独
で或いは2種以上の組合せて使用する。特に好適な磁性
材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末であ
る。
【0144】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm(より好ましくは0.1〜0.5μm)で、10K
エルステッド印加での磁気特性が抗磁力20〜150エ
ルステッド、飽和磁化50〜200emu/g(好まし
くは50〜100emu/g)、残留磁化2〜20em
u/gのものが好ましい。
【0145】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。
【0146】磁性体の他に、着色剤としては、カーボン
ブラック、チタンホワイトやその他の顔料及び/又は染
料を用いることができる。例えば本発明のトナーを磁性
カラートナーとして使用する場合には、染料としては、
C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッ
ド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシック
レッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダ
イレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.
I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、
C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブル
ー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレク
トグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.
I.ベーシックグリーン6がある。顔料としては、ミネ
ラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトール
イエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエロー
NCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パ
ーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベン
ジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレ
ッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシン
レーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファ
ストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバ
ルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー
レーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブル
ー、インダンスレンブルーBC、ピグメントグリーン
B、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグ
リーンGがある。
【0147】本発明のトナーを二成分系現像剤用又は一
成分系現像剤用の非磁性フルカラートナーとして使用す
る場合には、着色剤として、次の様なものが挙げられ
る。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメント
レッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,1
1,12,13,14,15,16,17,18,1
9,21,22,23,30,31,32,37,3
8,39,40,41,48,49,50,51,5
2,53,54,55,57,58,60,63,6
4,68,81,83,87,88,89,90,11
2,114,122,123,163,202,20
6,207,209、C.I.ピグメントバイオレット
19、C.I.バットレッド1,2,10,13,1
5,23,29,35が挙げられる。
【0148】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28の塩基性染料が挙げられる。
【0149】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙
げられる。
【0150】
【外16】
【0151】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
が挙げられる。
【0152】非磁性カラートナーにおいて、着色剤の使
用量は結着樹脂100重量部に対して、0.1〜60重
量部好ましくは0.5〜50重量部である。
【0153】本発明のトナーに流動性向上剤を添加(特
に外添)しても良い。流動性向上剤は、トナーに添加す
ることにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得
るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリ
テトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉
末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリ
カ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーン
オイルにより表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チ
タン,処理アルミナがある。
【0154】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔
中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎とな
る反応式は次の様なものである。
【0155】 SiCl2 +2H2 +O2 →SiO2 +4HCl
【0156】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタンの他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロ
ゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属
酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカと
してはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径
として、0.001〜2μmの範囲内であることが好ま
しく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲
内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0157】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。
【0158】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0159】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0160】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理することによって付与される。好ましい方法として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0161】有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチル
ジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチレントリクロルシラン、ρ−クロルエチ
ルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラ
ン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリ
ルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビ
ニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラ
メチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシ
ロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個
宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロ
キサン等がある。さらに、ジメチルシリコーンオイルの
如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種ある
いは2種以上の混合物で用いられる。
【0162】流動性向上剤として、前述した乾式法シリ
カを、次に挙げるアミノ基を有するカップリング剤或い
は、アミノ基を有するシリコーンオイルで処理した正帯
電性疎水性シリカを使用しても良い。
【0163】
【外17】
【0164】
【外18】
【0165】シリコーンオイルとしては一般に次式の側
鎖にアミノ基を有する部分構造を具備しているアミノ変
性シリコーンオイルなどが用いられる。
【0166】
【外19】 (式中、R1 は水素、アルキル基、アリール基、又はア
ルコキシ基を表わし、R2 はアルキレン基又はフェニレ
ン基を表わし、R3 及びR4 は水素、アルキル基又はア
リール基を表わす。但し、上記アルキル基、アリール
基、アルキレン基、フェニレン基はアミンを含有してい
ても良いし、また帯電性を損ねない範囲でハロゲン等の
置換基を有していても良い。m及nは正の整数を示
す。)
【0167】そのようなアミノ基を有するシリコーンオ
イルとしては例えば以下のものがある。
【0168】 25℃における粘度 アミン当量 商品名 (cps) SF8417(トーレ・シリコーン社製) 1200 3500 KF393(信越化学社製) 60 360 KF857(信越化学社製) 70 830 KF860(信越化学社製) 250 7600 KF861(信越化学社製) 3500 2000 KF862(信越化学社製) 750 1900 KF864(信越化学社製) 1700 3800 KF865(信越化学社製) 90 4400 KF369(信越化学社製 20 320 KF383(信越化学社製) 20 320 X−22−3680(信越化学社製) 90 8800 X−22−380D(信越化学社製) 2300 3800 X−22−3801C(信越化学社製) 3500 3800 X−22−3810B(信越化学社製) 1300 1700
【0169】アミン当量とは、アミン1個あたりの当量
(g/eqiv)で、分子量を1分子あたりのアミン数
で割った値である。
【0170】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m2 /g以上、好ましくは5
0m2 /g以上のものが良好な結果を与える。トナー1
00重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重量部、
好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0171】本発明の静電荷像現像用トナーを作製する
には結着樹脂、着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤ま
たはその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミ
ルの如き混合機により充分混合し、ニーダー、エクスト
ルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し
て樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後
に固化物を粉砕し、粉砕物を分級して本発明のトナーを
得ることができる。
【0172】本発明のトナーは、重量平均粒径3乃至9
μm(より好ましくは、3〜8μm)を有することが解
像性,画像濃度の点で好ましく、小粒径トナーであって
も良好に加熱加圧定着され得る。
【0173】さらに、流動性向上剤とトナーをヘンシェ
ルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子
表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができ
る。
【0174】本発明のトナーのレオロジー特性の測定及
びその他の物性の測定方法を以下に示す。
【0175】(1)トナー及び結着樹脂のレオロジー特
性の測定 粘弾性測定装置(レオメーター)RDA−II型(レオ
メトリックス社製)を用いて測定を行う。
【0176】測定治具:弾性率が高い場合には直径7.
9mm、弾性率が低い場合には直径25mmのパラレル
プレートを使用する。
【0177】測定試料:トナーまたは結着樹脂を加熱,
溶融後に直径約8mm,高さ2〜5mmの円柱状試料ま
たは直径約25mm,厚さ2〜3mmの円盤状試料に成
型して使用する。
【0178】測定周波数:6.28ラジアン/秒 測定歪の設定:初期値を0.1%に設定し、自動測定モ
ードにて測定を行う。
【0179】試料の伸長補正:自動測定モードにて調
整。
【0180】測定温度:25℃より150℃までの毎分
1℃の割合で昇温する。
【0181】測定結果の例を図1に示す。
【0182】(2)ワックスの融点測定 示差測定熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0183】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。
【0184】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0185】この昇温過程で、温度30〜200℃の範
囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得
られる。
【0186】この吸熱メインピークの温度をもってワッ
クスの融点とする。
【0187】(3)トナーのDSC曲線の測定 上記ワックスの融点の測定と同様にして、トナーの昇温
過程におけるDSC曲線を測定する。
【0188】(4)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0189】測定資料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0190】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0191】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0192】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0193】(5)ワックスの分子量分布の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定
装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0194】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0195】(6)重合体、トナーの結着樹脂及びトナ
ーのTHF可溶分の分子量分布の測定 GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定
される。
【0196】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。
試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミ
ルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試
料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂の
THF試料用約を50〜200μl注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分
布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製さ
れた検量線の対数値とカウント数との関係から算出す
る。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例
えば、Pressure Chemical Co.製
あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102
2.1×103 ,4×103 ,1.75×104 ,5.
