JP2000267356A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置及び画像形成方法

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JP2000267356A
JP2000267356A JP7094599A JP7094599A JP2000267356A JP 2000267356 A JP2000267356 A JP 2000267356A JP 7094599 A JP7094599 A JP 7094599A JP 7094599 A JP7094599 A JP 7094599A JP 2000267356 A JP2000267356 A JP 2000267356A
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image
fixing
toner
recording sheet
roller
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JP7094599A
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English (en)
Inventor
Yoshio Kanazawa
祥雄 金澤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録材上に未定着トナー像を定着させる際
に、ベルトニップ部の出口で記録材を定着ローラから剥
離するときのトナー像の乱れを防止する。 【解決手段】 周面上に弾性体層が形成された定着ロー
ラ20に、周回移動が可能に張架されたエンドレスベル
ト30を押圧する。定着ローラ20の周面は、ベルトニ
ップ部の出口で圧力ローラ31により局部的に大きく弾
性変形している。現像装置内に収容されるトナーとして
は、動的粘弾性特性である複素弾性率をG=G’+i
G”とすると、損失弾性率G”(ω)が104 [Pa]のとき
の正接損失tan δが、0.5 ≦tan δ≦7.0 の範囲のもの
が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像形
成装置及び画像形成方法に係り、より詳細には、記録シ
ート上の未定着トナー像を加熱により定着する手段とし
て、加熱部材とベルト圧接部材とからなるベルトニップ
方式を用いる画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用した複写機・プリン
ター等の画像形成装置においては、記録シート上に形成
された未定着トナー像を定着して永久画像にする必要が
ある。このような定着の手段として、従来から溶剤定着
法、圧力定着法、あるいは加熱定着法などが知られてい
る。
【0003】しかしながら、溶剤定着法は、溶剤蒸気が
発散し、臭気や衛生上の問題点がある。また、圧力定着
法は、他の定着法と比較して定着性が悪く、かつ圧力感
応性トナーが高価であるという欠点を有している。これ
らの要因から、共に広く実用化されていないのが現状で
ある。このため、加熱によってトナーを溶融させ、記録
シートに熱融着させる加熱定着法が広く採用されてい
る。
【0004】加熱定着法の装置としては、加熱ローラ方
式の定着装置が広く知られており、図6に示すように、
熱源を有する定着ローラ110と、この定着ローラに圧
接して配置される加圧ローラ120とで主要部が構成さ
れている。定着ローラ110は円筒状芯金111の内部
にヒーター113を備え、その芯金の外周面に耐熱性樹
脂(例えばフッ素樹脂)による離型層112を形成した
ものである。圧力ローラ120は円筒状芯金121の外
周面に耐熱性弾性体層122および表面層123を形成
したものである。そして、定着ローラ110と圧力ロー
ラ120との間に、未定着トナー像を担持した用紙13
0を通過させ、未定着トナー像を加熱するとともに加圧
して用紙上に定着するようになっている。この定着装置
は他の加熱定着法である熱輻射定着方式と比べて熱効率
が高く、紙詰まりによる紙燃えの危険性も少ないことな
どから現在最も広く利用されている。
【0005】また、フルカラー複写機やプリンターで
は、画像の光沢が画質に及ぼす影響が大きく、光沢のあ
る画像が求められている。よって、トナーとしては、分
子量が低く、低融点のトナーバインダーが用いられてい
る。さらに、光沢ムラを無くす目的で定着ローラ表面と
トナーとの密着性を高くしているため、定着ローラとト
ナーの接触面積も増え、付着力が大きくなる。フルカラ
ー複写機では、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラック
という4色のトナーを用いているため、さらに付着力が
大きくなっている。このため、白黒複写機で用いられる
フッ素樹脂ローラでは離型性が悪く、トナーを定着ロー
ラから剥離することができない。
【0006】そこで、図7に示すように、耐熱性弾性体
212を被覆した定着ローラ210と、これに圧接され
る圧力ローラ220とからなる定着装置が用いられてい
る。この定着ローラ210は円筒状芯金211の内部に
ヒーター214を備え、その芯金の外周面に耐熱性ゴム
からなる弾性体層212、及びその表面に離型層213
を形成したものである。圧力ローラ220は円筒状芯金
221の内部にヒーター223を備え、その芯金の外周
面に表面被覆層222を形成したものである。定着ロー
