JP2000305315A - 非線状ポリエステル系トナー用樹脂及びそれを用いたトナー - Google Patents

非線状ポリエステル系トナー用樹脂及びそれを用いたトナー

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JP2000305315A
JP2000305315A JP11648799A JP11648799A JP2000305315A JP 2000305315 A JP2000305315 A JP 2000305315A JP 11648799 A JP11648799 A JP 11648799A JP 11648799 A JP11648799 A JP 11648799A JP 2000305315 A JP2000305315 A JP 2000305315A
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Koichi Ito
弘一 伊藤
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
Koji Shimizu
浩二 清水
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電荷像または磁気潜像の現像に用いられる
乾式トナーとして、定着性、帯電安定性が良好で、加熱
定着部の汚染が少ないトナーを与えることのできる非線
状ポリエステル系トナー用樹脂及びそれを用いたトナー
を提供する。 【解決手段】 1)全酸成分に対して1〜30モル%の
3価以上の多価アルコール成分及び/又は3価以上の多
価カルボン酸成分、2)全酸成分に対して15〜110
モル%の特定構造の芳香族ジオール成分、3)全酸成分
に対して10〜110モル%の脂肪族ジオール成分及び
4)全酸成分に対して70〜100モル%の2価カルボ
ン酸成分とからなり、軟化温度が100〜170℃であ
り、酸価が0.5〜20mgKOH/gであり、加熱時
に発生する脂肪族ジオール成分3)の含有量が50pp
m以下である非線状ポリエステル系トナー用樹脂および
それをバインダーとして含有するトナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非線状ポリエステ
ル系トナー用樹脂及びそれを用いたトナーに関する。特
に、本発明の非線状ポリエステル系トナー用樹脂は、電
子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、静電荷
像または磁気潜像の現像に用いられる乾式トナーとし
て、定着性、帯電安定性が良好であり、かつ、加熱定着
部の汚染が少ないトナーを与えることができる。
【0002】
【従来の技術】電子写真印刷方法及び静電荷現像方法に
より画像を得る方法においては、感光体上に形成された
静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによ
って現像した後、定着を行う。定着方式としては、現像
によって得られたトナー像を、加圧及び加熱されたロー
ラーを用いるヒートローラー方式と電気オーブンまたは
フラッシュビーム光を用いる非接触定着方式とがある。
これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナー
はまず安定した帯電量を保持することが必要であり、次
に紙への定着性が良好である必要がある。また、装置は
加熱体である定着部を有するため、装置内での温度が上
昇してもトナーがブロッキングしないことが必要であ
る。
【0003】さらに、最近では、コピーの消費量も増
し、長時間にわたって印刷する傾向が強くなり、帯電の
安定化が必要であり、さらに長時間にわたって印刷する
ことで定着部中のトナーが長時間加熱された状態になる
ため、トナーが変質しないことが重要視されている。一
方、乾式現像方式で使用されるトナーには、2成分系ト
ナーと1成分系トナーがある。2成分系トナーは、樹
脂、着色剤、荷電制御剤およびその他必要な添加剤を溶
融混練して十分に分散させた後、粗粉砕し、次いで微粉
砕して、所定の粒度範囲に分級して製造される。また、
1成分系トナーは、上記の2成分系のトナーの各成分の
他に磁性鉄粉を添加して同様に製造される。従来、上記
のような長時間印刷時に要求されるトナーの帯電の安定
化及びトナーが変質しないための対策として、まず帯電
の安定化については、荷電制御剤の添加量及び種類によ
る調整が主に実施されてきた。また、トナーが変質しな
い対策として、加熱時に分解しない金属錯体等の荷電制
御剤及びオレフィン系の添加剤を使用してきた。しかし
ながら、トナー中に占める樹脂の比率は大きく、上記の
トナー性能は主成分として用いる樹脂に大きく影響を受
ける場合が多い。そのため、主成分である樹脂に関する
検討を行うことが必要となった。
【0004】トナーに用いられる樹脂としては、スチレ
ンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が主流である。
まず、スチレンアクリル系樹脂を用いたトナーについて
は、荷電制御剤による検討により帯電の安定化が得られ
るようになったが、長時間加熱された定着部の中で、ト
ナーが劣化し、残存モノマーなどの揮発成分が発生して
定着部を汚染し、また定着部の外にも発生するという問
題があった。さらに、スチレンアクリル系樹脂及びそれ
を用いたトナーについても、残存モノマーなどの揮発成
分の低減には限界があり、定着部での汚染を防止するこ
とはできなかった。一方、ポリエステル系樹脂を用いた