1×104 ,1.1×105 ,3.9×105 ,8.6
×105 ,2×106 ,4.48×106 のものを用
い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用
いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器
を用いる。
【0197】カラムとしては、103 〜2×106 の分
子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレン
ゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wate
rs社製のμ−styragel 500,103 ,1
4 ,105 の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA−801,802,803,804,805,8
06,807の組合せが好ましい。
【0198】次に本発明の画像形成方法に関して説明す
る。
【0199】図2及び図3を参照しながら、本発明の画
像形成方法を実施し得る画像形成装置の一例について説
明する。一次帯電器2で静電荷像保持体(感光体)1表
面を負極性又は正極性に帯電し、アナログ露光又はレー
ザ光による露光5により静電潜像(例えば、イメージス
キャニングによりデジタル潜像)を形成し、磁性ブレー
ド11と、磁極N1 ,N2 ,S1 及びS2 を有する磁石
23を内包している現像スリーブ4とを具備する現像器
9の磁性トナー13で静電潜像を反転現像又は正規現像
により現像する。現像領域において感光体1の導電性基
体16と現像スリーブ4との間で、バイアス印加手段1
2により交互バイアス,パルスバイアス及び/又は直流
バイアスが印加されている。磁性トナー像は、中間転写
体を介して、又は、介さずに転写材へ転写される。記録
材Pが搬送されて、転写部にくると転写帯電器3により
記録材Pの背面(感光体側と反対面)から正極性又は負
極性の帯電をすることにより、感光体表面上の負荷電性
磁性トナー像または正荷電性磁性トナー像が記録材P上
へ静電転写される。除電手段22で除電後、感光体1か
ら分離された記録材Pは、ヒータ21を内包している加
熱加圧ローラー定着器7により記録材P上のトナー画像
は、加熱加圧定着される。
【0200】転写工程後の感光体1に残留する磁性トナ
ーは、クリーニングブレード8を有するクリーニング手
段で除去される。クリーニング後の感光体1は、イレー
ス露光6により除電され、再度、一次帯電器2により帯
電工程から始まる工程が繰り返される。
【0201】静電荷像保持体(例えば感光ドラム)1は
感光層15及び導電性基体16を有し、矢印方向に動
く。トナー担持体としての非磁性円筒の現像スリーブ4
は、現像部において静電荷像保持体1表面と同方向に進
むように回転する。非磁性の円筒状の現像スリーブ4の
内部には、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネッ
トロール)23が回転しないように配されている。現像
器9内の磁性トナー13は現像スリーブ4に塗布され、
かつ現像スリーブ4の表面と磁性トナー粒子との摩擦に
よって、磁性トナー粒子はトリボ電荷が与えられる。さ
らに鉄製の磁性ドクターブレード17を円筒状の現像ス
リーブ4の表面に近接して(間隔50μm〜500μ
m)、多極永久磁石の一つの磁極位置に対向して配置す
ることにより、磁性トナー層の厚さを薄く(30μm〜
300μm)且つ均一に規制して、現像領域における感
光体1と現像スリーブ4の間隙と同等又は間隙よりも薄
い磁性トナー層を形成する。現像スリーブ4の回転速度
を調節することにより、現像スリーブ表面速度が感光体
1の表面の速度と実質的に等速、もしくはそれに近い速
度となるようにする。磁性ドクターブレード17として
鉄のかわりに永久磁石を用いて対向磁極を形成してもよ
い。現像領域において現像スリーブ4に交流バイアスま
たはパルスバイアスをバイアス手段12により印加して
もよい。この交流バイアスはfが200〜4,000H
z、Vppが500〜3,000Vであれば良い。
【0202】現像部における磁性トナー粒子の転移に際
し、感光体面の静電的力及び交流バイアスまたはパルス
バイアスの作用によって磁性トナー粒子は静電荷像側に
移行する。
【0203】磁性ブレード11のかわりに、シリコーン
ゴムの如き弾性材料で形成された弾性ブレードを用いて
押圧によって磁性トナー層の層厚を規制し、現像スリー
ブ上に磁性トナーを塗布しても良い。
【0204】図5は、本発明の画像形成方法を実施し得
る画像形成装置の他の例を示す。
【0205】一次帯電手段としての接触(ローラー)帯
電手段119により静電荷像保持体としての感光ドラム
101の表面を負極性に帯電し、レーザー光の露光11
5によるイメージスキャニングによりデジタル潜像が感
光ドラム101上に形成される。トナー層厚規制部材と
しての弾性規制ブレード111を有し、多極永久磁石1
05が内包されているトナー担持体としての現像スリー
ブ108が具備されている現像装置によって、上記のデ
ジタル潜像が、ホッパー103内の磁性トナー104に
よって反転現像される。図5に示すように、現像領域D
において感光ドラム101の導電性基体は接地されてお
り、現像スリーブ108にはバイアス印加手段109に
より交互バイアス、パルスバイアス及び/又は直流バイ
アスが印加されている。記録材Pが搬送されて転写部に
来ると、転写手段としての接触(ローラー)転写手段1
13により記録材Pの背面(感光ドラム側と反対面)か
ら電圧印加手段114で帯電されることにより、感光ド
ラム101の表面上に形成されているトナー画像が接触
転写手段113で記録材P上へ転写される。感光ドラム
101から分離された記録材Pは、定着手段としての加
熱加圧ローラー定着器117に搬送され、該定着器11
7によって記録材P上のトナー画像の定着処理がなされ
る。
【0206】転写工程後の感光ドラム101に残留する
磁性トナー104は、クリーニングブレード118aを
有するクリーニング手段118で除去される。残留する
磁性トナー104が少ない場合にはクリーニング工程を
省くことも可能である。クリーニング後の感光ドラム1
01は、必要によりイレース露光116により除電さ
れ、再度、一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電
手段119による帯電工程から始まる上記工程が繰り返
される。
【0207】上記の一連の工程において、感光ドラム
(即ち、静電潜像保持体)101は感光層及び導電性基
体を有するものであり、矢印方向に動く。トナー担持体
である非磁性の円筒の現像スリーブ108は、現像領域
Dにおいて感光ドラム101の表面と同方向に進むよう
に回転する。現像スリーブ108の内部には、磁界発生
手段である多極永久磁石(マグネットロール)105が
回転しないように配されている。現像剤容器103内の
磁性トナー104は、現像スリーブ108上に塗布され
て担持され、且つ現像スリーブ108の表面との摩擦及
び/又は磁性トナー同士の摩擦によって、例えば、マイ
ナスのトリボ電荷が与えられる。更に、弾性規制ブレー
ド111を現像スリーブ108を弾性的に押圧する様に
設け、トナー層の厚さを薄く(30〜300μm)且つ
均一に規制して、現像領域Dにおける感光ドラム101
と現像スリーブ108との間隙よりも薄いトナー層を形
成させる。現像スリーブ108の回転速度を調整するこ
とによって、現像スリーブ108の表面速度が感光ドラ
ム101の表面の速度と実質的に等速、若しくはそれに
近く速度となるようにする。現像領域Dにおいて、現像
スリーブ108に現像バイアス電圧として、交流バイア
ス又はパルスバイアスをバイアス印加手段109により
印加してもよい。この交流バイアスはfが200〜4,
000Hz、Vppが500〜3,000Vであればよ
い。現像領域Dにおける磁性トナーの転移に際し、感光
ドラム101の表面の静電気力、及び交流バイアス又は
パルスバイアスの如き現像バイアス電圧の作用によっ
て、磁性トナーは静電潜像側に移転する。
【0208】上述の本発明の画像形成装置をファクシミ
リのプリンターに適用する場合には、光像露光Lは受信
データをプリントするための露光になる。図6はこの場
合の1例をブロック図で示したものである。
【0209】コントローラー131は画像読取部130
とプリンター139を制御する。コントローラー131
の全体はCPU137により制御されている。画像読取
部からの読取データは、送信回路133を通して相手局
に送信される。相手局から受けたデータは受信回路13
2を通してプリンター139に送られる。画像メモリに
は所定の画像データが記憶される。プリンタコントロー
ラー138はプリンター139を制御している。134
は電話である。
【0210】回線135から受信された画像(回線を介