ラ210に圧力ローラ220を圧接して耐熱性弾性体層
212に歪みを発生させることで高い剥離性能を得てい
る。
【0007】ここで歪みとは、定着ローラ210に圧力
ローラ220を圧接させたときに定着ローラの弾性体層
212が弾性変形し、その表面に生じる歪みのことをい
う。この歪み量は、以下のようにして測定する。一般
に、ハードローラとソフトローラとをある荷重のもとで
圧接させた場合、ニップ領域でソフトローラ表面が弾性
変形し、その表面は円周方向にある歪みεを生じる。こ
の状態でローラ対を回転させ、記録シートをニップ部に
通過させる。記録シートはソフトローラの歪みを生じた
領域、つまりニップ領域で搬送される。このためソフト
ローラ1回転で送り出される記録シートの長さは、実際
のローラ周長よりも円周方向の歪み量εだけ搬送量が大
きくなり、これらの間には以下のような関係がある。
【0008】
【数1】
【0009】また、フルカラーの定着装置では、光沢を
出すためにトナーを十分に溶融させ、溶融状態のトナー
に圧力を加え、トナー表面を平滑にしている。ここで、
トナーを十分に溶融させるために、ニップ内での加熱時
間を白黒定着の場合よりも長くとる必要がある。図7に
示すようなカラー用定着装置では、ニップ幅(記録シー
トの搬送方向における長さ)を大きくするのに限界があ
るため、ニップ時間を長くするためには定着速度を遅く
する必要がある。したがってフルカラー複写機・プリン
ターの生産性もおのずと低いものとなる。
【0010】そこで、定着装置を大型化することなく、
ニップ幅を広げ、高速化する技術として、特開平5−1
50679号公報に開示される定着装置が提案されてい
る。この装置は、例えば図2に示するように、エンドレ
スベルト30を複数のローラ31、32、33によって
周回可能に張架し、このエンドレスベルト30を定着ロ
ーラ20に押圧してワイドニップを形成したものであ
る。これにより長いニップ時間を確保することができ、
定着速度を高速化することが可能となる。
【0011】また、この定着装置においては、定着ロー
ラ20の表面に弾性体層22が形成されており、この弾
性体層22が圧力ローラ31の圧接力を受けて圧接領域
において局所的に歪むようになっている。このため、弾
性体層22の表面速度が局所的に大きくなり、圧力ロー
ラ31の圧接領域において記録シートと定着ローラ20
との間に微小なズレが生じる。これによって、トナー像
を担持した記録シートは、トナーと定着ローラ20との
付着力に抗して定着ローラから剥離される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−150679号公報に示すベルトニップ方式の
定着装置では以下に示すような問題点がある。前述した
ように、エンドレスベルト30と定着ローラ20とのニ
ップ部の出口では、圧力ローラ31の圧接力を受けて定
着ローラ20の弾性体層22に歪みが生じている。すな
わち、定着ローラ20の回転にともなって、ニップ部の
入口では弾性体層22に歪みが無い状態から、圧力ロー
ラ31が圧接される位置(ニップ部の出口)で弾性体層
22に歪みεが発生し、この位置を通過すると再度歪み
がなくなる。定着ローラ20が、歪みの生じていない部
分での周速度がV0 となるように回転駆動されると、歪
みεが生じている圧力ローラ31の圧接部では周速度V
1 が次式で示されるようになる。 V1 =V0 (1+ε)
【0013】このように圧力ローラ31の圧接部での定
着ローラ20の周速度が大きくなる現象は、記録シート
がワイドニップを通過する際にも同様に発生する。この
ため、記録シートはほぼV1 の速度で搬送され、定着ロ
ーラ20の歪みの生じていない部分、すなわちニップ部
の入口側において定着ローラ表面と記録シート間で速度
差(εV0 )を生じ、わずかなずれを生じる。この速度
差による界面のずれが生じると、記録シート上に担持さ
れた未定着トナー像にもずれを生じさせ、画像が乱れる
という問題がある。
【0014】このような問題点に対して、特開平5−1
50679号公報に開示される装置では、圧力補助ロー
ラ34を圧力ローラ31に対して記録シート走行方向の
上流側に配置し、エンドレスベルト30を介して圧力補
助ローラ34を定着ローラ20に押圧している。圧力補
助ローラ34はスポンジ等の軟らかい材料にすることに
より、定着ローラ20に歪みを生じさせない。これによ
り記録シートがワイドニップ内で搬送される際に、定着
ローラの周速度がほぼV0 の圧力補助ローラによる押圧
部分に記録シートを押し付け、定着ローラ20と記録シ
ートとの速度差の発生を防止している。これによって画
像ずれは起こりにくくなり、普通紙(富士ゼロックス(
株) 製J紙・P紙等)ではこの問題をほぼ解決できる。
【0015】しかしながら、厚手のコート紙など定着性
の悪い記録シートでは、この対策では画像ずれは解消さ
れない。普通紙においては、トナーが溶融すると紙の繊
維にしみ込んで定着されるため、速度差をある程度小さ
くすれば、トナーがずれる以前に定着されてしまい、画
像ずれの問題は目視では判別できないレベルになる。
【0016】ところが、コート紙においてはトナーが溶
融しても、紙の繊維にしみ込んで定着されるという効果
が少ない。このため、溶融してトナーが流れ易くなる
と、速度差の影響を受けやすくなり、トナーがしっかり
と定着される以前に画像ずれが発生してしまい、上述の
対策では十分な効果が得られない。
【0017】そこで、特開平9−34291号公報に
は、例えば図4に示すように圧力ローラに代えて非回転