トナーについては、荷電制御剤のみでは帯電の安定化が
はかれない問題があったため、これまでは目標の帯電量
が得られるように樹脂の酸価を調整することにより対応
してきたが、未だ目標に達成していない状況にある。ま
た、ポリエステル系樹脂を用いたトナーについても、長
時間加熱された定着部の中でトナーが劣化し、副生物な
どが発生して、定着部のみを汚染するという問題がある
が、スチレンアクリル系樹脂を用いたトナーと比べる
と、その揮発成分の種類と量に関してポリエステル系樹
脂を用いたトナーの方が汚染が軽度で優位にある。した
がって、ポリエステル系樹脂を用いたトナーでの改良の
検討が多くなされており、帯電安定性と定着器内の汚染
を同時に改良することが強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、電子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、
静電荷像または磁気潜像の現像に用いられる乾式トナー
として、定着性、帯電安定性が良好であり、かつ、加熱
定着部の汚染が少ないトナーを与えることのできる非線
状ポリエステル系トナー用樹脂及びそれを用いたトナー
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テル系トナーの帯電安定性と加熱定着部の汚染防止につ
いて鋭意研究した結果、主成分として用いるポリエステ
ル系樹脂に起因する揮発成分を調整することにより、帯
電安定性と加熱定着部の汚染防止の両方を改善すること
ができ、かつ、定着性能を良好な状態にたもつことが可
能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】したがって、本発明は、1)全酸成分に対
して1〜30モル%の3価以上の多価アルコール成分及
び/又は3価以上の多価カルボン酸成分、2)全酸成分
に対して15〜110モル%の下記式(1)で示される
芳香族ジオール成分、3)全酸成分に対して10〜11
0モル%の脂肪族ジオール成分及び4)全酸成分に対し
て70〜100モル%の2価カルボン酸成分とからな
り、軟化温度が100〜170℃であり、酸価が0.5
〜20mgKOH/gであり、加熱時に発生する脂肪族
ジオール成分3)の含有量が50ppm以下である非線
状ポリエステル系トナー用樹脂を提供する。
【0008】
【化2】
【0009】(上式中、Rは炭素数3以下のアルキレン
基を表し、x及びyは式2.0≦x+y≦7.0を満足
する正の数である) 本発明は、また、上記非線状ポリエステル系トナー用樹
脂をバインダーとして含有するトナーを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、成分1)の3価
以上の多価カルボン酸成分及び/又は多価アルコール成
分としては、例えば、3価以上の多価カルボ酸成分とし
て、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シ
クロヘキサントリカルボンン酸、2,5,7−ナフタレ
ントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,
7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物
などを挙げることができる。また、多価アルコール成分
としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘ
キサテトラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
リトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5
−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロ
パントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリ
オール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒ
ドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。特に好まし
くは、トリメリット酸及び/又はその無水物、ペンタエ
リスリトール、トリメチロールプロパンであり、これら
の3価以上の多価カルボン酸成分と3価以上の多価アル
コール成分は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以
上を組み合わせて使用してもよい。これらの成分は、樹
脂を架橋または分岐化するために用いられ、その使用量
は全酸成分に対して、1〜30モル%が好ましく、特に
好ましくは4〜27モル%である。この成分1)が1モ
ル%未満のポリエステル樹脂を用いたトナーは非オフセ
ット性が劣り、逆に30モル%を越えるポリエステル樹
脂を用いたトナーは耐ブロッキング性が劣る傾向にあ
る。
【0011】本発明において、前記一般式(1)で示さ
れる芳香族ジオール成分2)としては、例えば、ポリオ
キシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオ
キシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプ
ロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.