して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信
回路132で復調された後、CPU137は画像情報の
複号信号を行い順次画像メモリ136に格納される。そ
して、少なくとも1ページの画像がメモリ136に格納
されると、そのページの画像記録を行う。CPU137
は、メモリ136より1ページの画像情報を読み出しプ
リンタコントローラー138に複合化された1ページの
画像情報を送出する。プリンタコントローラー138
は、CPU137からの1ページの画像情報を受け取る
とそのページの画像情報記録を行うべく、プリンタ13
9を制御する。
【0211】尚、CPU137は、プリンタ139によ
る記録中に、次のページの受信を行っている。
【0212】以上の様に、画像の受信と記録が行われ
る。
【0213】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。
【0214】本発明の重合体の製造: (製造例1)精製したキシレン200重量部を、還流
管,撹拌機,温度計,窒素導入管及び滴下装置を備えた
反応容器に投入した後に窒素を通気しながら100℃ま
で加熱し、第1段階の重合反応として、スチレンモノマ
ー78重量部、ラジカル重合開始剤として例示化合物
(2−5)2.3重量部及びキシレン100重量部から
なる第1のモノマー組成物を2時間かけて滴下し、その
温度で8時間保持した。次に第2段階の重合反応とし
て、反応容器を120℃まで加熱してアクリル酸ブチル
モノマー22重量部及びキシレン50重量部からなる第
2のモノマー組成物を1時間かけて滴下し、その温度で
5時間保持し重合反応を終了し、重合体(1)のキシレ
ン溶液を得た。
【0215】得られた重合体(1)のキシレン溶液から
減圧下でキシレンを留去することにより重合体(1)の
固形物を得た。
【0216】得られた重合体(1)は、Mw=1890
0、Mn=9800、Mw/Mn=1.9、Tg=6
1.8℃であった。
【0217】得られた重合体(1)の1 H−NMRスペ
クトルを測定したところ、図7に示す様な結果を得た。
これを図8に示す比較製造例1のランダム共重合体から
なる重合体(19)の1 H−NMRスペクトルと比較し
たところ、重合体(1)では一部、ランダム共重合体が
生成しているが、同時にアクリル酸ブチルモノマーユニ
ットのみから構成されるブロック重合体に起因すると推
定される新たなシグナルを3.8ppm付近に検出し
た。
【0218】(製造例2)第1段階の重合反応としてモ
ノマーをスチレンモノマー70重量部、マレイン酸モノ
ブチルモノマー8重量部とし、第2段階の重合反応とし
てアクリル酸ブチルモノマー22重量部とした以外は製
造例1と同様にして、重合体(2)を得た。
【0219】得られた重合体(2)は、Mw=1990
0、Mn=8100、Mw/Mn=2.5であり、Tg
=62.4℃であった。
【0220】(製造例3)第1段階の重合反応としてア
クリル酸ブチルモノマー22重量部、例示化合物(2−
5)2.3重量部及びキシレン80重量部からなる第1
のモノマー組成物を用い、第2段階の重合反応としてス
チレンモノマー78重量部及びキシレン50重量部から
なる第2のモノマー組成物を用いた以外は製造例1と同
様にして、重合体(3)を得た。
【0221】得られた重合体(3)は、Mw=2910
0、Mn=12400、Mw/Mn=2.4、Tg=6
2.8℃であった。
【0222】(製造例4)ラジカル重合開始剤として例
示化合物(3−4)を用いて第1段階の重合反応を90
℃で7時間行ない、第2段階の重合反応を115℃で8
時間行なった以外は製造例1と同様にして、重合体
(4)を得た。
【0223】得られた重合体(4)は、Mw=2450
0、Mn=12300、Mw/Mn=2.0、Tg=6
0.9℃であった。
【0224】(製造例5)ラジカル重合開始剤として例
示化合物(1−2)1重量部と例示化合物(1−3)
1.5重量部を用いて、第1段階の重合反応を75℃で
6時間行ない、第2段階の重合反応を105℃で7時間
行なった以外は製造例1と同様にして、重合体(5)を
得た。
【0225】得られた重合体(5)は、Mw=1690
0、Mn=7700、Mw/Mn=2.2、Tg=5
9.7℃であった。
【0226】(製造例6)ラジカル重合開始剤として例
示化合物(3−3)2重量部を用い、第1段階の重合反
応を113℃で4時間行ない、第2段階の重合反応を1
40℃で5時間行なった以外は製造例1と同様にして、
重合体(6)を得た。
【0227】得られた重合体(6)は、Mw=2190
0、Mn=9500、Mw/Mn=2.3、Tg=6
1.1℃であった。
【0228】(製造例7)第1段階の重合反応におい
て、第1のモノマー組成物のモノマーをスチレン57重
量部とアクリル酸ブチルモノマー6重量部に変更し、第
2段階の重合反応において、第2のモノマーを組成物の
モノマーをスチレンモノマー20重量部とアクリル酸ブ
チルモノマー17重量部に変更した以外は製造例1と同
様にして、重合体(7)を得た。
【0229】得られた重合体(7)は、Mw=2340
0、Mn=9100、Mw/Mn=2.6、Tg=5
8.2℃であった。
【0230】(製造例8)反応溶媒をキシレンからトル
エンに変更して、さらにラジカル重合開始剤として例示
化合物(3−2)2重量部に変更した第1のモノマー組
成物を用いて第1段階の重合反応を75℃で6時間行な
った後、反応容器の温度90℃として5時間重合反応を
行なった後、製造例1と同様にして第2段階の重合反応
を行なって重合体(8)を得た。
【0231】得られた重合体(8)は、Mw=2350
0、Mn=11000、Mw/Mn=2.1、Tg=6
0.9℃であった。
【0232】(製造例9)スチレンモノマー50重量
部、ラジカル重合開始剤として例示化合物(3−2)
2.2重合部及びキシレン50重量部からなる第1のモ
ノマー組成物を用いて第1段階の重合反応を75℃で4
時間行ない、次に反応容器の温度を90℃として、アク
リル酸ブチルモノマー22重量部、ラジカル重合開始剤
として例示化合物(2−5)2重量部及びキシレン50
重量部からなる第2のモノマー組成物を2時間かけて滴
下し、その温度で3時間保持した。次に反応容器の温度
を120℃としてスチレンモノマー28重量部とキシレ
ン50重量部からなる第3のモノマー溶液を2時間かけ
て滴下し、その温度で4時間保持し重合反応を終了した
以外は製造例1と同様にして、重合体(9)を得た。
【0233】得られた重合体(9)は、Mw=2080
0、Mn=8100、Mw/Mn=2.6であり、Tg
=53.3℃であった。
【0234】(製造例10)モノマーとしてスチレンモ
ノマー70重量部に変更し、ラジカル重合開始剤の使用
量を0.07重量部に変更した第1のモノマー組成物を
用いて、第1段階の重合反応を82℃で12時間行なっ
た後、反応容器の温度を95℃として10時間反応を行
なった後、製造例1と同様にして第2段階の重合反応を
行なって重合体(10)を得た。
【0235】得られた重合体(10)は、Mw=381
000、Mn=148000、Mw/Mn=2.6であ
り、Tg=54.1℃であった。
【0236】(製造例11)スチレンモノマー72重量
部、ラジカル重合開始剤として例示化合物(3−3)
0.15重量部及びキシレン50重量部からなる第1の
モノマー組成物を用いて第1段階の重合反応を98℃で
10時間行ない、次に反応容器の温度を123℃にし、
第2のモノマー組成物としてアクリル酸ブチルモノマー
28重量部を1時間かけて滴下してその温度を20時間
保持して第2段階の重合反応を終了することにより、重
合体(11)を得た。
【0237】得られた重合体(11)は、Mw=461
000、Mn=177000、Mw/Mn=2.6、T
g=57.5℃であった。
【0238】(製造例12)モノマーをスチレンモノマ
ー72重量部とジビニルベンゼンモノマー0.005重
量部に変更した第1のモノマー組成物を用いて第1段階
の重合反応を行なった以外は製造例9と同様にして、重
合体(12)を得た。
【0239】得られた重合体(12)は、Mw=549
000、Mn=189000、Mw/Mn=2.9、T
g=57.6℃であった。
【0240】(製造例13)モノマーとしてスチレンモ
ノマー68重量部とマレイン酸モノブチルモノマー4重
量部に変更した第1のモノマー組成物を用いて第1段階
のラジカル重合を行なった以外は製造例10と同様にし
て、重合体(13)を得た。
【0241】得られた重合体(13)は、Mw=473
000、Mn=169000、Mw/Mn=2.8、T
g=57.9℃であった。
【0242】(製造例14)製造例10で得た重合体
(10)50重量部をキシレン400重量部に溶解して
反応容器に投入した以外は製造例1と同様にして、重合
体(14)を得た。
【0243】得られた重合体は、Mw=103000、
Mn=9700、Mw/Mn=10.6、Tg=56.