の圧力補助パッド54をエンドレスベルト50の内側か
ら定着ローラ40に押圧した定着装置が提案されてい
る。この装置によれば非回転の圧力補助パッド54をニ
ップ部に設置することにより、画像ずれの問題を回避し
ようとしているが、それでも速度差をより小さくするた
めには、圧力補助パッド54の定着ローラ40への押圧
荷重を圧力補助ローラよりも大きくする必要がある。
【0018】しかし、圧力補助パッド54はエンドレス
ベルト50の内周面と摺動するため、押圧荷重が大きく
なると必然的に圧力補助パッド54とエンドレスベルト
50との摩擦力が増大する。したがって、定着装置を駆
動するトルクも大きくなり、大型の駆動モーターが必要
になってしまう。さらに、大きな摩擦力に抗してエンド
レスベルト50を回転させているために、定着ローラ4
0の弾性体層42やエンドレスベルト50にも大きなス
トレスがかかり、破損・破壊されやすいという問題も生
じている。
【0019】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、記録シート上のトナー
像を定着させる際に、ベルトニップ部の出口で記録シー
トを定着ローラから剥離するときのトナー像の乱れを防
止することができる画像形成装置及び画像形成方法を提
供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、 静電電位の差による
静電潜像が表面に形成される像担持体と、 前記静電潜
像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置
と、を有し、 記録シート上に転写された前記トナー像
を加熱加圧して定着させる画像形成装置において、
周回移動される無端状周面を有し、該周面上に弾性体層
が形成された加熱定着回転体と、 前記加熱定着回転体
に圧接されてニップ部を形成するとともに、該ニップ部
の出口付近で前記弾性体層に局所的な大きな歪みを生じ
させる加圧手段と、 前記ニップ部に、前記トナー像が
転写された記録シート又は該ニップ部で前記トナー像が
転写及び定着される記録シートを送り込む搬送装置とを
有し、 前記トナーは、 動的粘弾性特性である複素弾
性率をG=G’+iG”とすると、損失弾性率G”
(ω)が G”(ω)= 1×104 [Pa] のとき、正接損失tan δ(=G”/G’)が 0.5 ≦tan δ≦7.0 の範囲にあるものを用いることを特徴とする画像形成装
置を提供する。
【0021】請求項2に記載の発明は、 請求項1に記
載の画像形成装置において、前記加圧手段が、前記加熱
定着回転体とともに周回移動するエンドレスベルトと、
該エンドレスベルトを張架する複数のローラとを有し、
前記エンドレスベルトを前記加熱定着回転体に押圧す
るとともに、前記ローラのうち少なくとも1つのローラ
を前記ニップ部の出口付近で前記加熱定着回転体に圧接
させ、前記弾性体層に歪みを生じさせるものであること
を特徴とする画像形成装置を提供する。
【0022】請求項3に記載の発明は、 請求項1に記
載の画像形成装置において、前記加圧手段が、前記加熱
定着回転体とともに周回移動するエンドレスベルトと、
該エンドレスベルトの内側に配設された圧力パッドとを
有し、 前記圧力パッドを前記エンドレスベルトを介し
て前記加熱定着回転体に押圧することによりニップ部を
形成し、前記圧力パッドはニップ部の出口付近で前記弾
性体層に歪みを生じさせるものであることを特徴とする
画像形成装置を提供する。
【0023】請求項4に記載の発明は、 像担持体の表
面に静電電位の差による静電潜像を形成する潜像形成工
程と、 前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を
形成する現像工程と、 前記トナー像を記録シート上に
転写し、加熱加圧して定着させる工程とを含む画像形成
方法において、 前記現像工程は、前記トナーとし
て、 動的粘弾性特性である複素弾性率をG=G’+i
G”とすると、損失弾性率G”(ω)が G”(ω)= 1×104 [Pa] のとき、正接損失tan δ(=G”/G’)が 0.5 ≦tan δ≦7.0 の範囲にあるものを用いるものであり、 前記トナー像
を定着させる工程は、無端状周面上に弾性体層を有する
加熱定着回転体と該加熱定着回転体に圧接される加圧手
段とによってニップ部を形成するとともに、前記ニップ
部の出口付近で前記弾性体層に局所的な大きな歪みを生
じさせ、該ニップ部に前記記録シートを通過させるもの
であることを特徴とする画像形成方法を提供する。
【0024】請求項1又は請求項4に記載の画像形成装
置又は画像形成方法では、加熱定着回転体とこれに圧接
される加圧手段とのニップ部に、トナー像が担持された
記録シート、又はこのニップ部で中間転写ベルト等から
トナー像が転写される記録シートを通過させ、トナー像
を加熱により溶融して記録シート上に定着させるもので
ある。ニップ部の出口付近では、加熱定着回転体の弾性
体層に局所的な大きな歪みが形成されているので、弾性
体層の表面速度が局所的に大きくなり、記録シートと加
熱定着回転体との間に微小なズレが生じる。高温状態の
トナーは加熱定着回転体へ付着しようとする傾向にある
が、このズレによってトナーと加熱定着回転体との界面
に微小なスリップが生じ、トナーの付着力が低減され
る。これによって、トナー像を担持した記録シートは、
トナーと加熱定着回転体との付着力に抗して加熱定着回
転体から剥離される。このため、腰が弱くて剥離しにく
い薄紙や、多量のトナーが付着した用紙でも、容易に加