3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種
以上を混合して使用される。芳香族ジオールはガラス転
移温度を上げる効果があるため、得られる樹脂の耐ブロ
ッキング性が良好となる。特に、2.1≦n≦8である
ポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン及び2.0≦n≦3.0で
あるポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。これらの
芳香族ジオール成分2)の使用量は、全酸成分に対して
15〜110モル%、好ましくは20〜105モル%で
ある。芳香族ジオール成分2)の使用量が15モル%未
満のポリエステル樹脂を用いたトナーは耐ブロッキング
性が損なわれ、逆に芳香族ジオール成分2)が110モ
ル%を越えるとポリエステル樹脂合成時に重合度が上が
らず、トナーの耐ブロッキング性が損なわれる傾向にあ
る。
【0012】本発明において、脂肪族ジオール成分3)
としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノール
Aなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種
以上を混合して使用される。これらの脂肪族ジオール
は、縮重合反応速度を向上せしめる作用を有する。これ
らの中でも定着性の点からエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、ブタンジオールが好ましい。脂肪族
ジオールの使用量は、全酸成分に対して10〜110モ
ル%、好ましくは15〜105モル%である。
【0013】本発明において、成分4)の2価カルボン
酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、セバシン酸、イソデシル琥珀酸、マレイ
ン酸、フマル酸、アジピン酸、及びそれらのモノメチ
ル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステルなど及び
それらの無水物が挙げられ、特に好ましくはテレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸であり、これらはそれぞ
れ単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用
してもよい。これらの成分は樹脂のTgとのバランスを
考えて使用すればよい。その使用量は全酸成分に対して
70〜100モル%、好ましくは73〜100モル%で
ある。2価カルボン酸成分4)が70モル%未満のポリ
エステル樹脂を用いたトナーは、耐ブロッキング性が劣
る。
【0014】本発明に有用な樹脂の製造においては、上
記成分1)〜4)を反応容器に投入し、加熱昇温して、
エステル化反応又はエステル交換反応を行う。次いで、
常法に従って前記反応で生じた水又はアルコールを除去
する。その後、引き続き重合反応を実施するが、このと
き150mmHg以下の真空下でジオール成分を留出除
去させながら縮重合を行う。また、エステル化反応また
はエステル交換反応、および重合に際しては、通常公知
の重合触媒、例えば、チタンブトキサイド、ジブチルス
ズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸
化アンチモン、ニ酸化ゲルマニウムなどを用いることが
できる。また、重合温度、触媒量については特に限定さ
れるものではないが、高温で副生物として発生する脂肪
族ジオール成分を低減するために比較的反応温度が低い
領域でも反応する触媒を選択することが重要である。上
記のうちでは、三酸化アンチモン、チタンブトキサイ
ド、ジブチルスズオキサイドが特に好ましい。また、ゲ
ル化反応を伴うポリエステル樹脂においては、高真空下
でジオール成分を留出除去させながら、縮重合を進めて
ゆく課程でゲル化反応が生じ、反応系内の粘度が急激に
上昇する。この粘度上昇に対応しながら、反応系内の真
空度を調整してゲル化反応を制御する方法が好ましい。
そして、所望の粘度に到達した時に反応系内の圧力を常
圧に戻し、窒素により加圧して反応容器より樹脂を取り
出すことが重要であり、高温で副生物として発生する脂
肪族ジオール成分を低減するためには、樹脂の取り出し
時間を3時間以内、特に2時間以内とすることが好まし
い。
【0015】本発明のポリエステル樹脂は、非オフセッ
ト性および耐ボイド性を良好とするため、非線状ポリエ
ステル樹脂であるのが好ましい。本発明のポリエステル
樹脂は、軟化温度が100〜170℃であることが必要
であり、好ましくは110〜165℃である。軟化温度
が100℃未満のポリエステル樹脂を使用したトナーは
非オフセット性が不良となり、逆に軟化温度が170℃
を越える樹脂を用いたトナーは定着性が不良となる。
【0016】また、本発明のポリエステル樹脂は、酸価
が0.5〜20mgKOH/gであることが必要であ
り、好ましくは0.5〜18mgKOH/gである。酸