3℃であった。
【0244】(製造例15)製造例8において、第1段
階の重合反応終了時点で反応溶媒であるトルエンを可能
なかぎり加熱することなく減圧留去することにより、分
子内に重合開始剤に由来する過酸化物基を有する中間体
(1)を得た。
【0245】この中間体(1)を固形分に換算して30
重量部となる量と、スチレンモノマー50重量部、アク
リル酸ブチルモノマー20重量部及びt−アミルパーオ
キシ2−エチルヘキサノエート0.2重量部からなるモ
ノマー組成物を調製した。還流管,撹拌機,温度計及び
窒素導入管を備えた反応容器に投入された0.1重量%
のポリビニルアルコール0.1重量%を含む脱気した脱
イオン水250重量部に、上記モノマー組成物を投入し
て懸濁液を調製した。反応容器を73℃まで加熱してそ
の温度で5時間反応を行なった。次に反応容器を95℃
まで昇温して更に2時間反応して重合反応を終了した。
得られた懸濁樹脂粒子を濾別し、水洗し、乾燥して重合
体(15)を得た。
【0246】得られた重合体(15)は、Mw=181
000、Mn=14500、Mw/Mn=12.5、T
g=58.4℃であった。
【0247】(製造例16)製造例15において、中間
体(1)を溶解するモノマー組成物のモノマーをスチレ
ンモノマー50重量部、アクリル酸ブチルモノマー20
重量部、ジビニルベンゼンモノマー0.01重量部とし
た以外は同様にして、重合体(16)を得た。
【0248】得られた重合体(16)は、Mw=238
000、Mn=119000,Mw/Mn=20.0、
Tg=58.1℃であった。
【0249】(製造例17)製造例1において、重合反
応を行う前にキシレン200重量部に融点69.3℃の
炭化水素系ワックスを14重量部添加した以外は同様に
して重合反応を行うことにより、炭化水素ワックスを含
有する重合体(17)を得た。
【0250】得られた重合体(17)は、Mw=231
00、Mn=7900、Mw/Mn=2.9、Tg=6
0.3℃であった。
【0251】(製造例18)製造例11に於て、重合反
応を行う前にキシレン200重量部に融点135℃のポ
リプロプレンワックスを9重量部添加した以外は同様に
して重合反応を行うことにより、炭化水素ワックスを含
有する重合体(18)を得た。
【0252】得られた重合体(18)は、Mw=482
000、Mn=173000、Mw/Mn=2.8、T
g=56.7℃であった。
【0253】(製造例19)製造例1において、ラジカ
ル重合開始剤量を5重量部とした以外は同様にして重合
反応を行うことにより、重合体(19)を得た。
【0254】得られた重合体(19)はMw=1130
0、Mn=4500、Mw/Mn=2.5、Tg=6
0.1℃であった。
【0255】(比較製造例1)精製したキシレン200
重量部を、還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管及び滴
下装置を備えた反応容器に投入した後に窒素を通気しな
がら110℃まで加熱し、スチレンモノマー78重量
部、アクリル酸ブチルモノマー22重量部、ラジカル重
合開始剤として例示化合物(2−5)2.3重量部及び
キシレン100重量部からなるモノマー組成物を2時間
かけて滴下し、その温度で8時間保持して重合反応を終
了することで重合体(20)を得た。
【0256】得られた重合(20)は、Mw=1320
0、Mn=5700、Mw/Mn=2.3、Tg=6
0.4℃であった。
【0257】得られた重合(20)の1 H−NMRスペ
クトルを測定したところ図8に示すような結果を得た。
【0258】(比較製造例2)スチレンモノマー78重
量部、アクリル酸ブチルモノマー22重量部及びラジカ
ル重合開始剤として例示化合物(2−5)0.15重量
部からなるモノマー組成物を、0.1重量%のポリビニ
ルアルコールを含む脱気した脱イオン水250重量部を
いれたオートクレーブに投入し、90℃で8時間重合反
応を行ない、次に110℃まで加熱して3時間反応を行
なって重合体(21)を得た。
【0259】得られた重合体(21)は、Mw=426
000、Mn=164000、Mw/Mn=2.6であ
り、Tg=60.9℃であった。
【0260】(比較製造例3)ラジカル重合開始剤を過
酸化ベンゾイル3重量部とした以外は比較製造例1と同
様にして比較用重合体(22)を得た。
【0261】得られた重合体(22)は、Mw=121
00、Mn=5900、Mw/Mn=2.1、Tg=6
0.1℃であった。
【0262】(比較製造例4)製造例15で使用した中
間体(1)に代えて重合体(20)30重量部を使用し
た以外は製造例15と同様にして重合体(23)を得
た。
【0263】得られた重合体(23)は、Mw=179
000、Mn=7900、Mw/Mn=22.7、Tg
=58.2℃であった。
【0264】(実施例1) 重合体(1) 70重量部 懸濁重合法により製造したスチレン・アクリル酸ブチル共重合体(Mw=51 1000、Mw/Mn=2.6、Tg=61.3℃) 30重量部
【0265】上記の樹脂混合物を有機溶剤に溶解し均一
な溶液状態とし、減圧下有機溶剤を留去して結着樹脂組
成物(A)を得た。
【0266】得られた結着樹脂組成物(A)は、ガラス
転移温度61.6℃、数平均分子量(Mn)1220
0、重量平均分子量(Mw)149000であった。
【0267】 (a)結着樹脂組成物(A) 100重量部 (b)磁性体:(平均粒径0.2μm) 90重量部 (c)モノアゾ金属錯体:(負荷電性制御剤) 2重量部 (d)ワックス:ポリプロピレンワックス(エチレンを約5重量%共重合した ワックス;融点135℃、Mw=8500、Mn=1100) 4重量部
【0268】上記材料をヘンシェルミキサーで前混合し
た後、130℃で二軸混練押出機によって溶融混練を行
なった。混練物を放冷後、カッターミルで粗粉砕した
後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、更
に風力分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.4μm
の負帯電性絶縁性磁性トナー粒子(磁性トナー)を得
た。この磁性トナー粒子100重量部に対し、負帯電性
疎水性乾式シリカ(BET比表面積300m2 /g)
1.0重量部をヘンシェルミキサーにて外部添加して磁
性トナー(1)とした。
【0269】得られたトナーは、トナーのTHF可溶分
のGPCによる分子量分布において、分子量18200
にメインピークを及び分子量413000にサブピーク
を有していた。
【0270】この磁性トナーのレオロジー特性を測定す
るためにトナーを加熱,溶融し、直径約8mm,高さ3
mmの円柱状試料を作製し、常法に従って直径7.9m
mのセレイテッド型のパラレルプレート上に固定し、貯
蔵弾性率及び損失弾性率の温度依存性を測定した。弾性
率の温度依存性の測定結果を図1に示す。
【0271】ワックスの分散性を評価するために上記磁
性トナーを光学顕微鏡に偏光板をとりつけて低倍率(約
30倍)で一視野中の約500個のトナー粒子を観察し
たところ、遊離したワックスの存在を示す輝点は視野に
9〜10点みられるだけであり良好であった。
【0272】この磁性トナーを図5に示すデジタル複写
機(キヤノン製GP−215)に用いて10万枚の連続
画出し耐久を行なった。
【0273】デジタル複写機においては、直径30mm
のアルミニウム製シリンダー上にOPC感光層を有する
感光ドラムに、一次帯電器で−700Vに帯電し、レー
ザ光によってイメージスキャンニングによりデジタル潜
像を形成し、4極の磁極(現像磁極は950ガウス)を
有する固定磁石を内包している現像スリーブにより摩擦
帯電された負帯電性絶縁性磁性トナーで反転現像した。
【0274】現像スリーブには、直流バイアス−600
V及び交流バイアスVpp800V(1800Hz)を印
加した。感光ドラム上の磁性トナー像を転写手段によっ
て普通紙に静電転写し、普通紙を除電して後に普通紙を
感光ドラムから分離し、普通紙上の磁性トナー像を加熱
ローラー及び加圧ローラーを有する加熱加圧手段で定着
した。
【0275】画像濃度は耐久初期(1〜10枚目)で
1.4、10万枚耐久終了時点で1.43とほとんど変
化せず、ライン画像の飛散,太りの如き画質変化もなく
良好であった。10万枚耐久終了時点でOPC感光ドラ
ム上を詳細に観察したとろこ、遊離したワックスの付着