熱定着回転体から剥離(いわゆるセルフストリッピン
グ)させることができる。
【0025】上記画像形成装置又は画像形成方法で用い
られるトナーの動的粘弾性については、複素弾性率G
(=G’+iG”)と複素粘性率η(=η’+iη”)
の成分の間に、 G”=ωη’、G’=ωη” の関係がある。G”は損失弾性率と呼ばれ、1周期の振
動で粘性により熱として失うエネルギーに相当する。
G’は貯蔵弾性率と呼ばれ、1周期の振動で貯蔵される
エネルギーに相当する。このとき粘度は|η|=√
(η’2 +η”2 )で示される。
【0026】トナーの動的粘弾性のうち、粘性を示す損
失弾性率G”(ω)と、弾性を示す貯蔵弾性率G’
(ω)との比である正接損失tan δは以下の式で表され
る。 tan δ=G”(ω)/G’(ω) この正接損失tan δに着目し、画像ずれとの関係につい
て検討した結果、請求項1又は請求項4に記載するよう
にトナーの動的粘弾性を設定することによって、ワイド
ニップ内に速度差が存在する状態でも画像ずれを解決で
きることが判明した。すなわち、トナーはワイドニップ
内で、まず定着ローラで加熱されて溶融し、ゴム状態に
変化する。トナーが定着されるときの粘性はほぼ G”(ω)= 1×104 [Pa] である。
【0027】このとき、図3に示すように弾性体層に歪
みの無いニップ域内では、定着ローラ表面と記録シート
間に速度差が生じているため、ゴム状態のトナー層にせ
ん断力が働き、ずれを起こそうとする。tan δ>7.0 で
あると、弾性が弱いためトナー層がせん断力により変形
し、ずれを起こしてしまう。しかしながら、tan δ≦7.
0 の範囲であると、十分な弾性を示し、トナー層がせん
断力に抗して、画像ずれのない画質が得られる。
【0028】一方、tan δ<0.5 の場合には、画像ずれ
の問題は起こらないが、トナーの弾性が強すぎるため、
十分な定着性が得られない。よって、正接損失が0.5 ≦
tan δ≦7.0 の範囲にあれば,画像ずれを起こすことな
く定着することができる。より好ましくは1.0 ≦tan δ
≦5.0 が良い。
【0029】ここで、上述の粘弾性特性の特性について
は、RHEOMETRICS. INC製レオメトリックス ダイナミッ
クススペクトロメーターRDS-7700型を用いている。(一
般に、レオロジー特性を測定する機器をレオメーターと
呼ぶ。)この機器で角周波数ωを1rad/sec に固定し、
温度を上げて損失弾性率 G”が104 [Pa] となるとき
の正接損失tan δを測定している。
【0030】請求項2又は請求項3に記載の発明では、
加圧手段として、加熱定着回転体に押圧されるエンドレ
スベルトを用いることにより、ニップ部を比較的に広く
確保することができるため、加熱時間が長くなり、トナ
ーにより多くの熱を与えることができるようになる。し
たがって、装置の高速化あるいは小型化が可能となる。
また、多層のトナーを所望の色に発色させる必要がある
カラー複写機、カラープリンターなどに適用することが
でき、優れた画質のカラー画像を得ることができる。
【0031】なお、本願発明に係る画像形成装置は、像
担持体又は中間転写体から記録シートにトナー像を転写
し、その後この記録シートを、加熱定着体と加圧手段と
が圧接されるニップ部に送り込むものであってもよい
し、トナー像が担持されている中間転写体に記録シート
を重ね合わせ、これを加熱定着体と加圧手段とのニップ
部に送り込むものであってもよい。また、本願発明に係
る画像形成方法は、トナー像と記録シートに転写する工
程と、トナー像を記録シートに定着させる工程とを別の
工程として行ってもよいし、加熱定着体と加圧手段とに
よって形成されるニップ部で転写と定着とを同時に行う
ものであってもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
に基づいて説明する。図1は、請求項1又は請求項2に
記載の発明の一実施形態である画像形成装置を示す概略
構成図である。この画像形成装置は、一様帯電後に像光
を照射することによって表面に静電潜像が形成される像
担持体1と、この像担持体1の周囲に、像担持体の表面
を一様に帯電する帯電器2と、一様帯電された像担持体
1に像光を照射して静電潜像を形成する像書き込み装置
3と、異なる色の現像剤をそれぞれ収容した4つの現像
装置からなり、像担持体1上の静電潜像を各色トナーの
付着によって可視化する回転式現像装置4と、上記像担
持体1と接触し、複数のローラ11、12、13によっ
て周回可能に張架された無端ベルト状の中間転写体5
と、像担持体1上に形成されたトナー像を中間転写体5
上に転写する転写帯電器6とを備えている。さらに装置
内には、中間転写体5との対向位置に順次搬送されてく
る記録シート7に中間転写体5上のトナー像を転写する
転写ローラ8と、記録シート7上に転写されたトナー像
を定着する定着装置9とを有している。
【0033】上記回転式現像装置4は、それぞれ、イエ
ロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像剤を収容した
4台の現像装置4y、4m、4c、4kが矢印Bの方向
に回転可能に支持されており、順次像担持体1と近接・
対向するようになっている。そして、各色に対応した潜
像に、各現像装置からトナーを転移して可視像(トナー
像)を形成するものである。これらの現像装置は、粉体
現像剤であれば一成分・二成分を問わず使用できるが、
本実施形態では磁性キャリアとトナーとを混合した二成