価がこの範囲のポリエステル樹脂を用いたトナーは耐湿
性に優れ、安定した画像が得られる。さらに、本発明の
ポリエステル樹脂は、加熱時に発生する脂肪族ジオール
成分3)が50ppm以下、好ましくは30ppm以下
であることが重要である。加熱時に発生する脂肪族ジオ
ール成分3)とは、重合時に使用した脂肪族ジオール成
分が再加熱により、加水分解または熱分解により副生物
として発生するものである。その加熱条件は、加熱定着
部に近い温度である180℃が好ましく、加熱時間を1
時間とした。そのとき発生するガスをGC−MS分析
し、揮発成分を特定したものである。加熱時に発生する
脂肪族ジオール成分3)が50ppmを超える樹脂を用
いたトナーでは、長時間印刷テストを行った場合、加熱
定着部から揮発成分が発生し、油滴となり、クリーニン
グパットを汚染するという現象が発生する。
【0017】また、本発明のポリエステル樹脂のガラス
転移温度は、トナーの耐ブロッキング性と定着性の観点
から50〜70℃、特に55〜68℃であるのが好まし
い。ガラス転移温度が50℃未満の樹脂を用いた場合に
はトナーの耐ブロッキング性が不良となり、逆に70℃
を越える樹脂を用いた場合にはトナーの定着性が不良と
なる。
【0018】さらに、上述した樹脂を用いて得られる本
発明のトナーには、トナーの電荷が正及び負極性となる
荷電制御剤、オレフィン系等の離系剤、シリカ等の流動
改質剤等が添加される。本発明のトナーには、帯電量、
帯電安定性を目的として荷電制御剤が使用される。用い
られる荷電制御剤には、トナーが正極性または負極性と
なる荷電制御剤がある。まず、トナーが負極性を示す荷
電制御剤としては、例えば、含金属モノアゾ染料、銅フ
タロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属
錯体、4級アンモニウム塩、ニトロイミダーゾール誘導
体等を挙げることができ、これらは複数組み合わせて用
いられてもよく、含金属モノアゾ染料が特に好ましい。
これらの負極性を示す荷電制御剤の使用量は、全トナー
中に0.1〜3重量%、特に0.4〜2.5重量%であ
るのが好ましい。トナーが正の極性を示す荷電制御剤と
しては、例えば、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖と
して含有するフェニルメタン系染料、4級アンモニウム
塩化合物、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ポ
リアミン樹脂、イミダゾール誘導体を挙げることがで
き、これらは複数組み合わせて用いられてもよく、ニグ
ロシン染料が特に好ましい。これらの正の極性を示す荷
電制御剤の使用量は、全トナー中に0.1〜5.0重量
%、特に0.4〜4.5重量%であるのが好ましい。さ
らに、上述した正極性及び負極性の荷電制御剤を複数併
用して使用してもよい。
【0019】本発明のトナーには、ヒートローラーとの
離型性を良好とし、非オフセット性を改善する目的で離
型剤が使用される。例えば、ポリオレフィン、脂肪酸金
属塩、脂肪酸エステル、部分ケン化脂肪酸エステル、高
級脂肪酸、高級アルコール、パラフィンワックス、アミ
ドワックス、多価アルコールエステル、シリコーンワニ
ス、脂肪族フロロカーボン、シリコンオイル等が挙げら
れ、任意に1種以上を使用すればよい。これらの離型剤
の使用量は、トナー中に8重量%以下であるのが好まし
く、特に好ましくは6重量%以下である。
【0020】さらに、本発明のトナーには、着色剤、例
えば、有彩色の染料またはカーボンブラック、カーボン
ブラックの表面を樹脂で被覆しているグラフト化カーボ
ンブラックのような顔料が用いられる。トナー用の着色
剤として公知のものが全て使用可能であり、特に限定さ
れるものではない。着色剤の使用量は、トナー中に0.
1〜10重量%、特に0.5〜8重量%であるのが好ま
しい。
【0021】本発明のトナーには、さらに必要に応じ
て、流動性向上剤等が用いられる。流動性向上剤として
は、例えば、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、
チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸
ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケ
イ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベン
ガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジル
コニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、酸化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができ、特
にシリカの微粉末が好ましい。これらの流動性向上剤の
使用量は、得られるトナー微粉末に対して0.05〜
0.7重量%であるのが好ましく、特に好ましくは0.