もみられずOPC感光ドラム表面にも目立つ損傷はみら
れなかった。画像上にはOPC感光ドラム表面の損傷に
起因すると推定される画像欠陥はなかった。
【0276】次にデジタル複写機の定着器をとりはず
し、外部駆動装置をとりつけ150mm/秒で定着ロー
ラーを回転させ、温度制御装置をとりつけて、100〜
250℃の範囲で定着ローラーの温度を変えられる様に
改造した。定着テストは温度3〜5℃に制御された恒温
槽内で実施し、定着ローラーが槽内温度と一致したのを
確認後に電源を投入し、上部ローラー(加熱ローラー)
が130℃に達した直後に60g/m2 の転写紙を用い
て定着テストを行なった。次に転写紙を50g/m2
80g/m2 及び120g/m2 と順次変えて定着テス
トを実施した。
【0277】以上の様な定着テストの結果、60g/m
2 で濃度定価率17%であり、50g/m2 ,80g/
2 及び120g/m2 の各転写紙を用いた場合の濃度
低下率は、9%,21%及び24%と実用上問題ないレ
ベルであった。50℃に温度制御された恒温槽内に20
日間放置して耐ブロッキング性試験を行なったところ、
流動性の変化はみられず良好であった。
【0278】(実施例2)ワックスを融点69℃の炭化
水素系ワックス2重量部と実施例1で用いた融点135
℃のポリプロピレンワックス3重量部とを溶融混合して
調製した低融点ワックスと高融点ワックスの均一混合物
を使用した以外は、実施例1と同様にして磁性トナー
(2)を得た。トナーの物性及び評価結果を表1及び2
に示す。
【0279】(実施例3)結着樹脂組成物(A)に代え
て、重合体(1)70重量部と重合体(13)30重量
部とを有機溶剤に溶解して均一に混合した後に有機溶剤
を留去して調製した結着樹脂組成物(B)を用いた以外
は、実施例1と同様にして磁性トナー(3)を得た。ト
ナーの物性及び評価結果を表1及び2に示す。
【0280】(実施例4)ワックスを実施例2で用いた
ものを使用した以外は、実施例3と同様にして磁性トナ
ー(4)を得た。トナーの物性及び評価結果を表1及び
2に示す。
【0281】(実施例5)結着樹脂組成物(A)に代え
て、以下に示す重合性を有機溶剤に溶解して均一な溶液
とし、減圧下有機溶剤を留去した結着樹脂組成物(C)
を用いた以外は実施例4と同様にして磁性トナー(5)
を得た。
【0282】 結着樹脂:重合体(1) 40重量部 重合体(3) 30重量部 重合体(11) 30重量部
【0283】トナーの物性及び評価結果を表1及び2に
示す。
【0284】(実施例6)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合体に代えて、以下に示す重合
体を用いて調製した結着樹脂組成物(D)を用いた以外
は実施例4と同様にして磁性トナー(6)を得た。
【0285】 結着樹脂:重合体(7) 70重量部 重合体(11) 30重量部
【0286】トナーの物性及び評価結果を表1及び2に
示す。
【0287】(実施例7)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合体に代えて、以下に示す重合
体を用いて調製した結着樹脂組成物(E)を用いた以外
は実施例4と同様にして磁性トナー(7)を得た。
【0288】 結着樹脂:重合体(9) 70重量部 重合体(11) 30重量部
【0289】トナーの物性及び評価結果を表1及び2に
示す。
【0290】(実施例8)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合性に代えて、以下に示す重合
体を用いて調製した結着樹脂組成物(F)を用いた以外
は実施例4と同様にして磁性トナー(8)を得た。
【0291】 結着樹脂:重合体(1) 20重量部 重合体(13) 30重量部 溶液重合法により製造したスチレン・アクリル酸ブチル共重合体(Mw=17 500、Mw/Mn=2.3、Tg=61.0℃) 50重量部
【0292】トナーの物性及び評価結果を表1及び2に
示す。
【0293】(実施例9)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合体に代えて、以下に示す重合
体を用いて調製した結着樹脂組成物(G)を用いた以外
は実施例4と同様にして磁性トナー(9)を得た。
【0294】 結着樹脂:重合体(1) 20重量部 重合体(13) 10重量部 実施例1で用いた懸濁重合法により製造したスチレン・アクリル酸ブチル共重 合体 20重量部 実施例8で用いた溶液重合法により製造したスチレン・アクリル酸ブチル共重 合体 50重量部
【0295】トナーの物性及び評価結果を表1及び2に
示す。
【0296】(実施例10)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合体に代えて、以下に示す重合
体を用いて調製した結着樹脂組成物(H)を用いた以外
は実施例2と同様にしてトナーを調製し、磁性トナー
(10)を得た。
【0297】 重合体(17) 74重量部 重合体(11) 30重量部
【0298】トナーの物性及び評価結果を表1及び2に
示す。
【0299】(実施例11)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合体に代えて、以下に示す重合
体を用いて調製した結着樹脂組成物(I)を用いた以外
は実施例2と同様にしてトナーを調製し、磁性トナー
(11)を得た。
【0300】 重合体(17) 74重量部 重合体(18) 32重量部
【0301】トナーの物性及び評価結果を表1及び2に
示す。
【0302】(実施例12)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合体(1)のかわりに重合体
(19)を用いて調製した結着樹脂組成物(J)を用い
た以外は、実施例1と同様にして磁性トナー(12)を
得た。
【0303】トナーの物性及び評価結果を表1及び2に
示す。
【0304】(比較例1)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合体(1)のかわりに重合体
(20)を用いて調製した結着樹脂組成物(K)を用い
た以外は実施例1と同様にして比較用トナー(1)を得
た。
【0305】この磁性トナーのレオロジー特性を測定す
るためにトナーを加熱,溶融し、直径約8mm,高さ3
mmの円柱状試料を作製し、常法に従って直径7.9m
mのセレイテッド型のパラレルブレード上に固定し、貯
蔵弾性率及び損失弾性率の温度依存性を測定した。弾性
率の温度依存性の測定結果を図4に示す。
【0306】実施例1と同様にして比較用トナー(1)
を評価したところ、表1及び2に示す様に明らかに劣る
ものであった。
【0307】(比較例2)結着樹脂組成物(A)に代え
て、重合体(23)を100重量部用いた以外は実施例
2と同様にして比較用トナー(2)を得た。トナーの物
性及び評価結果を表1及び2に示す。
【0308】(比較例3)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合体(1)及び懸濁重合法によ
り製造したスチレン・アクリル酸ブチル共重合体に代え
て、重合体(22)、70重量部と重合体(21)30
重量部を用いて調製した結着樹脂組成物(L)を用いた
以外は実施例1と同様にして比較用トナー(3)を得
た。トナーの物性及び評価結果を表1及び2に示す。
【0309】(比較例4)実施例1で結着樹脂組成物
(A)の調製に用いた重合体(1)及び懸濁重合法によ
り製造したスチレン・アクリル酸ブチル共重合体に代え
て重合体(20)70重量部と重合体(22)30重量
部を用いて調製した結着樹脂組成物(M)を用いた以外
は実施例1と同様にして比較用トナー(4)を得た。ト
ナーの物性及び評価結果を表1及び2に示す。
【0310】評価方法について以下に説明する。
【0311】定着性評価(加熱ローラー表面温度110
℃) 加熱ローラーの表面温度110℃で、50g/m2 、6
0g/m2 、80g/m2 、及び120g/m2 の各転
写紙を用いて作成したトナーの未定着画像を定着し、定
着画像を50g/cm2 の荷重をかけたシルボン紙〔l
ens cleaning paper “daspe
r(R)”(Ozu paper Co.,Lt
d.)〕で10回擦り、擦り前後の濃度低下率を測定し