分現像剤を使用している。このときのトナーの詳細につ
いては後述する。
【0034】このような画像形成装置では、像担持体1
の表面が帯電器2によってほぼ一様に帯電され、次いで
像書き込み装置3からレーザー光が照射され、像担持体
1の表面に1色目の像に相当する静電潜像が形成され
る。この静電潜像はイエロ−用現像装置4yにより現像
され、像担持体1の表面にイエロー像が形成される。こ
のイエロー像は、不図示の駆動手段により像担持体1と
同期して矢印B方向に駆動される中間転写体5上に、転
写帯電器6の作用により転写される。
【0035】このようにしてイエロートナー像が中間転
写体5上に転写された後、順次同様のプロセスで、マゼ
ンタ、シアン、黒の各色について帯電器2による像担持
体1の帯電、像光の照射、トナー像の形成、中間転写体
5への転写の各工程を経て、中間転写体5上に4色のト
ナー像が重ね合わされたフルカラー像が形成される。中
間転写体5上に形成されたフルカラートナー像は、不図
示の用紙搬送手段により送り出された記録シート7に、
転写ローラ8により一括転写される。
【0036】その後、記録シート7上に転写されたフル
カラートナー像は定着装置9との対向位置を通過する。
この定着装置9により記録シート7上のトナー像が加熱
されるとともに加圧され、記録シート上に定着される。
この定着工程の詳細については後述する。
【0037】上記回転式現像装置4内に収容されるトナ
ーは、以下のものである。トナーとしては、動的粘弾性
特性である複素弾性率をG=G’+iG”とすると、損
失弾性率G”(ω)が104 [Pa]のときの正接損失tan δ
が 0.5 ≦tan δ≦7.0 の範囲にあるものが用いられている。
【0038】このトナーの結着樹脂としては、特に制限
されるものではなく、トナー用樹脂として一般に用いら
れる樹脂が使用できる。しかし、この結着樹脂の粘弾性
特性が、トナーの粘弾性特性に大きく影響する。よっ
て、結着樹脂の粘弾性特性を考慮に入れて樹脂を選定す
る必要がある。本実施形態で使用できる結着樹脂として
は、具体的には、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、ア
クリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル樹脂等であるが、より好ましいのは
ポリエステル樹脂である。先に述べたように結着樹脂の
粘弾性がトナー自体の粘弾性に強く影響を与えるため、
樹脂自身の粘弾性特性も0.5 ≦tan δ≦7.0 を満足する
ものを選択することが良いと考えられる。
【0039】前述の結着樹脂中に分散させる着色剤とし
ては、公知の有機もしくは無機の顔料や染料、油溶性染
料を使用することができる。例えばC.I.ピグメントレッ
ド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレ
ッド122 、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメント
イエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメン
トイエロー180 、C.I.ピグメントイエロー185 、C.I.ピ
グメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、ラン
プブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45
432)、カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.5041
5B) 、金属錯塩染料、金属錯塩染料の誘導体これらの混
合物等を挙げることができる。更にはシリカ、酸化アル
ミニウム、マグネタイトや各種フェライト類、酸化第二
銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化
チタン、および酸化マグネシウムなどの種々の金属酸化
物およびこれらの適宣の混合物などが挙げられる。これ
らの着色剤は、充分な濃度の可視像が形成されるに十分
な割合で含有されることが必要であり、トナー粒径や現
像量に依存するが、一般にトナー100重量部に対して
1〜100重量部程度の割合が適切である。
【0040】次に、上記画像形成装置で用いられる定着
装置9について説明する。この定着装置9は、加熱源を
内蔵する定着ローラ20と、この定着ローラ20に圧接
するように配置されるエンドレスベルト30と、このエ
ンドレスベルト30を張架する圧力ローラ31および2
本の支持ロール32、33と、エンドレスベルト30を
定着ローラ20に押圧してニップ部を形成する圧力補助
ローラ34とで主要部が構成されている。
【0041】定着ローラ20は、金属製のコア21の周
囲に弾性体層22および離型層23を形成したものであ
り、コア21は外径63mm、内径60mmの鉄製の円
筒体である。コア21の表面には、弾性体層22として
ゴム硬度45°(JIS−A)のHTV(High Tempera
ture Vulcanization)シリコーンゴムが厚さ1mmで形
成され、さらにその上に離型層23として厚さ20μm
のRTV(Room Temperature Vulcanization)シリコー
ンゴムがディップコートされている。弾性体層22のゴ
ム硬度は、Teclock 社製のスプリングタイプのA型硬度
計により、JIS K6301に準拠し、荷重1,00