1〜0.6重量%である。
【0022】本発明のトナーを得るための混練工程にお
いては、本発明の樹脂の軟化温度を基準に−10〜+4
0℃の条件の温度下で混練することが重要であり、特に
好ましい混練温度は−5〜+30℃である。この範囲の
温度で混練した場合、樹脂が溶融し、添加剤などの分散
が安定して得られる。また、本発明のトナーの平均粒径
は、5〜15μmであるのが好ましく、特に好ましくは
6〜13μmである。この領域の粒径を有するトナー
は、画像性に優れる。
【0023】本発明において、樹脂の軟化温度は、島津
製作所(株)製フローテスターCFT−500により、
1mmφ×10mmのノズルを用い、荷重荷重294N
(30kgf)で、昇温速度3℃/minの等速昇温下
で測定した時、サンプル1.0g中の1/2が流出した
温度を言う。また、ガラス転移温度は、示差走差熱量計
を用いて、昇温速度5℃/minで測定した時のチャー
トのベースラインとガラス転移温度近傍にある吸熱カー
ブの接線との交点の温度を言う。また、酸価に関して
は、KOH溶液による滴定法により測定した。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の実
施の形態がこれらに限定されるものではない。また、こ
れらの実施例で示される樹脂の評価基準は、以下によっ
たものである。 評価基準 1)定着性評価法 ローラー速度210mm/sに設定した温度変更可能で
ある定着試験機(複写機)を用いて評価を行い、定着性
の評価を行った。また、定着ローラーにトナーが移行し
ないときの最低温度を最低定着温度と定め、以下の基準
を用いて定着性を判断した。
【0025】 最低定着温度が120℃以下であるトナーが優れたトナー :◎ 最低定着温度が121〜140℃であるトナーが良好であるトナー :○ 最低定着温度が141〜150℃であるトナーが使用可であるトナー :△ 最低定着温度が160℃を越えるトナーが使用不可であるトナー :× 2)耐ブロッキング性 サンプル約5gを秤量し、サンプル瓶に投入してこれを
50℃に保温された乾燥機中に約24時間放置し、トナ
ーの凝集程度を評価して、耐ブロッキング性の指標とし
た。評価基準を以下の通りとした。
【0026】 サンプル瓶を逆さにするだけで分散するトナーが優れたトナー :◎ サンプル瓶を逆さにして2〜3回叩くと分散するトナーが 実用上使用可であるトナー :○ サンプル瓶を逆さにして4〜5回以上叩くと分散するトナーが 使用不可であるトナー :× 3)画像安定性 上記定着試験評価方法による耐刷テスト(1万枚)にお
いて、トナーの帯電量を基準とし画像安定性について評
価した。
【0027】 帯電量(画像濃度)が安定しているトナーが優れたトナー :◎ 初期の帯電量と最終の帯電量に若干変化があるが、 画像濃度に影響が少ないトナーが良好なトナー :○ 帯電量(画像濃度)に変化があるが、 添加剤により改良可能であるトナーが実用上使用可であるトナー :△ 画像濃度が大きく変化するトナーが使用不可であるトナー :× 4)加熱定着部の汚染評価 上記定着試験評価方法による耐刷テスト(1万枚)にお
いて、加熱定着部のクリーニングパットを取り出し、以
下の基準で汚染度を評価した。
【0028】 クリーニングパットに油滴が付着していないトナーが優れたトナー :◎ クリーニングパットに油滴が付着しているが 揮発していなトナーが使用可であるトナー :△ クリーニングパットに油滴が付着しており、 揮発しているトナーが使用不可であるトナー :× なお、以下の表において、ジオールAは、ポリオキシプ
ロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンを示す。
【0029】実施例1 表1に示される仕込み組成に従って、モノマー及び全酸
成分に対して200ppmの三酸化アンチモンを、蒸留
塔を備えた反応容器に投入した。次いで、撹拌回転数を
120rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の温度が
265℃になるまで加熱し、この温度を保持した。反応
系から水が留出し、エステル化反応が開始してから約8
時間後、水の留出がなくなり、反応を終えた。次いで、
反応系内の温度を冷却して250℃に保ち、反応容器内
の真空度が1.0mmHgになるまで約40分かけて減
圧し、反応系からジオール成分を留出させ、縮合反応を
行った後、反応の進行とともに反応系の粘度が上昇し、
粘度上昇とともに真空度を上昇させ、所望の軟化温度を
示すトルクになるまで反応を実施した。そして、所定の
トルクを示した時点で反応系を常圧に戻し、再加熱して
発生するジオール成分を低減するため、窒素により加圧
して約2時間以内に反応物を取り出し、冷却し、透明な
樹脂A〜Eを得た。この様にして得られた樹脂A〜Eを
液体ガスクロマトグラフィーにより組成分析した結果、
表1に示した樹脂組成となっていることがわかった。ま
た、樹脂の特性値を表1に示す。
【0030】次に、得られた樹脂A〜Eをそれぞれトナ
ー化した。トナーの配合には、樹脂を92重量部、カー
ボンブラック(三菱化学社製#44)を5重量部、ワッ
クス(三洋化成社製660P)を2重量部、負帯電性の