た。
【0312】 ランク10…濃度低下率 1%未満 ランク 9…濃度低下率 1〜 5% ランク 8…濃度低下率 6〜10% ランク 7…濃度低下率 11〜15% ランク 6…濃度低下率 16〜20% ランク 5…濃度低下率 21〜25% ランク 4…濃度低下率 26〜30% ランク 3…濃度低下率 31〜35% ランク 2…濃度低下率 36〜40% ランク 1…濃度低下率 41%以上
【0313】耐オフセット性(加熱ローラーの表面温度
210℃) 加熱ローラーの表面温度210℃で、50g/m2 及び
120g/m2 の各転写紙を用いて作成したトナーの未
定着画像を定着し、トナーが加熱ローラー表面にトナー
が移行しているか否かで評価した。
【0314】 ランク5…トナーが移行せず ランク4…ごく軽微の量のトナーが移行 ランク3…軽微の量のトナーが移行 ランク2…トナーの移行が明瞭 ランク1…紙が加熱ローラーにまきつく
【0315】耐ブロッキング試験(温度50℃,20日
間) 約20gのトナーを100mlのポリカップに入れ、5
0℃で10日間放置した後、目視で評価した。
【0316】 ランク5…変化なし ランク4…凝集体があるが、すぐにほぐれる ランク3…ほぐれにくい ランク2…流動性なし ランク1…ケーキング
【0317】ベタ黒部最大画像濃度(エッジ効果のない
部分の最大画像濃度)は、Macbeth RD918
(マクベス社製)にて測定した。
【0318】トナーにおけるワックス分散性の評価 トナーを光学顕微鏡に偏光板をとりつけ低倍率(例えば
50〜100倍)で観察し、トナー粒子300個当りで
トナー粒子から遊離しているワックス粒子の存在を示す
輝点の数を測定した。
【0319】 ランク5…偏光板を通して輝点なし ランク4…1〜10個の輝点 ランク3…11〜20個の輝点 ランク2…21〜50個の輝点 ランク1…51個以上の輝点がある。
【0320】
【表1】
【0321】
【表2】
【0322】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用トナーは、転写
紙の厚みが厚い紙であっても低温定着性,耐オフセット
性,耐ブロッキング性及び多数枚耐久性等に優れている
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーのレオロジー特性を示すグラフ
である。
【図2】本発明のトナーが適用し得る画像形成装置の一
例を示す説明図である。
【図3】図2に示す画像形成装置の現像部の拡大図を示
す。
【図4】比較用トナーのレオロジー特性を示すグラフで
ある。
【図5】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の他の例を示す説明図である。
【図6】本発明の画像形成方法を用いた画像形成装置を
ファクシミリ装置のプリンターに適用する場合のブロッ
ク図を示す。
【図7】製造例1で製造した重合体(1)の1 H−NM
Rのスペクトルのチャートを示す図である。
【図8】比較製造例1で製造した重合体(20)の1
−NMRスペクトルのチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 静電荷像保持体 2 一次帯電器 3 転写帯電器 4 現像スリーブ 5 露光 6 イレース露光 7 加熱加圧ローラー定着器 8 クリーニングブレード 9 現像器 11 磁性ブレード 12 バイアス印加手段 13 磁性トナー 15 感光層 16 導電性基体 17 磁性ドクターブレード 21 ヒータ 22 除電手段 23 多極永久磁石 101 感光ドラム 103 現像剤容器 104 一成分系現像剤 105 多極永久磁石 108 現像スリーブ 109 バイアス印加電圧 111 弾性規制ブレード 113 接触(ローラー)転写手段 114 電圧印加手段 115 露光 116 イレース露光 118 加熱加圧ローラー定着器 118a クリーニングブレード 119 接触(ローラー)帯電手段 120 現像手段 P 被記録材

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤及びワックスを含有し
    ている静電荷像現像用トナーにおいて、 該トナーは、 (a)損失弾性率と貯蔵弾性率の比(G″/G′=ta
    nδ)が1.0となる温度が55〜70℃の温度領域に
    存在し、かつ、そのときの弾性率が1.5×108 Pa
    以下であり、 (b)温度40℃における貯蔵弾性率(G′40)と温度
    50℃における貯蔵弾性率(G′50)の比(G′40
    G′50)が1.5〜5.0であり、 (c)貯蔵弾性率(G′50)と温度60℃における貯蔵
    弾性率(G′60)との比(G′50/G′60)が3〜20
    であり、 (d)温度70℃における貯蔵弾性率(G′70)と温度
    100℃における貯蔵弾性率(G′100 )の比(G′70
    /G′100 )が50〜250であり、 (e)温度110℃における貯蔵弾性率(G′110 )と
    温度140℃における貯蔵弾性率(G′140 )の比
    (G′110 /G′140 )が2〜20であることを特徴と
    する静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該トナーは、比(G″/G′)が1.0
    となる温度が58〜68℃の温度領域に存在し、そのと
    きの弾性率が1×107 Pa〜1.3×108 Paであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  3. 【請求項3】 該トナーは、比(G″/G′)が1.0
    となる温度が59〜65℃の温度領域に存在し、そのと
    きの弾性率が3×107 Pa〜1.0×108 Paであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  4. 【請求項4】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′40)と
    該貯蔵弾性率(G′50)との比(G′40/G′50)が
    1.8〜4.0であることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′40)と
    該貯蔵弾性率(G′50)との比(G′40/G′50)が
    2.0〜3.5であることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′50)と
    該貯蔵弾性率(G′60)との比(G′50/G′60)が4
    〜15であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′50)と
    該貯蔵弾性率(G′60)との比(G′50/G′60)が5
    〜10であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′70)と
    該貯蔵弾性率(G′100 )との比(G′70/G′100
    が60〜240であることを特徴とする請求項1乃至7
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′70)と
    該貯蔵弾性率(G′100 )との比(G′70/G′100
    が70〜220であることを特徴とする請求項1乃至7
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 【請求項10】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′
    110 )と該貯蔵弾性率(G′140 )との比(G′110
    G′140 )が2.5〜18であることを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′
    110 )と該貯蔵弾性率(G′140 )との比(G′110
    G′140 )が3〜15であることを特徴とする請求項1
    乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 該結着樹脂は、芳香族ビニルモノマー