0gfを測定機で試験片に垂直に圧して計測した結果で
ある。
【0042】なお、コア21としては鉄でなくても、ア
ルミニウムやSUSなどの金属製のものを使用すること
ができる。また、弾性体層22としては耐熱性の高い弾
性体であれば他の材料を使用することができる。離型層
23としては、シリコーンゴム以外にも、Vitonな
どのフッ素ゴムや、PFA(パーフルオロアルコキシビ
ニールエーテル共重合樹脂)、PTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化
プロピレン共重合樹脂)などのフッ素樹脂を被覆しても
よい。
【0043】コア21の内部には、加熱源として出力5
50Wのハロゲンランプ24が固定支持されている。ま
た定着ローラ20の表面に近接して温度センサー25が
配置されており、定着ローラ20の表面の温度が計測さ
れる。そして温度センサー25の計測信号に基づいて、
図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ2
4がフィードバック制御され、定着ローラ20の表面が
160℃に調整されるようになっている。
【0044】定着ローラ20の近傍には、図示しない離
型剤供給装置が配設されている。離型剤供給装置から定
着ローラ20の表面には離型剤が常に一定量供給されて
いる。これにより、記録シートに未定着トナーが定着さ
れる際に、トナーの一部が定着ローラ20にオフセット
するのが防止されている。離型剤供給装置によって供給
される離型剤としては、粘度300csのジメチルシリ
コーンオイル(商品名「KF−96」:信越化学株式会
社製)が使用される。
【0045】エンドレスベルト30は、厚さが75μm
で、周長が204mmのポリイミドフィルムの基材上
に、離型層としてRTVシリコーンゴムが厚さ100μ
mで被覆されたものである。このエンドレスベルト30
は、圧力ローラ31および支持ローラ32、33の周囲
に20kgの張力で張架されている。圧力ローラ31お
よび支持ローラ32、33はステンレスで形成されてお
り、その直径はそれぞれ23mm、20mm、20mm
である。これらのうち圧力ローラ31は30kgの荷重
で定着ローラ20の中心に向けて押圧され、これにより
エンドレスベルト30が定着ローラ20に巻き回される
ように圧接される。このときのニップ幅(記録シートの
搬送方向における長さ)は20mmである。また、圧力
ローラ31はステンレス製で、定着ローラ20の弾性体
層22よりもはるかに硬いことから、弾性体層にε=5
%の歪みが発生している。
【0046】一方、圧力ローラ31よりも記録シートの
搬送方向上流側に配置された圧力補助ローラ34は、直
径13mmのステンレスコアにシリコーンスポンジ(シ
リコーンゴム発泡体)を厚さ5mmに被覆したものであ
る。この圧力補助ローラ34は、エンドレスベルト30
の内側から定着ローラ20の中心方向に30kgの荷重
で押圧されている。しかし、圧力補助ローラ34は、定
着ローラ20の弾性体層22よりも柔らかい材料で形成
されているので、圧力補助ローラ34のスポンジ層が変
形し、定着ローラ20にはほとんど歪みは発生しない。
つまり定着ローラ20に歪みを発生させることなく、エ
ンドレスベルトの押圧荷重を付与している。
【0047】定着ローラ20は、図示しないモータによ
り周速度300mm/secで回転駆動されており、この回転
によりエンドレスベルト30もほぼ同じ速度で従動回転
するようになっている。
【0048】次に、上記定着装置9の動作であって、請
求項4に記載の発明の一実施形態である画像形成方法に
ついて説明する。画像形成プロセスにおいて、図1に示
すように中間転写体5から記録シート7上にカラートナ
ー像が転写され、定着装置9のニップ部に向けて記録シ
ート7が搬送されてくる。この記録シート7は、定着ロ
ーラ20とエンドレスベルト30とが圧接されるニップ
内に侵入する。そしてニップ部に作用する圧力と、ハロ
ゲンランプ24によって定着ローラ20を通じて与えら
える熱により、記録シート7上のトナー像が加熱されゴ
ム状態に変化する。
【0049】このとき、図3に示すように弾性体層22
に歪みのないニップ部の領域内では、定着ローラ20表
面と記録シート7間に速度差が生じているため、ゴム状
態のトナー層にせん断力が働き、ずれを起こそうとす
る。しかし、本実施形態ではトナーの動的粘弾性のう
ち、粘性を示す損失弾性率G”と、弾性を示す貯蔵弾性
率G’との比である正接損失tan δが、トナーが定着さ
れる粘性であるG”(ω)=104 [Pa] のときに、 0.5 ≦tan δ≦7.0 に設定されているので、トナーが十分な弾性を示し、ト
ナー層がせん断力によってずれを起こすのが防止され
る。
【0050】そして、トナー像はずれを起こすことなく
記録シート7上に定着され、圧力ローラ31の押圧部で
生じる歪みにより記録シート7と定着ローラ20との間
で微小なスリップが生じ、記録シート7が定着ローラ2
0から剥離される。このため、記録シート上には画像ず
れのない良好な画質が得られる。
【0051】次に、本実施形態の画像形成装置を用い、
トナーの種類を変えて記録シート上のトナー像を定着さ
せた場合の画質を調査した結果について説明する。この
実験では、トナー樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分
子量(Mw)、正接損失(tanδ) をそれぞれ変化させて試作
した7種類のトナーを用い、記録シート上のトナー像を