荷電制御剤(オリエント化学社製S−34)を1重量部
使用し、ヘンシェルミキサーで30分間混合した。次い
で、得られた混合物を2軸混練機で溶融混練した。溶融
混練は、混練機の内温を樹脂の軟化温度に設定して行っ
た。混練後、冷却し、トナー魂を得、ジェットミル微粉
砕機で微粉砕し、分級機でトナーの粒径を整え、粒径を
7μmとした。得られた微粉末に対して、0.25%の
シリカ(日本アエロジル社製R−972)を加え、ヘン
シェルミキサーで混合して付着させ、最終的にトナーT
A〜TEを得た。
【0031】得られたトナーTA〜TEに関して前述の
評価方法を用いてトナー評価を行った。これらトナーの
評価結果を表2に示す。表2からわかるように、加熱定
着部の汚染性に関しては、トナーTA、TB、TC、T
Eは優れており、トナーTDは良好であった。また、定
着性に関しては、トナーTB、TC、TEは優れてお
り、トナーTA、TDは良好であった。さらに、耐ブロ
ッキング性に関しては、トナーTA、TDは優れてお
り、トナーTB、TC、TEは良好であった。そして、
画像安定性に関しては、トナーTA、TB、TD、TE
は優れており、トナーTCは良好であった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】実施例2 表3に示したモノマーを使用した以外は実施例1に述べ
た操作を繰り返して樹脂F〜Hを得た。これらの樹脂の
特性値と樹脂組成を表3に示す。次に、得られた樹脂F
〜Hを用い、荷電制御剤として正帯電性荷電制御剤(オ
リエント化学社N−07)を1.5重量部使用した以外
は実施例1に述べた条件と同一の条件下にトナー化し、
トナーTF〜THを得た。さらに、実施例1に述べた条
件と同一の条件下にトナー評価を行った。その結果を表
4に示す。加熱定着部の汚染性については、トナーT
F、THは優れており、トナーTGは良好であった。定
着性に関しては、トナーTF、TGは優れており、トナ
ーTHは良好であった。また、耐ブロッキング性に関し
ては、トナーTG、THは優れており、トナーTFは良
好であった。そして、画像安定性に関しては、トナーT
F〜THのいずれも優れていた。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】比較例1 表5に示したモノマーを使用した以外は実施例1に述べ
た操作を繰り返して樹脂CA〜CCを得た。これら特性
値と樹脂組成を表5に示す。次に、得られた樹脂CA〜
CCを用い、実施例1に述べた条件と同一の条件下に、
トナー化してトナーTCA〜TCCを得、トナー評価を
行った。その結果を表6に示す。トナーTCAは、画像
安定性と定着性に優れ、加熱定着部の汚染性が良好であ
ったが、耐ブロッキング性が不良であり、実用上使用不
可であった。トナーTCBは、耐ブロッキング性に優
れ、画像安定性が良好であったが、定着性と加熱定着部
の汚染性が不良であり、実用上使用不可であった。ま
た、トナーTCCは、加熱定着部の汚染性と定着性に優
れていたが、画像安定性と耐ブロッキング性が不良であ
り、実用上使用不可であった。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明で示した
特定のポリエステル系樹脂を用いたトナーは、定着性、
帯電安定性が良好であり、かつ、加熱定着部の汚染を防
止することを可能とする。このことは、トナーを用いる
産業界を大きく発展させるものであり、本発明がかかる
産業界に与える貢献度には大きいものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 浩二 愛知県豊橋市牛川通4丁目1−2 三菱レ イヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 2H005 AA01 CA08 EA03 EA07 EA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)全酸成分に対して1〜30モル%の
    3価以上の多価アルコール成分及び/又は3価以上の多
    価カルボン酸成分、2)全酸成分に対して15〜110
    モル%の下記式(1)で示される芳香族ジオール成分、
    3)全酸成分に対して10〜110モル%の脂肪族ジオ
    ール成分及び4)全酸成分に対して70〜100モル%
    の2価カルボン酸成分とからなり、軟化温度が100〜
    170℃であり、酸価が0.5〜20mgKOH/gで
    あり、加熱時に発生する脂肪族ジオール成分3)の含有
    量が50ppm以下である非線状ポリエステル系トナー
    用樹脂。 【化1】 (上式中、Rは炭素数3以下のアルキレン基を表し、x
    及びyは式2.0≦x+y≦7.0を満足する正の数で
    ある)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した非線状ポリエステル
    系トナー用樹脂をバインダーとして含有するトナー。
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