    ユニット及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーユニ
    ットを有するブロック共重合体を含有していることを特
    徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の静電荷像
    現像用トナー。
  13. 【請求項13】 該ブロック共重合体は、全結着樹脂に
    対して10重量%以上、該結着樹脂に含有されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の静
    電荷像現像用トナー。
  14. 【請求項14】 該ブロック共重合体は、芳香族ビニル
    モノマー及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーをパ
    ーオキサイド基を分子内に2個以上有し、各々のパーオ
    キサイド基の開裂反応が起る10時間半減温度の差が5
    ℃以上であるラジカル重合開始剤を用いて、重合反応温
    度を5℃以上変えてラジカル重合に合成されたものであ
    ることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載
    の静電荷像現像用トナー。
  15. 【請求項15】 結着樹脂は、芳香族ビニルモノマー及
    び(メタ)アクリル酸エステルモノマーを下記化学式
    (1),(2),(3)又は(4) 【外1】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
    8 ,R9 ,R10,R11及びR12は、炭素数2〜30の
    直鎖、分岐または環状のアルキル基または炭素数6〜2
    0のアリール基を示し、これらは同じであっても相互に
    異なっていてもよい。k,nは2〜50の整数を表わ
    し、mは1〜20の整数を表わす。〕で示されるラジカ
    ル重合開始剤を用いて、重合反応温度を5℃以上変えて
    ラジカル重合して合成された共重合体を含有しているこ
    とを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の静
    電荷像現像用トナー。
  16. 【請求項16】 該結着樹脂は、(i)芳香族ビニルモ
    ノマー単独または芳香族ビニルモノマーと(メタ)アク
    リル酸エステルモノマーを重量比で20:1〜1:1で
    混合したモノマー混合物と、下記化学式(1),
    (2),(3),又は(4) 【外2】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
    8 ,R9 ,R10,R11及びR12は、炭素数2〜30の
    直鎖、分岐または環状のアルキル基または炭素数6〜2
    0のアリール基を示し、これらは同じであっても相互に
    異なっていてもよい。k,nは2〜50の整数を表わ
    し、mは1〜20の整数を表わす。〕で表わされるラジ
    カル重合開始剤を含むモノマー組成物を50〜120℃
    で重合反応を行なう第1の重合反応工程; (ii)(メタ)アクリル酸エステルモノマー単独また
    は芳香族ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸エステル
    モノマーを重量比で1:20〜1:1で混合したモノマ
    ー混合物を再度添加して第1の重合反応よりも5℃以上
    高い温度で重合反応を行なう第2の重合反応工程;を有
    する少なくとも2段階の異なる温度で重合反応する工程
    を経て合成された共重合体を含有していることを特徴と
    する請求項1乃至14のいずれかに記載の静電荷像現像
    用トナー。
  17. 【請求項17】 該結着樹脂は、(i)(メタ)アクリ
    ル酸エステルモノマー単独または芳香族ビニルモノマー
    と(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重量比で1:
    20〜1:1で混合したモノマー混合物と、下記化学式
    (1),(2),(3),又は(4) 【外3】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
    8 ,R9 ,R10,R11及びR12は、炭素数2〜30の
    直鎖、分岐または環状のアルキル基または炭素数6〜2
    0のアリール基を示し、これらは同じであっても相互に
    異なっていてもよい。k,nは2〜50の整数を表わ
    し、mは1〜20の整数を表わす。〕で表わされるラジ
    カル重合開始剤を含むモノマー組成物を50〜120℃
    で重合反応する工程; (ii)芳香族ビニルモノマー単独または芳香族ビニル
    モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重量
    比で20:1〜1:1で混合したモノマー混合物を再度
    添加して温度55℃以上で重合反応する工程;からなる
    少なくとも2段階の異なる温度で重合反応する工程を経
    て合成された共重合体を含有していることを特徴とする
    請求項1乃至14のいずれかに記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  18. 【請求項18】 該結着樹脂は、2,500〜50,0
    00の数平均分子量(Mn)及び10,000〜1,5
    00,000の重量平均粒子量(Mw)を有しているこ
    とを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の静
    電荷像現像用トナー。
  19. 【請求項19】 該トナーは、該トナーのTHF可溶分
    のGPCによる分子量分布において、分子量12,00
    0〜40,000の領域及び分子量50,000〜1,
    200,000の領域にそれぞれピークを有しているこ
    とを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の静
    電荷像現像用トナー。
  20. 【請求項20】 該トナーは、該トナーのTHF可溶分
    のGPCによる分子量分布において、分子量45,00
    0以下の低分子量領域の面積(L)と分子量45,00
    0を超える高分子量領域の面積(H)との比が下記関係 (L):(H)=1:9〜9.5〜0.5 を満足することを特徴とする請求項1乃至19のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用トナー。
  21. 【請求項21】 静電潜像保持体に保持されている静電
    潜像をトナーにより現像し、トナー画像を形成する現像
    工程、 該トナー画像を記録材に転写する転写工程及び該記録材
    に転写されたトナー画像を加熱定着手段により該記録材
    に加熱定着する定着工程、を有する画像形成方法におい
    て、 該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックスを含有して
    おり、 該トナーは、 (a)損失弾性率と貯蔵弾性率の比(G″/G′=ta
    nδ)が1.0となる温度が55〜70℃の温度領域に
    存在し、かつ、そのときの弾性率が1.5×108 Pa
    以下であり、 (b)温度40℃における貯蔵弾性率(G′40)と温度
    50℃における貯蔵弾性率(G′50)の比(G′40
    G′50)が1.5〜5.0であり、 (c)該貯蔵弾性率(G′50)と温度60℃における貯
    蔵弾性率(G′60)との比(G′50/G′60)が3〜2
    0であり、 (d)温度70℃における貯蔵弾性率(G′70)と温度
    100℃における貯蔵弾性率(G′100 )の比(G′70
    /G′100 )が50〜250であり、 (e)温度110℃における貯蔵弾性率(G′110 )と
    温度140℃における貯蔵弾性率(G′140 )の比
    (G′110 /G′140 )が2〜20であることを特徴と
    する画像形成方法。
  22. 【請求項22】 該トナーは、比(G″/G′)が1.