定着したときの画像ずれ、定着性及び光沢について調査
した。ここで、画像ずれの評価は、目視で明らかに欠陥
(画像ずれ)が生じているものを判定×とし、目視では
分からないが、顕微鏡で確認すると若干の画像ずれがあ
るものを判定○とし、顕微鏡で拡大しても確認できない
レベルのものを判定◎とした。定着性の評価は、トナー
量0.45g/m2 の画像を用紙ごとに折って戻したと
きに、トナーの剥げ落ちが問題ないレベルである場合を
判定○とし、トナーの剥げ落ちが多くて問題のあるレベ
ルの場合を判定×とした。光沢の評価は、村上色彩研究
所製グロスメータ「GM−26D FOR75°」で、
トナー量0.45g/m2 の画像の光沢度(グロス)が
30以上の場合を判定○とし、それより小さく光沢性が
十分でない場合を判定×とした。また、トナーの動的粘
弾性の測定にはレオメトリック社製レオメータ「RDA
2」を使用した。
【0052】上記実験の結果を表1に示す。この表にお
いて、トナーは富士ゼロックス株式会社製カラー複写
機A Color 930/935 にて使用しているトナーである。
【表1】
【0053】表1に示すように、画像ずれについては、
tan δ≦7.0 であれば目視上問題とならず、tan δ≦5.
0 ならば完全に発生しないことがわかる。定着性につい
てはtan δ≧0.5 以上であれば十分であり、カラー画質
の光沢感という観点からはtan δ≧1.0 が必要となる。
【0054】以上により、ベルトニップ方式の定着で用
いるトナーの粘弾性特性としては、 0.5 ≦tan δ≦7.0 を満たしている必要があると考えられる。より好ましく
は 1.0 ≦tan δ≦5.0 を満足していると、画像ずれと定着性・光沢において問
題が完全に解決できることがわかる。
【0055】次に、請求項1又は請求項3に記載の発明
の一実施形態である画像形成装置について説明する。こ
の画像形成装置は、図1に示す画像形成装置とほぼ同じ
構成で、トナーも同じものが用いられているが、定着装
置の構成のみが異なる。図4はこの画像形成装置で用い
られる定着装置を示す概略構成図である。
【0056】この定着装置は、図2に示す定着装置の圧
力補助ローラに代えて、非回転状態で支持される圧力補
助パッド54を備えている。この圧力補助パッド54
は、ベースプレート55の表面に、定着ローラ40の外
周面とほぼ整合可能な接触面を有する弾性層56を形成
したものであり、図示しない圧縮コイルスプリングによ
って定着ローラ40に押圧されている。圧力補助パッド
54の弾性層56としては、例えばゴム硬度23°のシ
リコーンスポンジなどが用いられる。また、弾性層56
の表面にエンドレスベルト50との摩擦を低減する表面
層を設けてもよい。
【0057】このような定着装置を用いた画像形成装置
では、トナーのtan δを 0.5 ≦tan δ≦7.0 とすることにより、ニップ内に速度差が生じていても画
像ずれの発生が防止され、定着性及び光沢に優れた良好
な画質の画像が得られる。さらに、トナーのtanδを前
述のように設定することにより、圧力補助パッド54の
押圧荷重を低減することができる。このため、トルクを
低減することが可能となる。
【0058】図5は、請求項1又は請求項3に記載の発
明の他の実施形態である画像形成装置で用いられる定着
装置を示す概略構成図である。この定着装置では、エン
ドレスベルト70は無張力状態で圧力付与部材71に支
持されるとともに、該圧力付与部材71により定着ロー
ラ60に向けて押圧されている。この圧力付与部材71
は、鋼製の支持部材71と、エンドレスベルト70を案
内するためのガイド部材73と、エンドレスベルト70
と定着ローラ60との間にニップ部を形成する弾性部材
74と、ニップ部の下流側で定着ローラ60の弾性体層
62を局部的に変形させる加圧部材75と、弾性部材7
4及び加圧部材75の表面を被覆する低摩擦シート76
とから構成されている。
【0059】上記支持部材72は、弾性部材74を定着
ローラ60に対し、その軸方向にほぼ均等な力で押圧す
ることができるように、充分な剛性を有する部材となっ
ている。上記弾性部材74は、例えばシリコーンゴムに
より形成されており、定着ローラ60の弾性体層62に
歪みを生じさせない程度の圧力で押圧されている。上記
加圧部材75は、例えば樹脂により形成されており、弾
性体層62に局部的な歪みを生じさせるような圧力を付
与するようになっている。なお、この定着装置が用いら
れる画像形成装置の他の構成は図1に示す画像形成装置
と同じである。
【0060】このような定着装置では、エンドレスベル
ト70と定着ローラ60とのニップ部で、弾性部材74
により定着ローラ60の弾性体層62が変形しない程度
に低い圧力で押圧され、加圧部材75の位置で弾性体層
62は局部的に大きく弾性変形している。ニップ部を通
過する記録シートは、加圧部材75の位置で定着ローラ
60との間で微小なスリップが生じ、定着ローラ60か
ら剥離される。
【0061】このような定着装置を備えた画像形成装置
においても、トナーとして、前述のように0.5 ≦tan δ
≦7.0 を満たしているものを用いることにより、ニップ
内に速度差が生じていても画像ずれの発生が防止され、
定着性及び光沢に優れた良好な画質の画像が得られる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る画
像形成装置及び画像形成方法によれば、加熱定着回転体
と加圧手段とのニップ部でトナー像を記録シート上に定
着させ、このニップ部の出口付近で弾性体層の局所的な