    0となる温度が58〜68℃の温度領域に存在し、その
    ときの弾性率が1×107 Pa〜1.3×108 Paで
    あることを特徴とする請求項21に記載の画像形成方
    法。
  23. 【請求項23】 該トナーは、比(G″/G′)が1.
    0となる温度が59〜65℃の温度領域に存在し、その
    ときの弾性率が3×107 Pa〜1.0×108 Paで
    あることを特徴とする請求項21に記載の画像形成方
    法。
  24. 【請求項24】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′40
    と該貯蔵弾性率(G′50)との比(G′40/G′50)が
    1.8〜4.0であることを特徴とする請求項21乃至
    23のいずれかに記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′40
    と該貯蔵弾性率(G′50)との比(G′40/G′50)が
    2.0〜3.5であることを特徴とする請求項21乃至
    23のいずれかに記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′50
    と該貯蔵弾性率(G′60)との比(G′50/G′60)が
    4〜15であることを特徴とする請求項21乃至25の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′50
    と該貯蔵弾性率(G′60)との比(G′50/G′60)が
    5〜10であることを特徴とする請求項21乃至25の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  28. 【請求項28】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′70
    と該貯蔵弾性率(G′100 )との比(G′70/G′
    100 )が60〜240であることを特徴とする請求項2
    1乃至27のいずれかに記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′70
    と該貯蔵弾性率(G′100 )との比(G′70/G′
    100 )が70〜220であることを特徴とする請求項2
    1乃至27のいずれかに記載の画像形成方法。
  30. 【請求項30】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′
    110 )と該貯蔵弾性率(G′140 )との比(G′110
    G′140 )が2.5〜18であることを特徴とする請求
    項21乃至29のいずれかに記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 該トナーは、該貯蔵弾性率(G′
    110 )と該貯蔵弾性率(G′140 )との比(G′110
    G′140 )が3〜15であることを特徴とする請求項2
    1乃至29のいずれかに記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 該結着樹脂は、芳香族ビニルモノマー
    ユニット及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーユニ
    ットを有するブロック共重合体を含有していることを特
    徴とする請求項21乃至31のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  33. 【請求項33】 該ブロック共重合体は、全結着樹脂に
    対して10重量%以上、該結着樹脂に含有されているこ
    とを特徴とする請求項21乃至32のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  34. 【請求項34】 該ブロック共重合体は、芳香族ビニル
    モノマー及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーをパ
    ーオキサイド基を分子内に2個以上有し、各々のパーオ
    キサイド基の開裂反応が起る10時間半減温度の差が5
    ℃以上であるラジカル重合開始剤を用いて、重合反応温
    度を5℃以上変えてラジカル重合に合成されたものであ
    ることを特徴とする請求項21乃至33のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  35. 【請求項35】 結着樹脂は、芳香族ビニルモノマー及
    び(メタ)アクリル酸エステルモノマーを下記化学式
    (1),(2),(3)又は(4) 【外4】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
    8 ,R9 ,R10,R11及びR12は、炭素数2〜30の
    直鎖、分岐または環状のアルキル基または炭素数6〜2
    0のアリール基を示し、これらは同じであっても相互に
    異なっていてもよい。k,nは2〜50の整数を表わ
    し、mは1〜20の整数を表わす。〕で示されるラジカ
    ル重合開始剤を用いて、重合反応温度を5℃以上変えて
    ラジカル重合して合成された共重合体を含有しているこ
    とを特徴とする請求項21乃至34のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  36. 【請求項36】 該結着樹脂は、(i)芳香族ビニルモ
    ノマー単独または芳香族ビニルモノマーと(メタ)アク
    リル酸エステルモノマーを重量比で20:1〜1:1で
    混合したモノマー混合物と、下記化学式(1),
    (2),(3),又は(4) 【外5】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
    8 ,R9 ,R10,R11及びR12は、炭素数2〜30の
    直鎖、分岐または環状のアルキル基または炭素数6〜2
    0のアリール基を示し、これらは同じであっても相互に
    異なっていてもよい。k,nは2〜50の整数を表わ
    し、mは1〜20の整数を表わす。〕で表わされるラジ
    カル重合開始剤を含むモノマー組成物を50〜120℃
    で重合反応を行なう第1の重合反応工程; (ii)(メタ)アクリル酸エステルモノマー単独また
    は芳香族ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸エステル
    モノマーを重量比で1:20〜1:1で混合したモノマ
    ー混合物を再度添加して第1の重合反応よりも5℃以上
    高い温度で重合反応を行なう第2の重合反応工程;を有
    する少なくとも2段階の異なる温度で重合反応する工程
    を経て合成された共重合体を含有していることを特徴と
    する請求項21乃至34のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  37. 【請求項37】 該結着樹脂は、(i)(メタ)アクリ
    ル酸エステルモノマー単独または芳香族ビニルモノマー
    と(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重量比で1:
    20〜1:1で混合したモノマー混合物と、下記化学式
    (1),(2),(3),又は(4) 【外6】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
    8 ,R9 ,R10,R11及びR12は、炭素数2〜30の
    直鎖、分岐または環状のアルキル基または炭素数6〜2
    0のアリール基を示し、これらは同じであっても相互に
    異なっていてもよい。k,nは2〜50の整数を表わ
    し、mは1〜20の整数を表わす。〕で表わされるラジ
    カル重合開始剤を含むモノマー組成物を50〜120℃
    で重合反応する工程; (ii)芳香族ビニルモノマー単独または芳香族ビニル
    モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重量
    比で20:1〜1:1で混合したモノマー混合物を再度
    添加して温度55℃以上で重合反応する工程;からなる
    少なくとも2段階の異なる温度で重合反応する工程を経
    て合成された共重合体を含有していることを特徴とする
    請求項21乃至34のいずれかに記載の画像形成方法。
  38. 【請求項38】 該結着樹脂は、2,500〜50,0
    00の数平均分子量(Mn)及び10,000〜1,5
    00,000の重量平均粒子量(Mw)を有しているこ
    とを特徴とする請求項21乃至37のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  39. 【請求項39】 該トナーは、該トナーのTHF可溶分
    のGPCによる分子量分布において、分子量12,00
    0〜40,000の領域及び分子量50,000〜1,
    200,000の領域にそれぞれピークを有しているこ
    とを特徴とする請求項21乃至38のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  40. 【請求項40】 該トナーは、該トナーのTHF可溶分
    のGPCによる分子量分布において、分子量45,00
    0以下の低分子量領域の面積(L)と分子量45,00
    0を超える高分子量領域の面積(H)との比が下記関係 (L):(H)=1:9〜9.5〜0.5 を満足することを特徴とする請求項21乃至39のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 該静電潜像保持体は、電子写真用感光
    体であることを特徴とする請求項21乃至40のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 該加熱定着手段は、加熱ローラー及び
    加圧ローラーを有する加熱加圧ローラー定着装置である
    ことを特徴とする請求項1乃至41のいずれかに記載の
    画像形成方法。
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