歪みによって記録シートを剥離するときに、トナーの動
的粘弾性特性を適切に設定することにより、画像ずれの
発生を防止することができる。このため、高画質のカラ
ー画像を得ることができるとともに、装置の高速化にも
対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1又は請求項2に記載の発明の一実施形
態である画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置で用いられる定着装置
を示す概略構成図である。
【図3】定着装置のニップ部における記録シート上のト
ナーの状態を示す図である。
【図4】請求項1又は請求項3に記載の発明の一実施形
態である画像形成装置で用いられる定着装置を示す概略
構成図である。
【図5】請求項1又は請求項3に記載の発明の他の実施
形態である画像形成装置で用いられる定着装置を示す概
略構成図である。
【図6】従来の定着装置の第1の例を示す概略構成図で
ある。
【図7】従来の定着装置の第2の例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 像担持体 2 帯電器 3 像書き込み装置 4 回転式現像装置 5 中間転写体 6 転写帯電器 7 記録シート 8 転写ローラ 9 定着装置 12、13、14 支持ローラ 20、40、60 定着ローラ 21、41、61 コア 22、42、62 弾性体層 23、43、63 離型層 24、44、64 ハロゲンランプ 25、45、65 温度センサー 30、50、70 エンドレスベルト 31、51 圧力ローラ 32、52 支持ローラ 33、53 支持ローラ 34 圧力補助ローラ 54 圧力補助パッド 71 圧力付与部材 72 支持部材 73 ガイド部材 74 弾性部材 75 加圧部材 76 低摩擦シート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電電位の差による静電潜像が表面に
    形成される像担持体と、 前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する
    現像装置と、を有し、 記録シート上に転写された前記トナー像を加熱加圧して
    定着させる画像形成装置において、 周回移動される無端状周面を有し、該周面上に弾性体層
    が形成された加熱定着回転体と、 前記加熱定着回転体に圧接されてニップ部を形成すると
    ともに、該ニップ部の出口付近で前記弾性体層に局所的
    な大きな歪みを生じさせる加圧手段と、 前記ニップ部に、前記トナー像が転写された記録シート
    又は該ニップ部で前記トナー像が転写及び定着される記
    録シートを送り込む搬送装置とを有し、 前記トナーは、 動的粘弾性特性である複素弾性率をG=G’+iG”と
    すると、損失弾性率G”(ω)が G”(ω)= 1×104 [Pa] のとき、正接損失tan δ(=G”/G’)が 0.5 ≦tan δ≦7.0 の範囲にあるものを用いることを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記加圧手段が、前記加熱定着回転体
    とともに周回移動するエンドレスベルトと、該エンドレ
    スベルトを張架する複数のローラとを有し、 前記エンドレスベルトを前記加熱定着回転体に押圧する
    とともに、前記ローラのうち少なくとも1つのローラを
    前記ニップ部の出口付近で前記加熱定着回転体に圧接さ
    せ、前記弾性体層に歪みを生じさせるものであることを
    特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記加圧手段が、前記加熱定着回転体
    とともに周回移動するエンドレスベルトと、該エンドレ
    スベルトの内側に配設された圧力パッドとを有し、 前記圧力パッドを前記エンドレスベルトを介して前記加
    熱定着回転体に押圧することによりニップ部を形成し、
    前記圧力パッドはニップ部の出口付近で前記弾性体層に
    歪みを生じさせるものであることを特徴とする請求項1
    に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 像担持体の表面に静電電位の差による
    静電潜像を形成する潜像形成工程と、 前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する
    現像工程と、 前記トナー像を記録シート上に転写し、加熱加圧して定
    着させる工程とを含む画像形成方法において、 前記現像工程は、前記トナーとして、 動的粘弾性特性である複素弾性率をG=G’+iG”と
    すると、損失弾性率G”(ω)が G”(ω)= 1×104 [Pa] のとき、正接損失tan δ(=G”/G’)が 0.5 ≦tan δ≦7.0 の範囲にあるものを用いるものであり、 前記トナー像を定着させる工程は、 無端状周面上に弾性体層を有する加熱定着回転体と該加
    熱定着回転体に圧接される加圧手段とによってニップ部
    を形成するとともに、前記ニップ部の出口付近で前記弾
    性体層に局所的な大きな歪みを生じさせ、該ニップ部に
    前記記録シートを通過させるものであることを特徴とす
    る画像形成方法。
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